JPH1128737A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

発泡成形体の製造方法

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JPH1128737A
JPH1128737A JP9185575A JP18557597A JPH1128737A JP H1128737 A JPH1128737 A JP H1128737A JP 9185575 A JP9185575 A JP 9185575A JP 18557597 A JP18557597 A JP 18557597A JP H1128737 A JPH1128737 A JP H1128737A
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JP
Japan
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resin
mold
resin material
foamed
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JP9185575A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Minowa
一彦 簑輪
Mamoru Nagai
守 永井
Masamitsu Yamauchi
将満 山内
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MONTERU J P O KK
Original Assignee
MONTERU J P O KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な方法により低コストで、リサイクル性
に優れ、高発泡でかつ微細セルを有するオレフィン系樹
脂を母材とした発泡成形体、特に発泡層と基材層を有す
る積層体を製造する。 【解決手段】 官能基を有する不飽和化合物を共重合し
た変性オレフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂
材料を金型に溶融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の
溶融状態から固化状態に至る間に、100kg/cm2以下
の樹脂圧力で成形する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン系樹脂を
母材とした発泡成形体の製造方法、特にオレフィン系樹
脂を母材とした発泡層と基材層とから構成される積層体
構造を有する発泡成形体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】発泡成形体、特に少なくとも発泡層と基
材層とを有する積層体は、断熱材、遮音材、クッション
材、床材として建材分野、自動車分野で広く使用されて
おり、特に自動車分野では衝突事故時の車内の安全を高
めることから注目されている。従来、発泡成形体及び積
層体中の発泡層には高発泡でかつ微細な発泡セルを有す
る発泡ウレタン等の熱硬化性樹脂やポリ塩化ビニルを母
材とした発泡層が広く使用されていた。しかし、最近の
環境保全に対する関心や規制などからそれらに適した母
材の使用が求められており、かつ、リサイクル性が要求
されており、ウレタンなどの熱硬化性樹脂やポリ塩化ビ
ニルからオレフィン系樹脂への代替が急速に進んでい
る。しかし、従来のオレフィン系樹脂を母材とした発泡
成形体及び少なくとも発泡層と基材層とから構成される
積層体中の発泡層は、分子間の相互作用が乏しいため発
泡セルの破壊や粗大化を起こすなどの問題があった。そ
こで、これらの問題をなるべく回避する為に、単体の発
泡成形体は次のような工程により製造されている。 オレフィン系樹脂と発泡剤からなる発泡性樹脂材料を
用いて発泡剤の分解温度以下で未発泡シートを成形す
る。 得られた未発泡シートに電子線を照射して分子間を架
橋させ、分子間相互作用を増す。 その後、発泡剤の分解温度以上に再加熱して発泡させ
発泡シートを作製する。 この発泡シートを再度加熱し、真空成形で所定形態に
賦形する。また、発泡層と基材層からなる積層体は、さ
らに以下の工程を経ることにより製造されている。 別途成形した基材に接着剤を塗布する。 真空成形で発泡シートと基材を貼り合わせる。 トリミングなどの後処理をする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法においては、次のような問題があった。 ・高価で危険な電子線照射装置を使用する必要がある。 ・複雑で工程が多いことから非効率的でコストアップと
なる。 ・接着剤を使用しているため作業環境が悪化する。 ・真空成形で積層させるため積層体の形状に制限があ
る。 本発明は前記課題を解決するためになされたもので、簡
易な方法により低コストで、リサイクル性に優れ、高発
泡でかつ微細セルを有するオレフィン系樹脂を母材とし
た発泡成形体、特に発泡層と基材層を有する積層体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った
もので、本発明の発泡成形体の製造方法は、官能基を有
する不飽和化合物を共重合した変性オレフィン系樹脂と
発泡剤とを有する発泡性樹脂材料を、金型に溶融発泡状
態で供給し、発泡性樹脂材料の溶融状態から固化状態に
至る間に、100kg/cm2以下の樹脂圧力で成形する工
程を有するものである。また、積層構造の発泡成形体を
製造する場合には、予め金型内に配置した基材の少なく
とも一部上に、官能基を有する不飽和化合物を共重合し
た変性オレフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂
材料を、溶融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の溶融
状態から固化状態に至る間に、100kg/cm2以下の樹
脂圧力で発泡層を有する積層体を成形する工程を有する
ものである。または、少なくとも2台以上の可塑化装置
を有する成形機を用いて、まず1台の可塑化装置を用い
て所定形態の基材を賦形し、次いで金型内に該基材を配
置した状態で他の可塑化装置を用いて該基材の少なくと
も一部上に、官能基を有する不飽和化合物を共重合した
変性オレフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂材
料を溶融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の溶融状態
から固化状態に至る間に、100kg/cm2以下の樹脂圧
力で発泡層を有する積層体を成形する工程を有するもの
である。
【0005】この際、変性オレフィン系樹脂としては、
その主成分が、エチレンと、少なくとも官能基を有する
不飽和化合物とを共重合したエチレン系共重合体、また
は、オレフィン系樹脂に官能基を有する不飽和化合物を
グラフト共重合したグラフト変性オレフィン系樹脂が好
ましい。また、発泡性樹脂材料は、変性オレフィン系樹
脂と発泡剤以外にも、エチレン−α−オレフィン共重合
体エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、
スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種以
上のエラストマーを含有していることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、変性オレフィ
ン系樹脂と発泡剤を有する発泡性樹脂材料を用いる。 (A)変性オレフィン系樹脂 本発明における変性オレフィン系樹脂は官能基を有する
不飽和化合物を共重合した変性オレフィン系樹脂であ
り、エチレンと少なくとも官能基を有する不飽和化合物
を共重合したエチレン系共重合体や、オレフィン系樹脂
に官能基を有する不飽和化合物をグラフト共重合したグ
ラフト変性オレフィン系樹脂などを主成分とするものが
挙げられる。
【0007】官能基を有する不飽和化合物としては、不
飽和カルボン酸無水物、カルボキシル基含有不飽和化合
物、水酸基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合
物、エポキシ基含有不飽和化合物、イソシアネート基含
有不飽和化合物、不飽和カルボン酸アルキルエステル
類、ビニルエステル類、エチレン系不飽和エーテル化合
物、エチレン系不飽和炭化水素化合物などが挙げられ
る。官能基を有する不飽和化合物中の不飽和カルボン酸
無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無
水シトラコン酸、無水エンディク酸、ドデセニル無水コ
ハク酸、1−ブテン−3、4−ジカルボン酸無水物、炭
素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアル
カジエニル無水コハク酸等の炭素数が4〜50個の不飽
和カルボン酸無水物等が挙げられる。官能基を有する不
飽和化合物中のカルボキシル基含有不飽和化合物として
は、炭素数が多くとも25個の不飽和モノカルボン酸や
マレイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、シト
ラコン酸等の炭素数が4〜50個の不飽和ジカルボン酸
等が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸、ク
ロトン酸、フマル酸、2−エチルアクリル酸、3,3−
ジメチルアクリル酸、3−プロピルアクリル酸、3−イ
ソプロピルアクリル酸、2−イソプロピルアクリル酸、
トリメチルアクリル酸、3−ブチルアクリル酸、2−ブ
チルアクリル酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、3−メ
チル−3−プロピルアクリル酸などが挙げられる。
【0008】官能基を有する不飽和化合物中の水酸基含
有不飽和化合物としては、炭素数3〜25のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、炭素数3〜25のヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられ
る。具体的には2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシシクロヘキシルアクリレート、2
−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アク
リルアミド、 2−ヒドロキシエチルメタクリレート等
が挙げられる。官能基を有する不飽和化合物中のアミノ
基含有不飽和化合物としては、炭素数3〜25の不飽和
アミン、炭素数3〜25の(アルキル)アミノアルキル
(メタ)アクリレート、炭素数3〜25の(アルキル)
アミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が用いられ、
具体的にはビニルベンジルアミン、ビニルシクロヘキシ
ルアミン、N,N一ジメチルビニルアミン、N,N一ジエ
チルビニルアミン、N,N−ジフェニルビニルアミン等
が挙げられる。
【0009】官能基を有する不飽和化合物中のエポキシ
基含有不飽和化合物としては、
【化1】 (ただし、R1はエチレン系不飽和結合を有する炭素数
2〜18の炭化水素基を表し、R2は炭素数が1〜12
の直鎖状もしくは分岐アルキレン基を表し、Xは−O−
または−NH−を表し、Yは−CH2−O−または
【化2】 ただし、R3は水素またはメチル基を表す。) 具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリルアミド、グリシジルアルキル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−メ
タリルグリシジルエーテル、(4−グリシジルオキシ−
3,5−ジメチルフェニル)メチル(メタ)アクリルア
ミド等が挙げられる。官能基を有する不飽和化合物中の
イソシアネート基含有不飽和化合物としては、ブテンジ
イソシアネート、1,3−フタジエン−1,4−ジイソシ
アネート、2−ブチニレン−1,4−ジイソシアネー
ト、メタクリルイソシアネートが挙げられる。
【0010】官能基を有する不飽和化合物中のビニルエ
ステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸へキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸べンジル、フマル酸ジメ
チル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル類、酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニ
ルエステルなどが挙げられる。官能基を有する不飽和化
合物中のエチレン系不飽和炭化水素化合物としては、メ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のエチレン系
不飽和エーテル化合物、スチレン、αーメチルスチレ
ン、ノルボルネン、ブタジエンなどが挙げられる。その
他の官能基を有する不飽和化合物としては(メタ)アク
リロニトリル、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ト
リメトキシビニルシラン、(メタ)アクリル酸トリメト
キシシリルプロピルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどが挙げられる。
【0011】エチレンと官能基を有する不飽和化合物を
共重合したエチレン系共重合体の製造方法は、例えば低
密度ポリエチレンを製造する際に用いられる高圧法ラジ
カル反応プロセスにより、エチレンと少なくとも官能基
を有する不飽和化合物を共重合する方法などがあるが、
この方法に限定するものではない。エチレンとの共重合
の際に用いられる官能基を有する不飽和化合物は、単独
あるいは2種類以上を組み合わせて用いても差し支えな
い。
【0012】また、オレフィン系樹脂に官能基を有する
不飽和化合物をグラフト共重合したグラフト変性オレフ
ィン系樹脂は、オレフィン系樹脂の変性に用いられるグ
ラフト反応プロセスにより、オレフィン系樹脂に官能基
を有する不飽和化合物をグラフト共重合する方法などに
より製造される。グラフト共重合の際に用いられる官能
基を有する不飽和化合物は、単独あるいは2種類以上を
組み合わせて用いても差し支えない。
【0013】グラフト共重合の際に用いられるオレフイ
ン系樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂
などがある。エチレン系樹脂としては、高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン
との共重合体、エチレンと各種不飽和化合物とのエチレ
ン系共重合体などの他に水素添加したスチレン−ジエン
系ブロック共重合体、及びこれらエチレン系樹脂の混合
物がある。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独
重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体
(耐衝撃性ポリプロピレン)、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体、プロピレン系樹脂にエチレン−α−オ
レフィンエラストマーを混合した熱可塑性エラストマ
ー、およびこれらプロピレン系樹脂の混合物がある。さ
らには前記エチレン系樹脂とプロピレン系樹脂との混合
物でもかまわない。尚、エチレン系樹脂やプロピレン系
樹脂で共重合する際に用いられるα−オレフィンとして
は、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブ
テン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペ
ンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられ、特にエチ
レン、1−ブテンが好ましい。これらのα−オレフィン
は1種類でも良く、2種類以上でも良い。
【0014】また、変性オレフィン系樹脂の柔軟性を付
与するため、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
R)、エチレン−プロピレン非共役ジエン共重合ゴム
(EPDM)、エチレン−ブテン1ランダム共重合体ゴ
ム(EBR)などのエチレン−α−オレフィン共重合体
エラストマーや、スチレン−エチレン/イソプロピレン
−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−
エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SE
BS)などのスチレン系エラストマーなどのゴム成分を
混合することができる。これらのゴム成分の中で特にエ
チレン−プロピレン共重合ゴム(EPR)及びスチレン
−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(S
EBS)が好ましい。また2種類以上を混合して使用し
ても良い。
【0015】変性オレフィン系樹脂中の官能基を有する
不飽和化合物の割合は、0.1〜50重量%の範囲であ
り、好ましくは0.5〜10重量%の範囲であり、特に
好ましいのは1.0〜5重量%の範囲である。不飽和化
合物の割合が0.1%未満では、得られる発泡層のセル
強度が不足するためセル破壊により発泡倍率が上がら
ず、またセルの粗大化が起こり、また基材層との接着性
も不十分である。また、50重量%を越えると、発泡倍
率や良好なセルを得る点からもはや無意味であり経済的
に好ましくない。
【0016】(B)発泡剤 本発明に用いられる発泡剤には変性オレフィン系樹脂の
融解温度よりも高い分解温度を有するものであって、1
10〜250℃の範囲で分解し気体を発生するものが好
ましく、さらに120〜240℃が好ましく、特に13
0〜230℃が好適に用いられる。発泡剤には、有機系
熱分解型発泡剤、無機系発泡剤があるが、変性オレフィ
ン系樹脂との分子間相互作用を効率的に発現させる点か
ら有機系分解型発泡剤が好ましい。具体的には、例え
ば、ジニトロソペンタエチレンテチラミン、アゾイソブ
チロニトリル、アゾジカルボンアミド、パラトルエンス
ルホニルヒドラジド、4,4−オキシビスベンゼンスル
ホニルヒドラジド、ヒドラジン等の化合物あるいはこれ
らの混合物が挙げられる。これらの発泡剤は、発泡助剤
を併用することによって、さらに発泡効果を上げること
ができる。発泡助剤としては、酸化亜鉛、硫酸鉛、尿
素、ステアリン酸亜鉛等が用いられる。また、発泡剤が
ジニトロソペンタメチレンテトラミンの場合には、発泡
助剤としては、サルチル酸、フタル酸、ホウ酸、尿素樹
脂等が用いられる。
【0017】(C)発泡性樹脂材料 本発明の発泡性樹脂材料は、上述した少なくとも変性オ
レフィン系樹脂(A)と発泡剤(B)を含んだものであ
ればよい。本発明の発泡性樹脂材料であると、官能基を
有する不飽和化合物を共重合した変性オレフィン系樹脂
同士の分子間の相互作用や変性オレフィン樹脂と発泡剤
との相互作用により、メルトテンションが向上し、溶融
発泡時の発泡セルの強度が高くなるため発泡ガスの保持
性が向上する。従って、本発明の発泡性樹脂材料を使用
することによって、電子線照射などの特別な装置を用い
ることなく分子間の相互作用を発現させ、かつ基材層と
の接着性に優れた発泡層を得ることができる。発泡性樹
脂材料に含まれる変性オレフィン系樹脂(A)の配合量
は、1.0〜99.9重量%であり、さらに好ましくは1
0〜99重量%が好ましく、とりわけ20〜95重量%
が好適である。変性オレフィン系樹脂(A)の組成割合
が1.0重量%未満では発泡層の発泡セルの粗大化が起
こり好ましくない。発泡性樹脂材料(C)に含まれる発
泡剤(B)の配合量は、0.1〜40重量%であり、好
ましくは1.0〜35重量%が好ましく、とりわけ2.0
〜30重量%が好適である。発泡剤の組成割合が0.1
重量%未満では発泡層の発泡倍率は不十分となり、40
重量%を越えるとセル破壊やセルの粗大化が起こり好ま
しくない。
【0018】発泡性樹脂材料(C)は、オレフィン系樹
脂の一般的に用いられる混練機を用いて、少なくとも変
性オレフィン系樹脂(A)と発泡剤(B)を練り込んだ
状態や、粉状またはペレット状のオレフィン系樹脂
(A)と粉状または顆粒状の発泡剤(B)をそのままの
形状で混合した状態(ドライブレンド)や、粉状または
ペレット状の変性オレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂
または変性オレフィン系樹脂に発泡剤(B)を高濃度に
含有したマスターバッチのペレットを混合した状態で使
用される。
【0019】本発明の発泡性樹脂材料(C)には、変性
オレフィン系樹脂(A)の相互作用を更に強くし、発泡
層のセル強度を向上させるために、変性オレフィン系樹
脂との相互作用のある他の官能基を有する変性オレフィ
ン系樹脂、官能基を2個以上有する反応性化合物、有機
過酸化物などを加えることができる。官能基を2個以上
有する反応性化合物とは、分子内に水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等の少
なくとも1種の基を2つ以上有する反応性化合物であ
り、変性オレフィン系樹脂の官能基との反応性を考慮し
て選択する必要がある。水酸基を有する反応性化合物と
しては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール等のグリコール類、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール等のアルコール化合物、アルビトール、ソ
ルビトール、ソルビタン、アラミノース、グルコース、
フルクトース等の糖類、水酸基を複数有するポリオレフ
ィン系オリゴマー等が挙げられる。また水酸基を有する
多官能化合物としては多価アルコール化合物にエチレン
オキシドまたはプロピレンオキシドを付加させた構造を
有するポリオキシアルキレン化合物が挙げられる。これ
らのポリオキシアルキレン化合物としては、具体的には
例えば、1,3−ジヒドロキシプロパン、2,2−ジメチ
ル−1,3−ジヒドロキシフロパン、トリメチロールエ
タン、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、グリセリン、ジグリセリン、ヘキサグリセ
リン等にエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド
を付加反応をさせたものが挙げられる。また有機カルボ
ン酸化合物とポリグリセリンとを脱水縮合して得られる
分子内に2個以上のヒドロキシル基を有するポリグリセ
リンエステルを用いることもできる。その他の多価アル
コール化合物としては、ソルビタンあるいは分子内に2
個以上の水酸基を有するソルビタン誘導体と、有機カル
ボン酸化合物とを脱水縮合して得られるソルビタンアル
キルエステルを用いることもできる。
【0020】分子内にカルボキシル基を複数有する多官
能化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オル
トフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シグロヘ
キサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げ
られる。分子内にアミノ基を複数有する多官能化合物と
しては、エチレンジアミン、メチルエチレンジアミン、
エチルエチレンジアミン、(2−フロモエチル)エチレ
ンジアミン、ビニルベンジルアミン、N−メチル−N’
−エチルエチレンジアミン、N−フチルエチレンジアミ
ン、N−ドデシルエチレンジアミン、ジアミノプロパ
ン、ジアミノブタン、1,2−ジメチル−1,3−プロパ
ンアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,
5−ペンタジアミンなどが挙げられる。またアミノ基と
水酸基の両方を有する多官能化合物も用いられる。例え
ば、エタノールアミン、2−ヒドロキシエチルヒドラジ
ン、3−アミノ−1−プロパノール、DL一2−アミノ
−1−プロパノール、DL−1−アミノ−2−プロパノ
ール、4−アミノ−1−フタノール、2−アミノ−1−
ブタノール、2−アミノ−1−ペンタノール、DL一2
−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサ
ノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール等が用
いられる。
【0021】分子内にエポキシ基を複数有する多官能化
合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエー
テル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ベン
タユリスリトールポリグリシジルエーテル、ヒドロキノ
ンジグリシジルエーテル、ジグリシジルビスフェノール
Aおよびその水添物、フタル酸ジクリシジルエステル、
トリメチロールブロバントリグリシジルエーテル、ヘキ
サントリオールトリグリシジルエーテル、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油、シクロヘキサンジメタノー
ルジグリシジルエーテル、脂環式エポキシ樹脂、異節環
状型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAーエビクロルヒドリン樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、
臭素化ノボラック型エポキシ樹脂、ポリクリシジルアミ
ン型エポキシ樹脂、エステル型エポキシ樹脂、オルトク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。分子内に
イソシアネート基を複数有する反応性化合物としては、
例えばエチレンジイソシアネート、1−メチルエチレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート等
の脂肪族ジイソシアネート、mーフェニレンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、4,4’,
4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリ
イソシアネートが挙げられる。
【0022】分子内にイソシアネート基を複数有する反
応性化合物として、保護されたイソシアネート基を1分
子中に少なくとも2個有するブロックイソシアネート
(以下BIと称す)を用いることもできる。BIは、一
般式が下記の式で表される。
【化3】 (式中、PBはイソシアネートの保護剤の残基;R1
2価イソシアネートの残基であり、炭素数2〜20の炭
化水素基;R2は水素原子またはメチル基;mは1〜5
の整数;nは1〜30の整数を表す) 上記ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
クリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロビレン
グリコール、テトラメチレンクリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、トリメチロールブロバン、ベンタエリス
リトール等が挙げられる。これらのなかでも、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、プトラメチレングリコールが好ましい。
【0023】本発明の発泡性樹脂材料に加えられる反応
性化合物の融点は、300℃以下であることが好まし
い。またこれらの反応性化合物は、2種類以上同時に併
用しても差し支えない。本発明における発泡性樹脂材料
に加えられる反応性化合物の配合割合は、0.05〜2
0重量%であり、0.1〜18重量%、特に0.11〜1
5重量%が好ましい。
【0024】本発明の発泡性樹脂材料に加えられる有機
過酸化物としては、特に変性オレフィン系樹脂の融解温
度よりも15℃高い温度における分解速度が半減期で3
0秒より長く、かつ温度280℃における分解温度が1
0分以下のものが好適である。具体的には、ハイドロパ
ーオキシド類、アルキルパーオキサイド類、アシルパー
オキサイド類、ケトンパーオキサイド類、アルキルパー
エステル類、パーオキシジカーボネート類、シリコンパ
ーオキサイド類などが挙げられる。具体例としては、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、1,3−ビス(t−フチルパーオキシ)へキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)へキサン、ベンゾイルパーオキサイド、
メチルイソブチルケトンパーオキシジカーボネート、ビ
ニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げら
れる。これらの有機過酸化物は単独でも、2種以上を混
合して用いてもよい。また、本発明の発泡性樹脂材料に
加えられる有機過酸化物の配合割合は、0.01〜3重
量%であり、0.015〜2.5重量%が好ましく、とり
わけ0.02〜2重量%が好ましい。有機過酸化物の配
合割合が0.01重量%未満では、発泡セル強度の向上
が充分得られない。3重量%を超えると着色及び臭気の
原因となるので好ましくない。
【0025】本発明の発泡性樹脂材料(C)には、成形
性や発泡層の機械的強度を向上させるために変性オレフ
ィン系樹脂(A)と相溶性のよい各種オレフィン系樹脂
をさらに加えることができる。そのようなオレフィン系
樹脂としては、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂およ
びそれらの混合物などがある。エチレン系樹脂の具体例
としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体などの各種不飽和化合物
とのエチレン系共重合体などがある。プロピレン系樹脂
の具体例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン
−エチレンブロック共重合体、耐衝撃性ポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレンランダム共重合体などがあ
る。必要に応じてこれらオレフィン系樹脂を2種類以上
混合して用いてもよい。
【0026】本発明の発泡性樹脂材料(C)には、発泡
層のクッション感を向上するために変性オレフィン系樹
脂(A)と発泡剤(B)以外に、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーなどの変性
オレフィン系樹脂(A)と相溶性のよい軟質樹脂を混合
することができる。エチレン−α−オレフィン共重合体
エラストマーには例えば、エチレン−プロピレン共重合
体エラストマー、エチレン−1ブテン共重合体エラスト
マー、エチレン−ヘキセン共重合体エラストマー、エチ
レン−オクテン共重合体エラストマーなどがある。オレ
フィン系熱可塑性エラストマーには例えば、特開平1−
197544号、特開平3−64341号、特開平3−
273041号、特開平4−25539号、特開平4−
114046号、特開平4−180945号、特開平4
−258639号、特開平4−261434号の各公報
で示されるオレフィン系樹脂とオレフィン系エラストマ
ー成分に架橋剤を加えて混練することによって得られる
架橋タイプや、特開平5−202244号公報で示され
るようなオレフィン系樹脂に単純にオレフィン系エラス
トマー成分を混練して得られる単純ブレンドタイプや、
特開昭57−61012号公報で示されるような多段重
合プロセスによりリアクター内でオレフィン系樹脂とオ
レフィン系エラストマーをブレンドして得られるラクタ
ーメイドタイプなどがある。また特開平9−52986
号公報に示されるようなオレフィン系エラストマーとス
チレン系熱可塑性エラストマーとの混合物がある。また
スチレン系エラストマーとしては、スチレン部分が30
重量%以下であるスチレン−ブタジエン共重合体エラス
トマーやスチレン−イソプレン共重合体エラストマーの
水素添加物などがある。
【0027】発泡性樹脂材料に各種オレフィン系樹脂や
熱可塑性エラストマーを加える方法は、オレフィン系樹
脂の一般的に用いられる混練機を用いて練り込む方法
や、粉状またはペレット状そのままの形状で混合する方
法などがある。本発明の発泡性樹脂材料には必要に応じ
て、オイルなどの柔軟剤、安定剤、難燃化剤、加工性改
良剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
着色剤、顔料のごとき添加剤や各種充填剤を添加しても
よい。
【0028】基材 本発明の発泡成形体は発泡層と基材とを有する積層体と
することができる。その基材としては、発泡層との密着
性が良好で、使用用途で耐えられる機械的強度を有する
ものであればよい。例えば、少なくとも木質成分と熱硬
化性樹脂からなる木質系材料やオレフィン系樹脂などが
自動車分野や建材分野でよく用いられる。そのような木
質成分と熱硬化性樹脂からなる材料は軽量で高強度で、
しかも安価であることから自動車内装材や建築材に広く
使用されている。具体的には、開繊されたパルプやジュ
ート等の繊維をフェノール樹脂等をバインダーとして固
め賦形したものや、パルプチップ、大鋸屑等にフェノー
ル樹脂を含浸させ加熱圧縮成形したもの、あるいはレジ
ンフェルトやハードボード等が挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではなく、使用される部位に応じそ
の要求性能を満足するものであればよい。木質系基材は
単層でも多層でも用いることができ、合成樹脂フィル
ム、ダンボール紙或いは金属箔等の材料で作られたハニ
カム構造や樹脂材料を用いた発泡構造等を挟んだ多層構
造体にして用いることもできる。オレフィン系樹脂には
エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂が挙げられるが、中
でもプロピレン系樹脂が成形性や製品物性が良好である
ので好適である。プロピレン系樹脂としてはプロピレン
単独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、
プロピレン−エチレンランダム共重合体及びそれらの混
合物、さらには前記プロピレン系樹脂を含む他の樹脂、
例えはポリエチレン、エチレン−α―オレフィン共重合
体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体エラス
トマー及びその誘導体等との混合物も含まれる。オレフ
ィン系樹脂は1種類でも2種類以上でも用いることがで
き、タルク、ガラスファイバー、木粉等の充填材が混合
されたものも用いることかできる。また必要に応じて、
一般に使われている安定剤、難燃化剤、加工性改良剤、
滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色
剤、顔料のことき添加剤を添加してもよいことは勿論で
ある。また、軽量化のためオレフィン系樹脂に発泡剤を
添加し、発泡させてもよい。オレフィン系樹脂のMFR
は、特に限定されることはなく通常用いられる射出成形
や圧縮成形で成形可能であれば良くまた、要求される機
械的特性から選択すればよい。
【0029】発泡成形体の製造方法 本発明は、上述した発泡性樹脂材料を金型に溶融発泡状
態で供給し、これを100kg/cm2以下の樹脂圧力で成
形する過程を含むようにして所定形態に賦形することに
よって所定形状の発泡成形体を得るものである。本願に
おいて溶融発泡状態とは、発泡剤の少なくとも一部が分
解可能な温度で溶融樹脂中に分解ガスが泡状に含まれた
所謂スポンジ状の状態を意味する。本発明で使用される
成形機は、少なくとも可塑化装置と金型を有する成形機
であり、射出成形や圧縮成形分野で一般的に用いられて
いるものである。可塑化装置は計量後射出または押出で
きる機能を有するインラインタイプやアキュームレータ
タイプの射出成形用可塑化装置や連続的に樹脂を押出で
きる押出成形用可塑化装置などが用いられる。
【0030】発泡性樹脂材料を金型に供給、充填、賦形
する際に用いられる成形方法には、閉鎖した金型内に直
接発泡性樹脂材料を供給する通常の射出成形による方法
や、金型が開いた状態で可塑化装置を金型間に挿入し発
泡性樹脂材料を金型上に供給するホットフロー成形によ
る方法や、金型が完全に閉鎖してない状態でホットラン
ナーを介して発泡性樹脂材料を金型間に供給する射出圧
縮成形による方法や、金型が開いた状態で可塑化装置を
金型間に挿入しシート状の発泡性樹脂材料を金型上に供
給して真空成形や圧空成形する方法などがある。但し、
いずれの方法においても、本発明においては樹脂圧力は
重要で、金型内に発泡性樹脂材料を供給し、賦形が完了
するまで、即ち、発泡性樹脂材料の溶融状態から固化状
態に至る間に、樹脂圧力が100kg/cm2以下となる工
程があることが必要である。すなわち、発泡性樹脂材料
が溶融状態から固化状態に至る間の樹脂圧力を常に10
0kg/cm2以下とすることは勿論のこと、その一部にお
いて、100kg/cm2以下となる過程があれば良く、例
えば、射出時においては150kg/cm2であっても、そ
の後、100kg/cm2以下とするように成形条件を制御
するような場合でも良い。この樹脂圧力は100kg/cm
2以下であることが必要であるが、50kg/cm2以下であ
ればより好ましく、20kg/cm2以下がより好適であ
る。従来の発泡性樹脂材料は溶融状態での分子間の相互
作用が小さいため、発泡セルの破壊や発泡ガスの抜けが
生じ、発泡倍率の低いものしか得られなかったが、本願
発明においては、特定の発泡性樹脂材料を使い、なおか
つ、少なくとも一部工程にて100kg/cm2以下の成形
とすることにより、発泡セルの破壊や発泡ガスの抜けが
妨げられ、高い発泡倍率の発泡成形体を得ることができ
る。ここで、樹脂圧力が100kg/cm2よりも常に高い
と発泡セルの破壊やガス抜けが生じやすくなり、十分な
発泡倍率が得られにくい。尚、一定の製品形状を得る為
に少なくとも2kg/cm2以上は必要である。
【0031】発泡性樹脂材料を金型内に供給してから賦
形が完了するまでの金型内の樹脂圧力の制御は、金型動
作よる方法や金型末端に空間を設ける方法(捨てキャ
ビ)などがあるが、金型動作による方法が形状の自由度
の点から好ましい。金型動作により樹脂圧力を制御する
具体的方法としては、例えば閉鎖した金型内に発泡性樹
脂材料を供給する射出成形の場合は、金型を開くことに
よって樹脂圧力を制御し、また開いた金型上に発泡性樹
脂材料を供給する射出圧縮成形やホットフロー成形の場
合は、金型を閉鎖する速度や圧縮成形後に一旦金型を開
くことによって樹脂圧力を制御し、また開いた金型に発
泡性樹脂材料をシート状で供給して真空成形や圧空成形
する場合は、真空度によって樹脂圧力を制御する。ま
た、金型動作制御する際に樹脂圧力を検出するセンサー
有する金型を用いることで精密に制御できるので好まし
い。また、発泡性樹脂材料を金型に供給する際の温度は
少なくとも発泡性樹脂材料が溶融状態であればよいが、
成形サイクルの点から溶融発泡状態が好ましい。本発明
の発泡成形体の表面外観を改良するために金型表面を加
熱してもよい。金型の加熱方式は特に限定するものでは
ないが、具体的には、電気抵抗加熱、赤外線ヒーター、
遠赤外線ヒーター、熱水加熱、蒸気加熱、オイル加熱な
どがある。本発明の発泡成形体の意匠性を得るために、
発泡成形体の表面に塩化ビニルや熱可塑性エラストマー
などの人工皮革、ポリエステルやポリアミドやポリプロ
ピレンなどの織布や不織布などの表皮材を貼り合わせる
ことができる。貼り合わせる方法は表皮材を予め金型内
に配置した状態で発泡性樹脂材料を金型内に供給、充填
する一体成形や少なくとも発泡成形体の表面を加熱して
真空成形などによって表皮材を貼り合わせる方法がある
が、成形サイクルの点から一体成形が好ましい。
【0032】本発明において、発泡後の発泡成形体の体
積は発泡前の体積に対して1.3倍以上、50倍以下で
あり、好ましくは1.5倍以上、30倍以下が好適であ
る。1.3倍未満では軽量化、クッション性などの発泡
成形体としての特徴が不十分であり、また50倍を越え
ると発泡成形体のセルが連続化してしまい、外観不良が
著しくなり好ましくない。
【0033】積層体の製造方法 本発明によって発泡層と基材層とを有する積層体を製造
するには、金型内に配置した基材の必要部、即ち、成形
目的に応じて一部ないし全面上に、上述した発泡性樹脂
材料を溶融発泡状態で供給し、かつ100kg/cm2以下
の樹脂圧力の工程が含まれるように所定形態に成形すれ
ばよい。発泡性樹脂材料を基材に積層する際に用いられ
る成形機は、射出成形や圧縮成形分野で一般的に用いら
れている少なくとも可塑化装置と金型を有する成形機で
ある。可塑化装置は計量後射出または押出できる機能を
有するインラインタイプやアキュームレータタイプの射
出成形用可塑化装置や連続的に樹脂を押出できる押出成
形用可塑化装置などが用いられる。例えば、少なくとも
2台以上の可塑化装置を有する成形機を用いて、まず1
台の可塑化装置を用いて所定形態の基材を賦形し、次い
で金型内にその基材を配置した状態で、他の可塑化装置
を用いてその基材の一部上または全面上に、発泡性樹脂
材料を溶融発泡状態で供給する方法が好適である。発泡
性樹脂材料を基材上に供給する方法は、金型内に基材を
配置し、金型が閉鎖した状態で直接発泡性樹脂材料を射
出する方法(射出方式)や、金型内に基材を配置し、金
型が開いた状態で可塑化装置を金型間に挿入し発泡性樹
脂材料を基材上に供給する方法(ホットフロー方式)
や、金型内に基材を配置し、金型が完全に閉鎖してない
状態でホットランナーを介して発泡性樹脂材料を基材上
に供給する方法(射出圧縮方式)や、金型内に基材を配
置し、金型が開いた状態で溶融状態のシート状発泡性樹
脂材料を基材上に供給して真空成形や圧空成形する方法
(真空・圧空方式)などがある。
【0034】但し、上述したように、いずれの方法にお
いても、金型内に発泡性樹脂材料を供給し、賦形が完了
するまでに、樹脂圧力が100kg/cm2以下となる工程
が必要であり、50kg/cm2以下がより好ましく、20k
g/cm2以下が好適である。100kg/cm2以下の工程が
ない場合は、発泡セルが破壊し、発泡ガスが抜けてしま
い、高い発泡倍率の発泡成形体が得られない。発泡性樹
脂材料を基材に積層する際の樹脂圧力の制御は、プログ
ラムにより金型動作を制御よる方法(金型動作方式)や
金型末端に樹脂の逃げ空間を設ける方法(捨てキャビ方
式)などがあるが、金型動作方式が金型形状の自由度な
どの点から好ましい。金型動作方式で樹脂圧力を制御す
る具体的方法としては、例えば閉鎖した金型内に発泡性
樹脂材料を供給する射出方式の場合は、プログラムにし
たがって金型を開くことによって樹脂圧力を制御し、ま
た開いた金型上に発泡性樹脂材料を供給するホットフロ
ー方式や射出方式の場合は、金型を閉鎖する速度で樹脂
圧力を制御したり、また一度発泡剤の分解が途中の段階
で金型を閉鎖し、再度金型を開くことによって樹脂圧力
を制御し、また開いた金型にシート状発泡性樹脂材料を
供給して真空成形や圧空成形する場合は、真空度によっ
て樹脂圧力を制御する。また金型動作制御する際に樹脂
圧力を検出するセンサー有する金型を用いることで精密
に制御できるので好ましい。
【0035】また、発泡性樹脂材料を金型に供給する際
の樹脂温度は少なくとも発泡性樹脂材料が溶融状態であ
ればよいが、成形サイクルの点からやや発泡状態が好ま
しい。本発明の積層体の発泡層の表面外観を改良するた
めに金型表面を加熱してもよい。金型の加熱方式は特に
限定するものではないが、具体的には、電気抵抗加熱、
赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーター、熱水加熱、蒸気加
熱、オイル加熱などがある。本発明の積層体の意匠性を
更に得るために、発泡層の表面に塩化ビニルや熱可塑性
エラストマーなどの人工皮革、ポリエステルやポリアミ
ドやポリプロピレンなどの織布や不織布などの表皮材を
貼り合わせることができる。貼り合わせる方法は表皮材
を予め金型内に配置し、発泡性樹脂材料を基材に積層す
る際に同時に表皮材を一体成形する方法や、発泡層と基
材層からなる積層体の発泡層表面を加熱して真空成形等
によって表皮材を貼り合わせる方法や、発泡層と基材層
からなる積層体の発泡層表面に接着剤を塗布して真空成
形等によって表皮材を貼り合わせる方法などがあるが、
成形サイクルの点から一体成形する方法が好ましい。本
発明において、発泡後の発泡層の体積は発泡前の体積に
対して1.3倍以上、50倍以下であり、好ましくは1.
5倍以上、30倍以下が好適である。1.3倍未満では
軽量化、クッション性などの積層体としての特徴が不十
分であり、また50倍を越えると発泡成形体のセルが連
続化してしまい、外観不良が著しくなり好ましくない。
【0036】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [使用設備]2台の可塑化装置を有し、かつプログラム
によって多段階で型締め動作機能により低圧射出成形、
射出圧縮成形、ホットフロー成形、通常射出成形へのモ
ード変更が可能な500トン縦型スタンピング成形機
(「MCM500」(株)高橋精機工業所製)を使用し
た。本実施例および比較例では、可塑化装置の一方を発
泡性樹脂材料用、他方を基材用として使用した。ホット
フロー成形モードではリップ厚み1mm、幅500mm
のTダイスを用いた。金型にはスタンピング成形が可能
な摺り切り構造で、ホットランナーを有し、スペーサー
ブロックで厚み制御が可能な500×600mmに平板
金型を用いた。また、樹脂圧力センサーで金型内に樹脂
圧力を検出可能とした。
【0037】[使用材料] (A)変性オレフィン系樹脂および一般のオレフィン系
樹脂 (A−1):低密度ポリエチレンの製造に一般に用いら
れる高圧法プロセスを利用してエチレンに無水マレイン
酸2.5重量%、アクリル酸メチル15重量を共重合し
て得た温度190℃、荷重2.16kgにおけるMFR
が10g/10分のエチレン−無水マレイン酸−アクリル
酸メチル共重合体(日本ポリオレフィン(株)製「ET
184M」)。 (A−2):溶融混練法でオレフィン系熱可塑性エラス
トマー(日本ポリオレフィン(株)製「P332G」)
に無水マレイン酸をグラフトさせて得た温度230℃、
荷重2.16kgにおけるMFRが10g/10分の変性
オレフィン系熱可塑性エラストマー。 (A−3):温度230℃、荷重2.16kgにおける
MFRが10g/10分の変性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(日本ポリオレフィン(株)製「P332
G」。
【0038】(B)発泡剤 (B−1):ヒドラジン系発泡剤の4,4−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業製
「ネオセルボン#N1000S」)。 (B−2):アゾ系発泡剤のアゾジカルボンアミド(永
和化成工業製「ビニホールAC#3」)。 (B−3):アゾ系発泡剤のアゾジカルボンアミド(永
和化成工業製「ビニホールAC#3」)90重量%と、
尿素(永和化成工業製「セルペースト101」)10重
量%からなる発泡剤。
【0039】(C)発泡性樹脂材料 (C−1):エチレン系共重合体(A−1)を94重量
%、発泡剤(B−1)を6重量%の配合組成で、50m
m径の単軸押出機(ナカタニ製NVC50)を用い、樹
脂温度約120℃で溶融混練して得られた発泡性樹脂材
料。 (C−2):エチレン系共重合体(A−1)を47重量
%、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−3)を4
7重量%、発泡剤(B−3)を6重量%の配合組成で、
50mm径の単軸押出機(ナカタニ製NVC50)を用
い、樹脂温度約160℃で溶融混練して得られた発泡性
樹脂材料。 (C−3):オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−
2)を94重量%、発泡剤(B−2)を6重量%の配合
組成で、50mm径の単軸押出機(ナカタニ製NVC5
0)を用い、樹脂温度約160℃で溶融混練して得られ
た発泡性樹脂材料。 (C−4):オレフィン系熱可塑性エラストマー(A−
3)を94重量%、発泡剤(B−2)を6重量%の配合
組成で、50mm径の単軸押出機(ナカタニ製NVC5
0)を用い、樹脂温度約170℃で溶融混練して得られ
た発泡性樹脂材料。
【0040】(D)基材 (D−1):木質チップを開繊した木質ファイバーにフ
ェノール樹脂を10重量%含浸させ、熱プレスと同時に
硬化、賦形した、厚み2.5mmの木質系基材。 (D−2):温度230℃、荷重2.16kgでのMF
Rが40g/10分の耐衝撃性ポリプロピレン(日本ポリ
オレフィン(株)製「MY712HB」)。
【0041】[実施例1]MCM500スタンピング成
形機を低圧射出成形モードに設定し、シリンダー温度1
70℃で発泡性樹脂材料(C−1)を溶融発泡状態で、
型閉状態の金型内に射出し、型開き動作により金型内の
樹脂圧力を10kg/cm2に制御しながら金型内に充填す
ることで発泡成形体を得た。得られた発泡成形体につい
て、発泡倍率とセルサイズを計測した。発泡倍率は水中
置換法による比重測定から、発泡前の比重/発泡後の比
重 として求めた。セルサイズは0.5mm以下のもの
を微細と評価した。結果を表1に示した。 [実施例2]発泡性樹脂材料に(C−2)を用いる以外
は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。 [実施例3]MCM500スタンピング成形機を射出圧
縮成形モードに設定し、シリンダー温度170℃で発泡
性樹脂材料(C−1)を溶融発泡状態で、型開状態の金
型内に射出し、金型内の樹脂圧力を30kg/cm2で型締
め動作を行い、金型内に充填後、再度型開き動作により
金型内の樹脂圧力を10kg/cm2になるようにして発泡
成形体を得た。
【0042】[実施例4]金型内の樹脂圧力を30kg/
cm2に制御しながら金型内に充填する以外は実施例1と
同様にして発泡成形体を得た。 [実施例5]金型内の樹脂圧力を50kg/cm2に制御し
ながら金型内に充填する以外は実施例1と同様にして発
泡成形体を得た。 [実施例6]金型内の樹脂圧力を70kg/cm2に制御し
ながら金型内に充填する以外は実施例1と同様にして発
泡成形体を得た。
【0043】[実施例7]金型内の樹脂圧力を90kg/
cm2に制御しながら金型内に充填する以外は実施例1と
同様にして発泡成形体を得た。 [実施例8]MCM500スタンピング成形機をホット
フロー成形モードに設定し、シリンダー温度180℃で
発泡性樹脂材料(C−2)を溶融発泡状態で、型開状態
の下金型上に供給し、金型内の樹脂圧力を10kg/cm2
以下に制御しながら型締めし、金型内に充填することで
発泡成形体を得た。 [実施例9]MCM500スタンピング成形機を低圧射
出成形モードに設定し、金型内に表皮材としてポリエス
テル系不織布を配置し、型閉状態とし、シリンダー温度
190℃で発泡性樹脂材料(C−3)を溶融発泡状態で
金型内に射出し、型開き動作により金型内の樹脂圧力を
10kg/cm2以下で制御しながら金型内に充填すること
で賦形と同時に表皮材を貼り合わせた発泡成形体を得
た。 [実施例10]MCM500スタンピング成形機を低圧
射出成形モードに設定し、シリンダー温度170℃で発
泡性樹脂材料(C−1)を溶融発泡状態で型開状態の金
型内に樹脂圧力150kg/cm2で射出し、その後、型開
き動作により金型内の樹脂圧力を10kg/cm2に制御し
て発泡成形体を得た。
【0044】[比較例1]MCM500スタンピング成
形機を通常の射出成形モードに設定し、シリンダー温度
180℃で発泡性樹脂材料(C−1)を溶融発泡させ、
型閉状態で金型内に射出し、金型内の樹脂圧力が約20
0kg/cm2で金型内に充填した。 [比較例2]MCM500スタンピング成形機を低圧射
出成形モードに設定し、シリンダー温度210℃で発泡
性樹脂材料(C−4)を溶融発泡状態で、型閉状態の金
型内に射出し、型開き動作により金型内の樹脂圧力を1
0kg/cm2以下に制御しながら金型内に充填した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜10の発泡成形体は、いずれも
高い発泡倍率で、微細発泡セルを有していた。しかも、
これらのものは1工程で製造されていることから低コス
トであり、主成分がオレフィン系樹脂であるためリサイ
クル性に優れている。また、実施例9において、その表
皮材の外観は良好であった。対して樹脂圧力の高い比較
例1では発泡セルが破壊し、実用に耐えられる発泡成形
体は得られなかった。また、官能基を有する不飽和化合
物を共重合した変性オレフィン系樹脂を含んでいない発
泡性樹脂材料を用いた比較例2においては、発泡倍率は
低く、かつ発泡セルは粗大化し、2mm以上と大きく、
実用に耐えられる発泡成形体が得られなかった。
【0047】発泡層と基材層からなる積層構造の発泡成
形体について実施例11〜15、比較例3〜4を挙げて
具体的に説明する。 [実施例11]MCM500スタンピング成形機を低圧
射出成形モードに設定した。まず予め成形した木質基材
(D−1)を金型内にセットし、金型クリアランス5m
mのスペーサーブロックを挿入後、型閉状態とし、次い
でホットランナーを介して樹脂温度170℃で発泡性樹
脂材料(C−1)を射出し、プログラムで樹脂圧力を1
0kg/cm2以下に制御しながら型開き動作を行い基材に
積層した。得られた発泡層と基材層から構成された積層
体について、上記同様に発泡倍率とセルサイズを計測し
た。結果を表2に示した。 [実施例12]MCM500スタンピング成形機を用
い、基材を射出成形モード、発泡性樹脂材料を低圧射出
成形モードに設定した。まず金型クリアランス2.5m
m、樹脂温度200℃で基材(D−2)を射出成形し、
次いで型を開き金型クリアランス5mmに変更後、再度
型閉状態とし、ホットランナーを介して樹脂温度180
℃の発泡性樹脂材料(C−2)を射出し、プログラムで
樹脂圧力を10kg/cm2以下に制御しながら型開き動作
を行い基材に積層した。
【0048】[実施例13]MCM500スタンピング
成形機を用い、基材を通常の射出モードに、発泡性樹脂
材料を射出圧縮成形モードに設定した。まず金型クリア
ランス2.5mm、樹脂温度200℃で基材(D−2)
を成形し、次いで金型クリアランス5mmに変更後、型
開状態でホットランナーを介して樹脂温度170℃で発
泡性樹脂材料(C−1)を金型間に供給し、ただちに型
を締め、再度プログラムにより樹脂圧力を10kg/cm2
以下に制御しながら型開き動作を行い基材に積層した。 [実施例14]MCM500スタンピング成形機を用
い、基材を射出成形モード、発泡性樹脂材料をホットフ
ロー成形モードに設定した。まず金型クリアランス2.
5mm、樹脂温度200℃で基材(D−2)を射出成形
し、次いで金型クリアランス5mmに変更後、型開状態
でTダイスから樹脂温度170℃の発泡性樹脂材料(C
−1)を基材上にシート状に供給し、プログラムで樹脂
圧力を10kg/cm2以下に制御しながら型締めを行い基
材に積層した。 [実施例15]MCM500スタンピング成形機を用
い、基材を通常の射出モードに、発泡性樹脂材料を低圧
射出成形モードに設定した。まず金型クリアランス2.
5mm、樹脂温度200℃で基材(D−2)を射出成形
し、次いで型を開き、金型内にポリエステル系不織布を
配置し、金型クリアランス5mmに変更後、型開状態で
ホットランナーを介して樹脂温度170℃で発泡性樹脂
材料(C−1)を金型間に供給し、ただちに型を締め、
再度プログラムにより樹脂圧力を10kg/cm2以下で制
御しながら型開き動作を行い、基材に積層した。
【0049】[比較例3]MCM500スタンピング成
形機を用い、通常の射出成形モードに設定した。まず予
め成形した木質基材(D−1)を金型内にセットし、金
型クリアランス5mmのスペーサーブロックを挿入後、
型閉状態とし、次いでホットランナーを介して樹脂温度
180℃で発泡性樹脂材料(C−4)を溶融発泡させ、
型閉状態で金型内に射出し、樹脂圧力約200kg/cm2
で基材上に積層させた。 [比較例4]発泡性樹脂材料に(C−4)を用いた以外
は実施例11と同様に発泡層と基材層から構成される積
層体を得た。
【0050】
【表2】
【0051】実施例11〜15においては、いずれも発
泡層は高い発泡倍率で、微細発泡セルを有していた。ま
た、これらは工程が単純であることから低コストで製造
されるものである。また、実施例15においては、その
表皮材の外観は良好であった。しかしながら、官能基を
有する不飽和化合物を共重合した変性オレフィン系樹脂
を含んでいない発泡性樹脂材料を用いてない上、樹脂圧
力の高い比較例3においては、発泡層のセルが破壊し、
実用に耐えられる積層積層体は得られなかった。また、
官能基を有する不飽和化合物を共重合した変性オレフィ
ン系樹脂を含んでいない発泡性樹脂材料を用いた比較例
4においても、その発泡層の発泡倍率は低く、かつ発泡
セルは粗大化し、2mm以上と大きく、実用に耐えられ
る発泡層が得られなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、特定の発泡性樹脂材料を用
い、なおかつ、特定の条件下で成形することにより、下
記のごとき効果を発揮することができる。 (1)工程が単純なため低コストで発泡成形体、特に積
層体が得られる。 (2)通常のオレフィン系樹脂では得られない高い発泡
倍率の発泡成形体、特に積層体が得られる。 (3)通常のオレフィン系樹脂では得られない微細な発
泡セルを有する発泡成形体、特に積層体が得られる。 (4)基材との接着性に優れるので、発泡層を接着剤を
使用せずにかつ効率的に一体成形による積層体が得られ
る。また、成形方法上の制約が少ない。 (5)得られる発泡成形体はリサイクル性に優れてい
る。 また、特定のエラストマーをさらに混合した発泡性樹脂
材料を使用することにより、発泡層のクッション感を向
上させることができ、自動車内装材などの高品質な触感
の求められるものに特に好適である。
フロントページの続き (72)発明者 山内 将満 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 モンテル・ジェイピーオー株式会社川崎 研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を有する不飽和化合物を共重合し
    た変性オレフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂
    材料を金型に溶融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の
    溶融状態から固化状態に至る間に、100kg/cm2以下
    の樹脂圧力で成形する工程を有することを特徴とする発
    泡成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 予め金型内に配置した基材の少なくとも
    一部上に、官能基を有する不飽和化合物を共重合した変
    性オレフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂材料
    を溶融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の溶融状態か
    ら固化状態に至る間に、100kg/cm2以下の樹脂圧力
    で発泡層を有する積層体を成形する工程を有することを
    特徴とする発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも2台以上の可塑化装置を有す
    る成形機を用いて、まず1台の可塑化装置を用いて所定
    形態の基材を賦形し、次いで金型内に該基材を配置した
    状態で他の可塑化装置を用いて該基材の少なくとも一部
    上に、官能基を有する不飽和化合物を共重合した変性オ
    レフィン系樹脂と発泡剤とを有する発泡性樹脂材料を溶
    融発泡状態で供給し、発泡性樹脂材料の溶融状態から固
    化状態に至る間に、100kg/cm2以下の樹脂圧力で発
    泡層を有する積層体を成形する工程を有することを特徴
    とする発泡成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記変性オレフィン系樹脂の主成分が、
    エチレンと、少なくとも官能基を有する不飽和化合物と
    を共重合したエチレン系共重合体であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成形体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記変性オレフィン系樹脂の主成分が、
    オレフィン系樹脂に官能基を有する不飽和化合物をグラ
    フト共重合したグラフト変性オレフィン系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成
    形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記発泡性樹脂材料が、前記変性オレフ
    ィン系樹脂と前記発泡剤以外に、エチレン−α−オレフ
    ィン共重合体エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラ
    ストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択さ
    れる1種以上のエラストマーを含有していることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡成形体の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002322303A (ja) * 2001-04-23 2002-11-08 Daicel Novafoam Ltd 発泡成形体用樹脂組成物、発泡成形体およびその製造方法
JP2006124697A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Oji Paper Co Ltd 発泡体の製造方法
JP2012224751A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Sanwa Kako Co Ltd 架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法

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