JPH11291066A - 押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法

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JPH11291066A
JPH11291066A JP10145798A JP10145798A JPH11291066A JP H11291066 A JPH11291066 A JP H11291066A JP 10145798 A JP10145798 A JP 10145798A JP 10145798 A JP10145798 A JP 10145798A JP H11291066 A JPH11291066 A JP H11291066A
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Hisashi Hori
久司 堀
Shinya Makita
慎也 牧田
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    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/123Controlling or monitoring the welding process

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 板厚が変動しても接合部が上面から下
面まで達する完全溶込み形状の突合わせ継手が安定的に
得られ、またプローブの肩の被接合材上部への押し込み
深さの不適切に起因する接合部上端部の欠陥のない優れ
た接合部品質の継手を、高い接合速度で形成可能な押出
形材の突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法の提供を課題と
する。 【解決手段】 一対の板状押出形材4、5の突合わせ
部6へ押し込むプローブ1の攪拌ピン3の先端が、板状
押出形材の裏面4ls、5lsの上方の位置{−Ple=0.
05〜0.20mm}になるように、更にプローブ1の肩
s の板状押出形材の上面4us、5usからの押込深さh
s (mm)を接合速度VW (mm/プローブ1回転)に応じて適
切に設定することを解決手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出形材の突合わ
せ継手の摩擦攪拌接合方法に関し、特に接合部が上面か
ら下面まで達する完全溶け込み形状の接合部品質の良好
な突合わせ継手を安定して形成可能で、接合速度の高速
化の可能な押出形材の突合わせ継手の摩擦攪拌接合方
法、および、突合わせ部を表面から任意に決められる所
定の深さまで接合する接合部品質の良好な突合わせ継手
が安定して形成可能で、接合速度の高速化の可能な押出
形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦攪拌接合方法の基本的な方法や条件
は、特表平7−505090号公報や特表平9−508
073号公報等に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に開
示された方法や条件では、押出形材の突合わせ継手の接
合部が上面から下面まで達する完全溶け込み形状の突合
わせ継手を安定的に得るには不十分である。その理由は
以下の通りである。 (1)一般的なアルミニウム系押出形材では、板厚変動
が±0.15mmあり、攪拌ピンの長さを押出形材の設計
板厚から前記プローブの凹面円形底面の外周部下端縁
(肩)の板材上面からの押し込み量を引いた値で規定し
た場合、実際の板厚が設計板厚より0.15mm薄くなっ
た箇所では、攪拌ピンの先端と裏当てとが接触して、攪
拌ピンおよび/または裏当の磨耗粉が接合ビ−ド部に混
入する。 (2)また、攪拌ピン先端と裏当の接触を避けるために
攪拌ピンの長さを「設計板厚−(0.15mm+凹面円形
底面の外周端縁の板材上面からの押し込み量 )」とした
場合、板厚が設計板厚より0.15mm厚くなった箇所で
は、攪拌ピンの先端が、被接合材裏面から0.30mm上
方に位置することになり突合わせ部下端に非接合部が残
ることになり、接合部断面積の減少により接合部強度が
低下する。
【0004】上記のような問題点を解決するためには、
押出形材の板厚変動を極力小さくすることが考えられる
が、押出形材製造コストが高くなる。
【0005】また、従来の摩擦攪拌接合方法において
は、前記プローブの肩の前記被接合材の上面からの押し
込み深さを適切に設定する基準がなく、この押し込み深
さの不足に起因して、塑性流動固相の一部がプローブの
肩より外側へ漏れ、接合部を充填する塑性流動固相の不
足により、接合部にトンネル状の空洞欠陥が発生するこ
とがあり問題となっていた。また、接合速度の増加に伴
い、プローブの移動に対する抵抗が増加して、前記プロ
ーブの肩の押し込み深さが減少するため、前記のような
欠陥が発生しやすい傾向があり、接合速度の高速化によ
る接合作業能率の向上を阻んでいた。
【0006】さらに、接合深さを一定として、攪拌ピン
の先端の被接合材上面からの押し込み深さを一定とした
場合、前記プローブの肩の前記被接合材の上面からの押
し込み深さが深すぎると、前記プローブの肩により押し
退けられる塑性流動化固相量の増大によって、塑性流動
化固相の一部が前記プローブの肩より外側に溢れだし、
接合ビードの幅方向外側部にバリが多く発生するという
問題点もある。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決し、押出形
材の板厚が±0.15mm変動しても、接合部が上面から
下面まで達する完全溶け込み形状の突合わせ継手を安定
的に得ることが可能で、また、攪拌ピンの押し込み深さ
過大により、攪拌ピンの先端と裏当表面とが接触して生
じる攪拌ピンの先端および/または裏当表面の磨耗粉が
接合部下部に混入して生じる欠陥が発生することもない
接合部下端部の品質の優れた押出形材突合わせ継手を、
容易に低コストで形成可能な押出形材突合わせ継手の摩
擦攪拌接合方法の提供を第1の課題とする。
【0008】本発明は、押出形材の突合わせ部の上面か
ら任意の所定深さを接合するに際して、プローブの肩の
被接合材の上面よりの押し込み深さの不適切に起因する
接合部上端部の欠陥の発生することがなく、接合部上端
部の品質が優れ、また接合速度の高速化が可能な押出形
材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法の提供を第2の課題
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
第1の課題を解決するために、一対の押出形材からなる
被接合材の被接合面同士を突合わせて突合わせ部を形成
し、該突合わせ部の裏面に接触する裏当で該裏面を支持
するとともに、凹面円形底面の中央部から回転軸方向に
突出する攪拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを
前記突合わせ部の被接合材の中に回転させつつ押し込
み、前記凹面円形底面を前記突合わせ部近傍の被接合材
表面に押圧しながら、前記プローブを回転しつつ突合わ
せラインに沿って移動させることによって、前記突合わ
せ部を表面から裏面に達する完全溶け込み型の継手を形
成するように接合する押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌
接合方法を、前記攪拌ピンの先端が、前記一対の被接合
材の突合わせ部の裏面から0.05〜0.2mm上方に位
置するように制御することを特徴とするように構成し
た。
【0010】上記本発明においては、さらに上記第2の
課題を併せて解決するために、前記プローブの肩の前記
突合わせ部の押込深さを、接合速度が0.357mm/回
以上0.571mm/回未満の場合には0.3〜0.5mm
に、前記接合速度0.571mm/回以上の場合には0.
4〜0.6mmにそれぞれ設定することが望ましい。
【0011】本発明においては、また、上記第2の課題
を解決するために、一対の押出形材からなる被接合材の
被接合面同士を突合わせて突合わせ部を形成し、該突合
わせ部の裏面に接触する裏当で該裏面を支持するととも
に、凹面円形底面の中央部から回転軸方向に突出する攪
拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを前記突合わ
せ部の被接合材の中に回転させつつ押し込み、前記凹面
円形底面を前記突合わせ部近傍の被接合材表面に押圧し
ながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラインに沿
って移動させることによって、前記突合わせ部を表面か
ら任意に決められる所定の深さまで接合する押出形材突
合わせ継手の摩擦攪拌接合方法を、前記プローブの肩の
前記突合わせ部の押出形材上面からの押し込み深さを、
接合速度が0.357mm/回以上0.571mm/回未満
の場合には0.3〜0.5mmに、前記接合速度が0.5
71mm/回以上の場合には0.4〜0.6mmにそれぞれ
設定することを特徴とするように構成した。
【0012】前記本発明の押出形材は、アルミニウム系
押出形材であってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下添付
の図面と具体的な実施例に基づいて説明する。図1は、
本発明の実施の形態における各種の寸法の定義を説明す
るための板材の突合わせ継手の摩擦攪拌接合における、
摩擦攪拌接合用プローブを突合わせ部の板材に押し込ん
だ状態を示す断面図である。
【0014】図1において、板厚がt(mm)の一対の押出
形材からなる被接合材4、5の端面同士を突き合わせて
突合わせ部6が形成されている。該突合わせ部6の下端
の周辺の前記一対の被接合材4、5のそれぞれの裏面4
ls、5lsに表面7usが接触する裏当7が、前記の裏面4
ls、5lsを支持するように配置されている。摩擦攪拌接
合用のプローブ1の図示せぬ駆動源に連なるプローブ上
部1u の下端に接続された円筒体2の凹面円形底面2b
の中心から前記円筒体の回転軸方向に突出する攪拌ピン
3を回転させつつ、前記突合わせ部6を形成する一対の
被接合材4、5の内部に、前記被接合材4、5の表面4
us、5usから所定の深さhp (mm)だけ押し込み、前記攪
拌ピン3の先端が前記被接合材4、5の裏面4ls、5ls
の上方{−Ple(mm)}の位置に位置するようにしてい
る。そして、前記プローブ1を矢印Fでしめす方向へ所
定の押圧力F(kgf) で前記凹面円形底面2b を前記一対
の被接合材4、5のそれぞれの上面4us、5usに押圧し
ながら、前記プローブの肩2s が、前記上面4us、5us
から所定の深さhs (mm)だけ押し込まれている。このよ
うな状態で、前記プローブ1を回転させつつ、突合わせ
ライン(突合わせ部6の上端線)にそって、図1の紙面
に垂直な方向に所定の接合速度Vw (mm /回)で移動さ
せることによって、突合わせ部6が摩擦攪拌接合され
る。なお、図1に示すhps(mm)は、プローブの肩2s を
基準とした攪拌ピン3の押込深さを示し、hps=hp
s (mm)となる。
【0015】1.実施例1 摩擦攪拌接合用プローブの被接合材中に押し込まれた攪
拌ピンの先端位置と、実際に接合された接合部の下端位
置との関係を調査するため、板厚が4mmの、「JIS
H 4100」に規定されたアルミニウム合金押出形材
6061−T6、5052−H34、2024−T6の
板材のそれぞれを試験片として用いて、一対の板状部の
端面同士の突合わせ接合を行った。接合後の試験片を接
合部ラインに直交し、かつ板材表面に垂直な面で切断
し、接合部組織の観察を行った。この時用いた攪拌ピン
の突合わせ部の板表面から押し込み深さhp (mm)を3m
m、プローブ肩の前記突合わせ部の板表面からの押し込
み深さhs (mm)を0.3mmとした。
【0016】上記の実験の結果、用いたアルミニウム合
金材料の種類に関係なく、攪拌ピンの先端位置より略
0.20mm下方まで接合されていた。このことから、前
記突合わせ部を表面から裏面に達する完全溶け込み型の
継手を形成するように接合するためには、前記攪拌ピン
の先端が、一対の被接合材の突合わせ部の裏面から上方
0.2mm以下に位置するように制御すればよいことがわ
かる。
【0017】2.実施例2 通常の押出形材の板厚変動幅±0.15mmを考慮して、
突合わせ部を表面から裏面に達する完全溶け込み型の継
手を安定して形成可能な摩擦攪拌接合方法を検討するた
めに、前記アルミニウム合金押出形材5052−H34
を、板厚t(mm)がそれぞれ、3.85mm、4.00mmお
よび4.15mmになるように切削加工された板厚の等し
い一対の板材の突合わせ部の摩擦攪拌接合実験を行い、
接合後の接合部の品質を、接合部下端部の品質(完全
溶け込み形状が得られたかどうか、攪拌ピンと裏当との
接触による欠陥の発生の有無)と、接合部上端部の品
質(プローブの肩の押し込み深さの不足に起因するトン
ネル状空洞欠陥発生の有無、接合ビ−ド表面外側のバリ
の多少)との二つの観点から評価した。なお、これらの
評価結果を後記の表2および表3に判定記号で示した
が、該判定記号の意味は下記表1に示すとうりである。
また、本実験における接合速度は0.357mm/回であ
った。
【0018】
【表1】
【0019】なお、上記の摩擦攪拌接合実験においては
下記の2種類のプローブ位置制御方法を行った。 A)攪拌ピン先端の板材下面に対する位置を優先する制
御方法 突合わせ部におけるプローブの肩を基準とした攪拌ピン
の押し込み深さhps(mm)を、3.30〜3.60mmの間
で6段階に変化させ、前記6段階の攪拌ピンの押し込み
深さhps (mm) の各々に対応して、板材裏面を基準位置
(0mm) とし該板材裏面から上方を負の値とする攪拌ピ
ンの先端位置Ple(mm)が−0.25〜+0.05mmにな
るように攪拌ピン押し込み深さを決め、前記板厚t(mm)
のそれぞれに対する前記プローブ肩の前記突合わせ部の
板表面からの押し込み深さhs (mm)を板厚t(mm)に応じ
て変化させる。このとき、t=hps−Ple+hs という
関係が成り立っている。
【0020】B)プローブの肩の押し込み深さを優先す
る制御方法 プローブの肩の押し込み深さhs (mm)を、0.3mmの一
定値とし、突合わせ部におけるプローブの肩を基準とし
た攪拌ピンの押し込み深さhps(mm)を、3.45〜3.
60mmの間で4段階に変化させ、攪拌ピンの先端位置P
le(mm)を、前記攪拌ピンの押し込み深さhps (mm) と板
厚t(mm)に応じて変化させる。このとき、前記A)項の
場合と同様に、t=hps−Ple+hs という関係が成り
立っている。
【0021】上記A)項の制御方法の場合の実験結果を
下記表2に、上記B)項の制御方法の場合の実験結果を
下記表3にそれぞれ示す。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】上記表2から、下記のことがいえる。 (1)攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が−0.20〜−
0.05mmの範囲にあれば、完全溶込形状の継手が得ら
れており、攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が−0.20mm
より上方の−0.25mmではやや不完全溶込みとなって
いる。また、攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が0mmの場合
と+0.05mmのばあいには、攪拌ピンの先端がそれぞ
れ接合ラインの一部及び接合ライン全長にわたって裏当
と接触し、攪拌ピン先端およびまたは裏当の磨耗粉が接
合部の下端部に混入していた。 (2)プローブの肩の押し込み深さhs (mm)が0.3mm
の場合は、接合部上端部にトンネル状空洞欠陥もなく接
合ビード表面外側のバリも少なく、品質は良好であっ
た。 (3)プローブの肩の押し込み深さhs (mm)が0.45
mmの場合は、接合部上端部にトンネル状空洞欠陥はなか
ったが、接合ビード表面外側のバリが多かった。 (4)プローブの肩の押し込み深さhs (mm)が0.60
mmの場合は、接合部上端部にトンネル状空洞欠陥はなか
ったが、接合ビード表面外側のバリが非常に多かった。
【0025】上記の結果から、攪拌ピンの先端位置Ple
(mm)が突合わせ部の板材裏面を基準位置として所定の範
囲−0.20〜−0.05mmに入るように制御し、か
つ、接合速度が0.357m /回の場合は、プローブの
肩の押し込み深さhs (mm)が0.3mm以上であれば、押
出形材の板厚変動が±0.15mmの範囲に有るかぎり板
厚変動の影響を受けにくく、優れた接合部品質が安定し
て得られるといえる。
【0026】次に、上記表3から下記のことがいえる。
すなわち、プローブの肩の押し込み深さhs (mm)を0.
3mmの一定とした場合、 (1)板厚t(mm)が3.85mmおよび4.00mmの場合
は、攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が−0.20〜−0.
05mmの範囲にあれば、完全溶込形状の継手が得られて
おり、攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が−0.20mmより
上方の−0.25mmではやや不完全溶込みとなってい
る。また、攪拌ピンの先端位置Ple(mm)が0mmの場合と
+0.05mmのばあいには、攪拌ピンの先端がそれぞれ
接合ラインの一部および接合ライン全長にわたって裏当
と接触し、攪拌ピン先端およびまたは裏当の磨耗粉が接
合部の下端部に混入していた。 (2)板厚t(mm)が4.15mmの場合は、攪拌ピンの先
端位置Ple(mm)がすべて−0.40〜−0.25mmの範
囲にあり、完全溶け込み形状の継手が得られていない。 (3)プローブの肩の押し込み深さhs (mm)が0.3mm
の一定とした結果、プローブの肩の押し込み深さの不足
に起因するトンネル状空洞欠陥や、プローブの肩の押し
込み深さの過多に起因する接合ビード表面外側のバリも
少なく、接合部上端部の品質は優良である。
【0027】上記の結果から、プローブの肩の押し込み
深さhs (mm)を優先的に一定に制御する方法は、プロー
ブの肩の押し込み深さhs (mm)の不適切に起因する欠陥
は少なく優良である。しかし、完全溶込み形状の継手が
得られるかどうかという観点からは、被接合板材の板厚
変動の影響を受けやすく、板厚変動による接合部下端部
の接合不良や攪拌ピン先端と裏当との接触に起因する攪
拌ピン先端およびまたは裏当の磨耗粉が接合部の下端部
に混入するという接合部下端部の欠陥発生による接合部
下端部の品質不良の発生や品質のバラツキが多くなり、
優れた接合部品質を安定して得ることは困難であるとい
える。
【0028】3.実施例3 板厚t=3mmの前記のアルミニウム合金押出形材505
2−H34を用いて、プローブの回転速度1400rpm
で突合わせ摩擦攪拌接合を行った。この時、プローブの
肩の被接合板材への押し込み深さhs (mm)を0〜0.5
mmの範囲で、接合速度VW を0.357〜0.714mm
/回の範囲で、それぞれ変化させ、得られた接合部上端
部の品質について、X線透過写真および接合部断面組織
の観察、接合ビ−ド部および近傍の表面外観観察を行
い、下記の2つの観点から評価した。 プローブの肩の押し込み深さhs (mm)の不足に起因す
るトンネル状空洞欠陥の有無と接合ビ−ド表面外側部の
バリ発生の量 プローブの肩の押し込み深さhs (mm)の過多に起因す
る接合ビ−ド表面外側部のバリ発生の量 上記の実験結果を図2に示した。なお、図2に示す記号
の意味は、前記表1の接合部上端部の品質の欄に定義し
たとうりである。
【0029】図2から、良好な接合部上端部の品質を得
るためには、プローブの肩の被接合板材への押し込み深
さhs (mm)を、接合速度VW が0.357mm/回以上
0.571mm/回未満では0.3〜0.5mmに、接合速
度VW が0.571mm/回以上では0.4〜0.6mm
に、それぞれ設定すればよいことが分かる。
【0030】なお、上記の接合速度VW (mm /回) に応
じたプローブの肩の被接合板材への押し込み深さhs (m
m)の限定は、必ずしも完全溶け込み形状の突合わせ継手
を形成する場合に限られず、例えば、中空押出形材や断
面形状がC字形やL字形等の押出形材のリブの外面同士
を接触させて突合わせ部を形成し、該突合わせ部の形材
上面から任意に決められた所定の深さだけ摩擦攪拌接合
する場合にも有効に適用でき、プローブの肩の押し込み
深さhs (mm)の不適切に起因する接合上端部の欠陥のな
い良好な接合部の形成が可能である。
【0031】以上本発明の実施の形態の構成と作用を、
具体的な実施例に基づいて説明したが、本発明は上記の
実施の形態に限られるものではなく、構成の趣旨を逸脱
しない範囲内であれば、他の実施の形態を含むものであ
ることは論を待たない。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以下のように優れた効果を奏
する。 (1)請求項1に係る本発明によれば、押出形材の板厚
が±0.15mm変動しても、接合部が上面から下面まで
達する完全溶け込み形状の突合わせ継手を安定的に得る
ことが可能で、また、攪拌ピンの押し込み深さ過大によ
り、攪拌ピンの先端と裏当表面とが接触して生じる攪拌
ピンの先端および/または裏当表面の磨耗粉が接合部下
端部に混入して生じる欠陥が発生することもないという
接合部下端部の品質の優れた押出形材突合わせ継手を、
容易にかつ低コストで形成することが可能である。
【0033】(2)請求項2に係る本発明によれば、上
記(1)項の効果に加えて、プローブの肩の被接合材の
上面よりの押し込み深さの不適切に起因する接合部上端
部の欠陥の発生することのない接合部品質の優れた押出
形材突合わせ継手を、高い接合速度で容易にかつ低コス
トで形成することが可能である。
【0034】(3)請求項3に係る本発明によれば、任
意に決められる所定の接合深さまで接合する押出形材の
突合わせ継手の摩擦攪拌接合に際して、プローブの肩の
被接合材の上面よりの押し込み深さの不適切に起因する
接合部上端部の欠陥の発生することのない接合部品質の
優れた押出形材突合わせ継手を、高い接合速度で容易に
形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における各種の寸法の定
義を説明するための板材の突合わせ継手の摩擦攪拌接合
における、摩擦攪拌接合用プローブを突合わせ部の板材
に押し込んだ状態を示す断面図である。
【図2】 接合速度とプローブの肩の板材上面からの押
し込み深さの組合わせが接合部上端部の品質に与える影
響を示す図である。
【符号の説明】
1 プローブ 2 回転円筒体 2b 凹面円形底面 2s プローブの肩 3 攪拌ピン 4 被接合材 5 被接合材 6 突合わせ部 7 裏当

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の押出形材からなる被接合材の被
    接合面同士を突合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
    せ部の裏面に接触する裏当で該裏面を支持するととも
    に、凹面円形底面の中央部から回転軸方向に突出する攪
    拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを前記突合わ
    せ部の被接合材の中に回転させつつ押し込み、前記凹面
    円形底面を前記突合わせ部近傍の被接合材表面に押圧し
    ながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラインに沿
    って移動させることによって、前記突合わせ部を表面か
    ら裏面に達する完全溶け込み型の継手を形成するように
    接合する押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法であ
    って、 前記攪拌ピンの先端が、前記一対の被接合材の突合わせ
    部の裏面から0.05〜0.2mm上方に位置するように
    制御することを特徴とした押出形材突合わせ継手の摩擦
    攪拌接合方法。
  2. 【請求項2】 前記プローブの凹面円形底面の外周部下
    端縁(以後プローブ肩と称する)の前記突合わせ部の押
    出形材上面からの押し込み深さを、前記プローブの前記
    突合わせライン方向のプローブ一回転当たりの移動速度
    (以後接合速度と称する)が0.357mm/回以上0.
    571mm/回未満の場合には0.3〜0.5mmに、前記
    接合速度が0.571mm/回以上の場合には0.4〜
    0.6mmにそれぞれ設定することを特徴とする請求項1
    に記載の押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法。
  3. 【請求項3】 一対の押出形材からなる被接合材の被
    接合面同士を突合わせて突合わせ部を形成し、該突合わ
    せ部の裏面に接触する裏当で該裏面を支持するととも
    に、凹面円形底面の中央部から回転軸方向に突出する攪
    拌ピンを備えたプローブの、前記攪拌ピンを前記突合わ
    せ部の被接合材の中に回転させつつ押し込み、前記凹面
    円形底面を前記突合わせ部近傍の被接合材表面に押圧し
    ながら、前記プローブを回転しつつ突合わせラインに沿
    って移動させることによって、前記突合わせ部を表面か
    ら任意に決められる所定の深さまで接合する押出形材突
    合わせ継手の摩擦攪拌接合方法であって、 前記プローブの肩の前記突合わせ部の押出形材上面から
    の押し込み深さを、前記プローブの前記突合わせライン
    方向の移動速度(以後接合速度と称する)が0.357
    mm/回以上0.571mm/回未満の場合には0.3〜
    0.5mmに、前記接合速度が0.571mm/回以上の場
    合には0.4〜0.6mmにそれぞれ設定すとすることを
    特徴とする押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法。
  4. 【請求項4】 前記一対の押出形材がアルミニウムま
    たはアルミニウム合金(以下アルミニウム系と称する)
    押出形材である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載
    の押出形材突合わせ継手の摩擦攪拌接合方法。
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