JPH11286403A - 徐放性製剤 - Google Patents

徐放性製剤

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JPH11286403A
JPH11286403A JP8710698A JP8710698A JPH11286403A JP H11286403 A JPH11286403 A JP H11286403A JP 8710698 A JP8710698 A JP 8710698A JP 8710698 A JP8710698 A JP 8710698A JP H11286403 A JPH11286403 A JP H11286403A
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JP
Japan
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sustained
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release preparation
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JP8710698A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Masatsugu Nakayama
雅嗣 中山
Seiji Obuchi
省二 大淵
Shohei Nozaki
正平 野崎
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物に対し誘引、忌避、殺傷効果を有する農
薬を徐放でき、かつ生分解することにより環境汚染をし
ない薬剤を提供する。 【解決手段】 農薬成分となる揮発性有機化合物と、ガ
ラス転移温度を50℃以下に低下させたポリ乳酸で製剤
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作物に害を与え
る生物に対し、誘引作用による繁殖の阻害、忌避作用、
殺傷作用による農作物の保護を図ることのできる物質を
含有した徐放性製剤に関するものであって、かつその使
用後において相当の期間をおいて、土中あるいは水中の
微生物を主体とした働きによって、環境に対して加害作
用のない化学物質に分解するとともに、その形状を消失
させてしまう機能を有した徐放性製剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農薬の揮発性薬剤を目的の場所で
長期間、安定して連続的に徐々に放出、揮散せしめるこ
とが実用面や機能面において重要な課題となっている。
【0003】農薬は、対象とする生物を殺傷しようとす
る意図のもとで開発されたものが一般的である。しか
し、農作物を生物による捕食から保護するために、単に
生物を寄せつけない作用を有するものであっても有効で
ある。これは、特定の生物に対する忌避作用を有するも
のであり、他の生物系に対する影響が小さく、環境に配
慮した農薬であるといえる。
【0004】また逆に、生物を誘引する機能を有する物
質を放出することにより、該生物が農作物に対して与え
る影響から保護しようとするものがある。例えば、性フ
ェロモンを放出する物質であれば、該フェロモンの効果
によって、互いに位置の存在を確認することができず、
その結果として交尾による繁殖を抑制することができる
のである。ここで、フェロモンは揮発性の薬剤である。
【0005】これらの殺傷、忌避、誘引効果を有する物
質を基材とする固形物に含浸させたものを、農作物が存
在する近辺に放置、散布、固定することにより、結果と
してその農作物を生物による損傷から保護することがで
きるのである。
【0006】その中で生物を誘引する物質として用いら
れているのがフェロモンであるが、揮発性薬剤であるフ
ェロモンを、基材とする物質に固定化して製剤として形
成する方法がいくつか開示されている。
【0007】その中でもよく用いられているものは、フ
ェロモンをポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合
体などの細管に封入したものであり、多くのものが開示
されている。例えば、特開昭56−142202号、特
開昭57−9705号、特開昭57−72904号、特
開昭57−45101号、特開昭57−156403
号、特開昭59−216802号、特開昭60−215
637号、特開昭61−202643号等に開示された
ものがあり、これらは、フェロモンが徐々に放出される
機能を有したものである。
【0008】しかし、これらの開示された手法は、一般
には安定した放出ができない、また放出量を増加させた
い場合には、基材として細管を用いるために長くする必
要があるなどの問題があり、実用性にかけていた。
【0009】また、特開平7−231743号公報にあ
るように、フェロモンと相容性のある合成樹脂を基材と
したフェロモン製剤が開示されている。そして、蒸発エ
ネルギーが21,000cal/mole〜27,000cal/moleの範囲にあ
ることが記載されており、その蒸発速度を制御すること
が認められる。
【0010】しかし、このように揮発性薬剤の一種であ
る揮発性フェロモン製剤は、散布あるいは土壌上に放置
して用いることがほとんどであり、その結果、これらの
農薬製剤は土壌中に残存することになり、環境に対する
配慮が乏しいといえる。
【0011】このように使用後において製剤成分が残存
する問題を解決すべく、生分解性機能を有する高分子材
料を基材としたフェロモン製剤が開発されている。
【0012】特開昭61−41321号公報には、生分
解性高分子材料を中空の基材としたフェロモン製剤が開
示されている。この生分解性高分子材料には、ポリ乳酸
などのポリヒドロキシ酸、ポリグルタミン酸などのポリ
(α−アミノ酸)が用いられ、フェロモンなどの活性物
質がその材料からなる中空の筒の中に充填された製剤を
用いる方法が開示されている。しかし、このようなフェ
ロモン製剤からは、フェロモン放出速度の制御の具体的
な指針を得ることはできない。
【0013】特開平4−230602号公報は、生分解
性または光分解性の、あるいはそれらの混合系からなる
分解性機能を有した高分子素材を1〜40%含んでいる
ものを開示している。しかし、このフェロモン製剤は、
分解性高分子の分解後も、非分解性成分が残存すること
になり、厳密な意味で生分解型フェロモン製剤とは言え
ない。
【0014】特開平5−163110号公報には、生分
解性を有した3−ヒドロキシ酪酸と他のヒドロキシ脂肪
族との重縮合物を用いたものであり、かつその生分解性
高分子をシートとする徐放性フェロモン製剤が開示され
ている。この製剤は、放出速度の低さをその厚みを薄く
することにより対処したものであって、フェロモン製剤
の加工および形状が限定されるという欠点があった。
【0015】そこで、生分解性の高分子材料に、フェロ
モンの放出特性を改良するための工夫が行われるように
なった。
【0016】特開平6−116103号公報には、生分
解性高分子材料を基材としたフェロモン製剤が開示され
ている。この特開平6−116103号公報に開示され
ている生分解性高分子材料としては、セルロース、キチ
ン、キトサン、ブルランなどの天然高分子、或いはポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリウレ
タン、ポリアミド(ポリ−α−アミノ酸など)、脂肪族
ポリエステルなどの合成高分子が挙げられている。
【0017】また、特開平9−137049号公報に
は、ポリ乳酸、可塑剤、および必要に応じて熱安定剤、
離型剤を含むポリ乳酸組成物を用いた、性フェロモンを
含有した徐放性製剤が開示されている。その上、可塑剤
を含ませたのは、徐放性製剤の材料として必要な機械的
強度や柔軟性を持たせるためであり、それらの可塑剤と
して、脂肪族二塩基酸エステル、フタル酸エステル、ヒ
ドロキシ多価カルボン酸エステル、ポリエステル系可塑
剤、脂肪酸エステル、エポキシ系可塑剤、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクト
ン、マロン酸や琥珀酸、アジピン酸、フマル酸などのジ
カルボン酸とエチレングリコールや、プロピレングリコ
ール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオー
ル体との重縮合体、ヒドロキシ酪酸やヒドロキシ吉草酸
などのヒドロキシ酸の重縮合物が好ましいとされてお
り、さらにこれらの可塑剤は単独で用いても二種以上の
混合物として用いてもよいとされている。さらに、二種
以上の混合物として用いるもののうち好ましいものは、
アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−
2−エチルヘキシル、エチレン含有量が20〜95%か
つ酢酸ビニル含有量が5〜80重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、ポリカプロラクトン、ジカ
ルボン酸とジオール体との重縮合物、ヒドロキシ酸等が
用いられるとしている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の先願の公開特許公報においては、揮発性薬剤であるフ
ェロモンの放散特性を制御するための具体的な方法につ
いて何ら触れられていない。これは特開平9−1370
49号公報においても例外ではなく、いかにして揮発性
薬剤の放散速度を制御するかということについては何ら
開示されていない。
【0019】このことは、農薬として用いられるフェロ
モンについてだけでなく、農薬全般の問題であり、フェ
ロモンを含む揮発性薬剤の徐放性製剤の放出を制御する
技術的指針が明確になっていないということである。
【0020】特に、生分解性高分子素材に関しては、単
にそれらを基材とした場合は、その放出速度を制御する
ことは困難である。例えば、ポリ乳酸を用い、かつポリ
乳酸に揮発性薬剤を含有させただけ、あるいは可塑剤を
単に混入させただけでは、その放出特性を制御すること
は困難である。なぜならば、ポリ乳酸は比較的剛直な構
造を有しているが故に、紐状に加工することなどにより
成形保持性能に優れているため取扱いが容易であるが、
逆に剛直であるがために、揮発性薬剤自体がポリマー中
を拡散し放出されにくいのが特徴である。また、柔軟性
をもたせるために可塑剤を導入したとしても、そこに何
らかの具体策を施さなければ、放出速度を制御するとい
う目的を達成することができない。それゆえに、明確な
指針なしに、放出制御特性を有した材料を設計すること
は困難であると言わざるを得ないのである。
【0021】さらに、この難拡散放出特性を回避するた
めには、その製法および成形した内部構造までをも考慮
した構成であることが必要である。しかし、これらの事
実については一切知られておらず、先に述べたような徐
放期間を限定した徐放性製剤の作製には、これらの方法
を用いたとしても試行錯誤せざるを得ない状態である。
そればかりではなく、対象とする可塑剤、軟化剤等の範
囲があまりにも広いため、それらの化学的性質、物理的
性質についての配慮がなければ、もはやその選択を行う
ことは不可能と言わざるを得ない。
【0022】以上より、本発明の目的は、生物に対して
誘引、忌避、殺傷効果を有する揮発性薬剤を含み、生分
解性高分子材料からなる物質が基材として用いられた徐
放性製剤であって、環境に悪影響を与えない生分解性
を有し、その放出速度が制御された徐放性製剤を提供
することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともポ
リ乳酸と添加物と常温大気中にて揮発性を有しかつ生物
に対して誘引効果、忌避効果または殺傷効果を有する揮
発性薬剤とからなる徐放性製剤であって、該ポリ乳酸の
重量平均分子量が4万以上であり、該添加物によりガラ
ス転移温度が50℃以下にされたものであることを特徴
とする徐放性製剤に関する。
【0024】上記本発明において、前記添加物の重量割
合は、15%以上50%未満であることが好ましい。
【0025】また上記本発明は、ポリ乳酸に含まれる揮
発性薬剤が、生物殺傷効果、生物忌避効果、生物誘引効
果を有する有機化合物であることを特徴とする徐放性製
剤である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる揮発性薬剤と
しては、林檎や栗、柿、葡萄、桃、蜜柑等の果樹類、
茶、桜、ツバキ、バラ等の樹類、大豆、サツマイモ、落
花生、サトイモ、または米、麦、とうもろこし等の穀類
に関するもの、さとうきび、わさび等の嗜好品作物に関
連するもの、いちご、はくさい、ほうれん草、トマト、
きゅうり等の野菜類に対して、それらの葉や根、あるい
は実や果実に対して害を与える生物類に対して、効果あ
るいは作用を有するものである。
【0027】その効果および作用として、上記生物類に
対して殺傷効果、忌避作用、あるいは誘引作用を与える
ものが選択される。
【0028】殺傷作用を有する揮発性薬剤としては、ト
レボン、DDPV剤、PHC剤、DEP剤、MPP剤、
MEP剤、PHC剤、あるいは、ダイアノジン、イソキ
サチオン、プロチオホス、フェノトリン、ペルメトリン
等の物質が挙げられる。
【0029】また、忌避作用を有する揮発性薬剤として
は、例えば、タバコシバンムシに対する産卵忌避剤とし
て2,3−ジヒドロ−3、5−ジメチル−2−エチル−
6−(1−メチル−2−オキソブチル)−4H−ビラン
−4−オンが特開平1−132501号公報に開示され
ているが、これらを用いてもよい。その他、ジメチルジ
クロルビニルホスフェート等が用いられる。また、トレ
ボンも忌避作用を有する。
【0030】さらに、誘引作用を有する揮発性薬剤とし
て代表的なものは性フェロモンを用いたものが挙げら
れ、この薬剤については近年、多くのフェロモン成分が
同定されるとともに製造されている。この薬剤の対象と
なるものは昆虫が多く、ガ、チョウ、コガネムシ、カミ
キリムシ等である。例えば、イソペンチルアミン−β−
メチルブタン等が挙げられる。
【0031】これらの揮発性薬剤の徐放性製剤に含まれ
る割合は、0.1重量%以上10重量%以下であること
が好ましく、さらに好ましくは0.3重量%以上4重量
%以下である。
【0032】本発明におけるポリ乳酸は、その原料とし
て乳酸が用いられ、L−乳酸、D−乳酸、D,L−乳酸
またはそれらの混合物さらには乳酸の環状2量体である
ラクタイドを使用することができる。
【0033】本発明に使用されるポリ乳酸は、例えばL
−乳酸含有率が75重量%以上の乳酸を原料として直接
脱水縮合する方法、または上記乳酸の環状2量体である
ラクタイドを用いて開環重合させる方法により得られ
る。直接脱水縮合する場合には乳酸を好ましくは有機溶
媒、より好ましくはフェニルエーテル系溶媒の存在下で
共沸脱水縮合し、特に好ましくは共沸により留出した溶
媒から水を抜いて実質的に無水の状態にした溶媒を反応
系に戻す方法によって重合することにより、本発明に適
した強度を持つ高分子量のポリ乳酸が得られる。
【0034】ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)や分子
量分布は、実質的に、成形加工が可能であれば特に制限
されない。本発明で使用するポリ乳酸の分子量は、実質
的に充分な機械物性を示す重量平均分子量4万以上であ
れば特に制限されないが、一般的には、重量平均分子量
(Mw)で4〜20万が好ましく、6〜15万がより好
ましい。
【0035】一般的には、重量平均分子量(Mw)が4
万より小さい場合、機械物性が充分でなかったり、逆に
分子量が20万を超える場合、溶融した状態での粘度が
高くなる等して、取扱い困難となったり、製造時間が長
くなったり、また製造コストが高くなったりして不経済
となる場合がある。
【0036】また、ポリ乳酸に混合される添加物は、ポ
リ乳酸のガラス転移点を50℃以下にすることができる
ものであり、生分解性を有するものであれば特に制限は
ない。このような添加物としては、例えば、リン酸エス
テル類、フタル酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステ
ル類、脂肪族アルコールエステル類、ヒドロキシ多塩基
酸エステル類、エポキシ系動植物油、ポリアルキレング
リコール類,生分解性を有する高分子材料(ポリカプロ
ラクトン、ポリブチレンサクシネート)などが挙げられ
る。
【0037】本発明で示す添加物のリン酸エステル類と
しては、リン酸トリブチル、リン酸−2−エチルヘキシ
ル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル等が挙げ
られる。
【0038】本発明で示す添加物のフタル酸エステル類
としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノ
イル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ブチルベンジル等が挙げられる。
【0039】本発明で示す添加物の脂肪族カルボン酸エ
ステル類としては、オレイン酸ブチル、ジメチルアジペ
ート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、
ジイソブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ
ブチルジグリコールアジペート、ジ−n−ヘキシルアジ
ペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジブチル
セバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等が挙
げられる。
【0040】本発明で示す添加物の脂肪族アルコールエ
ステル類としては、ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノヘキシルエーテル、ポリジエチレングリコ
ールモノオレイルエーテル、トリエチレングリコールジ
アセテート(以下「TEDA」と略す。)、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール−ジ
−2−エチルブチラート、トリアセチン、グリセリント
リアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセ
リンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。
【0041】本発明で示す添加物のヒドロキシ多塩基酸
エステル類としては、アセチルリシノール酸メチル、ア
セチルリシノール酸ブチル、ブチルフタリルブチルグリ
コレート、アセチレンクエン酸トリブチル(以下「AT
BC」と略す。)等が挙げられる。
【0042】本発明で示す添加物のエポキシ系動植物油
としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等が
挙げられる。
【0043】本発明で示す添加物のポリアルキレングリ
コール類としては、ポリエチレングリコール(以下「P
EG」と略す。)、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコール等が挙げられる。
【0044】これらの添加物は、一種或いは二種以上の
混合物であってもよい。
【0045】前記添加物の重量割合は、15%以上50
%未満が望ましく、18%以上50%未満がより望まし
い。さらに好ましくは20%以上50%未満の範囲であ
る。ガラス転移温度については、粘弾性測定法により求
めることができる。一般に高分子についてはその分子量
が低下するに従って、ガラス転移温度が低下することが
知られている。
【0046】本発明の徐放性製剤の揮発性有機化合物の
放出特性を示すものとして、放出後の徐放性製剤の揮発
性薬剤の経時的な残存濃度を表示し、これを放出特性表
示曲線とする。例えば、30日経過後の揮発性薬剤が効
率よく放出しきる製剤の代表的な特性表示曲線を図1に
示す。この徐放性製剤は、基材としてポリ乳酸を用い、
添加剤としてTEDAを用い、揮発性薬剤としてN−2
−メチルブチル−1−メチルプロピルアミドを用い、ブ
ロッキング防止剤として二酸化珪素を用い、これらを6
4/25/1/10(重量比)の割合で構成したもので
ある。
【0047】これに対して、図1の特性を示す製剤と同
じ揮発性薬剤を用いたポリ乳酸のみを基材とする徐放性
製剤の評価を行ったところ、図2に示すようにほとんど
揮発性薬剤を放出しなかった。
【0048】図1に示したような放出特性はほぼ理想に
近いと言えるが、このような放出特性を有するように制
御するためには、基材となる材料、および添加物として
加えられた化合物の種類によって、大きくその特性表示
曲線の形状を変える可能性のあることが推察される。
【0049】本発明者らは、鋭意検討の結果、基材のガ
ラス転移温度が揮発性薬剤の放出特性に大きな影響を与
える事実を発見し、さらにそれらの条件について吟味探
索を行った結果、ポリ乳酸を基材とした材料において
は、ガラス転移温度を50℃以下にまで低下せしめる材
料系を開発することにより、図1に示すような放出特性
を有する徐放性製剤を完成するに至った。
【0050】本発明の徐放性製剤の形状は、紐状、球
形、ペレット状、シート状のものが用いることができ、
任意の形状のものを用いることができる。しかし、その
大きさについては、形状に合った放出速度を有するよう
に各々、適宜加工することが好ましい。本発明において
は、その形状における代表平均径なるものが1[cm]以下
であることが望ましい。
【0051】高分子材料は、その一般的な性質として図
3に示すように、ガラス転移温度を変異点として、その
内部の自由体積が増大する傾向にあることが確認されて
いる。
【0052】高分子内部における自由体積とは、高分子
鎖がその熱励起によって振動運動を繰り返す自由度を有
している体積分であり、結果的に、自由体積が大きいと
いうことは、内部に含まれている分子も相対的に動きや
すくなるということである。したがって、ガラス転移温
度よりも高い温度領域においては、内部に含まれる分子
も大きな運動力を有するのであって、この温度よりも高
い温度領域においては高分子内部をある程度自由に動き
回ることができるのである。
【0053】ポリ乳酸の一般的なガラス転移温度は60
℃付近である。これに対して、生分解性を有しないが揮
発性有機化合物の放出特性を備えた徐放性製剤の材料で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)は、一例
を挙げるとそのガラス転移温度が−24℃付近である。
そのため、ガラス転移温度が−24℃と低いEVAは、
室温において自由空間が大きく、その結果、内部に含ま
れる分子があれば、EVA内を動きやすいことが容易に
想像できる。さらにその結果、拡散速度も大きく、揮発
性の有機化合物が含まれていれば、高い放出特性を有す
ることが想像できる。
【0054】一方、これに対してガラス転移温度が60
℃付近と高いポリ乳酸は、室温においては高分子鎖がガ
ラス状態のため、ほとんど固定化した状態であり、内部
に有機化合物が含まれていても自由に動きにくいことが
推測される。そこで、ポリ乳酸のガラス転移温度を低下
させることができれば、内部に含まれる有機化合物など
の分子は動きやすくなると予想される。
【0055】以上のことを考慮しながら、ガラス転移温
度を低下させるための方法を鋭意検討したところ、ある
種の添加物をポリ乳酸に混合させることにより、ガラス
転移温度を低下させることができることを確認した。さ
らに、これらガラス転移温度の低下に効果のある添加物
とともに、揮発性薬剤を混入させたところ、図4に示す
ように、比較対象としていたガラス転移温度−24℃を
有するエチレン−酢酸ビニル共重合体のもつ放出特性と
比肩しうる程の放出特性を有するポリ乳酸を基材とする
徐放性製剤を開発するに至った。
【0056】図4には、ポリ乳酸の基材とある添加物と
を混合させて用いた徐放性製剤のガラス転移温度を併記
している。徐放性製剤に含まれる揮発性薬剤として、農
薬としてある種の昆虫に対して誘引作用を有する有機化
合物であるアミン系揮発性薬剤を選択し、その放散特性
を温度一定の条件下においてその残存濃度を測定した。
【0057】比較対象に、製剤の基材としてEVAを用
いたところ、そのガラス転移温度は−24℃であった。
また、有機化合物の残存濃度については、22日経過後
において4%程度にまで低下していることを確認した。
【0058】さらに、図4には、ポリ乳酸(PLA)に
種々の可塑剤を混練させたものについて、評価した結果
が示されている。ATBC(アセチルクエン酸トリブチ
ル)10%含有させたものについては、その揮発性薬剤
の残存濃度は、30日を経過した後もほとんど減少して
いないことを確認した。この時のガラス転移温度は、5
2℃であった。さらに、ATBCを18%とすると、ガ
ラス転移温度は47℃までに低下したが、揮発性有機化
合物の残存濃度を測定したところ、30日経過後におい
て、80%にまで低下した。すなわち、20%分の揮発
性有機化合物が放出されたことになる。
【0059】ところが、ATBCを30%にまで増加さ
せたものについては、そのガラス転移温度は43℃まで
に低下しており、揮発性薬剤の残存濃度についても大き
く減少していることを確認するとともに、その放出特性
は比較対象とするEVAを用いたものにかなり近い挙動
を示していることを確認した。また、ATBCは20%
の他にPEG(分子量4000)30%を加えたものに
ついては、ガラス転移温度は42℃であり、その放出特
性は比較対象とするEVAを用いた製剤にかなり近い特
性を示すことを確認することができた。
【0060】つまり、ガラス転移温度を低下させること
を一つの指標とし、そのような効果を示す有機化合物を
主体とする添加物を混合することによって、揮発性薬剤
の放出特性を大きく改善することができることを、本発
明者らは見い出すに至った。また、基材となる生分解性
高分子材料の中には、二酸化珪素を主成分とする無機化
合物が含まれていてもかまわない。これらの二酸化珪素
を主成分とする無機化合物は、高分子ブロッキング防止
剤としての役割を担うものである。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0062】〔実施例1〕揮発性薬剤としてN−2−メ
チルブチル−1−メチルプロピルアミド(以下「フェロ
モン」と略す。)を用いた。このN−2−メチルブチル
−1−メチルプロピルアミドはある種の昆虫の雄のみを
誘引するアミド化合物系の誘引薬剤のラセミ体である。
【0063】基材としては、生分解性高分子化合物であ
る三井化学株式会社製ポリ乳酸(商品名:レイシアH−
100J、以下「PLA」と略す。)を使用した。さら
に、ブロッキング防止剤として、二酸化珪素を4%含有
させた。これが全体として基材としての主要部分にな
る。
【0064】添加物としては、三洋化成(株)製の分子
量4000のポリエチレングリコール(以下「PEG4
000」と略す。)と、協和醗酵工業株式会社製のアセ
チルクエン酸トリブチル(以下「ATBC」と略す。)
を使用した。
【0065】これらの物質を、PLA/二酸化珪素/P
EG4000/ATBC/フェロモン=44/4/29
/19/4の重量比で混合したものを、ボール数100
個のボールミルにより30分間混合した。
【0066】次いで、均一になった放出制御体の原料粉
体を、押し出し成形機ラボプラストミル(2軸(25mm
φ)、ダイス1穴(4.0mmφ))で押し出し成形し、
紡糸用巻き取り機で引き取った。
【0067】できあがった徐放性製剤は直径2.8mmで
あった。この徐放性製剤のガラス転移温度を粘弾性測定
法により測定したところ、42℃であった。
【0068】また、この徐放性製剤を設定温度を30
℃、平均風速を0.3m/sec に設定した送風乾燥機に設
置し、経時的にフェロモン残存量を測定した。残存率の
経時変化を図5に示す。
【0069】日数経過に応じて順当に揮発性薬剤が減少
していることが分かる。そして28日経過後において、
残存揮発性薬剤濃度は初期値の22%であった。この結
果より、この組成にて与えられた徐放性製剤は、良好な
放散特性を有することが認められた。
【0070】したがって、このポリ乳酸を用いた製剤
は、ガラス転移温度が50℃を十分に下回っていると同
時に、その放出特性も極めて良好な結果であることが認
められた。
【0071】〔実施例2〕揮散性薬剤としてN−2−メ
チルブチル−1−メチルプロピルアミドを実施例1と同
様に用いた。基材も実施例1と同じPLAを用い、ブロ
ッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有させた。添
加物としては、トリエチレングリコールジアセテート
(以下「TEDA」と略す。)を混合した。徐放性製剤
の組成はPLA/二酸化珪素/TEDA/フェロモン=
70/5/24/1としたことを除いて実施例1と同様
の操作を行った。
【0072】フェロモンを含有した徐放性製剤の直径は
2.8mmであった。徐放性製剤のガラス転移温度を粘弾
性測定法により測定したところ、35℃であった。
【0073】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にて徐放性製剤の放散特性を確認す
るための残存率の測定を行った。結果を図5に示す。
【0074】日数経過に応じて順当に揮発性薬剤が減少
していることが分かる。そして30日経過後において、
残存揮発性薬剤濃度は初期値の6%であった。この結果
より、この組成にて与えられた徐放性製剤は、良好な放
散特性を有することが認められた。
【0075】したがって、このポリ乳酸を用いた製剤は
ガラス転移温度が50℃を十分に下回っていると同時
に、その放出特性も比較対象とするEVAを用いたもの
に比較しうるものであることが認められた。
【0076】〔実施例3〕揮散性薬剤として、N−2−
メチルブチル−1−メチルプロピルアミドを実施例1と
同様に用いた。基材も実施例1と同じPLAを用い、同
様にブロッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有さ
せた。添加物としては、実施例1において使用したアセ
チルクエン酸トリブチル(ATBC)を使用した。な
お、ATBCの割合は29%とした。
【0077】これらの物質の配合比は、PLA/二酸化
珪素/ATBC/フェロモン=64/4/29/3とし
た。
【0078】徐放性製剤の形成方法としては実施例1と
同様の操作を行った。その結果、徐放性製剤の直径は
2.8mmであった。この徐放性製剤のガラス転移温度を
粘弾性測定法により測定したところ、43℃であった。
【0079】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にて揮発性薬剤の放散特性を確認す
るための残存率の測定を行った。結果を図5に示す。
【0080】日数経過に応じて順当に揮発性薬剤が減少
していることが分かる。そして28日経過後において、
残存揮発性薬剤濃度は初期値の23%であった。この結
果より、この組成にて与えられた徐放性製剤は、良好な
放散特性を有することが認められた。
【0081】したがって、このポリ乳酸を用いた製剤は
ガラス転移温度が50℃を十分に下回っていると同時
に、その放出特性も比較対象とするEVAを用いたもの
に比較しうるものであることが認められた。
【0082】〔実施例4〕揮散性薬剤として、殺傷効果
を有するトレボン(商品名、三井化学(株)製)を用い
た。基材としては、実施例1と同じPLAを用い、ブロ
ッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有させた。添
加物としては、実施例1において使用したアセチルクエ
ン酸トリブチル(ATBC)を使用した。なお、ATB
Cの割合は29%とした。
【0083】これらの物質の配合比は、PLA/二酸化
珪素/ATBC/トレボン=64/4/29/3とし
た。
【0084】徐放性製剤の形成方法としては実施例1と
同様の操作を行った。その結果、徐放性製剤の直径は
2.8mmであった。この徐放性製剤のガラス転移温度を
粘弾性測定法により測定したところ、40℃であった。
【0085】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にてトレボンの放散特性を確認する
ための実験を行った。結果を図6に示す。
【0086】日数経過に応じて順当にトレボンの残存濃
度が減少していることが分かる。そして28日経過後に
おいて、残存トレボン濃度は初期値の60%程度であっ
た。この結果から、揮発性有機化合物であるトレボンの
放出速度は上記の実施例より遅いが、その残存率は確実
に低下しており、相当の期間をおいて徐々にではある
が、放散することが可能である。
【0087】〔生分解性の評価〕実施例1〜4で作製し
た徐放性製剤は平成9年3月からそれぞれ半年間土中に
埋蔵したところ、そのどの徐放性製剤においても、崩壊
している状況を確認することができた。
【0088】〔比較例1〕揮発性薬剤としてN−2−メ
チルブチル−1−メチルプロピルアミドを実施例1と同
様に用いた。基材も実施例1と同じPLAを用い、ブロ
ッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有させた。
【0089】これらの物質の配合比はPLA/二酸化珪
素/揮発性薬剤=93/4/3とした。徐放性製剤の形
成方法としては実施例1と同様の操作を行った。
【0090】その結果、徐放性製剤の直径は2.8mmで
あった。徐放性製剤のガラス転移温度を粘弾性測定法に
より測定したところ、57℃であった。
【0091】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にて揮発性薬剤の放散特性を確認す
るための実験を行った。結果を図7に示す。
【0092】28日経過後において、残存揮発性薬剤濃
度は初期値の98%程度であり、ほとんど減少していな
いことが認められた。したがって、添加剤を用いないで
作製した徐放性製剤は、極めて低い放出特性を有するこ
とが認められた。
【0093】〔比較例2〕揮発性薬剤化合物としてN−
2−メチルブチル−1−メチルプロピルアミドを実施例
1と同様に用いた。基材として実施例1と同じPLAを
用い、ブロッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有
させた。添加物として、実施例1において使用したアセ
チルクエン酸トリブチル(ATBC)を使用した。な
お、ATBCの割合は9%とした。
【0094】これらの物質の配合比は、PLA/二酸化
珪素/ATBC/揮発性薬剤=84/4/9/3とし
た。徐放性製剤の形成方法としては実施例1と同様の操
作を行った。
【0095】その結果、徐放性製剤の直径は2.8mm
であった。この徐放性製剤のガラス転移温度を粘弾性測
定法により測定したところ、52℃であった。
【0096】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にて揮発性薬剤の放散特性を確認す
るための実験を行った。結果を図7に示す。
【0097】日数経過に応じて揮発性薬剤が減少してい
るもののその減少速度は極めて低いものであった。そし
て30日経過後において、残存揮発性薬剤濃度は初期値
の98%であった。
【0098】〔比較例3〕揮発性薬剤としてN−2−メ
チルブチル−1−メチルプロピルアミドを実施例1と同
様に用いた。基材も実施例1と同じPLAを用い、ブロ
ッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有させた。混
合物として、ジイソデシルアジペート(DIDA)を使
用した。なお、DIDAの割合は29%とした。
【0099】これらの物質の配合比は、PLA/二酸化
珪素/DIDA/揮発性薬剤=91/4/2/3とし
た。徐放性製剤の形成方法としては実施例1と同様の操
作を行った。
【0100】その結果、農薬製剤の直径は2.8mmで
あった。この徐放性製剤のガラス転移温度を粘弾性測定
法により測定したところ、57℃であった。
【0101】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にて揮発性薬剤の放散特性を確認す
るための実験を行った。結果を図7に示す。
【0102】日数経過に応じて揮発性薬剤が減少してい
るもののその減少速度は極めて低いものであった。そし
て30日経過後において、残存揮発性薬剤濃度は初期値
の98%であった。この結果より、徐放性製剤は、極め
て低い放出特性を有することが認められた。
【0103】〔比較例4〕揮発性薬剤として、殺傷効果
を有するトレボン(三井化学(株)製)を実施例4と同
じく用いた。基材として実施例1と同じPLAを用い、
ブロッキング防止剤として二酸化珪素を4%含有させ
た。そして、添加物として、アセチルクエン酸トリブチ
ル(ATBC)を使用した。なお、ATBCの割合は1
0%とした。これらの物質の配合比は、PLA/二酸化
珪素/ATBC/トレボン=83/4/10/3とし
た。徐放性製剤の形成方法としては実施例1と同様の操
作を行った。
【0104】その結果、徐放性製剤の直径は2.8mmで
あった。この農薬製剤のガラス転移温度を粘弾性測定法
により測定したところ、52℃であった。
【0105】この場合においても、実施例1と同じよう
に、30℃の雰囲気にてトレボンの放散特性を確認する
ための実験を行った。結果を図8に示す。
【0106】30日経過後において、残存トレボン濃度
は初期値の97%であった。この結果からは、揮発性有
機化合物であるトレボンの放出特性はすぐれているとは
言い難いものであった。
【0107】
【発明の効果】本発明の徐放性製剤は、忌避性、誘引
性、殺傷性を有する揮発性薬剤を農薬成分として含むと
同時に、その放出速度を制御する機能を有したものであ
るため、農業従事者の作業の効率化、簡素化に極めて優
れた性能を発揮するものである。さらに、生分解性高分
子を基材とし、生分解性を有する有機物を添加剤として
構成されるものであるため、使用期間を過ぎた後に微生
物などに分解され、製剤としての形状を残さず分解す
る。そのため、回収する必要がなく経済的であり、環境
を汚染しない。
【0108】以上のことから、本発明は工業的、また地
球環境的観点からみて極めて価値の高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の徐放性製剤の一実施形態の揮発性薬剤
の放出特性図である。
【図2】ポリ乳酸のみを基材とした徐放性製剤の揮発性
薬剤の放出特性図である。
【図3】高分子の比容積と温度との関係を示す図であ
る。
【図4】徐放性製剤の揮発性薬剤の放出特性と基材のガ
ラス転移温度を示す図である。
【図5】実施例1〜3の各徐放性製剤の揮発性薬剤の放
出特性図である。
【図6】実施例4の徐放性製剤の揮発性薬剤の放出特性
図である。
【図7】比較例1〜3の各徐放性製剤の揮発性薬剤の放
出特性図である。
【図8】比較例4の徐放性製剤の揮発性薬剤の放出特性
図である。
フロントページの続き (72)発明者 野崎 正平 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともポリ乳酸と添加物と常温大気
    中にて揮発性を有しかつ生物に対して誘引効果、忌避効
    果または殺傷効果を有する揮発性薬剤とからなる徐放性
    製剤であって、該ポリ乳酸の重量平均分子量が4万以上
    であり、該添加物によりガラス転移温度が50℃以下に
    されたものであることを特徴とする徐放性製剤。
  2. 【請求項2】 前記添加物が、リン酸エステル類、フタ
    ル酸エステル類、脂肪族カルボン酸エステル類、脂肪族
    アルコールエステル類、ヒドロキシ多塩基酸エステル
    類、エポキシ系動植物油、ポリアルキレングリコール類
    から選ばれた1種あるいは2種以上の混合物であること
    を特徴とする請求項1記載の徐放性製剤。
JP8710698A 1998-03-31 1998-03-31 徐放性製剤 Pending JPH11286403A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335403A (ja) * 2000-05-25 2001-12-04 Mitsui Chemicals Inc 揮発性有機化合物放出製剤の製造方法
US7378394B2 (en) 2003-06-18 2008-05-27 Galenisearch, Laboratories Sustained-release microparticle preparation of human growth hormone and process for producing thereof
US8313767B2 (en) 2003-06-18 2012-11-20 Independent Administrative Institution, National Institute For Materials Science Drug-containing sustained release microparticle, process for producing the same and preparation containing the microparticle
RU2485776C1 (ru) * 2012-02-03 2013-06-27 Открытое акционерное общество "Чебоксарское производственное объединение им. В.И. Чапаева" Пиротехнический дымообразующий инсектицидный состав
US9238728B2 (en) 2011-01-24 2016-01-19 Arkema Inc. Epoxidized fatty acid alkyl esters as flexibilizers for poly(lactic acid)

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