JPH11293319A - 炉内地金付着のない転炉製鋼方法 - Google Patents

炉内地金付着のない転炉製鋼方法

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JPH11293319A
JPH11293319A JP10247898A JP10247898A JPH11293319A JP H11293319 A JPH11293319 A JP H11293319A JP 10247898 A JP10247898 A JP 10247898A JP 10247898 A JP10247898 A JP 10247898A JP H11293319 A JPH11293319 A JP H11293319A
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furnace
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temperature
metal
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JP10247898A
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Shinya Kitamura
信也 北村
Kenichiro Naito
憲一郎 内藤
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉口付着地金が少なく、地金除去作業による
稼働率の低下を招くことなく高稼働率な転炉吹錬を可能
とする転炉製鋼方法を提供する。 【解決手段】 上底吹き転炉精錬において、酸素ガス上
吹き中の炉体絞り部から炉口までの耐火物表面温度、お
よび/または空間部温度を1400℃〜1700℃の範
囲に制御することを特徴とする炉内地金付着のない転炉
製鋼方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転炉吹錬において、
炉口付着地金が少なく、地金除去作業による稼働率の低
下を招くことなく高稼働率を可能とし、また、OGフー
ドと炉口を接触締結させることによる密閉化や炉内加圧
化を安定的に実施することを可能とする転炉製鋼方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】転炉操業においては、炉口部13(図1
参照)に地金が堆積するため、傾動出鋼時に炉体とOG
フードが接触するトラブルが発生したり、炉口形状が平
滑でなくなるためにOGフードと炉口を接触締結させる
ことによる密閉化や炉内加圧化が困難になるといった問
題を生じていた。
【0003】一般に炉口付着地金は、10〜20チャー
ジに1回程度の頻度で、スクラップシュートを炉口に激
突させ衝撃で落下させたり、スクラップシュートを炉口
に接触させて上下運動させることで機械的に剥離させる
方法で除去させているが、地金除去作業に時間を要する
ため転炉の稼働率を大幅に低下させていた。
【0004】これに対して、特開平6−248323号
公報には、転炉吹錬中に、吹錬用主ランスの側壁に設け
られた少なくとも1つの2次燃焼用酸素供給ノズルから
湯面に向けて2次燃焼用酸素を吹き付け、転炉排ガスを
転炉内で燃焼させて炉口周辺にて温度を上昇させ転炉炉
口に付着した地金を除去する方法であって、2次燃焼用
酸素供給ノズルの開口部と湯面間の距離を吹錬用主ラン
スの開口部と湯面間の距離の2. 0〜3. 0倍となるよ
うに設定し、吹錬用酸素流量に対して7〜15%の2次
燃焼用酸素を前記2次燃焼用酸素供給ノズルによって吹
錬用主ランス軸に対して25度〜40度の角度で下向き
に吹き付け、2次燃焼用酸素流量は吹錬中期から末期に
かけてその流量を増加させて吹錬用酸素とは独立して制
御することを特徴とする転炉における炉口付着地金の除
去方法が開示されている。
【0005】この方法では2次燃焼を利用して酸素を下
向きに吹き付けるため、炉内全体の排ガス温度が上昇
し、炉口付着地金を溶解するには、地金付着の少ない転
炉炉復部の耐火物に激しいダメージをもたらすという問
題がある。また、排ガス中のCO濃度が低下するためカ
ロリーが低下し排ガスの副産物としての経済効果が減る
という欠点も有する。
【0006】一方、特開昭56−3615号公報には、
鉛直軸線を有し昇降されるランス本体の下端に、精錬用
ノズルと、地金溶断用ノズルとを形成するランスにおい
て、前記精錬用ノズルに連通する精錬用酸素流路と、地
金溶断用ノズルに連通する地金溶断用酸素流路とを前記
軸線に沿って設け、これら各酸素流路に個別的な制御弁
を介して酸素供給源を接続し、ランス全外周にわたって
冷却媒体流路を形成したことを特徴とするランスが開示
されている。この方法では、地金溶断ノズルと精錬用ノ
ズルとが同一のランスチップに設置されており、位置が
接近しているため、地金を除去する場合には、出鋼後に
当該ランスのチップを炉口付近の位置に配して地金溶断
ズルからガスを噴射する必要がある。従って、精錬時間
に加えて地金溶流のための処理時間が必要となり、転炉
の生産性を著しく阻害する。
【0007】同様に、特開平4−354814号公報に
は、下部に、酸素を噴出させる複数のノズル孔が内側か
ら外側に向けて横方向に且つ放射状に設けられたノズル
孔群を鉛直方向に複数段配設させたことを特徴とする転
炉口付着地金溶解用ランスが開示されている。この方法
では、地金溶解用ノズルと精錬用ノズルとは別々のラン
スであるため、地金を除去する場合には、出鋼後にラン
スを交換して地金溶解用ノズルからガスを噴射する必要
がある。従って、精錬時間に加えて地金溶流のための処
理時間が必要となり、転炉の生産性を著しく阻害する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スクラップ
シュートで機械的に剥離させる方法の、地金除去作業に
時間を要するため転炉の稼働率を大幅に低下させるとい
う問題、特開平6−248323号公報に開示されてい
る方法の、炉内全体の排ガス温度が上昇し地金付着の少
ない転炉炉復部の耐火物に激しいダメージをもたらすと
いう問題、および、特開平4−354814号公報や特
開昭56−3615号公報に開示されている方法の、精
錬時間に加えて地金溶流のための処理時間が必要とな
り、転炉の生産性を著しく阻害するという、地金除去作
業による問題を解決し、炉口付着地金が少なく稼働率の
低下を招くことなく高稼働率を可能とする方法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨は、以下の通りである。 (1) 上底吹き転炉精錬において、酸素ガス上吹き中
の炉体絞り部から炉口までの耐火物表面温度、および/
または炉体絞り部から炉口までの炉内空間部温度を14
00〜1700℃の範囲に制御することを特徴とする、
炉内地金付着のない転炉製鋼方法。 (2) 前記耐火物表面温度および/または空間部温度
の制御を、上吹きランスに組み込まれた複数のノズルか
ら、加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給するこ
とにより行うことを特徴とする、上記(1)に記載の炉
内地金付着のない転炉製鋼方法。 (3) 前記耐火物表面温度および/または空間部温度
の制御を、炉体壁面に設けられた複数のノズルから、加
熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給することによ
り行うことを特徴とする、上記(1)に記載の炉内地金
付着のない転炉製鋼方法。 (4) 上吹きランスを外筒部と中子部の2重構造と
し、かつ、外筒部と中子部を独立に上下駆動可能な構造
とし、中子部先端に1個または2個以上配したノズルよ
り脱炭吹錬に用いる酸素ガスを供給し、外筒部に配した
複数個のノズルより加熱用ガスおよび/または冷却用ガ
スを供給することにより、前記耐火物表面温度および/
または空間部温度の制御を行うことを特徴とする、上記
(1)に記載の炉内地金付着のない転炉製鋼方法。 (5) 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給す
る前記ノズルを、炉体絞り部から炉口までの間の高さ位
置に設置することを特徴とする、上記(2)ないし
(4)のいずれか1項に記載の炉内地金付着のない転炉
製鋼方法。 (6) 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給す
る前記ノズルを、水平方向に対して、当該ノズル中心軸
が上方に0〜60度の範囲に向くように設置することを
特徴とする、上記(2)又は(4)に記載の炉内地金付
着のない転炉製鋼方法。 (7) 前記加熱ガスとして、酸素ガス、または、酸化
性ガスと助燃ガスを用いることを特徴とする、上記
(2)ないし(6)のいずれか1項に記載の炉内地金付
着のない転炉製鋼方法。 (8) 前記冷却用ガスとして、非酸化性ガス、炭化水
素ガス、水蒸気の1種または2種、および/または、非
酸化性ガスをキャリアーガスとして炭酸カルシウム、炭
材、炭酸マグネシウムの1種または2種以上の粉体を供
給することを特徴とする、上記(2)ないし(7)のい
ずれか1項に記載の炉内地金付着のない転炉製鋼方法。 (9) 上吹き送酸時間の少なくとも30%以上の期間
に炉内圧を1. 5kgf/cm2 以上とすることを特徴とす
る、上記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の炉
内地金付着のない転炉製鋼方法。
【0010】
【発明の実施の形態】転炉の炉内付着地金は、上吹き酸
素吹酸に伴い発生するスプラッシュが耐火物表面に付着
凝固して形成される。従って、耐火物表面が十分に高温
であればスプラッシュが付着しても凝固せず、溶融状態
のまま流れ落ちるため炉内付着地金の成長は無い。スプ
ラッシュ粒子中の炭素濃度は溶鋼中の炭素濃度が高い場
合であっても常に低く、0. 1%以下とほぼ一定の炭素
濃度を示している。これは、溶鋼中の炭素濃度が高い場
合には、スプラッシュ粒子中の炭素が飛散中に上吹き酸
素ガスと反応し脱炭(2次バースト)するためである。
従って、スプラッシュ粒子の凝固温度(固相線)は吹酸
中常に一定で約1500℃である。
【0011】転炉吹錬において、吹錬初期は耐火物表面
温度が低いためスプラッシュ粒子は耐火物表面に付着堆
積し、吹酸末期は排ガス温度が上昇するため、やや溶解
する傾向にある。
【0012】また、スプラッシュ粒子の大きさは溶鋼面
に近い方が大きく、このため、溶鋼面に近い炉壁部は、
溶鋼からの輻射熱が大きく、また、スプラッシュ粒子は
飛散時間が短いことと熱容量が大きいため、ほとんど溶
融状態で耐火物に付着するため、付着しても凝固しにく
く地金の堆積は無い。これに対して、絞り部より上部
は、溶鋼からの輻射熱が少ない上に、スプラッシュ粒子
は飛散時間が長く、かつ、粒子径が小さく熱容量が小さ
いため、半凝固状態で耐火物に付着するため、激しい地
金の堆積が生じる。
【0013】炉内付着地金を安定して付着させないため
には、吹錬初期に絞り部よりも上方の耐火物表面温度を
上げることが重要であるが、スプラッシュの発生量、粒
径分布、耐火物温度等の要因は一定ではないため、地金
の付着堆積状況に応じて耐火物温度を制御することが望
ましい。
【0014】本発明は、上記の知見に基づき詳細な実験
を実施した結果得られたものであり、酸素ガス上吹き中
の炉体絞り部から炉口までの耐火物表面温度、および/
または空間部温度を1400℃〜1700℃の範囲に制
御することで炉内地金の付着を防ぐ方法である。
【0015】図5は実験結果を示したものであるが、1
400℃よりも低い場合には地金の付着堆積が生じ、1
700℃よりも高温の場合には耐火物に著しい損耗を与
える。ここで、1400℃では耐火物表面温度はスプラ
ッシュ粒子の凝固温度より低いが試験結果によれば、付
着堆積することなく壁面で溶融して流れ落ちている。こ
の理由は、溶鋼から最初に比較的粗大な粒子が飛散した
後、上部空間の酸素ガスにより再度、脱炭され、その時
のCO気泡の発生により、微細に分裂してスプラッシュ
粒子となるが、この脱炭時に発熱し、スプラッシュ粒子
は溶鋼温度よりも高温となっているためである。また、
1700℃よりも高温にすると耐火物が激しく溶損す
る。耐火物表面温度は耐火物内部に埋め込んだ熱電対で
測定する方法や、炉内にサブランス等を用いて光ファイ
バーを挿入し、耐火物面を観察する方法等があるが、定
常状態であれば、耐火物表面温度は空間部温度と同一で
あるという知見を得ているため、サブランスにより熱電
対や光ファイバーを炉内空間に保持して測定する方法で
も良い。また、スラグ量は50kg/t以下が望ましい。こ
の理由は、スラグが多い場合には、高融点のスラグ粒子
が飛散・付着・堆積するためであり、この場合には上記
適正範囲に温度を制御しても付着量をゼロにすることは
困難となる。上記温度に制御する領域は、炉口から炉体
絞り部までの範囲である。炉口よりも上部は排ガス処理
装置の水冷フードであるため、常に水冷されており、上
記範囲にその表面を温度制御すると冷却水温度が上昇し
設備トラブルを引き起こす。炉体絞り部より下部は付着
地金が少ないため温度制御を実施する必要は無い。
【0016】温度制御のためには、上吹きランス1に組
み込まれた複数のノズルから、加熱用ガスおよび/また
は冷却用ガスを供給する方法(図2)、炉体壁面に設け
られた複数のノズルから、加熱用ガスおよび/または冷
却用ガスを供給する方法(図3)、上吹きランスを外筒
部と中子部の2重構造で、外筒部と中子部を独立に上下
駆動可能な構造とし、中子部先端にに1個または2個以
上配したノズルより脱炭吹錬に用いる酸素ガスを供給
し、外筒部に配した複数個のノズルより加熱用ガスおよ
び/または冷却用ガスを供給する方法(図4)がある。
ここで、脱炭用酸素ガスを吹き込むノズルについては、
垂直軸とノズル中心軸の角度θを下向きに5〜25度に
することが望ましい。θが5度よりも小さい場合には各
ノズルから出た酸素噴流が合体してハードブローとなる
ため地金の飛散が多くなり、25度よりも大きい場合に
は、脱炭により発生したCOガスと広い面で接触するた
め2次燃焼率が上がり耐火物溶損が大きくなる。
【0017】温度を上昇させるためには、加熱ガスとし
て、酸素ガス、または、酸化性ガスと助燃ガスを用いる
方法がある。酸素ガスは脱炭で生成したCOガスをCO
2 へ燃焼させる際の発熱を利用するもので、酸化性ガス
と助燃ガスを用いる場合には、助燃ガスの燃焼による発
熱を利用するものである。酸化性ガスとしては酸素、空
気があり、助燃ガスとしてはプロパンガス、天然ガスが
ある。
【0018】温度を低下させるためには、冷却用ガスと
して、非酸化性ガス、炭化水素ガス、水蒸気の1種また
は2種、および/または、非酸化性ガスをキャリアーガ
スとして炭酸カルシウム、炭材、炭酸マグネシウムの1
種または2種以上の粉体を供給する方法がある。非酸化
性ガスとしては窒素、Ar、CO、CO2 の1種または
2種以上の混合ガスであり、ガス顕熱により冷却するも
のであり、炭化水素ガスとしてはプロパンガス、天然ガ
スがあり、分解による吸熱反応を利用している。炭酸カ
ルシウムや炭酸マグネシウムは分解による吸熱を利用
し、炭材は揮発分の分解吸熱と、排ガス中のCO2 をC
Oへ還元する際の吸熱を利用している。
【0019】加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供
給するノズルは炉体絞り部から炉口までの間の高さ位置
に設置する必要がある。炉体絞り部より下方に設置した
場合には、炉体絞り部から炉口までを適正温度に制御す
るには、炉腹部の温度が大幅に上昇するため耐火物溶損
が激しく、炉口よりも上部に設置すると、水冷フード部
の排ガス温度が上昇し冷却水温が上昇し設備トラブルを
引き起こす。
【0020】加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供
給するノズルのうち、上吹きランスに組み込まれたノズ
ル、又は上吹きランス外筒部に配したノズルは、水平方
向に対して、当該ノズル中心軸を上方に0〜60度
(ω)の範囲に向かせると好適である。0度よりも小さ
い、つまり、下方に向けた場合には、炉腹部の温度が大
幅に上昇するため耐火物溶損が激しく、60度よりも大
きい場合にはランスへの熱負荷が大きくなりランス寿命
が低下する。
【0021】本発明は、上吹き送酸時間の少なくとも3
0%以上の期間に炉内圧を1. 5kgf/cm2 以上とする転
炉製鋼方法に適用すると好適である。なぜならば、炉内
圧を上昇するために炉口と排ガス処理設備の水冷フード
とを、密着し締結させるため、炉口とフードとの間隙か
らの放熱が無く、温度制御性が向上するためである。本
発明においては、地金の付着堆積状況に応じて耐火物表
面、及び/又は、空間部温度を制御することが望まし
い。つまり、前チャージ吹錬後に炉内付着地金状況を観
察し、付着が激しい場合には、次チャージ吹酸開始時点
から耐火物表面、及び/又は、空間部温度を1550〜
1700℃に加熱し地金を高速溶解除去し、吹錬中の付
着状況を炉内に挿入された光ファイバー等により観察し
た結果、付着地金が除去されたことを確認した時点以降
は、耐火物表面、及び/又は、空間部温度を1400〜
1540℃に制御して、耐火物への熱負荷を低減させつ
つ地金付着を抑制する操業へ移行することが、炉寿命を
確保した上で地金付着を抑制するには最も良い制御方法
となる。
【0022】
【実施例】実施例は6トン規模の上底吹き転炉を用いて
実施した。上吹きランスは12φの4孔ランスを用い、
酸素供給速度は1800〜3600Nm3/Hrとした。底吹
きは酸素と冷却用プロパンガスの2重管羽口を用い酸素
を約100Nm3/Hr供給した。耐火物表面温度は、円周方
向に8箇所、厚み方向に3箇所埋め込んだ熱電対からの
測温データをもとに伝熱方程式を用いて外挿して求めた
値と、光ファイバーによる耐火物表面温度の直接測定結
果から評価した。耐火物表面温度の制御は図2に示した
上吹きランスに組み込んだノズルを用い、加熱時には天
然ガス(10〜20Nm3/Hr)と酸素(50〜75Nm3/H
r)をバーナーとして供給し、冷却時は窒素ガスを10
0〜300Nm3/Hr吹き込んだ。
【0023】(実施例−1)実施例−1では、吹酸開始
時点から約5分間に渡って酸素と天然ガスを吹き、吹き
止め3分前から窒素ガスを供給した。その結果、吹錬中
の、炉体絞り部〜炉口部までの平均耐火物温度は140
0〜1700℃の範囲に制御でき、地金付着量は極めて
少なく(平均厚みで約8mm)、耐火物溶損もなかった。
【0024】(実施例−2)実施例−2では、炉口とフ
ードを密着締結し炉内を約2kgf/cm2 に加圧した上で、
吹酸開始時点から約3分間に渡って酸素とLNGを吹
き、吹き止め2分前から窒素ガスを供給した。その結
果、吹錬中の、炉体絞り部〜炉口部までの平均耐火物温
度は1500〜1650℃の範囲に精度良く制御でき、
地金付着量はほとんど皆無(平均厚みで約4mm)で、耐
火物溶損もなかった。
【0025】(比較例)比較例では温度制御を実施しな
かったため、吹錬中の、炉体絞り部〜炉口部までの平均
耐火物温度は1000〜1850℃の範囲で推移し、地
金付着量は極めて多く(平均厚みで約25mm)、部分的
には激しい耐火物溶損も生じた。
【0026】
【発明の効果】本発明により、炉口付着地金が少なく、
地金除去作業による稼働率の低下を招くことなく高稼働
率な転炉吹錬が可能となった。また、OGフードと炉口
を接触締結させることによる密閉化や炉内加圧化を安定
的に実施することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】転炉炉体を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施態様の一例を模式的に示す図であ
る。
【図3】本発明の実施態様の別の一例を模式的に示す図
である。
【図4】本発明の実施態様のさらに別の一例を模式的に
示す図である。
【図5】耐火物表面温度と地金付着厚みとの関係を実験
データで示す図である。
【符号の説明】
1 転炉 2 上吹きランス 3 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを吹き込むノ
ズル 4 脱炭用酸素ガスを吹き込むノズル 5 酸素ガス 6 加熱用ガスおよび/または冷却用ガス 7 上吹きランスの外筒 8 上吹きランスの内筒 9 転炉炉壁 10 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを吹き込む
ノズル 11 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを吹き込む
ノズルの中心軸 12 炉体絞り部 13 炉口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上底吹き転炉精錬において、酸素ガス上
    吹き中の炉体絞り部から炉口までの耐火物表面温度、お
    よび/または炉体絞り部から炉口までの炉内空間部温度
    を1400〜1700℃の範囲に制御することを特徴と
    する、炉内地金付着のない転炉製鋼方法。
  2. 【請求項2】 前記耐火物表面温度および/または空間
    部温度の制御を、上吹きランスに組み込まれた複数のノ
    ズルから、加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給
    することにより行うことを特徴とする、請求項1に記載
    の炉内地金付着のない転炉製鋼方法。
  3. 【請求項3】 前記耐火物表面温度および/または空間
    部温度の制御を、炉体壁面に設けられた複数のノズルか
    ら、加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを供給するこ
    とにより行うことを特徴とする、請求項1に記載の炉内
    地金付着のない転炉製鋼方法。
  4. 【請求項4】 上吹きランスを外筒部と中子部の2重構
    造とし、かつ、外筒部と中子部を独立に上下駆動可能な
    構造とし、中子部先端に1個または2個以上配したノズ
    ルより脱炭吹錬に用いる酸素ガスを供給し、外筒部に配
    した複数個のノズルより加熱用ガスおよび/または冷却
    用ガスを供給することにより、前記耐火物表面温度およ
    び/または空間部温度の制御を行うことを特徴とする、
    請求項1に記載の炉内地金付着のない転炉製鋼方法。
  5. 【請求項5】 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを
    供給する前記ノズルを、炉体絞り部から炉口までの間の
    高さ位置に設置することを特徴とする、請求項2ないし
    請求項4のいずれか1項に記載の炉内地金付着のない転
    炉製鋼方法。
  6. 【請求項6】 加熱用ガスおよび/または冷却用ガスを
    供給する前記ノズルを、水平方向に対して、当該ノズル
    中心軸が上方に0〜60度の範囲に向くように設置する
    ことを特徴とする、請求項2又は請求項4に記載の炉内
    地金付着のない転炉製鋼方法。
  7. 【請求項7】 前記加熱ガスとして、酸素ガス、また
    は、酸化性ガスと助燃ガスを用いることを特徴とする、
    請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の炉内地
    金付着のない転炉製鋼方法。
  8. 【請求項8】 前記冷却用ガスとして、非酸化性ガス、
    炭化水素ガス、水蒸気の1種または2種、および/また
    は、非酸化性ガスをキャリアーガスとして炭酸カルシウ
    ム、炭材、炭酸マグネシウムの1種または2種以上の粉
    体を供給することを特徴とする、請求項2ないし請求項
    7のいずれか1項に記載の炉内地金付着のない転炉製鋼
    方法。
  9. 【請求項9】 上吹き送酸時間の少なくとも30%以上
    の期間に炉内圧を1. 5kgf/cm2 以上とすることを特徴
    とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載
    の炉内地金付着のない転炉製鋼方法。
JP10247898A 1998-04-14 1998-04-14 炉内地金付着のない転炉製鋼方法 Withdrawn JPH11293319A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114350890A (zh) * 2021-12-31 2022-04-15 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种防止副枪与探头连接处粘结冷钢的方法

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114350890A (zh) * 2021-12-31 2022-04-15 包头钢铁(集团)有限责任公司 一种防止副枪与探头连接处粘结冷钢的方法

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