JPH11286822A - ヘルメットの緩衝構造 - Google Patents

ヘルメットの緩衝構造

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JPH11286822A
JPH11286822A JP9372998A JP9372998A JPH11286822A JP H11286822 A JPH11286822 A JP H11286822A JP 9372998 A JP9372998 A JP 9372998A JP 9372998 A JP9372998 A JP 9372998A JP H11286822 A JPH11286822 A JP H11286822A
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room
electrode
liquid
shock
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Shigenori Kusakai
茂則 草皆
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緩衝体の構造を工夫することにより、厚みを
増すことなく衝撃吸収作用の向上を図る。 【解決手段】 ヘルメットの外皮の内側に装着される緩
衝体の構造において、前記緩衝体を立方状の多数の部屋
で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する
一方の部屋に変形体を充填するとともに、他方の部屋に
気体を充填する。一方の部屋に充填された素材自体の変
形応力に加えて、他方の部屋の気体圧縮の応力も衝撃吸
収に関与するから、単一の素材のみの衝撃吸収作用に比
べ、同一の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ること
ができるうえ、一方の部屋と他方の部屋の並べ方を工夫
することにより、緩衝作用の部分的な強弱調整を簡単に
行うことができ、衝撃の方向を考慮した適切な耐衝撃性
を有するヘルメットを容易に設計できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭部を衝撃から保
護するために用いられるヘルメットの緩衝構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヘルメットは、オートバイやレース用車
両のドライバー、工事現場の作業員又は航空機の搭乗員
や地上戦闘員など危険な業務に従事する人の安全装具の
一つであり、用途に適した様々な形状のものが用いられ
ている。図15は車両用ヘルメットの例であり、特に限
定しないが、フルフェイス型と呼ばれるものである。図
において、1は硬質プラスチックなどで形成された外
皮、2はその内側に装着された緩衝体である。なお、3
は風やほこり除けのための透明又は色付のシールド、4
は緩衝体2の表面を覆う保護布である。このような構成
において、ヘルメットの外皮1に加えられた衝撃(外皮
1の破壊を招かない程度の衝撃)は緩衝体2によって吸
収され、頭部へのダメージ抑制が図られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ヘルメットにあっては、緩衝体2に、スポンジや発泡ウ
レタンなどの弾性体を用いる構成となっていたため、そ
の衝撃吸収作用は、専らスポンジや発泡ウレタンなどの
素材自体の弾性に依存することとなり、例えば、安全性
を高めようとすると、緩衝体2の厚みを増さなければな
らず、この場合、ヘルメットの大型化を招くという問題
点がある。
【0004】そこで本発明は、緩衝体の構造を工夫する
ことにより、厚みを増すことなく衝撃吸収作用の向上を
図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ヘルメットの外皮の内側に装着される緩衝体の構造にお
いて、前記緩衝体を立方状の多数の部屋で構成し、且
つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の部屋に
変形体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填し
たことを特徴とする。請求項2に係る発明は、請求項1
に係る発明において、前記変形体を液体にしたことを特
徴とする。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、前記部屋を五角柱又は六角柱状にしたこと
を特徴とする。請求項4に係る発明は、請求項1に係る
発明において、前記変形体を液体にするとともに、前記
一方の部屋と他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したこ
とを特徴とする。請求項5に係る発明は、請求項1に係
る発明において、前記変形体を液体にするとともに、前
記外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したことを特徴と
する。
【0007】請求項6に係る発明は、ヘルメットの外皮
の内側に装着される緩衝体の構造において、前記緩衝体
を多数の部屋で構成し、且つ、少なくとも一つの壁に接
して隣接する一方の部屋に所定の電解液を主成分とする
液体を充填するとともに、他方の部屋に気体を充填し、
さらに、該液体を充填した部屋に、対向する一対の電極
を設けたことを特徴とする。請求項7に係る発明は、請
求項6に係る発明において、前記一対の電極の同一極性
の電極を一体的に成形したことを特徴とする。請求項8
に係る発明は、請求項7に係る発明において、前記一体
的に成形した電極の異極同士を接続する接続手段を設け
たことを特徴とする。請求項9に係る発明は、請求項
6、請求項7又は請求項8に係る発明において、前記電
極から取り出した電圧をヘルメットの電子機器に供給す
ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、従
来例と同様なフルフェイス型のヘルメットに適用した一
実施例として図面を参照しながら説明する。 A.第1の実施の形態 図1において、10はヘルメットの外皮、11は外皮1
0の内側に装着された緩衝体、12は保護布である。緩
衝体11は、立方状の多数の部屋を並べて構成されてい
る。各部屋は、スポンジや発泡ウレタンなどの弾性体
(変形体)を充填した第1の部屋13(ドットで塗りつ
ぶした部分;特許請求の範囲の一方の部屋に相当)と、
気体(空気でもよい)を充填した第2の部屋14(白抜
きの部分;同他方の部屋に相当)とからなっており、第
1の部屋13と第2の部屋14が大部分で交互に並ぶよ
うに適当にレイアウトされている。
【0009】このような構成において、衝撃が加わらな
い安定状態では、図2(a)に示すように第1の部屋1
3と第2の部屋14はその形状を殆ど変えないが、衝撃
が加えられた場合は同図(b)に示すように、その衝撃
印加部分の第1の部屋13と第2の部屋14の形状が大
きく変化することになる。そして、第1の部屋13と第
2の部屋14の下側が図示を略した頭部に接していると
仮定すれば、その変化の方向は図面の横方向となり、結
局、第1の部屋13の側壁が第2の部屋14の容積を圧
迫するように突出変形することになる。
【0010】したがって、本実施の形態によれば、第1
の部屋13に充填された素材自体の弾性応力(変形応
力)に加えて、第2の部屋14の気体圧縮の応力も衝撃
吸収に関与するから、従来技術のようにスポンジや発泡
ウレタンといった単一の素材のみの衝撃吸収作用に比
べ、同一の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ること
ができるうえ、第1の部屋13と第2の部屋14の並べ
方を工夫することにより、緩衝作用の部分的な強弱調整
を簡単に行うことができ、衝撃の方向を考慮した適切な
耐衝撃性を有するヘルメットを容易に設計することがで
きるという特有の効果が得られる。
【0011】B.第2の実施の形態 図3において、20はヘルメットの外皮、21は外皮2
0の内側に装着された緩衝体、22は保護布である。本
例の緩衝体21は、多数の部屋を並べて構成されている
点で上記例と共通するが、各部屋の形状が五角柱状又は
六角柱状である点で相違する。図4は六角柱状にした部
屋の外観図であり、この部屋は、六角形の二つの壁面
a、bと矩形状の六つの壁面c〜hを有している。そし
て、各部屋は、上記例と同様に、スポンジや発泡ウレタ
ンなどの弾性体(変形体)を充填した第1の部屋23
(ドットで塗りつぶした部分)と、気体(空気でもよ
い)を充填した第2の部屋24(白抜きの部分)とから
なっており、第1の部屋13と第2の部屋14が大部分
で交互に並ぶように適当にレイアウトされている。
【0012】このような構成において、衝撃を受けた場
合の第1の部屋23の変形は、上記例と同様に、第2の
部屋24の容積を圧迫するように行われるが、本例にお
いては、第1の部屋23と第2の部屋24を六角柱状に
したため、その変形方向が外皮20の略鉛直方向(イ)
だけでなく、左右上下の斜め方向(ロ〜ホ)にも行われ
るから、衝撃の方向を多方向に分散して衝撃吸収の性能
向上を図ることができるという特有の効果が得られる。
【0013】C.第3の実施の形態 以上二つの例では第1の部屋(13、23)にスポンジ
や発泡ウレタンなどの変形体としての弾性体を充填して
いるが、変形体はこれに限らない。例えば、以下に示す
ように液体を用いることもできる。図5において、30
は樹脂等からなる緩衝体であり、本例の緩衝体30は、
液体31を充填した第1の部屋32と、気体を充填した
第2の部屋33とを交互に並べて構成されている。ここ
で、第1の部屋32と第2の部屋33を隔てる壁は一部
が薄くなっており、この部分の強度を弱めている。以
下、同部を脆弱部34という。
【0014】このような構成において、緩衝体30に衝
撃が加わると、第1の部屋32は第2の部屋33の容積
を圧迫するように変形し、この変形によって衝撃吸収の
作用が得られるが、特に本例においては、大きな衝撃が
加わった場合に、図6に示すように脆弱部34が破れて
液体31が第2の部屋33に勢いよく噴出するため、噴
出エネルギーに相当する衝撃力の吸収作用も得られ、大
きな衝撃から頭部を保護できるという安全性向上の特有
の効果が得られる。
【0015】D.第4の実施の形態 本例は、液体をヘルメットの外部に噴出するようにした
ものである。図7において、本例におけるヘルメットの
外皮40には、多数の穴41が開けられており、それぞ
れの穴41の縁は、図8(a)に示すように、外皮40
の内側に装着された緩衝体42の表面方向にその先鋭部
が突出している。なお、本例の緩衝体42は、脆弱部が
ない点を除き上記例(図5の例)と同一である。すなわ
ち、液体43を充填した第1の部屋44と、気体を充填
した第2の部屋45とを交互に並べて構成されている。
【0016】このような構成において、ヘルメットに大
きな衝撃が加わると、図8(b)に示すように、外皮4
0に開けられた穴41の縁が緩衝体42の表面に強く接
し、その先鋭部分によって緩衝体42の壁が破られるた
め、上記例(図5の例)と同様に、液体43の噴出エネル
ギーによる衝撃力の吸収作用が得られるほか、本例にお
いては、噴出した液体43がヘルメットの外皮40の表
面で視認できるため、そのヘルメットの使用不能を容易
に判断でき、衝撃を受けたヘルメットの不用意な装着を
確実に回避できるという特有の効果が得られる。
【0017】E.第5の実施の形態 本例は変形体に液体を用いる点で上記例と共通するが、
その液体を利用して電池の機能を実現する点で大きく相
違する。図9において、50は樹脂等からなる緩衝体で
あり、本例の緩衝体50は、上記例(図5の例)と同様
に液体51を充填した第1の部屋52と、気体を充填し
た第2の部屋53とを交互に並べて構成されているが、
液体51の主成分が所定の電解液である点、第1の部屋
52の対向二面に各々アノード電極54(+電極)とカ
ソード電極55(−電極)が取り付けられている点、各
第1の部屋52のアノード電極54に接続された第1の
ケーブル56を有する点、及びカソード電極55に接続
された第2のケーブル57を有する点で相違する。な
お、本例の第1の部屋52には脆弱部(図5の符号34
参照)が設けられていないが、大きな衝撃力を考慮する
のであれば、設けておくのが望ましい。
【0018】このような構成によれば、上記各例と同様
の衝撃吸収作用が得られるほか、第1の部屋52内部の
酸化還元反応に伴うエネルギーの放出を第1のケーブル
56と第2のケーブル57の間から電気エネルギーとし
て取り出すことができ、ヘルメットに装着された照明や
電子機器などに電源を供給できるという特有の効果が得
られる。
【0019】F.第6の実施の形態 本例は、上記第5の実施の形態の変形例であり、同例に
おけるアノード電極54及びカソード電極55の好まし
い平面形状を示すものである。図10において、60〜
67は各々電極(アノード電極54又はカソード電極5
5)であり、各電極60〜67は飛び飛びに2列に並べ
られており、隣り合う電極(例えば、電極60と電極6
1)のコーナーの間がブリッジ68〜74で結ばれ、全
体が一体的に形成されている。このような構成の電極6
0〜67によれば、上記第5の実施の形態における第1
及び第2のケーブル56、57が不要になるから、部品
点数を減らして構成の簡素化と組み立ての容易化を図
り、製造コストを引き下げることができるとともに、ケ
ーブルの断線等の故障要因をなくして信頼性の向上を図
ることができるという特有の効果が得られる。
【0020】G.第7の実施の形態 本例は、上記第6の実施の形態の変形例であり、電池の
セル電圧の直列取り出しを可能にしたものである。図1
1において、80〜85は電極列であり、各々の電極列
80〜85は、多数の個別電極※A〜※G(※は電極列
の符号、例えば電極列80は80A〜80Gの個別電極
からなる:以下同様)と、隣り合う個別電極の間を結ぶ
ブリッジ※H〜※Mとから構成されている。なお、図面
では一部の個別電極やブリッジだけに符号を与えている
が、これは図面の輻輳を避けるためである。
【0021】ここで、各電極列80〜85に第1から第
6の番号を付けて、各々の位置関係を説明する。まず、
第1の電極列80は、図面の右上から左下に向かって配
列されており、第2の電極列81と第3の電極列82
は、第1の電極列80と同一層で且つ第1の電極列80
と平行に配列されている。そして、第4の電極列83は
第1の電極列80の下側に、第5の電極列84は第2の
電極列81の下側に、また、第6の電極列85は第3の
電極列82の下側にそれぞれ配列されており、第1の電
極列80と第4の電極列83の間、第2の電極列81と
第5の電極列84の間、及び第3の電極列82と第6の
電極列85の間にそれぞれ液体(所定の電解液:図9の
符号51参照)を介在させている。
【0022】第1〜第6の電極80〜85の極性は、こ
の例の場合、奇数番目の電極列(第1の電極列80、第
3の電極列82及び第5の電極列84)が正(+)極性
であり、偶数番目の電極列(第2の電極列81、第4の
電極列83及び第6の電極列85)が負(−)極性であ
る。そして、本実施の形態における特徴の一つは、第1
〜第6の電極列80〜85が直列につながるように、異
極同士の電極列の間に接続手段を設けた点にあり、図で
は、第4の電極列83の個別電極83Fと第5の電極列
84の個別電極84Eの間に設けられたブリッジ86
と、第2の電極列81の個別電極81Dと第3の電極列
82の個別電極82Cの間に設けられたブリッジ87が
接続手段に相当する。
【0023】このような構成によれば、第1の電極列8
0→液体→第4の電極列83→ブリッジ86→第5の電
極列84→液体→第2の電極列81→ブリッジ87→第
3の電極列82→液体→第6の電極列85という接続関
係になり、対向する一対の電極列と液体とによって構成
される複数の電池セル(図では三つの電池セル)を直列
に接続でき、大きな電圧を取り出すことができるという
特有の効果が得られる。
【0024】すなわち、図12は図11のA−A断面
図、図13はその等価回路図であるが、これらの図に示
すように、第1の電極列80の個別電極80Gから第6
の電極列85の個別電極85Bまでが直列に接続され、
その間に、(1)個別電極80G、液体88及び個別電
極83Gからなる電池セルB1と個別電極80F、液体
89及び個別電極83Fからなる電池セルB2との並列
電池B3、(2)個別電極84E、液体90及び個別電
極81Eからなる電池セルB4と個別電極84D、液体
91及び個別電極81Dからなる電池セルB5との並列
電池B6、(3)個別電極82C、液体92及び個別電
極85Cからなる電池セルB7と個別電極82B、液体
93及び個別電極85Bからなる電池セルB8との並列
電池B9が直列に接続されるので、両端の個別電極80
G、85Bからそれぞれケーブル94、95を引き出せ
ば、これらのケーブル94、95より、電池B3、B6
及びB9の加算電圧を取り出すことができる。
【0025】図14は、本実施の形態の応用例である。
この図において、100はヘルメットの外皮、101は
ヘルメットに装着された電子機器(特に限定しないが本
例ではヘッドアップディスプレイ)、102は緩衝体、
103はシールドである。ヘッドアップディスプレイ1
01は、ケース104の内部の投射器105からの画像
を半透明ミラー106に映し出し、外の景色と虚像10
7とを重ね合わせて視覚化するものであり、仮想体験シ
ステムや戦闘機の射撃管制システムあるいは地上兵士の
戦闘管理システムに用いられているものである。
【0026】一般にこれらのシステムでは、機体や体に
装着したバッテリから電源ケーブルを引き出している
が、邪魔であるうえ、ケーブルの切断や脱落を否めず、
信頼性や使い勝手が悪かったものの、本実施の形態を応
用すれば、ヘルメット自体で電源を賄えるため、かかる
不都合を全く生じないから好都合である。すなわち、図
示のヘルメットでは、緩衝体102の内部に設けられた
複数の電池(図では、B10〜B14の五つの電池)と
ヘッドアップディスプレイ101との間を図示を略した
ケーブルで接続して、ヘッドアップディスプレイ101
に必要な電源をヘルメット自体で賄っている。また、電
池10〜B14の充電のためのコネクタ108をヘルメ
ットの外皮100に設けている。
【0027】したがって、かかるヘルメットを、仮想体
験システムや戦闘機の射撃管制システムあるいは地上兵
士の戦闘管理システムに用いれば、バッテリを持ち歩い
たり、機体から電源を取得したりする必要がなくなるた
め、信頼性や使い勝手の向上を図ることができるという
特有の効果が得られる。
【0028】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、一方の部
屋に充填された素材自体の変形応力に加えて、他方の部
屋の気体圧縮の応力も衝撃吸収に関与するから、従来技
術のように単一の素材のみの衝撃吸収作用に比べ、同一
の厚さでもより大きな衝撃吸収作用を得ることができる
うえ、一方の部屋と他方の部屋の並べ方を工夫すること
により、緩衝作用の部分的な強弱調整を簡単に行うこと
ができ、衝撃の方向を考慮した適切な耐衝撃性を有する
ヘルメットを容易に設計できる。請求項2に係る発明に
よれば、緩衝体に衝撃が加わると、一方の部屋は他方の
部屋の容積を圧迫するように変形し、この変形によって
衝撃吸収の作用が得られるが、特に大きな衝撃が加わっ
た場合に、一方の部屋と他方の部屋の間の壁が破れて液
体が勢いよく噴出するため、噴出エネルギーに相当する
衝撃力の吸収作用も得られ、大きな衝撃から頭部を保護
できるという安全性向上に有益な効果が得られる。
【0029】請求項3に係る発明によれば、一方の部屋
と他方の部屋を五角柱又は六角柱状にしたので、衝撃の
方向を多方向に分散して衝撃吸収の性能向上を図ること
ができる。請求項4に係る発明によれば、一方の部屋と
他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したので、ある程度
の衝撃でも壁を破ることができ、耐衝撃性能の向上を図
ることができる。
【0030】請求項5に係る発明によれば、ヘルメット
の外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したので、衝撃印
加時にこの先鋭部によって緩衝体を破ることができ、所
要の衝撃吸収作用を選られるうえ、液体の噴出をヘルメ
ットの外部から視認できるため、衝撃を受けたヘルメッ
トを容易に識別して使用不可を確実に判断できる。請求
項6に係る発明によれば、所定の電解液を主成分とする
液体で変形体を形成するとともに、該液体を充填した部
屋に、対向する一対の電極を設けたので、ヘルメット内
部に電池を構成できる。請求項7に係る発明によれば、
一対の電極の同一極性の電極を一体的に成形したので、
電極間を結ぶケーブルを不要にして構成の簡素化と信頼
性の向上を図ることができる。請求項8に係る発明によ
れば、一体的に成形した電極の異極同士を接続する接続
手段を設けたので、電池セルの電圧を直列に取り出すこ
とができる。請求項9に係る発明によれば、電極から取
り出した電圧をヘルメットの電子機器に供給するので、
仮想体験システムや戦闘機の射撃管制システムあるいは
地上兵士の戦闘管理システムに適用して好適なヘルメッ
トを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の部分断面図である。
【図2】第1の実施の形態の作用説明図である。
【図3】第2の実施の形態の部分断面図である。
【図4】第2の実施の形態の部屋の外観図である。
【図5】第3の実施の形態の部分断面図である。
【図6】第3の実施の形態の作用説明図である。
【図7】第4の実施の形態のヘルメット外観図である。
【図8】第4の実施の形態の部分断面図である。
【図9】第5の実施の形態の部分断面図である。
【図10】第6の実施の形態の電極形状図である。
【図11】第7の実施の形態の電極形状図である。
【図12】第7の実施の形態の部分断面図である。
【図13】図12の等価回路図である。
【図14】第7の実施の形態の応用例の説明図である。
【図15】従来例の部分断面外観図である。
【符号の説明】
10 外皮 11 緩衝体 13 第1の部屋(一方の部屋) 14 第2の部屋(他方の部屋) 31 液体 34 脆弱部 41 穴(先鋭部) 54、55 電極(一対の電極) 86、87 ブリッジ(接続手段) 101 電子機器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘルメットの外皮の内側に装着される緩
    衝体の構造において、前記緩衝体を多数の部屋で構成
    し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の
    部屋に変形体を充填するとともに、他方の部屋に気体を
    充填したことを特徴とするヘルメットの緩衝構造。
  2. 【請求項2】 前記変形体を液体にしたことを特徴とす
    る請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
  3. 【請求項3】 前記部屋を五角柱又は六角柱状にしたこ
    とを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
  4. 【請求項4】 前記変形体を液体にするとともに、前記
    一方の部屋と他方の部屋の間の壁に脆弱部を形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
  5. 【請求項5】 前記変形体を液体にするとともに、前記
    外皮に緩衝体に向かう先鋭部を形成したことを特徴とす
    る請求項1記載のヘルメットの緩衝構造。
  6. 【請求項6】 ヘルメットの外皮の内側に装着される緩
    衝体の構造において、前記緩衝体を多数の部屋で構成
    し、且つ、少なくとも一つの壁に接して隣接する一方の
    部屋に所定の電解液を主成分とする液体を充填するとと
    もに、他方の部屋に気体を充填し、さらに、該液体を充
    填した部屋に、対向する一対の電極を設けたことを特徴
    とするヘルメットの緩衝構造。
  7. 【請求項7】 前記一対の電極の同一極性の電極を一体
    的に成形したことを特徴とする請求項6記載のヘルメッ
    トの緩衝構造。
  8. 【請求項8】 前記一体的に成形した電極の異極同士を
    接続する接続手段を設けたことを特徴とする請求項7記
    載のヘルメットの緩衝構造。
  9. 【請求項9】 前記電極から取り出した電圧をヘルメッ
    トの電子機器に供給することを特徴とする請求項6、請
    求項7又は請求項8記載のヘルメットの緩衝構造。
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