JPH11287955A - 顕微鏡用照明光学系及びその照明光学系を備えた顕微鏡 - Google Patents

顕微鏡用照明光学系及びその照明光学系を備えた顕微鏡

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JPH11287955A
JPH11287955A JP2386599A JP2386599A JPH11287955A JP H11287955 A JPH11287955 A JP H11287955A JP 2386599 A JP2386599 A JP 2386599A JP 2386599 A JP2386599 A JP 2386599A JP H11287955 A JPH11287955 A JP H11287955A
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condenser lens
illumination optical
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JP2386599A
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Kenji Kawasaki
川崎健司
Kazuo Kajitani
梶谷和男
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光拡散板のざらざらが見えず均一照明でき、
明るさ絞りの径を変えて開口数を調整することによりコ
ントラストの弱い標本の可視化、位相分布の可視化等が
可能な極低倍用の顕微鏡用照明光学系。 【解決手段】 光源1の1次像を結像するコレクタレン
ズ系L1,L2、その1次像位置に配置された第1可変
絞りA、系中に第2可変絞りFを有し、第1可変絞りA
の像を系の後側に結像する中間レンズ系L3,L4と、
中間レンズ系と標本面2の間に交換可能に配置される複
数の倍率の異なるコンデンサレンズ系Lc1,Lc3と
からなり、最も倍率の小さいコンデンサレンズ系Lc3
は、第2可変絞りFの像を標本面2の空間の有限位置P
に結像し、かつ、標本面と共役な位置を第1可変絞りA
より光源1側に位置させるような構成になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡用照明光学
系及びその照明光学系を備えた顕微鏡に関し、特に、顕
微鏡の対物レンズの倍率に応じて視野と開口数を変換で
きる顕微鏡用照明光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、顕微鏡用照明光学系のコンデンサ
レンズとして焦点距離の異なる高倍用コンデンサレン
ズ、低倍用コンデンサレンズ、極低倍用コンデンサレン
ズの3つを用意しておき、顕微鏡対物レンズの倍率に応
じてそれらを切り換えることにより顕微鏡対物レンズの
倍率に応じた適切な照明を行うようにしたものが、特開
平9―33820号において提案されていた。
【0003】図5にこの顕微鏡用照明光学系の光路図を
示す。図中、(a)は高倍あるいは低倍用のときの配置
を示し、(b)は極低倍用のときの配置を示す。図5
(a)の状態では、光源1から出た光は、第1コレクタ
レンズ群L1と第2コレクタレンズ群L2を通り、この
両コレクタレンズ群L1,L2によって光源1の1次像
を結ぶ。この1次像の位置には、第1可変絞りAが配置
されている。第1可変絞りAを通過した光束は、第1中
間レンズ群L3と第2可変絞りFと第2中間レンズ群L
4を通り、両中間レンズ群L3,L4によって再結像し
て光源1の2次像を結ぶ。したがって、この2次像の像
面の位置は、両中間レンズ群L3,L4に関する第1可
変絞りAとの共役面になっている。また、第2可変絞り
Fは、第2中間レンズ群L4の前側焦点位置に配置され
ている。第2中間レンズ群L4の後側には、光源1の2
次像からの光束を標本面2へコリメート光として導く高
倍又は低倍用コンデンサレンズ群Lc1が配置されてい
る。また、標本面2は、第2中間レンズ群L4と高倍又
は低倍用コンデンサレンズ群Lc1に関する第2可変絞
りFとの共役面になっている。
【0004】したがって、図5(a)の高倍あるいは低
倍用のとき(4倍〜100倍)には、第1可変絞りAは
明るさ絞り、第2可変絞りFは視野絞りになっており、
顕微鏡の高倍又は低倍対物レンズOb1の後側焦点と第
1可変絞りA、光源1は共役になっており、この照明光
学系全体はケラー照明系として作用し、視野の輪郭が明
確で、明るく、照明むらがない標本面2に置かれた標本
の拡大像が像面3上に結像される。この状態で、照明む
ら、開口数不足を防ぐために、第2コレクタレンズ群L
2と第1可変絞りAの間のIの位置に光拡散板(フロス
ト板)を挿入することが必須である。
【0005】図5(b)の極低倍用のとき(0.5倍〜
1倍)には、高倍又は低倍用コンデンサレンズ群Lc1
の代わりに、両中間レンズ群L3,L4によって光源1
の2次像が再結像する前の位置に焦点距離の長い極低倍
用コンデンサレンズ群Lc2が配置され、光源1の2次
像が標本面2に結像し、かつ、第2可変絞りFの像が無
限遠方に結像するようになっており、第2可変絞りFの
開口の1点から出る光束はアフォーカルになって標本面
2に入射する。したがって、この場合は、第1可変絞り
Aが視野絞り、第2可変絞りFが明るさ絞りになり、顕
微鏡の極低倍対物レンズOb2の後側焦点と第2可変絞
りFが共役になり、この照明光学系全体はクリティカル
照明系として作用する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の特開平9―33
820号の顕微鏡用照明光学系において、極低倍用のと
き(図5(b))、上記のように、標本面2と光源1が
共役となるので、光源1から標本面2に到る光路中に光
拡散板(フロスト板)を配置しないと、標本に光源1の
像が重なってフィラメント像が見えてしまう。そこで、
第2コレクタレンズ群L2と第1中間レンズ群L3の間
の位置Iに光拡散板を挿入することが考えられるが、位
置Iと第1可変絞りAの距離が近いため、標本面2近く
に光拡散板が結像するので、光拡散板のざらざらが見え
てしまう。特に、第2可変絞りFを絞り込むと焦点深度
が深くなり、ますます見えてしまい実用にならない。
【0007】そこで、極低倍用コンデンサレンズ群Lc
2中あるいは近傍の位置IIに光拡散板を配置してフィ
ラメント像をぼかす必要が生じる。しかし、この位置I
Iは第2可変絞りFと標本面2の間であるため、第1可
変絞りA(視野絞り)、第2可変絞りF(明るさ絞り)
共ぼけてしまい、視野の輪郭が明確でなくなるばかりで
なく、第2可変絞りFは明るさ絞りの作用も果たさなく
なる。特に、顕微鏡の極低倍観察では、明るさ絞りを絞
ることにより開口数を不足にしてコントラストの弱い標
本を可視化することが多用されるが、このように照明系
の開口数を調整して種々の像を観察することができなく
なってしまう。
【0008】本発明は従来技術のこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、視野絞りと明る
さ絞りを備えた極低倍用(0.5倍〜1倍)の顕微鏡用
照明光学系において、光拡散板を挿入して光源像をぼか
すようにしても、光拡散板のざらざらが見えず均一な照
明が可能で、明るさ絞りの径を変えて開口数を調整する
ことによりコントラストの弱い標本の可視化、位相分布
の可視化等が可能な顕微鏡用照明光学系を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の顕微鏡用照明光
学系は、光源から標本面へ到る順に、光源、前記光源の
1次像を結像するコレクタレンズ系、前記1次像位置に
配置された第1可変絞り、系中に第2可変絞りを有し、
前記第1可変絞りの像を系の後側に結像する中間レンズ
系と、前記中間レンズ系と標本面の間に交換可能に配置
される複数の倍率の異なるコンデンサレンズ系とからな
る顕微鏡用照明光学系において、前記の複数のコンデン
サレンズ系のうち、最も倍率の小さいコンデンサレンズ
系は、前記第2可変絞りの像を前記標本面に対して有限
な位置に結像し、かつ、該顕微鏡用照明光学系内の前記
標本面と共役な位置を前記第1可変絞りより前記光源側
あるいは前記中間レンズ系側に位置させるような構成に
なっていることを特徴とするものである。
【0010】この場合、最も倍率の小さいコンデンサレ
ンズ系は、標本面からその有限位置までの距離をa、第
2可変絞りを絞り込んだときの標本面上での光束径(照
明範囲)をbとするとき、 2b<a<4b ・・・(1) の関係を満足することが望ましい。
【0011】また、複数のコンデンサレンズ系のうち、
最も倍率の小さいコンデンサレンズ系以外のコンデンサ
レンズ系を用いるときに、第2可変絞りと標本面が共役
になり、第1可変絞りは標本面に対して無限遠に結像さ
れるものであることが望ましい。
【0012】本発明の別の顕微鏡用照明光学系は、光源
と、前記光源からの光を集光するコレクタレンズ系と、
前記コレクタレンズ系からの光を受けて標本を照明する
コンデンサレンズ系と、第1可変絞りとを備えた照明光
学系であって、前記コンデンサレンス系は複数の倍率の
異なるコンデンサレンズ系で構成され、前記コンデンサ
レンズ系のうち、高倍又は低倍用コンデンサレンズで構
成される照明光学系は、前記第1可変絞り位置が前記光
源と共役になり、第2可変絞り位置が前記標本と共役に
なるように構成され、前記コンデンサレンズ系のうち、
極低倍用コンテンサレンズで構成される照明光学系は、
前記第2可変絞りの光源側近傍に光拡散部材が配置され
て構成されることを特徴とするものである。
【0013】この場合、極低倍用コンデンサレンズ系は
極低倍対物レンズと共に用いられ、これによって極低倍
対物レンズの瞳位置と第2可変絞りが共役になり、極低
倍対物レンズの瞳径をD、極低倍対物レンズの瞳位置に
おける前記第2可変絞りの最小径をdとするとき、以下
の条件(2)を満足することが望ましい。
【0014】 d/D≦0.5 ・・・(2) また、その照明光学系は、第1可変絞りが高倍又は低倍
用コンデンサレンズの前側焦点位置に配置され、第2可
変絞りがコレクタレンズ系内の前記標本面と共役な位置
に配置されることが望ましい。
【0015】また、その照明光学系は、さらに中間レン
ズ群を備え、第1可変絞りが高倍又は低倍用コンデンサ
レンズの前側焦点位置あるいはその共役点に配置され、
第2可変絞りがその中間レンズ系内の標本面と共役な位
置に配置されることが望ましい。
【0016】本発明は、照明光学系として以上のような
顕微鏡用照明光学系を備えている顕微鏡を含むものであ
り、その場合、その顕微鏡用照明光学系は透過型照明光
学系であることが望ましい。
【0017】本発明においては、複数のコンデンサレン
ズ系のうち、最も倍率の小さいコンデンサレンズ系が、
第2可変絞りの像を標本面に対して有限な位置に結像
し、かつ、顕微鏡用照明光学系内の標本面と共役な位置
を第1可変絞りより光源側あるいは中間レンズ系側に位
置させるような構成になっているので、標本に光源像が
重なって見えるのを防ぐために、標本面と共役な位置が
第1可変絞りより光源側に位置する場合は、第1可変絞
りより離れた中間レンズ系の最も光源側レンズの近傍に
光拡散板を配置するか、あるいは標本面と共役な位置が
中間レンズ系側に位置する場合は、コレクタレンズ系の
最も標本面側レンズの近傍に光拡散板を配置すると、光
源像がぼけて見えず、また、光拡散板のざらざらも見え
ない均一な照明が可能となる。しかも、光拡散板が第2
可変絞りよりも光源側に配置されるため、第2可変絞り
の明るさ絞りとしての機能も損なわれることがなく、第
2可変絞りを調節して開口数を調整することによりコン
トラストの弱い標本の可視化、位相分布の可視化等が可
能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の顕微鏡用照明光学
系について説明する。本発明の基本原理は、特開平9―
33820号で提案された顕微鏡用照明光学系の配置に
おいて、図5(b)の極低倍用の光学系配置において、
第2可変絞りFの開口の1点から出る光束が標本面2に
アフォーカル状態で入射するようにすること、すなわ
ち、第2可変絞りFの像を標本面2の空間で無限遠に結
像させることを止めて、標本面2の空間の有限位置に結
像させるようにすることである。このような関係を満た
すように極低倍用コンデンサレンズ群Lc2を変更する
ことにより、照明光学系内の標本面2と共役な位置をよ
り光源1側へ移動させることができる。その結果、第2
可変絞りFと標本面2の間でなく、第2可変絞りFより
光源1側であって、光拡散板のざらざらが見えない位置
に光拡散板が配置でき、極低倍(例えば0.5倍〜1
倍)において、光源像が見えない均一な照明が可能で、
明るさ絞りである第2可変絞りFを調節して開口数を調
整することによりコントラストの弱い標本の可視化、位
相分布の可視化等が可能な照明が可能になる。
【0019】以下に、従来技術の説明と一部重複する
が、本発明による顕微鏡用照明光学系の1実施例につい
て説明する。図1に、この実施例の顕微鏡用照明光学系
を備えた顕微鏡の光路図を示す(顕微鏡は対物レンズの
みを示し、接眼レンズ、投影レンズ等は図示を省いてあ
る。)。また、図2にその照明光学系のみの光路図を示
す。
【0020】図1(a)、図2(a)は高倍あるいは低
倍用のときの配置を示し、図5(a)の場合と同様の配
置になっている。すなわち、光源1から出た光は、第1
コレクタレンズ群L1と第2コレクタレンズ群L2を通
り、この両コレクタレンズ群L1,L2によって光源1
の1次像を結ぶ。この1次像の位置には、第1可変絞り
Aが配置されている。第1可変絞りAを通過した光束
は、第1中間レンズ群L3と第2可変絞りFと第2中間
レンズ群L4を通り、両中間レンズ群L3,L4によっ
て再結像して光源1の2次像を結ぶ。したがって、この
2次像の像面の位置は、両中間レンズ群L3,L4に関
する第1可変絞りAとの共役面になっている。また、第
2可変絞りFは、第2中間レンズ群L4の前側焦点位置
に配置されている。第2中間レンズ群L4の後側には、
光源1の2次像からの光束を標本面2へコリメート光と
して導く高倍又は低倍用コンデンサレンズ群Lc1が配
置されている。また、標本面2は、第2中間レンズ群L
4と高倍又は低倍用コンデンサレンズ群Lc1に関する
第2可変絞りFとの共役面になっている。
【0021】したがって、図1(a)、図2(a)の高
倍あるいは低倍用のとき(例えば4倍〜100倍)に
は、第1可変絞りAは明るさ絞り、第2可変絞りFは視
野絞りになっており、顕微鏡の高倍又は低倍対物レンズ
Ob1の後側焦点と第1可変絞りA、光源1は共役にな
っており、この照明光学系全体はケラー照明系として作
用し、視野の輪郭が明確で、明るく、照明むらがない標
本面2に置かれた標本の拡大像が像面3上に結像され
る。この状態で、照明むら、開口数不足を防ぐために、
第2コレクタレンズ群L2と第1中間レンズ群L3の間
の位置Iに光拡散板(フロスト板)を挿入する。
【0022】図1(b)、図2(b)は、本発明に基づ
く極低倍用(例えば0.5倍〜1倍)のときの配置を示
しており、高倍又は低倍用コンデンサレンズ群Lc1の
代わりに、第2可変絞りFの像が無限遠でなく、標本面
2の空間の有限位置P(図2(b))に結像するような
極低倍用コンデンサレンズ群Lc3を配置する。ここで
は、極低倍用コンデンサレンズ群Lc3として、従来の
極低倍用コンデンサレンズ群Lc2と同程度の焦点距離
を有するものを用いて、物体距離を若干大きくして上記
のように第2可変絞りFが標本面2を挟んで対物レンズ
側の空間の有限位置Pに結像するようにしている。な
お、この有限位置Pは対物レンズにとっての入射瞳位置
になる。
【0023】このような極低倍用コンデンサレンズ群L
c3を用いると、照明光学系内の標本面2と共役な位置
は、第1可変絞りAより光源1側の位置I近傍に移動す
る(極低倍用コンデンサレンズ群Lc3として、従来の
極低倍用コンデンサレンズ群Lc2より焦点距離が短い
ものを用いる場合は、逆に、第1可変絞りAより第1中
間レンズ群L3側に移動する。)。
【0024】したがって、本発明による極低倍用状態で
は、第1可変絞りAは厳密な意味での視野絞りとはなら
ないが、第2可変絞りFは明るさ絞りとして作用する。
極低倍用照明光学系においては、視野絞りと明るさ絞り
を比較して、明るさ絞りの方が重要であり、この点は問
題にならない。なお、顕微鏡の極低倍対物レンズOb2
の後側焦点には、光源1も第2可変絞りFも結像してお
らず、この照明光学系全体はクリティカル照明としても
ケラー照明としても作用していない。
【0025】図1(b)、図2(b)の状態では、上記
のように、照明光学系内の標本面2と共役な位置は第1
可変絞りAより光源1側の位置I近傍に移動しているの
で、標本に光源1の像が重なってフィラメント像が見え
るのを防ぐためには(この配置では、光源1と標本面2
は共役からずれているが、第2可変絞りFを絞って焦点
深度を深めたときに、光源像が見える。)、第2コレク
タレンズ群L2側の位置Iに光拡散板を挿入すると、光
拡散板のざらざらが見えてしまう。しかし、第1中間レ
ンズ群L3近傍の位置IIIは、標本面2と共役な位置
から大きくずれる(従来例に比べて2倍以上)ので、こ
の位置IIIに光拡散板を配置すると、光源像がぼけて
見えず、また、光拡散板のざらざらも見えない均一な照
明が可能となる。しかも、光拡散板が第2可変絞りFよ
りも光源1側に配置されるため、第2可変絞りFの明る
さ絞りとしての機能も損なわれることがなく、第2可変
絞りFを調節して開口数を調整することによりコントラ
ストの弱い標本の可視化、位相分布の可視化等が可能に
なる。
【0026】ここで、図2(b)において、標本面2か
ら標本面2空間中の第2可変絞りFの像位置Pまでの距
離をa、第2可変絞りFを絞り込んだときの標本面2上
での光束径(照明範囲)をbとするとき、 2b<a<4b ・・・(1) の関係を満足するように極低倍用コンデンサレンズ群L
c3を構成することが望ましい。上記条件(1)の上限
の4bを越えると、標本面2の共役位置が第1可変絞り
Aからずれる距離が不足し、従来の特開平9―3382
0号の光学系(図5(b))に近いものになり、第2可
変絞りFを絞っても、コントラストの弱い標本の可視
化、位相分布の可視化等ができなくなる。逆に、下限の
2bを越えると、極低倍用コンデンサレンズ群Lc3の
外径が大きくなりすぎ実用的でなくなる。
【0027】ところで、図1、図2の実施例では、極低
倍用コンデンサレンズ群Lc3として、照明光学系内の
標本面2と共役な位置が第1可変絞りAより光源1側の
位置I近傍に移動するように、従来の極低倍用コンデン
サレンズ群Lc2と同程度の焦点距離を有し、物体距離
が若干大きくなるものを用いたが、従来の極低倍用コン
デンサレンズ群Lc2より焦点距離が短いものを用い、
照明光学系内の標本面2と共役な位置が第1可変絞りA
より第1中間レンズ群L3側に移動するものを用いても
よい。その場合は、標本面2上での光源像をぼかすため
の光拡散板は、第2コレクタレンズ群L2近傍の位置I
に配置する。
【0028】以上説明したように、極低倍用コンデンサ
レンズ系は極低倍対物レンズと共に用いられるが、この
場合、極低倍用コンデンサレンズ系と極低倍対物レンズ
によつて、極低倍対物レンズの瞳位置と第2可変絞りF
が共役になる。
【0029】このとき、図3に示すように、極低倍対物
レンズの瞳径をD、極低倍対物レンズの瞳位置(対物レ
ンズの瞳位置に投影された第2可変絞りFの像)におけ
る第2可変絞りFの最小径をdとするとき、以下の条件
(2)を満足することが望ましい。
【0030】 d/D≦0.5 ・・・(2) 条件(2)の上限0.5を越える場合、すなわち、第2
開口絞りFの径が大きくなると、コントラストの弱い標
本や位相標本を観察する場合に十分なコントラストが得
られず、せっかく光拡散板や光源像が重なって見えない
照明系を提供できても、透明な標本やコントラストの弱
い標本での観察が良好に行えない。
【0031】なお、下記条件を満足することがより好ま
しい。 0.1≦d/D≦0.5 ・・・(2)’ 図4は、別の顕微鏡用照明光学系を示す図である。図4
は、図1の照明光学系の第1中間レンズ群L3と第2中
間レンズ群L4を省略した簡易型の照明光学系である。
【0032】図4(a)は高倍又は低倍用コンデンサレ
ンズ群Lc1が用いられるときの照明光学系で、光源1
から出た光は、第1コレクタレンズ群L1と第2コレク
タレンズ群L2を通り、この両コレクタレンズ群L1、
L2によって光源1の1次像を結ぶ。この1次像位置は
コンデンサレンズ群Lc1の前側焦点位置に一致してお
り、ここに第1可変絞りAが配置されている。
【0033】また、第1コレクタレンズ群L1と第2コ
レクタレンズ群L2の間であって、標本面2と共役な位
置に第2可変絞りFが配置されている。したがって、図
4(a)では、第1可変絞りAが開口絞りとして機能
し、第2可変絞りFが視野絞りとして機能する。なお、
拡散板は、第2可変絞りFと第1コレクタレンズ群L1
の間であって、第1コレクタレンズ群L1の近傍に配置
すればよい。
【0034】一方、図4(b)は、本発明に基づく極低
倍用コンデンサレンズ群Lc3を使用する場合の照明光
学系である。この場合、図1と同様に、極低倍用コンデ
ンサレンス群Lc3は第2可変絞りFの像が、標本面2
を挟んで対物レンズ側の空間の有限位置P(図2
(b))に結像するようになるため、図4(a)で視野
絞りとして機能していた第2開口絞りFは、極低倍用コ
ンデンサレンズ群Lc3を使用する場合は、明るさ絞り
として機能する。なお、図4(a)における第1開口絞
りAは、極低倍用コンデンサレンズ群Lc3の照明光路
内への移動に伴って、高倍又は低倍用コンデンサレンズ
群Lc2と共に照明光路の外へ移動する。
【0035】以上、本発明の顕微鏡用照明光学系を実施
例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に
限定されず種々の変形が可能である。なお、本発明にお
いて、高倍用コンデンサレンズ群、低倍用コンデンサレ
ンズ群及び極低倍用コンデンサレンズ群間の切り換え機
構については、何れの方法、機構を用いてもよい。
【0036】以上の本発明の顕微鏡用照明光学系及びそ
の照明光学系を備えた顕微鏡は例えば次のように構成す
ることができる。 〔1〕 光源から標本面へ到る順に、光源、前記光源の
1次像を結像するコレクタレンズ系、前記1次像位置に
配置された第1可変絞り、系中に第2可変絞りを有し、
前記第1可変絞りの像を系の後側に結像する中間レンズ
系と、前記中間レンズ系と標本面の間に交換可能に配置
される複数の倍率の異なるコンデンサレンズ系とからな
る顕微鏡用照明光学系において、前記の複数のコンデン
サレンズ系のうち、最も倍率の小さいコンデンサレンズ
系は、前記第2可変絞りの像を前記標本面に対して有限
な位置に結像し、かつ、該顕微鏡用照明光学系内の前記
標本面と共役な位置を前記第1可変絞りより前記光源側
あるいは前記中間レンズ系側に位置させるような構成に
なっていることを特徴とする顕微鏡用照明光学系。
【0037】〔2〕 前記の最も倍率の小さいコンデン
サレンズ系は、前記標本面から前記有限位置までの距離
をa、前記第2可変絞りを絞り込んだときの前記標本面
上での光束径(照明範囲)をbとするとき、 2b<a<4b ・・・(1) の関係を満足するものであることを特徴とする上記1記
載の顕微鏡用照明光学系。
【0038】〔3〕 前記の複数のコンデンサレンズ系
のうち、前記の最も倍率の小さいコンデンサレンズ系以
外のコンデンサレンズ系を用いるときに、前記第2可変
絞りと前記標本面が共役になり、前記第1可変絞りは前
記標本面に対して無限遠に結像されることを特徴とする
上記1又は2記載の顕微鏡用照明光学系。
【0039】〔4〕 光源と、前記光源からの光を集光
するコレクタレンズ系と、前記コレクタレンズ系からの
光を受けて標本を照明するコンデンサレンズ系と、第1
可変絞りとを備えた照明光学系であって、前記コンデン
サレンス系は複数の倍率の異なるコンデンサレンズ系で
構成され、前記コンデンサレンズ系のうち、高倍又は低
倍用コンデンサレンズで構成される照明光学系は、前記
第1可変絞り位置が前記光源と共役になり、第2可変絞
り位置が前記標本と共役になるように構成され、前記コ
ンデンサレンズ系のうち、極低倍用コンテンサレンズで
構成される照明光学系は、前記第2可変絞りの光源側近
傍に光拡散部材が配置されて構成されることを特徴とす
る顕微鏡用照明光学系。
【0040】〔5〕 前記極低倍用コンデンサレンズ系
は極低倍対物レンズと共に用いられ、これによって極低
倍対物レンズの瞳位置と前記第2可変絞りが共役にな
り、前記極低倍対物レンズの瞳径をD、前記極低倍対物
レンズの瞳位置における前記第2可変絞りの最小径をd
とするとき、以下の条件(2)を満足することを特徴と
する上記4記載の顕微鏡用照明光学系。
【0041】 d/D≦0.5 ・・・(2) 〔6〕 前記照明光学系は、前記第1可変絞りが前記高
倍又は低倍用コンデンサレンズの前側焦点位置に配置さ
れ、前記第2可変絞りが前記コレクタレンズ系内の前記
標本面と共役な位置に配置されることを特徴とする上記
4又は5記載の顕微鏡用照明光学系。
【0042】〔7〕 前記照明光学系は、さらに中間レ
ンズ群を備え、前記第1可変絞りが前記高倍又は低倍用
コンデンサレンズの前側焦点位置あるいはその共役点に
配置され、第2可変絞りが前記中間レンズ系内の前記標
本面と共役な位置に配置されることを特徴とする上記4
から6の何れか1項記載の顕微鏡用照明光学系。
【0043】〔8〕 照明光学系として上記1から7の
何れか1項記載の顕微鏡用照明光学系を備えていること
を特徴とする顕微鏡。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の顕微鏡用照明光学系及びその照明光学系を備えた顕微
鏡によると、複数のコンデンサレンズ系のうち、最も倍
率の小さいコンデンサレンズ系が、第2可変絞りの像を
標本面に対して有限な位置に結像し、かつ、顕微鏡用照
明光学系内の標本面と共役な位置を第1可変絞りより光
源側あるいは中間レンズ系側に位置させるような構成に
なっているので、標本に光源像が重なって見えるのを防
ぐために、標本面と共役な位置が第1可変絞りより光源
側に位置する場合は、第1可変絞りより離れた中間レン
ズ系の最も光源側レンズの近傍に光拡散板を配置する
か、あるいは標本面と共役な位置が中間レンズ系側に位
置する場合は、コレクタレンズ系の最も標本面側レンズ
の近傍に光拡散板を配置すると、光源像がぼけて見え
ず、また、光拡散板のざらざらも見えない均一な照明が
可能となる。しかも、光拡散板が第2可変絞りよりも光
源側に配置されるため、第2可変絞りの明るさ絞りとし
ての機能も損なわれることがなく、第2可変絞りを調節
して開口数を調整することによりコントラストの弱い標
本の可視化、位相分布の可視化等が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の顕微鏡用照明光学系を備え
た顕微鏡の光路図である。
【図2】図1の顕微鏡用照明光学系のみの光路図であ
る。
【図3】極低倍対物レンズの瞳径とその瞳位置における
第2可変絞りの最小径との関係を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の別の実施例の顕微鏡用照明光学系を備
えた顕微鏡の光路図である。
【図5】従来の1例の顕微鏡用照明光学系の光路図であ
る。
【符号の説明】 1…光源 2…標本面 3…顕微鏡の像面 A…第1可変絞り F…第2可変絞り L1…第1コレクタレンズ群 L2…第2コレクタレンズ群 L3…第1中間レンズ群 L4…第2中間レンズ群 Lc1…高倍又は低倍用コンデンサレンズ群 Ob1…高倍又は低倍顕微鏡対物レンズ Ob2…極低倍顕微鏡対物レンズ Lc3…極低倍用コンデンサレンズ群(本発明) Lc2…極低倍用コンデンサレンズ群(従来例) P…第2可変絞り像の結像位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から標本面へ到る順に、光源、前記
    光源の1次像を結像するコレクタレンズ系、前記1次像
    位置に配置された第1可変絞り、系中に第2可変絞りを
    有し、前記第1可変絞りの像を系の後側に結像する中間
    レンズ系と、前記中間レンズ系と標本面の間に交換可能
    に配置される複数の倍率の異なるコンデンサレンズ系と
    からなる顕微鏡用照明光学系において、 前記の複数のコンデンサレンズ系のうち、最も倍率の小
    さいコンデンサレンズ系は、前記第2可変絞りの像を前
    記標本面に対して有限な位置に結像し、かつ、該顕微鏡
    用照明光学系内の前記標本面と共役な位置を前記第1可
    変絞りより前記光源側あるいは前記中間レンズ系側に位
    置させるような構成になっていることを特徴とする顕微
    鏡用照明光学系。
  2. 【請求項2】 前記の最も倍率の小さいコンデンサレン
    ズ系は、前記標本面から前記有限位置までの距離をa、
    前記第2可変絞りを絞り込んだときの前記標本面上での
    光束径(照明範囲)をbとするとき、 2b<a<4b ・・・(1) の関係を満足するものであることを特徴とする請求項1
    記載の顕微鏡用照明光学系。
  3. 【請求項3】 前記の複数のコンデンサレンズ系のう
    ち、前記の最も倍率の小さいコンデンサレンズ系以外の
    コンデンサレンズ系を用いるときに、前記第2可変絞り
    と前記標本面が共役になり、前記第1可変絞りは前記標
    本面に対して無限遠に結像されることを特徴とする請求
    項1又は2記載の顕微鏡用照明光学系。
  4. 【請求項4】 照明光学系として請求項1から3の何れ
    か1項記載の顕微鏡用照明光学系を備えていることを特
    徴とする顕微鏡。
JP2386599A 1998-02-06 1999-02-01 顕微鏡用照明光学系及びその照明光学系を備えた顕微鏡 Withdrawn JPH11287955A (ja)

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