JPH11287409A - 低NOx バーナ - Google Patents

低NOx バーナ

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Publication number
JPH11287409A
JPH11287409A JP10576598A JP10576598A JPH11287409A JP H11287409 A JPH11287409 A JP H11287409A JP 10576598 A JP10576598 A JP 10576598A JP 10576598 A JP10576598 A JP 10576598A JP H11287409 A JPH11287409 A JP H11287409A
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JP
Japan
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combustion
burner
nozzle
low nox
air
Prior art date
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Application number
JP10576598A
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English (en)
Inventor
Makoto Oda
眞 小田
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Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低NOx バーナにおいて、一層の低NO
x 化を達成すること。 【解決手段】 燃料および燃焼用一次空気の供給を受け
る内筒2と、この内筒2の先端に取り付けられたバーナ
ノズル3と、前記内筒2の外周との間の環状流路5から
燃焼用二次空気を噴出する外筒4とからなり、前記バー
ナノズル3は、前記バーナノズル3は、末広がり形状に
部分予混合気を噴出するようにした構成であり、さらに
前記環状流路5の先端側において前記環状流路5を周方
向に所定個数に分割する遮蔽板15を備えた構成であ
る。さらに、前記バーナノズル3を、周方向に波打たせ
た末広がり形状のリング状部材9によって形成した構成
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低NOxバーナ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃焼機器における有害燃焼排
気物の低減化には、種々の提案がなされてきたが、近年
では、環境汚染等の問題から有害燃焼排気物の中でも特
にNOx の低減に注意が向けられている。そのために、
燃料自体に窒素分の少ない気体燃料を用い、その燃焼過
程においてサーマルNOx (thermal NOx )の低減化
を図った低NOx バーナは数多く提案されている。ま
た、小型,簡易クラスのボイラのように、比較的小容積
の燃焼空間で用いられ、大出力化を要求されるバーナに
おいては、NOx の低減が難しく、このような分野に適
用し得る低NOx バーナの要望が高まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、低NOx
バーナにおいて、一層の低NOx 化を達成することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたものであって、請求項1に記載
の発明は、燃料および燃焼用一次空気の供給を受ける内
筒と、この内筒の先端に取り付けられたバーナノズル
と、前記内筒の外周との間の環状流路から燃焼用二次空
気を噴出する外筒とからなり、前記バーナノズルは、末
広がり形状に部分予混合気を噴出するものであることを
特徴としており、請求項2に記載の発明は、前記環状流
路の先端側に、前記環状流路を周方向に所定個数に分割
する遮蔽板を備えたことを特徴としており、さらに請求
項3に記載の発明は、前記バーナノズルが、周方向に波
打たせた末広がり形状のリング状部材によって形成され
ていることを特徴としている。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明に係る低NOx バーナ
は、所謂部分予混合バーナとして実施される。この低N
Ox バーナは、その中心部から燃焼用一次空気と燃料の
混合気体である部分予混合気を噴出し、この部分予混合
気を取り囲むように燃焼用二次空気を噴出する構成とな
っている。すなわち、この発明に係る低NOx バーナ
は、内筒内に燃料および燃焼用一次空気を供給し、この
内筒の先端に取り付けたバーナノズルから部分予混合気
として噴出させ、燃焼用二次空気をこの内筒と外筒の間
の環状流路から噴出させるように構成してある。このバ
ーナノズルは、部分予混合気を薄膜状の末広がり形状
(たとえば、中空のほぼ円錐台形状)に拡散するように
噴出させるものである。したがって、このバーナノズル
は、部分予混合気の噴出形態に対応した形状となる。
【0006】外筒は、内筒の外側にほぼ同軸状に配置
し、内筒との間に環状流路を構成する。燃焼用二次空気
は、この環状流路を介して、外筒の先端から噴出する。
この外筒の先端の開口部分は、バーナノズルが部分的に
覆うように位置するため、この外筒からの燃焼用二次空
気は、バーナノズルの外側の表面に沿って流れる。
【0007】ここで、バーナノズルの形状や寸法(高
さ、内外径、末広がりの度合い等),内外筒の形状や寸
法(内外径等)や、これらの位置関係(内外筒の先端の
位置やバーナノズルの先端の位置)は、バーナノズルか
ら薄膜状に、末広がり状に拡散しながら噴出する部分予
混合気に、外筒の先端から噴出する燃焼用二次空気が確
実に突入するように設定する。また、ここでいう末広が
り形状とは、その横断面形状が順次大きくなっている形
状を指す。たとえば、テーパ形状,円錐台形状,角錐台
形状等であり、途中から末広がりの度合いが変わるもの
も含む。また、その横断面の形状は、円形や正多角形に
限るものでなく、楕円や長円形である場合を含むもので
ある。
【0008】たとえば、バーナノズルからの部分予混合
気の噴出角(ほぼ円錐台形状に噴出されるとすると、円
錐角に相当)は、30°〜100°、好ましくは45°
〜90とする。この理由は、部分予混合気も燃焼用二次
空気もバーナノズルの外側の表面によってその流れが規
制されるため、この部分予混合気の噴出角が小さいと、
部分予混合気と燃焼用二次空気とが層状になって流れて
両者の混合が期待できず、逆にこの部分予混合気の噴出
角が大きいと、部分予混合気や燃焼用二次空気の流通過
程における圧力損失が増加し、燃料の供給手段や燃焼用
空気(燃焼用一次空気および燃焼用二次空気)の供給手
段を大型化する必要があるためである。また、バーナノ
ズルの外径および取付位置(外筒の先端とバーナノズル
の先端との位置関係)は、前述の部分予混合気の噴出角
と外筒の内径とを勘案して設定する。すなわち、バーナ
ノズルの外径は、噴出角が小さく、外筒の内径が大きい
ほど大径に設定し、また噴出角が大きく、外筒の内径が
小さいほど小径に設定する。また、バーナノズルの取付
位置は、噴出角が大きく、外筒の内径との差が小さいほ
ど、外筒の先端に近い位置とする。
【0009】以上の構成によると、部分予混合気は、低
NOx バーナの中心部のバーナノズルから末広がり形状
に噴出し、この部分予混合気には、環状流路からの燃焼
用二次空気が合流する。ここで、バーナノズルから噴出
する部分予混合気は、薄膜状となっており、この部分予
混合気に、環状流路からの燃焼用二次空気が合流し、燃
焼する。そのため、この低NOx バーナにおける燃焼火
炎は、薄膜状の火炎となる。したがって、薄膜状の火炎
による燃焼により、火炎の表面積を拡大し、部分予混合
による燃焼とによって低NOx 化を達成する。また、火
炎を薄膜状の末広がり形状に形成することにより火炎自
体の体積を減少させ、局所的な高温領域の形成を防止す
ることにより、この点においても低NOx 化を達成す
る。
【0010】さらに、この発明に係る低NOx バーナ
は、環状流路の先端側に、この環状流路を周方向に所定
個数に分割する遮蔽板を設けることもできる。この場
合、環状流路に設けた遮蔽板によって燃焼用二次空気を
分割させて噴出させることにより、所謂濃淡燃焼となっ
て、サーマルNOx の発生量が増大する空燃比領域以外
の領域で燃焼するため、NOx の発生が抑制できる。こ
こで、環状流路を周方向に分割する遮蔽板は、その周方
向の幅が広いほど通過する燃焼用二次空気の圧力損失が
多くなり、狭いほど火炎の分割の効果を発揮し得ないた
め、これらを勘案してその幅と個数を決定する。
【0011】さらに、バーナノズルは、周方向に波打た
せた末広がり形状のリング状部材によって構成すること
もできる。このリング状部材は、少なくとも2枚以上を
重ね合わせることにより、リング状部材間に、周方向に
多数に分割された多数の噴出孔を形成する。また、この
バーナノズルは、外側あるいは内側の少なくとも一方を
末広がり形状のノズル構成部材とし、ノズル構成部材と
リング状部材とを重ね合せた構成としたり、リング状部
材をノズル構成部材で挟み込むように重ね合わせた構成
とすることにより、リング状部材を少なくとも1枚とす
ることもできる。このリング状部材の枚数は、前述した
ように部分予混合気を薄膜状に噴出するため、1乃至数
枚である。そして、このバーナノズルは、リング状部材
あるいはノズル構成部材でもって内筒の先端に固定する
他、このノズル構成部材を内筒と一体に形成することも
できる。
【0012】ここで、前述のようにバーナノズルを、内
筒から部分予混合気の供給を受け、この部分予混合気を
ノズル構成部材間から噴出する構成とする場合には、内
側のリング状部材の中央部の穴を適宜の閉鎖部材によっ
て閉鎖する。また、リング状部材の内側にノズル構成部
材を配置したものにおいては、このノズル構成部材を中
実のほぼ円錐形状や、ほぼ円錐台形状とするか、あるい
は中央部に穴のある傘形状とし、この中央部の穴を適宜
の閉鎖部材によって閉鎖する。
【0013】
【実施例】この発明に係る低NOx バーナの第一実施例
について図1,図2を参照しながら説明する。ここで、
図1は、この発明に係る低NOx バーナの第一実施例の
縦断側面の説明図、図2は、図1の正面の説明図、図3
は、図1におけるリング状部材の平面形状を示す説明
図、図4は、図1におけるリング状部材の側面形状を示
す説明図である。
【0014】さて、第一実施例の低NOx バーナ1は、
その内側に燃料および燃焼用一次空気の供給を受ける内
筒2を備えている。この内筒2の先端にはバーナノズル
3を設けてある。さらに、前記内筒2の外周側に、ほぼ
同軸状に外筒4を設けることにより、この外筒4と前記
内筒2との間に、燃焼用二次空気が流通する環状流路5
を形成してある。
【0015】前記内筒2は、その上流端に燃料供給手段
(図示省略)を接続してある。また、前記内筒2内への
燃焼用一次空気は、この第一実施例においては、前記環
状流路5内の燃焼用空気を分岐させて供給している。す
なわち、前記内筒2の途中に貫通孔6を所定個数(第一
実施例では、周方向に4個所)形成し、これらの各貫通
孔6によって前記環状流路5内の燃焼用空気の一部を燃
焼用一次空気として前記内筒2内に取り入れる構成とし
てある。もちろん、前記内筒2と前記環状空間5とにそ
れぞれ独立に燃焼用一次空気と燃焼用二次空気とを供給
することもできる。
【0016】前記バーナノズル3は、末広がり形状の一
対のノズル構成部材7,8と、この一対のノズル構成部
材7,8間に介在させたリング状部材9とで構成され
る。外側のノズル構成部材(以下、第一ノズル構成部材
という)7および内側のノズル構成部材(以下、第二ノ
ズル構成部材という)8は、ともに中空の円錐台形状で
あり、前記第二ノズル構成部材8の外側に前記第一ノズ
ル構成部材7を嵌め込むようにして重ね合わせることが
できる寸法関係としてある。また、前記第二ノズル構成
部材8については、その上方の開口部分を閉鎖部材10
で塞いである。前記リング状部材9は、この第一実施例
においてはその厚み方向に2枚を積層している。前記各
リング状部材9も、前記第一ノズル構成部材7や前記第
二ノズル構成部材8と同様に中空の円錐台形状をなすも
のであり、前記各リング状部材9は、図3および図4に
示すように、その周面を周方向に波打たせた形状として
ある。
【0017】したがって、前記第一バーナ構成部材7お
よび第二バーナ構成部材8を、その間にリング状部材9
を介在させて重ね合わせた状態では、前記第一バーナ構
成部材7と第二バーナ構成部材8との間には隙間が生じ
る。そして、この隙間は、周方向に波打たせた形状の前
記各リング状部材9によって、周方向に多数に分割され
るため、部分予混合気の噴出孔11が多数形成される。
そして、前記バーナノズル3は、前記第一ノズル構成部
材7でもって前記内筒2の先端に固定する。この構成に
よると、前記内筒2からの部分予混合気は、前記第一ノ
ズル構成部材7と前記第二ノズル構成部材8との間に流
入し、前記各噴出孔11から噴出する。この部分予混合
気の噴出形態は、前記バーナノズル3の形状に応じた末
広がり形状(例えていうならば、中空のほぼ円錐台形
状)に拡散するように噴出する。この第一実施例におい
ては、前記バーナノズル3を円錐台形状とみなした場
合、その円錐角をほぼ60°としてあり、したがって前
記第一ノズル構成部材7,前記第二ノズル構成部材8お
よび前記リング状部材9の円錐角もほぼ60°となって
いる。
【0018】前記各リング状部材9について、さらに詳
細に説明すると、図3および図4に示すように、その周
面は波板形状となっている。前記各リング状部材9にお
ける波板形状の凹部12,12,…は、図3および図4
に細線で示すように、前記各リング状部材9の放射方向
に沿って形成してある。また、前記各リング状部材9に
おける波板形状の凸部13,13,…は、図3に放射方
向の太線で示すように、前記各リング状部材9の周方向
に前記各凹部12と交互に形成される。そして、前記各
リング状部材9を積層することにより、前記各凹部12
のそれぞれは、前記バーナノズル3の上部と下部とを連
通する通路となり、この通路は部分予混合気の噴出孔1
1,11,…として機能する。
【0019】ここで、前記各リング状部材9を積層する
にあたっては、隣り合うリング状部材9間において、一
方のリング状部材9の各凹部12に他方のリング状部材
9の各凸部13が嵌まり込んで、前記各噴出孔11を塞
がないようにする必要がある。そこで、この第一実施例
では、前記各凹部12と前記各凸部13との嵌まり込み
を防止するために、隣り合うリング状部材9間に中空の
円錐台形状のスペーサ部材14を介在させてある。前記
スペーサ部材14は、第一実施例においては、前記各リ
ング状部材9とほぼ同じ寸法としてある。
【0020】ここで、前記各スペーサ部材14は、中空
の円錐台形状のものとする他、環状に形成した線材を用
いることもでき、この場合には線材を前記各凸部13と
交差するように配置する。さらに、このような各種スペ
ーサ部材14を用いる他、適宜の位置規制手段を用い
て、前述の嵌まり込みを防止することもできる。
【0021】さらに、前記各リング状部材9において
は、前記各凹部12および前記各凸部13は、図3およ
び図4に示すように、前記各リング状部材9の母線に沿
う方向に形成したものであるが、図5に示すように、母
線に沿う方向に対して傾斜させて形成したものを用いる
ことができる。また、前記各凹部12および前記各凸部
13を、母線に沿う方向に対して傾斜させて形成したも
のを用いる場合には、隣り合うリング状部材9,9’間
でこの傾斜の方向を異ならせると、前記スペーサ部材1
4を省略することができる。すなわち、図6に示すよう
に一方のリング状部材9の各凸部13と他方のリング状
部材9’の各凸部13’とが交差することにより、一方
のリング状部材9の各凹部12に他方のリング状部材
9’の各凸部13’が嵌まり込むのが防止されるためで
ある。
【0022】前記外筒4は、前記環状流路5内に供給さ
れた燃焼用二次空気を、その先端から噴出するものであ
る。前記外筒4の先端側には、前記バーナノズル3が位
置する。前記外筒4と前記バーナノズル3との位置関係
は、以下のようになっている。まず、前記外筒4の先端
は、前記バーナノズル3の軸線方向のほぼ中央部に位置
させてある。また、前記外筒4の内径と前記バーナノズ
ル3の外径との関係は、前記内筒2の外径と前記外筒4
の内径とのほぼ中間の径としてある。したがって、前記
バーナノズル3は、前記環状流路5を部分的に覆うよう
に位置する。そのため、前記外筒4からの燃焼用二次空
気の流れは、前記バーナノズル3の外側の表面、すなわ
ち前記第一ノズル構成部材7の表面に沿う方向に規制さ
れる。
【0023】ここで、以上の第一実施例においては、前
述のように前記バーナノズル3,前記内筒2および前記
外筒4の寸法,形状や、これらの位置関係を、前記バー
ナノズル3から薄膜状に拡散しながら噴出する部分予混
合気に、前記環状流路5からの燃焼用二次空気が確実に
突入するように設定するが、この他に燃焼用一次空気お
よび燃焼用二次空気の量についても次のように設定す
る。すなわち、前記内筒2への燃焼用一次空気の供給量
(流量)を、前記低NOx バーナ1に供給する全燃焼用
空気量の0.6〜0.8倍となるようにする。このよう
に燃焼用一次空気および燃焼用二次空気の量を設定する
には、それらの供給圧力の他、前記内筒2,前記外筒4
および前記バーナノズル3の寸法,形状や位置関係の
他、前記貫通孔6の個数や寸法を調整することによって
行う。ここで、この燃焼用一次空気と燃焼用二次空気と
の総量は、燃料を燃焼させるに十分な量である。
【0024】以上の構成において、環状流路5に燃焼用
空気を、内筒2内に燃料を供給すると、環状流路5内の
燃焼用空気の一部は、各貫通孔6から内筒2内に燃焼用
一次空気として流入し、残りはそのまま環状流路5内を
燃焼用二次空気として流通する。そして、内筒2内にお
ける各貫通孔6よりも下流側においては、燃料と燃焼用
一次空気とが混合し、部分予混合気としてバーナノズル
3から噴出する。このとき、部分予混合気は、このバー
ナノズル3の末広がりの形状に応じて、低NOx バーナ
1の中心部分から中空のほぼ円錐台形状に噴出する。こ
こで、バーナノズル3から噴出する部分予混合気は、こ
のバーナノズル3によって流れの方向が規制されるた
め、このバーナノズル3を離れた後も薄膜状のまま末広
がり形状に広がっていく。この状態で、着火手段(図示
省略)によって着火すると、部分予混合気がまず燃焼を
開始する。この部分予混合気の燃焼状態は、過剰燃料で
の燃焼であるため、NOx の生成を抑制することができ
る。また、この部分予混合気による火炎は、薄膜状の火
炎となる。
【0025】この部分予混合気による薄膜状の火炎に
は、環状流路5からの燃焼用二次空気が合流し、完全燃
焼する。すなわち、この低NOx バーナは、薄膜状の火
炎による燃焼により、火炎の表面積を拡大し、部分予混
合気による燃焼とによって低NOx 化を達成する。ま
た、火炎を薄膜状の末広がり形状に形成することにより
火炎自体の体積を減少させ、局所的な高温領域の形成を
防止し、この点においても低NOx 化を達成する。
【0026】次に、第一実施例の低NOx バーナを熱機
器の代表例としてのボイラへの適用例について、図7お
よび図8を参照しながら以下に説明する。図7は、第一
実施例の低NOx バーナを熱機器に適用した一例を示す
縦断側面の説明図、図8は、図7のVIII−VIII線に沿う
断面の説明図である。ここで、図7および図8示すボイ
ラは、貫流ボイラであるが、この他、自然循環式水管ボ
イラや強制循環式水管ボイラなどの水管ボイラ全般に適
用することができる。また、このボイラは、蒸気ボイラ
や温水ボイラの他、熱媒を加熱する熱媒ボイラなどとし
て適用されるものである。
【0027】図7および図8において、ボイラの缶体A
は、所定の距離を離して配置した上部管寄せBおよび下
部管寄せCを有している。前記上部管寄せBおよび前記
下部管寄せCの外周間には外壁Dを配置している。前記
上部管寄せBと前記下部管寄せCとの間には、複数(こ
の適用例では10本)の水管E,E,…を環状に配置
し、これらの水管Eによって、環状の第一水管列Fを構
成している。さらに、前記上部管寄せBと前記下部管寄
せCとの間であって、前記外壁Dの内周側近くには、複
数(この適用例では24本)の熱回収水管G,G,…を
環状に配置して、第二水管列Hを形成している。さら
に、この第二水管列Hは、前記第一水管列Fとで二重の
環状水管列を構成している。さらに、前記各水管Eおよ
び前記各熱回収水管Gは、それらの各端部を前記上部管
寄せBおよび前記下部管寄せCのそれぞれに接続してあ
る。
【0028】ボイラの燃焼室Iは、前記上部管寄せBお
よび前記下部管寄せCと前記第二水管列Hによって画成
されている。そして、この燃焼室Iには、第一実施例の
低NOx バーナ1を前記上部管寄せBの内方(中央部)
から挿入して、ウインドボックスJから釣り下げた状態
で取り付けてある。
【0029】さて、前記低NOx バーナ1によって、前
記燃焼室I内には、燃焼反応中ガスの存在する領域、す
なわち燃焼反応領域が形成されるが、この燃焼反応領域
内の火炎の存在する領域(以下、「火炎存在領域」とい
う)に前記第一水管列Fが位置している。また、前記第
一水管列Fは、前記各水管Eに接触した後の燃焼反応中
ガスの温度が1400℃以下となるように、燃焼反応領
域に配置してある。さらに、前記第一水管列Fにおい
て、前記各水管E間には、燃焼反応中ガスの流通を許容
する隙間Kが形成されている。ここで、燃焼反応中ガス
とは、前記燃焼室I内において、燃焼反応を生じている
最中の高温のガスをいい、本書では、特に目視可能な火
炎を指す場合にのみ燃焼火炎或は火炎という。また、燃
焼反応領域としては、好ましくは燃焼反応中ガスに火炎
が生じている領域または燃焼反応中ガスの温度が900
℃以上の高温の燃焼反応中ガスが存在する領域とする。
【0030】そして、前記第一水管列Fと前記第二水管
列Hとの間には、COやHCのような燃焼反応の中間生
成物および燃料の未燃分の燃焼反応が行われる燃焼反応
継続領域Lを設けている。この燃焼反応継続領域L内に
は、前記各水管Eのような熱を吸収する部材は存在しな
い。
【0031】前記第二水管列Hにおいて、隣り合う熱回
収水管G間の隙間(以下、「第二隙間」という)Mは狭
く、通常1〜4mmに設定してある。さらに、前記外壁D
には、前記外壁Dと前記第二水管列Hとの間の環状の排
ガス流路Oと連通する排ガス出口Nを設けてある。
【0032】以上の構成のボイラにおいて、低NOx バ
ーナ1を作動させると、燃焼室I内には燃焼反応中ガス
が発生する。この燃焼反応中ガスの燃焼反応の初期にお
いては、燃料の分解が行われ、この分解した燃料と酸素
が活発に反応する。そして、次の段階では、この際の燃
焼反応で生じた燃焼反応の中間生成物がさらに反応し、
そして燃焼反応が終わった燃焼反応終了ガスは、排ガス
として缶体Aから排出される。燃焼反応が活発に行われ
ている領域では、通常火炎が生じる。
【0033】燃焼反応中ガスは、各隙間Kを介して燃焼
反応継続領域L内に流入する。したがって、火炎は図7
および図8に示すように、燃焼反応中ガスの流動に伴っ
て第一水管列Fの外側にまで形成される。そのため、各
水管Eは、燃焼反応領域中の火炎存在領域内に位置す
る。そして、火炎を生じている燃焼反応中ガスは、各隙
間J を通過する際に各水管E内部の被加熱流体との間で
熱交換を行う。火炎を生じている燃焼反応中ガスは、こ
の熱交換により急激に冷却されて温度が低下するため、
サーマルNOx の発生が抑制される。
【0034】そして、各隙間Kを通過した燃焼反応中ガ
スは、燃焼反応継続領域L内を第二水管列Hに向けて流
通する。この流通の際、燃焼反応中ガスは、第二水管列
Hに到達するまでは、第一水管列Fの各水管Eのような
熱交換を行う部材との接触が無く、温度はあまり低下し
ない。そのため、燃焼反応中ガスは、燃焼反応を継続し
ながら燃焼反応継続領域Lを流通し、その間にCOから
CO2 への酸化反応が促進される。このとき、燃焼反応
継続領域L内では、前述の酸化反応の他、中間生成物や
未燃分などの酸化反応も行われる。
【0035】そして、燃焼反応中ガスは、第二水管列H
に到達するまでに燃焼反応をほぼ終了した高温のガスと
なり、各第二隙間Mを通って排ガス流路Oに流入する。
そして、各第二隙間Mを通過し、排ガス流路Oに流入し
た燃焼反応終了ガスは、第二水管列Hの外側から各熱回
収水管G内の被加熱流体に伝熱を行った後、排ガス出口
Nから排ガスとしてボイラ外に排出される。ここで、第
一実施例は、貫流ボイラであるため、被加熱流体が下部
管寄せCから各水管Eおよび各熱回収水管G内に供給さ
れ、各水管Eおよび各熱回収水管G内を加熱されながら
上昇し、上部管寄せBから蒸気として取り出される。
【0036】ここで、第一実施例の低NOx バーナ1に
おいては、部分予混合気は中空のほぼ円錐台形状に噴出
し、薄膜状の火炎を形成するため、各水管Eによる温度
調整が容易である。また、この火炎はほぼ円錐台形状を
なす薄膜状であるため、火炎の占める容積が小さくな
り、火炎の内部に局所的な高温部が生じるのを防止でき
る。これらの点においても、第一実施例の低NOx バー
ナ1は、従来のものに比べて一層の低NOx 化を達成す
る。
【0037】以上で説明した第一実施例の低NOx バー
ナ1について、NOx ,COの生成量を、従来の一般的
な低NOx バーナと比較すると、第一実施例の低NOx
バーナ1におけるNOx 排出量は、空気過剰率5〜8%
の範囲で50ppm (O2 0%換算値)以下を達成してお
り、既存の低NOx バーナの3/4以下である。また、
第一実施例の低NOx バーナ1におけるCOの生成量
は、空気過剰率5〜8%の範囲内で50ppm (O2 0%
換算値)以下を達成しており、大幅に低減されている。
このときの燃焼条件は、燃料ガス(13A)を、毎時1
60kg供給したものである。
【0038】次に、この発明に係る低NOx バーナの第
二実施例について、図9および図10を参照しながら説
明する。この第二実施例は、燃焼用二次空気を分割して
供給することにより、分割火炎の形成と濃淡燃焼を行う
ことによって一層の低NOx化を達成するように構成し
たものである。ここで、図9および図10において、図
1〜図4に示す第一実施例との対応個所には、同一参照
番号を附し、その詳細説明を省略する。
【0039】この第二実施例においては、内筒2と外筒
4の先端部は、ほぼ面一状態となっており、この先端間
には、複数の遮蔽板15,15,…を設けてある。これ
らの各遮蔽板15は、環状流路5の流路断面(環状)を
その周方向に所定個数(図示する第二実施例では6個)
に分割するように固定してある。ここで、前記各遮蔽板
15は、その周方向の幅が広いほど通過する燃焼用二次
空気の圧力損失が大きくなり、狭いほど火炎の分割の効
果を発揮し得ないため、これらを勘案してその幅と個数
を決定する。たとえば、前記各遮蔽板15の周方向の幅
を前記内筒2の中心からの角度で表すと、20°〜60
°であり、その個数は、3〜9個の間で選択する。ま
た、この第二実施例では、前記各遮蔽板15の隣り合う
ものの外周縁同士および内周縁同士を連結して一体的に
構成しているが、前記各遮蔽板15を独立して構成する
こともできる。
【0040】この第二実施例においては、環状流路5か
らの燃焼用二次空気は、各遮蔽板15によって周方向に
所定個数に分割された状態で噴出し、この燃焼用二次空
気は、内筒2の先端部近傍における部分予混合気に対し
てその周囲から部分的に合流する。したがって、バーナ
ノズル3から噴出する部分予混合気の周方向には、所定
の空燃比に対して燃料過剰の個所と空気過剰の個所が交
互に生じることになる。そのため、前記環状流路5にお
ける前記各遮蔽板15の無い個所では、燃焼用二次空気
が噴出し、空気過剰で燃焼するため低NOx 化が達成さ
れる。
【0041】また、内筒2の下流側においては、燃焼用
二次空気を供給した後も燃料過剰の燃焼反応個所と空気
過剰の燃焼反応個所が存在し、所謂濃淡燃焼を行うた
め、それぞれの個所において燃焼温度は理論燃焼温度よ
り低下する。したがって、各領域の燃焼温度は、サーマ
ルNOx の生成が最大となる空燃比領域を外れるため、
サーマルNOx の生成が抑制される。
【0042】さらに、第二実施例においては、前記各遮
蔽板15のそれぞれに、表裏を貫通する小孔16を所定
個数ずつ(図示する第二実施例では、3個ずつ)穿孔し
てある。これらの各小孔16によって前記各遮蔽板15
の後流側における空気量(空気の比率)を増加しておく
ことにより、この下流において燃焼用二次空気と混合す
る際の混合性がさらに向上し、排ガス中の未燃物の生成
を抑制することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る低
NOx バーナは、内筒からの部分予混合気をバーナノズ
ルによって薄膜状の末広がり形状に噴出させ、外筒の出
口において、環状流路から供給される燃焼用二次空気を
合流させることにより、薄膜状の火炎による燃焼を行う
ため、火炎の体積に対して表面積が多くなり、火炎から
の放熱がよくなるため、局所的な高温領域の発生が防止
でき、低NOx 化を達成する。さらに、外筒からの燃焼
用二次空気を、遮蔽板によって周方向に分割させて噴出
させることにより、濃淡燃焼を行い、サーマルNOx の
発生量の少ない空燃比領域で燃焼するため、NOx の発
生が抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る低NOx バーナの第一実施例の
縦断側面の説明図である。
【図2】図1の正面の説明図である。
【図3】図1におけるリング状部材の平面形状を示す説
明図である。
【図4】図1におけるリング状部材の側面形状を示す説
明図である。
【図5】リング状部材の他の形状の例を示す平面形状の
説明図である。
【図6】図5に示すリング状部材を積層した構成の一部
を破断して示す説明図である。
【図7】第一実施例の低NOx バーナを熱機器に適用し
た一例を示す縦断側面の説明図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面の説明図であ
る。
【図9】この発明に係る低NOx バーナの第二実施例の
縦断側面の説明図である。
【図10】図9の正面の説明図である。
【符号の説明】
1 低NOx バーナ 2 内筒 3 バーナノズル 4 外筒 5 環状流路 6 貫通孔 7 第一ノズル構成部材(ノズル構成部材) 8 第二ノズル構成部材(ノズル構成部材) 9 リング状部材 11 噴出孔 15 遮蔽板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料および燃焼用一次空気の供給を受け
    る内筒2と、この内筒2の先端に取り付けられたバーナ
    ノズル3と、前記内筒2の外周との間の環状流路5から
    燃焼用二次空気を噴出する外筒4とからなり、前記バー
    ナノズル3は、末広がり形状に部分予混合気を噴出する
    ものであることを特徴とする低NOxバーナ。
  2. 【請求項2】 前記環状流路5の先端側に、前記環状流
    路5を周方向に所定個数に分割する遮蔽板15を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の低NOxバーナ。
  3. 【請求項3】 前記バーナノズル3が、周方向に波打た
    せた末広がり形状のリング状部材9によって構成されて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の低
    NOx バーナ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183927A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Miura Co Ltd ボイラおよび低NOx燃焼方法
KR100764622B1 (ko) * 2007-05-14 2007-10-08 김순임 고화력 가스버너
JP2012202632A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Tokyo Gas Co Ltd バーナ
CN115013973A (zh) * 2022-06-02 2022-09-06 西安交通大学 一种全预混水冷燃气锅炉

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