JPH11287910A - 位相差板の製造方法 - Google Patents
位相差板の製造方法Info
- Publication number
- JPH11287910A JPH11287910A JP13057598A JP13057598A JPH11287910A JP H11287910 A JPH11287910 A JP H11287910A JP 13057598 A JP13057598 A JP 13057598A JP 13057598 A JP13057598 A JP 13057598A JP H11287910 A JPH11287910 A JP H11287910A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- temperature
- thermoplastic resin
- stretching
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
を用いた場合であっても、フィルム面内方向におけるレ
ターデーション値の均一性が高められた位相差板を安定
にかつ高い生産性でもって提供することを可能とする方
法を得る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムをそのガラス転移
点をTgとしたときに、Tg−30℃〜Tg+60℃の
範囲の温度でかつ厚みの相対的に厚い部分が相対的に薄
い部分よりも厚み方向平均温度が高くなるようにして一
軸または二軸延伸する位相差板の製造方法
Description
延伸された熱可塑性樹脂フィルムよりなる位相差板の製
造方法に関し、例えば、液晶表示装置等において位相差
を補償するために用いるのに好適な位相差板の製造方法
に関する。
ク)液晶表示装置やSTN(スーパーツイステッドネマ
チック)液晶表示装置が、各種OA機器や表示機器に用
いられている。しかしながら、上記液晶表示装置では、
液晶セルで生じる位相差により表示画面が着色するとい
う問題があった。そのため、位相差フィルムを用いて上
記着色を解消する方法が用いられている。
可塑性樹脂フィルムを一軸延伸する方法が挙げられる。
この場合、延伸方法としては、縦一軸延伸(特開平2−
191904号公報)や横一軸延伸(特開平2−424
06号公報)などが報告されている。
ゆるレターデーション値で表される。レターデーション
値は、樹脂フィルムの屈折率の異方性(すなわち複屈折
率)をΔn、フィルムの膜厚をdとしたときに、Δn×
dで表される。
全面にわたり色ムラやコントラストのムラが生じ難いこ
とが要望されている。このような均一な表示を可能とす
る液晶表示装置を提供するためには、位相差フィルムに
おいてもレターデーション値が全面にわたり均一である
ことが要求される。
差板の製造方法として、特開平8−122526号公報
には、ポリアリレート及び/またはポリサルフォン溶液
を流延成膜して原反フィルムを得、この原反フィルム中
の溶剤含有量を固形分基準で0.5〜7重量%に調整し
た後、延伸して位相差板を製造する方法が提案されてい
る。
行技術に記載の製造方法により得られた位相差板では、
複屈折率Δnが幅方向に均一化されていたとしても、フ
ィルムの厚みdがばらついていると、レターデーション
値がばらつくことになり、色むらやコントラストむらを
解消することができなかった。
前述したように、位相差板を液晶表示装置に組み込んだ
際に、レターデーション値のばらつきは1cm隔てた2
点間の差が3nm以下であれば色むらとして認識されな
いと言われており、より好ましくは1nm以下であるこ
とが求められている。従って、厚みが70μm、レター
デーション値の平均値が700nmの位相差板を製造し
た場合、厚みむらは70±0.3μm以下、望ましくは
70±0.1μm以下の範囲であることが求められる。
しかしながら、流延成膜法によりこのように厚み精度の
高いフィルムを成形することは、非常に困難である。従
って、上記先行技術に記載の方法により、レターデーシ
ョン値が均一な位相差板を得ることは実際には非常に難
しかった。
流延成膜法を用いているため、成膜に必要な設備が高価
であり、生産性が悪いという問題もあった。さらに、溶
剤を用いているため、溶剤を押出機に供給するのは危険
であり、また押出成形の際にほとんどの溶剤が揮発する
ため、通常の押出機を利用する場合には効果が見られな
い。
を解消し、延伸前のフィルムに厚みのばらつきが存在し
たとしても、面内方向の全領域においてレターデーショ
ン値がより一層均一な位相差板を安定にかつ高い生産性
で得ることを可能とする製造方法を提供することにあ
る。
係る位相差板の製造方法は、熱可塑性樹脂フィルムを、
ガラス転移点をTgとしたとき、Tg−30℃〜Tg+
60℃の範囲の温度でかつ厚みの厚い部分が薄い部分よ
りも厚み方向の平均温度が高くなるようにして一軸また
は二軸延伸することを特徴とする。請求項2に記載の発
明に係る位相差板の製造方法は、熱可塑性樹脂フィルム
の下記の式(1)で表わされる幅方向の厚み差R
ムの厚みが最も厚い部分の方が厚みの最も薄い部分より
も厚み方向の平均温度が0.1A〜0.6A℃高い状態
で一軸または二軸延伸することを特徴とする。
造方法は、延伸前に、熱可塑性樹脂フィルムを、ガラス
転移点をTgとしたとき、Tg−30℃〜Tg+60℃
の範囲内の一定温度に保った後、該一定温度よりも低い
温度に冷却しつつ一軸または二軸延伸することを特徴と
する。
くは、請求項4に記載のように、延伸前と延伸中のフィ
ルムの温度差、すなわち(延伸前のフィルム温度)−
(延伸中のフィルム温度)が20℃〜90℃の範囲内と
される。
造方法では、延伸後のフィルム温度が、Tg以上の場
合、延伸直後に延伸された熱可塑性樹脂フィルムをTg
−20℃以下に急冷する。
塑性樹脂フィルムとして、溶融押出成形法で得られた熱
可塑性樹脂フィルムが用いられる。請求項7に記載の発
明では、熱可塑性樹脂フィルムとして、ポリサルフォン
系樹脂またはポリカーボネート系樹脂が用いられる。
塑性樹脂フィルムとして、熱可塑性樹脂100重量部に
対し、可塑剤0.2〜20重量部を含有する熱可塑性樹
脂フィルムが用いられる。
載の発明に係る位相差板の製造方法において、熱可塑性
樹脂としてポリサルフォン系樹脂が用いられ、可塑剤と
してフタル酸系可塑剤が用いられる。
求項1に記載の発明に係る位相差板の製造方法で用いら
れる熱可塑性樹脂としては、延伸により複屈折性を示す
限り、適宜の熱可塑性樹脂を用いることができ、例え
ば、セルロース樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、オレフィン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチ
ル系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリアリレート系樹
脂、ポリエーテルサルホン系樹脂などを挙げることがで
きる。
製膜方法についても特に限定されず、従って、上記熱可
塑性樹脂フィルムは、押出成形法により得られたもので
あってもよく、溶液流延法によって得られたものであっ
てもよい。
出成形法により得られた熱可塑性樹脂フィルムが用いら
れる。また、上記熱可塑性樹脂フィルムの厚みについて
も、特に限定されるわけではないが、例えば、液晶表示
装置において位相差を補償する用途に用いる場合には、
通常、50〜100μm程度の厚みのものが用いられ
る。
樹脂フィルムを、そのガラス転移点をTgとしたとき、
Tg−30℃〜Tg+60℃の範囲の温度で、かつ厚み
の厚い部分が薄い部分よりも厚み方向の平均温度が高く
なるようにして一軸または二軸延伸する。
設定するのは、フィルム温度がTg−30℃より低い
と、熱可塑性樹脂フィルムの柔軟性が十分でなく、延伸
に際し熱可塑性樹脂フィルムが破断し易くなる。また、
延伸に際してのフィルム温度がTg+60℃より高い
と、熱可塑性樹脂の粘度が低くなり、熱可塑性樹脂フィ
ルムが搬送中にたれたりするおそれがある。
30℃〜Tg+60℃に調整する方法については、特に
限定されず、熱風、マイクロ波もしくは遠赤外線などを
利用した適宜のヒーター、温度調節ロール、ヒートパイ
プロール及び金属ベルトなどを適宜組み合わせた公知の
方法を用いることができる。
み方向の平均温度とは、フィルムを厚み方向に5分割
し、計測して得られたフィルム温度の平均値をいうもの
とする。この計測方法としては、フィルムの側面から厚
み方向に5分割するようにそれぞれ切り口を形成し、切
り口に集積熱電対を挿入し、固定し、フィルム温度を形
成する。例えば、熱可塑性樹脂フィルムの厚みが100
μmの場合には、20μmピッチで厚み方向に4箇所の
切り口を形成し、上記集積熱電対を挿入し、フィルム温
度を測定すればよい。
面から裏面にかけて5箇所の部分で温度が測定されるこ
とになる。フィルムの厚みが100μm以下の場合に
は、熱伝導速度が速く、フィルム中心温度とフィルム表
面温度との差が非常に小さく、例えば0.1℃程度にす
ぎないため、フィルムの表面温度を厚み方向平均温度と
すればよい。
フィルムの厚みの厚い部分が薄い部分よりも厚み方向平
均温度が高くなるようにフィルム温度を設定し、一軸ま
たは二軸延伸する。この場合、厚み方向の厚い部分及び
薄い部分の検出並びに厚みの厚い部分と薄い部分とでフ
ィルム温度を調節する方法については、以下のようにし
て行い得る。
レーザー、放射線(α線,β線)、超音波等を用いた公
知の非接触式厚み計を用いて行うことができる。フィル
ム温度を調節する方法は、特に限定されず、熱風、マイ
クロ波もしくは遠赤外線等を利用した公知のヒーターを
用いて行うことができる。
いては、特に限定されず、ロールによる縦一軸延伸、テ
ンターによる横一軸延伸、あるいはこれらを組み合わせ
た二軸延伸などの公知の方法を用いることができる。な
お、延伸倍率についても特に限定されず、例えば、液晶
表示装置用位相差板を得る場合には、1.1〜2.0倍
程度とすることが好ましい。
の発明では、熱可塑性樹脂フィルムを一軸または二軸延
伸するに際し、該熱可塑性樹脂フィルムの上述した式
(1)で表わされる幅方向の厚み差Rを±A%とする
と、該熱可塑性樹脂フィルムの厚みが最も厚い部分の方
が厚みの最も薄い部分よりも厚み方向の平均温度が0.
1A〜0.6A℃高い状態で延伸を行う。
可塑性樹脂並びに熱可塑性樹脂フィルムについては、請
求項1に記載の発明の場合と同様である。また、厚み方
向平均温度の測定方法、並びに厚みが最も厚い部分と厚
みが最も薄い部分とを検出し、それぞれにおいて厚み方
向の平均温度を測定する方法についても、請求項1に記
載の発明の場合と同様にして行い得る。
方向の平均温度を、厚みが最も薄い部分の厚み方向平均
温度よりも0.1A〜0.6A℃高い状態で延伸するの
は、厚みが最も厚い部分において厚みが最も薄い部分よ
りも高い温度で延伸することにより、厚みばらつきに起
因するレターデーション値の差を補償するためである。
フィルムの厚みと複屈折率Δnとの積により表わされ
る。従って、フィルムの厚みの厚い部分では、複屈折率
Δnを小さくし、フィルムの厚みの薄い部分では、複屈
折率Δnを小さくすれば、厚みの差に起因するレターデ
ーション値のばらつきを補償することができる。
合、フィルム温度が高い程、延伸による配向が小さくな
り、複屈折率Δnが小さくなる。従って、請求項2に記
載の発明では、厚みの最も厚い部分の厚み方向平均温度
を、厚みの最も薄い部分の厚み方向平均温度よりも0.
1A〜0.6A℃高くして延伸することにより、複屈折
率Δnと厚みとの積のばらつきが低減される。上記厚み
が最も厚い部分と厚みが最も薄い部分との厚み方向平均
温度差が、0.1A℃未満の場合には、厚みに比例した
レターデーション値を示すフィルムが得られ、レターデ
ーション値の面内方向における均一化を果たすことがで
きなくなる。また、上記厚み方向平均温度差が0.6A
℃より高い場合には、厚みの厚い部分におけるレターデ
ーション値が小さくなりすぎ、やはりレターデーション
値の均一化を果たすことができなくなる。
二軸延伸に際しての具体的な延伸方法については、請求
項1に記載の発明の場合と同様の方法を用いることがで
き、特に限定されない。
の発明では、延伸前に熱可塑性樹脂フィルムを、そのガ
ラス転移点をTgとしたとき、Tg−30℃〜Tg+6
0℃の範囲内の一定温度に保った後、該一定温度よりも
低い温度に冷却しつつ、一軸または二軸延伸する。
塑性樹脂フィルムについては、請求項1に記載の発明の
場合と同様である。請求項3に記載の発明では、上記熱
可塑性樹脂フィルムのガラス転移点をTgとしたとき、
延伸に先立ち、上記特定の温度範囲内の一定温度に保
つ。その一定温度に熱可塑性樹脂フィルムを保つことに
より、熱可塑性樹脂フィルムの面内方向の伸張粘度のば
らつきが小さくなり、それによって次に冷却延伸される
場合に生じる厚みばらつきが低減される。この厚みばら
つきが大きくなると、最終的に得られる位相差板のレタ
ーデーション値の面内方向のばらつきが大きくなる。
測定は、熱可塑性樹脂フィルムの表面温度を測定するこ
とにより行うことができる。この表面温度を検出する方
法については、特に限定されず、従来より公知の表面温
度計を用いた方法などが挙げられる。
と、熱可塑性樹脂フィルムを後で延伸するに際し、フィ
ルムの柔軟性が十分でなくなり、破断し易くなる。上記
一定温度がTg+60℃より高いと、熱可塑性樹脂フィ
ルムの保形性が低下し、搬送等において熱可塑性樹脂フ
ィルムがたれたり、変形したりすることがある。
ムの温度を制御する具体的な方法についても特に限定さ
れず、熱風、マイクロ波もしくは遠赤外線などを利用し
たヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパ
イプロールまたは金属ベルトなどを用いた公知の加熱方
法や温度制御方法を採用することができる。
可塑性樹脂フィルムでは、面内方向の温度ばらつきが大
きいと、後で延伸されるに際し、伸張粘度のばらつきに
より、厚みのむらが大きくなり、最終的に得られた位相
差板のレターデーション値のばらつきが大きくなる。従
って、延伸前の熱可塑性樹脂フィルムのフィルム面内方
向の温度ばらつきは、小さければ小さいほど好ましく、
より好ましくは面内方向の温度ばらつきを±0.5℃の
範囲内とすることが望ましい。
らつきを低減するには、熱可塑性樹脂フィルムを一定温
度に制御する際の雰囲気温度もばらつきの小さいことが
望ましい。
脂フィルムを該一定温度よりも低い温度に冷却しつつ一
軸または二軸延伸する。請求項3に記載の発明におい
て、熱可塑性樹脂フィルムを上記一定温度より低い温度
に冷却して延伸するのは、熱可塑性樹脂フィルムの厚み
の大きな部分と小さい部分との冷却効果の差と、フィル
ム温度により延伸により得られる複屈折率Δnが異なる
ことを利用して、厚みの大きな部分と小さい部分とのレ
ターデーション値を近づけるためである。
脂フィルムを上記一定温度よりも低い温度に冷却すれば
よく、この一定温度については、延伸により熱可塑性樹
脂フィルムが破断しない限り、特に限定されるものでは
ない。もっとも、好ましくは、冷却延伸に際しての熱可
塑性樹脂フィルムの温度については、好ましくは、Tg
−30℃以上で上記一定温度未満の範囲とされる。熱可
塑性樹脂フィルムの冷却延伸に際してのフィルム温度
が、Tg−30℃より低くなると、延伸に際し熱可塑性
樹脂フィルムの破断が生じ易くなる。
の温度が、上記一定温度以上であれば、冷却により延伸
後のレターデーション値を均一化する効果が得られな
い。冷却延伸に際しての熱可塑性樹脂フィルムの温度ば
らつきについても、小さければ小さいほど好ましい。冷
却延伸に際して熱可塑性樹脂フィルムのフィルム面内方
向の温度ばらつきが大きいと、延伸されるに際し、伸張
粘度の違いにより厚みばらつきが大きく助長され、得ら
れる位相差板のレターデーション値のばらつきが大きく
なる。また、冷却延伸に際しては、上記のようにフィル
ム面内方向の温度のばらつきを小さくすることが好まし
いが、当然のことながら、冷却延伸に際しての雰囲気温
度についてもばらつきが小さいことが望ましい。
樹脂フィルムのフィルム面内方向の温度ばらつきは±
0.5℃以内とされる。なお、冷却延伸に際して熱可塑
性樹脂フィルムを冷却する方法についても、熱風、温度
調節のために加温されたロール、ヒートパイプロールな
どを用いた適宜の方法を採用することができる。
具体的な方法についても特に限定されず、請求項1に記
載の発明の場合と同様の方法並びに同様の延伸倍率で延
伸することができる。
の発明は、請求項3に記載の発明に係る位相差板の製造
方法において、延伸前と延伸中のフィルムの温度差、す
なわち(延伸前のフィルム温度−延伸中のフィルム温
度)を20℃〜90℃とすることを特徴とする。熱可塑
性樹脂フィルムを延伸する際に冷却すると、熱容量の違
いにより、厚みが相対的に厚い部分は冷却され難く、厚
みの薄い部分は冷却され易くなる。従って、相対的に厚
みの厚い部分は相対的に厚みの薄い部分に比べて温度が
高くなる。
折性を与える場合、上述したとおり、フィルム温度が高
い程複屈折率Δnが小さくなる。また、レターデーショ
ン値は、フィルムの厚みdと複屈折率Δnの積である。
従って、上記冷却により厚みの相対的に厚み部分は相対
的に温度が高くなるので、延伸後の複屈折率Δnが小さ
くなり、厚みの薄い部分では、複屈折率Δnが大きくな
る。その結果、厚みの厚い部分と薄い部分におけるレタ
ーデーション値が近づけられる。
は、相対的に厚みの厚い部分と薄い部分とのレターデー
ション値が近づけられる。もっとも、上記延伸前のフィ
ルム温度と延伸中のフィルム温度との差を、20〜90
℃の範囲とすることにより、より一層レターデーション
値の面内方向のばらつきが低減され、より一層レターデ
ーション値の面内方向のばらつきが小さい位相差板を得
ることができる。上記温度差が20℃未満の場合には、
延伸後に得られたフィルムにおいて、レターデーション
値のばらつきが厚みに比例しがちとなり、90℃を超え
ると、厚みの厚い部分のレターデーション値が小さくな
り、レターデーション値の均一性が損なわれることがあ
る。
の発明は、請求項1〜4に記載の発明に係る位相差板の
製造方法において、延伸後のフィルム温度がTg以上の
場合に、延伸直後に延伸された熱可塑性樹脂フィルムを
Tg−20℃以下に急冷することを特徴とし、それによ
って延伸による応力を緩和させてレターデーション値の
面内方向のばらつきをより一層均一にすることができ
る。
脂フィルムの温度を、分子配向が凍結する温度に到達さ
せる速度で冷却することを意味する。従って、冷却速度
については、熱可塑性樹脂フィルムによっても異なる
が、急冷後1秒以内、望ましくは0.5秒以内、さらに
望ましくは0.25秒以内に、分子配向が凍結する温度
に到達する速度とされる。
分子配向が凍結する温度であれば特に限定されるわけで
はないが、熱可塑性樹脂フィルムをTg−20℃以下と
することが好ましく、それによって分子配向を確実に凍
結させることができる。なお、上記瞬時に急冷する方法
については、上記の条件を満たす限り特に限定されず、
例えば冷風や温度調節ロールを用いた方法などを用いる
ことができる。
の発明では、延伸前の熱可塑性樹脂フィルムとして、溶
融押出成形法で得られたものが用いられる。この溶融押
出成形法については特に限定されず、公知の様々な押出
機等を用いた溶融押出成形法により得られた熱可塑性樹
脂フィルムが用いられる。
の発明においては、請求項1〜6に記載の発明に係る位
相差板の製造方法において、上記熱可塑性樹脂フィルム
として、ポリサルフォン系樹脂またはポリカーボネート
系樹脂が用いられる。ポリサルフォン系樹脂やポリカー
ボネート系樹脂は、透明性に優れており、液晶の光の波
長分散性と同様の波長分散性を有する。従って、液晶表
示装置に好適な位相差板を提供することができる。
の発明では、請求項1〜6に記載の発明に係る位相差板
の製造方法において、延伸前の熱可塑性樹脂フィルムと
して、熱可塑性樹脂100重量部に対し、可塑剤0.2
〜20重量部を含有する熱可塑性樹脂フィルムが用いら
れる。
ることにより、成膜工程、予熱工程及び延伸工程の少な
くとも1つの工程で可塑剤を揮発させることができる。
その結果、厚みの相対的に厚い部分における可塑剤揮発
量と、厚みの相対的に薄い部分における可塑剤揮発量と
が同じであるため、厚みの相対的に厚い部分の残存可塑
剤量が、厚みの相対的に薄い部分に比べて多くなる。従
って、その状態で延伸することにより、レターデーショ
ン値の面内方向の均一化を図ることができる。
ジピン酸エステル、アゼライト酸エステル、安息香酸エ
ステル、イソブチル酸エステル、チオブチル酸エステ
ル、ブラシリック酸エステル、クエン酸エステル、グリ
コール酸エステル、イタコン酸エステル、オレイン酸エ
ステル、リン酸エステル、ホスフィン酸エステル、テト
ラヒドロフタル酸エステル、ヘキサヒドロフタル酸エス
テル、ピロメリット酸エステル、リシノール酸エステ
ル、セバシン酸エステル、コハク酸エステル、スルホン
アミド トリアセチレン、トリメリット酸エステル等が
挙げられる。
の発明は、請求項8に記載の発明に係る位相差板の製造
方法において、熱可塑性樹脂としてポリサルフォン系樹
脂を、可塑剤としてフタル酸系可塑剤を用いる。熱可塑
性樹脂としてポリサルフォン系樹脂を用いた場合、該ポ
リサルフォン系樹脂との相溶性に優れているフタル酸系
可塑剤が好適に用いられる。
塑性樹脂のガラス転移点をTgとしたときに、上記のよ
うにTg−30℃〜Tg+60℃の温度範囲で、かつ厚
みの厚い部分の方が厚みの薄い部分よりも厚み方向平均
温度が高い状態で一軸または二軸延伸を行う。この理由
は以下のとおりである。
り複屈折性を与える場合、一般にフィルム温度が高い
程、延伸時に配向度が低下し、複屈折率Δnが小さくな
ることが知られている。
値は、フィルムの厚みdと複屈折率Δnの積である。従
って、厚みの厚い部分において、相対的に高い温度で延
伸することにより、厚みの厚い部分の延伸後の複屈折率
Δnが小さくなり、逆に厚みの薄い部分では複屈折率Δ
nが大きくなる。従って、厚みの厚い部分と薄い部分と
のレターデーション値が近づけられることになる。
塑性樹脂フィルムの厚みばらつきをなくすことができな
いことに鑑み、厚みの相対的に厚い部分において、延伸
により得られる複屈折率Δnを厚みの薄い部分における
複屈折率Δnよりも小さくすることにより、フィルム面
内方向におけるレターデーション値の均一化を果たした
ことに特徴を有する。
フィルムの上記幅方向の厚み差Rが±A%の場合に、厚
みが最も厚い部分が、厚みの薄い部分よりも厚み方向平
均温度が0.1A〜0.6A℃高い状態で一軸または二
軸延伸する。
フィルムの厚みdと複屈折率Δnとの積である。従っ
て、請求項2に記載の発明では、厚みの相対的に厚い部
分では、温度が高くされるので、延伸後の複屈折率Δn
が小さくなり、厚みの薄い部分では複屈折率Δnが大き
くなり、両者のレターデーション値が近づけられる。
の最も厚い部分が、厚みの最も薄い部分よりも厚み方向
平均温度が上述したように0.1A〜0.6A℃高い状
態であれば、厚みの相対的に厚い部分の複屈折率Δnを
厚みの薄い部分の複屈折率Δnよりも小さくすることが
でき、それによってフィルム面内方向におけるレターデ
ーション値の均一化を果たしたことに特徴を有する。
塑性樹脂フィルムをTg−30℃〜Tg+60℃の範囲
内にある一定温度を保った後、該一定温度より低い温度
に冷却しつつ一軸または二軸延伸することによりレター
デーション値の面内方向のばらつきが小さくされる。こ
の理由は以下のとおりである。
温度範囲内の一定温度で保つことにより、熱可塑性樹脂
フィルムの面内方向の伸張粘度のばらつきが小さくな
り、それによって次工程で冷却延伸される際に生じる厚
みばらつきが低減される。この厚みばらつきが大きくな
ると、最終的に得られる位相差板のレターデーション値
のばらつきが大きくなる。
樹脂フィルムを冷却しつつ延伸する。この場合、熱可塑
性樹脂フィルムが冷却されると、熱容量の違いにより、
熱可塑性樹脂フィルムの厚みが相対的に大きな部分は冷
却され難く、相対的に厚みの小さい部分が冷却され易く
なる。そのため、熱可塑性樹脂フィルムの厚みの大きな
部分は、厚みの小さい部分に比べて温度が高くなる。
屈折性を与える場合には、一般に、フィルムの温度が高
くなるに連れて、複屈折率Δnが小さくなることが知ら
れている。
ィルムの厚みと複屈折率Δnの積である。従って、上記
冷却により、厚みの大きな部分は、相対的に温度が高く
なっているので、延伸後の複屈折率Δnは小さくなり、
厚みの薄い部分では複屈折率Δnが大きくなるが、レタ
ーデーション値を一定とした場合、厚みと複屈折率Δn
とが反比例の関係にあるため、厚みの大きな部分と厚み
の小さな部分のレターデーション値が近づけられる。
塑性樹脂フィルムの厚みばらつきをなくすことができな
いことに鑑み、上記一定温度に熱可塑性樹脂フィルムを
保った後、冷却しつつ延伸することにより、厚みの相対
的に大きな部分を小さい部分よりも、延伸により得られ
る複屈折率Δnを小さくし、それによって厚みのばらつ
きと複屈折率の差とを相殺することにより、フィルム面
内方向におけるレターデーション値の均一化を果たした
ことに特徴を有する。
中のフィルム温度差が上記のように20〜90℃の範囲
とされるようにして一軸または二軸延伸する。熱可塑性
樹脂フィルムを延伸する際に冷却すると、熱容量の違い
により熱可塑性樹脂フィルムの厚みが相対的に厚い部分
は冷却され難く、相対的に厚みの薄い部分は冷却され易
くなる。従って、相対的に厚みの厚い部分が相対的に厚
みの薄い部分に比べて温度が高くなる。
ムを延伸して複屈折性を与える場合、フィルム温度が高
い程複屈折率Δnが小さくなることが知られている。従
って、上記冷却により、厚みの厚い部分では、相対的に
温度が高くなっているので、複屈折率Δnが小さくな
り、厚みの薄い部分では、複屈折率Δnが大きくなり、
その結果、厚みの厚い部分と薄い部分とのレターデーシ
ョン値が近づけられる。
ルム温度がTg以上の場合、延伸直後に、該フィルムを
Tg−20℃以下に瞬時に急冷する。ここでは、延伸直
後では、請求項1〜4に記載の発明に係る製造方法にお
いてレターデーション値は面内方向に均一化されるが、
相対的に厚みの厚い部分は、相対的に厚みの薄い部分よ
りも複屈折率Δnは小さい。その状態でフィルムを瞬時
に急冷することにより、フィルム面内方向におけるレタ
ーデーション値のばらつきを小さくすることができる。
この理由は、以下のとおりである。
め、図1に示すように、延伸直後には、熱可塑性樹脂フ
ィルムの相対的に厚みの薄い部分の応力が、相対的に厚
みの厚い部分の応力よりも大きくなる。この状態が凍結
されずに、応力が緩和する場合、より大きな応力状態に
ある厚みの薄い部分では、応力緩和速度が大きくなり、
複屈折率が大きくなる。
複屈折率差が小さくなり、延伸工程で発現したレターデ
ーション値の均一化効果が小さくなる。そこで、請求項
5に記載の発明では、上記のようにフィルムを瞬時に急
冷することにより、延伸後の応力緩和を抑制し、延伸直
後に発生した厚みの厚い部分と薄い部分との応力差が保
存される。従って、瞬時に急冷することにより、特に、
上述したとおりTg−20℃以下に瞬時に急冷すること
により、確実にレターデーション値の面内方向のばらつ
きを低減することができる。
ルムとして、熱可塑性樹脂100重量部に対し可塑剤
0.2〜20重量部を含有する熱可塑性樹脂フィルムを
用いるので、フィルム面内方向におけるレターデーショ
ン値をより一層均一化し得る。この理由は、以下のとお
りと考えられる。
場合、可塑剤は、成膜工程、予熱工程、延伸工程などに
おいて、フィルムのどの部分からも同様に揮発する。す
なわち、フィルムの厚みが厚い部分及び薄い部分のいず
れにおいても、可塑剤はフィルム表面から同じように揮
発する。従って、揮発後には、厚みの厚い部分における
可塑剤の厚み方向における絶対含有量は、フィルムの厚
みの薄い部分における可塑剤の絶対含有量よりも多くな
る。一般に、可塑剤が多く含有されていると、延伸して
も応力緩和が大きくなり、その結果残留応力が小さくな
ることが知られている。
と、厚みの相対的に厚い部分においてより多くの可塑剤
が含有されているので、厚みの厚い部分において延伸後
のΔnが小さくなり、それによってフィルム面内方向に
おけるレターデーション値の均一化をより一層効果的に
果たすことができる。
り、本発明をより詳細に説明する。なお、以下の実施例
及び比較例において、実施例1〜4、及び比較例1〜
4,7,8では、図2に示す製造装置を用いた。また、
実施例5〜8、及び比較例5,6,9では図3に示した
製造装置を用いた。
は、延伸前に熱可塑性樹脂フィルムの厚みを計測し、延
伸直後の熱可塑性樹脂フィルムの全面温度を放射温度計
で測定し、最も厚みの厚い部分と薄い部分とにおけるフ
ィルムの温度差を求めた。さらに、全ての実施例及び比
較例において、フィルムの厚みは100μm以下である
ため、フィルム表面温度を厚み方向平均温度とした。
に、成膜工程、予熱(温度制御)工程及び延伸工程が実
施される。成膜工程を実施するための部分には、押出機
(図示せず)と、押出機の後段に連結されたTダイ金型
1と、金属ロール3と、ゴムロール2と、ロール4,5
とが設けられている。
熱風装置22が備えられたオーブン27と、オーブン2
7内に配置されており熱可塑性樹脂フィルムを通過させ
るためのロール6〜12とが設けられている。延伸工程
を実施するために、ロール13〜16を有する縦一軸延
伸機と、エアー冷却装置21とが配置されている。
程、予熱(温度制御)工程、延伸工程及び急冷工程が実
施される。図3に示す製造装置において、成膜工程、予
熱(温度制御)工程及び延伸工程を実施するための装置
については、図2に示した製造装置と同様である。従っ
て、同一部分については、同一の参照番号を付すること
により、その説明を省略する。
塑性樹脂フィルム20の上下にエアー冷却装置24,2
4が配置されている。また、急冷工程完了後、熱可塑性
樹脂フィルム20を乾燥するために、この製造装置の最
下流にロール17,18が配置されている。
い、ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモコ社製、商品
名:UDEL P3500、ガラス転移点190℃)を
一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入し、押出温度
340℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度165℃
の金属ロール3とゴムロール2によりニップして冷却
し、図4に示す幅方向断面形状を有する75μm±5.
0μmの厚みのポリサルフォン未延伸フィルム19を得
た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる200℃の温度
に保たれたオーブン24に導き、ロール13〜16を配
置してなる190℃〜290℃の温度に保たれた延伸機
により延伸倍率1.15倍で縦一軸延伸し、室温(20
℃)まで放冷し、厚み70μm±6.0μmのフィルム
20を得た。
向(Tg方向)の両端のうち厚みが厚い側の端部が走行
する領域を200℃、厚みが薄い側の端部が走行する領
域を190℃となるように熱風を排出させた。そのた
め、延伸機には、TD方向において、最低2箇所で異な
る温度の熱風を発生させるノズルを配置した。なお、延
伸直後のフィルムの全面を放射温度計で測定したとこ
ろ、76μmの厚みの部分における厚み方向平均温度
は、64μmの厚みの部分の厚み方向平均温度より4.
0℃高かった。
部から幅500mm×長さ1000mmの位相差板サン
プルを切り出した。この位相差板サンプルの633nm
におけるレターデーション値を、幅方向及び長さ方向の
いずれにおいても、1cm間隔で測定したところ、レタ
ーデーション値の平均値は455nm、レターデーショ
ン値のばらつきの最大値(フィルム面内におけるレター
デーション最大値−レターデーション最小値)は5.0
nmであり、1cm離れた2点間のレターデーション値
の差は最大で1.7nmであった。
た。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモコ社製、商品
名:UDEL P3500、ガラス転移点190℃)を
一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入し、押出温度
340℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度165℃
の金属ロール3とゴムロール2とでニップして冷却し、
厚み83μm±2.0μmのポリサルフォン未延伸フィ
ルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる220℃の温度
に保たれたオーブン24に入れ、次にロール13〜16
を配置してなる180℃の温度に保たれた延伸機25に
より延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)
まで放冷し、厚み74μm±2.5μmのフィルム20
を得た。
面を放射温度計(図示せず)で測定したところ、74.
5μmの厚みの部分の厚み方向平均温度は、69.5μ
mの厚みの部分の厚み方向平均温度よりも0.9℃高か
った。
mm×長さ1000mmの位相差板サンプルを切り出し
た。このサンプルについて実施例1と同様にして評価し
たところ、レターデーション値の平均値は526nm、
レターデーション値のばらつきの最大値(フィルム面内
におけるレターデーション最大値−フィルム面内におけ
るレターデーション最小値)は2.8nm、1cm離れ
た2点間のレターデーション値の差は最大で1.3nm
であった。
た。実施例2と同様にして、厚み83μm±2.0μm
のポリサルフォン未延伸フィルム19を得た。
間を経て、ロール6〜12を配置してなる温度220℃
に保たれたオーブン24に入れた後、ロール13〜16
を配置してなる200℃の温度に保たれた延伸機25で
延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)まで
放冷し、厚み73μm±2.5μmのフィルム20を得
た。
の位相差板サンプルと同様にして位相差板サンプルを切
り出し、評価した。レターデーション値の平均値は40
2nmであり、レターデーション値のばらつき最大値は
3.0nmであり、1cm離れた2点間のレターデーシ
ョン値の差は最大で1.3nmであった。
た。ポリカーボネート樹脂ぺレット(帝人化成社製、商
品名:パンライト、ガラス転移点150℃)を一軸押出
機のホッパーに投入し、押出温度250℃でTダイ1か
ら溶融押出し、表面温度130℃の金属ロール3とゴム
ロール2とでニップして冷却し、厚み78μm±2.0
μmのポリカーボネート未延伸フィルム19を得た。
間を経て、ロール6〜12を配置してなる170℃に保
たれたオーブン24に入れた後、次にロール13〜16
を配置してなる150℃の温度に保たれた延伸機25で
延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)まで
放冷し、厚み68μm±2.5μmのフィルム20を得
た。
様にして位相差板サンプルを切り出し、評価した。レタ
ーデーション値の平均値は565nmであり、レターデ
ーション値のばらつき最大値は3.6nmであり、1c
m離れた2点間のレターデーション値の差は最大で1.
6nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、押出温度340℃でTダイ1から溶融押出し、表面
温度165℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップ
して冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォ
ン未延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度23
5℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる190℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリサル
フォン延伸フィルムを得た。
ン延伸フィルムを急冷工程において、冷風を吹きつけ、
1.0秒で表面温度を100℃まで冷却し、厚み70±
2.5μmのポリサルフォン延伸フィルム20を得た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は487nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は2.5nm、1cm離れた2点間のレターデーション
値の差は最大で1nmであった。
た製造装置を用いた。ポリカーボネート樹脂ぺレット
(帝人化成社製、商品名:パンライト、ガラス転移点1
50℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、押出温度250℃でTダイ1から溶融押出し、表面
温度130℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップ
して冷却し、厚み75μm±2.0μmのポリカーボネ
ート未延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度20
0℃に設定されたオーブン24に導き、次にロール13
〜16を配置してなり、155℃の温度に設定された延
伸機25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリ
カーボネート延伸フィルムを得た。
ボネート延伸フィルムをエアー冷却装置21から吹き出
される冷風により冷却し、1.0秒で表面温度を80℃
とし、厚み67±2.5μmのポリカーボネート延伸フ
ィルム20を得た。
伸フィルムの中央から実施例1と同様にして位相差板サ
ンプルを切り出し、評価した。レターデーション値の平
均値は455nm、レターデーション値のばらつき最大
値は2.7nm、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差は最大で1nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、該熱可塑性樹脂100重量部に対し、フタル酸ジイ
ソノニル(沸点403℃)3.0重量部をプランジャー
ポンプ(図示せず)にて一軸押出機(図示せず)内に圧
入し、押出温度290℃でTダイ1から溶融押出し、表
面温度140℃の金属ロール3とゴムロール2とでニッ
プして冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフ
ォン未延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度20
0℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる155℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリサル
フォン延伸フィルムを得た。
得たポリサルフォン延伸フィルムに、エアー冷却装置2
1から冷風を吹きつけ、1.0秒で表面温度を80℃と
し、厚み71±2.5μmのポリサルフォン未延伸フィ
ルム20を得た。
伸フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サン
プルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均
値は389nm、レターデーション値のばらつきの最大
値は2.3nm、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差は最大で0.8nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、該熱可塑性樹脂100重量部に対し、フタル酸ジエ
チル(沸点298℃)3重量部をプランジャーポンプ
(図示せず)にて一軸押出機(図示せず)内に圧入し、
押出温度290℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度
140℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップして
冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォン未
延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度22
0℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる175℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリサル
フォン延伸フィルムを得た。
得たポリサルフォン延伸フィルムにエアー冷却装置21
から冷風を吹きつけ、1.0秒で表面温度を80℃まで
とし、厚み71±2.5μmのポリサルフォン延伸フィ
ルム20を得た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は395nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は2.0nm、1cm離れた2点間のレターデーション
値の差は最大で0.6nmであった。
社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点1
90℃)100重量部と、フタル酸ジエチル(沸点29
5℃)1重量部とをタンブラーで混合し、一軸押出機を
用いて290℃でTダイから溶融押出し、表面温度14
0℃の金属ロールとゴムロールとからなるニップロール
を通じて冷却し、平均厚み75±2μmのポリサルフォ
ン未延伸フィルムを作製した。
り、予熱ゾーンの温度を180℃、延伸ゾーンの温度を
175℃として延伸倍率1.4倍で縦一軸延伸し、さら
に210℃に設定された揮発ゾーンでフタル酸ジエチル
を揮発させた後、エアー冷却装置により、0.5秒で5
0℃以下に急冷し、厚み68±2.5μmのポリサルフ
ォン延伸フィルムを得た。
央から幅500mm及び長さ1000mmの位相差板サ
ンプルを切り出した。この位相差板サンプルの633n
mにおけるレターデーション値を幅方向及び長さ方向共
に1cm間隔で測定した。その結果、レターデーション
値の平均値は435nm、ばらつきの最大値(レターデ
ーション最大値−レターデーション最小値)は4.1n
m、1cm離れた2点間のレターデーション値の差の最
大値は0.7nmであった。
し、フィルム幅方向(Tg方向)の両端のうち厚みが厚
い側の端部が走行する領域を190℃、厚みが薄い側の
端部が走行する領域を200℃となるように熱風を排出
させたことを除いては実施例1と同様にしてポリサルフ
ォン延伸フィルム20を得た。
のフィルムの全面を放射温度計で測定したところ、76
μmの厚みの部分における厚み方向平均温度は、64μ
mの厚みの部分の厚み方向平均温度より4.0℃低かっ
た。
施例1と同様にして位相差板サンプルを切り出し、評価
した。レターデーション値の平均値は449nm、レタ
ーデーション値のばらつきの最大値(フィルム面内にお
けるレターデーション最大値−レターデーション最小
値)は18.0nmであり、1cm離れた2点間のレタ
ーデーション値の差は最大で5.5nmであった。
ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモコ社製、商品名:U
DEL P3500、ガラス転移点190℃)を一軸押
出機(図示せず)のホッパーに投入し、押出温度340
℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度165℃の金属
ロール3とゴムロール2とでニップして冷却し、厚み8
3μm±2.0μmのポリサルフォン未延伸フィルム1
9を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる220℃の温度
に保たれたオーブン24に入れ、次にロール13〜16
を配置してなる220℃の温度に保たれた延伸機25に
より延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)
まで放冷し、厚み72μm±2.5μmのフィルム20
を得た。
にして位相差板サンプルを切り出し、評価した。レター
デーション値の平均値は370nm、レターデーション
値のばらつきの最大値は15.0nm、1cm離れた2
点間のレターデーション値の差は最大で4.1nmであ
った。
ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモコ社製、商品名:U
DEL P3500、ガラス転移点190℃)を一軸押
出機(図示せず)のホッパーに投入し、押出温度340
℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度165℃の金属
ロール3とゴムロール2とでニップして冷却し、厚み8
3μm±2.0μmのポリサルフォン未延伸フィルム1
9を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる200℃の温度
に保たれたオーブン24に入れ、次にロール13〜16
を配置してなる230℃の温度に保たれた延伸機25に
より延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)
まで放冷し、厚み70μm±2.5μmのフィルム20
を得た。
面を放射温度計(図示せず)で測定したところ、72.
5μmの厚みの部分の厚み方向平均温度は、67.5μ
mの厚みの部分の厚み方向平均温度よりも0.6℃低か
った。
にして位相差板サンプルを切り出し、評価した。レター
デーション値の平均値は487nm、レターデーション
値のばらつきの最大値は26.1nm、1cm離れた2
点間のレターデーション値の差は最大で6.7nmであ
った。
た。ポリカーボネート樹脂ぺレット(帝人化成社製、商
品名:パンライト、ガラス転移点150℃)を一軸押出
機のホッパーに投入し、押出温度250℃でTダイ1か
ら溶融押出し、表面温度130℃の金属ロール3とゴム
ロール2とでニップして冷却し、厚み78μm±2.0
μmのポリカーボネート未延伸フィルム19を得た。
間を経て、ロール6〜12を配置してなる185℃に保
たれたオーブン24に入れた後、次にロール13〜16
を配置してなる185℃の温度に保たれた延伸機25で
延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、室温(20℃)まで
放冷し、厚み68μm±2.5μmのフィルム20を得
た。
様にして位相差板サンプルを切り出し、評価した。レタ
ーデーション値の平均値は398nmであり、レターデ
ーション値のばらつき最大値は16.3nmであり、1
cm離れた2点間のレターデーション値の差は最大で
4.5nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、押出温度340℃でTダイ1から溶融押出し、表面
温度165℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップ
して冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォ
ン未延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度23
5℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる190℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリサル
フォン延伸フィルムを得た。
ン延伸フィルムを雰囲気温度170℃に設定されたオー
ブン26に導き、延伸してから1分後に表面温度が17
0℃に達するように徐冷し、厚み72±2.5μmのポ
リサルフォン延伸フィルム20を得た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は370nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は10nm、1cm離れた2点間のレターデーション値
の差は最大で3.5nmであった。
製造装置を用いた。ポリカーボネート樹脂ぺレット(帝
人化成社製、商品名:パンライト、ガラス転移点150
℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入し、押
出温度250℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度1
30℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップして冷
却し、厚み78μm±2.0μmのポリカーボネート未
延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度20
0℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる155℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリカー
ボネート延伸フィルムを得た。
ート延伸フィルムを雰囲気温度170℃に設定されたオ
ーブン26に導き、延伸してから1分後に表面温度が1
70℃に達するように徐冷し、厚み69±2.5μmの
ポリカーボネート延伸フィルム20を得た。
伸フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サン
プルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均
値は375nm、レターデーション値のばらつきの最大
値は9.3nm、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差は最大で3.2nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、該熱可塑性樹脂100重量部に対し、フタル酸ジイ
ソノニル(沸点403℃)3重量部をプランジャーポン
プ(図示せず)にて一軸押出機(図示せず)内に圧入
し、押出温度260℃でTダイ1から溶融押出し、表面
温度140℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップ
して冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォ
ン未延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度18
5℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる185℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、厚み72
±2.5μmのポリサルフォン延伸フィルム20を得
た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は348nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は13.5nm、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差は最大で3.7nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、該熱可塑性樹脂100重量部に対し、フタル酸ジエ
チル(沸点298℃)3重量部をプランジャーポンプ
(図示せず)にて一軸押出機(図示せず)内に圧入し、
押出温度260℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度
140℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップして
冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォン未
延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度18
5℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる185℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、厚み72
±2.5μmのポリサルフォン延伸フィルム20を得
た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は357nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は12.8nm、1cm離れた2点間のレターデーショ
ン値の差は最大で3.3nmであった。
製造装置を用いた。ポリサルフォン樹脂ぺレット(アモ
コ社製、商品名:UDEL P3500、ガラス転移点
190℃)を一軸押出機(図示せず)のホッパーに投入
し、該熱可塑性樹脂100重量部に対し、フタル酸ジエ
チル(沸点298℃)3重量部をプランジャーポンプ
(図示せず)にて一軸押出機(図示せず)内に圧入し、
押出温度260℃でTダイ1から溶融押出し、表面温度
140℃の金属ロール3とゴムロール2とでニップして
冷却し、厚み83μm±2.0μmのポリサルフォン未
延伸フィルム19を得た。
を経て、ロール6〜12を配置してなる雰囲気温度20
5℃に設定されたオーブン24内に導き、ロール13〜
16を配置してなる175℃の温度に設定された延伸機
25により延伸倍率1.3倍で縦一軸延伸し、ポリサル
フォン延伸フィルムを得た。
ン延伸フィルムを雰囲気温度170℃に設定されたオー
ブン26に導き、延伸してから、1分後に170℃に到
達するように徐冷し、厚み72±2.5μmのポリサル
フォン延伸フィルム20を得た。
フィルム20から実施例1と同様にして位相差板サンプ
ルを切り出し、評価した。レターデーション値の平均値
は295nm、レターデーション値のばらつきの最大値
は8.0nm、1cm離れた2点間のレターデーション
値の差は最大で2.5nmであった。
部としたこと、揮発工程がないこと以外は実施例9と同
様にして厚み66±2.5μmのポリサルフォン製位相
差板を得た。
例9と同様にしてレターデーション値を測定した。その
結果、レターデーション値の平均値は485nm、ばら
つきの最大値は12nm、1cm離れた2点間のレター
デーション値の差の最大値は6nmであった。
で放冷したこと以外は実施例9と同様にして厚み69±
2.5μmのポリサルフォン製位相差板を得た。
例9と同様にしてレターデーション値を測定した。その
結果、レターデーション値の平均値は275nm、ばら
つきの最大値は7nm、1cm離れた2点間のレターデ
ーション値の差の最大値は4.5nmであった。
件とレターデーション値についての結果を下記の表1に
示す。なお、以下の表1におけるフィルム温度差とは、
(延伸直後における厚みの最も厚い部分のフィルム温
度)−(延伸直後の最も厚みの薄い部分のフィルム温
度)を示す。
伸前の熱可塑性樹脂フィルムに厚みむらが存在したとし
ても、フィルム面内方向におけるレターデーション値の
均一性が高められた位相差板を得ることが可能となる。
また、請求項1〜5,7〜9に記載の発明においては、
使用する熱可塑性樹脂フィルムの製造方法については限
定されず、例えば請求項6に記載のように溶融押出成形
法により得られた熱可塑性樹脂フィルムを用いることが
できるので、高い生産性で安定的にレターデーション値
が均一な位相差板を製造することが可能となる。よっ
て、請求項1〜9に記載の発明に係る位相差板の製造方
法により得られた位相差板を、例えば白黒液晶表示装置
に用いた場合には、鮮明な白黒画像を得ることができ、
カラー液晶表示装置に用いた場合には、色相の反転が生
じ難い高品位のカラー表示を得ることが可能となる。
相差板の製造方法では、熱可塑性樹脂フィルムに厚みば
らつきがある場合であっても、それぞれ延伸工程におい
て、相対的に厚みの厚い部分の温度が相対的に厚みの薄
い部分よりも温度が高められるので、厚みの厚い部分で
は、延伸後に複屈折率Δnが相対的に低くなり、それに
よってフィルム面内方向におけるレターデーション値の
ばらつきを低減することができる。
程で上記のようにレターデーション値のばらつきを少な
くした後、さらに瞬時に急冷することにより、レターデ
ーション値の面内方向の均一性が維持され、より一層レ
ターデーション値のばらつきの少ない位相差板を提供す
ることができる。
樹脂フィルムが溶融押出成形により得られるため、上述
したように、位相差板の製造に際しての生産性を高める
ことができ、かつ位相差板のコストダウンを図ることが
できる。
としてポリサルフォン系樹脂やポリカーボネート系樹脂
が用いられるので、透明性に優れ、光の波長分散性が液
晶の波長分散性に近い位相差板を容易に提供することが
できる。
塑性樹脂フィルムに可塑剤が含有されているので、該可
塑剤が延伸に先立ちあるいは延伸工程において揮発し、
相対的に厚みの厚い部分における可塑剤含有量が相対的
に厚みの薄い部分における可塑剤含有量よりも多くな
る。従って、延伸によりフィルムに複屈折性を与えた場
合、相対的に厚みの厚い部分の複屈折率Δnが小さくな
り、より一層フィルムの面内方向におけるレターデーシ
ョン値の均一化を図ることができる。
りレターデーション値が均一化される工程を説明するた
めの図であり、延伸及び延伸後の緩和工程における厚み
の厚い部分と薄い部分における応力の大きさを説明する
ための図。
られた製造装置を説明するための概略構成図。
た製造装置の概略構成を示す図。
ルムの横断面図であり、幅方向における厚みのばらつき
を説明するための横断面図。
Claims (9)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムを、ガラス転移点
をTgとしたとき、Tg−30℃〜Tg+60℃の範囲
の温度でかつ厚みの厚い部分が薄い部分よりも厚み方向
の平均温度が高くなるようにして一軸または二軸延伸す
ることを特徴とする位相差板の製造方法。 - 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムの下記の式(1)
で表わされる幅方向の厚み差R 【数1】 を±A%とすると、該熱可塑性樹脂フィルムの厚みが最
も厚い部分の方が厚みの最も薄い部分よりも厚み方向の
平均温度が0.1A〜0.6A℃高い状態で一軸または
二軸延伸することを特徴とする位相差板の製造方法。 - 【請求項3】 延伸前に、熱可塑性樹脂フィルムを、ガ
ラス転移点をTgとしたとき、Tg−30℃〜Tg+6
0℃の範囲内の一定温度に保った後、該一定温度よりも
低い温度に冷却しつつ一軸または二軸延伸することを特
徴とする位相差板の製造方法。 - 【請求項4】 延伸前と延伸中のフィルムの温度差=
(延伸前のフィルム温度)−(延伸中のフィルム温度)
が20℃〜90℃の範囲であることを特徴とする請求項
3に記載の位相差板の製造方法。 - 【請求項5】 延伸後のフィルム温度が、Tg以上の場
合に、延伸直後に延伸された熱可塑性樹脂フィルムをT
g−20℃以下に急冷することを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載の位相差板の製造方法。 - 【請求項6】 延伸前の熱可塑性樹脂フィルムが溶融押
出成形法で得られた熱可塑性樹脂フィルムである、請求
項1〜5のいずれかに記載の位相差板の製造方法。 - 【請求項7】 前記熱可塑性樹脂フィルムがポリサルフ
ォン系樹脂またはポリカーボネート系樹脂である請求項
1〜6のいずれかに記載の位相差板の製造方法。 - 【請求項8】 延伸前の熱可塑性樹脂フィルムとして、
熱可塑性樹脂100重量部に対し可塑剤0.2〜20重
量部を含有する熱可塑性樹脂フィルムを用いることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の位相差板の製
造方法。 - 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂がポリサルフォン系樹
脂であり、可塑剤がフタル酸系可塑剤である請求項8に
記載の位相差板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13057598A JP3654769B2 (ja) | 1997-05-27 | 1998-05-13 | 位相差板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13664597 | 1997-05-27 | ||
JP33573697 | 1997-12-05 | ||
JP9-335736 | 1998-02-05 | ||
JP9-136645 | 1998-02-05 | ||
JP10-24562 | 1998-02-05 | ||
JP2456298 | 1998-02-05 | ||
JP13057598A JP3654769B2 (ja) | 1997-05-27 | 1998-05-13 | 位相差板の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004337744A Division JP2005099848A (ja) | 1997-05-27 | 2004-11-22 | 位相差板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11287910A true JPH11287910A (ja) | 1999-10-19 |
JP3654769B2 JP3654769B2 (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=27458168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13057598A Expired - Fee Related JP3654769B2 (ja) | 1997-05-27 | 1998-05-13 | 位相差板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3654769B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212312A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学用フィルムおよび光学用フィルムの製造方法 |
JP2005330411A (ja) * | 2004-05-21 | 2005-12-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法 |
JP2011207168A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Fujifilm Corp | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
-
1998
- 1998-05-13 JP JP13057598A patent/JP3654769B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212312A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-07-31 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 光学用フィルムおよび光学用フィルムの製造方法 |
JP4733276B2 (ja) * | 2001-01-23 | 2011-07-27 | 株式会社カネカ | 光学用フィルムの製造方法 |
JP2005330411A (ja) * | 2004-05-21 | 2005-12-02 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法 |
JP2011207168A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Fujifilm Corp | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3654769B2 (ja) | 2005-06-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3177277A (en) | Process for the production of biaxially oriented polyethylene terephthalate film | |
TWI633993B (zh) | 聚酯薄膜 | |
JP2013178576A (ja) | 光学フィルムおよびその製造方法 | |
CN105765424A (zh) | 相位差膜的制造方法 | |
JPH11183724A (ja) | 位相差フィルム及びその製造方法 | |
US5082616A (en) | Film blowing process | |
JPH11287910A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JPH09155951A (ja) | ポリサルフォン樹脂フィルムの製造方法 | |
JP2005099848A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JP3527639B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JP4052699B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JPH11167022A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JP4171105B2 (ja) | 位相差板の製造方法 | |
KR101029620B1 (ko) | 위상차가 균일한 광학필름의 제조방법 | |
JP4228039B2 (ja) | 厚み均一性に優れた柔軟性ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JPH11167025A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JP3569145B2 (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JPH11211913A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JP2000147259A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
JPH11326636A (ja) | 位相差フィルムの製造方法 | |
JPS60248333A (ja) | 偏光フイルムの製造方法 | |
CN113861465A (zh) | 光学聚酯薄膜及其制备方法 | |
JP3313033B2 (ja) | 光学用フィルムの製造方法 | |
JPH11183717A (ja) | 位相差板の製造方法 | |
TWI621518B (zh) | 以雙軸同步延伸方式製造相位差膜的方法及其相位差膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040322 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040922 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041122 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050301 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080311 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090311 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100311 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100311 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110311 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110311 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120311 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120311 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130311 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140311 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |