JPH11294764A - 液体燃料燃焼器具の燃料タンク - Google Patents

液体燃料燃焼器具の燃料タンク

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JPH11294764A
JPH11294764A JP9750098A JP9750098A JPH11294764A JP H11294764 A JPH11294764 A JP H11294764A JP 9750098 A JP9750098 A JP 9750098A JP 9750098 A JP9750098 A JP 9750098A JP H11294764 A JPH11294764 A JP H11294764A
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fuel
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liquid
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JP9750098A
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Hideo Mifune
英雄 三舩
Masato Seki
正人 関
Yasuaki Nakamura
保昭 中村
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Tokai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体燃料を収容する燃料タンクの軽量化、断
熱化を図る。 【解決手段】 燃料タンク2に収容した吸液繊維材によ
る中綿3に含浸保持した液体燃料を燃焼芯6の吸上部62
で吸い上げ先端燃焼部61で燃焼させるについて、前記燃
料タンク2の少なくとも一部を紙材21a で構成し、この
紙材の内面に液体燃料に耐える被膜21b を設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコールを主体
とする液体燃料を用い、燃料タンク中に貯蔵した液体燃
料を燃焼芯によって毛管現象を利用して吸い上げ燃焼さ
せる喫煙具用ライター、着火器等の液体燃料燃焼器具に
おいて、液体燃料を含浸保持する吸液繊維材による中綿
を収容する燃料タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、喫煙具用ライター、着火器、ト
ーチ、照明具、暖房器具等の燃焼器具における燃料とし
ては、エチルアルコール等のアルコール燃料、ガソリン
を含む石油ベンジン系のベンジン燃料、ブタンガス、プ
ロパンガス等の液化ガス燃料が利用されている。
【0003】そして、使用燃料の種類に応じてそれぞれ
の燃焼器具の性能、使い勝手、設計構造が異なり、それ
ぞれの特徴を有する。
【0004】例えば、石油ベンジン系炭化水素化合物の
混合物によるベンジン燃料の場合は、この燃料がそれぞ
れ沸点の異なる化合物の混合体であり、燃焼器具に着火
した使用初期は沸点の低いベンジン成分が揮発し、順次
沸点の高い炭化水素へと揮発成分が移行するため、燃焼
時間に応じて燃焼器具内に残留する燃料組成が変化し、
このために炎長の変化を生起する、ガソリンでも同様で
ある。また、ベンジン及びガソリンは揮発性が高くこれ
を使用する燃焼器具においては、燃料貯蔵部及び燃焼芯
の部分から揮発を低減する密閉構造が必要であり、この
密閉が不十分であると燃料が揮発して失われ、燃料の補
充頻度が高く煩雑であり、さらに、このベンジン及びガ
ソリンには特有の臭いがあり、好まれない場合がある。
【0005】液化ガス燃料の場合には、燃焼器具の使用
温度範囲でガス圧が高く、燃料を貯蔵する容器は耐圧構
造が必要とされる。また、上記ガス圧の変動に応じて炎
長が変化し、特にそのガス圧は温度に対し対数的に大き
く変化する特性があり、温度に対する炎長の変化が大き
い問題を有する。この炎長変化を少なくするためには燃
焼器具の燃料供給機構に温度補償を行う特別な設計対策
を要し、構造が複雑になると共にコスト面で不利とな
る。
【0006】一方、アルコール燃料の場合には、エチル
アルコール、メチルアルコール、プロピルアルコール等
の低級1価アルコール等のアルコールを主体とする液体
燃料は常温で液体であり、蒸気圧も比較的低く、燃料貯
蔵部の耐圧容器が不要で、燃料タンク及び燃焼芯に対す
る密閉はアルコールが揮発しない程度の密閉構造でよ
く、燃焼器具の構造の簡素化、コスト面で有利となる。
【0007】また、このアルコールを主体とした液体燃
料を用いる燃焼器具では、液体燃料を燃料タンクから燃
焼部への燃料供給を行う手段として、一般には、液体燃
料の表面張力を利用して、連続細孔または細い繊維を束
ねた細隙を毛管現象により吸い上げ、先端部で燃焼させ
る燃焼芯を使用している。
【0008】そして、このような液体燃料燃焼器具の燃
料タンクとしては、金属、ガラス、プラスチック等より
なる容器がその使用目的に合わせた形状に成形されて使
用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記燃料タ
ンクは一般にプラスチックの一体成形品、金属板の絞
り、金属ビレットよりの押し出し加工による一体加工品
又はガラス容器が用いられるが、液体燃料にアルコール
等の蒸気圧の低いものを使用する場合には、燃料の蒸気
圧に対する耐圧容器は必ずしも必要としない。
【0010】また、用途向きにより携帯性を要求される
場合はできるだけ燃料タンクの軽量化を図りたい。一
方、携帯性の燃焼器具の場合、ことに喫煙具用ライター
の場合には、外囲温度の急変に対し燃料タンクの熱伝導
性が低いと、その応動性も低くなり、燃焼器具の性能変
化も少なく好ましい。つまり燃料タンク内に収容した液
体燃料の温度変化が少なく、着火性等の変化が少ないも
のとなる。
【0011】また、液体燃料燃焼器具の商品化において
は、その燃料タンクは外装されてデザイン的に多様な外
観が要求されることが多く、従って、燃料タンクの構成
材料の表面への外装の印刷、コーティング、貼り付け、
ラミネート等が容易であることが商品価値を高める点で
有利である。
【0012】本発明は上記事情に鑑み、上記のような要
求を満足し得る液体燃料燃焼器具の燃料タンクを提供せ
んとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の液体燃料燃焼器具の燃料タンクは、燃料タンクに収
容した吸液繊維材による中綿に含浸保持した液体燃料を
吸い上げ燃焼芯の先端燃焼部で燃焼させるについて、前
記燃料タンクの少なくとも一部を紙材で構成し、該紙材
の内面に液体燃料に耐える被膜を設けてなることを特徴
とするものである。
【0014】また、前記燃料タンクの少なくとも一部
を、紙材とヒートシール性の樹脂膜とのラミネート材、
又は、紙材と金属箔とヒートシール性の樹脂膜とのラミ
ネート材で構成してもよい。
【0015】一方、前記燃料タンクを、内面に液体燃料
に耐える被膜が設けられ、燃料タンクの断面形状に成形
された紙管の底部を底部材の固着により閉塞してなる構
造としてもよい。例えば、断面円筒状の紙管又はこの紙
管を側面より押しつぶし、断面形状を楕円また長方形状
に再成形して燃料タンクの形状とし、その一端にその形
状に合わせた底部材を他端には燃焼芯、芯ホルダー、着
火装置を付帯させた上蓋材を固定し、内面に液体燃料が
浸透、漏洩しない被膜を設けるものである。その際、被
膜がヒートシール性を有し底部材とヒートシールで接合
するのが好適である。また、前記紙管の内面に金属箔と
ヒートシール性の樹脂膜をラミネートしてもよい。
【0016】前記燃料タンクの紙材は、燃料タンクとし
て要求される強度を確保する材質、厚み、形状を有し、
その内面の耐燃料性被膜は収納した液体燃料が漏出又は
湿潤しないよう、液体燃料と化学反応、溶解、膨潤等を
起こさないフィルム又は塗膜を溶着、接合又はコーティ
ングし、液体燃料の紙材への浸透を阻止する。その際、
金属箔をラミネートして耐性を向上することが好まし
い。
【0017】液体燃料としてアルコールを主体とする燃
料を用いる場合に、内面コーティング或いはフィルム層
による上記液体燃料と接触する燃料容器部の内面被膜
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエス
テル、ポリアクリルニトリル、変性ポリフェニレンエー
テル、ポリフェニレンサルファイドのいずれかで構成す
るのが好適である。
【0018】喫煙具用ライター等の燃料タンクとしては
その断面形状に対し深さが深い形状となるため、断面形
状に沿わせて紙材を筒状とし、少なくとも内面には前述
のような被膜を形成し、燃料タンク底部にはプラスチッ
ク成形品の底部材又は嵌合可能にプレス加工したラミネ
ート材を用いた底部材を挿入し、溶着、接着その他によ
り密閉状態に固着する。
【0019】一般に、紙筒としては、細幅紙を傾斜巻き
し巻き重ね部を接着剤にて接着するか、プラスチックフ
ィルムの熱溶着により形成したいわゆる紙管が汎用され
ている。断面形状が楕円形状の場合、そのままの芯材を
用いて細幅紙を巻き付けて紙管を構成できるが、円筒状
の紙管を楕円形状に押しつぶして形成することも可能で
ある。また、上記のように細幅紙を傾斜巻きとせずに、
所定幅の帯紙をそのまま断面形状に沿わせて巻き付けそ
の合わせ部を接着することも可能である。
【0020】さらに、板紙を内面に必要に応じて金属箔
を介して樹脂膜をラミネートした素材で燃料タンク形状
に形成してもよい。その接合部分は熱溶着で接合すれば
よい。
【0021】なお、燃焼芯としては、前記繊維材と接触
して液体燃料を吸い上げる吸上部と着火燃焼する先端燃
焼部とが同一材料で一体形成したもの、又は、吸上部と
燃焼部とを別材料で分離形成したものが、液体燃料燃焼
器具の用途等に応じて適宜使用される。
【0022】アルコールを主体とする液体燃料として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコールまた
はプロピルアルコールによる低級1価アルコールを主成
分とし、これに炎に着色するためのヘキサンまたはヘプ
タン等の飽和炭化水素を混合したものが使用される。
【0023】
【発明の効果】本発明の液体燃料燃焼器具の燃料タンク
によれば、紙材を主体としその内面に液体燃料に耐える
被膜を設けたことにより、液体燃料を用いた燃焼器具の
燃料タンクを作製することが可能となり、この燃料タン
クを使用することにより従来の金属或いはプラスチック
成形の燃料タンクに較べ軽量化を図ることができる。
【0024】また、燃料タンクに紙材を使用することに
より、従来の金属或いはプラスチック成形の燃料タンク
に較べ熱伝導率が小さくなり、これにより喫煙具用ライ
ターの場合、ポケット等着衣に携帯し外気温より保温さ
れたものを、外気中に取り出し、使用の際に外気温によ
りライター本体の温度の変化速度を緩和することがで
き、ライターの着火性能、蒸気圧変化等も良好な状態を
維持することができる。
【0025】さらに、従来のプラスチック成形燃料タン
クの場合、その素材の熱変形温度が比較的低く、外囲温
度或いは局部加熱に対して変形して極端な場合には燃料
漏れを招く可能性があるが、紙を主体とした燃料タンク
では耐熱性が高く形状の安定性はよい。
【0026】また、燃料タンクの外面は紙材又は樹脂膜
等とすることにより、表面への外装の印刷、コーティン
グ、貼り付け、ラミネート等が容易に行え、デザイン的
な多様性に適応でき商品価値を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液体燃料燃焼器具
における燃料タンクの各実施の形態を図面に沿って説明
する。
【0028】<第1の実施の形態>図1に本例の燃料タ
ンクを備えた液体燃料燃焼器具としての喫煙具用ライタ
ーの概略断面構造を示し、図2には燃料タンクの分解図
を示す。
【0029】ライター1は、紙材を主体とする筒状の筒
部21と底部のプラスチック製の底部材22とからなる
燃料タンク2を有し、この燃料タンク2の内部には液体
燃料を含浸保持する吸液繊維材よりなる中綿3が配置さ
れ、燃料タンク2の上部には上蓋4が固着されている。
上記中綿3は燃料タンク2の底部側に配設され、上部に
空間が形成されている。
【0030】前記上蓋4を燃料タンク2内に垂直に貫通
して金属製の芯ホルダー7が固定され、この芯ホルダー
7に燃焼芯6が貫通保持されている。燃焼芯6は、上記
芯ホルダー7から上方に突出する先端の燃焼部61と、
下方の前記中綿3に接触する吸上部62とが後述の素材
により一体に形成されている。
【0031】また、前記上蓋4には燃焼芯6の燃焼部6
1の先端と対向して着火部材10が配設される。この着
火部材10は上蓋4と一体に設けられた上下に延びるブ
ラケット41内に上下方向に移動可能に発火石11及び
石押しスプリング12が挿入され、ブラケット41の上
端部両側の支柱42にはヤスリ車13及び横車14が回
転可能に支持され、該ヤスリ車13の周面ヤスリに発火
石11の先端が石押しスプリング12の付勢力によって
押圧される構造に設けられ、横車14の回転操作によっ
て燃焼芯6に向けて火花が飛ぶように設けられている。
【0032】さらに、前記上蓋4の上部には、揮発防止
用の閉塞キャップ16が開閉可能に設けられている。こ
の閉塞キャップ16は上蓋4の上面の一端部にピン17
によって回動可能に枢支され、閉塞キャップ16の内面
には、前記芯ホルダー7の外周部を囲繞し、燃焼部61
を覆って密閉する内キャップ16aが設けられている。
また、上記芯ホルダー7の外周根元部分には水平にOリ
ング19が取り付けられ、内キャップ16aの内周面に
圧接して密閉性を高めている。
【0033】前記芯ホルダー7には、前記閉塞キャップ
16が閉じられた際に、前記内キャップ16aの内側と
なる位置に、燃料タンク2の内部と外部とを連通する通
気孔20が設けられている。
【0034】そして、前記燃料タンク2は、図2のよう
に、断面が略楕円形状の紙材による筒部21と該筒部2
1の下端部に固着された蓋状の底部材22とで構成され
る。
【0035】上記筒部21は、厚さ0.2mmの細帯紙を
肉厚が1mmとなるように円筒状に傾斜巻きした紙管21
aの内面に、ポリエチレンをコーティングしてヒートシ
ール性を有する被膜21bを形成した後、断面が楕円形
になるように押しつぶして成形してなる。また底部材2
2は、底壁22aの外周に外周面が楕円形状のフランジ
22bを有するポリエチレン樹脂による成形品である。
【0036】そして、前記筒部21の下端開口部に底部
材22を嵌合すると共に、上端開口部には前記上蓋4の
下端部を嵌合し、それぞれ超音波溶着によって筒部21
内面の被膜21bと底部材22のフランジ22b周面及
び上蓋4の下端周面とを接合し、燃料タンク2を構成し
てなる。なお、前記上蓋4又は底部材22を嵌合する前
に、燃料タンク2内部には中綿3及び燃焼芯6を収容し
ている。この燃料タンク2の内容積は8cm3となるよう
に設けられている。
【0037】また、上記中綿3の繊維材は、繊維幅50
μm、繊維厚さ15μmの針葉樹パルプを使用してい
る。この中綿3を燃料タンク2内に充填した際、その密
度が0.07g/cm3となるよう、前記燃料タンク2内
に燃焼芯6と一体化された状態で装填される。燃料タン
ク2内に装填された中綿3の容積は7cm3となってい
る。この中綿3にエチルアルコール95wt%、n−ヘ
キサン5wt%を混合した液体燃料が注入含浸されて貯
蔵される。
【0038】前記燃焼芯6はセラミック繊維で形成さ
れ、例えば、太さが2.8μmのアルミナとシリカを主
体とした原料を繊維化したセラミック繊維に、微量の有
機質のバインダーを加えて繊維密度が0.16g/cm3
となるよう板状に成形し、これを切断して、断面が3mm
×3mmの角形で、長さが70mmの棒状に設けられたもの
を、内径が4.0mmφ、外径が6.0mmφ、長さが9.
0mmの前記芯ホルダー7に挿入している。この燃焼芯6
の燃焼部61は、芯ホルダー7の上端面からの突出し長
さが3mmになるように固定され、吸上部62は下端から
45mmの長さが前記中綿3に挿入されている。
【0039】なお、前記燃焼芯6の少なくとも燃焼部6
1の外周面には、多孔質でかつ液体燃料の浸透性が内部
素材より低い外皮層63が被覆され、炎の形状が細くな
るように設けられている。この外皮層63は燃焼芯6の
上端から10mmの側面に形成され、燃焼部61の上端面
及び吸上部62の側面には前記セラミック繊維の面が露
出している。
【0040】そして、上記のような燃焼芯6は、吸上部
62によって中綿3に含浸された液体燃料を、毛管現象
を用いて吸い上げるもので、吸い上げた液体燃料を燃焼
部61に供給し、芯ホルダー7より上方に突出した燃焼
部61に着火され炎を生じて燃焼する。
【0041】上記のように、燃料タンク2の筒部21を
紙材で構成することにより軽量化、断熱化が図れる。軽
量化及び断熱化の効果については後述の実験例で具体的
に説明する。
【0042】<第2の実施の形態>図3に本例の燃料タ
ンクを備えたライターの全体構造を、図4に燃料タンク
部分の分解図及び接合部分の断面図を示す。
【0043】燃料タンク2は、紙材を主体とする筒部2
3と底部材24とからなる。筒部23は、厚さ1mmの板
紙23aの片面に金属箔23b(アルミ箔)がラミネー
トされ、さらにその両面にポリエステルの樹脂膜23c
がラミネートされたシートを、金属箔23bを内側にし
て楕円筒状に巻き、上下方向に延びる接合部を溶着して
なる。
【0044】上記筒部23の接合部分は、図4(B)に示
すように、内側となるシート端部の外面の板紙23aを
樹脂膜23cと共に略1/2の厚さとなるようにそぎ落
とし、その薄くなった部分を外側に折り返して紙材23
aを重ね合わせてから、外側となる他方のシート端部の
内面とを接触させて両者の樹脂膜23cを超音波溶着す
る。これにより、内側のシート端部は内面側の樹脂膜2
3c及び金属箔23bが巻き込まれて紙材23aの端面
が液体燃料に対して露出せず、収容した液体燃料が紙材
23aに浸透しないようにし、この接合部分からの液体
燃料の揮発防止を図っている。
【0045】一方、前記底部材24は、厚さ1mmの板紙
の片面(燃料タンク2の内側となる面)にアルミ箔がラ
ミネートされ、さらにその両面にポリエステルの樹脂膜
がラミネートされた筒部23と同様のシートで形成さ
れ、このラミネート材をプレス成形して外周面が楕円形
状の底壁24aと下端のフランジ24bを有する蓋状に
形成されている。
【0046】そして、前記筒部23に対して、下端開口
部に底部材24を嵌合し、上端開口部にポリエステルの
成形品からなる上蓋4を嵌合し、超音波溶着して一体化
してなる。その他は第1の実施の形態と同様である。
【0047】本実施形態の燃料タンク2では、板紙23
aへの金属箔23bのラミネートにより紙管によらない
ものでの強度を高めていると共に、液体燃料に対する浸
透防止効果、通気遮断効果が高まる。また、底部材24
についても紙材で形成することで、さらなる軽量化が図
れる。
【0048】なお、底部材24は第1の実施の形態と同
様にプラスチック成形品で構成してもよい。
【0049】<第3の実施の形態>図5に本例の燃料タ
ンクの分解図を示す。この例では、燃料タンク2におけ
る筒部23の上下方向に延びる接合部分の構造が異な
り、その他は第2の実施の形態と同様である。
【0050】すなわち、本例の燃料タンク2は、紙材に
よる筒部23と底部材24とからなる。筒部23は、前
記図3(B)のように厚さ1mmの板紙23aの片面に金属
箔23b(アルミ箔)がラミネートされ、さらにその両
面(内面のみでもよい)にポリエステルの樹脂膜23c
がラミネートされたシートを、金属箔23bを内側にし
て楕円筒状に巻き、外側に突出した突き合わせ状の接合
部26を溶着してなる。この筒部23の接合部26は、
楕円状に湾曲させたラミネートシートのシート端部を外
側に折り曲げて突き合わせ、両者の内面樹脂膜23cを
相互に超音波溶着してなる。
【0051】これにより、筒部23の内面には板紙23
aの端面が液体燃料に対して露出せず、接合部分から外
部への液体燃料の揮発防止を図っている。
【0052】底部材24は、第2の実施の形態と同様に
形成され、前記筒部23に対して、下端開口部に底部材
24を嵌合し、上端開口部にポリエステルの成形品から
なる上蓋4を嵌合し、それぞれ超音波溶着して一体化し
てなる。
【0053】次に、上記のように構成した燃料タンク2
における軽量化、熱特性を求めた結果を表1に示す。こ
の表1には、各種素材の比重及び燃料タンクとした場合
の重量を示すと共に、各種素材の熱伝導率及び熱変形温
度をそれぞれ示している。なお、表中における樹脂の略
称は、PET:ポリエチレンテレフタレート、PE:ポ
リエチレン、PP:ポリプロピレン、PC:ポリカーボ
ネイト、PA:ポリアミド(ナイロン)、PS:ポリス
チレンである。
【0054】
【表1】
【0055】この表1から、紙(ボール紙)による燃料
タンクは、他の素材に較べて比重が小さく、体積が4.
63cm3の燃料タンクを形成した場合の重量が3.7g
となり、例えば、ポリプロピレンによる液化ガス燃料用
の燃料タンクでは4.2gとなるのに対して軽量化がで
き、その他の素材に較べても軽量となる。
【0056】また、熱伝導率についても、紙(ボール
紙)はポリプロピレンと同様に低い値であり、外囲温度
の変化を内部の液体燃料に伝達しにくいものとなり、後
述の実験例で示すように低温状態に放置された場合にも
燃料温度の低下を抑制して良好な着火性能が維持でき
る。
【0057】さらに、耐熱温度については、各種樹脂素
材では温度上昇に対して70〜125℃で熱変形が生じ
て、燃料タンク内部の液体燃料が漏れたりする原因とな
るが、紙は291℃の発火点までは熱変形を生じること
なく耐熱温度が高い。このように紙材による燃料タンク
は各種の優れた特性を有するものである。
【0058】<実験例>次に、図6は前記第1の実施の
形態のように紙製の燃料タンクによるライターと、その
燃料タンクをPET製としたライターとを用意し、23
℃の雰囲気から0℃の雰囲気に放置した際の着火率の経
時変化を求めたものである。
【0059】上記着火率は、所定の経過時期に行った複
数回の着火テストで、1回又は2回の着火操作によって
着火した比率を示すものであり、紙製燃料タンクによる
ライターでは前述のように熱伝導率が低いことにより、
0℃に急冷されても内部の液体燃料の温度低下が緩やか
で燃焼芯の近傍に揮発した燃料が存在することで、着火
率の低下がPET製燃料タンクのものより緩やかとな
り、良好な特性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における燃料タンク
を備えた液体燃料燃焼器具の一例としての喫煙具用ライ
ターの概略断面図及び燃料タンクの部分拡大図
【図2】図1の燃料タンク部分の分解斜視図
【図3】第2の実施の形態における燃料タンクを備えた
液体燃料燃焼器具の一例としての喫煙具用ライターの概
略断面図及び燃料タンクの部分拡大図
【図4】図3の燃料タンク部分の分解斜視図及び接合部
分の拡大断面図
【図5】第3の実施の形態における燃料タンクの分解斜
視図
【図6】喫煙具用ライターを23℃から0℃に放置した
ときのタンク材質による着火率の経時変化を求めた実験
例の結果を示すグラフ
【符号の説明】
1 ライター(液体燃料燃焼器具) 2 燃料タンク 21,23 筒部 21a 紙管 21b 被膜 23a 板紙 23b 金属箔 23c 樹脂膜 22,24 底部材 22a,24a 底壁 22b,24b フランジ 3 中綿 4 上蓋 6 燃焼芯 61 燃焼部 62 吸上部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクに収容した吸液繊維材による
    中綿に含浸保持した液体燃料を吸い上げ燃焼芯の先端燃
    焼部で燃焼させる液体燃料燃焼器具において、 前記燃料タンクの少なくとも一部を紙材で構成し、該紙
    材の内面に液体燃料に耐える被膜を設けてなることを特
    徴とする液体燃料燃焼器具の燃料タンク。
  2. 【請求項2】 前記燃料タンクの少なくとも一部が紙材
    とヒートシール性の樹脂膜とのラミネート材からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 【請求項3】 前記燃料タンクの少なくとも一部が紙材
    と金属箔とヒートシール性の樹脂膜とのラミネート材か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  4. 【請求項4】 前記燃料タンクが、内面に液体燃料に耐
    える被膜が設けられ、燃料タンクの断面形状に成形され
    た紙管の底部を底部材の固着により閉塞してなることを
    特徴とする請求項1に記載の燃料タンク。
  5. 【請求項5】 前記被膜がヒートシール性を有し、底部
    材とヒートシールで接合されたことを特徴とする請求項
    4に記載の燃料タンク。
  6. 【請求項6】 前記紙管の内面に金属箔とヒートシール
    性の樹脂膜がラミネートされていることを特徴とする請
    求項4又は5に記載の燃料タンク。
  7. 【請求項7】 円筒状に成形した紙管を、必要とされる
    燃料タンクの断面形状に再成形したことを特徴とする請
    求項4又は5に記載の燃料タンク。
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