JPH11293063A - 抗ブル―ミング剤を含有する熱可塑性エラストマ―組成物 - Google Patents

抗ブル―ミング剤を含有する熱可塑性エラストマ―組成物

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JPH11293063A
JPH11293063A JP11053460A JP5346099A JPH11293063A JP H11293063 A JPH11293063 A JP H11293063A JP 11053460 A JP11053460 A JP 11053460A JP 5346099 A JP5346099 A JP 5346099A JP H11293063 A JPH11293063 A JP H11293063A
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propylene
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Emmanuel A Awojulu
エイ アウォジュール エマニュエル
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な圧縮永久歪を有する、室温で光りに暴露
した場合にブルーミングを示さない熱可塑性エラストマ
ー組成物を提供する 【解決手段】動的に架橋された熱可塑性エラストマ−組
成物は、(1)熱可塑性オレフィン、(2)エチレンと
3〜C8のアルファ−オレフィンとの、任意にジエンを
含有するエラストマーコポリマー、(3)錫、亜鉛、又
はカルシウムのハロゲン化物、及び(4)(a)芳香族
過酸化物及び(b)芳香族及び脂肪族過酸化物の組合わ
せから選ばれる有機過酸化物硬化剤から成る。この組成
物から造られた射出成形及び押出し製品はブルーミング
を示さない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動的に架橋された
熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【従来の技術】幾つかの硬化エラストマーの性質及び熱
可塑性樹脂の再加工性を示すポリマーブレンドは、様々
な用途に使用する事が出来、熱可塑性材料用に設計され
た装置で加工する事が出来る。ブレンド中の1成分が、
全体に或いは部分的に架橋される加硫できるエラストマ
ーである時は、エラストマー性が高められる。これらポ
リマーブレンドの多くは、有機過酸化物硬化系を使用す
る。芳香族過酸化物の使用が、架橋度を増加して、その
他の熱可塑性エラストマー組成物と比べて良好な圧縮永
久歪をつくり出す事は公知である。然しながら、芳香族
過酸化物が解離すると、未反応のラジカルがアルコール
及びケトンを形成し、これらが射出成形及び押出し成形
品の表面に「ブルーミング」を生成する。
【0002】熱可塑性ポリオレフィン用のフェノール系
硬化系の触媒として少量の塩化錫一水和物を使用する事
は、例えば、米国特許第5,073,597号明細書及
び第5,157,081号明細書で公知である。これら
2つの特許は、(a)第一のエラストマーとしてブロモ
ブチルゴム、(b)第二のエラストマーとしてEPM及
び/又はEPDM、及び(c)結晶性ポリプロピレンポ
リマーのプラスチックマトリックスから成る、動的に加
硫された熱可塑性組成物を開示する。米国特許第5,1
96,462号明細書は、ハロゲン化又は非ハロゲン化
フェノール系樹脂と、金属酸化物とハロゲンドナー、例
えばSnCl2・2H2O又はZnCl2との組合せから
成るフェノール系硬化系を使用する、完全に架橋した熱
可塑性エラストマーの製造を開示する。この熱可塑性エ
ラストマーは、(i)プロピレンホモポリマー又はエチ
レン/プロピレンコポリマー、(ii)エチレンコポリ
マー又はターポリマーゴム、(iii)室温でキシレン
不溶の半結晶エチレンコポリマー、及び任意に(iv)
ポリブテン−1から成る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、芳香族過
酸化物が、単独で又は脂肪族過酸化物との組合せで硬化
系で使用される場合には、ブルーミングを防ぐ為の添加
剤の必要性が未だ存在する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の動的に架橋され
た熱可塑性エラストマー組成物は、(1)(a)90よ
り大きいアイソタクチック指数を有するプロピレンホモ
ポリマー、又は85%より多いプロピレン含有量と85
より大きいアイソタクチック指数を有する、エチレン及
び/又はC4〜C8のアルファ−オレフィンとの結晶性プ
ロピレンコポリマー約20%〜約70%、(b)任意
に、約1%〜約10%のジエンを含み、室温でキシレン
可溶であり、約30%〜約70%のエチレンを含む、無
定形エチレン−プロピレン又はエチレン−ブテン−1ポ
リマー約30%〜約75%、及び(c)室温でキシレン
不溶であり、90%より多いエチレンを含む、半結晶性
エチレン−プロピレン又はエチレン−ブテン−1コポリ
マー約3%〜約30%、から成る熱可塑性オレフィン約
30重量部〜約60重量部、(2)任意に、約1%〜約
10%のジエンを含み、約30%〜約70%のエチレン
含有量を有する、エチレンとC3〜C8のアルファ−オレ
フィンとのエラストマーポリマー約30重量部〜約10
0重量部、(ここで、(1)+(2)=100重量部で
ある)、(3)錫、亜鉛及びカルシウムのハロゲン化物
から成る群から選ばれた金属ハロゲン化物を、(1)+
(2)の100重量部当たり約0.4重量部〜約6.0
重量部、及び(4)(a)芳香族過酸化物を、(1)+
(2)の100重量部当たり約0.5重量部〜約4.0
重量部、及び(b)(1)+(2)の100重量部当た
り、芳香族過酸化物約0.3重量部〜約2.0重量部と
脂肪族過酸化物約0.2重量部〜約1.5重量部との組
合せ、から成る群から選ばれた有機過酸化物架橋剤、
(ここで、金属ハロゲン化物対芳香族過酸化物の重量比
は少なくとも0.6である)、から成る。本発明の組成
物から造られた射出成形及び押出し品は、良好な圧縮永
久歪を有し、室温で光りに暴露した場合に、ブルーミン
グを示さない。
【0005】
【発明の実施の態様】本発明の組成物の成分(1)は、
(a)90より大きいアイソタクチック指数を有するプ
ロピレンホモポリマー、又は85%より多いプロピレン
含有量と85より大きいアイソタクチック指数を有す
る、エチレン及び/又はC4〜C8のアルファ−オレフィ
ンとの結晶性プロピレンコポリマー約20%〜約70
%、好ましくは約20%〜約50%、(b)任意に、約
1%〜約10%、好ましくは約1%〜約5%のジエンを
含み、室温でキシレン可溶であり、約30%〜約70%
のエチレンを含む、無定形エチレン−プロピレン又はエ
チレン−ブテン−1ポリマー約30%〜約75%、好ま
しくは約30%〜約50%、及び(c)室温でキシレン
不溶であり、90%より多いエチレンを含む、半結晶性
エチレン−プロピレン又はエチレン−ブテン−1コポリ
マー約3%〜約30%、好ましくは約5%〜約20%か
ら成る熱可塑性オレフィンである。成分(1)(a)の
調製に有用なC4〜C10のアルファ−オレフィンとして
は、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、1,4
−メチルペンテン−1及びオクテン−1が挙げられる。
【0006】ジエンは、成分(1)(b)中に存在する
場合は、一般に、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン又はエチリデンノルボルネンであ
る。
【0007】成分(1)は、約30重量部〜約60重量
部、好ましくは約35重量部〜約45重量部の量で存在
する。好ましくは、成分(1)の(a)、(b)及び
(c)は、反応器又は少なくとも2段階の反応器系列
で、最初にプロピレンを重合して成分(a)を形成し、
次いで(a)及び第一段階で使用した触媒の存在下でエ
チレンとプロピレン又はエチテンとブテン−1を重合す
る事によって成分(b)及び(c)を形成する。重合は、
液相又は気相又は液−気相で行う事が出来る。或いは、
(a)、(b)及び(c)を別々に調製し、次いで溶融
混練又は溶融ブレンドによって混合する事が出来る。成
分(2)は、エチレンとC3〜C8のアルファ−オレフィ
ンのエラストマーポリマーであり、任意に、約1%〜約
10%、好ましくは約1%〜約4%のジエンを含み、約
30%〜約70%、好ましくは約40%〜約60%のエ
チレン含有量を有する。このコポリマーは、約30重量
部〜約100重量部、好ましくは約60重量部〜約70
重量部の量で存在する。
【0008】成分(1)+成分(2)は、100重量部
に等しい。成分(3)は、金属ハロゲン化物であり、好
ましくは無水物であり、錫、亜鉛、及びカルシウムから
成る群から選ばれる。塩化物が好ましいハロゲン化物で
ある。塩化錫は、最も好ましい。金属ハロゲン化物は、
(1)+(2)の100重量部当たり、約0.4重量部
〜約6.0重量部、好ましくは約1.5重量部〜約2.
5重量部の量で存在する。成分(4)は、有機過酸化物
架橋剤であって、(a)芳香族過酸化物、及び(b)芳
香族及び脂肪族過酸化物の組合せから成る群から選ばれ
る。芳香族過酸化物の量と、従って、必要とされる金属
ハロゲン化物抗ブルーミング剤の量は、芳香族過酸化物
と脂肪族過酸化物の組合せを使用する事によって減らす
事が出来る。脂肪族過酸化物はブルーミングを減らす事
はしない。
【0009】過酸化物架橋剤は、エチレン/プロピレン
/ジエンモノマーゴム(EPDM)中で、160℃で
3.3〜20分、好ましくは7〜18分の半減期を持た
なければならない。本発明で使用する事の出来る芳香族
過酸化物の適当な例としては、1,1′−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパ
ーオキサイド、フェニレンビス(1−メチルエチリデ
ン)ビス(1,1−ジメチルエチル)パーオキサイド及
びn−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレートが挙げられる。芳香族過酸化物と組合す
事の出来る適当な脂肪族過酸化物としては、2,5−ジ
−(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサ
ンが挙げられる。単独で使用される場合は、芳香族過酸
化物硬化剤は、(1)+(2)の100重量部当たり、
0.5重量部〜約4.0重量部、好ましくは約1.0重
量部〜約1.5重量部の量で存在する。芳香族と脂肪族
過酸化物の組合せが使用される場合は、(1)+(2)
の100重量部当たり、芳香族過酸化物は約0.3重量
部〜約2.0重量部、好ましくは約0.5重量部〜約
1.0重量部の量で存在し、脂肪族過酸化物は、約0.
2重量部〜約1.5重量部、好ましくは約1.0重量部
〜約1.5重量部の量で存在する。
【0010】金属ハロゲン化物対芳香族過酸化物の重量
比は、少なくとも0.6、好ましくは少なくとも2.0
である。組成物の架橋は、上述の過酸化物硬化系と、
1,2−ポリブタジエン及び式:
【0011】 (ここで、Xは、式−CHO、−COOH、−CHON
2、−CN、−NO2、−CH2COCH2COOR、−
CH(COOR)2(ここで、Rは、6〜8個の炭素原
子を含むアリール基又は1〜4個の炭素原子を含むアル
キル基である)のラジカルであり、nは1又は2であ
り、R1及びR2は、同じか異なるものであり、水素、1
〜4個の炭素原子を含むアルキル基又は5〜8個の炭素
原子を含むシクロアルキル基である)のフラン誘導体か
ら選ばれる少なくとも一種の架橋助剤を使用して行われ
る。
【0012】1,2−ポリブタジエンは、少なくとも1
300〜約13,000、好ましくは少なくとも240
0〜約13,000の分子量を有する。1,2−ビニル
含有量は、少なくとも50%、好ましくは50%〜約9
0%、最も好ましくは約70%〜約90%である。存在
する1,2−ポリブタジエンの量は、成分(1)+
(2)の100重量部当たり、約2〜約20重量部、好
ましくは約4重量部〜約12重量部である。1,2−ポ
リブタジエンは、液体又は、固体支持形態で使用する事
が出来、両形態で市販されている。本発明で使用できる
上記に記載の式のフラン誘導体は、公知であり、米国特
許第2,738,338号明細書に記載の方法で調製す
る事が出来る(この方法は、ここに参照によって導入さ
れる)。適当な例としては、1,5−ジフルフリル−
1,4−ペンタジエン−3−オン、β−(α−フリル)
アクロレイン、5−(α−フリル)ペンタジエナール、
α−フリルアクリルアミド、α−フリルアクリロニトリ
ル、及びβ−(α−フリル)アクリル酸及びそのエステ
ルが挙げられる。フラン誘導体は、(1)+(2)の1
00重量部当たり、0.15〜3重量部、好ましくは
0.17重量部〜2重量部の量で使用される。
【0013】本発明の動的に架橋された熱可塑性エラス
トマーは、過酸化物硬化系を熱可塑性オレフィン及びゴ
ムに添加し、この混合物を、所望の動的硬化をもたらす
為に混練しながら硬化条件に掛ける事によって得られ
る。この熱可塑性エラストマー組成物は、一般に、約8
0%〜約99%、好ましくは約85%〜約97%、最も
好ましくは約90%〜約95%のゲル含有量まで硬化さ
れる。ゲル含有量の決定方法は、以下に記述される。混
合及び混練は、160℃〜240℃、好ましくは180
℃〜220℃の温度で、約2〜約30分間、好ましくは
約3〜20分間で行われる。上記の硬化条件では、EP
DM中160℃での理論半減期を基準にして少なくとも
97%の硬化剤が、一般には98%〜99%の硬化剤が
消費される。混練又は剪断加工は、オープンロール、密
閉式ミキサー(例えば、バンバリー又はハークミキサ
ー)及び単軸又は二軸スクリュー押出し機で行う事が出
来る。
【0014】硬化系は、更に、その他の助剤(coagen
t)、例えば、フェニレン−ビス−マレイミド及び/又
はメルカプトベンゾチアゾール、ベンゾチアジルジスル
フィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムヘキサスルフィド、N,N′−ジエチルチオユリア、
アミルフェノールジスルフィド及び亜鉛ジブチルジチオ
カーバメートの様な硫黄ドナーを含む事が出来る。使用
されるその他の助剤の量は、(1)+(2)の100重
量部当たり、約0.5〜3重量部、好ましくは約1〜約
2.5重量部であり、硫黄ドナーの量は、約0.15〜
約3重量部、好ましくは約0.17〜約2重量部であ
る。この硬化系が追加の助剤及び/又は硫黄ドナーを含
む場合は、助剤は、一般に、架橋助剤と一緒に添加さ
れ、硫黄ドナーは、一般に、過酸化物成分との組合せで
添加される。
【0015】上記の主成分に加えて、耐酸化剤が、一般
に、(1)+(2)の100重量部当たり、約0.1〜
約0.9重量部の量で存在する。使用できる耐酸化剤の
適当な例としては、4,4′−チオ−ビス−(6−t−
ブチル−m−クレゾール)の様なチオフェノール、トリ
スノニルフェニルホスファイトの様なホスファイト、テ
トラキスメチレン−3−(3,5’−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシル−プロピオネート)−メタンの様な
フェノール系エステル、ジラウリルチオプロピオネート
の様なジチオプロピオネート、2,5−ジ−t−ブチル
ヒドロキノンの様なヒドロキノン及び2,2,4−トリ
メチル−1,2−ジヒドロキノリンが挙げられ、これら
全ては市販されている。本発明の組成物は、又、その他
の通常の添加剤、例えば、パラフィン系及びナフテン系
エキステンダー油を、ゴム100重量部当たり、約20
〜約100重量部、好ましくは約25〜約60重量部、
最も好ましくは約25〜約50重量部の量で、又は
(1)+(2)の100重量部当たり、酸化亜鉛を約
1.5〜約6重量部含む事が出来る。
【0016】本発明の組成物は、熱可塑性材料の加工に
使用される装置、例えば、押出し、射出及び圧縮成形、
熱成形及びブロー成形で使用される装置で加工する事が
出来る。%ゲル含有量は、秤量した38.1mmx1
9.05mmx2.03mm(1.5インチx0.75
インチx0.08インチ)のテストピースを、約100
mlのシクロヘキサンに、約23℃で48時間浸漬し、
サンプルを取り出して、80℃で真空オーブン中で一定
重量まで乾燥(約72時間)する事によって決められ
る。%ゲルは、次の様にして計算される: %ゲル=(ゴムの初期重量−抽出されたゴム重量/サン
プル中のゴムの初期重量)x100% 抗ブルーミング剤が存在しない場合には、二種類のブル
ーミング、即ち、白色粉末と結晶が観察された。両方と
も、成形或いは押出し後に異なる時間で現れる異なる形
態の同じ材料であると考えられる。理論に拘泥する積も
りはないが、ブルーミングの原因となっている物質は、
芳香族過酸化物のケトン及びアルコール分解生成物であ
ると考えられる。シートを押出すと、抗ブルーミング剤
が存在しないとブルーミングが直に起る。白色粉末と結
晶はシート上及び引取りロール上に見る事が出来る。押
出しシートのサンプルは、表では、それらが室温で2時
間光に暴露後、倍率15xの光学顕微鏡で観察してもブ
ルーミングを示さなかった場合に、「ブルーミングな
し」とされた。成形したプラークは、それらが、室温で
3週間光に暴露後、ブルーミングを示さなかった場合
に、「ブルーミングなし」とされた。
【0017】次の試験方法は、実施例及び比較例の組成
物の物性を測定する為に使用した。 ショアーA硬度 ASTM D−2240 100%モジュラス ASTM D−412 200%モジュラス ASTM D-412 引張り強度 ASTM D-638−89 降伏点伸び ASTM D-638−89 メルトインデックス ASTM D-1238(230℃、2. 16kg) 圧縮永久歪 ASTM D-395 明細書において、部及びパーセントは、特に断らない限
り、全て重量である。
【0018】
【実施例】〔実施例1〜3及び比較例1〜2〕これらの
実施例及び比較例は、芳香族及び脂肪族過酸化物の両方
を含む、動的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物
で造られた押出しシート及び射出成形プラークでのブル
ーミング防止における種々の金属塩化物の有効性を示す
ものである。組成物の各成分の量は、表1に示す。表1
において、TPO及びDutral4038PLゴムの量は、重量
部で与えられ、2つの合計は100重量部である。その
他の成分の量は、TPO+Dutral4038PLゴムの100
重量部当たりの重量部で与えられる。熱可塑性オレフィ
ン(TPO)は、(i)キシレン不溶溜分として定義され
るアイソタクチック指数97.5を有するプロピレンホ
モポリマー35%、(ii)室温でキシレン不溶の半結
晶性エチレン/プロピレンコポリマー6.9%、及び
(iii)室温でキシレン可溶の無定形エチレン/プロ
ピレンコポリマーゴム58.1%を含む組成物である。
Dutral4038PLは、エチリデンノルボルネン4%を含むエ
チレン/プロピレン/エチリデンノルボルネンターポリ
マーゴムであり、Enichem America Inc.から市販され
ている。
【0019】SantonoxR4,4′−チオ−ビス−(6−
t−ブチル−m−クレゾール)耐酸化剤は、Monsanto
Co.から市販されている。Ricon154低分子量ポリブタ
ジエンは、Ricon Resins,Inc.から市販されている。
芳香族過酸化物は、VC−60過酸化物で、エチレン/プ
ロピレン/ジエンゴム中の1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼンの40%分散体であ
り、Rein Chemie Inc.から市販されている。(*表1
において、VC-60中の過酸化物の実際の量は、与えら
れた量の40%であった)。脂肪族過酸化物は、VaroxD
BPH−50過酸化物であって、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの粘土上の5
0%濃縮物であり、R.T. Vanderbilt Co. Inc.から
市販されている(**表1において、VaroxDBPH50中の過
酸化物の実際の量は、与えられた量の50%であっ
た)。脂肪酸誘導体で、主として亜鉛石鹸のブレンドで
あるEF44A加工助剤は、Struktol Company of Amer
icaから市販されている。Flexon815石油蒸留物は、E
xxon Co.(USA)から市販されている。Irganox1035チ
オジエチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシヒドロシンナメート)は、CIBA Specialty Che
micals Corp.から市販されている。Zetaxメルカプトベ
ンゾチアゾールの亜鉛塩は、R.T. Vanderbilt Co.,I
nc.から市販されている。
【0020】
【表1】
【0021】サンプルは、65.5℃(150°F)に
設定した混合ボールの周りの循環油の温度で、1.1k
g(2.5ポンド)バンバリーミキサーで配合した。初
期スクリュー速度は、200rpmに設定した。TPO、Dutr
al4038PLrubber、Santonox R耐酸化剤、ZnO、Rico
n154液体ポリブタジエン、芳香族過酸化物、脂肪族
過酸化物、CaCO3及びEF44A加工助剤が混合ボールに供給
され、内容物が約5分間混合された。次いで、Flexon81
5が添加され、混合を、約2分間続けて材料を均質化し
た。Irganox1035耐酸化剤、Zetaxメルカプトベンゾチア
ゾール亜鉛塩及び金属ハロゲン化物を最後に添加した。
材料を混合ボールから取り出す前に、材料を別に2分間
混合した。材料が未だ暖かい内に、テーブルの上に置
き、小片に切断し、冷却した。この材料を、次いで、ド
ライアイスで冷凍して粉砕に掛けた。粉砕した材料部分
を、ブラベンダー4.7mm(3/16“)単軸スクリ
ュー押出し機で、厚さ21mm(0.83”)、巾44
mm(1.75“)のシートを押出す為に使用した。加
工温度は、全てのゾーンで170℃一定であった。冷却
は、循環空気により、シートを引き取りロール上に通す
事によって行った。テスト用のサンプルは、シートの機
械方向に沿ってダイカットした。
【0022】材料の残りは、1.5オンスバッテンフェ
ルト射出成形機で、76.2x76.2x20mm(3
x3x0.8“)の射出成形プラークを造る為に使用し
た。加工温度は、ゾーン1、2及びダイにおいて、それ
ぞれ、198°、204°及び215℃(390°、4
00°及び420°F)であった。金型温度は、29〜
46℃(85〜115°F)であり、ショット当たりの
サイクル時間は、25秒未満であった。使用されたASTM
試験方法で必要とされる寸法及び形状にダイでカットす
る前に、全ての射出成形サンプルを一定温度、一定湿度
で少なくとも24時間状態調節した。テスト用のサンプ
ルを、ゲートから5cm(2”)離して、流れに対して
直角にダイカットした。各サンプルについて試験する物
性の結果を表2に示す。表2において、「NB」は、「ブ
ルーミングなし」を、「Bloom」は「ブルーミング」を
意味する。
【0023】
【表2】
【0024】このデータは、SnCl2、ZuCl2及びCaCl2
有効な抗ブルーミング剤である事を示す一方で、FeCl3
及びNiCl2は有効でない事を示す。30〜45の圧縮永
久歪は、受入れる事のできるものであった。 〔実施例4〜10及び比較例3〜5〕これらの実施例及
び比較例は、脂肪族過酸化物を伴う場合と伴わない場合
の、種々の量の芳香族過酸化物を含む動的に架橋された
熱可塑性エラストマー組成物における抗ブルーミング剤
としての塩化錫の有効性を示すものである。サンプルの
成分は、実施例1〜3のものと同じである。サンプルを
配合して、実施例1〜3に記載の様にして押出しシート
を形成した。各成分の量、ブルーミング決定の結果及び
圧縮永久歪値は、表3に示される。TPO及びDutral4038P
L rubberの量は、重量部で与えられ、2つの合計は1
00重量部である。その他の成分の量は、TPO+Dutral40
38PL rubberの100重量部当たり(pph)の重量部で与
えられる。
【0025】表3において、「NB」は「ブルーミングな
し」を、「Bloom」は「ブルーミング」を意味する。VC-
60芳香族過酸化物中の過酸化物の実際の量は、表で与え
られた量の40%であり、VaroxDBPH50脂肪族過酸化物
中の過酸化物の実際の量は、表で与えられた量の50%
である。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】 データは、SnCl2が組成物中に存在した場合はブルーミ
ングが存在しない事を示す。
【0028】〔実施例11〜22〕これらの実施例は、
脂肪族過酸化物を伴う場合と伴わない場合の、種々の量
の芳香族過酸化物を含む動的に架橋された熱可塑性エラ
ストマー組成物における抗ブルーミング剤としての塩化
錫の種々の量を使用した場合の物性における効果を示す
ものである。サンプルの成分は、前の実施例のものと同
じである。サンプルを配合して、実施例1〜3に記載の
様にして押出しシートと成形プラークを形成した。各成
分の量は、表4に示される。TPO及びDutral4038PLrubbe
rの量は、重量部で与えられ、2つの合計は100重量
部である。その他の成分の量は、TPO+Dutral4038PLrubb
erの100重量部当たりの重量部で与えられる。物性値
テストの結果は表5で与えられる。「NB」は「ブルーミ
ングなし」を意味する。VC-60芳香族過酸化物中の過酸
化物の実際の量は、表で示された量の40%であり、Va
roxDBPH50脂肪族過酸化物中の過酸化物の実際の量は、
表で示された量の50%である。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】 データは、SnCl2が組成物中に存在する時は、ブルーミ
ングは起らない事を示す。ここに開示の本発明のその他
の特徴、利点及び実施態様は、先の開示内容を読む事に
よって当業者には容易に明らかとなるであろう。これに
関して、本発明の特定の実施態様が、極めて詳細に記述
されたが、これらの実施態様の変形及び変更は、開示の
本発明の精神と範囲及びクレームから逸脱する事無しに
有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/20 C08L 23/20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動的に架橋した熱可塑性エラストマー組成
    物であって、(1)(a)90より大きいアイソタクチ
    ック指数を有するプロピレンホモポリマー、又は85%
    より多いプロピレン含有量と85より大きいアイソタク
    チック指数を有する、エチレン及び/又はC4〜C8のア
    ルファ−オレフィンとの結晶性プロピレンコポリマー約
    20%〜約70%、(b)任意に、約1%〜約10%の
    ジエンを含み、室温でキシレン可溶であり、約30%〜
    約70%のエチレンを含む、無定形エチレン−プロピレ
    ン又はエチレン−ブテン−1ポリマー約30%〜約75
    %、及び(c)室温でキシレン不溶であり、90%より
    多いエチレンを含む、半結晶性エチレン−プロピレン又
    はエチレン−ブテン−1コポリマー約3%〜約30%、
    から成る熱可塑性オレフィン約30重量部〜約60重量
    部、(2)任意に、約1%〜約10%のジエンを含み、
    約30%〜約70%のエチレン含有量を有する、エチレ
    ンとC3〜C8のアルファ−オレフィンとのエラストマー
    ポリマー約30重量部〜約100重量部、(ここで、
    (1)+(2)=100重量部である)、(3)錫、亜
    鉛及びカルシウムのハロゲン化物から成る群から選ばれ
    た金属ハロゲン化物を、(1)+(2)の100重量部
    当たり約0.4重量部〜約6.0重量部、及び(4)
    (a)芳香族過酸化物を、(1)+(2)の100重量
    部当たり約0.5重量部〜約4.0重量部、及び(b)
    (1)+(2)の100重量部当たり、芳香族過酸化物
    約0.3重量部〜約2.0重量部と脂肪族過酸化物約
    0.2重量部〜約1.5重量部との組合せ、から成る群
    から選ばれた有機過酸化物架橋剤、(ここで、金属ハロ
    ゲン化物対芳香族過酸化物の重量比は少なくとも0.6
    である)、から成ることを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】成分(1)(a)が、プロピレンホモポリ
    マーであり、成分(1)(b)及び(1)(c)が、エ
    チレン/プロピレンコポリマーである、請求項1に記載
    の組成物。
  3. 【請求項3】エラストマーエチレンポリマーが、エチレ
    ン/プロピレン/エチリデンノルボルネンターポリマー
    である、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】金属ハロゲン化物が塩化錫である、請求項
    1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】金属ハロゲン化物対芳香族過酸化物の重量
    比が少なくとも2.0である、請求項1に記載の組成
    物。
JP11053460A 1998-03-04 1999-03-02 抗ブル―ミング剤を含有する熱可塑性エラストマ―組成物 Pending JPH11293063A (ja)

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