JPH1129359A - 炭素質複合材料及びそれを用いた摺動部材 - Google Patents

炭素質複合材料及びそれを用いた摺動部材

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JPH1129359A
JPH1129359A JP9182602A JP18260297A JPH1129359A JP H1129359 A JPH1129359 A JP H1129359A JP 9182602 A JP9182602 A JP 9182602A JP 18260297 A JP18260297 A JP 18260297A JP H1129359 A JPH1129359 A JP H1129359A
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hydrogen fluoride
carbonaceous composite
carbonaceous
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Miyoji Arai
美代治 新井
Toshiyuki Miyatani
俊行 宮谷
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Tadashi Murata
正 村田
Nobuatsu Watanabe
信淳 渡辺
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ化黒鉛の添加量をできるだけ少なくしな
がらもフッ化黒鉛含有炭素質材料の特徴的効果を十分確
保し、さらに二次腐食化防止性能を同時に発揮させられ
るような炭素質複合材料及びそれを用いた摺動部材を提
供しようとする。 【解決手段】 フッ化黒鉛及びフッ化水素中和用アルカ
リ剤又はフッ化水素固定用吸着剤を含有し、残部が炭素
質成分であることを基本的構成とする炭素質複合材料で
あり、他の発明は、この材料を用いてなる摺動部材であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性及び自己
潤滑性に優れると共に二次腐食化防止性能を備えた炭素
質複合材料及びこれを用いた摺動部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】炭素質複合材料は、耐薬品性,耐熱性,
機械加工性などに優れると共に自己潤滑性にも優れてい
るため、例えば摺動材料としても注目され、発電機用電
気摺動刷子(以下単に「ブラシ」という。)をはじめ、
各種装置の軸受,メカニカルシール用リングなどに広く
使用されている。最近では、これらの装置の使用条件が
一段と過酷になってきており、それでいて高い信頼性と
長寿命化が要求されてきている。こうした要請に応える
べく、炭素質複合材料の開発が盛んに行われるようにな
り、その一環として開発された炭素質複合材料の一つ
が、フッ化黒鉛を添加した炭素質複合材料である。即
ち、フッ化黒鉛を添加することにより、炭素質複合材料
の耐摩耗性や自己潤滑性を大きく向上でき、特に摺動材
料として好適であることが知られている(特開平55−
116609号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フッ化黒鉛を
添加した炭素質複合材料から製作したブラシを実際にモ
ーターにセットして使用したところ、大きな問題のある
ことが分かってきた。それは、使用中にブラシ内部で生
じたフッ化黒鉛の分解物つまりフッ素が外部に飛び出
し、空気中の湿気(水分)と反応してフッ化水素酸を生
成し、このフッ化水素酸が悪影響を及ぼすという問題で
ある。具体的には、このフッ化水素酸のためにモーター
の整流子(銅製)の腐食が短期間に進行するという事態
の発生に止まらず、ブラシ周辺の種々の金属部材等も徐
々に腐食していくという、いわゆる二次腐食の問題であ
る。
【0004】また、フッ化黒鉛は非常に高価であり、添
加量が数%違うだけでも摺動部材としての製品コストに
大きく影響するため、できるだけ少量の添加で高い摺動
性能が得られるように、その限界を見極めた上で経済的
な摺動部材とする必要がある。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、フッ化黒鉛の添加量をできるだ
け少なくしながらもフッ化黒鉛含有炭素質材料の特徴的
効果を十分確保し、さらに二次腐食化防止性能を同時に
発揮させられるような炭素質複合材料及びそれを用いた
摺動部材を提供しようとする点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明は、フッ化黒鉛及びフッ化水素中和用アルカリ剤又
はフッ化水素固定用吸着剤を含有し、残部が炭素質成分
であることを基本的構成とする炭素質複合材料であり、
他の発明は、この材料を用いてなる摺動部材である。
【0007】以下、上記特有の構成を採用し得るまでの
実験の経緯を踏まえつつ、本発明を詳しく説明する。本
発明者らはまず、できるだけ少量のフッ化黒鉛の添加で
高い摺動性能を発揮できる炭素質複合材料を見い出すべ
く、フッ化黒鉛添加量とブラシ摩耗量との関係を調べ、
上限添加量を明らかにすることから実験を開始した。
【0008】天然黒鉛60質量%,エポキシ樹脂20質
量%,その他硬化剤や有機溶媒などからなる原料にフッ
化黒鉛をそれぞれ0質量%,0.2質量%,0.4質量
%,0.8質量%,1.2質量%,1.6質量%づつ添
加した6種類のブラシを製作し、クリーナー用モーター
に装着し、押さえ圧力P=0.04MPa及びP=0.
13MPa,回転数V=48m/sec(共通)という
条件下で100時間の摺動試験を行った。その結果を図
1及び図2に示す。
【0009】図1及び図2からも明らかなように、どち
らの条件下においても黒鉛添加量とブラシ摩耗量との関
係はほぼ同様の傾向が見られ、フッ化黒鉛の添加量が
0.4質量%でのブラシ摩耗量はフッ化黒鉛が無添加の
場合の約2分の1に減少し、フッ化黒鉛の添加量が0.
8質量%を超えるほど多くなってくると、同摩耗量の減
少率は約10分の1にも達し、そしてそのレベルでほぼ
安定することが理解できる。この結果からすると、フッ
化黒鉛の上限添加量としては1.0質量%程度、望まし
くは0.8質量%であると判断できる。
【0010】次に、フッ化黒鉛を0.8質量%添加して
製作したブラシを実際に使用して、フッ化黒鉛の分解物
であるフッ素に起因する二次腐食の発生状況を調べた。
即ち、モーター(実機)に同ブラシをセットし、押さえ
圧力P=0.04MPa,回転数V=48m/secと
いう条件下で100時間の摺動試験を行った後運転を停
止し、その状態で放置したところ、約3カ月でモーター
の整流子とブラシが腐食により固着した。
【0011】この問題を解決するために、本発明者らは
フッ化黒鉛から遊離、分解するフッ素をアルカリ剤で中
和するか、吸着剤で固定して無害化する方法の採用を目
指し、その方法で実効が得られるかどうかの確認、適切
なアルカリ剤や吸着剤の種類及び添加量等を選定するた
めに、さらに実験を行った。そのためにはまず、アルカ
リ剤や吸着剤を添加する前提として、フッ化黒鉛添加量
に対するフッ素発生量を把握しておく必要があると共
に、アルカリ剤や吸着剤を添加して効果を確かめる試験
を行う時のフッ化黒鉛添加量の決定の目安を得る必要が
あるため、そのフッ化黒鉛添加量とフッ素発生量との関
係を明らかするための実験から行った。
【0012】フッ化黒鉛をそれぞれ0質量%,0.2質
量%,0.4質量%,0.8質量%,1.2質量%,
1.6質量%づつ添加した6種類のブラシを製作し、各
ブラシを図3に示す遊離フッ素捕捉装置にセットし、排
気される気体を0.01NのKOH液(200ml)中
に捕捉するようにした。図中3は、ブラシ2がセットさ
れたモーター1の上部を覆うフードであり、このフード
3と、予備ビン4、排気中のフッ素を捕捉するための第
1吸収ビン5及び第2吸収ビン6とはパイプ7,8,9
で連通されており、またパイプ10の先は図示されてい
ない真空ポンプに接続されている。遊離フッ素の捕捉を
終えた第1吸収ビン5及び第2吸収ビン6のそれぞれの
溶液について、フッ素イオン選択性電極を備えたイオン
濃度計によりフッ素の定量分析を行い、両者の合計値を
もって排気中のフッ素濃度とした。
【0013】なお、ここでの試験条件は、測定精度を上
げるためにフッ素濃度としての測定値が0.1ppm
(mg/l)程度以上のオーダーとなるように、通常の
運転条件よりかなり厳しいものとした。即ち、モーター
電圧V=110V, 押さえ圧力P=0.15MPa,
回転数V=48m/secという条件下で2分間運転し
た後、10秒間停止するという間欠運転を4時間行っ
た。得られたフッ化黒鉛添加量と発生フッ素濃度との関
係を図4に示す。
【0014】図4から明らかなように、フッ化黒鉛添加
量が0.8質量%のときはフッ素が0.42ppm、フ
ッ化黒鉛添加量が1.2質量%のときはフッ素が0.4
7ppm検出された。この程度のフッ素濃度であれば、
アルカリ剤や吸着剤の添加効果(フッ素除去効果)を確
認するのに十分といえるので、後述のアルカリ剤や吸着
剤の添加試験でのフッ化黒鉛添加量は、0.8質量%と
1.2質量%に設定することとした。
【0015】ところで、図4によれば、フッ化黒鉛が無
添加の場合でも、フッ素が0.06ppmほど検出され
ているが、これは、試験条件をかなり厳し目に設定した
ために、ブラシ本体そのものを構成する天然黒鉛中に不
純物として存在していた微量フッ素が検出されたもので
ある。従って、フッ化黒鉛添加ブラシの場合には、アル
カリ剤や吸着剤を添加することによってフッ素濃度を
0.06ppm程度にまで減少できれば、フッ化黒鉛に
起因する遊離フッ素はほぼ中和又は固定により除去でき
たと言える。逆に言えば、フッ素濃度を0.06ppm
程度にまで減少できるだけのアルカリ剤や吸着剤の添加
量を最大添加量とすればよいことが分かる。
【0016】そこで、引き続きアルカリ剤又は吸着剤の
添加試験(アルカリ剤や吸着剤について、これらの添加
量とフッ素濃度減少量との関係を調べる試験)を行っ
た。まず、天然黒鉛60質量%,エポキシ樹脂20質量
%,その他硬化剤や有機溶媒などからなる原料に、フッ
化黒鉛を0.8質量%添加すると共にアルカリ剤として
選定した水酸化リチウム(LiOH)をそれぞれ0質量
%,0.2質量%,0.4質量%,0.8質量%,1.
2質量%,1.6質量%づつ添加した6種類のブラシを
製作した。この後、順次アルカリ剤を酸化リチウム(L
2 O),酸化カルシウム(CaO),水酸化カルシウ
ム(Ca(OH)2 )に変えながら、24種類のブラシ
を製作した。さらに、同一原料及び同一フッ化黒鉛添加
量でアルカリ剤の代わりに吸着剤の一種のフッ化ナトリ
ウム(NaF)を上記と同様に変えながら添加したもの
を6種類製作した。得られた計30種類のブラシについ
て、前述のフッ化黒鉛添加量とフッ素発生量との関係を
調べるために行った試験(図3に示す遊離フッ素捕捉装
置を使用した試験)と同様の条件で試験を行い、アルカ
リ剤又は吸着剤の添加量と発生フッ素の減少量との関係
を調べた。その結果を図5に示す。
【0017】また、フッ化黒鉛を1.2質量%添加する
こと以外は、原料及びアルカリ剤や吸着剤に関する条件
を上記と同様に種々変えながら新たに30種類のブラシ
を製作し、これらのブラシについても上記と同様の試験
を行って、アルカリ剤又は吸着剤の添加量と発生フッ素
の減少量との関係を調べた。その結果を図6に示す。
【0018】図5から明らかなように、フッ化黒鉛の添
加量が0.8質量%の場合は、いずれのアルカリ剤又は
吸着剤であってもその添加量が0.8質量%程度に達す
れば、フッ素濃度が0.06ppm程度にまで減少して
いることが理解できる。また、図6からは、フッ化黒鉛
の添加量が1.2質量%の場合は、いずれのアルカリ剤
又は吸着剤であってもその添加量が1.2質量%程度に
達すれば、フッ素濃度が0.06ppm程度にまで減少
していることが理解できる。この結果から、アルカリ剤
又は吸着剤としては、フッ化黒鉛の添加量とほぼ同量だ
け添加することが、フッ化黒鉛からの遊離フッ素を最も
効率よく除去できる効果につながることが理解できる。
【0019】上記のアルカリ剤又は吸着剤の添加試験で
は、まずアルカリ剤として代表的に水酸化リチウム(L
iOH),アルカリ剤を酸化リチウム(Li2 O),酸
化カルシウム(CaO),水酸化カルシウム(Ca(O
H)2 )の4種類を使用したが、これらは特に望ましい
アルカリ剤の例であり、アルカリ金属又はアルカリ土類
金属の酸化物,水酸化物からなる群より選ばれる1種以
上のアルカリ剤は、基本的にフッ素発生除去効果を発揮
し得るものとして、十分使用可能である。
【0020】また、吸着剤の一種としてフッ化ナトリウ
ム(NaF)を使用したが、これも特に望ましい吸着剤
の例であり、アルカリ剤の場合と同様、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属のフッ化物からなる群より選ばれる
1種以上の吸着剤も、基本的にフッ素発生除去効果を発
揮し得るものとして、十分使用可能である。
【0021】なお、上記では、本発明特有の炭素質複合
材料を適用した場合に特にその意義が大きいブラシ(電
気用摺動部材)について説明したが、メカニカルシール
部材や軸受部材等の機械用摺動部材にも同様の効果があ
ることが確認できた。
【0022】
【実施例】
(1) 炭素質複合材料の調整及びこの材料からなる摺動部
材の製作 天然黒鉛60質量%,エポキシ樹脂20質量%,その他
硬化剤や有機溶媒などからなる原料に、フッ化黒鉛を
0.8質量%添加すると共に、その添加量に見合って発
生する遊離フッ素を除去するのに効果的な添加量である
0.8質量%のアルカリ剤(LiOH)を添加し、これ
らをよく混合してブラシを製作した。 (2) 摺動部材の性能評価 得られたブラシを使用して実機テストを行った。実機テ
ストは、前述のアルカリ剤無添加での二次腐食調査試験
と同様の条件で行った。即ち、モーター(実機)にブラ
シをセットし、押さえ圧力P=0.04MPa,回転数
V=48m/secという条件下で100時間の摺動試
験を行った後運転を停止し、その状態で放置して二次腐
食の発生の有無やその進行状況などを調べた。しかし、
放置してから5ヵ月後においてもブラシとモーターの整
流子との間に固着が見られず、ブラシ,モーターともに
外観検査では運転初期の状態と変わらず、腐食の形跡は
全く認められなかった。
【0023】また、上記の実機テストにおいて、テスト
開始後50時間後の摺動中のモーターの温度を測定した
ところ、70℃であった。一方、同一条件下での測定
で、フッ化黒鉛及びアルカリ剤無添加で製作した従来型
ブラシを使用した場合には140℃であった。このよう
に、本発明に係るブラシを使用した場合は、従来型ブラ
シを使用した場合に比べてモーターの温度が2分の1に
抑えられており、この事実からして本発明の炭素質複合
材料ひいては摺動部材であれば、従来のフッ化黒鉛を添
加した炭素質摺動材料ひいてはその摺動部材よりも、自
己潤滑性の面でもさらなる改善効果を発揮できることが
理解できる。
【0024】なお、フッ化黒鉛を添加した摺動部材の本
来の効果である良好な耐摩耗性がアルカリ剤や吸着剤の
添加で影響を受けていないかを確認するための試験も併
せて行った。上記で得られたブラシに対して図1と同様
の摺動試験を行った。即ち、クリーナー用モーターに装
着し、押さえ圧力P=0.04MPa及びP=0.13
MPa,回転数V=48m/secという条件下で10
0時間の摺動試験を行ったところ、フッ化黒鉛を0.8
質量%だけ添加した場合の結果(図1)と同様の結果と
なり、耐摩耗性も良好に維持されることを確認した。
【0025】なお、上述の本発明に係る一連の説明は、
主としてフッ化黒鉛含有炭素質材料が摺動部材に適用さ
れた場合の問題点を解決すべく、本発明の炭素質複合材
料も摺動材料向けとした内容であるが、勿論この摺動材
料向けに限定される訳ではなく、フッ化黒鉛含有炭素質
部材製の装置部品が装置の運転中に生ずる遊離フッ素に
起因する二次腐食が問題となるような用途すべてに有効
に適用可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐摩耗性及び自己潤滑性に優れると共に二次腐食化防止
性能を備えた炭素質複合材料及びそれを用いた摺動部材
を提供することができる。特にフッ化黒鉛の添加量を
0.8質量%以下としたり、アルカリ剤や吸着剤の添加
量をフッ化黒鉛の添加量とほぼ同程度とすることによ
り、上記の耐摩耗性,自己潤滑性及び二次腐食化防止性
能の発揮を一層確実なものにできる上により経済的な炭
素質複合材料及びそれを用いた摺動部材とすることがで
きる。また、本発明をブラシに適用する場合は、上記の
ようにフッ化黒鉛の少量添加が可能であるため、機械摺
動部材にはない電気摺動部材特有の要求特性にも十分満
足させることができる。さらに、フッ化黒鉛含有炭素質
部材製の装置部品が装置の運転中に生ずる遊離フッ素に
起因する二次腐食が問題となるような用途すべてに有効
に適用可能であり、関係産業装置分野に大きく貢献でき
ることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ化黒鉛の添加量とブラシ摩耗量との関係を
示す図である。
【図2】押さえ圧力を異にする条件下でのフッ化黒鉛の
添加量とブラシ摩耗量との関係を示す図である。
【図3】遊離フッ素捕捉装置の概略説明図である。
【図4】フッ化黒鉛の添加量とフッ素の発生量との関係
を示す図である。
【図5】フッ化黒鉛の添加量が0.8質量%の場合の、
アルカリ剤等の添加量とフッ素発生量との関係を示す図
である。
【図6】フッ化黒鉛の添加量が1.2質量%の場合の、
アルカリ剤等の添加量とフッ素発生量との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 モーター 2 ブラシ 3 フード 4 予備ビン 5 第1吸収ビン 6 第2吸収ビン 7,8,9,10 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 正 香川県三豊郡財田町財田上宮坂1335−22 東炭化工株式会社内 (72)発明者 渡辺 信淳 京都府長岡京市うぐいす台136

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化黒鉛及びフッ化水素中和用アルカ
    リ剤を含有し、残部が炭素質成分である炭素質複合材
    料。
  2. 【請求項2】 フッ化水素中和用アルカリ剤が、アルカ
    リ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物からな
    る群より選ばれる1種以上である請求項1記載の炭素質
    複合材料。
  3. 【請求項3】 フッ化黒鉛の含有量が1.0質量%以下
    である請求項1又は請求項2に記載の炭素質複合材料。
  4. 【請求項4】 フッ化水素中和用アルカリ剤の含有量
    が、フッ化黒鉛の含有量にほぼ相当するものである請求
    項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の炭素質複合材
    料。
  5. 【請求項5】 フッ化水素中和用アルカリ剤が、酸化リ
    チウム,酸化カルシウム,水酸化リチウム,水酸化カル
    シウムより選ばれる1種以上である請求項請求項2乃至
    請求項4のいずれか一項に記載の炭素質複合材料。
  6. 【請求項6】 フッ化黒鉛及びフッ化水素固定用吸着剤
    を含有し、残部が炭素質成分である炭素質複合材料。
  7. 【請求項7】 フッ化水素固定用吸着剤が、アルカリ金
    属又はアルカリ土類金属のフッ化物からなる群より選ば
    れる1種以上である請求項6記載の炭素質複合材料。
  8. 【請求項8】 フッ化黒鉛の含有量が少なくとも1.0
    質量%以下である請求項6又は請求項7に記載の炭素質
    複合材料。
  9. 【請求項9】 フッ化水素固定用吸着剤の含有量が、フ
    ッ化黒鉛の含有量にほぼ相当するものである請求項6乃
    至請求項8のいずれか一項に記載の炭素質複合材料。
  10. 【請求項10】 フッ化水素固定用吸着剤が、フッ化ナ
    トリウムである請求項7乃至請求項9のいずれか一項に
    記載の炭素質複合材料。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の炭素質複合材料を用いてなる摺動部材。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の炭素質複合材料を用いてなる電気摺動刷子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の炭素質複合材料を用いてなるメカニカルシー
    ル部材。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項10のいずれか一
    項に記載の炭素質複合材料を用いてなる軸受部材。
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