JPH11293121A - 抗菌性樹脂組成物 - Google Patents

抗菌性樹脂組成物

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JPH11293121A
JPH11293121A JP10137498A JP10137498A JPH11293121A JP H11293121 A JPH11293121 A JP H11293121A JP 10137498 A JP10137498 A JP 10137498A JP 10137498 A JP10137498 A JP 10137498A JP H11293121 A JPH11293121 A JP H11293121A
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Yoshimitsu Tsukahara
良光 塚原
Hisaji Ihara
久次 伊原
Masaharu Akitsu
正春 秋津
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Sankyo Organic Chemicals Co Ltd
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Sankyo Organic Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂に銀系抗菌剤を添加して成形すると、
成形時の熱により成形品が変色して、製品価値が著しく
低下するため、変色防止効果の優れる添加剤の開発が待
たれている。 【解決手段】合成樹脂及び特定量の銀系抗菌剤からなる
抗菌性樹脂に、ホウ酸アンモニウムを特定量添加するこ
とにより、成形時の変色が極めて少ない抗菌性樹脂組成
物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂及び銀系
抗菌剤からなる抗菌性樹脂に、ホウ酸アンモニウムを添
加してなる抗菌性樹脂組成物に関するものであり、抗菌
性が要求される分野に広く利用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】近年、より快適な住環境が求められる中
で、抗菌性塗料、抗菌性フィルム・シート、抗菌性フィ
ラメント、抗菌性トイレタリー製品、抗菌性台所用品、
抗菌性文房具、抗菌砂、抗菌ティシュ、抗菌繊維、抗菌
性化粧品などのいわゆる「抗菌性商品」が広く出回るよ
うになった。これらの製品に利用されている抗菌剤は、
そのほとんどが有機系抗菌剤であったが、最近は、無機
系の銀系抗菌剤が多く見受けられるようになった。
【0003】この銀系抗菌剤は、有機系抗菌剤に比べ
て、耐候性・耐薬品性に優れ、急性経口毒性が低いとい
う優れた特性を有している。加えて、耐熱性が有機系抗
菌剤に比べて著しく高いため、合成樹脂、特に熱可塑性
樹脂に添加して多分野で使われるようになってきた。
【0004】しかしながら、代表的な無機系抗菌剤であ
る銀系抗菌剤を合成樹脂に添加して成形すると、成形時
の熱によりその成形品が変色して、製品価値が著しく低
下する問題がある。
【0005】銀系抗菌剤を添加した抗菌性樹脂の熱変色
を抑制する技術として、下記の方法が開示されている。
【0006】(1)熱可塑性樹脂に、銀系抗菌剤と2価
以上のカチオン性金属イオンを有する金属塩を添加する
方法(特開平8−27306号)により、成形時の熱変
色を抑制する技術。
【0007】当該技術で使用する2価以上のカチオン性
金属イオンを有する金属塩としては、有機物の塩、無機
物の塩であり、2価以上のカチオン性イオンを示す金属
としては、周期律表II〜V族、VIb族、VIIb
族、VIIIb族の金属であり、好ましい例としては、
Mg、Ca、Ti、Mo、Mn、Fe、Zn、Al、P
などであり、さらに好ましくは、Mg、Ca、Zn、A
lである。
【0008】また、該金属の有機物としては、炭素数1
〜40の範囲のカルボン酸基含有化合物又は酸無水物基
含有化合物の金属塩である。
【0009】また、無機物の塩としては、周期律表VI
Ia族の元素との化合物、周期律表VIa族の元素との
化合物、水酸化物、炭酸化物などであり、好ましい例と
しては、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸亜
鉛、炭酸カルシウムなどである。
【0010】従って、当該技術で用いられる周期律表I
I〜V族の金属の中に、本発明のホウ酸アンモニウムの
ホウ素自体は含まれるが、ホウ素については勿論のこ
と、本発明に用いられるホウ酸アンモニウムについての
記載や示唆は何もない。
【0011】(2)更に、特開平9−25389号に
は、(A)ゴム質重合体存在下又は非存在下に、芳香族
ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニル
化合物と共重合可能な他のビニル単量体からなる樹脂重
合体を重合してなるスチレン系樹脂から選ばれた少なく
とも1種+(B)他の熱可塑性樹脂+(C)酸化銀を含
有するホウ酸系ガラスに、酸化ホウ素、ホウ酸、銀化合
物から選ばれた少なくとも1種を配合してなることを特
徴とする抗菌防カビ性樹脂組成物に関する技術が開示さ
れている。
【0012】しかしながら、当該技術は、酸化ホウ素、
ホウ酸、銀化合物から選ばれた少なくとも1種を配合す
ることにより、抗菌防カビ性を改良する技術であり、本
発明の銀系抗菌剤とホウ酸アンモニウムとを必須成分と
する抗菌性樹脂組成物とは明らかに異なる。また、当該
技術には、銀系抗菌剤とホウ酸アンモニウムとを併用す
ることにより、銀系抗菌剤含有樹脂組成物の成形時の熱
変色を防止することについての記載や示唆は何もない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−27306
号に記載されている無機物の塩や特開平9−25389
号に記載されている酸化ホウ素、ホウ酸を抗菌性樹脂に
添加する従来の技術では、成形時の熱変色を十分に抑制
することが出来ないため、更に変色防止効果に優れる添
加剤の開発が待たれていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる観
点から、合成樹脂に銀系抗菌剤を添加してなる抗菌性樹
脂の変色を防止する添加剤につき鋭意研究を重ねた結
果、合成樹脂100重量部及び銀系抗菌剤0.01〜
5.0重量部からなる抗菌性樹脂に、(a)成分 ホウ
酸アンモニウム0.001〜5.0重量部を添加してな
る抗菌性樹脂組成物は、成形時の熱変色が著しく少ない
ことを見出した。
【0015】また、スチレン系樹脂100重量部及びリ
ン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤0.01〜5.0重量部
からなる抗菌性樹脂に、(a)成分 ホウ酸アンモニウ
ム0.001〜5.0重量部を添加してなる抗菌性樹脂
組成物は、成形時の熱変色が著しく少ないことを見出し
た。
【0016】本発明に用いられる合成樹脂としては、一
般に市販されている熱硬化性樹脂並びに熱可塑性樹脂の
いずれでもよいが、銀系抗菌剤及び(a)成分の分散性
は、熱可塑性樹脂を用いる方がよい。
【0017】熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノー
ル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタンな
どを挙げることが出来る。
【0018】熱可塑性樹脂の具体例としては、塩化ビニ
ル樹脂、塩素化塩ビ樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの塩
素含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン樹脂、ポリスチレン(PS)、ハイインパク
トポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニ
トリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニト
リル−エチレン−スチレン共重合体(AES樹脂)、ア
クリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体(A
AS樹脂)などのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレー
トなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン12、ナ
イロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロ
ンMXD6などのポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
アセタール、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセター
ル、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドなどを挙げ
ることが出来る。
【0019】本発明に用いられる銀系抗菌剤は、一般に
市販されている銀系抗菌剤を用いることが出来、無機系
の銀化合物、多孔性構造を持った物質に銀化合物や銀錯
塩を担持させたもの、多孔性構造を持った物質に銀イオ
ンをイオン交換させたものなどを挙げることが出来る。
また、本発明に用いられる銀系抗菌剤は、他の抗菌性を
有する金属、金属化合物、金属錯塩、金属イオンなどを
併用したものでもよく、特に銅、亜鉛が好ましく用いら
れる。
【0020】銀系抗菌剤は、多孔性構造を持った物質の
種類により、ゼオライト系、シリカゲル系、リン酸カル
シウム系、リン酸ジルコニウム系、ケイ酸塩系、ウイス
カ系及びその他に分類される。
【0021】ゼオライト系の銀系抗菌剤は、例えば、A
型合成ゼオライトの水懸濁液に硝酸銀、若しくは、硝酸
銀と塩化亜鉛或は硫酸銅の水溶液を加え、イオン交換反
応により結晶構造中のNaの位置に金属イオンを一定量
置換し、乾燥した後に焼成して製造することが出来る。
【0022】ゼオライト系の銀系抗菌剤の例としては、
品川燃料(株)製の「ゼオミックXAW10D」、鐘紡
(株)製の「バクテキラー BM−102GA」、日本
化学工業(株)製の「サイダッブスZ」などを挙げるこ
とが出来る。
【0023】シリカゲル系の銀系抗菌剤は、例えば、四
塩化ケイ素をアルカリ性条件下で加水分解した後、酸性
としてゲル化し、硝酸銀、チオサルファイト銀錯体、若
しくは、硝酸銀或はチオサルファイト銀錯体と塩化亜鉛
を加えて乾燥して、約4%の水を含む金属担持無定型粉
末(シリカゲル)を製造することが出来る。
【0024】シリカゲル系の銀系抗菌剤の例としては、
松下電器産業(株)製の「アメニトップ」、富士シリシ
ア化学(株)製の「シルウェル」、ゲルテクノロジー
(株)製の「バクテノン」などを挙げることが出来る。
【0025】リン酸カルシウム系の銀系抗菌剤は、例え
ば、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸
カルシウムなどの水系懸濁液と硝酸銀溶液とを混合し、
銀イオンをゲル構造内にイオン的相互作用或は分子間力
を利用して担持させて製造することが出来る。
【0026】リン酸カルシウム系の銀系抗菌剤の例とし
ては、(株)サンギ製の「アパサイダーA」、太平化学
産業(株)製の「シルバーエース」、鳴海製糖(株)製
の「ナルクリーン」、ラサ工業(株)製の「ラサップA
N」などを挙げることが出来る。
【0027】リン酸ジルコニウム系の銀系抗菌剤〔リン
酸ジルコニウム−銀系抗菌剤〕は、例えば、水熱合成に
より得られた結晶リン酸リチウムジルコニウム中のリチ
ウムを酸処理により、プロトンに置換し、更にプロトン
を銀イオンに置換後、乾燥し、高温で焼成して製造する
ことが出来る。
【0028】リン酸ジルコニウム系の銀系抗菌剤の例と
しては、東亞合成(株)製の「ノバロンAG300」、
「ノバロンAG1100」、「ノバロンAGZ33
0」、「ノバロンAGT330」などを挙げることが出
来る。
【0029】ケイ酸塩系の銀系抗菌剤は、例えば、メタ
ケイ酸アルミン酸マグネシウム(組成:SiO2 −Al
23 −MgO)に銀イオンと亜鉛イオンを水系で担
持、乾燥、焼成して製造することが出来る。ケイ酸塩系
の銀系抗菌剤の例としては、レンゴー(株)製の「レン
トーバR」、触媒化成工業(株)製の「アイス NAZ
320」、「アイス NAC410」などを挙げること
が出来る。
【0030】ウイスカ系の銀系抗菌剤の例としては、松
下アムテック(株)製の「アムテクリーンZ」、大塚化
学(株)製の「バイカムAK」などを挙げることが出来
る。その他の銀系抗菌剤としては、セラミックに銀イオ
ンを担持させた住友大阪セメント(株)製の「AM1
5」、シリカ、アルミナに銀イオンと銅イオンを担持さ
せた(株)日鉱製の「ホロンキラーサンド」、同じく無
機物に銀イオンを担持させた東レ(株)製の「コキーナ
ABD」などを挙げることが出来る。
【0031】これらの銀系抗菌剤は、その使用目的、用
途により、使用する銀イオンを主体とした抗菌性金属イ
オンの種類、組み合わせ、担持量が異なる。当該金属イ
オンの担持量は、特に限定されないが、一般的には、
0.001〜30重量%、より一般的には、0.01〜
10重量%であると言われており、通常、市販されてい
る銀系抗菌剤の当該金属イオンの担持量は、0.5〜3
重量%であると言われている。
【0032】本発明に用いられる銀系抗菌剤の使用量
は、要求される抗菌力によって種々に変化するものであ
り、特に限定されないが、通常、合成樹脂100重量部
に対して、0.01〜5.0重量部、好ましくは、0.
1〜1.5重量部使用される。その使用量が、0.01
重量部未満では、十分な抗菌性が得られず、また、5.
0重量部を超えると、増量による予期した抗菌効果が得
られない。
【0033】本発明に用いられる(a)成分のホウ酸ア
ンモニウムとしては、メタホウ酸アンモニウム〔(NH
42 O・B23 〕、四ホウ酸アンモニウム〔(NH
42 O・2B23 〕、五ホウ酸アンモニウム〔(N
42 O・5B23 〕、八ホウ酸アンモニウム
〔(NH42 O・4B23 〕及びこれらの水和物等
を挙げることが出来る。
【0034】本発明に用いられる(a)成分のホウ酸ア
ンモニウムの添加量は、合成樹脂100重量部に対し
て、0.001〜5.0重量部、好ましくは、0.01
〜2.0重量部である。ホウ酸アンモニウムの添加量が
0.001重量部未満では、十分な変色防止効果が得ら
れず、また、5.0重量部を超えると、増量による予期
した変色防止効果が得られない。
【0035】本発明の実施例の結果からも明らかな如
く、三酸化二ホウ素〔B23 〕では変色防止効果が全
く認められず、また、ホウ酸でも十分な変色防止効果が
認められず、ホウ酸アンモニウムに顕著な変色防止効果
が認められる。
【0036】本発明の抗菌性樹脂組成物に、ガラス繊
維、炭素繊維、無機物などの充填剤を添加しても、変色
防止効果は何ら影響を受けない。
【0037】本発明の抗菌性樹脂組成物は、カレンダー
ロール、押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどを
用いて各成分を混練りすることにより得られる。また、
混練りする際に、各成分を一括して混練りしても、別々
に分けて混練りしてもよい。本発明の実施に当たって
は、以下の実施態様を挙げることが出来る。
【0038】(1)合成樹脂100重量部及び銀系抗菌
剤0.01〜5.0重量部からなる抗菌性樹脂に、
(a)成分 ホウ酸アンモニウム0.001〜5.0重
量部を添加してなる抗菌性樹脂組成物。
【0039】(2)熱可塑性樹脂100重量部及び銀系
抗菌剤0.1〜1.5重量部からなる抗菌性樹脂に、
(a)成分 ホウ酸アンモニウム0.01〜2.0重量
部を添加してなる抗菌性樹脂組成物。
【0040】(3)スチレン系樹脂100重量部及び銀
系抗菌剤0.1〜1.5重量部からなる抗菌性樹脂に、
(a)成分 ホウ酸アンモニウムを0.01〜2.0重
量部を添加してなる抗菌性樹脂組成物。
【0041】(4)スチレン系樹脂100重量部及びリ
ン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤0.01〜5.0重量部
からなる抗菌性樹脂に、(a)成分 ホウ酸アンモニウ
ム0.001〜5.0重量部を添加してなる抗菌性樹脂
組成物。
【0042】(5)スチレン系樹脂100重量部及びリ
ン酸ジルコニウム−銀系抗菌剤0.1〜1.5重量部か
らなる抗菌性樹脂に、(a)成分 ホウ酸アンモニウム
0.01〜2.0重量部を添加してなる抗菌性樹脂組成
物。
【0043】
【発明の実施の態様】本発明の好ましい実施の形態とし
ては、前記の実施態様(2)〜(5)が挙げられ、更に
好ましい実施の形態としては、実施態様(3)〜(5)
が挙げられ、最も好ましい実施の形態としては、実施態
様(3)及び(5)が挙げられる。
【0044】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、当該発明はこれらによって限定されるものでは
ない。これらの実施例において、部とは重量部を意味す
る。
【0045】〔本発明に用いられる(a)成分のホウ酸
アンモニウム〕 A−1 :メタホウ酸アンモニウム2.5水和物〔(N
42 O・B23 ・2.5H2 O〕 A−2 :四ホウ酸アンモニウム4水和物〔(NH4
2 O・2B23 ・4H2 O〕 A−3 :五ホウ酸アンモニウム8水和物〔(NH4
2 O・5B23 ・8H 2 O〕。
【0046】〔本発明以外の添加剤〕 B−1 :三酸化二ホウ素 B−2 :ホウ酸ナトリウム B−3 :ホウ酸カルシウム B−4 :ホウ酸バリウム B−5 :ホウ酸亜鉛 B−6 :ホウ酸アルミニウム B−7 :塩化マグネシウム B−8 :塩化カルシウム B−9 :塩化亜鉛 B−10:塩化アルミニウム B−11:水酸化マグネシウム B−12:水酸化カルシウム B−13:水酸化亜鉛 B−14:水酸化アルミニウム B−15:炭酸カルシウム B−16:炭酸亜鉛 B−17:酸化マグネシウム B−18:酸化カルシウム B−19:酸化亜鉛 B−20:酸化アルミニウム B−21:酸化ケイ素 B−22:ジブチル錫ビス(イソオクチルチオグリコレ
ート) B−23:ジブチル錫−3−メルカプトプロピオネート B−24:ジブチル錫マレイン酸塩 B−25:4A型ゼオライト〔Na2 O・Al23
2SiO2 ・4.5H2O〕 B−26:DHT−4A−2〔協和化学工業(株)製
ハイドロタルサイト類化合物〕 B−27:アルカマイザー4−2〔協和化学工業(株)
製 ハイドロタルサイト類化合物〕 B−28:ホウ酸〔H3 BO3 〕。
【0047】〔実施例1〕ABS樹脂〔三菱化学(株)
製 タフレックス410EB〕100部、リン酸ジルコ
ニウム−銀系抗菌剤〔東亞合成(株)製 ノバロンAG
Z330〕1.5部、ポリエチレンワックス〔三井石油
化学工業(株)製 HI−WAX 400PF〕0.5
部に、表1乃至表3に示す添加剤を添加した配合物を1
55℃に調節した8インチ試験ロールで3分間混練り
し、厚さ0.6mmのシートを作製した。得られたシー
トを裁断し8枚重ね、220℃及び230℃、5kg/
cm2でプレスを行い、試料の変色状態を観察した。そ
の結果を表1乃至表3に示す。尚、プレス板の変色状態
は、次の基準で評価した。 1.淡黄色 2.肌色又は黄色 3.茶色又は灰色 4.茶褐色又は灰褐色 また、プレス前のシート(原片)は、すべて淡黄色であ
る。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】試料番号1〜24は実施例、同番号25〜
58は比較例である。表1乃至表3の結果を比較すれば
明らかな如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成形、加
工時の熱変色防止効果が極めて優れていることがわか
る。
【0052】尚、同番号25〜27の如く、(a)成分
の添加量が本発明の添加量より少ない場合、同番号28
〜30の如く、(a)成分の添加量が本発明の添加量よ
り多い場合、同番号31〜57の如く、本発明以外の添
加剤を添加する場合並びに同番号58の如く、添加剤を
添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効果が得ら
れない。
【0053】〔実施例2〕ABS樹脂〔東レ(株)製
トヨラック600〕100部、リン酸ジルコニウム−銀
系抗菌剤〔東亞合成(株)製 ノバロンAG300〕
1.0部、ポリエチレンワックス〔三井石油化学工業
(株)製 HI−WAX 400PF〕0.5部に、表
4乃至表6に示す添加剤を添加した配合物を160℃に
調節した8インチ試験ロールで3分間混練りし、厚さ
0.6mmのシートを作製した。得られたシートを裁断
し8枚重ね、220℃乃至240℃、5kg/cm2
プレスを行い、試料の変色状態を観察した。その結果を
表4乃至表6に示す。尚、プレス板の変色状態は、〔実
施例1〕と同様の基準で評価した。また、プレス前のシ
ート(原片)は、すべて淡黄色である。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】試料番号1〜21は実施例、同番号22〜
55は比較例である。表4乃至表6の結果を比較すれば
明らかな如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成形、加
工時の熱変色防止効果が極めて優れていることがわか
る。
【0058】尚、試料番号22〜24の如く、(a)成
分の添加量が本発明の添加量より少ない場合、同番号2
5〜27の如く、(a)成分の添加量が本発明の添加量
より多い場合、同番号28〜54の如く、本発明以外の
添加剤を添加する場合並びに同番号55の如く、添加剤
を添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効果が得
られない。
【0059】〔実施例3〕ABS樹脂〔東レ(株)製
トヨラック100〕100部、銀系抗菌剤〔品川燃料
(株)製 ゼオミックXAW10D〕3.0部、ポリエ
チレンワックス〔三井石油化学工業(株)製 HI−W
AX 400PF〕1.0部に、表7乃至表9に示す添
加剤を添加した配合物を150℃に調節した8インチ試
験ロールで3分間混練りし、厚さ0.6mmのシートを
作製した。得られたシートを裁断し8枚重ね、230℃
及び240℃、5kg/cm2 でプレスを行い、試料の
変色状態を観察した。その結果を表7乃至表9に示す。
尚、プレス板の変色状態は、次の基準で評価した。 1.白色〜淡黄色 2.肌色又は黄色 3.黄褐色
4.淡灰色 また、プレス前のシート(原片)は、すべて白色〜淡黄
色である。
【0060】
【表7】
【0061】
【表8】
【0062】
【表9】
【0063】試料番号1〜21は実施例、同番号22〜
55は比較例である。表7乃至表9の結果を比較すれば
明らかな如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成形、加
工時の熱変色防止効果が極めて優れていることがわか
る。
【0064】なお、試料番号22〜24の如く、(a)
成分の添加量が本発明の添加量より少ない場合、同番号
25〜27の如く、(a)成分の添加量が本発明の添加
量より多い場合、同番号28〜54の如く、本発明以外
の添加剤を添加する場合並びに同番号55の如く、添加
剤を添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効果が
得られない。
【0065】〔実施例4〕ABS樹脂〔東レ(株)製
トヨラック100〕100部、銀系抗菌剤〔鐘紡(株)
製 バクテキラーBM−102GA〕0.5部、ポリエ
チレンワックス〔三井石油化学工業(株)製 HI−W
AX 400PF〕0.5部に、表10乃至表12に示
す添加剤を添加した配合物を155℃に調節した8イン
チ試験ロールで3分間混練りし、厚さ0.6mmのシー
トを作製した。得られたシートを裁断し8枚重ね、22
0℃乃至240℃、5kg/cm2 でプレスを行い、試
料の変色状態を観察した。その結果を表10乃至表12
に示す。尚、プレス板の変色状態は、〔実施例1〕と同
様の基準で評価した。また、プレス前のシート(原片)
は、すべて淡黄色である。
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】試料番号1〜21は実施例、同番号22〜
55は比較例である。表10乃至表12の結果を比較す
れば明らかな如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成
形、加工時の熱変色防止効果が極めて優れていることが
わかる。
【0070】尚、試料番号22〜24の如く、(a)成
分の添加量が本発明の添加量より少ない場合、同番号2
5〜27の如く、(a)成分の添加量が本発明の添加量
より多い場合、同番号28〜54の如く、本発明以外の
添加剤を添加する場合並びに同番号55の如く、添加剤
を添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効果が得
られない。
【0071】〔実施例5〕ABS樹脂〔三菱化学(株)
製 タフレックス410EB〕100部、リン酸ジルコ
ニウム−銀系抗菌剤〔東亞合成(株)製 ノバロンAG
Z330〕5.0部、ポリエチレンワックス〔三井石油
化学工業(株)製 HI−WAX 400PF〕1.0
部に、表13乃至表15に示す添加剤を添加した配合物
を160℃に調節した8インチ試験ロールで3分間混練
りし、厚さ0.6mmのシートを作製した。得られたシ
ートを裁断し8枚重ね、220℃、5kg/cm2 でプ
レスを行い、試料の変色状態を観察した。その結果を表
13乃至表15に示す。尚、プレス板の変色状態は、
〔実施例1〕と同様の基準で評価した。また、プレス前
のシート(原片)は、すべて淡黄色である。
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】試料番号1〜21は実施例、同番号22〜
49は比較例である。表13乃至表15の結果を比較す
れば明らかな如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成
形、加工時の熱変色防止効果が極めて優れていることが
わかる。
【0076】尚、試料番号22〜48の如く、本発明以
外の添加剤を添加する場合並びに同番号49の如く、添
加剤を添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効果
が得られない。
【0077】〔実施例6〕ポリエチレン樹脂〔住友化学
工業(株)製 スミカセンG201F〕100部、銀系
抗菌剤〔東亞合成(株)製 ノバロンAG300〕1.
0部に、表16に示す添加剤を添加した配合物10gを
50mlガラスビンにとり、240℃に設定したギヤオ
ーブンに入れ、試料の変色状態を観察した。その結果を
表16に示す。尚、試料の変色状態は、次の基準で評価
した。 1.白色 2.微黄色 3.淡黄色 4.黄色 また、加熱前の試料は、すべて白色である。
【0078】
【表16】
【0079】試料番号1〜12は実施例、同番号13〜
21は比較例である。表16の結果を比較すれば明らか
な如く、本発明の抗菌性樹脂組成物は、成形、加工時の
熱変色防止効果が極めて優れていることがわかる。
【0080】尚、同番号13〜20の如く、本発明以外
の添加剤を添加する場合、並びに、同番号21の如く、
添加剤を添加しない場合は、いずれも十分な変色防止効
果が得られない。
【0081】
【発明の効果】本発明のホウ酸アンモニウムを添加して
得られる抗菌性樹脂組成物は、成形、加工時の熱変色が
極めて少ないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 13/06 C08K 13/06 C08L 25/04 C08L 25/04 //(C08K 13/06 9:00 3:38) (72)発明者 秋津 正春 神奈川県川崎市高津区久地788番地 三共 有機合成株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂100重量部及び銀系抗菌剤0.
    01〜5.0重量部からなる抗菌性樹脂に、(a)成分
    ホウ酸アンモニウム0.001〜5.0重量部を添加
    してなる抗菌性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】スチレン系樹脂100重量部及びリン酸ジ
    ルコニウム−銀系抗菌剤0.01〜5.0重量部からな
    る抗菌性樹脂に、(a)成分 ホウ酸アンモニウム0.
    001〜5.0重量部を添加してなる抗菌性樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521590A (ja) * 2005-12-27 2009-06-04 バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー 透明熱可塑性抗菌性成形組成物
EP3322392B1 (de) 2015-07-16 2021-06-02 BSN medical GmbH Verpackung für ein medizinisches produkt

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