JPH11289122A - レーザ装置およびレーザ装置の共振器長の制御方法 - Google Patents

レーザ装置およびレーザ装置の共振器長の制御方法

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JPH11289122A
JPH11289122A JP10103434A JP10343498A JPH11289122A JP H11289122 A JPH11289122 A JP H11289122A JP 10103434 A JP10103434 A JP 10103434A JP 10343498 A JP10343498 A JP 10343498A JP H11289122 A JPH11289122 A JP H11289122A
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JP
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laser
resonator
frequency
monitor
light
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Application number
JP10103434A
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English (en)
Inventor
Tomoko Otsuki
朋子 大槻
Soichi Yamato
壮一 大和
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ共振器長を高精度に制御することによ
り、レーザ発振周波数を所望の周波数に同調させて単一
周波数で狭帯域化されたレーザ発振を行う。 【解決手段】 レーザ装置本体(11)の発振周波数を
所定の周波数に同調させて単一周波数でレーザ発振を行
うレーザ装置。所定の周波数を有する単一周波数レーザ
光をモニターレーザ光として供給し、該モニターレーザ
光をレーザ共振器に入射させるためのモニターレーザ光
入射手段(12、14、15、16、18、19)と、
レーザ装置本体の共振モード周波数の1つをモニターレ
ーザ光の周波数にほぼ一致させるために、レーザ共振器
から反射されたモニターレーザ光の強度変化に基づいて
レーザ共振器の共振器長を制御するための制御手段
(4、13、20、21)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ装置およびレ
ーザ装置の共振器長の制御方法に関し、特にインジェク
ションシードやエタロンの作用により選択された周波数
で単一周波数レーザ発振を行うレーザ装置のレーザ共振
器長の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体露光装置では、高解像度を実現す
るために、露光光の波長を短くする技術の開発が進めら
れている。現在までのところ、露光装置用の短波長光源
として、たとえばKrFエキシマレーザ(波長248n
m)が実用化されている。本出願人の出願にかかる特開
平8−334803号公報には、このKrFエキシマレ
ーザに代わる露光装置用光源として、多数のレーザ要素
のアレイからなる紫外レーザ光源が提案されている。こ
の公報に開示された紫外レーザ光源では、レーザアレイ
を構成する個々のレーザ要素の発振周波数を一定の周波
数範囲内に同調させる方法として、インジェクションシ
ード(あるいはインジェクションロック)による周波数
同調に言及している。しかしながら、各レーザ要素の発
振周波数を一定の周波数範囲内に同調させるには、各レ
ーザ要素のレーザ共振器長を正しい値に制御する必要が
ある。特開平8−334803号公報では、各レーザ要
素のレーザ共振器長の制御について言及されていない。
【0003】たとえばQスイッチパルスレーザにおいて
インジェクションシードによりパルスレーザの発振周波
数をシードレーザ光の周波数に同調させる場合、周波数
同調の有効性および無効性を判断する方法として、発振
タイミングの変化を用いる方法("Solid-State Laser E
ngineering", Walter Koechner, Springer, Chapter5,
Section 2)が知られている。しかしながら、発振タイ
ミングの変化を用いる方法では、レーザ共振器長が理想
値(パルスレーザの発振周波数をシードレーザ光の周波
数に一致させるのに必要なレーザ共振器長)からどの程
度ずれているかを知ること、およびレーザ共振器長が理
想値よりも短いのか理想値よりも長いのかを判断するこ
とが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
技術では、レーザ装置において、レーザ共振器長の理想
値からのずれの大きさおよびその方向を検出することが
困難であった。したがって、レーザ共振器長の制御を高
精度に行うことにより発振周波数を所望の周波数に同調
させてレーザ発振を行うことができないという不都合が
あった。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、レーザ共振器長の制御を高精度に行うことに
より発振周波数を所望の周波数に同調させてレーザ発振
を行うことのできるレーザ装置およびレーザ装置の共振
器長の制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1発明では、共振器長を可変するための
可変手段を有するレーザ共振器と、前記レーザ共振器に
モニター光を入射するモニター光入射手段と、前記レー
ザ共振器から反射された前記モニター光を受光するモニ
ター光受光部と、前記モニター光受光部から得られた信
号に基づき、所望の発振状態が得られるように前記可変
手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする
レーザ装置を提供する。
【0007】第1発明の好ましい態様によれば、モニタ
ー光は単一周波数のレーザ光であり、また、モニター光
はレーザ装置から放射される発振レーザ光の偏光方位と
異なる偏光方位を有する光である。また、制御手段の制
御については、レーザ共振器の共振器長を微小変化させ
ながらモニター光受光部で受光されたモニター光の反射
光強度が所定の強度に近づくように可変手段を制御す
る。また、この制御についての好ましい形態として、レ
ーザ共振器の共振器長を変位変調させるための変位変調
制御部を更に有し、モニター光受光部から出力される信
号を変位変調手段による変調周波数で同期検波して得ら
れた信号に基づいて可変手段を制御することが好まし
い。その他にも、レーザ共振器に入射するモニター光を
位相変調させるための位相変調手段を有し、モニター光
受光部から出力される信号を位相変調手段による変調周
波数で同期検波して得られた信号に基づいて可変手段を
制御することが好ましい。また、可変手段については、
レーザ共振器の光路長を可変させるもので良いが、特に
本発明ではレーザ共振器を構成する反射部を移動させる
アクチュエータが好ましい。
【0008】また、第1発明の好ましい態様の一つとし
て、レーザ共振器で発振可能な周波数のうち、所定の周
波数をレーザ発振させる周波数選択手段をさらに備え
た。この周波数選択手段の好ましい形態の一つとして、
モニター光とは異なる偏光方位を有する単一周波数のレ
ーザ光をシードレーザ光として供給し、シードレーザ光
をレーザ共振器に注入するためのシードレーザ光供給手
段を有し、シードレーザ光を用いたインジェクションシ
ードまたはインジェクションロックによりレーザ装置の
発振周波数を選択して単一周波数でレーザ発振させるこ
とが好ましい。なお、シードレーザ光とモニター光と
は、同一の光源から取り出すことが好ましい。この場
合、一方の偏光方位の光をシードレーザ光として用い、
他方の偏光方位の光をモニター光として用いれば良い。
【0009】また、周波数選択手段の好ましい別の形態
として、レーザ共振器の発振可能な周波数の全てに対し
てレーザ共振器の損失が大きい状態と、特定の周波数の
みレーザ共振器の損失が小さくなる状態とを交互に切り
換えるための状態変化手段を備えることが好ましい。こ
の状態変化手段の好ましい態様として、電圧の印加の有
無により、特定の周波数のみレーザ発振可能な状態と、
レーザ発振可能な全ての周波数で発振を抑制した状態と
に切り換える光学素子と、その光学素子に電圧を印加さ
せ且つ印加する電圧を変化させる電力供給手段とを含
み、前記モニター光の周波数に同調させて単一周波数で
発振させることが好ましい。
【0010】また、本発明の第1発明の好ましい態様の
一つとして、レーザ共振器は複数備えられ、各々のレー
ザ共振器に可変手段とモニター光受光部とを備えたレー
ザ装置であって、モニター光入射手段からのモニター光
をそれぞれのレーザ共振器に分割するため分割光学素子
を備えた。次に、本発明の第2発明では、レーザ装置の
発振周波数を所定の周波数に同調させてレーザ発振を行
うためのレーザ装置の共振器長の制御方法において、前
記所定の周波数のモニター光を前記レーザ装置のレーザ
共振器内に入射させ、前記レーザ共振器から反射された
モニター光の強度に基づいて、所望の発振状態が得られ
るように前記共振器長を変化させることを特徴とするレ
ーザ装置の共振器長の制御方法を提供する。第2発明の
好ましい態様によれば、レーザ共振器の共振器長を微小
変化させながら、レーザ共振器から反射されたモニター
光の強度が所定の強度に近づくように、共振器長を制御
する。あるいは、レーザ共振器の共振器長を変位変調さ
せながら、レーザ共振器から反射されたモニター光の強
度変化を共振器長の変位変調の周波数で同期検波して得
られた信号に基づいて共振器長を制御することが好まし
い。この場合、同期検波により得られた制御信号が0に
近づくように共振器長を制御することによって、レーザ
発振周波数を高精度に制御することができる。
【0011】さらに、本発明の第3発明では、並列的に
配置された複数のレーザユニット本体の発振周波数を所
定の周波数に同調させて単一周波数でレーザ発振させ、
複数のレーザユニット本体からの複数の発振レーザ光を
合成して出力するレーザ装置における各レーザユニット
本体のレーザ共振器長の制御方法において、各レーザユ
ニットに共通な1つの光源から供給された所定の周波数
を有する単一周波数レーザ光を複数のレーザ光に分割
し、分割された複数のレーザ光の各々をモニターレーザ
光として各レーザユニット本体のレーザ共振器に入射さ
せ、各レーザユニット本体のレーザ共振器から反射され
たモニターレーザ光の強度変化に基づいて各レーザユニ
ット本体のレーザ共振器の共振器長を制御することによ
って、各レーザユニット本体の共振器モード周波数の1
つをモニターレーザ光の周波数にほぼ一致させることを
特徴とするレーザ共振器長の制御方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を更に詳しく説明す
るために、実施の態様を挙げながら説明してゆく。ま
ず、最初に本発明の実施の態様の概要を説明するものと
する。本発明の実施の態様では、レーザ媒体を内部に備
えたレーザ共振器にモニター光を放射し、レーザ共振器
で反射されたモニター光を受光することで、モニター光
による信号を得る。そして、得られたモニター光による
信号に基づき、レーザ共振器の共振器長を可変する可変
手段を制御することで、レーザ共振器の共振器長を理想
の状態になるようにする。なお、本発明の実施の形態で
は、共振器長を可変させる手段としてレーザ共振器を構
成するミラー間の距離を変えているが、それ以外にミラ
ー間の光路長を可変できるものであれば良い。
【0013】そして、モニター光入射手段に該当する部
材の特徴については、単一周波数のレーザ光であるモニ
ター光を放射することが好ましい。また、そのモニター
レーザ光は、レーザ装置から放射される発振レーザ光の
偏光方位と異なる偏光方位を有する光であることが好ま
しい。この様に構成することで、偏光ビームスプリッタ
などの偏光子により、レーザ装置のレーザ光射出側から
モニター光の反射光のみ取り出すことができる。また、
制御手段については、モニター光受光部で受光されたモ
ニター光の強度が所定の強度に近づくように可変手段を
制御することで、レーザ共振器において理想の共振状態
が得られるよう可変手段を制御するようにした。
【0014】他にも、レーザ共振器の共振器長を変位変
調させ、モニター光受光部から出力される信号を変位変
調手段による変調周波数で同期検波した信号を得る。こ
の信号によって、モニター光に対して共振器長が所定の
値より長いのか短いのかを判断することができる。更
に、Qスイッチ素子の反射率の周波数依存性や温度変化
などによるQスイッチ素子反射率の変化の影響をも排除
して、可変手段への制御信号を取得することができる。
【0015】レーザ共振器の共振器長を変調変位する変
位変調手段を設ける代わりに、モニター光を位相変調さ
せる位相変調手段を設けることによっても、モニター光
に対して共振器長が所定の値より長いのか短いのかを判
断することができる。可変手段については、レーザ共振
器を構成する反射部に固定され、反射部を移動させるア
クチュエーターであることとした。実際には、圧電駆動
素子などが適当である。また、第1の発明の好ましい態
様としては、更に、レーザ共振器で発振可能な周波数の
うち、所望の周波数の一つを選択して、レーザ発振をさ
せることが好ましい。そのために、モニター光とは異な
る偏光方位を有する単一周波数のレーザ光をシードレー
ザ光として、レーザ共振器内に供給した。このシードレ
ーザ光によりレーザ共振器から放射されるレーザ光を単
一周波数にすることができる。
【0016】他の周波数選択手段の好ましい態様として
は、レーザ共振器の発振可能な周波数の全てに対してレ
ーザ共振器の損失が大きい状態と、特定の周波数のみレ
ーザ共振器の損失が小さくなる状態とを交互に切り換え
る状態変化手段を備えることが好ましい。そして、この
状態変化手段としては、レーザ共振器内に設けられた光
学素子であって、その光学素子は特定の周波数のみレー
ザ発振可能な状態と、レーザ発振可能な全ての周波数で
発振を抑制した状態とに切り換えることができるので、
レーザ共振器内の損失を変化させることができ、パルス
発振を可能とする。
【0017】また、並列的に配置された複数のレーザユ
ニット本体の発振周波数を所定の周波数に同調させて単
一周波数でレーザ発振させ、複数のレーザユニット本体
からの複数の発振レーザ光を合成して出力するレーザア
レイに本発明を適用することができる。この場合、各レ
ーザユニットに共通な1つの光源から供給された所定の
周波数を有する単一周波数レーザ光を複数のレーザ光に
分割し、分割された複数のレーザ光の各々をモニターレ
ーザ光として各レーザユニット本体のレーザ共振器に入
射させる。そして、各レーザユニット本体のレーザ共振
器から反射されたモニターレーザ光の強度変化に基づい
て各レーザユニット本体のレーザ共振器の共振器長を制
御することによって、各レーザユニット本体の共振器モ
ード周波数の1つをモニターレーザ光の周波数にほぼ一
致させることができる。
【0018】こうして、所望の周波数にほぼ同調して狭
帯域化された単一周波数レーザ発振を行うレーザアレイ
を実現することができる。このように構成されたレーザ
アレイでは、並列的に配置された複数のレーザユニット
本体から出力されたレーザ光を合成させて1つのレーザ
光を出力するので、各レーザユニット本体からの出力が
小さくても最終的に得られるレーザ光の出力を高くする
とともに、出力レーザ光のパルスタイミングをずらすこ
とにより空間的コヒーレンスを低くすることができる。
したがって、本発明のレーザアレイは、十分な出力と低
コヒーレンスとを備えたレーザ光源としてたとえば半導
体露光装置の光源に好適である。
【0019】以下、本発明の実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の第1実施例にかかるレ
ーザ装置の構成を概略的に示す図である。図1のレーザ
装置は、Qスイッチレーザ装置本体11と、モニターレ
ーザ光およびシードレーザ光を供給するためのレーザ光
源12とを備えている。Qスイッチレーザ装置本体11
は、レーザ媒体1と、出力ミラー2と、レーザ媒体1と
出力ミラー2との間に配置されたQスイッチ3とを備え
ている。
【0020】ここで、レーザ媒体1にはNd3+ドープY
VO4 結晶(発振波長λ=1.06μm)が用いられ、
その励起光入射端面(図1中右側の面)には反射膜が形
成されている。こうして、レーザ媒体1の励起光入射端
面に形成された反射膜と出力ミラー2とで、Qスイッチ
レーザ装置本体11のレーザ共振器が構成されている。
なお、第1実施例および第2実施例においては、レーザ
共振器長をL=60mmとしている。また、出力ミラー
2にはピエゾ素子4が取り付けられ、このピエゾ素子4
はピエゾ駆動部13からの電圧印加によって駆動される
ように構成されている。
【0021】一方、レーザ光源12は、所定の周波数で
安定化された単一周波数レーザ光を連続発振する。レー
ザ光源12として、たとえば半導体レーザやモノリシッ
クのYAGレーザ(CW小型YVO4 レーザ)などを用
いることができる。レーザ光源12から射出されたレー
ザ光は、戻り光を遮断するためのアイソレータ14およ
び1/2波長板15を介して、図1の紙面に対してたと
えば45°だけ傾いた偏光方位を有する直線偏光にな
る。1/2波長板15を介したレーザ光は偏光ビームス
プリッターのような偏光子16に入射し、図1の紙面に
平行な偏光方位を有する直線偏光(p偏光)と、図1の
紙面に垂直な偏光方位を有する直線偏光(s偏光)とに
分離される。こうして、偏光ビームスプリッター16を
透過したp偏光成分はシードレーザ光となり、偏光ビー
ムスプリッター16で反射されたs偏光成分はモニター
レーザ光となる。
【0022】偏光ビームスプリッター16を透過したp
偏光成分からなるシードレーザ光は、パーシャルリフレ
クター17で反射された後、Qスイッチレーザ装置本体
11のレーザ共振器に注入される。また、偏光ビームス
プリッター16で反射されたs偏光成分からなるモニタ
ーレーザ光は、ハーフミラー18で反射された後、偏光
ビームスプリッターのような偏光子19に入射する。偏
光ビームスプリッター19は、p偏光を透過させ且つs
偏光を反射するように配置されている。したがって、偏
光ビームスプリッター19で反射されたモニターレーザ
光は、パーシャルリフレクター17を透過した後、Qス
イッチレーザ装置本体11のレーザ共振器に入射する。
【0023】Qスイッチレーザ共振器から反射された反
射モニターレーザ光は、パーシャルリフレクター17、
偏光ビームスプリッター19およびハーフミラー18を
介した後に、ディテクタ20に達する。ディテクタ20
では、Qスイッチレーザ共振器からの反射モニターレー
ザ光の強度を検出し、検出した光強度の変化に対応した
強度信号を制御部21に供給する。制御部21は、ディ
テクタ20から供給された強度信号に基づき、ピエゾ駆
動部13がピエゾ素子4に印加する電圧を制御する。こ
うして、ピエゾ素子4の駆動制御により出力ミラー2を
光軸方向に微動させ、ひいてはQスイッチレーザ共振器
のレーザ共振器長を微小に変化させる。
【0024】第1実施例では、シードレーザ光をQスイ
ッチレーザ共振器に注入し、Qスイッチレーザの発振モ
ード周波数のうちシードレーザ光の周波数にほぼ一致す
る1つの発振モード周波数のみを選択し、この選択され
た発振周波数で単一周波数発振を行う。このインジェク
ションシードを有効に動作させるには、レーザ共振器長
が理想値になるように制御する必要がある。レーザ共振
器長の制御は、ディテクタ20で検出された反射モニタ
ーレーザ光の強度の変化に基づいて、ピエゾ素子4への
印加電圧をピエゾ駆動部13を介して制御することによ
って行われる。なお、第1実施例において、ピエゾ素子
4は1Vの電圧印加に対して1×10-2μmだけ変位す
るものとする。
【0025】レーザ共振器長の理想値とは、Qスイッチ
レーザの発振周波数をシードレーザ光の周波数に一致さ
せるのに必要なレーザ共振器長である。Qスイッチレー
ザの発振周波数がQスイッチパルス発振前の共振器縦モ
ードと一致する場合、Qスイッチレーザの発振周波数と
シードレーザ光の周波数とが一致する状態は、レーザ共
振器からの反射モニターレーザ光の強度が最小になるこ
とで検出することができる。
【0026】図2は、第1実施例のQスイッチパルスレ
ーザの共振器モードを実線で示すとともに、利得媒体の
利得曲線を破線で示す図である。図2に示す共振スペク
トル(縦モード)は、レーザ共振器を構成する高反射ミ
ラー(レーザ媒体1に形成された反射膜)の反射率をR
1=0.997とし、出力ミラー2の反射率をR2=
0.7として計算した結果である。図2に示すように、
レーザ共振器の共振器モード間隔は2.1GHzであ
り、利得媒体(第1実施例ではYVO4 結晶中にドープ
されたNd3+)の利得幅(レーザの発振可能範囲)は約
15GHzである。したがって、インジェクションシー
ドを動作させることなくQスイッチ3を動作させた状態
において、Qスイッチレーザ装置本体11は、利得媒体
の利得幅内の複数の共振器モード周波数で発振可能であ
る。
【0027】図3は、第1実施例におけるピエゾ素子へ
の印加電圧とモニターレーザ光に対するレーザ共振器の
反射率との関係を示す図である。図3において、縦軸は
レーザ共振器の反射率を示している。Qスイッチ3の損
失が大きくQスイッチレーザ装置本体11がパルスレー
ザ発振を行っていない状態において、モニターレーザ光
に対するレーザ共振器の反射率Ir は、次の式(1)で
表される。
【0028】 Ir =Fsin2(δ/2)/{1+Fsin2(δ/2)} (1) なお、Fおよびδは、次の式(2)および(3)でそれ
ぞれ表される。 F=4√(R1・R2・T)/{1−√(R1・R2・T)}2 (2) δ=4・π・L/λ (3) ここで、TはQスイッチ3の往復での透過率であり、λ
はモニターレーザ光の波長である。
【0029】また、図3において、上側の横軸は、Qス
イッチレーザ装置本体11の発振周波数ν’とシードレ
ーザ光の周波数ν0 との周波数差ν=ν’−ν0 を示し
ている。さらに、図3において、下側の横軸は、ピエゾ
素子4への印加電圧V’と、Qスイッチレーザ装置本体
11の発振周波数とシードレーザ光の周波数とが一致す
るときの印加電圧V0 との電圧差V=V’−V0 を示し
ている。換言すると、電圧差Vが0になるとき、レーザ
共振器長が理想値に制御され、Qスイッチレーザ装置本
体11の共振器モード周波数の1つとモニターレーザ光
の周波数とが一致する。
【0030】第1実施例では、Qスイッチレーザ装置本
体11のレーザ共振器にシードレーザ光を注入すること
により、発振周波数の選択が行われる。すなわち、利得
幅内の複数の共振器モード周波数のうちの1つがシード
レーザ光の周波数とほぼ一致した場合に、Qスイッチレ
ーザ装置本体11はシードレーザ光の周波数で単一周波
数発振を行う。Qスイッチレーザの発振周波数とシード
レーザ光の周波数とが一致した状態は、モニターレーザ
光に対するレーザ共振器からの反射率が最小になること
から判別することができる。なお、上述したように、モ
ニターレーザ光およびシードレーザ光はともに連続発振
レーザ光であり、Qスイッチレーザ装置本体11のレー
ザ共振器に定常的に入射される。
【0031】図3に示すように、レーザ共振器長が理想
値に制御されてQスイッチレーザ装置本体11の発振周
波数とシードレーザ光の周波数とが一致した状態におい
て、モニターレーザ光に対するレーザ共振器の反射率
が、ひいてはレーザ共振器からの反射モニターレーザ光
の強度が最小(第1実施例では0)になる。そこで、第
1実施例では、ピエゾ素子4への印加電圧をたとえば±
0.5Vの微小振り幅で常時変化させながらディテクタ
20で検出された反射モニターレーザ光の強度を参照す
ることにより、レーザ共振器の共振器長が理想値により
近い位置が存在するかどうかを判断する。次いで、レー
ザ共振器の共振器長が理想値に近づくように、すなわち
反射モニターレーザ光の強度が最小に近づくように、ピ
エゾ素子4への印加電圧を変化させながらレーザ共振器
長の制御を行う。そして、上述のようなレーザ共振器長
の制御動作を常時繰り返し行うことにより、Qスイッチ
レーザ装置本体11の発振周波数をシードレーザ光の周
波数にほぼ一致させて、所望の周波数で単一周波数発振
を行うことができる。
【0032】なお、上述したように、第1実施例の制御
方法では、ピエゾ素子4への印加電圧を±0.5Vの振
り幅で常時変化させているため、この振り幅に対応する
範囲においてレーザ共振器長も常時変化することにな
る。図3を参照すると、レーザ共振器の反射率が最小値
の0である状態からピエゾ素子4への印加電圧が±0.
5Vだけ変化すると、レーザ共振器の反射率は最小値の
0から0.02に変化する。このとき、シードレーザ光
の周波数に対するQスイッチレーザ装置本体11の発振
周波数のずれは±20MHzである。換言すれば、第1
実施例の制御方法によれば、±20MHzの精度でQス
イッチレーザ装置本体11の発振周波数をシードレーザ
光の周波数に同調させ、所望の周波数で狭帯域化された
単一周波数発振を行うことができることになる。この程
度の周波数ずれは、露光装置を含むマイクロマシニンイ
ングや検査機等などのように発振レーザ光の周波数狭帯
域化を必要とする応用分野においても充分小さい。な
お、発振レーザ光のさらなる狭帯域化は、レーザ共振器
の反射率の測定精度をさらに向上させ、ピエゾ素子4へ
の印加電圧の振り幅をさらに小さくすることにより可能
となる。
【0033】次に、第1実施例の第1変形例として、Q
スイッチレーザ装置本体11の発振モードとQスイッチ
パルス発振前の共振器モードとの間に比較的小さい周波
数差が存在する場合におけるレーザ共振器の制御方法に
ついて説明する。なお、発振モードとパルス発振前の共
振器モードとの間の周波数差は、レーザ共振器内の利得
媒体の分散の影響によるものであり、利得媒体の反転分
布の大きさに依存して変化する。発振モードとパルス発
振前の共振器モードとの間に比較的小さい周波数差があ
る場合、Qスイッチレーザ装置本体11の発振周波数と
シードレーザ光の周波数とが一致した状態すなわちレー
ザ共振器長が理想値に制御された状態において、モニタ
ーレーザ光に対するレーザ共振器の反射率は最小値と一
致することなく最小値からずれることになる。
【0034】具体的には、発振モードとパルス発振前の
共振器モードとの間の周波数差が例えば20MHz程度
と比較的小さい場合、第1実施例と同様に±0.5Vの
振り幅でピエゾ素子4への印加電圧を常時変化させなが
らレーザ共振器の反射率が最小値になるように共振器長
の制御を行えば、Qスイッチレーザ装置本体11の発振
周波数とシードレーザ光の周波数とのずれを±20MH
z程度に抑えることができる。この程度の周波数ずれ
は、108 倍程度の増幅を行うインジェクションシード
の動作範囲内にある("Lasers", E. Siegman, Universi
ty Science Books, 1986, Chapter 29, Section 5)。し
たがって、Qスイッチレーザ装置本体11の発振周波数
がシードレーザ光の周波数と20MHz程度異なってい
ても、インジェクションシードによる単一周波数発振を
行うことができる。以上より、発振モードとパルス発振
前の共振器モードとの間に20MHz程度の比較的小さ
い差が存在する場合にも、第1実施例と同じ制御方法で
充分であることがわかる。
【0035】次に、第1実施例の第2変形例として、Q
スイッチレーザ装置本体11の発振モードとQスイッチ
パルス発振前の共振器モードとの間に比較的大きい周波
数差が存在する場合におけるレーザ共振器の制御方法に
ついて説明する。図4は、第1実施例の図3に対応する
図であって、Qスイッチレーザ装置本体の発振モード周
波数νがQスイッチパルス発振前の共振器モードの中心
周波数νm よりも60MHzだけ大きい場合のピエゾ素
子への印加電圧とレーザ共振器の反射率との関係を示す
図である。また、図5は、第1実施例の図3に対応する
図であって、Qスイッチレーザ装置本体の発振モード周
波数νがQスイッチパルス発振前の共振器モードの中心
周波数νm よりも60MHzだけ小さい場合のピエゾ素
子への印加電圧とレーザ共振器の反射率との関係を示す
図である。図4および図5において、縦軸はレーザ共振
器の反射率を示し、横軸はピエゾ素子4への印加電圧
V’と、Qスイッチレーザ装置本体11の発振周波数と
シードレーザ光の周波数とが一致するときの印加電圧V
0 との電圧差V=V’−V0 を示している。
【0036】図4および図5を参照すると、Qスイッチ
レーザ装置本体11の発振周波数とシードレーザ光の周
波数とが一致する時のレーザ共振器の反射率はともにR
0 =0.15となっている。ただし、図4および図5の
反射率曲線において最小値の右側にあるR0 =0.15
の位置と最小値の左側にあるR0 =0.15の位置とを
区別する必要がある。そこで、第2変形例では、Qスイ
ッチレーザ装置本体11の発振周波数とシードレーザ光
の周波数とが一致する位置(電圧差V=0で周波数差ν
=0)の近傍において、ピエゾ素子4への印加電圧を微
小増加させたときの反射率の変化に着目する。すなわ
ち、発振周波数とシード周波数とが一致する位置の近傍
においてピエゾ素子4への印加電圧を微小振り幅だけ増
加させると、図4の場合には反射率が微小に単調増加
し、図5の場合には反射率が微小に単調減少する。
【0037】したがって、図4の場合には、ピエゾ素子
4への印加電圧の微小増加に対して反射率が微小増加す
る領域において反射率がR0 =0.15となる点を目標
値としてレーザ共振器長を制御することによって、Qス
イッチレーザ装置本体11の発振周波数とシードレーザ
光の周波数とを一致させればよい。また、図5の場合に
は、ピエゾ素子4への印加電圧の微小増加に対して反射
率が微小減少する領域においてR0 =0.15となる点
を目標値としてレーザ共振器長を制御することによっ
て、Qスイッチレーザ装置本体11の発振周波数とシー
ドレーザ光の周波数とを一致させればよい。換言する
と、Qスイッチレーザ装置本体11の発振モードとQス
イッチパルス発振前の共振器モードとの間に比較的大き
い周波数差が存在する場合には、レーザ共振器から反射
された反射モニターレーザ光の強度が所定の増減傾向に
したがって所定の強度に近づくように、レーザ共振器の
共振器長を常に変化させることによって、Qスイッチレ
ーザ装置本体11の発振周波数とシードレーザ光の周波
数とを一致させることができる。
【0038】図6は、本発明の第2実施例にかかるレー
ザ装置の構成を概略的に示す図である。第2実施例は、
第1実施例と類似の構成を有する。しかしながら、第1
実施例では無変調の反射モニターレーザ光の強度変化に
直接対応する制御信号に基づいてピエゾ素子への印加電
圧を微小変化させながらレーザ共振器長の制御を行って
いるが、第2実施例ではモニターレーザ光を位相変調さ
せ反射モニターレーザ光の強度変化を変調周波数で同期
検波して得られた制御信号に基づいてレーザ共振器長の
制御を行っている。図6において、第1実施例の構成要
素と同じ機能を有する要素には図1と同じ参照符号を付
している。以下、第1実施例との相違点に着目して第2
実施例を説明する。
【0039】第2実施例において、レーザ光源12から
射出されたレーザ光は、アイソレータ14および1/2
波長板15を介して、偏光ビームスプリッター16に入
射する。偏光ビームスプリッター16を透過したp偏光
成分からなるシードレーザ光は、パーシャルリフレクタ
ー17で反射された後、Qスイッチレーザ装置本体11
のレーザ共振器に注入される。このように、シードレー
ザ光は、第1実施例と同じ態様にしたがってレーザ共振
器に注入される。
【0040】一方、偏光ビームスプリッター16で反射
されたs偏光成分からなるモニターレーザ光は、EOモ
ジュレータ(電気光学変調器)22に入射する。EOモ
ジュレータ22は、発振器23から供給される信号に基
づきEO駆動部24を介して駆動されるように構成され
ている。EOモジュレータ22を介して位相変調された
モニターレーザ光は、ハーフミラー18、偏光ビームス
プリッター19およびパーシャルリフレクター17を介
して、Qスイッチレーザ装置本体11のレーザ共振器に
入射する。
【0041】Qスイッチレーザ共振器から反射されたモ
ニターレーザ光は、パーシャルリフレクター17、偏光
ビームスプリッター19およびハーフミラー18を介し
た後に、ディテクタ20に達する。ディテクタ20で
は、Qスイッチレーザ共振器からの反射モニターレーザ
光の強度を検出し、検出した光強度の変化に対応した強
度信号をミキサー25に供給する。ミキサー25では、
ディテクタ20から供給される信号と発振器23から供
給される信号とに基づいて、反射モニターレーザ光の強
度変化を変調周波数で同期検波し、同期検波で得られた
信号を制御部21に供給する。制御部21は、ミキサー
25から供給された制御信号に基づき、ピエゾ素子4へ
の印加電圧を制御する。
【0042】図7は、第2実施例におけるピエゾ素子へ
の印加電圧と同期検波により得られた信号との関係を示
す図である。図7において、縦軸は同期検波により得ら
れた信号を示し、横軸はピエゾ素子4への印加電圧V’
と、Qスイッチレーザ装置本体11の発振周波数とシー
ドレーザ光の周波数とが一致するときの印加電圧V0
の電圧差V=V’−V0 を示している。図7を参照する
と、モニターレーザ光を位相変調させ且つ反射モニター
レーザ光の強度変化を変調周波数で同期検波することに
より、図3に示すレーザ共振器の反射率の微分特性を検
出していることがわかる。したがって、第2実施例にお
いて同期検波により得られる信号は、Qスイッチレーザ
装置本体11の発振周波数とシードレーザ光の周波数と
が一致する状態(電圧差V=V’−V0 =0の状態)に
おいて0となり、その近傍ではピエゾ素子4への印加電
圧の微小増加に対して単調増加する。
【0043】ところで、第1実施例では、反射モニター
レーザ光の強度変化(ひいてはレーザ共振器の反射率変
化)に直接対応する制御信号を用いてレーザ共振器長の
制御を行っているので、Qスイッチレーザ装置本体11
の発振周波数とシードレーザ光の周波数とが一致する状
態において制御信号が最小となり、最小値の近傍におい
て制御信号は単調に変化しない。したがって、第1実施
例では、ピエゾ素子4への印加電圧を微小振り幅だけ常
時変化させながら制御信号が最小値に近づくように共振
器長を制御している。
【0044】しかしながら、第2実施例では、モニター
レーザ光を位相変調させ反射モニターレーザ光の強度変
化を変調周波数で同期検波して得られた制御信号に基づ
いてレーザ共振器長の制御を行っているので、Qスイッ
チレーザ装置本体11の発振周波数とシードレーザ光の
周波数とが一致する状態において制御信号が0となり、
その近傍においてピエゾ素子4への印加電圧の微小変化
に対して制御信号が単調変化する。したがって、第2実
施例では、Qスイッチレーザの発振モードとQスイッチ
パルス発振前の共振器モードとの差が小さい(あるいは
双方がほぼ一致している)場合、ピエゾ素子4への印加
電圧を常時変化させることなく、フィードバック制御に
より制御信号が0に近づくように共振器長を制御し、Q
スイッチレーザ装置本体11の発振周波数とシードレー
ザ光の周波数とを高精度に一致させることができる。
【0045】第1実施例および第2実施例では、シード
レーザ光(p偏光)の偏光方位、ひいてはQスイッチレ
ーザ装置本体11からの発振レーザ光(p偏光)の偏光
方位に直交する偏光方位を有する直線偏光をモニターレ
ーザ光(s偏光)として用いている。この構成により、
Qスイッチレーザ装置本体11からの発振レーザ光がレ
ーザ共振器からの反射モニターレーザ光へ混入してディ
テクタ20に達するのを実質的に回避することができ、
良好なS/N比で反射モニターレーザ光の強度を検出す
ることができる。なお、Qスイッチレーザ装置本体11
の光軸上に配置された偏光ビームスプリッター19で
は、s偏光成分からなる反射モニターレーザ光のみが反
射されるため、偏光ビームスプリッター19の挿入によ
るQスイッチレーザ出力の低下も回避することができ
る。
【0046】ところで、発振レーザ光が反射モニターレ
ーザ光へ混入するのをさらに確実に回避する必要がある
場合には、s偏光を透過してp偏光を反射する特性を有
する偏光子をディテクタ20とハーフミラー18との間
の光路中に付設し、ノイズ成分となるp偏光の消光比を
向上させることが好ましい。あるいは、ディテクタ20
にゲートを掛けることにより、Qスイッチパルス発振の
間は反射モニターレーザ光の強度を検出しないように構
成し、発振レーザ光の反射モニターレーザ光への混入を
回避することもできる。
【0047】また、第1実施例および第2実施例では、
出力ミラーに取り付けられたピエゾ素子を用いてレーザ
共振器長を変化させているが、他の適当な方法によりレ
ーザ共振器長を変化させることができることは明らかで
ある。さらに、第1実施例および第2実施例では、レー
ザ装置本体としてQスイッチパルスレーザを用いるとと
もにインジェクションシードを行う例に基づいて本発明
を説明している。しかしながら、Qスイッチレーザ装置
本体11に代えて、その他のパルスレーザや連続発振レ
ーザを用いることができる。この場合、パルスレーザに
対してはインジェクションシードにより周波数選択を行
い、連続発振レーザに対してはインジェクションロック
により周波数選択を行うことになる。また、インジェク
ションシード以外の他の周波数選択手段を用いて、レー
ザ発振周波数を所望の周波数に同調させてもよい。
【0048】図8は、本発明の第3実施例にかかるレー
ザ装置の構成を概略的に示す図である。第3実施例は、
本出願人の出願にかかる特開平8−334803号公報
に開示された紫外レーザ光源を構成する各レーザユニッ
トに本発明の第1実施例を適用した例である。
【0049】図8に示すように、第3実施例のレーザ装
置は、並列的に縦横配置された100個のレーザユニッ
ト本体と、モニターレーザ光およびシードレーザ光を供
給するためのレーザ光源82とを備えている。レーザ光
源82から射出されたレーザ光は、図示を省略したアイ
ソレータおよび1/2波長板を介して、偏光ビームスプ
リッターのような偏光子83に入射する。ここで、各レ
ーザユニット本体は第1実施例のQスイッチレーザ装置
本体11に対応し、レーザ光源82は第1実施例のレー
ザ光源12に対応し、偏光ビームスプリッター83は第
1実施例の偏光ビームスプリッター16に対応してい
る。
【0050】偏光ビームスプリッター83を透過したp
偏光成分からなるシードレーザ光は、100個のパーシ
ャルリフレクタ(図8では1つのパーシャルリフレクタ
84だけを図示している)の作用により分割され、各レ
ーザユニット本体のレーザ共振器に注入される。また、
偏光ビームスプリッター83で反射されたs偏光成分か
らなるモニターレーザ光は、100個の偏光ビームスプ
リッター(図8では1つの偏光ビームスプリッター85
だけを図示している)のような偏光子の作用により分割
され、各レーザユニット本体のレーザ共振器に入射す
る。以下、各レーザユニットに対するシードレーザ光の
注入、モニターレーザ光の入射および反射モニターレー
ザ光の検出については共通しているので、100個のレ
ーザユニットのうちレーザユニット本体81を有するレ
ーザユニットに着目して第3実施例を説明する。
【0051】偏光ビームスプリッター83を透過したp
偏光成分からなるシードレーザ光は、パーシャルリフレ
クタ84で反射され、偏光ビームスプリッター85を透
過した後に、レーザユニット本体81のレーザ共振器に
注入される。また、偏光ビームスプリッター83で反射
されたs偏光成分からなるモニターレーザ光は、ハーフ
ミラーのようなパーシャルリフレクタ86を透過し、偏
光ビームスプリッター85で反射された後、レーザユニ
ット本体81のレーザ共振器に入射する。
【0052】レーザユニット本体81のレーザ共振器か
ら反射されたモニターレーザ光は、偏光ビームスプリッ
ター85で反射され、ハーフミラー86で反射された後
に、ディテクタ87に達する。なお、s偏光を透過させ
且つp偏光を反射する特性を有する偏光子88をハーフ
ミラー86とディテクタ87との間の光路中に配置し、
ノイズ成分となるp偏光(レーザユニット本体81から
の発振レーザ光)の消光比を向上させることが好まし
い。ディテクタ87では、レーザユニット本体81のレ
ーザ共振器からの反射モニターレーザ光の強度を検出
し、検出した強度変化に対応する強度信号を制御部89
に供給する。制御部89は、ディテクタ87からの強度
信号に基づき、ピエゾ駆動部80がレーザユニット本体
81内のピエゾ素子に印加する電圧を制御する。
【0053】こうして、第3実施例のレーザ装置では、
第1実施例の制御方法にしたがって反射モニターレーザ
光の強度が最小になるように各レーザユニット本体のレ
ーザ共振器長を制御し、各レーザユニット本体の発振周
波数をシードレーザ光の周波数にほぼ一致させることが
できる。その結果、各レーザユニット本体からの発振レ
ーザ光を合成させて最終的に得られるレーザ光は、シー
ドレーザ光の周波数にほぼ一致して狭帯域化される。換
言すると、第3実施例では、シードレーザ光の周波数に
ほぼ同調して狭帯域化された単一周波数レーザ発振を行
うレーザアレイを実現することができる。なお、第3実
施例において、第1実施例の第2変形例の制御方法にし
たがって、反射モニターレーザ光の強度が所定の増減傾
向にしたがって所定の強度に近づくように、各レーザユ
ニット本体の共振器長を制御してもよい。
【0054】図9は、本発明の第4実施例にかかるレー
ザ装置の構成を概略的に示す図である。第4実施例は、
本出願人の出願にかかる特開平8−334803号公報
に開示された紫外レーザ光源を構成する各レーザユニッ
トに本発明の第2実施例を適用した例である。
【0055】図9に示すように、第4実施例のレーザ装
置は、並列的に縦横配置された100個のレーザユニッ
ト本体と、モニターレーザ光およびシードレーザ光を供
給するためのレーザ光源92とを備えている。レーザ光
源92から射出されたレーザ光は、図示を省略したアイ
ソレータおよび1/2波長板を介して、偏光ビームスプ
リッターのような偏光子93に入射する。ここで、各レ
ーザユニット本体は第2実施例のQスイッチレーザ装置
本体11に対応し、レーザ光源92は第2実施例のレー
ザ光源12に対応し、偏光ビームスプリッター93は第
2実施例の偏光ビームスプリッター16に対応してい
る。
【0056】偏光ビームスプリッター93を透過したp
偏光成分からなるシードレーザ光は、100個のパーシ
ャルリフレクタ(図9では1つのパーシャルリフレクタ
94だけを図示している)の作用により分割され、各レ
ーザユニット本体のレーザ共振器に注入される。また、
偏光ビームスプリッター93で反射されたs偏光成分か
らなるモニターレーザ光は、100個の偏光ビームスプ
リッター(図9では1つの偏光ビームスプリッター95
だけを図示している)のような偏光子の作用により分割
され、各レーザユニット本体のレーザ共振器に入射す
る。以下、各レーザユニットに対するシードレーザ光の
注入、モニターレーザ光の入射および反射モニターレー
ザ光の検出については共通しているので、100個のレ
ーザユニットのうちレーザユニット本体91を有するレ
ーザユニットに着目して第4実施例を説明する。
【0057】偏光ビームスプリッター93を透過したp
偏光成分からなるシードレーザ光は、パーシャルリフレ
クタ94で反射され、偏光ビームスプリッター95を透
過した後に、レーザユニット本体91のレーザ共振器に
注入される。また、偏光ビームスプリッター93で反射
されたs偏光成分からなるモニターレーザ光は、EOモ
ジュレータ(電気光学変調器)96に入射する。EOモ
ジュレータ96は、発振器97から供給される信号に基
づきEO駆動部98を介して駆動されるように構成され
ている。EOモジュレータ96を介して位相変調された
モニターレーザ光は、ハーフミラーのようなパーシャル
リフレクタ99を透過し、偏光ビームスプリッター95
で反射された後に、レーザユニット本体91のレーザ共
振器に入射する。
【0058】レーザユニット本体91のレーザ共振器か
ら反射されたモニターレーザ光は、偏光ビームスプリッ
ター95で反射され、ハーフミラー99で反射された後
に、ディテクタ100に達する。なお、s偏光を透過さ
せ且つp偏光を反射する特性を有する偏光子101をハ
ーフミラー99とディテクタ100との間の光路中に配
置し、ノイズ成分となるp偏光(レーザユニット91か
らの発振レーザ光)の消光比を向上させることが好まし
い。ディテクタ100では、レーザユニット本体91の
レーザ共振器からの反射モニターレーザ光の強度を検出
し、検出した光強度変化に対応する強度信号をミキサー
102に供給する。ミキサー102では、ディテクタ1
00から供給される信号と発振器97から供給される信
号とに基づいて、反射モニターレーザ光の強度変化を変
調周波数で同期検波し、同期検波で得られた信号を制御
部103に供給する。制御部103は、ミキサー102
から供給された制御信号に基づき、ピエゾ駆動部90が
レーザユニット本体91内のピエゾ素子に印加する電圧
を制御する。
【0059】こうして、第4実施例のレーザ装置では、
第2実施例の制御方法にしたがって同期検波して得られ
た制御信号が0になるように各レーザユニット本体の共
振器長を制御し、各レーザユニット本体の発振周波数を
シードレーザ光の周波数にほぼ一致させることができ
る。その結果、各レーザユニット本体からの発振レーザ
光を合成させて最終的に得られるレーザ光は、シードレ
ーザ光の周波数にほぼ一致して狭帯域化される。換言す
ると、第4実施例においても第3実施例と同様に、シー
ドレーザ光の周波数にほぼ同調して狭帯域化された単一
の周波数でレーザ発振を行うレーザアレイを実現するこ
とができる。
【0060】また、第3実施例および第4実施例のレー
ザ装置では、並列的に配置された複数のレーザユニット
本体から出力されたレーザ光を合成させて1つのレーザ
光を出力するので、各レーザユニット本体からの出力が
小さくても最終的に得られるレーザ光の出力を高くする
とともに、出力レーザ光のパルスタイミングをずらすこ
とにより空間的コヒーレンスを低くすることができる。
その結果、たとえば半導体露光装置の光源として十分な
出力と低コヒーレンスとを備えたレーザ装置を実現する
ことができる。
【0061】図10は、本発明の第5実施例にかかるレ
ーザ装置の構成を概略的に示す図である。単一周波数レ
ーザ発振を行うレーザ装置では、第1実施例〜第4実施
例のようなインジェクションシードにより周波数同調を
行う方式や、周波数同調素子(波長選択素子)であるエ
タロンをレーザ共振器中に挿入する方式などが用いられ
る。これに対し、本出願人の出願にかかる特願平9−1
09747号を基にした特許出願の明細書および図面に
は、次に説明する発明が開示されている。レーザ媒体の
利得スペクトルとレーザ共振器の共振周波数とでレーザ
発振可能な周波数が決められるが、そのレーザ発振可能
な周波数(共振器モード周波数)の全てに対してレーザ
共振器の損失が大きい状態と、特定の周波数のみレーザ
共振器の損失が小さくなる状態とを交互に切り換える状
態変化手段について記載されている。この状態変化手段
は、光学素子とその光学素子に電圧を印加する電圧印加
手段とを有している。この光学素子は、電気光学効果を
有した物質で構成されており、この光学素子に対して電
圧を印加することで、この光学素子を挿入したレーザ共
振器は、特定の周波数のみレーザ発振可能となり、電圧
が無印加の状態では、レーザ発振可能な全ての周波数に
対して発振を抑制する状態となる。なお、以下の実施例
では、この光学素子(以下、「エタロンQスイッチ」と
いう)を内蔵することで単一の周波数でのレーザ発振が
可能となったレーザ装置(以下、「エタロンQスイッチ
レーザ装置」という)について説明する。
【0062】このエタロンQスイッチレーザ装置では、
小型のQスイッチによって低電圧で迅速なQスイッチ動
作を行うことができ、高繰り返しによる短パルスレーザ
発振とエタロン機能による単一周波数でのレーザ発振と
を同時に実現することができる。しかしながら、特願平
9−109747号明細書および図面には、エタロンQ
スイッチレーザ装置のレーザ共振器長を制御してその発
振周波数をエタロンQスイッチの共鳴周波数に一致させ
る方法は述べられていない。以下、第5実施例および第
6実施例は、特願平9−109747号明細書および図
面に開示されたエタロンQスイッチレーザ装置に本発明
のレーザ共振器長制御方法を適用した例である。
【0063】図10のレーザ装置は、エタロンQスイッ
チレーザ装置本体211と、モニターレーザ光を供給す
るためのレーザ光源212とを備えている。エタロンQ
スイッチレーザ装置本体211は、レーザ媒体201
と、出力ミラー202と、レーザ媒体201と出力ミラ
ー202との間に配置されたエタロンQスイッチ203
とを備えている。ここで、エタロンQスイッチ203に
は電気光学効果を有する材料としてBBO結晶が用いら
れ、レーザ共振器の光軸に沿って2mmの長さを有し、
光軸と直交する方向に沿って2mmの厚さを有する。エ
タロンQスイッチ203の入射面および射出面(光軸に
垂直な面)には反射率Ret=0.95の反射膜がコーテ
ィングされている。
【0064】こうして、エタロンQスイッチ203の入
射面に入射した光が一対の反射膜の間で複数回に亘って
反射を繰り返して干渉することによって、通常のエタロ
ンと同様の周波数選択作用を果たすように構成されてい
る。また、エタロンQスイッチ203の入射面および射
出面とは異なる一対の対向面には電極が設けられ、一方
の電極にはエタロンQスイッチ203に電圧を印加する
ための電源205が接続されている。なお、入射面およ
び射出面からの反射光による不要な共振を回避するため
に、入射面および射出面の法線がレーザ共振器の光軸に
対して僅かに傾くようにエタロンQスイッチ203が配
置されている。
【0065】また、レーザ媒体201にはNd3+ドープ
YVO4 結晶(発振波長λ=1.06μm)が用いら
れ、その励起光入射端面(図10中右側の面)には反射
膜が形成されている。こうして、レーザ媒体201の励
起光入射端面に形成された反射膜と出力ミラー202と
で、レーザ共振器が構成されている。なお、第5実施例
においては、レーザ共振器長をL=30mmとしてい
る。また、出力ミラー202にはピエゾ素子204が取
り付けられ、このピエゾ素子204はピエゾ駆動部21
3からの電圧印加によって駆動されるように構成されて
いる。
【0066】一方、レーザ光源212は、安定化された
単一周波数のレーザ光を連続発振する。レーザ光源21
2として、たとえば半導体レーザやモノリシックのYA
Gレーザ(CW小型YVO4 レーザ)などを用いること
ができる。レーザ光源212から射出されたモニターレ
ーザ光は、戻り光を遮断するためのアイソレータ214
および1/2波長板215を介して、図10の紙面に垂
直な偏光方位を有する直線偏光(s偏光)になる。1/
2波長板215を介してs偏光になったモニターレーザ
光は、ハーフミラーのようなパーシャルリフレクター2
16で反射された後、偏光ビームスプリッターのような
偏光子217に入射する。
【0067】偏光ビームスプリッター217は、図10
の紙面に平行な偏光方位を有する直線偏光(p偏光)を
透過し、図10の紙面に垂直な偏光方位を有する直線偏
光(s偏光)を反射するように配置されている。したが
って、s偏光状態のモニターレーザ光は、偏光ビームス
プリッター217で反射された後、エタロンQスイッチ
レーザ装置本体211のレーザ共振器に入射する。エタ
ロンQスイッチレーザ共振器から反射されたモニターレ
ーザ光は、偏光ビームスプリッター217で反射され、
ハーフミラー216を透過した後に、ディテクタ218
に達する。ディテクタ218では、エタロンQスイッチ
レーザ共振器からの反射モニターレーザ光の強度を検出
し、検出した光強度変化に対応する強度信号を制御部2
19に供給する。制御部219は、ディテクタ218か
らの強度信号に基づき、ピエゾ素子204への印加電圧
を制御する。
【0068】図11は、第5実施例のエタロンQスイッ
チパルスレーザの共振器モードを実線で示すとともに、
利得媒体の利得曲線を破線で示す図である。また、図1
2は、第5実施例のエタロンQスイッチに電圧が印加さ
れている状態(ON状態)における透過率を周波数の関
数として実線で示すとともに、エタロンQスイッチに電
圧が印加されていない状態(OFF状態)における透過
率を周波数の関数として破線で示す図である。なお、図
11の横軸で示す周波数と図12の横軸で示す周波数と
は互いに対応している。
【0069】図11に示す共振スペクトル(縦モード)
および利得スペクトルは、レーザ共振器を構成する高反
射ミラー(レーザ媒体201に形成された反射膜)の反
射率をR1=0.997とし、出力ミラー2の反射率を
R2=0.7として計算した結果である。図11に示す
ように、レーザ共振器の共振器モード間隔は5GHzで
あり、利得媒体(第5実施例ではYVO4 結晶中にドー
プされたNd3+)の利得幅(レーザの発振可能範囲)は
約15GHzである。したがって、エタロンQスイッチ
203においてエタロンの機能を動作させることなくQ
スイッチの機能のみを動作させた場合、エタロンQスイ
ッチレーザ装置本体211は、利得媒体の利得幅内の3
本の共振器モード周波数で発振可能である。
【0070】第5実施例では、エタロンの機能を有した
Qスイッチ203に電圧を印加することにより、レーザ
装置本体211からの発振周波数の選択すなわち単一周
波数発振が行われる。図12の破線を参照すると、エタ
ロンQスイッチ203に電圧が印加されない状態では、
エタロンQスイッチ203の共鳴周波数(透過率のピー
クに対応する周波数)が共振器モード周波数のいずれに
も一致しない。その結果、全ての共振器モード周波数に
対する共振器の損失が大き(Q値が小さ)すぎて、レー
ザ発振が起こることなく、励起エネルギが蓄えられる。
この状態からエタロンQスイッチ203に電圧を印加す
ると、図12において実線で示すように、エタロンQス
イッチ203の共鳴周波数が共振器モード周波数の1つ
と一致する。その結果、この共振器モード周波数に対す
るレーザ共振器の損失が小さく(Q値が大きく)なり、
この共振器モード周波数で単一周波数レーザ発振が起こ
る。このように、エタロンQスイッチ203は、Qスイ
ッチ素子の機能と発振周波数の選択機能とをともに備え
ている。
【0071】なお、エタロンQスイッチ203の挿入角
度および温度は、エタロンQスイッチ203の共鳴周波
数が所望のレーザ発振周波数に一致するように設定され
る。さらに、エタロンQスイッチレーザ装置本体211
が所望の発振周波数の範囲内で狭帯域化された単一周波
数レーザ発振することを可能にするために、レーザ共振
器長を制御して共振器モード周波数を所望の周波数に一
致させる。レーザ共振器長の理想値からのずれは、第1
実施例と同様に、レーザ共振器からの反射モニターレー
ザ光の強度変化に基づいて判断する。モニターレーザ光
(連続発振光)はエタロンQスイッチレーザ装置本体2
11に定常的に入射され、その反射光はレーザ共振器の
損失が大きい(Q値が小さい)状態で検出される。
【0072】図13は、第5実施例におけるピエゾ素子
への印加電圧とモニターレーザ光に対するレーザ共振器
の反射率との関係を示す図である。図13において、縦
軸はレーザ共振器の反射率を示し、横軸はエタロンQス
イッチパルスレーザ装置本体211の発振周波数とエタ
ロンQスイッチ203の共鳴周波数との周波数差を示し
ている。エタロンQスイッチレーザ装置本体211の発
振周波数とエタロンQスイッチ203の共鳴周波数とが
一致した状態は、レーザ共振器からのモニターレーザ光
の反射率が最小になることから判別することができる。
第5実施例では、Qスイッチ反射率の周波数特性を反映
して、反射率が最小になる位置とレーザ共振器長が理想
値となる位置とが僅かにずれている。換言すると、レー
ザ共振器からのモニターレーザ光の反射率が最小になる
ようにレーザ共振器長を制御しても、エタロンQスイッ
チレーザ装置本体211の発振周波数とエタロンQスイ
ッチ203の共鳴周波数とは厳密には一致しない。しか
しながら、この程度の周波数ずれは、露光装置を含むマ
イクロマシンイニングや検査機等などのように発振レー
ザの周波数狭帯域化を必要とする応用分野において充分
小さい。
【0073】このように、レーザ共振器の反射率が最小
になる位置とレーザ共振器長が理想値となる位置との差
が比較的小さい(あるいは双方が一致する)場合には、
ピエゾ素子204への印加電圧を微小振り幅だけ常時変
化させながらディテクタ218で検出された反射モニタ
ーレーザ光の強度変化を参照することによって、反射モ
ニターレーザ光の強度が最小に近づくようにレーザ共振
器長の制御を行う。そして、このようなレーザ共振器長
の制御動作を常時繰り返し行うことにより、エタロンQ
スイッチレーザ装置本体211の発振周波数をエタロン
Qスイッチ203の共鳴周波数にほぼ一致させて、所望
の周波数で狭帯域化された単一周波数レーザ発振を行う
ことができる。
【0074】なお、エタロンQスイッチ203の挿入角
度および温度は、電圧が印加された状態においてモニタ
ーレーザ光の反射率が最小になるように設定することで
調整できる。この状態において、エタロンQスイッチ2
03の共鳴周波数がエタロンQスイッチレーザ装置本体
211の所望の発振周波数に一致し、この所望の周波数
に対する共振器の損失がほとんど無くなる。
【0075】ところで、レーザ共振器の反射率が最小に
なる位置とレーザ共振器長が理想値となる位置との差が
比較的大きい場合には、第1実施例の第2変形例と同様
に、レーザ共振器からの反射モニターレーザ光の強度が
所定の増減傾向にしたがって所定の強度に近づくように
レーザ共振器長を常に変化させることによって、エタロ
ンQスイッチレーザ装置本体211の発振周波数とエタ
ロンQスイッチ203の共鳴周波数とをほぼ一致させる
ことができる。また、レーザ共振器の反射率が最小にな
る位置とレーザ共振器長が理想値となる位置との差が比
較的小さい場合には、第2実施例と同様に同時検波して
得られる制御信号が0になるようにレーザ共振器長を制
御することによって、エタロンQスイッチレーザ装置本
体211の発振周波数とエタロンQスイッチ203の共
鳴周波数とを高精度に一致させることができる。
【0076】図14は、本発明の第6実施例にかかるレ
ーザ装置の構成を概略的に示す図である。第6実施例
は、第5実施例と類似の構成を有する。しかしながら、
第5実施例では無変調の反射モニターレーザ光の強度変
化に直接対応する制御信号に基づいてレーザ共振器長の
制御を行っているが、第6実施例ではレーザ共振器長を
変位変調させ反射モニターレーザ光の強度変化を変調周
波数で同期検波して得られた制御信号に基づいてレーザ
共振器長の制御を行っている。図14において、第5実
施例の構成要素と同じ機能を有する要素には図10と同
じ参照符号を付している。以下、第5実施例との相違点
に着目して第6実施例を説明する。
【0077】第6実施例において、レーザ光源212か
ら射出されたモニターレーザ光は、アイソレータ214
および1/2波長板215を介して、図14の紙面に垂
直な偏光方位を有するs偏光になる。1/2波長板21
5を介してs偏光になったモニターレーザ光は、ハーフ
ミラー216および偏光ビームスプリッター217で反
射され、エタロンQスイッチレーザ装置本体211のレ
ーザ共振器に入射する。エタロンQスイッチレーザ共振
器から反射されたモニターレーザ光は、偏光ビームスプ
リッター217で反射され、ハーフミラー216を透過
した後に、ディテクタ218に達する。ディテクタ21
8では、エタロンQスイッチレーザ共振器からの反射モ
ニターレーザ光の強度を検出し、検出した光強度変化に
対応する強度信号をミキサー220に供給する。
【0078】一方、ピエゾ駆動部213は、発振器22
1から供給される信号に基づいて、レーザ共振器長を変
位変調させる。ミキサー220では、ディテクタ218
から供給される信号と発振器221から供給される信号
とに基づいて、反射モニターレーザ光の強度変化を変位
変調における変調周波数で同期検波し、同期検波で得ら
れた信号を制御部219に供給する。制御部219は、
ミキサー220から供給された制御信号に基づき、ピエ
ゾ駆動部213がピエゾ素子204に印加する電圧を制
御する。
【0079】図15は、第6実施例において同期検波に
より得られた信号の周波数特性を示す図である。図15
において、縦軸は同期検波により得られた信号を示し、
横軸はエタロンQスイッチレーザ装置本体211の発振
周波数とエタロンQスイッチ203の共鳴周波数との周
波数差を示している。図15を参照すると、レーザ共振
器長を変位変調させ且つ反射モニターレーザ光の強度変
化を変調周波数で同期検波することにより、図13に示
すレーザ共振器の反射率の微分特性を検出していること
がわかる。第6実施例のレーザ装置ではエタロンQスイ
ッチが挿入されているため、反射モニターレーザ光の強
度変化にはエタロンQスイッチの反射率の周波数特性も
反映されている。この点を考慮して、パルスレーザ発振
時に所望の周波数の光が得られるような最適な信号値を
得て、その最適な信号値になるようにレーザ共振器の共
振器長を変化させることにより、所望の周波数でレーザ
発振が行われるようにしている。
【0080】第6実施例では、レーザ共振器長を変位変
調させ且つ反射モニターレーザ光の強度変化を変調周波
数で同期検波して得られる信号を制御信号としてレーザ
共振器長の制御を行っているので、Qスイッチレーザ装
置本体211の発振周波数とエタロンQスイッチ203
の共鳴周波数とが一致する状態において制御信号がほぼ
0となり、その近傍においてピエゾ素子4への印加電圧
の微小増加に対して制御信号が明瞭に単調増加する。し
たがって、第6実施例では、Qスイッチレーザの発振モ
ードとQスイッチパルス発振前の共振器モードとの差が
小さい(あるいは双方がほぼ一致している)場合、ピエ
ゾ素子204への印加電圧を常時変化させることなく、
フィードバック制御により制御信号が0に近づくように
共振器長を制御し、Qスイッチレーザ装置本体211の
発振周波数とエタロンQスイッチ203の共鳴周波数と
を高精度にほぼ一致させることができる。
【0081】さらに、第6実施例において同期検波によ
り得られる信号には、レーザ共振器長の変位に伴う反射
率の変化のみが反映される。したがって、図13に示し
たようなQスイッチ素子反射率の周波数依存性や、温度
変化等によるQスイッチ素子反射率の変化の影響を受け
ない制御信号を検出することができる。なお、第5実施
例および第6実施例では、電気光学効果を有するエタロ
ンQスイッチを使用した場合について述べている。しか
しながら、Qスイッチを構成する光学素子とエタロンを
構成する光学素子とを組み合わせた従来のレーザ装置に
も第5実施例および第6実施例の制御方法を適用するこ
とができる。
【0082】図16は、本発明の第7実施例にかかるレ
ーザ装置の構成を概略的に示す図である。第7実施例
は、本出願人の出願にかかる特開平8−334803号
公報に開示された紫外レーザ光源を構成する各レーザユ
ニットに本発明の第5実施例を適用した例である。
【0083】図16に示すように、第7実施例のレーザ
装置は、並列的に縦横配置された100個のレーザユニ
ット本体と、モニターレーザ光を供給するためのレーザ
光源282とを備えている。レーザ光源282から射出
されたモニターレーザ光は、図示を省略したアイソレー
タおよび1/2波長板を介してs偏光となる。ここで、
各レーザユニット本体は第5実施例のエタロンQスイッ
チレーザ装置本体211に対応し、レーザ光源282は
第5実施例のレーザ光源212に対応している。s偏光
となったモニターレーザ光は、100個のパーシャルリ
フレクタ(図16では1つのパーシャルリフレクタ28
3だけを図示している)の作用により分割され、各レー
ザユニット本体のレーザ共振器に入射する。
【0084】以下、各レーザユニットにおけるモニター
レーザ光の入射および反射モニターレーザ光の検出につ
いては共通しているので、100個のレーザユニットの
うちレーザユニット本体281を有する1つのレーザユ
ニットに着目して第7実施例を説明する。パーシャルリ
フレクタ283を透過したs偏光状態のモニターレーザ
光は、偏光ビームスプリッターのような偏光子284に
入射する。偏光ビームスプリッター284は、p偏光を
透過させ且つs偏光を反射するように配置されている。
したがって、偏光ビームスプリッター284で反射され
たモニターレーザ光は、レーザユニット本体281のレ
ーザ共振器に入射する。
【0085】レーザユニット本体281のレーザ共振器
から反射されたモニターレーザ光は、偏光ビームスプリ
ッター284で反射され、パーシャルリフレクタ283
で反射された後に、ディテクタ285に達する。なお、
s偏光を透過させ且つp偏光を反射する特性を有する偏
光子286をパーシャルリフレクタ283とディテクタ
285との間の光路中に配置し、ノイズ成分となるp偏
光(レーザユニット本体281からの発振レーザ光)の
消光比を向上させることが好ましい。ディテクタ285
では、レーザユニット本体281のレーザ共振器からの
反射モニターレーザ光の強度を検出し、検出した光強度
変化に対応した強度信号を制御部287に供給する。制
御部287は、ディテクタ285からの強度信号に基づ
き、ピエゾ駆動部280がレーザユニット本体281内
のピエゾ素子に印加する電圧を制御する。
【0086】こうして、第7実施例のレーザ装置では、
第5実施例の制御方法にしたがって反射モニターレーザ
光の強度が最小になるように各レーザユニット本体のレ
ーザ共振器長を制御し、各レーザユニット本体の発振周
波数をエタロンQスイッチの共鳴周波数にほぼ一致させ
ることができる。その結果、各レーザユニットからの発
振レーザ光を合成させて最終的に得られるレーザ光は、
エタロンQスイッチの共鳴周波数にほぼ一致して狭帯域
化される。換言すると、第7実施例では、エタロンQス
イッチの共鳴周波数にほぼ同調して狭帯域化された単一
周波数レーザ発振を行うレーザアレイを実現することが
できる。
【0087】図17は、本発明の第8実施例にかかるレ
ーザ装置の構成を概略的に示す図である。第8実施例
は、本出願人の出願にかかる特開平8−334803号
公報に開示された紫外レーザ光源を構成する各レーザユ
ニットに本発明の第6実施例を適用した例である。
【0088】図17に示すように、第8実施例のレーザ
装置は、並列的に縦横配置された100個のレーザユニ
ット本体と、モニターレーザ光を供給するためのレーザ
光源292とを備えている。レーザ光源292から射出
されたモニターレーザ光は、図示を省略したアイソレー
タおよび1/2波長板を介してs偏光となる。ここで、
各レーザユニット本体は第6実施例のエタロンQスイッ
チパルスレーザ装置本体211に対応し、レーザ光源2
92は第6実施例のレーザ光源212に対応している。
s偏光となったモニターレーザ光は、100個のパーシ
ャルリフレクタ(図17では1つのパーシャルリフレク
タ293だけを図示している)の作用により分割され、
各レーザユニット本体のレーザ共振器に入射する。以
下、各レーザユニットにおけるモニターレーザ光の入射
および反射モニターレーザ光の検出については共通して
いるので、100個のレーザユニットのうちレーザユニ
ット本体291を有する1つのレーザユニットに着目し
て第8実施例を説明する。
【0089】パーシャルリフレクタ293を透過したs
偏光状態のモニターレーザ光は、偏光ビームスプリッタ
ーのような偏光子294に入射する。偏光ビームスプリ
ッター294は、p偏光を透過させ且つs偏光を反射す
るように配置されている。したがって、偏光ビームスプ
リッター294で反射されたモニターレーザ光は、レー
ザユニット本体291のレーザ共振器に入射する。レー
ザユニット本体291のレーザ共振器から反射されたモ
ニターレーザ光は、偏光ビームスプリッター294で反
射され、パーシャルリフレクタ293で反射された後
に、ディテクタ295に達する。なお、s偏光を透過さ
せ且つp偏光を反射する特性を有する偏光子296をパ
ーシャルリフレクタ293とディテクタ295との間の
光路中に配置し、ノイズ成分となるp偏光(レーザユニ
ット本体291からの発振レーザ光)の消光比を向上さ
せることが好ましい。
【0090】ディテクタ295では、レーザユニット本
体291のレーザ共振器からの反射モニターレーザ光の
強度を検出し、検出した光強度変化に対応した強度信号
をミキサー297に供給する。一方、ピエゾ駆動部29
0は、発振器298から供給される信号に基づいて、レ
ーザユニット本体291のレーザ共振器長を変位変調さ
せる。ミキサー297では、ディテクタ295から供給
される信号と発振器298から供給される信号とに基づ
いて、反射モニターレーザ光の強度変化を変位変調にお
ける変調周波数で同期検波し、同期検波で得られた信号
を制御部299に供給する。制御部299は、ミキサー
297から供給された制御信号に基づき、ピエゾ駆動部
290がレーザユニット本体291内のピエゾ素子に印
加する電圧を制御する。
【0091】こうして、第8実施例のレーザ装置では、
第6実施例の制御方法にしたがって同期検波して得られ
た制御信号が0になるように各レーザユニット本体の共
振器長を制御し、各レーザユニット本体の発振周波数を
エタロンQスイッチの共鳴周波数にほぼ一致させること
ができる。その結果、各レーザユニット本体からの発振
レーザ光を合成させて最終的に得られるレーザ光は、エ
タロンQスイッチの共鳴周波数にほぼ一致して狭帯域化
される。換言すると、第8実施例では、エタロンQスイ
ッチの共鳴周波数にほぼ同調して狭帯域化された単一周
波数レーザ発振を行うレーザアレイを実現することがで
きる。
【0092】また、第7実施例および第8実施例のレー
ザ装置では、並列的に配置された複数のレーザユニット
本体から出力されたレーザ光を合成させているので、各
レーザユニット本体からの出力が小さくても最終的に得
られるレーザ光の出力を高くするとともに、空間的コヒ
ーレンスを低くすることができる。その結果、たとえば
半導体露光装置の光源として十分な出力と低コヒーレン
スとを備えたレーザ装置を実現することができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、所定
の周波数を有するレーザ光をモニターレーザ光としてレ
ーザ共振器に入射させ、レーザ共振器から反射されたモ
ニターレーザ光の強度変化に基づいて共振器長を高精度
に制御する。この制御方法により、共振器モード周波数
の1つをモニターレーザ光の周波数にほぼ一致させるこ
とができ、その結果レーザ発振周波数を所望の周波数に
同調させてレーザ発振を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるレーザ装置の構成
を概略的に示す図である。
【図2】第1実施例のQスイッチパルスレーザの共振器
モードを実線で示すとともに、利得媒体の利得曲線を破
線で示す図である。
【図3】第1実施例におけるピエゾ素子への印加電圧と
モニターレーザ光に対するレーザ共振器の反射率との関
係を示す図である。
【図4】第1実施例の図3に対応する図であって、Qス
イッチレーザ装置本体の発振モード周波数νがQスイッ
チパルス発振前の共振器モードの中心周波数νm よりも
60MHzだけ大きい場合のピエゾ素子への印加電圧と
レーザ共振器の反射率との関係を示す図である。
【図5】第1実施例の図3に対応する図であって、Qス
イッチレーザ装置本体の発振モード周波数νがQスイッ
チパルス発振前の共振器モードの中心周波数νm よりも
60MHzだけ小さい場合のピエゾ素子への印加電圧と
レーザ共振器の反射率との関係を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例にかかるレーザ装置の構成
を概略的に示す図である。
【図7】第2実施例におけるピエゾ素子への印加電圧と
同期検波により得られた信号との関係を示す図である。
【図8】本発明の第3実施例にかかるレーザ装置の構成
を概略的に示す図である。
【図9】本発明の第4実施例にかかるレーザ装置の構成
を概略的に示す図である。
【図10】本発明の第5実施例にかかるレーザ装置の構
成を概略的に示す図である。
【図11】第5実施例のエタロンQスイッチパルスレー
ザの共振器モードを実線で示すとともに、利得媒体の利
得曲線を破線で示す図である。
【図12】第5実施例のエタロンQスイッチに電圧が印
加されている状態(ON状態)における透過率を周波数
の関数として実線で示すとともに、エタロンQスイッチ
に電圧が印加されていない状態(OFF状態)における
透過率を周波数の関数として破線で示す図である。
【図13】第5実施例におけるピエゾ素子への印加電圧
とモニターレーザ光に対するレーザ共振器の反射率との
関係を示す図である。
【図14】本発明の第6実施例にかかるレーザ装置の構
成を概略的に示す図である。
【図15】第6実施例において同期検波により得られた
信号の周波数特性を示す図である。
【図16】本発明の第7実施例にかかるレーザ装置の構
成を概略的に示す図である。
【図17】本発明の第8実施例にかかるレーザ装置の構
成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1、201 レーザ媒体 2、202 出力ミラー 3 Qスイッチ 203 エタロンQスイッチ 4、204 ピエゾ素子 11、211 レーザ装置本体 12、212 レーザ光源 13、213 ピエゾ駆動部 14、214 アイソレータ 15、215 1/2波長板 16、19、217 偏光ビームスプリッター 17、84、94、284、294 パーシャルリフレ
クター 18、216 ハーフミラー 20、218 ディテクタ 21、219 制御部 22 EOモジュレータ 23、221 発振器 24 EO駆動部 25、220 ミキサー 81、91、281、291 レーザユニット本体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共振器長を可変するための可変手段を有
    するレーザ共振器と、 前記レーザ共振器にモニター光を入射するモニター光入
    射手段と、 前記レーザ共振器から反射された前記モニター光を受光
    するモニター光受光部と、 前記モニター光受光部から得られた信号に基づき、所望
    の発振状態が得られるように前記可変手段を制御する制
    御手段と、を備えたことを特徴とするレーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記レーザ共振器の共
    振器長を微小変化させながら、前記レーザ共振器から反
    射されたモニター光の強度が所定の強度に近づくよう
    に、前記可変手段を制御することを特徴とする請求項1
    に記載のレーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記レーザ共振器の共
    振器長を変位変調させるための変位変調制御部を有し、 前記モニター光受光部から出力される信号を前記変位変
    調手段による変調周波数で同期検波して得られた信号に
    基づいて前記可変手段を制御することを特徴とする請求
    項1に記載のレーザ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ装置の発振周波数を所定の周波数
    に同調させてレーザ発振を行うためのレーザ装置の共振
    器長の制御方法において、 前記所定の周波数のモニター光を前記レーザ装置のレー
    ザ共振器内に入射させ、 前記レーザ共振器から反射されたモニター光の強度に基
    づいて、所望の発振状態が得られるように前記共振器長
    を変化させることを特徴とするレーザ装置の共振器長の
    制御方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザ共振器の共振器長を微小変化
    させながら、前記レーザ共振器から反射されたモニター
    光の強度が所定の強度に近づくように、前記共振器長を
    制御することを特徴とする請求項4に記載のレーザ装置
    の共振器長の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記レーザ共振器の共振器長を変位変調
    させながら、前記レーザ共振器から反射されたモニター
    光の強度変化を前記共振器長の変位変調の周波数で同期
    検波して得られた信号に基づいて前記共振器長を制御す
    ることを特徴とする請求項4に記載のレーザ装置の共振
    器長の制御方法。
  7. 【請求項7】 並列的に配置された複数のレーザユニッ
    ト本体の発振周波数を所定の周波数に同調させて単一周
    波数でレーザ発振させ、前記複数のレーザユニット本体
    からの複数の発振レーザ光を合成して出力するレーザ装
    置における各レーザユニット本体のレーザ共振器長の制
    御方法において、 各レーザユニットに共通な1つの光源から供給された前
    記所定の周波数を有する単一周波数レーザ光を複数のレ
    ーザ光に分割し、分割された複数のレーザ光の各々をモ
    ニターレーザ光として各レーザユニット本体のレーザ共
    振器に入射させ、 各レーザユニット本体のレーザ共振器から反射されたモ
    ニターレーザ光の強度変化に基づいて各レーザユニット
    本体のレーザ共振器の共振器長を制御することによっ
    て、各レーザユニット本体の共振器モード周波数の1つ
    を前記モニターレーザ光の周波数にほぼ一致させること
    を特徴とするレーザ共振器長の制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005251810A (ja) * 2004-03-01 2005-09-15 Campus Create Co Ltd レーザー光発生装置
US11662292B2 (en) 2018-09-05 2023-05-30 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Measurement apparatus and method

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