JPH11294136A - 自動車用バルブ内蔵排気マフラ - Google Patents

自動車用バルブ内蔵排気マフラ

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JPH11294136A
JPH11294136A JP9940998A JP9940998A JPH11294136A JP H11294136 A JPH11294136 A JP H11294136A JP 9940998 A JP9940998 A JP 9940998A JP 9940998 A JP9940998 A JP 9940998A JP H11294136 A JPH11294136 A JP H11294136A
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JP
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valve
muffler
exhaust
weight
built
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JP9940998A
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Hidetaka Higashimura
秀隆 東村
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Marelli Corp
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Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バネレスによる安価な制御バルブとしなが
ら、バルブ開動作タイミングをバラツキや温度変化に影
響されず安定して得ると共に高応答のバルブ開閉動作に
よる消音モード切り替えを達成する自動車用バルブ内蔵
排気マフラを提供することこと。 【解決手段】 制御バルブAを、バルブ軸1と、該バル
ブ軸1に対して上流側のオフセットした位置に配置さ
れ、バルブ軸側が凹部となる屈曲板によるバルブ本体2
と、該バルブ本体2の下端部に設けられた重錘3とを有
して構成し、バルブ閉時にバルブ本体2の重力作用点b
をバルブ軸1の上流側に設定すると共に、重錘3の重力
作用点Bをバルブ軸1の下流側に設定し、バルブ開初期
はバルブ本体2及び重錘3に作用する重力m,Mとバル
ブ本体2に作用する排気圧による力PFにて開動作を
し、その後、バルブ本体2及び重錘3に作用する重力
m,Mと排気ガスの流れによる流体力FFとガスの流れ
を受けるバルブ本体形状により重力と逆向きに作用する
揚力SFとの力関係により開閉動作をするバルブとし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一端部がマフラ内
に開口している排気パイプのマフラ内開口端に配置さ
れ、上流側のマフラ内消音室の排気圧を一定に保つよう
に開閉動作する制御バルブがマフラ内に設けられた自動
車用バルブ内蔵排気マフラの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、マフラ内に、高エンジン回転時の
低圧力損失化と低エンジン回転時の消音量向上を目的と
して制御バルブが設置される事例が増えている(特開平
2−81911号公報等参照)。
【0003】このバルブは、低エンジン回転時は閉状態
となり、マフラ内を排気ガスが最適に循環し大きな消音
量を得るが、エンジン回転が上昇するに従いバルブ開動
作となり、低圧力損失となる。
【0004】図5に示す制御バルブでは、マフラ内パイ
プの後端部(排気ガス流れの下流部)に取り付けられ、
バルブ前室の圧力を一定に保つように開動作している。
【0005】図6に示す制御バルブでは、マフラの両エ
ンドプレートを貫通するパイプの途中に取り付けられ、
排気ガスによりバルブに作用する力が戻りバネによる力
よりも低いと閉じて高い消音性能が得られ、バルブに作
用する力が戻りバネによる力より上回るとバルブが開
き、低圧力損失となり高エンジン出力が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のバルブ内蔵排気マフラにあっては、下記の問題を有
する。
【0007】(1) バルブ閉状態を作るためにいずれもバ
ネを用いている。このため、バネの特性上、温度変化に
対してバネ力が変化してしまい、バルブが開き始めるエ
ンジン回転数等に大きなバラツキが出る。
【0008】(2) バルブ閉時に大きな消音量が得られ、
その後、バルブ開度が大きくなるに従って圧力損失が徐
々に小さくなっていく制御となるが、バネ力が常時作用
していることにより大きな消音量が得られるバルブ閉状
態からバルブ全開となるバルブ開動作応答が遅れる。つ
まり、バルブ閉状態から一気にバルブ全開とし高い加速
性を得たいという要求に応えることができない。
【0009】(3) 高温耐久性を持つ高価なバネを用いる
ため、制御バルブが高価となってしまう。
【0010】本発明の課題とするところは、バネレスに
よる安価な制御バルブとしながら、バルブ開動作タイミ
ングをバラツキや温度変化に影響されず安定して得ると
共に高応答のバルブ開閉動作による消音モード切り替え
を達成する自動車用バルブ内蔵排気マフラを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】(解決手段1)上記課題
を解決する請求項1記載の発明は、一端部がマフラ内に
開口している排気パイプのマフラ内開口端に配置され、
上流側のマフラ内消音室の排気圧を一定に保つように開
閉動作する制御バルブがマフラ内に設けられた自動車用
バルブ内蔵排気マフラにおいて、前記制御バルブを、排
気パイプの中心を通るバルブ回転中心軸を設定するバル
ブ軸と、該バルブ軸に対して上流側のオフセットした位
置に配置され、バルブ軸側が凹部となる屈曲板によるバ
ルブ本体と、該バルブ本体の下端部に設けられた重錘と
を有して構成し、バルブ閉時にバルブ本体の重力作用点
をバルブ軸の上流側に設定すると共に、重錘の重力作用
点をバルブ軸の下流側に設定し、且つ、バルブ開初期は
バルブ本体及び重錘に作用する重力とバルブ本体に作用
する排気圧による力にて開動作をし、その後、バルブ本
体及び重錘に作用する重力と排気ガスの流れによる流体
力とガスの流れを受けるバルブ本体形状により重力と逆
向きに作用する揚力との力関係により開閉動作をするバ
ルブとしたことを特徴とする。
【0012】(解決手段2)上記課題を解決する請求項
2記載の発明は、請求項1記載の自動車用バルブ内蔵排
気マフラにおいて、前記制御バルブのバルブ本体を、バ
ルブ閉時にパイプ軸に対してほぼ垂直に配置される上側
垂直プレート部と、バルブ閉時にパイプ軸に対し傾斜配
置される下側傾斜プレート部とにより断面く字形状とし
たことを特徴とする。
【0013】(解決手段3)上記課題を解決する請求項
3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の自動車
用バルブ内蔵排気マフラにおいて、前記バルブ本体を、
排気パイプのガス通路を塞ぐプレート部と、該プレート
部の両側から一体に延設させたブラケット部により構成
し、該ブラケット部にバルブ軸を支持することでバルブ
本体をバルブ軸に対してオフセット配置したことを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1,2,3記載の発明に対応する。
【0015】まず、構成を説明する。
【0016】[全体構成について]図2は実施の形態1
の自動車用バルブ内蔵排気マフラを示す全体断面図で、
Aは制御バルブ、10はマフラ側板、11は前端板、1
2は後端板、13は第1バッフルプレート、14は第2
バッフルプレート、15は排気入力パイプ、16は第1
パイプ、17は第2パイプ、18は第1排気パイプ、1
9は第2排気パイプ(排気パイプ)、20は第1室、2
1は第2室(マフラ内消音室)、22は第3室である。
【0017】前記制御バルブAは、一端部がマフラ内に
開口している第2排気パイプ19のマフラ内開口端に配
置され、上流側の第2室21の排気圧を一定に保つよう
に開閉動作する。
【0018】前記排気入力パイプ15は、エンジンから
の排気パイプに接続され、排気ガスを第2室21へ導入
する。
【0019】前記第1パイプ16は、第2バッフルプレ
ート14に設けられ、一端が第2室21に開口し、他端
が第3室22に開口している。
【0020】前記第2パイプ17は、第1バッフルプレ
ート13に設けられ、一端が第1室20に開口し、他端
が第2室21に開口している。
【0021】前記第1排気パイプ18は、第1バッフル
プレート13と第2バッフルプレート14と後端板12
に設けられ、一端部は第1室20に開口し、他端部は外
気に開口している。
【0022】前記第2排気パイプ19は、第2バッフル
プレート14と後端板12に設けられ、一端部には制御
バルブAが設けられ、他端部は外気に開口していて、制
御バルブAが開くと第2室21が外気に連通する。
【0023】前記制御バルブAが閉状態の時は、第1室
20及び第2室21が拡張室で第3室22がレゾネータ
室で第1排気パイプ18のみから排気ガスが外部に排出
される。また、制御バルブAが開状態の時には、第1排
気パイプ18と第2排気パイプ19により排気ガスが外
部に排出される。
【0024】[要部構成について]図1は実施の形態1
の自動車用バルブ内蔵排気マフラの制御バルブを示す断
面図で、Aは制御バルブ、1はバルブ軸、2はバルブ本
体、2aは上側垂直プレート部、2bは下側傾斜プレー
ト部、2cはブラケット部、3は重錘、19は第2排気
パイプ、Oはバルブ回転中心軸、Xはパイプ軸、bはバ
ルブ本体重力作用点、mはバルブ本体重力、Bは重錘重
力作用点、Mは重錘重力、PFは排気圧力、FFは流体
力、SFは揚力、Lはモーメントスパンである。
【0025】前記バルブ軸1は、第2排気パイプ19の
中心を通るバルブ回転中心軸Oを設定する。
【0026】前記バルブ本体2は、バルブ軸1に対して
上流側のオフセットした位置に配置され、バルブ軸側が
凹部となる屈曲板によるもので、バルブ閉時にパイプ軸
Xに対してほぼ垂直に配置される上側垂直プレート部2
aと、バルブ閉時にパイプ軸Xに対し傾斜配置される下
側傾斜プレート部2bとにより断面く字形状とされて
る。そして、バルブ本体2を、第2排気パイプ19のガ
ス通路を塞ぐ両プレート部2a,2bと、該プレート部
2a,2bの両側から一体に延設させたブラケット部2
c,2cにより構成し、該ブラケット部2c,2cにバ
ルブ軸1を支持することでバルブ本体2がバルブ軸1に
対してオフセット配置されている。
【0027】前記重錘3は、バルブ本体2の下端部のバ
ルブ軸側に設けられている。
【0028】前記制御バルブAは、上記バルブ軸1と上
記バルブ本体2と上記重錘3により構成され、図1に示
すように、バルブ閉時にバルブ本体2の重力作用点bを
バルブ軸1の上流側に設定すると共に、重錘3の重力作
用点Bをバルブ軸1の下流側に設定している。そして、
バルブ開初期はバルブ本体2及び重錘3に作用する重力
m,Mとバルブ本体2に作用する排気圧による力PFに
て開動作をし、その後、バルブ本体2及び重錘3に作用
する重力m,Mと、排気ガスの流れによる流体力FF
と、ガスの流れを受けるバルブ本体形状により重力と逆
向きに作用する揚力SFと、の力関係により開閉動作を
するバルブとしている。
【0029】次に、作用効果を説明する。
【0030】[低排気ガス圧時]第2室21の排気ガス
圧が設定圧に満たない低排気ガス圧時には、図1に示す
ように、バルブ閉状態が保たれる。
【0031】バルブ本体2に作用する力の関係は、バル
ブ開方向モーメントをM1とし、バルブ閉方向のモーメ
ントをM2とすると、 M1=L00・PF2 +L11・m M2=L00・PF1 +L21・M M1<M2 となる。
【0032】ここで、PF1 はバルブ本体2のバルブ軸
1より上側の部分に加わる排気圧力であり、PF2 はバ
ルブ本体2のバルブ軸1より下側の部分に加わる排気圧
力であり、バルブ軸1より下側の部分の受圧面積が大き
い分、排気圧力PF1 よりも排気圧力PF2 が大きく、
M1<M2という関係を保ちながらも、第2室21の排
気ガス圧が高まるにつれてバルブ開方向モーメントM1
がバルブ閉方向モーメントM2に近づく。
【0033】[排気ガス圧増大時]第2室21の排気ガ
ス圧が高まるとバルブ開方向に作用する排気圧力PF2
が大きくなり、第2室21の排気ガス圧が設定圧に達す
ると、バルブ開方向モーメントM1がバルブ閉方向モー
メントM2と同じ(M1=M2)になる。
【0034】そして、第2室21の排気ガス圧が設定圧
をわずかでも超えると、M1>M2という関係になり、
バルブ本体2の下端縁第2排気パイプ19の内底面から
離れて制御バルブAが開き始める。
【0035】制御バルブAが開くと、第2室21の排気
ガスが制御バルブA及び第2排気パイプ19を経過して
大気に放出されることから、排気ガスの流れがバルブ本
体2の周りに生じる。
【0036】よって、バルブの開き始めまでは排気ガス
の静圧による力のみがバルブ動作を支配するが、制御バ
ルブAが一旦開くと、排気ガスの静圧と動圧がバルブ動
作を支配し、図3に示すバルブ開度でのバルブ本体2に
作用する力の関係は、 M1=L32・SF1 +L12・m M2=L42・FF1 +L22・M となる。尚、FF1 はバルブ本体2のバルブ軸1より上
側の部分に加わる流体力であり、SF1 はバルブ本体2
のバルブ軸1より下側の部分に加わる流体力を重力と逆
向きの成分に変換した揚力であり、この揚力SF1 はバ
ルブ本体2の下側傾斜プレート部2bが排気ガス流れの
中に傾斜配置されることにより生じる。
【0037】そして、排気ガス圧が増大し、ガス流れも
速くなると、上記モーメント式のうち揚力SF1 による
項(L32・SF1 )が増大してM1>M2の関係を保ち
ながら制御バルブAが開いてゆく。
【0038】さらに、排気ガス圧が最大圧域まで増大す
ると、揚力もある限界域に達し、図4に示すように、バ
ルブ全開状態で安定する。この時のバルブ本体2に作用
する力の関係は、 M1=L33・SF2 +L13・m M2=L43・FF2 +L23・M M1≒M2 となる。
【0039】[排気ガス圧減少時]図4に示すバルブ全
開状態で排気ガス圧が減少し、制御バルブAに作用する
バルブ閉方向モーメントM2がバルブ開方向モーメント
M1を上回ると、バルブ本体2がバルブ軸1を中心に右
方向に回動して制御バルブAが閉じ始める。
【0040】制御バルブAが閉じ始めると、流体力が減
少する一方で重錘3による重力Mが効き、バルブ閉方向
モーメントM2が増大するのに伴いバルブ本体2が右方
向に回動してバルブ全閉となる。
【0041】[バルブコストについて]従来のマフラ内
制御バルブは、バルブ閉方向の力をバネ力により得るも
のであり、高耐熱性の高価なバネを用いていた。
【0042】これに対し、実施形態1の制御バルブA
は、重力をバルブ閉方向の力とする構成を採用すること
でバネレス構造とした。よって、高耐熱性のバネを不要
とした分、安価な制御バルブAとすることができる。
【0043】[バルブ開閉性能について]従来のマフラ
内制御バルブは、バルブ閉方向の力をバネ力により得る
ものであるため、バネの特性上、温度変化に対してバネ
力が変化してしまい、バルブが開き始めるエンジン回転
数等に大きなバラツキが出るし、また、バネ力が常時作
用していることにより大きな消音量が得られるバルブ閉
状態からバルブ全開となるバルブ開動作応答が遅れる。
【0044】これに対し、実施形態1の制御バルブA
は、バルブ開初期はバルブ本体2及び重錘3に作用する
重力m,Mとバルブ本体2に作用する排気圧による力P
Fにて開動作をするため、第2室21の排気ガス圧のバ
ルブ開動作を開始する設定圧を決めれば確実にバルブ開
動作が開始される。すなわち、エンジン回転数やエンジ
ン負荷等があるレベルになった時にエンジン出力を向上
させるバルブ開動作を開始したい場合、その設定が容易
となる。
【0045】また、バルブが開き始めて全開となるまで
は、バルブ本体2及び重錘3に作用する重力m,Mと、
排気ガスの流れによる流体力FFと、ガスの流れを受け
るバルブ本体形状により重力と逆向きに作用する揚力S
Fと、の力関係により開閉動作をする制御バルブAとし
ているため、バルブ開方向のモーメントを作り出す揚力
SFが履きガス圧の増大により高まると、一気にバルブ
全開となり、高応答によるバルブ開動作でバルブ閉状態
からバルブ全開となる。
【0046】よって、バルブ開動作タイミングをバラツ
キや温度変化に影響されず安定して得ると共に高応答の
バルブ開閉動作による消音モード切り替えが達成され、
バルブ閉状態から一気にバルブ全開とし高い加速性を得
たいという要求に応えることができる。
【0047】(他の実施の形態)実施の形態1では、バ
ルブ本体を上側垂直プレート部と下側傾斜プレート部と
により断面く字形状とする例を示したが、バルブ軸に対
して上流側のオフセットした位置に配置され、バルブ軸
側が凹部となる屈曲板によるバルブ本体であれば実施の
形態1の形状に限られるものではなく、円弧断面形状や
翼理論を応用した形状としても良い。
【0048】実施の形態1では、バルブ本体を、排気パ
イプのガス通路を塞ぐプレート部と、該プレート部の両
側から一体に延設させたブラケット部により構成し、該
ブラケット部にバルブ軸を支持することでバルブ本体を
バルブ軸に対してオフセット配置する例を示したが、バ
ルブ本体とブラケット部材とを別体とする例としても良
い。
【0049】実施の形態1では、一端がマフラ内に他端
が外気に開口される排気パイプへの適用例を示したが、
両端共にマフラ内の室に開口するマフラ内パイプにも適
用することもできる。さらに、断面形状が円形の排気パ
イプへの適用例を示したが、断面形状が楕円形や方形や
多角形等の排気パイプに適用することもできる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、一端部
がマフラ内に開口している排気パイプのマフラ内開口端
に配置され、上流側のマフラ内消音室の排気圧を一定に
保つように開閉動作する制御バルブがマフラ内に設けら
れた自動車用バルブ内蔵排気マフラにおいて、制御バル
ブを、排気パイプの中心を通るバルブ回転中心軸を設定
するバルブ軸と、該バルブ軸に対して上流側のオフセッ
トした位置に配置され、バルブ軸側が凹部となる屈曲板
によるバルブ本体と、該バルブ本体の下端部に設けられ
た重錘とを有して構成し、バルブ閉時にバルブ本体の重
力作用点をバルブ軸の上流側に設定すると共に、重錘の
重力作用点をバルブ軸の下流側に設定し、且つ、バルブ
開初期はバルブ本体及び重錘に作用する重力とバルブ本
体に作用する排気圧による力にて開動作をし、その後、
バルブ本体及び重錘に作用する重力と排気ガスの流れに
よる流体力とガスの流れを受けるバルブ本体形状により
重力と逆向きに作用する揚力との力関係により開閉動作
をするバルブとしたため、バネレスによる安価な制御バ
ルブとしながら、バルブ開動作タイミングをバラツキや
温度変化に影響されず安定して得ると共に高応答のバル
ブ開閉動作による消音モード切り替えを達成することが
できる。
【0051】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の自動車用バルブ内蔵排気マフラにおいて、制御バ
ルブのバルブ本体を、バルブ閉時にパイプ軸に対してほ
ぼ垂直に配置される上側垂直プレート部と、バルブ閉時
にパイプ軸に対し傾斜配置される下側傾斜プレート部と
により断面く字形状としたため、請求項1記載の発明の
効果に加え、簡単な形状でバルブ本体の成形が容易であ
ると共に、排気ガスの流れにより高応答のバルブ開閉動
作を得る適切な揚力を得ることができる。
【0052】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
または請求項2記載の自動車用バルブ内蔵排気マフラに
おいて、バルブ本体を、排気パイプのガス通路を塞ぐプ
レート部と、該プレート部の両側から一体に延設させた
ブラケット部により構成し、該ブラケット部にバルブ軸
を支持することでバルブ本体をバルブ軸に対してオフセ
ット配置したため、請求項1または請求項2記載の発明
の効果に加え、部品点数の少ない一体成形によりバルブ
本体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の自動車用バルブ内蔵排気マフラ
の制御バルブを示す断面図である。
【図2】実施の形態1の自動車用バルブ内蔵排気マフラ
を示す全体断面図である。
【図3】実施の形態1の自動車用バルブ内蔵排気マフラ
の制御バルブの開動作開始域を示す作用説明図である。
【図4】実施の形態1の自動車用バルブ内蔵排気マフラ
の制御バルブのバルブ全開状態を示す作用説明図であ
る。
【図5】従来例1の自動車用バルブ内蔵排気マフラを示
す全体概略図である。
【図6】従来例2の自動車用バルブ内蔵排気マフラを示
す断面図である。
【符号の説明】
A 制御バルブ 1 バルブ軸 2 バルブ本体 2a 上側垂直プレート部 2b 下側傾斜プレート部 2c ブラケット部 3 重錘 O バルブ回転中心軸 X パイプ軸 b バルブ本体重力作用点 m バルブ本体重力 B 重錘重力作用点 M 重錘重力 PF 排気圧力 FF 流体力 SF 揚力 L モーメントスパン 10 マフラ側板 11 前端板 12 後端板 13 第1バッフルプレート 14 第2バッフルプレート 15 排気入力パイプ 16 第1パイプ 17 第2パイプ 18 第1排気パイプ 19 第2排気パイプ(排気パイプ) 20 第1室 21 第2室(マフラ内消音室) 22 第3室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部がマフラ内に開口している排気パ
    イプ(19)のマフラ内開口端に配置され、上流側のマフラ
    内消音室の排気圧を一定に保つように開閉動作する制御
    バルブ(A)がマフラ内に設けられた自動車用バルブ内
    蔵排気マフラにおいて、 前記制御バルブを、排気パイプの中心を通るバルブ回転
    中心軸を設定するバルブ軸と、該バルブ軸に対して上流
    側のオフセットした位置に配置され、バルブ軸側が凹部
    となる屈曲板によるバルブ本体と、該バルブ本体の下端
    部に設けられた重錘とを有して構成し、バルブ閉時にバ
    ルブ本体の重力作用点をバルブ軸の上流側に設定すると
    共に、重錘の重力作用点をバルブ軸の下流側に設定し、 且つ、バルブ開初期はバルブ本体及び重錘に作用する重
    力とバルブ本体に作用する排気圧による力にて開動作を
    し、その後、バルブ本体及び重錘に作用する重力と排気
    ガスの流れによる流体力とガスの流れを受けるバルブ本
    体形状により重力と逆向きに作用する揚力との力関係に
    より開閉動作をするバルブとしたことを特徴とする自動
    車用バルブ内蔵排気マフラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車用バルブ内蔵排気
    マフラにおいて、 前記制御バルブ(A) のバルブ本体を、バルブ閉時にパイ
    プ軸に対してほぼ垂直に配置される上側垂直プレート部
    と、バルブ閉時にパイプ軸に対し傾斜配置される下側傾
    斜プレート部とにより断面く字形状としたことを特徴と
    する自動車用バルブ内蔵排気マフラ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の自動車用
    バルブ内蔵排気マフラにおいて、 前記バルブ本体を、排気パイプのガス通路を塞ぐプレー
    ト部と、該プレート部の両側から一体に延設させたブラ
    ケット部により構成し、該ブラケット部にバルブ軸を支
    持することでバルブ本体をバルブ軸に対してオフセット
    配置したことを特徴とする自動車用バルブ内蔵排気マフ
    ラ。
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