JPH11291262A - 耐衝撃性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材 - Google Patents

耐衝撃性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材

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JPH11291262A
JPH11291262A JP9472298A JP9472298A JPH11291262A JP H11291262 A JPH11291262 A JP H11291262A JP 9472298 A JP9472298 A JP 9472298A JP 9472298 A JP9472298 A JP 9472298A JP H11291262 A JPH11291262 A JP H11291262A
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polyester resin
polymer particles
polymerization
aqueous medium
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JP9472298A
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Osamu Korenaga
修 是永
Keiichi Asami
啓一 浅見
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾式法または湿式法のブラスト研磨加
工によつて、樹脂モールド成型品の樹脂バリを除去する
際に使用される合成樹脂製投射材の耐衝撃性を向上させ
て、衝撃による劣化の進行を抑制し、長時間のブラスト
研磨加工に耐え得る投射材。 【解決手段】 不飽和ポリエステル樹脂に、ジイソシ
アネート類を予め溶解させた後、これを水性媒体中で懸
濁重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物から
なる耐衝撃性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式法または湿式
法のブラスト研磨加工用投射材に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器や機械関係の部品として使用さ
れる樹脂モールド成型品の多くは金型成型によって製造
されるが、金型から取り出された直後の成型品には成型
の際に発生した多数の樹脂バリが残っている。通常、こ
の樹脂バリは乾式法または湿式法によるブラスト研磨加
工によつて除去されている。このブラスト研磨加工に使
用される投射材(ブラスト投射材)としては、従来から
アルミナ、ガラス、合成樹脂等各種の素材からなる粒子
が利用されている。上記各種の素材粒子のうち、合成樹
脂製の粒子は被投射物であるモールド樹脂の材質や表面
硬度に応じて多種の合成樹脂の中から最適の材料を選択
できるという利点があるため、樹脂モールド成型品のブ
ラスト投射材としてはこの合成樹脂製の粒子が多用され
ている。
【0003】しかし、従来の合成樹脂製投射材の多く
は、樹脂の廃材や塊状重合によって硬化させたものを粉
砕機等を用いて粉砕して得た粒子であり、形状が多角形
で多数の鋭角の突起部分を有している。このような多角
形状の投射材を樹脂モールド成型品に高速投射すると、
その際の衝撃によって多数の鋭角の突起部分が欠損し、
この欠損した突起が樹脂モールド成型品に付着して製品
の美観を損なうという問題があった。また、突起部分の
欠損によって投射材が早期に小粒化して初期のバリ除去
能力を持続することが不可能になるため、短期間で新し
い投射材の補給を余儀なくされるという問題も抱えてい
る。
【0004】このような従来の多角形状の合成樹脂製投
射材が抱えていた問題を解決するため、本発明者らは先
に特開昭63−351号公報において、不飽和ポリエス
テル樹脂を懸濁重合して得られる新規な球状の重合体粒
子を提案した。この球状重合体粒子をブラスト投射材と
して使用することにより、上記の従来型投射材が抱えて
いた鋭角の突起部分に起因する諸問題を効果的に解消す
るができた。しかしながら、樹脂モールド成型品へ高速
投射された際の耐衝撃性の問題を解決するまでには至っ
ていない。
【0005】一方、高速投射の際の衝撃によって投射材
の破砕や変形または亀裂の発生等による劣化の進行を回
避するために、投射圧力を下げて研磨加工作業を行うこ
ともあるが、この場合には投射材のバリ除去能力の低下
は避けられない。この問題に対する最も有効な手段は投
射材の耐衝撃性を向上させることであり、本発明者らは
先に耐衝撃性を有する合成樹脂製投射材として、液状ブ
タジエン・アクリロニトリルゴム等のゴム質組成物を含
有する重合体粒子(特開平3−6285号公報)をブラ
スト投射材として使用することを提案した。このゴム質
組成物を含有する重合体粒子の耐衝撃性は、ゴム質組成
物をまったく含有しない重合体粒子に比べれば格段に優
れてはいるものの、これを満足できるレベルにまで向上
させるためには多量のゴム質組成物の添加が必要であ
り、加えて原料単量体に高度に均一分散させなければそ
の効果を十分に発揮することができず、該粒子の製造コ
ストと作業性にまだ問題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、乾式法または湿式法のブラスト研磨加工によつ
て、樹脂モールド成型品の樹脂バリを除去する際に使用
される合成樹脂製投射材の耐衝撃性を向上させて、衝撃
による劣化の進行を抑制し、長時間のブラスト研磨加工
に耐え得る新規な合成樹脂製ブラスト投射材を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、乾式法または湿式
法のブラスト研磨加工に使用される合成樹脂製投射材の
耐衝撃性を向上させる手段として、従来の如く原料樹脂
にゴム質組成物等を添加する方法ではなく、原料樹脂に
これと相溶性のある特定の物質を予め溶解させた後にこ
れを懸濁重合すれば、従来の投射材に比べてはるかに耐
衝撃性が向上した新たなブラスト研磨加工用の重合体粒
子が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は不飽和ポリエステル樹
脂に、予めジイソシアネート類を溶解させた後、これを
水性媒体中で懸濁重合してなることを特徴とする耐衝撃
性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材を提供するもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の原料の不飽和ポリエステル樹脂は、無水マレイ
ン酸やイタコン酸等の不飽和多塩基酸と、エチレングリ
コールやプロピレングリコール等の多価アルコールとを
エステル化して得られる線状不飽和ポリエステルを、ス
チレンモノマー等のビニル単量体に溶解させたものであ
り、線状不飽和ポリエステル製造の際に必要に応じて無
水フタル酸やイソフタル酸等の飽和多塩基酸を原料とし
て加える場合もある。
【0010】一方、TDI、MDIに代表されるジイソ
シアネート類は、不活性溶媒下にジアミンとホスゲンと
を反応させて得ている。ジイソシアネート類は、その分
子中に2個の反応性の高いイソシアネート基を有してお
り、アルコールやフェノールのヒドロキシル基と反応し
てウレタン結合を生ずる。また、カルボン酸や酸無水物
と反応して酸アミド誘導体を生成する。原料の不飽和ポ
リエステル樹脂は、線状不飽和ポリエステルとスチレン
モノマー等のビニル単量体との混合物であり、線状不飽
和ポリエステルはその分子末端に原料の多塩基酸と多価
アルコールに由来するヒドロキシル基および/またはカ
ルボキシル基を有している。このため不飽和ポリエステ
ル樹脂に予めジイソシアネート類を溶解させた後、これ
を、重合開始剤の存在下に懸濁重合すれば、線状不飽和
ポリエステルとビニル単量体との反応によって生成した
網目状の不飽和ポリエステル樹脂の、分子末端ヒドロキ
シル基および/またはカルボキシル基と、ジイソシアネ
ート類の2個のイソシアネート基とが重合反応の進行と
ともにウレタン結合してより大きな分子量の不飽和ポリ
エステル樹脂組成物となる。この架橋による分子量の増
大が生成した重合体粒子に強大な靱性を付与することに
なる。
【0011】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物が
強大な靱性を有することは、天然ゴムに匹敵する抗張力
や伸び率を示し、優れた機械的性質を有するウレタンゴ
ムの生成過程と、部分的に共通するものがあることによ
っても容易に推測することができる。
【0012】本発明の、耐衝撃性の優れた乾式法または
湿式法のブラスト研磨加工用投射材は、以下に説明する
方法によって得ることができる。すなわち、まず、不飽
和ポリエステル樹脂にジイソシアネート類を添加して完
全に溶解するまで十分に攪拌混合した後、これに重合開
始剤を添加して再度完全に溶解させる。本発明に使用可
能なジイソシアネート類は、2,4−または2,6−ト
リレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン
−4,4´−ジイソシアネート(MDI)、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)等である。
【0013】ジイソシアネート類の添加量は、通常不飽
和ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5〜5.
0重量部の範囲が好適である。添加量が0.5重量部未
満では耐衝撃性を向上させるという目的を達成すること
が難しく、逆に5.0重量部を越えるとその効果の割り
には使用量が多くなり製造コストの高騰を招くため好ま
しくない。
【0014】重合開始剤としては、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリ
ル)等のアゾ化合物やラウロイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサ
イド等の有機過酸化物が好適に使用される。これらの重
合開始剤の添加量は、その種類や重合の速度および所望
する重合体粒子の硬度や分子量等によって異なるが、通
常は不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して0.
1〜5.0重量部の範囲で採用される。
【0015】撹拌槽型反応器を用いて懸濁重合する場
合、本発明では、前述のジイソシアネート類と重合開始
剤とを溶解させた不飽和ポリエステル樹脂(以下、原料
樹脂と称す)を、水性媒体の攪拌下に一括または分割あ
るいは連続的に添加する。添加された原料樹脂は、撹拌
機の剪断力によって短時間のうちに水性媒体中に液滴と
なって分散する。水性媒体は、通常、イオン交換水に分
散安定剤を溶解または懸濁させたものが使用される。分
散安定剤としてはポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶
性高分子物質、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポ
リオキシエチレンノニルフェノールエーテル等の界面活
性剤、リン酸三カルシウム等の水難溶性無機塩が単独あ
るいは併用の形で使用される。
【0016】本発明では、原料樹脂の液滴状態における
安定性および液滴径の均一性から、上記分散安定剤の中
でも特にポリビニルアルコールが好適である。イオン交
換水に溶解される分散安定剤の量は、通常イオン交換水
100重量部に対して0.1〜5.0重量部の範囲が好
ましい。分散安定剤の量が0.1重量部未満では水性媒
体中での原料樹脂液滴の合一が強くなり、結果として重
合体粒子の凝集や異形粒子の発生が多くなるため好まし
くない。逆に、5.0重量部を越えるとその効果の割り
には使用量が多くなると共に、水性媒体の粘性が過度に
上昇して重合完了後の重合体粒子と水性媒体との分離に
支障を来たすことがあるため好ましくない。
【0017】原料樹脂と水性媒体との使用比率は、原料
樹脂の添加方法や反応器の除熱能力および生産性等によ
って決定されるが、通常は原料樹脂100重量部に対し
て水性媒体100〜1000重量部の範囲である。
【0018】本発明の懸濁重合における重合温度、重合
時間および攪拌強度等の主要な重合条件は、原料の不飽
和ポリエステル樹脂の組成および所望する重合体粒子の
分子量や粒子径等によって適宜決定される。重合温度は
通常60〜100℃であり好ましくは70〜90℃であ
る。また、重合時間は通常2〜20時間であり好ましく
は3〜10時間の範囲である。一方、攪拌回転数は重合
体粒子の目標粒子径や撹拌機および反応器の形状等によ
って異なるため、最適値は予め小試験や中試験等によっ
て確認して決定される。重合は窒素や二酸化炭素等の不
活性ガス雰囲気にシールされた状態で実施されることが
好ましい。
【0019】本発明では、懸濁重合が完了したのち重合
体粒子と水性媒体を反応器から抜き出し、濾過機あるい
は遠心分離機等を用いて重合体粒子と水性媒体とを分離
する。分離された重合体粒子はその表面に水性媒体が付
着しているため、イオン交換水や上水等で十分に洗浄し
て付着した水性媒体を完全に除去する。本発明の重合体
粒子を乾式法のブラスト研磨加工用投射材として使用す
る場合は、洗浄終了後、次の乾燥工程に送られて乾燥さ
れる。乾燥は粒子表面に付着した水分を蒸発させること
が目的であるため過度に高温度で行う必要はなく、通常
は150℃以下で実施される。150℃を越える温度で
長時間乾燥すると重合体粒子が変色する場合があるため
好ましくない。乾燥された重合体粒子はそのままで乾式
ブラスト研磨用投射材として好適に使用することができ
るが、粒子径に制限がある場合は分級機等で分級して使
用される。
【0020】一方、本発明の重合体粒子を湿式法のブラ
スト研磨加工用の投射材として使用する場合は、洗浄終
了後、特に乾燥する必要はなく湿潤状態のまま使用して
も差支えない。
【0021】更に、本発明において、研磨力を強化させ
る目的で、不飽和ポリエステルとジイソシアネート類を
懸濁重合させる際、これに適量の無機充填剤を加えるこ
ともできる。無機充填剤は研磨力を強化させることので
きるものであれば、何れのものでも使用可能であるが、
通常、無水珪酸、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸
カルシウム、クレー、アスベスト、タルク、ガラスビー
ズ等が好適に用いられる。
【0022】無機充填剤の添加量は、不飽和ポリエステ
ルとジイソシアネート類の合計量100重量部に対し、
5〜100重量部が適当である。添加量が5重量部未満
では研磨力強化の効果が薄く、逆に100重量部を越え
ると研磨材が研磨時に破壊され易くなって、研磨材の微
粉化傾向が大きくなるのみならず、研磨時に被研磨物を
損傷させる場合もあり、好ましくない。
【0023】また、無機充填剤を添加する際、必要に応
じて分散剤、沈降防止剤、各種カップリング剤等を添加
したり、あるいは無機充填剤の添加の如何にかかわら
ず、帯電防止剤、界面活性剤等を添加することも可能で
ある。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明はその要旨に変更がない限りこれらの
実施例に限定されるものではない。尚、以下において
「部」および「%」は明記しない限り「重量部」および
「重量%」を示す。 実施例1 市販の不飽和ポリエステル樹脂(三井化学(株)製、商
品名エスター RT−400)100部に、ジイソシア
ネート類として2,4−トリレンジイソシアネート(三
井化学(株)製、商品名コスモネートT−100)3.
0部を添加し、実験用ホモディスパーを用いて高剪断力
下に攪拌して完全に溶解させた。次に、この混合液に重
合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(大塚化学
(株)製、AIBN)0.3部を添加し、同様に実験用
ホモディスパーを用いて攪拌し完全に溶解させた。
【0025】別に、アンカー型撹拌機、リフラックスコ
ンデンサー、窒素パージ管および温度計を備えた内容積
5Lの四つ口セパラブルフラスコにイオン交換水300
部を仕込み、これに分散安定剤としてけん化度88モル
%、重合度2000の部分けん化型ポリビニルアルコー
ル(電気化学工業(株)製、商品名デンカポバールB−
20F)を0.5部溶解させてこれを水性媒体とした。
この水性媒体を回転数280rpmで攪拌しながら、上
記の2,4−トリレンジイソシアネートと重合開始剤と
を溶解させた不飽和ポリエステル樹脂を漏斗を使用して
約3分間で滴下し、水性媒体中に液滴として分散させた
状態で80℃で5時間懸濁重合させた。重合中は0.5
L/minの窒素ガスをセパラブルフラスコに送気して
窒素雰囲気下で重合を行った。
【0026】重合完了後、懸濁スラリーをセパラブルフ
ラスコから取り出し、実験用小型遠心分離機にて重合体
粒子を分離した後、これを水で十分に洗浄して湿潤状態
の重合体粒子を回収した。次いで、この湿潤粒子を熱風
循環式乾燥機内で90℃で6時間乾燥して平均粒子径2
25μmの淡黄色半透明の真球状の重合体粒子を得た。
重合体粒子の粒子径分布は、マイクロトラック粒度分析
計(日機装(株)製、Model No.9320−x
100)を使用して測定した。
【0027】実施例2 2,4−トリレンジイソシアネートをジフェニルメタン
−4,4´−ジイソシアネート(三井化学(株)製、商
品名コスモネートPH)に変更した以外はすべて実施例
1と同様に操作して、平均粒子径230μmの淡黄色半
透明の真球状の重合体粒子を得た。
【0028】比較例1 ジイソシアネート類を全く添加しなかった以外はすべて
実施例1と同様に操作して、平均粒子径225μmの淡
黄色透明の真球状の重合体粒子を得た。
【0029】比較例2 2,4−トリレンジイソシアネートを液状ブタジエン・
アクリロニトリルゴム(宇部興産(株)製、商品名HY
CAR VTBNX 1300×23)5.0部に変更
した以外はすべて実施例1と同様に操作して、平均粒子
径235μmの淡黄色不透明の真球状の重合体粒子を得
た。
【0030】試験例1〜4 実施例1〜2および比較例1〜2で得られた各重合体粒
子を投射材として乾式ブラスト研磨加工試験を行い、各
重合体粒子の研磨力と耐衝撃性能を比較した。各重合体
粒子は性能比較を容易にするため、JIS標準ふるいに
て篩分けし150〜300μmに整粒したものを試験に
供した。乾式ブラスト研磨加工試験は、手動式の小型乾
式ブラスト試験機((株)不二精機製造所製HD−5
型)を使用して実施した。
【0031】試験方法は次の通りである。まず、厚さ3
mmで重量が既知のアクリル樹脂板をブラスト試験機の
所定の位置にセットした後、重合体粒子3.0kgをブ
ラスト試験機の投射材ホッパーに仕込んで機内の空循環
を開始した。次に、仕込んだ重合体粒子を投射ガンを介
して圧力2kgf/cmの圧縮空気と共にアクリル樹
脂板に2分間連続投射した。投射ガンとアクリル樹脂板
との距離は10cmに固定した。2分間投射後、圧縮空
気の圧力を0kgf/cmに落し、重合体粒子の機内
循環を停止して試験を終了した。試験終了後、ブラスト
試験機内の各所に滞留している重合体粒子をほぼ完全に
取り出して計量した。仕込み量と取り出し量との差は、
重合体粒子が投射によって破砕し微粉化して機外に飛散
したものとした。取出した重合体粒子は、その一部をサ
ンプリングしマイクロトラック粒度分析計を使用して粒
子径分布を測定した。また、試験後のアクリル樹脂板の
重量を測定して、最初の重量との差を重合体粒子による
アクリル樹脂板の研磨量とした。各重合体粒子を投射材
とした乾式ブラスト研磨加工試験結果のうち、仕込み量
と取り出し量との差を飛散量とし、その飛散量の仕込み
量に対する割合を飛散率としてそれぞれ表1に、また、
試験前後の投射材の平均粒子径と試験後の投射材の15
0μm以下の粒子の割合を表2に、更に、試験前後のア
クリル樹脂板の重量変化量を研磨量とし、その研磨量の
試験前アクリル樹脂板重量に対する割合を研磨率として
それぞれ表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】試験例5〜8 実施例1〜2および比較例1〜2で得られた各重合体粒
子を投射材として湿式ブラスト研磨加工試験を行い、各
重合体粒子の研磨力と耐衝撃性能を比較した。各重合体
粒子は性能比較を容易にするため、JIS標準ふるいに
て篩分けし150〜300μmに整粒したものを試験に
供した。湿式ブラスト研磨加工試験は、手動式の液体ホ
ーニング機((株)不二精機製造所製 LH−5型)を
使用して実施した。
【0036】試験方法は次の通りである。まず、厚さ3
mmで重量が既知のアクリル樹脂板をブラスト試験機の
所定の位置にセットした後、重合体粒子を固形分濃度が
30%になるように上水でスラリー化し、このスラリー
50kgを液体ホーニング機のスラリーホッパーに仕込
んで循環ポンプにより空循環を開始した。次に、仕込ん
だスラリーを投射ガンを介して圧力4kgf/cm
圧縮空気と共にアクリル樹脂板に2分間連続投射した。
投射ガンとアクリル樹脂板との距離は10cmに固定し
た。2分間投射後、圧縮空気の圧力を0kgf/cm
に落し、スラリーの循環を停止して試験を終了した。試
験終了後、液体ホーニング機内のスラリーをほぼ完全に
抜き出し、その一部をサンプリングしてマイクロトラッ
ク粒度分析計を用いて粒子径分布を測定した。また、試
験後のアクリル樹脂板の重量を測定して、最初の重量と
の差を重合体粒子によるアクリル樹脂板の研磨量とし
た。各重合体粒子を投射材とした湿式ブラスト研磨加工
試験結果のうち、試験前後の投射材の平均粒子径と試験
後の投射材の150μm以下の粒子の割合を表4に、ま
た、アクリル樹脂板の研磨量と、その研磨量の試験前ア
クリル樹脂板重量に対する割合を研磨率としてそれぞれ
表5に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の方
法により得られた重合体粒子を、乾式法または湿式法ブ
ラスト研磨加工の投射材として使用すれば、従来の合成
樹脂製投射材に比べて高速投射の際の衝撃による投射材
の破砕や変形または亀裂の発生等の劣化が抑制されるた
め、ブラスト研磨加工の際に投射圧力を下げて研磨作業
を行う必要はなく、また、短期間で新しい投射材を補給
するという不便さも大幅に改善することができる。これ
は、本発明により得られた重合体粒子が、不飽和ポリエ
ステル樹脂に、これと相溶性があり、且つ反応性を有す
るジイソシアネート類を予め溶解させた後、これを重合
開始剤の存在下に水性媒体中で懸濁重合して得たもので
あるので、網目状の不飽和ポリエステル樹脂の分子末端
ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基と、イソ
シアネート基とが重合の進行とともに架橋反応してより
大きな分子量の不飽和ポリエステル樹脂組成物となっ
て、従来の投射材では成し得なかった強大な靱性を有す
ることが可能になったからに他ならない。本発明の重合
体粒子は、従来の合成樹脂製投射材と比較してその研磨
力を低下することなく耐衝撃性能を飛躍的に向上させた
ものであり、長年業界が待望していた高耐久性の優れた
乾式法または湿式法ブラスト研磨用投射材である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル樹脂に、予めジイ
    ソシアネート類を溶解させた後、これを水性媒体中で懸
    濁重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物から
    なる耐衝撃性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステル樹脂100重量部
    に対してジイソシアネート類の添加量が、0.5〜5.
    0重量部である請求項1記載の合成樹脂製ブラスト投射
    材。
JP9472298A 1998-04-07 1998-04-07 耐衝撃性の優れた合成樹脂製ブラスト投射材 Pending JPH11291262A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006159402A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Fuji Seisakusho:Kk 研磨材及び該研磨材の製造方法,並びに前記研磨材を用いたブラスト加工方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006159402A (ja) * 2004-11-11 2006-06-22 Fuji Seisakusho:Kk 研磨材及び該研磨材の製造方法,並びに前記研磨材を用いたブラスト加工方法

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