JPH11289924A - 色相が変化する釣竿 - Google Patents
色相が変化する釣竿Info
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- JPH11289924A JPH11289924A JP11995298A JP11995298A JPH11289924A JP H11289924 A JPH11289924 A JP H11289924A JP 11995298 A JP11995298 A JP 11995298A JP 11995298 A JP11995298 A JP 11995298A JP H11289924 A JPH11289924 A JP H11289924A
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- hue
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な加工工程にて光輝的な装飾効果を上げ
ることができ、且つ、色相の変化が楽しめる釣竿を提供
すること。 【解決手段】 竿材表面に多層微細薄片11を含んだ合
成樹脂よりなる色相変化塗膜層1を形成した釣竿で、そ
の多層微細薄片11は不透明金属反射層Cの両側に透明
干渉層Bを設け、該透明干渉層Bの外側に半透明金属吸
収層Aを設けた5層よりなるものである。 【効果】 また、釣竿等を動かしたり又は、観察位置を
変えたりすることで、その表面の色相が変化するため独
特の幻惑的、光輝的な装飾効果が得られる。
ることができ、且つ、色相の変化が楽しめる釣竿を提供
すること。 【解決手段】 竿材表面に多層微細薄片11を含んだ合
成樹脂よりなる色相変化塗膜層1を形成した釣竿で、そ
の多層微細薄片11は不透明金属反射層Cの両側に透明
干渉層Bを設け、該透明干渉層Bの外側に半透明金属吸
収層Aを設けた5層よりなるものである。 【効果】 また、釣竿等を動かしたり又は、観察位置を
変えたりすることで、その表面の色相が変化するため独
特の幻惑的、光輝的な装飾効果が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は釣り用具に関し、更
に詳しくは外周表面が色相の変化する釣竿に関する。
に詳しくは外周表面が色相の変化する釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている釣竿は、カーボンプ
リプレグを材料とした竿材により形成されており、高い
強度と適度な撓み性を有し、且つ軽量性に富むものとし
て人気がある。この種の釣竿では、現在、機能別に多く
のタイプのものが使用されているが、釣竿としての基本
的機能に加えて外観的な美しさも製品独自の特性として
は極めて重要である。
リプレグを材料とした竿材により形成されており、高い
強度と適度な撓み性を有し、且つ軽量性に富むものとし
て人気がある。この種の釣竿では、現在、機能別に多く
のタイプのものが使用されているが、釣竿としての基本
的機能に加えて外観的な美しさも製品独自の特性として
は極めて重要である。
【0003】このようなことから、例えば釣竿の外周表
面を鏡面に仕上げることで、外観的特色を得ようとする
竿が既に出現している。鏡面を付与するには、竿表面に
金属塗膜層を設ける必要がある。しかし、金属塗膜層が
均一且つ平坦に塗布されないと鏡面の輝きが不良となる
ため、金属塗膜で形成する前の竿表面に対して平坦加工
が的確に行われなければならない。
面を鏡面に仕上げることで、外観的特色を得ようとする
竿が既に出現している。鏡面を付与するには、竿表面に
金属塗膜層を設ける必要がある。しかし、金属塗膜層が
均一且つ平坦に塗布されないと鏡面の輝きが不良となる
ため、金属塗膜で形成する前の竿表面に対して平坦加工
が的確に行われなければならない。
【0004】因みに、この種の竿の成形時の工程におい
ては、例えば、カーボンプリプレグを巻き付けて、所定
温度で焼成した場合、周囲に巻き付けたラッピングテー
プを取り外す際にその切れ目に沿ってカーボン材が隆起
することがあり、その結果、釣竿表面に凹凸ができる。
ては、例えば、カーボンプリプレグを巻き付けて、所定
温度で焼成した場合、周囲に巻き付けたラッピングテー
プを取り外す際にその切れ目に沿ってカーボン材が隆起
することがあり、その結果、釣竿表面に凹凸ができる。
【0005】鏡面加工を行うには、この凹凸を厳密に無
くさなければならず、そのためエポキシ樹脂あるいはウ
レタン樹脂等を竿表面に塗布すること、いわゆるパテ埋
め処理が行われる。そして、その上に更にヤスリ等を使
って表面研磨を行い、より均一な表面に仕上げ、この
後、鏡面にすべく、その研磨したパテ埋め層の表面に金
属塗布層を形成するのである。
くさなければならず、そのためエポキシ樹脂あるいはウ
レタン樹脂等を竿表面に塗布すること、いわゆるパテ埋
め処理が行われる。そして、その上に更にヤスリ等を使
って表面研磨を行い、より均一な表面に仕上げ、この
後、鏡面にすべく、その研磨したパテ埋め層の表面に金
属塗布層を形成するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように鏡面を付与
するには前処理にかなりの手数を要する。一方、鏡面
は、光を反射することで光輝的な装飾効果をあげことが
できるが、色相等の変化はなく、いまひとつ装飾的な面
白味に欠ける。本発明は、上記のような技術的問題を背
景としてなされたものである。すなわち、簡単な加工工
程にて光輝的な装飾効果を上げることができ、且つ、色
相の変化が楽しめる釣竿を提供することにある。
するには前処理にかなりの手数を要する。一方、鏡面
は、光を反射することで光輝的な装飾効果をあげことが
できるが、色相等の変化はなく、いまひとつ装飾的な面
白味に欠ける。本発明は、上記のような技術的問題を背
景としてなされたものである。すなわち、簡単な加工工
程にて光輝的な装飾効果を上げることができ、且つ、色
相の変化が楽しめる釣竿を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明者等
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねて結果、
多層になった微細薄板を細かく粉砕し、これを母材であ
る樹脂材に含有させた混合材料にて表面塗布すると、釣
竿のしなり等の変形により色相が変化することを見出
し、この点に基づいて本発明を完成させたものである。
は、このような課題に対して、鋭意研究を重ねて結果、
多層になった微細薄板を細かく粉砕し、これを母材であ
る樹脂材に含有させた混合材料にて表面塗布すると、釣
竿のしなり等の変形により色相が変化することを見出
し、この点に基づいて本発明を完成させたものである。
【0008】すなわち、本発明は、(1)、竿材表面に
多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層
を形成した釣竿に存する。
多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層
を形成した釣竿に存する。
【0009】そして、(2)、竿材表面に多層微細薄片
を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層を形成し、該
色相変化塗膜層の上に黄変防止層を設けた釣竿に存す
る。
を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層を形成し、該
色相変化塗膜層の上に黄変防止層を設けた釣竿に存す
る。
【0010】そしてまた、(3)、竿材表面に黒系色の
合成樹脂よりなるアンダーコート層を形成し、該アンダ
ーコート層の上に多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりな
る色相変化塗膜層を形成した釣竿に存する。
合成樹脂よりなるアンダーコート層を形成し、該アンダ
ーコート層の上に多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりな
る色相変化塗膜層を形成した釣竿に存する。
【0011】そしてまた、(4)、竿材表面に黒系色の
合成樹脂よりなるアンダーコート層を形成し、該アンダ
ーコート層の上に多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりな
色相変化塗膜層を形成し、該色相変化塗膜層の上に黄変
防止層を設けた釣竿に存する。
合成樹脂よりなるアンダーコート層を形成し、該アンダ
ーコート層の上に多層微細薄片を含んだ合成樹脂よりな
色相変化塗膜層を形成し、該色相変化塗膜層の上に黄変
防止層を設けた釣竿に存する。
【0012】そしてまた、(5)、多層微細薄片は、不
透明金属反射層の両側に透明干渉層を設け、該透明干渉
層の外側に半透明金属吸収層を設けた5層よりなるもの
である上記(1)〜(4)のいずれか1つの釣竿に存す
る。
透明金属反射層の両側に透明干渉層を設け、該透明干渉
層の外側に半透明金属吸収層を設けた5層よりなるもの
である上記(1)〜(4)のいずれか1つの釣竿に存す
る。
【0013】そしてまた、(6)、竿材表面に凹凸が形
成されている上記(1)〜(5)のいずれか1つの釣竿
に存する。
成されている上記(1)〜(5)のいずれか1つの釣竿
に存する。
【0014】そしてまた、(7)、黄変防止層がアクリ
ルウレタン樹脂で形成されている上記(2)又は(4)
の釣竿。
ルウレタン樹脂で形成されている上記(2)又は(4)
の釣竿。
【0015】そしてまた、(8)、色相変化塗膜層がウ
レタン樹脂で形成されている上記(1)〜(7)のいず
れか1つの釣竿。
レタン樹脂で形成されている上記(1)〜(7)のいず
れか1つの釣竿。
【0016】なお、上記(1)〜(8)を選択的に採用
することにより、本発明の目的を達成することができ
る。
することにより、本発明の目的を達成することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明であ
る色相変化塗膜層を形成した釣竿の好適な実施の形態を
説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施形態
における釣竿の断面構造を概略的に示す図である。
る色相変化塗膜層を形成した釣竿の好適な実施の形態を
説明する。 〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施形態
における釣竿の断面構造を概略的に示す図である。
【0018】本発明の釣竿は、基本的には、竿材表面に
多層微細薄片11を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗
膜層1を形成したものである。この場合、合成樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が採用される。特
に、後述するように、多層微細薄片11との密着性の観
点からウレタン樹脂が好ましい。従って、この色相変化
塗膜層1は、例えば、多層微細薄片11を含有するウレ
タン樹脂を竿材表面に塗布することにより簡単に形成さ
れる。
多層微細薄片11を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗
膜層1を形成したものである。この場合、合成樹脂とし
ては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が採用される。特
に、後述するように、多層微細薄片11との密着性の観
点からウレタン樹脂が好ましい。従って、この色相変化
塗膜層1は、例えば、多層微細薄片11を含有するウレ
タン樹脂を竿材表面に塗布することにより簡単に形成さ
れる。
【0019】この多層微細薄片11は、図4に示すよう
に、中央の不透明金属反射層Cと該不透明金属反射層C
の両面側に形成された透明干渉層Bと該透明干渉層Bの
両面側に形成された半透明金属吸収層Aの計5層よりな
る極めて薄い積層体を細かく粉砕したものである。ここ
で、半透明金属吸収層Aは、不透明金属反射層Cや透明
干渉層Bより薄く形成されている。また透明干渉層Bと
しては、ガラス層を使用することが好ましい。
に、中央の不透明金属反射層Cと該不透明金属反射層C
の両面側に形成された透明干渉層Bと該透明干渉層Bの
両面側に形成された半透明金属吸収層Aの計5層よりな
る極めて薄い積層体を細かく粉砕したものである。ここ
で、半透明金属吸収層Aは、不透明金属反射層Cや透明
干渉層Bより薄く形成されている。また透明干渉層Bと
しては、ガラス層を使用することが好ましい。
【0020】このような多層微細薄片11においては、
光が半透明金属吸収層Aに入射されると透明干渉層Bを
通って不透明金属反射層Cにより反射されまた透明干渉
層Bを通り半透明金属吸収層Aから外に出るが、その光
は半透明金属吸収層Aから直接反射された光と同位相に
なって強め合い回折が現れる現象、いわゆるブラッグ
(Bragg)反射現象が生ずるのである。そのため、
光の入射角が変化すると干渉する波長が変わり干渉色が
変化する装飾的面白さがある。
光が半透明金属吸収層Aに入射されると透明干渉層Bを
通って不透明金属反射層Cにより反射されまた透明干渉
層Bを通り半透明金属吸収層Aから外に出るが、その光
は半透明金属吸収層Aから直接反射された光と同位相に
なって強め合い回折が現れる現象、いわゆるブラッグ
(Bragg)反射現象が生ずるのである。そのため、
光の入射角が変化すると干渉する波長が変わり干渉色が
変化する装飾的面白さがある。
【0021】このような多層微細薄片11を合成樹脂に
含有させ、それにより塗膜層を形成することによって上
記のような色相が変化する釣竿が得られるのである。こ
こで合成樹脂としては、多層微細薄片11との密着性が
良いことからウレタン樹脂を使用することが好ましい。
多層微細薄片11の基材となる5層からなる積層体は、
例えば、ガラス薄板に金属の高精度蒸着加工を施すこと
により容易に製造可能である。
含有させ、それにより塗膜層を形成することによって上
記のような色相が変化する釣竿が得られるのである。こ
こで合成樹脂としては、多層微細薄片11との密着性が
良いことからウレタン樹脂を使用することが好ましい。
多層微細薄片11の基材となる5層からなる積層体は、
例えば、ガラス薄板に金属の高精度蒸着加工を施すこと
により容易に製造可能である。
【0022】この多層微細薄片11は、光輝性の観点か
ら大きさ(最大幅)が10〜70μ程度のものが採用さ
れ、特に20〜40μが好ましい。また、厚さは1〜3
μ程度が採用される。もっとも、大きさや厚さは、ブラ
ッグ(Bragg)反射の条件による干渉効果が得られ
る限り上記の範囲に限定されるものではない。
ら大きさ(最大幅)が10〜70μ程度のものが採用さ
れ、特に20〜40μが好ましい。また、厚さは1〜3
μ程度が採用される。もっとも、大きさや厚さは、ブラ
ッグ(Bragg)反射の条件による干渉効果が得られ
る限り上記の範囲に限定されるものではない。
【0023】この多層微細薄片11は干渉色が変化する
特性を有し、それを含有する色相変化塗膜層1は、形成
面が凸凹していると、各部分で光の入射角が異なり、独
特の光輝的な装飾効果が得られる。そのため、従来の鏡
面加工のようにパテ埋めを行わなくても、図1に示すよ
うに凸凹状の竿材Rに直接、色相変化塗膜層1を形成す
ることで、十分な光学的装飾効果が得られて極めて有用
である。
特性を有し、それを含有する色相変化塗膜層1は、形成
面が凸凹していると、各部分で光の入射角が異なり、独
特の光輝的な装飾効果が得られる。そのため、従来の鏡
面加工のようにパテ埋めを行わなくても、図1に示すよ
うに凸凹状の竿材Rに直接、色相変化塗膜層1を形成す
ることで、十分な光学的装飾効果が得られて極めて有用
である。
【0024】また色相変化塗膜層1を構成する透明干渉
層Bを着色することにより、干渉の際、その色と同じ色
が強調される効果も期待できる。また、色相変化塗膜層
自体を動かしたり(図5参照)、また色相変化塗膜層を
観察する位置を変えたりすることによって(図6参
照)、色相が多様に変化する現象が生じる。
層Bを着色することにより、干渉の際、その色と同じ色
が強調される効果も期待できる。また、色相変化塗膜層
自体を動かしたり(図5参照)、また色相変化塗膜層を
観察する位置を変えたりすることによって(図6参
照)、色相が多様に変化する現象が生じる。
【0025】従って、実際には、釣竿を動かすことによ
り、光の入射角が変化して色相が変わり、また釣竿を固
定し、観察する位置を変えることにより、同様に光の入
射角が変化して色相が変わるのである。特に、釣竿は、
本来、釣り中に撓んだりするものであるが、撓んだ場合
は、そのカーブによって光の入射角が異なってくるた
め、同じ竿の表面であっても、撓みの度合いにより色相
が変化して極めて幻想的、幻惑的な装飾効果が得られる
ものである。
り、光の入射角が変化して色相が変わり、また釣竿を固
定し、観察する位置を変えることにより、同様に光の入
射角が変化して色相が変わるのである。特に、釣竿は、
本来、釣り中に撓んだりするものであるが、撓んだ場合
は、そのカーブによって光の入射角が異なってくるた
め、同じ竿の表面であっても、撓みの度合いにより色相
が変化して極めて幻想的、幻惑的な装飾効果が得られる
ものである。
【0026】次に、本発明の釣竿の製造方法について、
概略的に述べる。 〔製造方法〕先ず、竿材Rは、芯材としてのマンドレル
にカーボンプリプレグを巻き付けることで得られる。具
体的には、例えばマンドレルに離型剤を均一塗布し、こ
の離型剤の乾燥後、エポキシ系合成樹脂を塗布し、その
表面を乾燥して硬化させた後、カーボンプリプレグを巻
き付けて、それにラッピングテープを巻いて加圧・焼成
後、マンドレルを脱芯するにより竿材Rが得られる。
概略的に述べる。 〔製造方法〕先ず、竿材Rは、芯材としてのマンドレル
にカーボンプリプレグを巻き付けることで得られる。具
体的には、例えばマンドレルに離型剤を均一塗布し、こ
の離型剤の乾燥後、エポキシ系合成樹脂を塗布し、その
表面を乾燥して硬化させた後、カーボンプリプレグを巻
き付けて、それにラッピングテープを巻いて加圧・焼成
後、マンドレルを脱芯するにより竿材Rが得られる。
【0027】次に、前工程にて得られた竿材Rの外周表
面の凹凸に対し、敢えてパテ埋め処理はせず、その凹凸
が表面に残った状態のまま、その上に色相変化塗膜層1
が形成される。前述したように、その色相変化塗膜層1
の材質としては、例えば多層微細薄片11を含んだウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂、好適には、ウレ
タン樹脂が採用される。なお、後述するように、色相変
化塗膜層1の上に黄変防止層2を形成したり、又は色相
変化塗膜層1の下に黒系色のアンダーコート層3を形成
することも行われる。
面の凹凸に対し、敢えてパテ埋め処理はせず、その凹凸
が表面に残った状態のまま、その上に色相変化塗膜層1
が形成される。前述したように、その色相変化塗膜層1
の材質としては、例えば多層微細薄片11を含んだウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂、好適には、ウレ
タン樹脂が採用される。なお、後述するように、色相変
化塗膜層1の上に黄変防止層2を形成したり、又は色相
変化塗膜層1の下に黒系色のアンダーコート層3を形成
することも行われる。
【0028】〔第2の実施の形態〕ところで、色相変化
塗膜層1は、マトリックスがエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等の合成樹脂であることから、長期に渡って使用して
いると、黄変することがある。そのため、特に黄変防止
機能を有するアクリルウレタン樹脂が色相変化塗膜層1
の上に形成されると好適である。図2は、第1の実施の
形態における色相変化塗膜層1の上に黄変防止層2を形
成した例を示す。
塗膜層1は、マトリックスがエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等の合成樹脂であることから、長期に渡って使用して
いると、黄変することがある。そのため、特に黄変防止
機能を有するアクリルウレタン樹脂が色相変化塗膜層1
の上に形成されると好適である。図2は、第1の実施の
形態における色相変化塗膜層1の上に黄変防止層2を形
成した例を示す。
【0029】〔第3の実施の形態〕一方、色相変化塗膜
層1は、原理的には光の干渉による色相変化を狙ったも
のであり、その意味で、色相変化塗膜層1の下に、特に
黒色系のアンダーコート層3を形成すると、黒系の色が
コントラストのある干渉効果をより顕著にすることから
好適である。図3は、色相変化塗膜層1の下にアンダー
コート層3を形成した例を示す。この場合のアンダーコ
ート層3は、いわゆるパテ埋め処理によりできた層のよ
うな平滑な層でなくても十分である。
層1は、原理的には光の干渉による色相変化を狙ったも
のであり、その意味で、色相変化塗膜層1の下に、特に
黒色系のアンダーコート層3を形成すると、黒系の色が
コントラストのある干渉効果をより顕著にすることから
好適である。図3は、色相変化塗膜層1の下にアンダー
コート層3を形成した例を示す。この場合のアンダーコ
ート層3は、いわゆるパテ埋め処理によりできた層のよ
うな平滑な層でなくても十分である。
【0030】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
その実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質
から逸脱しない範囲で、他の種々な変形例が可能である
ことは言うまでもない。例えば、色相変化塗膜層の下
に、更に所定の層を追加して形成することも当然可能で
ある。
その実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質
から逸脱しない範囲で、他の種々な変形例が可能である
ことは言うまでもない。例えば、色相変化塗膜層の下
に、更に所定の層を追加して形成することも当然可能で
ある。
【0031】また例えば、前述の実施の形態は、竿材表
面に凸凹を備えた状態を積極的に利用して、色相変化塗
膜層1に凸凹を形成しているものであるが、図7〜図9
に示すように、竿材表面を凸凹のない平滑化した状態に
した上で、その上に色相変化塗膜層1を形成することも
当然採用可能である。竿材表面を凸凹のない平滑化した
状態にするには、マンドレルに巻回したプリプレグを両
側からプレスする、いわゆるホットプレス製法を使うこ
とにより可能である。
面に凸凹を備えた状態を積極的に利用して、色相変化塗
膜層1に凸凹を形成しているものであるが、図7〜図9
に示すように、竿材表面を凸凹のない平滑化した状態に
した上で、その上に色相変化塗膜層1を形成することも
当然採用可能である。竿材表面を凸凹のない平滑化した
状態にするには、マンドレルに巻回したプリプレグを両
側からプレスする、いわゆるホットプレス製法を使うこ
とにより可能である。
【0032】因みに、図7は、凸凹のない平滑化した竿
材表面に多層微細薄片11を含んだ合成樹脂よりなる色
相変化塗膜層1を形成したものである。図8は、その色
相変化塗膜層1の上に黄変防止層2を形成したものであ
る。図9は、凸凹のない平滑化した竿材表面の上にアン
ダーコート層3を形成し、その上に色相変化塗膜層1を
形成した例を示す。
材表面に多層微細薄片11を含んだ合成樹脂よりなる色
相変化塗膜層1を形成したものである。図8は、その色
相変化塗膜層1の上に黄変防止層2を形成したものであ
る。図9は、凸凹のない平滑化した竿材表面の上にアン
ダーコート層3を形成し、その上に色相変化塗膜層1を
形成した例を示す。
【0033】また竿材表面を凸凹のない平滑化した状態
にするには、色相変化塗膜層を形成させる前に、竿材の
外周表面の凹凸をパテ埋め処理して平滑化させ、その
後、色相変化塗膜層を塗布することでも可能である。以
上の場合、竿材の表面が凸凹していないので、凹凸によ
る色相の変化は生じないが、釣竿を動かすことや、撓ま
すことで、色相の変化が生じ装飾効果が発揮できる。
にするには、色相変化塗膜層を形成させる前に、竿材の
外周表面の凹凸をパテ埋め処理して平滑化させ、その
後、色相変化塗膜層を塗布することでも可能である。以
上の場合、竿材の表面が凸凹していないので、凹凸によ
る色相の変化は生じないが、釣竿を動かすことや、撓ま
すことで、色相の変化が生じ装飾効果が発揮できる。
【0034】一方、釣竿以外の例としては、例えばゴル
フシャフト等に用いると、釣竿同様に撓りが生じること
から、釣竿と同じような装飾効果が得られる。
フシャフト等に用いると、釣竿同様に撓りが生じること
から、釣竿と同じような装飾効果が得られる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種の釣竿等において極めて優れた外観特性を有するも
のとなる。また、釣竿等を動かしたり又は、観察位置を
変えたりすることで、その表面の色相が変化するため光
輝的な装飾効果が得られる。しかも、独特の幻想的、又
は幻惑的印象が与えられる。本発明では、竿材表面の凸
凹を積極的に利用できるので、鏡面を付与する場合のよ
うに、必ずしも竿材の表面の凸凹を解消する必要はな
く、いわゆる竿材に対するパテ埋め処理が不要となり、
作業能率が向上するとともに結果的に製造コストが低下
する。
の種の釣竿等において極めて優れた外観特性を有するも
のとなる。また、釣竿等を動かしたり又は、観察位置を
変えたりすることで、その表面の色相が変化するため光
輝的な装飾効果が得られる。しかも、独特の幻想的、又
は幻惑的印象が与えられる。本発明では、竿材表面の凸
凹を積極的に利用できるので、鏡面を付与する場合のよ
うに、必ずしも竿材の表面の凸凹を解消する必要はな
く、いわゆる竿材に対するパテ埋め処理が不要となり、
作業能率が向上するとともに結果的に製造コストが低下
する。
【図1】図1は、本発明の釣竿における断面構造を示す
図である。
図である。
【図2】図2は、本発明の他の例の釣竿における断面構
造を示す図である。
造を示す図である。
【図3】図3は、本発明の更に他の例の釣竿における断
面構造を示す図である。
面構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明における多層微細薄片を拡大し
た構造例を示す。
た構造例を示す。
【図5】図5は、釣竿を動かした場合の色相変化の説明
図である。
図である。
【図6】図6は、観察位置を変えた場合の色相変化の説
明図である。
明図である。
【図7】図7は、釣竿における凸凹のない平滑化した竿
材表面に色相変化塗膜層を形成した断面構造を示す。
材表面に色相変化塗膜層を形成した断面構造を示す。
【図8】図8は、釣竿における凸凹のない平滑化した竿
材表面に色相変化塗膜層と黄変防止層を形成した断面構
造を示す。
材表面に色相変化塗膜層と黄変防止層を形成した断面構
造を示す。
【図9】図9は、釣竿における凸凹のない平滑化した竿
材表面にアンダーコート層と色相変化塗膜層を形成した
断面構造を示す。
材表面にアンダーコート層と色相変化塗膜層を形成した
断面構造を示す。
1…色相変化塗膜層 11…多層微細薄片 2…黄変防止層 3…アンダーコート層 A…半透明金属吸収層 B…透明干渉層 C…不透明金属反射層 R…竿材
Claims (8)
- 【請求項1】 竿材表面に多層微細薄片を含んだ合成樹
脂よりなる色相変化塗膜層を形成したことを特徴とする
釣竿。 - 【請求項2】 竿材表面に多層微細薄片を含んだ合成樹
脂よりなる色相変化塗膜層を形成し、該色相変化塗膜層
の上に黄変防止層を設けたことを特徴とする釣竿。 - 【請求項3】 竿材表面に黒系色の合成樹脂よりなるア
ンダーコート層を形成し、該アンダーコート層の上に多
層微細薄片を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層を
形成したことを特徴とする釣竿。 - 【請求項4】 竿材表面に黒系色の合成樹脂よりなるア
ンダーコート層を形成し、該アンダーコート層の上に多
層微細薄片を含んだ合成樹脂よりなる色相変化塗膜層を
形成し、該色相変化塗膜層の上に黄変防止層を設けたこ
とを特徴とする釣竿。 - 【請求項5】 多層微細薄片は、不透明金属反射層の両
側に透明干渉層を設け、該透明干渉層の外側に半透明金
属吸収層を設けた5層よりなるものであることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか1項記載の釣竿。 - 【請求項6】 竿材表面に凹凸が形成されていることを
特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の釣竿。 - 【請求項7】 黄変防止層がアクリルウレタン樹脂で形
成されていることを特徴とする請求項2又は4記載の釣
竿。 - 【請求項8】 色相変化塗膜層がウレタン樹脂で形成さ
れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項
記載の釣竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11995298A JPH11289924A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 色相が変化する釣竿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11995298A JPH11289924A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 色相が変化する釣竿 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11289924A true JPH11289924A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14774266
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11995298A Withdrawn JPH11289924A (ja) | 1998-04-15 | 1998-04-15 | 色相が変化する釣竿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11289924A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004229610A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Daiwa Seiko Inc | 管状体 |
JP2007306936A (ja) * | 2007-07-23 | 2007-11-29 | Daiwa Seiko Inc | 管状体 |
JP2015181455A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | グローブライド株式会社 | 管状体 |
-
1998
- 1998-04-15 JP JP11995298A patent/JPH11289924A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004229610A (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-19 | Daiwa Seiko Inc | 管状体 |
JP2007306936A (ja) * | 2007-07-23 | 2007-11-29 | Daiwa Seiko Inc | 管状体 |
JP4733674B2 (ja) * | 2007-07-23 | 2011-07-27 | グローブライド株式会社 | 管状体 |
JP2015181455A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | グローブライド株式会社 | 管状体 |
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