JPH11294193A - ステップモータ式弁装置及びその異常判定方法 - Google Patents

ステップモータ式弁装置及びその異常判定方法

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JPH11294193A
JPH11294193A JP10664798A JP10664798A JPH11294193A JP H11294193 A JPH11294193 A JP H11294193A JP 10664798 A JP10664798 A JP 10664798A JP 10664798 A JP10664798 A JP 10664798A JP H11294193 A JPH11294193 A JP H11294193A
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JP
Japan
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valve
step motor
state
switch
throttle valve
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JP10664798A
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English (en)
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Yoshiyasu Ito
嘉康 伊藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Stepping Motors (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】確認処理、あるいは異常検出にかかる処理精度
を高め、より信頼性の高い弁制御を行うことができるス
テップモータ式弁装置及びその異常判定方法を提供す
る。 【解決手段】ステップモータ40のステップ数に基づき
開度制御される吸気絞り弁4には、全開位置でオン・オ
フ状態が切り替わる全開スイッチ39が設けられてい
る。電子制御装置19は、全開位置よりも更に開弁側の
開度位置で、ステップモータ40のステップ位置と全開
スイッチ39のオン・オフ状態とを対比し、ステップモ
ータ40が脱調しているか否かを確認する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステップモータに
よって開閉駆動されるステップモータ式弁装置、特にデ
ィーゼル機関の吸気絞り弁に適用して好適な弁装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の出力調整は主に燃料噴
射量制御によって行われるため、従来、吸入空気量制御
には、あまり高い精度は要求されなかった。しかしなが
ら、近年高まりつつあるエミッション向上の要求を満た
すためには、大量の排気ガス還流(以下「EGR」とい
う)装置を通じて大量のEGR量を確保することが必要
となってきており、また、こうして大量のEGR量を確
保するためには、ディーゼル機関への吸入空気量そのも
のを細密に制御する必要が生じるようにもなってきてい
る。そして、こうした細密な吸入空気量制御を可能とす
るために、アクセルペダルとは連動せずに独立して、し
かも高精度の開度制御が可能なステップモータ式吸気絞
り弁装置の開発が進められている。
【0003】こうした弁装置では、吸気絞り弁の軸に駆
動連結されたステップモータを備え、該ステップモータ
の所定のステップ位置を基準として、その位置から同モ
ータを回動させたステップ数に基づき上記吸気絞り弁を
開閉駆動することでその開度制御が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした装
置によって吸気絞り弁の開度制御を行うには、ステップ
モータのステップ位置と吸気絞り弁の開度とが常に対応
している必要がある。しかしながら、こうした弁装置に
あっては、ステップモータの脱調等に起因して上記ステ
ップモータのステップ位置と吸気絞り弁の開度との対応
関係がくずれることがある。このため通常、こうした弁
装置では、ステップモータのステップ位置から把握され
る制御上の吸気絞り弁の開度位置と実際の開度位置とが
一致していることを確認する必要がある。
【0005】なお従来、例えば特開平3−57852号
公報に記載の態様でこうした確認処理を行うステップモ
ータ式弁装置も知られてはいるが、その確認処理精度に
対する以下のような不都合も無視できないものとなって
いる。
【0006】すなわち同装置にあっては、吸気絞り弁の
所定の開度においてオン・オフ状態の切り替えが行われ
るスイッチを設け、同スイッチのオン・オフ状態が切り
替わった時点におけるステップモータのステップ位置を
基準ステップ位置として、吸気絞り弁の開度とステップ
モータのステップ位置との対応を確認し、あるいは異常
を検出するようにしているが、こうしたスイッチには通
常、オン・オフ状態の切り替わりに際してチャタリング
が発生することがあるため、こうしたチャタリングによ
って誤った確認、あるいは異常検出が行われる可能性が
あった。なお、上記吸気絞り弁に限らず、ステップモー
タ式の弁装置にあっては、上記確認処理にかかるこうし
た実情も概ね共通したものとなっている。
【0007】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、確認処理、あるいは異常検出に
かかる処理精度を高め、より信頼性の高い弁制御を行う
ことができるステップモータ式弁装置及びその異常判定
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、弁に駆動連結されたステ
ップモータの所定のステップ位置を基準としたステップ
数制御に基づき前記弁を開閉せしめるステップモータ式
弁装置において、前記弁の所定の開度位置でオン・オフ
状態が切り替わるスイッチ手段と、前記スイッチ手段の
オン・オフ状態が切り替わる弁の開度位置よりも更に同
スイッチ手段の切り替わり後の状態が維持される方向に
進めたステップ位置にて前記スイッチ手段のオン・オフ
状態を確認する確認手段と、を備えることをその要旨と
する。
【0009】前述のように、スイッチ手段には通常チャ
タリングが発生することがあり、弁の開度とステップモ
ータのステップ位置との対応の確認が正確に行えないこ
とがあるが、上記構成では、スイッチ手段のオン・オフ
状態が切り替わる開度位置よりも更に同スイッチ手段の
切り替わり後の状態が維持される方向に進め、同スイッ
チ手段のオン・オフ状態が確実に切り替わるステップ位
置において確認が行われる。そのため、スイッチ手段の
チャタリングの影響は好適に回避され、確認処理、ある
いは異常検出にかかる処理精度を高め、より信頼性の高
い弁制御を行うことができるようになる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のステップモータ式弁装置において、前記スイッ
チ手段のオン・オフ状態が切り替わるステップ位置より
も同スイッチ手段の切り替わる手前のステップ位置にお
いて、同スイッチ手段のオフ・オン状態を確認する異常
確認手段を更に備えることをその要旨とする。
【0011】正常な状態であれば、スイッチ手段の切り
替わるステップ位置よりも手前のステップ位置では、ス
イッチ手段の状態は切り替わる以前の状態にあり、前記
確認手段によって確認される状態と反対の状態となって
いるはずである。すなわち、切り替わり後にオン状態と
なるならば手前のステップ位置ではオフ状態に、切り替
わり後にオフ状態となるならば手前ではオン状態になっ
ている。上記構成によれば、スイッチ手段の状態が切り
替わるステップ位置より手前のステップ位置で、切り替
わり後の状態(オン・オフ状態)と反対の状態(オフ・
オン状態)にあることを確認している。こうした確認を
行うことで、弁装置の異常の検出精度をさらに高めるこ
とができるようになる。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載のステップモータ式弁装置において、前記異常確
認手段は、前記確認手段が前記スイッチ手段のオン・オ
フ状態を確認するステップ位置よりも前記ステップモー
タの励磁相変更周期の1周期分手前のステップ位置で前
記スイッチ手段のオフ・オン状態を確認することをその
要旨とする。
【0013】ステップモータに脱調が発生した場合に
は、ステップモータのステップ位置より把握される制御
上の弁の開度位置とスイッチ手段のオン・オフ状態より
把握される実際の弁の開度位置との間には、ステップモ
ータの励磁相変更周期の1周期分単位で誤差が生じる。
ステップモータが1周期分だけ脱調してスイッチ手段の
切り替わり位置が本来の位置よりも1周期分だけ手前側
となった場合を想定して、前記確認手段によって確認が
行われる位置よりもステップモータの励磁相変更周期の
1周期分だけ手前のステップ位置でスイッチ手段の状態
を確認している。その結果、上記想定されるスイッチ手
段の切り替わり位置よりも、さらに同スイッチ手段の切
り替わり後の状態が維持される方向に進めた位置でスイ
ッチ手段の状態の確認が行われる。したがって、上記の
想定される状況に際しても前記確認手段と同様にチャタ
リングの影響は好適に回避され、確実且つ早期に異常検
出を行うことができるようになる。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかに記載のステップモータ式弁装置におい
て、前記弁はディーゼル機関の吸気絞り弁であり、前記
スイッチ手段のオン・オフ状態が切り替わる前記弁の所
定の開度位置は同弁の全開位置若しくはその近傍である
ことをその要旨とする。
【0015】同構成によれば、吸気絞り弁が全開位置若
しくはその近傍にあるときに上記確認あるいは異常検出
の処理が行われるため、該処理中もディーゼル機関の燃
焼室には必要量以上の吸入空気量が確保されるようにな
る。すなわち、ディーゼル機関の始動や運転に支障をき
たすことなく、上記の確認あるいは異常検出を行うこと
ができるようになる。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、弁に駆動
連結されたステップモータの所定のステップ位置を基準
としたステップ数制御に基づき前記弁を開閉せしめるス
テップモータ式弁装置の異常判定方法であって、前記弁
の所定の開度位置でオン・オフ状態が切り替わるスイッ
チのオン・オフ状態を前記所定の開度位置の前後で検出
し、その状態が同一であるときにシステム異常と判定す
ることをその要旨とする。
【0017】正常であればスイッチの状態が切り替わる
ステップ位置の前後ではそのオン・オフ状態は反対とな
っているはずであるため、上記構成のようにスイッチの
オン・オフ状態が同一であれば、異常発生を検出するこ
とができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるステップモ
ータ式弁装置をディーゼル機関の吸気絞り弁に適用した
一実施の形態について、詳細に説明する。
【0019】まず、本実施の形態にかかる弁装置が設け
られたディーゼル機関の概要について、図1に基づき説
明する。ディーゼル機関1の燃焼室12には、図示しな
い吸気バルブを介して吸気通路2が接続されている。こ
の吸気通路2には、上流側より、吸入空気を濾過するエ
アクリーナ3、吸入空気の圧力(大気圧)を検出するた
めの圧力センサ6、同吸入空気の温度を検出するための
吸気温センサ78、燃焼室12内に導入される吸入空気
量を調整するための吸気絞り弁4が設けられいる。
【0020】吸気絞り弁4は、ステップモータ40及
び、このステップモータ40と吸気絞り弁4とを駆動連
結するギア群を中心として構成される駆動機構5によっ
て開閉駆動される。なお、ステップモータ40は、ディ
ーゼル機関1の各種制御を行うための電子制御装置(以
下「ECU」という)19によって駆動制御される。ま
た、上記駆動機構5には、吸気絞り弁4が全開近傍の所
定位置よりも開き側に位置することでオン状態となる全
開スイッチ39が設けられている。
【0021】一方、吸気通路2にあって吸気絞り弁4の
更に下流側には、上記燃焼室12に図示しない排気バル
ブを介して接続される排気通路7から分岐して同吸気通
路2に合流するEGR(排気ガス還流)通路8が接続さ
れている。このEGR通路8には、上記ECU19によ
って制御されるダイアフラム等のアクチュエータ10に
よって開閉駆動されるEGR制御弁9が設けられてい
る。前記吸気絞り弁4によって吸入空気量を、またこの
EGR制御弁9によってEGR量をそれぞれ調整するこ
とで燃焼室12内に導入される吸入空気量に対するEG
R量の割合、すなわちEGR率を自在に設定することが
可能となる。すなわち、ディーゼル機関1の全運転領域
にわたって適切なEGR制御を行うことができるように
なる。
【0022】ところで、ディーゼル機関1の副燃焼室1
3には、燃料を噴射するための噴射ノズル11が設けら
れている。この燃料噴射ノズル11は、燃料噴射ポンプ
14に接続されている。この燃料噴射ポンプ14は、デ
ィーゼル機関1の出力軸23の回転に基づき駆動されて
前記噴射ノズル11に対し燃料を加圧供給する。また、
この燃料噴射ポンプ14は、噴射ノズル11から噴射さ
れる燃料の噴射時期や噴射量を調整するタイマコントロ
ールバルブ15及びスピル弁16を備えている。これら
タイマコントロールバルブ15及びスピル弁16も前記
ECU19によってその作動が制御される。
【0023】なお、燃料噴射ポンプ14内には、ディー
ゼル機関1の出力軸の回転に同期して回転するロータ
(図示しない)が設けられるとともに、このロータの外
周面に形成された凸部を検出してその回転速度に対応し
たパルス信号を出力する電磁ピックアップからなる回転
数センサ17が設けられている。この回転数センサ17
の出力は、ディーゼル機関1の回転数の算出に寄与する
信号として前記ECU19に取り込まれる。
【0024】その他、ECU19には、上記圧力センサ
6によって検出される大気圧情報や吸気温センサ78に
よって検出される吸気温度情報をはじめ、アクセル開度
センサ18によって検出されるアクセル開度情報(アク
セルペダルの踏み込み量情報)やIG(イグニッショ
ン)スイッチ20のオン・オフ情報、スタータスイッチ
21のオン・オフ情報、水温センサ77によって検出さ
れる冷却水温度情報等も併せて取り込まれるようになっ
ている。
【0025】次に、前記吸気絞り弁4を開閉させる駆動
機構5の詳細について、図2〜図4に基づき説明する。
なお、図2は吸気絞り弁4及びその駆動機構5の側部断
面構造を、図3は同駆動機構5の正面構造を、図4は同
駆動機構5内に設けられた被動ギア29及びその周辺部
の部分断面構造を示している。
【0026】図2に示されるように、吸気通路2の開口
面積を可変とし、同通路2内を流れる吸入空気量を調整
するための吸気絞り弁4は、弁軸26に一体回動可能に
固定されている。この弁軸26は、前記吸気通路2に連
結されたスロットルボディ25に回動可能に支持されて
いる。この弁軸26の一端(図2の上方端)は、リター
ンスプリング27を介して上記スロットルボディ25に
連結されている。そして、弁軸26並びに吸気絞り弁4
は、このリターンスプリング27の付勢力によって、吸
気絞り弁4を開弁させる方向に付勢されている。
【0027】一方、弁軸26のもう一端(図2の下方
端)には、スロットルボディ25に装着されたギアボッ
クス28内に設けられた被動ギア29が一体回動可能に
取り付けられている。この被動ギア29は、上記ギアボ
ックス28内に設けられた支軸35に回動可能に支持さ
れた第2中間ギア37と噛合している。また、上記支軸
35には、この第2中間ギア37と一体回動する第1中
間ギア36が取り付けられている。この第1中間ギア3
6は、前記ギアボックス28に装着されたステップモー
タ40の出力軸41に一体回動可能に取り付けられた駆
動ギア38と噛合している。すなわち、ステップモータ
40によって駆動される出力軸41の回動は、前記駆動
ギア38,第1中間ギア36,第2中間ギア37及び被
動ギア29を介して弁軸26に伝達される。そして、同
弁軸26の回動によって前記吸気絞り弁4が開閉駆動さ
れる。
【0028】なお、前記弁軸26には、図3に示すよう
に、2本のアーム部32a及び32bを備えるレバー3
2が回動可能に装着されている。このレバー32は、リ
リーフスプリング31を介して前記被動ギア29に連結
されている。レバー32は、このリリーフスプリング3
1の付勢力によって、被動ギア29に対して図3の反時
計回り方向に付勢されている。また、レバー32に設け
られたアーム部の一方32bは、L字状に曲折し、被動
ギア29側に延伸されている。このアーム部32bの先
端部は、図4に示すように、被動ギア29に形成された
溝部30内に係合されている。そして、レバー32は被
動ギア29に対して、溝部30とアーム部32bの先端
部との間隙分だけ相対回動可能となっている。ただし通
常、アーム部32bの先端部は、リリーフスプリング3
1の付勢力によって、この溝部30の弁軸26を中心と
した反時計回り方向側の側壁と当接している。そしてこ
の状態で、被動ギア29とレバー32とは一体となって
回動される。
【0029】また、レバー32に設けられたもう一方の
アーム部32aの先端部には、ギアボックス28内に設
けられた全開スイッチ39と当接可能な押圧部33が設
けられている。この押圧部33は、吸気絞り弁4の全開
位置において全開スイッチ39と当接し、全開スイッチ
39をオンとすることが可能である。なお、本実施の形
態において、吸気絞り弁4は、上記全開位置よりも更に
開き側方向に回動可能となっている。ここでいう全開位
置とは、吸気通路2の開口面積が最大となるときの吸気
絞り弁4の位置のことである。そして、吸気絞り弁4を
全開位置より更に開き側方向に駆動していくと、やがて
図示しないストッパによりそれ以上の開駆動が制限され
るようになる。以下では、このときの吸気絞り弁4の位
置を最大開度位置ということとする。
【0030】さらに、ギアボックス28と反対側のシャ
フト部には、図示しない全閉ストッパが設けられてい
る。この全閉ストッパは、吸気絞り弁4が全閉位置とな
る位置でストッパと当接し、レバー32の吸気絞り弁4
の閉方向側への回動を規制する。なお、ここでいう全閉
位置とは吸気通路2の開口面積が最小、すなわち0とな
るときの吸気絞り弁4の位置をいうこととする。ただ
し、このとき被動ギア29は、全閉位置より更に閉方向
側へと回動可能である。前記ストッパが当接してレバー
32の回動が規制された位置から更に被動ギア29が閉
方向側に回動した場合、前記リリーフスプリング31の
付勢力によって、被動ギア29は開方向側に付勢される
ようになる。
【0031】次に、前記ディーゼル機関1の制御系統を
示す電気回路構成について、図5に示すブロック図に基
づき説明する。ECU19は、ディーゼル機関1の燃料
噴射量制御、燃料噴射時期制御、EGR制御、吸入空気
量制御等のための各種制御プログラムや、各種条件に対
応した値を算出するためのマップ等を記憶した読み出し
専用メモリ(ROM)61を備えている。また、ECU
19は、このROM61内に記憶されたプログラムに基
づき演算処理を実行する中央演算装置(CPU)60
と、このCPU60での演算結果や各センサ等から入力
されたデータを一時的に記憶するためのランダムアクセ
スメモリ(RAM)62と、必要なデータをECU19
への電源供給遮断時にも保持するためのバックアップR
AM63等を備えている。これらCPU60,ROM6
1,RAM62及びバックアップRAM63は、バス6
4を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路6
6及び外部出力回路67とも接続されている。
【0032】一方、ECU19において、前記圧力セン
サ6及びアクセル開度センサ18、水温センサ77、吸
気温センサ78からの入力信号は、バッファ69内に一
時的に格納される。各バッファ69内に格納された入力
信号は、マルチプレクサ68によってCPU60の指令
に基づき順次選択され、A/D変換器65によってデジ
タル信号に変換された後、上記外部入力回路66へと送
られる。また、回転数センサ17からのパルス状の入力
信号は、波形整形回路71によって2値化された後、外
部入力回路66へと送られる。更に、IGスイッチ2
0、スタータスイッチ21及び全開スイッチ39の状態
も、それらスイッチのオン・オフ情報として送られる。
なお、IGスイッチ20は、機関の始動・停止を制御す
るためのスイッチであり、機関始動時にオンとなり、停
止時にオフとなる。また、スタータスイッチ21は、機
関を始動させるスタータモータを駆動するためのスイッ
チであり、同スタータモータの回転時にはオンとなり、
停止時にはオフとなる。
【0033】一方、ECU19の外部出力回路67に
は、前記ステップモータ40の駆動回路72、前記EG
R制御弁9を開閉駆動するアクチュエータ10の駆動回
路73、前記燃料噴射ポンプ14のタイマコントロール
バルブ15の駆動回路74、そして同燃料噴射ポンプ1
4のスピル弁16の駆動回路75が接続されている。こ
れら各駆動回路72〜75には、CPU60の演算結果
に基づき指令信号が送られる。そして、各駆動回路72
〜75は、この指令信号に基づき、上記ステップモータ
40,アクチュエータ10,タイマコントロールバルブ
15及びスピル弁16をそれぞれ駆動する。
【0034】次に、前記ステップモータ40の構成及び
その制御態様について、図6〜図10に基づき説明す
る。図6にステップモータ40の平面断面構造を、図7
に同モータ40の側部断面構造を示す。これらの図に示
されるように、ステップモータ40は大きくは、前記出
力軸41と一体回動可能な回転子42と、回転子42を
囲繞するように設けられた2つの固定子カップ、すなわ
ちA相固定子カップ44とB相固定子カップ45とから
構成されている。回転子42には、その外周に永久磁石
43が一体回動可能に設けられている。この永久磁石4
3には、図8(a)及び(b)に同ステップモータ40
の模式断面図を示すように、所定角間隔をおいて磁極の
N極とS極とが交互に形成されている。
【0035】一方、図6及び図7に示すように、A相固
定子カップ44及びB相固定子カップ45はリング形状
を呈しており、その中空部には前記回転子42が回動可
能に収容されている。これら固定子カップ44及び45
内には、それぞれ2組のコイル、すなわちAp相コイル
46及びAn相コイル47、またはBp相コイル48及
びBn相コイル49が設けられている。これら各コイル
46〜49は、同一方向に巻き線されている。
【0036】また、これら固定子カップ44及び45に
あって、回転子42が収容された中空部の内周には、図
8(a)及び(b)に示すように、回転子42の永久磁
石43の磁極と同じ所定角間隔をおいて、上歯50及び
下歯51(A相固定子カップ44)、あるいは上歯52
及び下歯53(B相固定子カップ45)が交互に形成さ
れている。これらの上歯50,52及び下歯51,53
は、前記コイル46〜49に電圧が印加されることで励
磁される。なお、A相固定子カップ44に設けられた各
歯50,51とB相固定子カップ45に設けられた各歯
52,53とは、上記所定角の半分、すなわち半歯分だ
けずらされた位置に設けられている。
【0037】次に、上記ステップモータ40及びその駆
動回路72の電気回路構成を、図9に基づき説明する。
なお、図9(a)及び(b)では、ステップモータ40
の回転子42の外周部と各固定子カップ44及び45の
内周部との関係を平面的に展開するかたちで模式的に示
している。また、同図9では、駆動回路72の機能をわ
かりやすく説明するため、その電気回路構成についても
これを簡略化して模式的に示している。
【0038】A相固定子カップ44内に設けられたAp
相コイル46及びAn相コイル47は、直流電源58に
よって電圧が印加される。駆動回路72には、各コイル
47,48への電圧の印加を許容あるいは遮断するため
のAp相コイルスイッチ54とAn相コイルスイッチ5
5とが設けられている。これら各コイルスイッチ54及
び55をオンとすることで、各コイル47,48に電圧
が印加され、各上歯50及び下歯51が励磁される。こ
れら各コイル47,48は先述したように同一方向に巻
き線されているが、同図9(a)及び(b)に示すよう
に、コイル47,48に通電される電流の方向は逆方向
となるよう構成されている。したがって、Ap相コイル
46に電圧が印加されたときと、An相コイル47に電
圧が印加されたときとでは、各上歯50及び下歯51は
異なった極に励磁されるようになる。すなわち、Ap相
コイル46に電圧を印加したときには、上歯50はN極
に励磁され、下歯51はS極に励磁される。一方、An
相コイル47に電圧を印加したときには、上歯50がS
極に励磁され、下歯51がN極に励磁される。
【0039】また、B相固定子カップ45部においても
同様の電気回路構成が採用されており、Bp相コイルス
イッチ56及びBn相コイルスイッチ57のオン・オフ
切り替えによって各コイル48,49に選択的に電圧が
印加される。そして、Bp相コイル48に電圧を印加す
ることで上歯52はN極に、下歯53はS極に励磁さ
れ、Bn相コイル49に電圧を印加することで上歯52
はS極に、下歯53はN極に励磁される。
【0040】次に、上記駆動回路72により駆動される
ステップモータ40の動作原理について、同図9及び図
10に基づき説明する。駆動回路72は、前記CPU6
0の指令信号に基づき動作し、A相固定子カップ44の
各コイル46,47の一方とB相固定子カップ45の各
コイル48,49の一方とに対して同時に、あるいは各
固定子カップ44,45のコイル46〜49のいずれか
一つに対して電圧を選択的に印加する。図10に、ステ
ップモータ40の各コイル46〜49に対する通電態様
を示す。
【0041】駆動回路72は、同図10に示されるよう
な8つの励磁相モード0〜7を選択的に切り替えてステ
ップモータ40を回動させる。なお、同図10から明ら
かなように、奇数番号の励磁相モードの場合には、各固
定子カップ44,45のコイル46,47及び48,4
9に対して各々一つずつ同時に電圧が印加され、偶数番
号の場合には、コイル46〜49のいずれか1つだけに
対して電圧が印加される。
【0042】図9(a)は、図10に示す励磁相モード
1(elstepの下位3ビットの値=1)の場合の駆
動回路72及びステップモータ40の態様を示す。この
とき、駆動回路72は、Ap相コイルスイッチ54及び
Bp相コイルスイッチ56を閉じ、Ap相コイル46と
Bp相コイル48とに対して電圧を印加させる。これら
コイル46,48に電圧を印加することで、A相固定子
カップ44の上歯50はN極に、下歯51はS極に、ま
た同様にB相固定子カップ45の上歯52はN極に、下
歯53はS極に励磁される。このとき、回転子42の永
久磁石43のS極は、N極に励磁されたA相固定子カッ
プ44の上歯50及びB相固定子カップ45の上歯52
とに吸引され、これら両上歯50及び52の中間の位置
に引き寄せられる。また同様に、回転子42の永久磁石
43のN極は、S極に励磁されたA相固定子カップ44
の下歯51及びB相固定子カップ45の下歯53とに吸
引され、これら両下歯51及び53の中間の位置に引き
寄せられる。こうして回転子42は、永久磁石43のS
極が上記両上歯50,52の中間の位置に、同じく永久
磁石43のN極が上記両下歯51,53の中間の位置に
位置するように回動される。
【0043】その後、励磁相モードをモード1からモー
ド3に変更すると、図10に示すように、今度はAn相
コイル47とBp相コイル48とに電圧が印加されるよ
うに駆動回路72のスイッチ設定が行われる。上記励磁
相モード3(elstepの下位3ビットの値=3)の
場合の駆動回路72及びステップモータ40の態様を図
9(b)に示す。このとき、A相固定子カップ44の上
歯50はS極に、下歯51はN極に、B相固定子カップ
45の上歯52はN極に、下歯53はS極に励磁される
ようになる。こうして回転子42の永久磁石43のS極
は、N極に励磁されたA相固定子カップ44の下歯51
とB相固定子カップ45の上歯52との中間の位置に吸
引され、同じく永久磁石43のN極は、S極に励磁され
たA相固定子カップ44の上歯50とB相固定子カップ
45の下歯53との中間の位置に吸引される。こうして
回転子42は、同図9においては右方向に半歯分だけ回
動され、出力軸41は時計回り方向に前記所定角の半分
だけ回動される。なお、本実施の形態では、出力軸41
(回転子42)が同図9において右方向に回動すること
で吸気絞り弁4が閉弁され、左方向に回動することで同
弁4が開弁される構成となっている。
【0044】以上のように、駆動回路72は励磁相モー
ドを切り替えることでステップモータ40の出力軸41
を回動させるものであり、具体的には励磁相モードを降
順に切り替えることで吸気絞り弁4を開弁させ、励磁相
モードを昇順に切り替えることで吸気絞り弁4を閉弁さ
せる方向に同出力軸41を回動させる。
【0045】ところで本実施の形態の制御装置では、ス
テップモータ40を回動させるときに、2つの励磁方式
を使い分けている。すなわち上記励磁相モードを1つず
つ、具体的には、励磁相モードをモード0→モード1→
モード2…あるいはモード2→モード1→モード0…と
切り替え、1つのコイルのみが励磁されるモードと2つ
のコイルが同時に励磁されるモードとを交互に繰り返し
ながら回動させる方式(以下「1−2相励磁方式」とい
う)と、常に励磁相モードが奇数番号となるように励磁
相モードを2つずつ、具体的には、励磁相モードをモー
ド1→モード3→モード5…あるいはモード5→モード
3→モード1…と切り替え、2つのコイルが同時に励磁
されるモードのみを使用して回動させる方式(以下「2
相励磁方式」という)との2つの励磁方式である。1−
2相励磁方式の場合、励磁相モードの切り替え1回当た
りのステップモータ40の回転子42の回動角を細かく
設定することが可能であり、細密な吸気絞り弁4の開度
制御ができる。一方、2相励磁方式の場合、励磁相モー
ドの切り替え1回当たりの回転子42の回動角を大きく
することが可能となり、吸気絞り弁4の開閉速度を速く
できる。このように2つの励磁方式を状況に応じて使い
分けることで、吸気絞り弁4の開度制御における精度向
上と追従性向上との両立を図るようにしている。
【0046】なお、本実施の形態では、1−2相励磁方
式時の励磁相モード切り替え1回あたりの回動角を1ス
テップと定義して吸気絞り弁4の開度制御を行ってい
る。したがって、2相励磁方式時には、1回の励磁相モ
ード切り替え毎に2ステップずつ回動されることとな
る。
【0047】以下に、吸気絞り弁4の具体的な制御態様
について説明する。なお、本実施の形態では、吸気絞り
弁4が全開位置にあるときのステップモータ40のステ
ップ位置を基準とし、その基準としたステップ位置(以
下、「基準ステップ位置」という)からのステップ数に
基づき同吸気絞り弁4の開度制御を行っている。そのた
め、ステップモータ40のステップ位置と吸気絞り弁4
の開度との対応をとっておくため、同吸気絞り弁4の開
度制御に先立ち、基準ステップ位置の初期化処理が予め
行われる。こうした初期化処理は、前記全開スイッチ3
9のオン・オフ状態が切り替わったときのステップモー
タ40のステップ位置を基準ステップ位置として設定す
ることで行われる。以下に、この初期化処理について説
明する。
【0048】この初期化処理は、ディーゼル機関1の始
動直後や後述する確認処理時に異常判定された場合等に
行われる。初期化処理が開始されると、まずECU16
のCPU60は、吸気絞り弁4が前記全開スイッチ39
のオン・オフ状態が切り替わるまでステップモータ40
を駆動し、吸気絞り弁4を開閉駆動する。そして、全開
スイッチ39のオン・オフ状態が切り替わったこと、す
なわち吸気絞り弁4が全開位置に位置したことを確認す
ると、CPU60は、このときのステップモータ40の
ステップ位置を基準ステップ位置として設定する。吸気
絞り弁4の開度制御時に使用される2つの制御変数であ
る現在のステップelsactと目標ステップelst
rgとは、この基準ステップ位置を原点、すなわち”
0”ステップとして設定する。これら両制御変数els
act及びelstrgは、閉弁側に向かうほど大きな
値をとる。また、基準ステップ位置におけるステップモ
ータ40の励磁相モードのモード番号を初期値elso
fとして設定する。なお、本実施の形態では、この基準
ステップ位置はステップモータ40が2相励磁されてい
る位置に設定される構成となっている。
【0049】さらに、現在のステップelsactに、
この初期値elsofを加算した値を励磁相対応ステッ
プelstepとして設定する。この励磁相対応ステッ
プelstepの下位3ビットの値(0〜7)は、現在
のステップelsactにおける励磁相モードに対応し
ている。この励磁相対応ステップelstepもまた、
ステップモータ40の駆動制御に用いられる。
【0050】次に、こうして設定された各制御変数の操
作に基づき実行される吸気絞り弁4の開度制御について
説明する。なお、本実施の形態の吸気絞り弁4の制御装
置では、吸気絞り弁4に対して全開指令が出る毎に、ス
テップモータ40の脱調等の異常を検出するための確認
処理を行っている。この確認処理は、全開位置から所定
ステップ分だけ閉弁側の開度位置で全開スイッチ39が
オフとなり、また全開位置から更に開弁側の開度位置で
全開スイッチ39がオンとなることを確認することで行
われる。更に、全開指令が出ていないときには、全開ス
イッチ39がオフであることを常時確認している。この
ようにしてステップモータ40のステップ位置と吸気絞
り弁4の開度位置との対応が正常であるか否かを確認
し、ステップモータ40の脱調等の異常の検出を行って
いる。
【0051】まず、吸気絞り弁4の目標開度を算出する
目標開度算出ルーチンについて、図11及び図12に基
づき詳細に説明する。図11に、本ルーチンの処理手順
を示すフローチャートを示す。なお、本ルーチンの処理
は、所定時間毎の定時割り込み処理としてCPU60に
よって実行される。
【0052】さて、本ルーチンの処理に移行すると、C
PU60は、まず処理S100において、図12に例示
するようなROM61内に記憶された2次元マップに基
づき目標ステップelstrgを算出する。この2次元
マップは、機関回転数NE及び燃料噴射量指令値QFI
Nと、ステップモータ40の制御目標値である目標ステ
ップelstrgとの関係を示している。機関回転数N
Eは、前記回転数センサ17の検出結果から算出され
る。また、燃料噴射量指令値QFINは、別途用意され
たルーチンにおいて、ディーゼル機関1の運転状態、例
えば機関回転数NEやアクセル開度をはじめ、吸入空気
の圧力(大気圧)や温度、冷却水温度等に基づき算出さ
れるものであり、燃料ポンプ14のタイマコントロール
バルブ15や電磁スピル弁16の制御量を算出するため
に用いられる。
【0053】こうして目標ステップelstrgを算出
したCPU90は、次の処理S101において、同算出
した目標ステップelstrgが”+9”ステップ未満
であるか否かを判定する。本実施の形態では、目標ステ
ップelstrgが”+9”ステップ未満である場合
に、吸気絞り弁4に対する全開指令が出されたものとし
ている。
【0054】この処理S101において、目標ステップ
elstrgの値が”+9”未満にあると判定された場
合、CPU60の処理は手順S102に移行する。この
手順S102で、CPU60は確認完了フラグexch
kendがオンであるか否かを判定する。この確認完了
フラグexchkendは、今回の全開指令において既
に確認処理が行われている場合にオンとなる。なお、後
述するように、この確認完了フラグexchkendが
オンとなっていれば、確認処理は実行されない。ここで
確認完了フラグexchkendがオンとなっていれ
ば、CPU60は処理S105において、目標ステップ
elstrgに”+9”を設定した後、本ルーチンの処
理を一旦終了する。つまり、確認処理が完了した後も全
開指令が出され続けた場合、吸気絞り弁4の開度を全開
位置より9ステップ分閉弁側の位置に保持するようにし
ている。なお、この保持する「全開位置より9ステップ
分閉弁側の位置」とは、全開スイッチ39が確実にオフ
となる位置である。上記の全開指令が長時間にわたって
出され続けた場合に、全開スイッチ39がオンとなる位
置で保持し続けると同スイッチ39の接点が接触した状
態で長時間使用されることとなり、機関1の発生する振
動等によって該スイッチ39の接点摩耗等の不具合が生
じやすくなる。そこで、上記のように一度、全開位置の
確認を行った後には、全開スイッチ39が確実にオフと
なる位置に保持させて、上記のような不具合の発生を好
適に防止できるようにしている。
【0055】一方、確認完了フラグexchkendが
オフであれば、CPU60は処理S103として、目標
ステップelstrgに”−2”を設定し、更に確認要
求フラグexglchkをオンとする。この確認要求フ
ラグexglchkは、確認処理を行う場合にオンとな
る。また、目標ステップelstrgの”−2”という
値は、全開スイッチ39のオン・オフ状態の確認時に、
吸気絞り弁4の開度を該スイッチ39がオフからオンに
切り替わる開度位置よりも更に開弁側の開度位置とする
ことで、確実に該スイッチ39をオンに切り替わり、チ
ャタリングに起因する誤判定が生じないよう設定された
ステップ位置である。
【0056】以上のように、本実施の形態において確認
処理は、目標ステップelstrgが”+9”ステップ
未満、且つ確認完了フラグがオフであることが実行条件
となっている。すなわち、全開指令が出され、今回の全
開指令において確認処理が未だ行われていない場合に確
認処理が実行される。この処理S103の後、CPU6
0は本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0057】また、前記処理S101において、目標ス
テップelstrgが9以上であり、吸気絞り弁4に対
する全開指令が出されていない場合には、CPU60は
処理S104として、確認完了フラグexchkend
をオフとして、本ルーチンの処理を一旦終了する。
【0058】次に、異常検出処理ルーチンの処理につい
て、図13に示す同ルーチンのフローチャートに基づき
説明する。なお、本ルーチンの処理は、ステップモータ
40が励磁切り替え状態となる毎の割り込み処理として
実行される。なお、励磁切り替え状態となる周期は、ス
テップモータ40の駆動状態やディーゼル機関1の運転
状態等に基づきCPU60によって算出される。また、
この励磁切り替え状態となる周期が変更されることで、
吸気絞り弁4の開閉速度が調整される。
【0059】さて、本ルーチンの処理に移行すると、ま
ず処理S200においてCPU60は、確認要求フラグ
exglchkがオンで、なおかつ現在のステップel
sactが”+7”ステップ未満であるか否かを確認す
る。なお、この確認要求フラグexglchkがオンと
なっている場合、ステップモータ40に対する目標ステ
ップelstrgが”−2”に設定されていることは上
述の通りである。この処理S200において、両方の条
件がともに満たされている場合、CPU60は処理S2
01に移行する。この処理S201において、CPU6
0は、現在のステップelsactが”+6”ステップ
であるか否か、すなわち現在の吸気絞り弁4の開度位置
が全開位置よりも6ステップ分閉弁側の開度位置にある
か否かを判定する。
【0060】この処理S201の判定条件を満たした場
合、CPU60の処理は処理S202に移行する。この
処理S202において、CPU60は全開スイッチ39
のオン・オフ状態を確認する。このとき、全開スイッチ
39がオフであればCPU60の処理は、一旦、後述す
るステップモータ40の駆動制御ルーチンに移行する。
なお、ここでの全開スイッチ39の確認時にCPU60
は、先述した励磁相の変更周期を遅くしている。こうし
て励磁相の変更周期を遅くすることで、ステップモータ
40のダンピングが収束するまで時間を確保して、確実
にスイッチ状態の確認を行うことができるようにしてい
る。
【0061】正常な動作が行われていれば、このときの
吸気絞り弁4は、全開位置よりステップモータ40の6
ステップ分に相当する分だけ閉弁側に位置していて、同
全開スイッチ39はオフとなっているはずである。そし
て逆に、上記処理S202において全開スイッチ39が
オンとなっていれば、ステップモータ40のステップ位
置と吸気絞り弁4の開度位置との対応関係が一致してい
ないことになる。この場合、何らかの異常が発生してい
るとして、CPU60は処理S203の処理に移行し、
異常時処理を実行する。
【0062】この異常時処理として、CPU60は、先
述した初期化処理を再び実行し、基準ステップ位置の設
定をやり直す。もし、上記異常の原因がステップモータ
40の脱調が原因であれば、この基準ステップ位置の再
設定によって、ステップモータ40のステップ位置と吸
気絞り弁4の開度位置との対応関係を再び一致させるこ
とが可能であり、同吸気絞り弁4の開度制御を再び実行
できるようになる。この設定処理が正常に行われない場
合、全開スイッチ39の故障やステップモータ40及び
吸気絞り弁4の固着等、吸気絞り弁4の制御系に容易に
は復旧不能な異常が発生したものと判断される。この場
合、CPU60は、ステップモータ40の励磁相を現在
の状態に保持することで吸気絞り弁4を現在の開度位置
に固定し、以後同弁4の開度制御を停止し、更にEGR
制御も停止する。また、燃料噴射量を制限する等の処置
を施し、ディーゼル機関1の運転を維持できるようにす
る。
【0063】また、本実施の形態では、たとえ上記の異
常時処理によって吸気絞り弁4の開度制御が復旧可能と
なっても、ディーゼル機関1の今回の始動以後、所定の
回数以上、異常判定がなされた場合には、同様に制御系
に異常が発生したものと判断し、吸気絞り弁4の開度制
御の停止等の処置を施している。
【0064】一方、前記処理S201の判定条件を満た
さない場合、すなわち現在のステップelsactが”
+5”ステップ以下である場合、CPU60の処理は処
理S204に移行する。この処理S204においてCP
U60は、現在のステップelsactが目標ステップ
elstrgに一致する”−2”ステップであるか否か
を判定する。ここで、現在のステップelsactが”
−2”ステップに達していなければ、一旦後述するステ
ップモータ40の駆動制御ルーチンに移行する。一方、
現在のステップelsactが”−2”ステップに達し
ていれば、CPU60は処理S205において、全開ス
イッチ39のオン・オフ状態を確認する。このとき正常
な動作が行われていれば、吸気絞り弁4は全開位置より
も更に開弁側に位置していて、全開スイッチ39はオン
となっているはずである。したがって、この処理S20
5において全開スイッチ39がオフとなっている場合に
は、CPU60の処理は先述した処理S203に移行
し、先ほどと同様の異常時処理を実行する。
【0065】また、処理S205において全開スイッチ
39がオンとなっていれば、ステップモータ40のステ
ップ位置と吸気絞り弁4の開度位置との対応関係が正常
であることを確認することができる。このとき、CPU
60は処理S206に移行し、前記確認完了フラグex
chkendをオン、確認要求フラグexglchkを
オフとした後、ステップモータ40の駆動制御ルーチン
に移行する。先述したように、確認完了フラグexch
kendは、全開指令が出されていない場合にオフとさ
れ、確認処理が完了したときにオンとなる。このように
確認完了フラグexchkendを設定することで、全
開指令が出される毎に1度だけしか確認処理が行われな
いようにしている。
【0066】また一方、前記処理S200において、確
認要求フラグexglchkがオフ、あるいは現在のス
テップelsactが”+7”ステップ以上である場
合、CPU60は、処理S207に移行する。この処理
S207において、CPU60は、現在のステップel
sactが”+7”ステップ以上であるか否かを判断す
る。そして、同現在のステップelsactが”+7”
ステップ未満であるとき、すなわち既に確認要求フラグ
exglchkがオフとなっている場合には、そのまま
ステップモータ40の駆動制御ルーチンに移行し、確認
要求フラグexglchkが”+7”ステップ以上であ
れば、処理S208にて全開スイッチ39のオン・オフ
状態を確認する。このときもCPU60は、励磁相の変
更周期を遅くして、確認精度を高めている。正常な動作
が行われているならば、このときの吸気絞り弁4は全開
スイッチ39の切り替え位置より閉弁側に位置してい
て、全開スイッチ39はオフとなっているはずである。
したがって、上記処理S208において全開スイッチ3
9がオンとなっていれば、何らかの異常が発生している
と考えられる。この場合、CPU60は処理S203に
移行して先の異常時処理を実行する。他方、上記処理S
208において、否定(NO)判断される場合、すなわ
ち現在のステップelsactが”+7”ステップ以上
であって且つ、全開スイッチ39がオフである旨判断さ
れる場合には、正常な状態が維持されているとして一旦
後述するステップモータ40の駆動制御ルーチンに移行
する。
【0067】次に、以上説明した異常検出処理ルーチン
で異常が検出されなかった場合に、引き続き実行される
ステップモータ40の駆動制御処理ルーチンについて、
図14に示す同ルーチンのフローチャートに基づき説明
する。
【0068】本ルーチンの処理に移行するとCPU60
は、処理S300において、目標ステップelstrg
と現在のステップelsactとの差分elsdlを算
出する。次の処理S301において、CPU60は上記
差分elsdlが0であるか否かを判定する。差分el
sdlが0であるならば吸気絞り弁4の開度は目標とす
る開度となっており、CPU60はステップモータ40
の励磁相モードをそのままの状態に保持する。そして、
CPU60は処理S314において、閉駆動フラグex
sofupと開駆動フラグexsofdnとをオフとし
た後、本ルーチンの処理を一旦終了する。これら閉駆動
フラグexsofupと開駆動フラグexsofdnと
はステップモータ40の駆動方向を決定するために用い
られるフラグで、ステップモータ40を吸気絞り弁4が
閉弁する方向に駆動する場合には閉駆動フラグexso
fupがオンとなり、開弁する方向に駆動する場合に開
駆動フラグexsofdnがオンとなる。
【0069】一方、上記処理S301において、差分e
lsdlが0でない場合、CPU60は処理S302に
おいて、目標ステップelstrgと現在のステップe
lsactとの大小関係を比較する。ここで目標ステッ
プelstrgの方が大きい場合には、ステップモータ
40を吸気絞り弁4を閉弁させる方向に駆動させる必要
がある。この場合、CPU40は処理S303におい
て、閉駆動フラグexsofupをオンとし、開駆動フ
ラグexsofdnをオフとする。また、現在のステッ
プelsactの方が大きければ、ステップモータ40
を開方向に駆動する必要があり、CPU40は処理S3
04において、開駆動フラグexsofdnをオンと
し、閉駆動フラグexsofdnをオンとする。
【0070】こうして開駆動フラグexsofdn及び
閉駆動フラグexsofdnを設定した後、CPU40
は処理S305において、現在のステップelsact
が偶数であるか否か、すなわち現在のステップelsa
ctにおけるステップモータ40の励磁相モードが1相
励磁であるか否かを判定する。また、処理S306にお
いて、差分elsdlが1以下であるか否かを判定す
る。これら処理S305及び処理S306のいずれかの
条件が満たされた場合、CPU60は処理S307にお
いて、駆動ステップ数elsactdlに”1”を設定
する。この駆動ステップ数elsactdlは、ステッ
プモータ40を駆動する際に変更するステップ数であ
り、駆動ステップ数elsactdlが1である場合に
は先述した1−2相励磁方式での駆動が、2である場合
には2相励磁方式での駆動が行われる。一方、処理S3
05及びS306の条件のどちらも満たさなかった場
合、CPU60は処理S308において駆動ステップ数
elsactdlに”2”を設定する。
【0071】こうして駆動ステップ数elsactdl
を設定した後、CPU60は処理S309において、閉
駆動フラグexsofup及び開駆動フラグexsof
dnのいずれがオンであるかを判定する。閉駆動フラグ
exsofupがオンならば、CPU60は処理S31
0及びS311において、先に設定した駆動ステップ数
elsactdlを励磁相対応ステップelstep及
び現在のステップelsactにそれぞれ加算する。一
方、開駆動フラグexsofdnがオンであれば、処理
S312及びS313においてCPU60は、駆動ステ
ップ数elsactdlを励磁相対応ステップelst
ep及び現在のステップelsactからそれぞれ減算
する。これらの処理が終了した後、CPU60は本ルー
チンの処理を一旦終了する。その後、ステップモータ4
0の駆動回路72は、こうして求められた励磁相対応ス
テップelstepの下位3ビットの値を、ECU19
のRAM62内から読み込み、この値に対応する励磁モ
ードにステップモータ40の励磁相を変更する。
【0072】このように、上記駆動処理ルーチンにあっ
て、CPU60は、目標ステップelstrgと現在の
ステップelsactとの差分elsdlを算出し、こ
の差分elsdlと励磁相対応ステップelstepと
からステップモータ40の駆動方式を決定する。差分e
lsdlが0、すなわち吸気絞り弁4が目標開度となっ
たときにはそのまま励磁相モードを保持し、ステップモ
ータ40の回動を停止する。また、差分elsdlが
1、すなわち現在のステップelsactを目標ステッ
プelstrgと合致させるのに1ステップだけ駆動す
ればよい場合と、励磁相対応ステップelstepが偶
数、すなわちステップモータ40が現在、1相励磁され
ている場合とのいずれかの場合には1−2相励磁方式で
ステップモータ40を駆動する。それ以外の場合には、
2相励磁方式でステップモータ40を駆動する。また、
目標ステップelstrgと現在のステップelsac
tとの大小関係を比較することで、ステップモータ40
の駆動方向を決定する。目標ステップelstrgの方
が大きな場合にはステップモータ40を閉弁方向に、現
在のステップelsactの方が大きな場合には開弁方
向に駆動する。このようにして吸気絞り弁4の開度を目
標開度に一致させるようにステップモータ40の駆動制
御が行われる。
【0073】次に、本実施の形態の上述した確認処理時
の処理態様について、図15に示すステップモータ40
のステップ位置及び全開スイッチ39のオン・オフ状態
と時間との関係のグラフに基づき説明する。
【0074】全開指令が出されると、ステップモータ4
0の目標ステップelstrgは”−2”ステップに設
定される。ステップモータ40は、現在のステップel
sactが”−2”ステップとなり目標ステップels
trgと一致するまで、開弁方向に駆動される。その
間、現在のステップelsactが”+6”ステップと
なるまでは、全開スイッチ39がオフであることを確認
している(図15の領域A)。先述したように、本実施
の形態の吸気絞り弁4はリターンスプリング27(図2
参照)によって開弁方向に付勢されている。そのため、
ステップモータ40の脱調が発生した場合、励磁相が吸
気絞り弁4の開弁方向にずれている可能性が高い。した
がって、このように吸気絞り弁4の開度位置が全開位置
より閉弁側にあるときに全開スイッチ39がオフにある
ことを常時確認することで、ステップモータ40の脱調
を早期に検出できる可能性が高くなる。
【0075】その後、現在のステップelsactが”
+6”ステップとなった時点で、最終的に全開スイッチ
39がオフであることを確認する(図15の領域B)。
これまでの間に、全開スイッチ39がオンとなっていれ
ば、ステップモータ40の脱調等の異常が発生し、ステ
ップモータ40のステップ位置から把握される制御上の
吸気絞り弁4の開度と実際の吸気絞り弁4の開度との対
応関係が崩れたことが把握される。この場合、CPU6
0は、ステップモータ40のステップ位置と吸気絞り弁
4の開度との対応関係をとるため、前述した記初期化処
理を再実行する。
【0076】なお、現在のステップelsactが”+
6”ステップとなった位置で全開スイッチ39がオフと
なっていることを確認する理由は、以下の通りである。
全開スイッチ39が本来、オフとなるべき位置でオンと
なる原因には、大きくは次の2点があげられる。1つは
ステップモータ40の脱調が発生した場合であり、もう
1つは全開スイッチ39の故障により全開位置以外でオ
ン・オフ状態が切り替わる場合である。ステップモータ
40が脱調を起こした場合、ステップモータ40のステ
ップ位置は励磁相モードの1周期分単位でずれを生じ
る。よって、ステップモータ40のステップ位置から把
握される基準ステップ位置と全開スイッチ39のオン・
オフ状態の切り替わりから把握される吸気絞り弁4の実
際の全開位置との間には、最低でも8ステップ以上の誤
差が生じることとなる。
【0077】正常な動作が行われている場合に全開スイ
ッチ39が切り替えられる全開位置付近では、チャタリ
ングや全開スイッチ39自体の切り替え時のヒステリシ
ス等の影響で、正確なオン・オフ状態の確認ができない
おそれがある。そのため、全開スイッチ39がオフとな
っていることの確認は、なるべく全開位置から離れた位
置で行った方が望ましい。また、ステップモータ39が
開弁方向に励磁相1周期分(8ステップ分)だけ脱調し
た場合には、本来全開スイッチ39のオン・オフ状態が
切り替わる基準ステップ位置、すなわち現在のステップ
elsact=”0”のステップ位置から上記1周期
(8ステップ)分だけ閉弁側の現在のステップelsa
ct=”+8”となるステップ位置で全開スイッチ39
がオンとなる。そのため、現在のステップelsact
=”8”ステップの位置にあまり近い位置では、先述し
たようなスイッチ切り替え時のチャタリングによって誤
判定されるおそれがある。なお、本実施の形態では現在
のステップelsactが”+6”ステップ以上のとき
には常時、全開スイッチ39がオフであることを確認し
ている。そのため、励磁相の2周期分(16ステップ)
以上、開弁方向に脱調した場合は、既に異常が検出され
ているはずである。
【0078】以上のような理由により、本実施の形態で
は、現在のステップelsactが”+6”ステップの
位置で全開スイッチ39がオフであることを確認するこ
ととしている。
【0079】さて、こうして全開スイッチ39がオフで
あることを確認した後は、現在のステップelsact
=”−2”ステップとなった時点で、今度は全開スイッ
チ39がオンとなっていることを確認する(図15の領
域C)。全開スイッチ39は”0”ステップでオンとな
るが、切り替わった直後には、ディーゼル機関1の発生
する振動等が原因となって、全開スイッチ39のオン・
オフ状態が繰り返し切り替わるチャタリングが発生する
ことがある。こうしたチャタリングによって、全開スイ
ッチ39のオン・オフ状態を誤判定してしまうおそれが
ある。その点、本実施の形態では先述のように、ステッ
プモータ40を更に開弁方向に駆動し、現在のステップ
elsactを”−2”ステップとして、全開スイッチ
39が確実に切り替えられるようにしてからオン・オフ
状態の確認を行っている。そのため、全開スイッチ39
の確認を確実に行うことができるようになる。ここで全
開スイッチ39がオフとなっていれば、先と同様に異常
が発生したものとして、CPU60は初期化処理を再実
行する。
【0080】ところで、ステップモータ40の励磁相モ
ードが変更されてステップ位置が変更された直後には、
回動時の慣性力により、回転子41は直ちに所定のステ
ップ位置に停止せず、しばらくの間所定のステップ位置
前後を揺動する。こうして、ステップモータ40には、
いわゆるダンピングが発生する。そのダンピングが原因
となって、全開スイッチ39の切り替え時にチャタリン
グが発生することもある。したがって、これらのステッ
プ位置の場合、全開スイッチ39のオン・オフ状態の確
認は前記ダンピングが収束するまで十分な時間が経過し
てから行うようにする必要がある。CPU60は、ダン
ピングが収束して確実にスイッチ状態の確認が行えるだ
けの時間を確保するため、励磁相が切り替え状態となる
周期を遅くして、ステップモータ40がこれらのステッ
プ位置に位置する時間を十分に長くしている。こうし
て、全開スイッチ39のオン・オフ状態の確認が確実に
行われるようにしている。
【0081】こうして確認処理が完了した後、CPU6
0は目標開度elstrgを”+9”ステップに設定す
る。そして、全開指令が出され続けている限り、この位
置で吸気絞り弁4を保持し続ける(図15の領域D)。
このとき、吸気絞り弁4を全開位置で保持し続けた場合
には、全開スイッチ39がオンとなった状態が続けられ
ることとなる。こうした場合、全開スイッチ39の接点
が接触した状態が長時間にわたって続くことがあり、接
点摩耗等の不具合の発生が懸念される。その点、本実施
の形態では前述したように、確実に全開スイッチ39が
オフとなる位置(現在のステップelsactが”+
9”ステップとなる位置)で吸気絞り弁4を保持してい
るため、こうした不具合の発生を防止することができる
ようになる。なお、本実施の形態の吸気絞り弁4では、
9ステップ分に相当する同弁4の開度の差は非常に小さ
く、この位置であっても全開位置であっても、吸気通路
2内の吸入空気量にはディーゼル機関1の運転に影響を
及ぼすほど大きな差は生じない。
【0082】また、先述したように本実施の形態では基
準ステップ位置は必ず、ステップモータ40が2相励磁
される位置で設定されるため、現在のステップelsa
ctが”+9”のとき、ステップモータ40は1励磁相
となっており、1つのコイルのみに通電が行われる状態
となっている。そのため、全開指令が長時間にわたって
続けられたとしても、発熱等は抑制され、ひいてはステ
ップモータ40の信頼性を高く維持することができるよ
うになる。
【0083】一方、ディーゼル機関は、不完全燃焼が発
生しない程度の吸入空気量が確保されていれば吸入空気
量をそれ以上増加させても機関の運転に支障をきたすこ
とはない。この点、本実施の形態では、上記の確認処理
を全て吸気絞り弁4の全開位置付近で行っているため、
同処理中も機関1に十分な吸入空気量を確保することが
できる。
【0084】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、以下の効果を得ることができるようになる。 (1)全開スイッチ39の切り替え状態を確認するステ
ップ位置を全開位置から更に開弁側の位置とすること
で、同スイッチ39の切り替え時に生じるチャタリング
の影響を排除し、確実に同スイッチ39の切り替え状態
の確認を行うことができるようになる。
【0085】(2)加えて、全開スイッチ39の切り替
え状態の確認を、全開位置からステップモータ40の励
磁相モードの1周期以内に相当する開度だけ閉弁側にず
れた開度位置において行うことで、同スイッチ39の切
り替え時に生じるチャタリングの影響を排除し、確実に
同スイッチ39の切り替え状態の確認を行うことができ
るようになる。
【0086】(3)全開スイッチ39の切り替え状態の
確認を行う場合、ステップモータ40の励磁状態の切り
替え周期を遅らせ、ステップモータ40のダンピングが
収束するまで時間を確保することで、確実にスイッチ状
態の確認を行うことができるようになる。
【0087】(4)確認処理終了後にも全開指令が出さ
れ続けた場合、吸気絞り弁4を全開スイッチ39が確実
にオンとならない高開度位置に保持することで、同スイ
ッチ39の接点不良等の不具合の発生を抑制することが
できるようになる。
【0088】(5)また、そのときのステップモータ4
0の励磁相を1相励磁としたことで発熱等が抑制され、
同モータ40の信頼性を高く維持することができるよう
になる。
【0089】(6)全開スイッチ39の切り替え異常が
確認された場合でも、基準ステップ位置を設定し直す初
期化処理を再実行することで、ステップモータ40の脱
調等の容易に復旧可能な原因で異常となった場合におけ
る、吸気絞り弁4の開度制御を再び実行できるようにな
る。
【0090】(7)また、容易には復旧できない原因で
全開スイッチ39の切り替え異常となった場合には、吸
気絞り弁4の開度制御の停止やEGR制御の停止、燃料
噴射量の抑制等の処置を施すことで、多量の黒煙等の発
生を抑え、ディーゼル機関1の運転を持続できるように
なる。
【0091】(8)確認処理は吸気絞り弁4の全開位置
付近で行われるため、確認処理中も十分な吸入空気量を
ディーゼル機関1に供給することが可能となり、同機関
1の運転を持続したまま、処理を行うことができるよう
になる。
【0092】なお、本発明の実施の形態は、以下のよう
に変更してもよい。 ・吸気絞り弁4の開度位置を特定するための全開スイッ
チ39のオン・オフ状態が切り替えられる位置は、吸気
絞り弁4の全開位置に限らず、他の開度位置としてもよ
い。この場合でも、上記(1)〜(7)の効果を得るこ
とはできる。
【0093】・また、本実施の形態では、ディーゼル機
関の吸気絞り弁に本発明にかかるステップモータ式弁装
置を適用する場合について説明したが、ステップモータ
によって開度制御可能な他の弁、例えばEGR弁やガソ
リン機関のスロットル弁等についても、本発明にかかる
ステップモータ式弁装置は同様に適用することができ
る。
【0094】次に、前記実施の形態から把握できる請求
項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの
効果と共に以下に記載する。 (1)前記確認手段によって、前記弁の制御位置と前記
ステップモータのステップ数との対応の不一致が検出さ
れるとき、前記スイッチ手段のオン・オフ状態と前記ス
テップモータのステップ位置との比較によって、前記弁
の制御位置と前記ステップモータのステップ数との対応
を再び設定し直す初期化手段を更に備える請求項1〜3
のいずれか1項に記載のステップモータ式弁装置。
【0095】上記構成によれば、ステップモータの脱調
によって前記弁の制御位置と前記ステップモータのステ
ップ数との対応が不一致となったときにも、上記対応関
係を再び設定し直すことで、制御弁の開度制御を復旧す
ることができるようになる。
【0096】(2)前記弁はディーゼル機関の吸気絞り
弁であって、前記初期化手段によって前記弁の制御位置
と前記ステップモータのステップ数との対応の設定が行
えなかったときには、前記弁の開度制御の停止や上記デ
ィーゼル機関のEGR制御の停止、あるいは燃料噴射量
の抑制等の異常時処置を施す上記(1)に記載のステッ
プモータ式弁装置。
【0097】上記構成によれば、容易には復旧できない
ような重大な異常によって吸気絞り弁の制御位置とステ
ップモータのステップ数との対応がくずれた場合にも、
ディーゼル機関の運転を維持することができるようにな
る。
【0098】(3)前記確認手段が前記スイッチ手段の
オン・オフ状態を確認するときに、前記ステップモータ
の励磁相変更周期を一時的に遅くする請求項1〜3ある
いは上記(1)または(2)のいずれかに記載のステッ
プモータ式弁装置。
【0099】上記構成によれば、ステップモータの励磁
相変更周期を遅くすることで、ステップモータのダンピ
ング等が収束して完全に停止した状態でスイッチ手段の
オン・オフ状態の確認ができるようになる。こうして誤
判定を抑制することで、確認処理、あるいは異常検出に
かかる処理精度を更に高め、より一層信頼性の高い弁制
御を行うことができるようになる。
【0100】(4)前記確認手段の作動終了後にも、ス
テップモータの駆動目標となるステップ数が前記スイッ
チ手段のオン・オフ状態の切り替わり位置にあるときに
は、該スイッチ手段が確実にオフとなるステップ数を該
ステップモータの駆動目標とする保持手段を更に備える
請求項1〜3あるいは上記(1)〜(3)に記載のステ
ップモータ式弁装置。
【0101】上記構成によれば、確認処理終了後にはス
イッチ手段を確実にオフとしておくことで、該スイッチ
手段がオンとなった状態が長時間にわたって持続して該
スイッチ手段の接点が接触し続けることによって生じる
接点摩耗等の不具合を防止することができるようにな
る。
【0102】(5)前記ステップモータは1相励磁と2
相励磁とを使い分けるものであって、前記保持手段によ
って前記ステップモータの駆動目標とされるステップ数
は、該ステップモータが1相励磁されるステップ数であ
る請求項1〜3あるいは上記(1)〜(4)に記載のス
テップモータ式弁装置。
【0103】上記構成によれば、確認処理終了後にはス
テップモータが1相励磁で保持されるようになるため、
発熱量等を抑制して同ステップモータの信頼性を高く維
持することができるようになる。
【0104】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、スイッ
チ手段のチャタリングの影響は好適に回避され、確認処
理にかかる処理精度を高め、より信頼性の高い弁制御を
行うことができるようになる。
【0105】また、請求項2に記載の発明によれば、弁
装置の異常検出の精度向上を図ることができるようにな
る。また、請求項3に記載の発明によれば、チャタリン
グの影響は好適に回避され、異常検出にかかる処理精度
を高め、より信頼性の高い弁制御を行うことができるよ
うになる。
【0106】また、請求項4に記載の発明によれば、デ
ィーゼル機関の始動や運転に支障をきたすことなく、確
認あるいは異常検出を行うことができるようになる。ま
た、請求項5に記載の発明によれば、弁装置の異常発生
を容易に検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるステップモータ式
弁装置が適用されたディーゼル機関の概略構成を示す略
図。
【図2】吸気絞り弁及びその駆動機構の側部断面構造を
示す断面図。
【図3】吸気絞り弁の駆動機構の正面構造を示す正面
図。
【図4】同吸気絞り弁の駆動機構の部分断面図。
【図5】同実施形態の弁装置の電気的構成を示すブロッ
ク図。
【図6】ステップモータの平面断面構造を示す断面図。
【図7】同ステップモータの側部断面構造を示す断面
図。
【図8】同ステップモータの模式構造を示す略図。
【図9】同ステップモータの動作原理を示す略図。
【図10】同ステップモータの各コイルへの通電態様を
示す図。
【図11】目標ステップ算出ルーチンの処理手順を示す
フローチャート。
【図12】目標ステップと機関回転数及び燃料噴射量指
令値との関係を示すグラフ。
【図13】異常検出処理ルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図14】ステップモータの駆動制御ルーチンの処理手
順を示すフローチャート。
【図15】確認処理時の全開スイッチのオン・オフ状態
推移とステップモータのステップ位置推移との関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
1…ディーゼル機関、2…吸気通路、4…吸気絞り弁、
5…吸気絞り弁駆動機構、6…吸気圧センサ、7…排気
通路、8…EGR通路、9…EGR制御弁、19…電子
制御装置(ECU)、20…イグニッションスイッチ、
21…スタータスイッチ、26…弁軸、29…被動ギ
ア、32…レバー、33…押圧部、35…支軸、36…
第1中間ギア、37…第2中間ギア、38…駆動ギア、
39…全開スイッチ、40…ステップモータ、41…出
力軸、42…回転子、43…永久磁石、44…A相固定
子カップ、45…B相固定子カップ、46…Ap相コイ
ル、47…An相コイル、48…Bp相コイル、49…
Bn相コイル、60…CPU、72…駆動回路、77…
水温センサ、78…大気温センサ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弁に駆動連結されたステップモータの所定
    のステップ位置を基準としたステップ数制御に基づき前
    記弁を開閉せしめるステップモータ式弁装置において、 前記弁の所定の開度位置でオン・オフ状態が切り替わる
    スイッチ手段と、 前記スイッチ手段のオン・オフ状態が切り替わる弁の開
    度位置よりも更に同スイッチ手段の切り替わり後の状態
    が維持される方向に進めたステップ位置にて前記スイッ
    チ手段のオン・オフ状態を確認する確認手段と、 を備えることを特徴とするステップモータ式弁装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のステップモータ式弁装置
    において、 前記スイッチ手段のオン・オフ状態が切り替わるステッ
    プ位置よりも同スイッチ手段の切り替わる手前のステッ
    プ位置において、同スイッチ手段のオフ・オン状態を確
    認する異常確認手段を更に備えることを特徴とするステ
    ップモータ式弁装置。
  3. 【請求項3】前記異常確認手段は、前記確認手段が前記
    スイッチ手段のオン・オフ状態を確認するステップ位置
    よりも前記ステップモータの励磁相変更周期の1周期分
    手前のステップ位置で前記スイッチ手段のオフ・オン状
    態を確認することを特徴とする請求項2に記載のステッ
    プモータ式弁装置。
  4. 【請求項4】前記弁はディーゼル機関の吸気絞り弁であ
    り、 前記スイッチ手段のオン・オフ状態が切り替わる前記弁
    の所定の開度位置は同弁の全開位置若しくはその近傍で
    ある請求項1〜3のいずれかに記載のステップモータ式
    弁装置。
  5. 【請求項5】弁に駆動連結されたステップモータの所定
    のステップ位置を基準としたステップ数制御に基づき前
    記弁を開閉せしめるステップモータ式弁装置の異常判定
    方法であって、 前記弁の所定の開度位置でオン・オフ状態が切り替わる
    スイッチのオン・オフ状態を前記所定の開度位置の前後
    で検出し、その状態が同一であるときにシステム異常と
    判定することを特徴とするステップモータ式弁装置の異
    常判定方法。
JP10664798A 1998-04-16 1998-04-16 ステップモータ式弁装置及びその異常判定方法 Pending JPH11294193A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002199692A (ja) * 2000-12-27 2002-07-12 Minebea Co Ltd ステッピングモータ及び、ステッピングモータ装置とその駆動方法
CN113847177A (zh) * 2021-09-30 2021-12-28 中国航发控制系统研究所 利用步进电机的发动机数控系统

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