JPH11293341A - ハイブリッド型誘導加熱炉 - Google Patents

ハイブリッド型誘導加熱炉

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JPH11293341A
JPH11293341A JP10262730A JP26273098A JPH11293341A JP H11293341 A JPH11293341 A JP H11293341A JP 10262730 A JP10262730 A JP 10262730A JP 26273098 A JP26273098 A JP 26273098A JP H11293341 A JPH11293341 A JP H11293341A
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JP
Japan
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heating
combustion
furnace
temperature
induction heating
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Withdrawn
Application number
JP10262730A
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English (en)
Inventor
Takeshi Suzuki
鈴木  剛
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Air Supply (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ビレット等の加熱炉において、電磁誘導による
誘導加熱方式と高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱方式
とを、両者の優れた特徴を生かせるように組み合わせ
て、高いエネルギー利用効率が得られ、しかも構造が単
純で設備コストの低いハイブリッド型誘導加熱炉を提供
する。 【解決手段】ビレット等の被加熱物を加熱する加熱部と
該加熱部内で被加熱物を移動させる手段とを有したハイ
ブリッド型誘導加熱炉の該加熱部を、被加熱物の流通加
熱経路の上流側に設けた誘導加熱部と、該誘導加熱部の
下流側に設けた高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱部と
を備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、型材の原料となる
ビレット等の加熱に利用される加熱炉において、電力に
よる誘導加熱の優れた点と燃料直炊きによる燃焼加熱の
優れた点を併せ持つハイブリッド型誘導加熱炉に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在の殆どの、断面が円形又は一辺が1
30mm以下の正方形の鋼片であるビレット等の加熱に
は、電磁誘導によって加熱電流を発生させる誘導加熱炉
が使用されている。
【0003】この誘導加熱炉では、燃焼を利用しないの
で、ビレット等の製品の酸化を防止でき、スケールと脱
炭の発生量を減少できるので、鋼材の表面の性状を向上
することができる。また、内部を略均一に加熱できるた
め、被加熱物の肉厚方向の温度差が少なく、内部まで均
一温度にできる。更に、燃焼加熱方法に比べて、例え
ば、5倍から10倍の100〜200℃/secという
ような著しく高い加熱速度で加熱することができ、結晶
粒を微細化することができるのでビレット等の被加熱物
の材質を更に向上することができる。
【0004】その上、誘導加熱炉は、構造も簡単で、操
作及び取り扱いも容易であり、設置スペースも少なく、
また、燃焼排ガスを発生しないので、燃焼排ガスの処理
の問題もなくなるという利点がある。
【0005】しかしながら、ビレット等の製品の加熱温
度が高温となる場合には、誘導加熱用のコイル内に冷却
水を通して冷却して、コイルの材料を保護をする必要が
あり、例えば1250℃となるような非常に高温の場合
は、この冷却に伴う放熱損失が著しく大きくなるという
問題がある。
【0006】また、誘導加熱炉は、電力による加熱であ
るために、一次エネルギーベースで見ると、発電及び送
電過程におけるエネルギーロスと誘導加熱炉本体におけ
るエネルギーロスとが重なり、エネルギー利用効率が極
めて低く、単位製品量当たりに要する用役の消費量であ
るエネルギー原単位でみると効率が悪く、改善の余地が
あるという問題がある。
【0007】また、ビレット等の加熱に燃料直焚きの燃
焼加熱炉を使用する場合には、比較的簡単な構造の燃焼
バーナでも高温にすることができ、主として炎からの熱
放射で、熱を被加熱物と炉内表面に与え、また、炉内表
面はその熱の大部分を熱放射して被加熱物に与えるの
で、伝熱表面積が大きくない場合でも比較的低い温度で
多量の熱を与えることができるという利点があり、燃焼
熱エネルギーを直接加熱に使用できるのでエネルギー効
率がよい。
【0008】また、炉内温度と製品の温度差によって熱
エネルギーを熱放射や対流伝熱等により熱伝達するた
め、温度差の大きい間は熱伝達が速やかに行われるが、
温度差が小さくなると伝熱速度が著しく低下するという
特徴がある。
【0009】しかし、この燃料直焚きの燃焼加熱炉で
は、被加熱物の外側から加熱することになるので、内部
を目標の加熱温度にするためには炉内温度又は燃焼排ガ
スをこの目標温度以上に昇温させる必要がある。そのた
め、通常に燃焼バーナでは、排気ガスの排出温度が高く
なるので、放熱による熱損失が大きくなり、エネルギー
効率が悪くなる上に、高温に耐える炉材や保温が必要に
なり、高コストの設備になるという問題がある。また、
酸化雰囲気における加熱になるので、酸化による被加熱
物の材質の劣化という問題もある。
【0010】そこで、近年のビレット等の加熱に利用さ
れる加熱炉において、誘導加熱部と燃料直焚き加熱部と
を直列配置して、電力による誘導加熱の優れた点と燃料
直焚きによるエネルギー効率の良い点とを組合わせたハ
イブリッド型誘導加熱炉が注目されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このハ
イブリッド誘導加熱炉においては、実開昭58−105
466号公報に記載の装置のように、燃料直焚きの燃焼
加熱部3Aの後段に誘導加熱部2Aを図6に示すように
配置すると、次のような問題がある。
【0012】高周波誘導加熱は、被加熱物の表皮に渦電
流を発生させて、その渦電流に基づく渦電流損によって
材料を加熱するが、磁気変態点を越えると急速に強磁性
を失い、更に加熱しようとしても、起電力が小さくなり
発熱量が少なくなる。そのため、誘導加熱は常温から磁
気変態点近傍までの範囲が加熱効率が高いが、それ以上
は加熱効率が低下する。
【0013】この磁気変態点は、代表的なα鉄では73
0℃であり、鉄を主成分とするビレットの加熱材料で
は、材料により若干相違するが、この730℃前後であ
る。これに対して、ビレット等の被加熱物の加熱温度、
即ち製品出力温度Tpは最大では1250℃程度になる
ような更に高温までの加熱を必要とするため、加熱温度
が高ければ高い程供給電力の出力が大きくなり、大出力
の電力を扱うために設備コストが増大するという問題が
ある。
【0014】又、同時に加熱用コイルの材料を輻射熱か
ら保護する為に、コイル内を冷却する必要が生じ、この
冷却は一般には水冷で行われるので、加熱温度Tpが高
くなると、その分多量の冷却水を循環させる必要が生
じ、冷却によるエネルギー損失が増大すると共に、効率
よく冷却する必要があるので、誘導加熱部2Aの構造が
複雑になるという問題がある。
【0015】また、図5に示すように、誘導加熱部2の
後段に通常の燃焼加熱部3を配置する場合には、次のよ
うな問題がある。つまり、燃焼加熱部3で最終的な加熱
温度Tpまで製品の温度を上昇させ、しかも、製品を内
部まで均一に加熱しようとすると、通常の燃焼加熱炉で
は、その加熱温度Tp以上の高温ガスが必要になるの
で、燃焼排ガスの排出温度も加熱温度以上になり、エネ
ルギー損失が著しく大きくなり、また、炉材も高価なも
のとなり、設備も大きくなるという問題がある。
【0016】また、一般に、燃焼加熱は誘導加熱方式に
比較して、加熱速度が低く、同じ温度幅を上昇させるた
めには、燃焼加熱の方が、(温度×加熱時間)が大きく
なり、更に、一般的な燃焼バーナを使用した場合には、
燃焼炉のガス中の酸素濃度が高いために、加熱工程にお
いて、金属表面の脱炭作用が活発となり、所謂酸化スケ
ールが発生し、加熱材料に品質を低下させるという問題
がある。
【0017】これらの理由から、通常の燃焼加熱部と誘
導加熱部を組み合わせたハイブリッド型の誘導加熱炉
は、小型の加熱炉や製品の品質を厳しく問わない場合に
限られており、大型の加熱炉では実現することは非常に
難しいという問題がある。一方、燃料直焚きの燃焼方法
として、高速切換式蓄熱バーナ型燃焼器(HRS:High
-cycle Regenerative Combustion System )による方法
がある。
【0018】この高速切換式蓄熱バーナ型燃焼器による
燃焼は、例えば、図3に示すように、燃焼加熱部3の壁
面31にそれぞれセラミックハニカム構造体等の蓄熱器33
a、33bと燃焼バーナ34a、34bを備えた複数の系統の
燃焼器35a、35bと、燃焼用空気Aと燃焼排気ガスGを
切り換える切換弁32とを有して構成されている。
【0019】この構成において、切換弁32による燃焼用
空気Aと燃焼排ガスGの経路の切換と燃料Fの切換の組
み合わせにより、複数の燃焼器35a、35bを交互に繰り
返し燃焼させて、燃焼しない側の蓄熱器33a又は33bに
この燃焼で発生する燃焼排ガスGを流通させて蓄熱し、
次の燃焼時に燃焼用空気Aを予熱する。
【0020】この時の燃焼温度は、燃焼用空気Aが予め
1000℃程度に予熱されているため、理論燃焼温度よ
りも高くすることができる。また、予熱と蓄熱を例えば
20〜30秒間隔の短時間で繰り返し切り替えているた
めに、炉内温度は時間的に略一定の温度となり、また、
炉内の空間的な温度分布も平均化される。そのため、平
均炉内温度を高く維持しながら、最高燃焼温度を低く抑
えることができる。その上、燃焼用空気の予熱による熱
回収を行っているので、燃焼排ガスの排出温度を低く抑
えて、排ガスによる熱損失を小さくすることができる。
【0021】上記のように高速切換式蓄熱バーナ型の加
熱炉では、通常の燃焼バーナによる燃焼加熱に比べ、は
るかにエネルギー損失が少なく、また、効率的な燃焼で
炉内平均温度を高くすることが可能である。その上、燃
焼用空気を予熱して非常に高温にすることができるた
め、還元雰囲気に近い低酸素下でも燃焼が可能となるの
で、製品の酸化という問題も無くなり、製品を優れた材
質にすることができる。
【0022】従って、高速切換式蓄熱バーナ型の加熱方
式は、高温での加熱を必要とする燃料加熱方式としては
最適なものとなる。本発明は、従来技術の問題を解決し
ようとしてなされたものであり、その目的は、ビレット
等の加熱炉において、電磁誘導による誘導加熱方式と高
速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱方式とを、両者の優れ
た特徴を生かせるように組み合わせて、高いエネルギー
利用効率が得られ、しかも構造が単純で設備コストの低
いハイブリッド型誘導加熱炉を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明のハイブリッド型誘導加熱炉は、ビレット等
の被加熱物を加熱する加熱部と該加熱部内で被加熱物を
移動させる手段とを有し、該加熱部を、被加熱物の流通
加熱経路の上流側に設けた誘導加熱部と、該誘導加熱部
の下流側に設けた高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱部
とを備えて構成される。
【0024】この構成によれば、前段に誘導加熱部を設
けて、誘導加熱を利用して、製品の初期加熱の加熱速度
を大きくして、温度上昇の立ち上がりを早めることがで
き、しかも、常温から磁気変態点近傍までの高周波誘導
加熱の加熱効率の高い範囲内の、高温になる前の段階の
みで誘導加熱をしているので、誘導加熱コイル等の冷却
に伴うエネルギーロスを小さくすることができる。ま
た、冷却装置も小さくて済むので誘導加熱装置の構造を
簡素化して設備コストを小さくすることができる。
【0025】また、後段に、従来の燃焼バーナとは異な
る高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱部を配設したため
に、燃焼用空気を予熱して著しく高い温度の空気を供給
できるので、低酸素濃度下でも燃焼が安定し、炉内の燃
焼がガス雰囲気が均一で平均温度が高く、被加熱金属へ
の熱伝達が良い。
【0026】そのため、高温状態の条件下であっても酸
化スケールの発生量を著しく低減させることが可能であ
り、また、この高速切換式燃焼部の均一化された炉内温
度により、被加熱材料の材質の均質化が向上する。ま
た、炉長さも短縮され、炉内での加熱時間が少なくて済
む。
【0027】さらに、高速切換式燃焼部では、空気予熱
によって熱回収し、しかも、燃焼温度のピークが殆ど無
く、時間的にも空間的にも均一加熱が可能なので、炉内
燃焼ガス温度の最高温度を低くできる。
【0028】そのため、エネルギー効率が極めて良く、
エネルギー原単位を小さくできると共に、炉の耐熱構造
が比較的簡単となるので、炉もコンパクトにすることが
できる。さらに、炉内の局所的な高温燃焼を抑制し比較
的均一に抑えることができるので、NOxの排出量も少
なくなる。
【0029】そして、前記燃焼加熱部に入る被加熱物の
温度を600〜800℃とすることにより、燃焼加熱部
による温度上昇量を450〜650℃にして、誘導加熱
部の熱負荷と燃焼加熱部による熱負荷の割合を、炉全体
の特性によって決まる、炉全体として最低のエネルギー
原単位で効率良く加熱できる割合にすることができるの
で、エネルギー効率の良い加熱を行うことができ、エネ
ルギー利用効率を著しく向上できる。
【0030】この被加熱物の温度の600〜800℃
は、急速に強磁性を失って高周波誘導加熱の加熱効率が
大幅に低下するを磁気変態点を考慮した結果であり、ビ
レット材料の主なものである鈍鉄の急速に磁気状態が変
化する600〜800℃に対応させて設定している。
【0031】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照し、本発明
の実施の形態を具体的に説明する。本発明に係るハイブ
リッド型誘導加熱炉1は、図1に示すように、誘導加熱
部2の後段に、高速切換式蓄熱バーナ型(HRS)燃焼
器35を備えた燃焼加熱部3を設けて構成される。
【0032】この誘導加熱部2は、ビレット等の被加熱
物である製品10の初期加熱を行うものであり、その構造
は図2に示すように、製品10を、耐火チューブ21内の製
品10の移動手段であるローラ11の上に載せて移動可能に
保持すると共に、この耐火チューブ21の周囲に誘導加熱
コイル22を巻いて、高周波電流を流すことにより、製品
10の内部に加熱用電流を発生させて加熱する。また、誘
導加熱コイル22を輻射熱による損傷から防ぐために、誘
導加熱コイル22の内部に設けた冷却水通路23に冷却水を
循環させて冷却する。この誘導加熱コイル22はスパイラ
ル状に耐火チューブ21の沿って設ける。
【0033】また、燃焼加熱部3は、高速切換式蓄熱バ
ーナ型燃焼器(HRS)を有して構成され、図1及び図
3に示すように、燃焼加熱部3の壁面31にそれぞれ蓄熱
器33a、33bと燃焼バーナ34a、34bを備えた複数系統
の第1、第2の燃焼器35a、35bと燃焼用空気Aと燃焼
排気ガスGを切り換える切換弁32を有し、この第1燃焼
器35aに燃料Fを供給して燃焼させた時に発生する燃焼
排ガスGを第2燃焼器35bの蓄熱器33bに流して、この
燃料排ガスGが有する熱量を回収して蓄熱する。
【0034】そして、燃料Fの供給を第1燃焼器35aか
ら第2燃焼器35bに切り換えて、第2燃焼器35bを燃焼
させた時に発生する燃焼排ガスGを第1燃焼器35aの蓄
熱器33aに流して、その熱量を回収して蓄熱する。この
燃焼器35aと35bの切換のサイクルを繰り返すことによ
り、燃焼排ガスGが有する熱量を燃料停止中の燃焼器35
a又は35bの蓄熱器33a又は33bに蓄えて、次に燃焼す
る際の燃焼用空気Aの加熱源とする。
【0035】これらの複数の燃焼器35a、35bは2つ以
上でサイクル燃焼を行う一つの組を形成し、必要に応じ
て幾つかの組を備えて燃焼加熱部3を構成する。この燃
焼・蓄熱の半サイクルの様子を図4に示す。この縦軸は
燃焼用空気A及び燃焼排ガスの温度Tを示し、横軸はサ
イクルの経過時間tを示す。
【0036】先ず、外気から取り入れた常温Tiの燃焼
用空気Aは、予め蓄熱されたセラミックハニカム構造体
(蓄熱器)33aを通過して予熱され、炉内(燃焼室)30
に入る。炉内30では、高温Taになった燃焼用空気Aに
燃料Fが与えられるので、燃料の燃焼エネルギー分E0
だけ上昇した断熱燃焼温度Tcで高温燃焼する。
【0037】そして、負荷分の熱が炉外へ使用された
後、そのエネルギーに相当する分E1だけ燃焼排ガスG
の温度が下がり、温度Tfで他方のセラミックハニカム
構造体33bを通過して蓄熱用のエネルギー分E2だけ温
度が低下し、排気温度Toで排出される。
【0038】この時の燃焼温度Tcは、燃焼用空気Aが
予め1000℃程度に予熱されているため、理論燃焼温
度よりも高くなり、燃料Fの発生熱量と製品10の加熱に
使用される熱量と放熱等による熱損失とに応じた炉内温
度Tfを維持することになる。そして、この炉内温度T
fは、予熱、蓄熱のためのセラミックハニカム構造体33
a、33bは例えば20〜30秒間隔の短時間で繰り返し
切り替わるため、炉内温度Tfは時間的に略一定の温度
となり、また、空間的な炉内温度分布も平均化される。
【0039】この高速切換式蓄熱バーナ型(HRS)の
燃焼加熱部3は、通常の燃焼バーナによる燃焼加熱に比
べ、時間的にピーク温度の無い、平均的な高温状態を作
ることができるため、炉内平均温度Tfを高くすること
ができる。そのため、金属等の高温を必要とする製品10
を加熱する燃料加熱方式としては最適となる。次に、こ
のハイブリッド型誘導加熱炉に於いて、誘導加熱部2を
燃焼加熱部3の前段においた場合と後段においた場合の
製品10の温度上昇パターンについて説明する。
【0040】図5に示すように、前段に誘導加熱部2を
設けた場合には、誘導加熱により、誘導加熱距離K1の
間で製品10は急速に例えば600〜800℃、好ましく
は650℃まで加熱され、加熱炉移動距離D1において
は保温されて、燃焼加熱部3に移動し、更に加熱され
る。この燃焼加熱部3の炉の長さに相当する燃焼加熱距
離L1では、図5に示すようなカーブで温度上昇して、
例えば約1250℃の製品出口温度Tpになって炉を出
ていくことになる。
【0041】一方、図6に示すように、後段誘導加熱部
2Aを設けた従来技術の場合には、燃焼加熱部3Aに燃
焼加熱され、燃焼加熱距離L2の間で比較的なだらかな
温度上昇をする。そして、加熱炉移動距離D2において
は保温されて、誘導加熱距離K2の間で製品10は急速に
加熱され、例えば約1250℃の製品出口温度Tpにな
って炉内30から出ていく。図中のRは加熱炉移動距離D
2で放熱される放熱損失を示している。
【0042】以上の構成のハイブリッド誘導加熱炉によ
れば、前段に誘導加熱部2を設けたので、誘導加熱を利
用して、製品10の初期加熱の加熱速度を大きくして、温
度上昇の立ち上がりを早めることができる。この加熱速
度は、条件にもよるが燃焼加熱方式の5〜10倍とな
る。しかも、常温から磁気変態点近傍までの高周波誘導
加熱の加熱効率の高い範囲内の、高温になる前の段階で
使用しているので、誘導加熱コイル22等の冷却に伴うエ
ネルギーロスを小さくすることができ、また誘導加熱部
2の構造を簡素化して加熱炉1全体の構造をシンプルに
することができる。
【0043】また、後段に、従来の燃焼バーナとは異な
る高速切換式燃焼バーナ型の燃焼加熱部3を設けたの
で、燃焼用空気を予熱して著しく高い温度の空気を供給
でき、低酸素濃度下でも燃焼が安定し、炉内のガス雰囲
気が均一で炉内温度Tfを高くできる。そのため、ま
た、この燃焼加熱部3の均一化されたにより、製品10の
材質を均質化させて品質を向上できる。
【0044】さらに、高速切換式燃焼加熱部3は熱回収
方式であるため、炉がコンパクトとになり、均一加熱が
可能で、燃焼温度Tcのピークが殆ど無いので炉内燃焼
ガス温度の最高温度Tcを低くできるため、効率的な燃
焼加熱が可能であり、エネルギー原単位の改善に大きく
寄与できる。そのため、炉長さも短縮でき、炉内での加
熱時間も少なくすることができ、炉の耐熱構造が比較的
簡単となり、NOxの排出量も少なくできる。
【0045】しかも、均一温度で加熱でき、更に、還元
雰囲気に近い低酸素下で燃焼可能なために、高温状態の
条件下であっても酸化スケールの発生量を著しく低減さ
せることができるので、製品10の酸化という問題も少な
くなり、製品10を優れた材質にすることができる。
【0046】そして、燃焼加熱部3に入る被加熱物であ
る製品10の温度を600〜800℃、好ましくは650
℃とすることにより、燃焼加熱部3による温度上昇量T
uを、燃焼加熱炉の特性から定まる、最低のエネルギー
原単位Upで効率良く加熱できる最適上昇温度幅Tup
450〜650℃に適合させることができる。即ち、誘
導加熱部2と燃焼加熱部3とで分担する加熱温度の範囲
を最適な割合にして、最小のエネルギー原単位で加熱す
ることができる。
【0047】この最適上昇温度幅Tupについて、製品
10の加熱に用いる熱量である熱負荷量が一定の状態にお
ける燃焼加熱部3の炉長Lとその時のエネルギー原単位
Uを示す図7を参照しながら、以下に説明する。
【0048】このハイブリッド型誘導加熱炉において
は、誘導加熱部2での熱負荷量を大きくして、燃焼加熱
部3の炉長L1を小さくした場合は、熱損失が大きなる
ので、炉1全体としてもエネルギー効率が悪くなる。ま
た、誘導加熱部2に於ける熱負荷量を小さくして燃焼加
熱部3の炉長L1を長くすると、誘導加熱部2に比較し
て、燃焼加熱部3は大きな設置スペースが必要になるの
で、その分、放熱面積や炉の熱容量が増加し、エネルギ
ーロスが増大してエネルギー原単位Uが上昇することに
なる。
【0049】そのため、ハイブリッド型誘導加熱炉1に
おける燃焼加熱部3の炉長L1とエネルギー原単位Uの
関係は、図7に示すように凹部を持つ曲線Cとなる。従
って、所定の熱量を伝達して製品を製品出力温度Tpに
するために必要なエネルギー原単位Uが最低になる最適
点Pに対応する燃焼加熱部3の最適炉長Lpが存在する
ことになる。
【0050】そして、この最適炉長Lpにおいて、燃焼
加熱部3における最適な上昇温度幅Tupが存在し、こ
の最適上昇温度幅Tupは、各設備によって利用するエ
ネルギー源等のコストが相違する場合があり、多少異な
るが、一般に400〜500℃程度となる。
【0051】本発明に係るハイブリッド型誘導加熱炉1
においては、燃焼加熱部3でこの最適上昇温度幅Tup
で昇温できるように、ビレット材料の主なものである鈍
鉄等の急速に強磁性を失って高周波誘導加熱の加熱効率
が大幅に低下するを磁気変態点を考慮し、誘導炉で60
0〜800℃、好ましくは650℃まで加熱し、その
後、燃焼加熱方式で450〜650℃上昇させて到達温
度1250℃を得るように構成している。そのため、最
適炉長Lpの燃焼加熱部3を使用して、炉全体としてエ
ネルギー原単位Uが低く、エネルギー効率の良い条件下
で製品10の加熱を行うことができる。
【0052】最後に、本発明に係るハイブリッド型誘導
加熱炉1と、従来技術の誘導加熱炉1Aとの製品単位量
当たりのエネルギー原単位の低減効果を示す。製品10
の比熱は0.11kcal/kgとし、電力変換効率を
35%、従来の誘導加熱炉1Aの熱効率を40%、高速
切換式蓄熱バーナ型(HRS)燃焼加熱部3の効率を7
0%とし、加熱条件を上述の通りとすると、本発明に係
るハイブリッド型誘導加熱炉1のエネルギー原単位は、
従来の誘導加熱方式の0.4kWh/kgに対して、
0.2kWh/kg+0.010m3 Nh/kgとな
り、これを一次エネルギーの都市ガスに換算して比較す
ると、0.099m3 Nh/kg(製品)に対して0.
060m3 Nh/kg(製品)となり、エネルギー原単
位の低減効果は従来型の1に対して0.606となる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明のハイブリッ
ド型誘導加熱炉によれば、前段に誘導加熱部を設けたの
で、誘導加熱を利用して、製品の初期加熱の加熱速度を
大きくして、温度上昇の立ち上がりを早めることがで
き、しかも、しかも、常温から磁気変態点近傍までの高
周波誘導加熱の加熱効率の高い範囲内の、高温になる前
の段階で使用しているので、誘導加熱コイル等の冷却に
伴うエネルギーロスを小さくすることができ、また、誘
導加熱部の構造を簡素化して加熱炉全体の構造をシンプ
ルにすることができる。
【0054】また、後段に、従来の燃焼バーナとは異な
る高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加熱部を設けたため
に、燃焼用空気を予熱して著しく高い温度の空気を供給
でき、低酸素濃度下でも燃焼が安定し、炉内のガス雰囲
気が均一で平均温度を高くできる。そのため、高温状態
の条件下であっても酸化スケールの発生量を著しく低減
させることができ、この高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼
加熱部の均一化された炉内温度により、製品の材質の均
質化及び向上を図ることができ、又、エネルギー原単位
の改善に大きく寄与できる。また、炉長さも短縮され、
炉内での加熱時間が少なくて済む。
【0055】さらに、高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加
熱部は熱回収方式であるため、炉がコンパクトとにな
り、均一加熱が可能で、燃焼温度のピークが殆ど無いの
で炉内燃焼ガス温度の最高温度を低くできるため、炉の
耐熱構造が比較的簡単となり、NOxの排出量も少なく
なる。
【0056】その上、還元雰囲気に近い低酸素下で燃焼
可能なために、製品の酸化という問題も少なくなり、製
品も優れた材質にすることができる。そして、燃焼加熱
部に入る被加熱物の温度を600〜800℃とすること
により、燃焼加熱部による温度上昇量を450〜650
℃にして、誘導加熱部の熱負荷と燃焼加熱部による熱負
荷の割合を、炉全体として最低のエネルギー原単位で効
率良く加熱できる割合にすることができるので、エネル
ギー効率の良い加熱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハイブリッド型誘導加熱炉の構成
図である。
【図2】本発明に係る誘導加熱部を示す構成図である。
【図3】本発明に係る高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加
熱部を示す構成図である。
【図4】本発明に係る高速切換式蓄熱バーナ型の燃焼加
熱部の炉内の運転状況を説明するための図である。
【図5】本発明に係るハイブリッド型誘導加熱炉の温度
上昇パターン図である。
【図6】従来技術のハイブリッド型誘導加熱炉の温度上
昇パターン図である。
【図7】本発明に係るハイブリッド型誘導加熱炉におけ
る燃焼加熱部の炉長とエネルギー原単位の関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 ハイブリッド型誘導加熱炉 1A 従来技術のハイブリッド型誘導加熱炉 2 誘導加熱部 3 燃焼加熱
部 10 被加熱材料 11 ローラ 20 誘導加熱部の炉内 21 耐火チュ
ーブ 22 加熱用コイル 23 冷却水通
路 30 燃焼加熱部の炉内 31 炉壁 32 切換弁 33、33a、33b 蓄熱器(セラミックハニカム構造
体) 34、34a、34b 燃焼バーナ 35、35a、35b
燃焼器 A 燃焼用空気 C 原単位曲
線 E エネルギー原単位 F 燃料 G 排気ガス L1 燃焼加熱
炉の長さ Lp 最適炉長 P 最適点 R 放熱損失 T 製品温度 Ti 燃焼用空気入口温度 Tc 断熱燃焼
温度 Tf 炉内温度 To 排気温度 Tp 製品出力温度 U エネルギ
ー原単位

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビレット等の被加熱物を加熱する加熱部
    と該加熱部内で被加熱物を移動させる手段とを有し、該
    加熱部を、被加熱物の流通加熱経路の上流側に設けた誘
    導加熱部と、該誘導加熱部の下流側に設けた高速切換式
    蓄熱バーナ型の燃焼加熱部とを備えて構成したハイブリ
    ッド型誘導加熱炉。
  2. 【請求項2】 前記誘導加熱部で被加熱物の温度を60
    0〜800℃に昇温するように構成した請求項1記載の
    ハイブリッド型誘導加熱炉。
JP10262730A 1998-02-16 1998-09-17 ハイブリッド型誘導加熱炉 Withdrawn JPH11293341A (ja)

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JP10-32809 1998-02-16
JP3280998 1998-02-16
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011111649A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Chuo Spring Co Ltd 板状ワークの熱処理方法
KR20190111728A (ko) 2018-03-22 2019-10-02 쥬가이로 고교 가부시키가이샤 연속 가열 처리 장치 및 연속 가열 처리 장치의 개조 방법

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