JPH11285983A - 蝶形ねじの締付け補助具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蝶形ねじの使用場所との関係で、手首を曲が
る等して蝶形ねじの羽を十分に摘むことができない場合
に、蝶形ねじの頭部を摘まなくても蝶形ねじを締め付け
ることができ、十分な締め付け力を発揮することができ
る蝶形ねじの締付け補助具を提供する。 【解決手段】 握り部を構成する締付け補助具本体に蝶
形ねじの羽付き頭部の嵌合溝を形成したものであり、ま
た、締付け補助具本体はドライバーのハンドル形状とな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、蝶形ねじの羽付き
頭部に取付けられる蝶形ねじの締付け補助具に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】図７に示すように、蝶形ねじａは、一般
に小ねじのものに採用され、頭部ｂに付けられた羽ｃを
指先で摘んで締付けるものである。蝶形ねじａは、建築
の分野でも多く使用され、例えば、図７に示すように、
天井部分で野縁受けｄを床梁ｅに取付ける場合には、蝶
形ねじａを有する野縁受け固定具ｆが用いられる。すな
わち、野縁受け固定具ｆの挟持板ｇと挟持爪ｈの間に床
梁ｅのフランジｉを位置させ、蝶形ねじａを締め付けて
蝶形ねじａの先端を床梁ｅのフランジｉに圧着させるこ
とにより野縁受け固定具ｆを床梁ｅに取り付け、野縁受
け固定具ｆを介して野縁受けｄを床梁ｅから吊設するも
のである。そして、蝶形ねじａを締付けるためには、図
７の二点鎖線で示すように、作業者が蝶形ねじａの位置
まで手ｊを差し入れる必要がある。しかし、かかる狭い
作業スペースでは、図７に示すように、手首ｋを曲げて
指先を差し入れて蝶形ねじａを締付けなければならない
ので、指先に力が入り難く、蝶形ねじａが蝶形をしてい
ることが逆に作業上の弱点となり、蝶形ねじａの締め付
け不良が生じ、また、作業能率が低下するという問題が
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的とす
るところは、蝶形ねじの使用場所との関係で、手首が曲
がる等により指先に力が入り難く、蝶形ねじの頭部を摘
んで十分に締め付けられない場合に、蝶形ねじの頭部を
摘まむことなく十分な力で締め付けることができる蝶形
ねじの締付け補助具を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１の蝶形ねじの締付け補助具は、握
り部を構成する締付け補助具本体に蝶形ねじの羽付き頭
部が嵌まり込む嵌合溝を形成したことを特徴とする。

【０００５】請求項２の蝶形ねじの締付け補助具は、請
求項１に記載の蝶形ねじの締付け補助具において、締付
け補助具本体をドライバーのハンドル形状にしたことを
特徴とする。

【０００６】請求項３の蝶形ねじの締付け補助具は、請
求項１又は請求項２に記載の蝶形ねじの締付け補助具に
おいて、蝶形ねじの一対の羽全体が嵌まり込むように構
成したことを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図１は蝶形ねじの締付け補助具Ａの
斜視図を示し、図２は締付け補助具Ａの断面図を示して
いる。図１、図２及び図４に示すように、締付け補助具
Ａは、握り部を構成する補助具本体１に、蝶形ねじ２の
羽３付き頭部４を嵌め込むための嵌合溝５を設けて構成
されている。

【０００８】図１及び図２に示すように、締付け補助具
Ａの嵌合溝５は、蝶形ねじ２の頭部４を嵌め込むための
頭部嵌合溝部６と、蝶形ねじ２の頭部４の一対の羽３，
３を嵌め込むための一対の羽嵌合溝部７，７とで構成さ
れている。羽嵌合溝部７，７は補助具本体１の下端面及
び側面に開口し、頭部嵌合溝部６は補助具本体１の下端
面に開口し、頭部嵌合溝部６と羽嵌合溝部７，７は連通
している。

【０００９】図１及び図２に示すように、補助具本体１
は、作業者が適度の握り感覚が得られるようにドライバ
ーのハンドル形状に形成されている。また、補助具本体
１の外周形状は、蝶形ねじ２の羽３の湾曲した外側縁部
と合致するように湾曲し、かつ、締付け補助具Ａの嵌合
溝５を蝶形ねじ２の羽３付き頭部４に嵌め込んだ状態で
は、蝶形ねじ２の羽３が嵌合溝５から外側に突出しない
ように設定されている。補助具本体１の外周面には滑り
止めのために凹凸部８が形成されており、また、締付け
補助具Ａの材質は特に限定されるものではなく、例えば
木質やプラスチック等の採用が考えられる。

【００１０】図５は、野縁受け固定具１１を用いて野縁
受け１２を床梁９の下フランジ１０に吊り下げた状態を
示している。野縁受け固定具１１は、図３及び図５に示
すように、下面側に挟持爪１３が固定された挟持板１４
の一端にねじ孔１５を貫設すると共に、挟持板１４の他
端にナット１６，１６付きのねじ棒１７を固定し、挟持
板１４のねじ孔１５に蝶形ねじ２を螺合して構成されて
いる。

【００１１】図５に示すように、野縁受け固定具１１を
床梁９に取り付ける場合には、床梁９の下フランジ１０
を野縁受け固定具１１の挟持板１４と挟持爪１３とで挟
持し、蝶形ねじ２を締め付けて蝶形ねじ２の先端を床梁
９の下フランジ１０に圧接するものである。野縁受け１
２の上フランジ１８には、図５に示すように、野縁受け
固定具１１のねじ棒１７を取付けるための取付け孔１９
が穿設されている。そして、野縁受け固定具１１のねじ
棒１７を野縁受け１２の上フランジ１８の取付け孔１９
に挿通し、ナット１６，１６でフランジ１８を挟持する
ことにより、野縁受け１２を野縁受け固定具１１に取り
付けている。

【００１２】図５に示すように、蝶形ねじ２を締め付け
のための作業スペースに余裕がなく、手首を曲げて蝶形
ねじ２を締め付けなければならない場合には、締付け補
助具Ａの嵌合溝５を蝶形ねじ２の羽３付き頭部４に嵌め
込んで締付け補助具Ａを蝶形ねじ２に取付け、この締付
け補助具Ａを握って蝶形ねじ２を締め付ける。このよう
に締付け補助具Ａを握って締め付ければ、蝶形ねじ２の
羽３を指先で摘んで締め付けるのと違い、大きな締め付
け力を発揮でき、締付け作業スペースが制約されても蝶
形ねじ２を確実に締め付けることができる。

【００１３】締付け補助具Ａは、予め蝶形ねじ２に取付
けられるものであるが、後から蝶形ねじ２に取付ける場
合には、図４の二点鎖線及び矢印で示すように、蝶形ね
じ２の側方に締付け補助具Ａを位置させ、締付け補助具
Ａを水平方向に移動させて一対の羽嵌合溝部７，７に蝶
形ねじ２の一対の羽３，３の上部を嵌め込み、次に、蝶
形ねじ２を降下させて締付け補助具Ａの頭部嵌合溝部６
及び一対の羽嵌合溝部７，７を蝶形ねじ２の頭部４及び
羽３を完全に嵌め込む。このようにすれば、狭い場所で
も、締付け補助具Ａを蝶形ねじ２に後から取付けること
ができる。

【００１４】図６は、本発明の第２実施の形態を示して
おり、締付け補助具Ａの補助具本体１を円錐状に形成し
ている。かかる構成の締付け補助具Ａを用いれば、同図
に示すように、羽３の外側縁が湾曲していない蝶形ねじ
２に取付けた場合でも、羽３が締付け補助具Ａの嵌合溝
５から外側に突出することがない。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明の
蝶形ねじの締付け補助具によれば、握り部を構成する締
付け補助具本体に蝶形ねじの頭部の一対の羽が嵌まり込
む嵌合溝を形成したので、締付け補助具を握って蝶形ね
じを強い力で回すことができ、蝶形ねじを確実に締め付
けることができる。

【００１６】請求項２の発明の蝶形ねじの締付け補助具
によれば、締付け補助具本体をドライバーのハンドル形
状にしたので、ドライバーを回す要領で蝶形ねじを回す
ことができる。

【００１７】請求項３の発明の蝶形ねじの締付け補助具
によれば、蝶形ねじの一対の羽全体が嵌まり込むように
構成したので、蝶形ねじの羽によって握り感覚が損なわ
れず、蝶形ねじを大きな力で締め付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態の蝶形ねじの締付け補
助具を示す斜視図である。

【図２】同蝶形ねじの締付け補助具の断面図である。

【図３】締付け補助具が取付られた蝶形ねじを用いた野
縁固定具の斜視図である。

【図４】蝶形ねじへの締付け補助具の取付け動作を示す
断面図である。

【図５】締付け補助具が取付られた蝶形ねじを用いた野
縁固定具の使用状態を示す斜視図である。

【図６】本発明の第２実施の形態の蝶形ねじの締付け補
助具を示す斜視図である。

【図７】蝶形ねじの締め付け動作を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ 蝶形ねじの締付け補助具 １ 補助具本体 ２ 蝶形ねじ ３ 羽 ４ 頭部 ５ 嵌合溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 握り部を構成する締付け補助具本体に蝶
   形ねじの羽付き頭部が嵌まり込む嵌合溝を形成したこと
   を特徴とする蝶形ねじの締付け補助具。
2. 【請求項２】 締付け補助具本体をドライバーのハンド
   ル形状にしたことを特徴とする請求項１に記載の蝶形ね
   じの締付け補助具。
3. 【請求項３】 蝶形ねじの一対の羽全体が嵌まり込むよ
   うに構成したことを特徴とする請求項１又は請求項２に
   記載の蝶形ねじの締付け補助具。