JPH11285653A - 回転霧化静電塗装装置 - Google Patents

回転霧化静電塗装装置

Info

Publication number
JPH11285653A
JPH11285653A JP9195098A JP9195098A JPH11285653A JP H11285653 A JPH11285653 A JP H11285653A JP 9195098 A JP9195098 A JP 9195098A JP 9195098 A JP9195098 A JP 9195098A JP H11285653 A JPH11285653 A JP H11285653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spray head
discharge
peripheral surface
conductive
cup
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9195098A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigenori Kazama
重徳 風間
Osamu Tanaka
修 田中
Sukeyoshi Ota
資良 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP9195098A priority Critical patent/JPH11285653A/ja
Publication of JPH11285653A publication Critical patent/JPH11285653A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い塗着効率を有する従来の回転霧化静電塗
装装置において、塗着効率を高く維持し、かつ放電電流
量を少なく抑えることのできる回転霧化静電塗装装置を
提供する。 【解決手段】 回転する噴霧頭を有し、かつ該噴霧頭の
回転軸を介して高電圧の供給を受ける複数の放電電極を
該噴霧頭の外周面側に配した構造の回転霧化静電塗装装
置において、該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されてな
る放電抑制電極が、噴霧頭の内周面側に設けられている
ことを特徴とする回転霧化静電塗装装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転霧化静電塗装
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電塗装法は、アースした被塗物を陽
極、塗装装置を陰極とし、これに負の高電圧を与えて両
極間に静電界をつくり、噴霧した塗料粒子を負に帯電さ
せて、反対極である被塗物に効率よく塗料を吸着させる
方法である。被塗物を陽極、塗装装置を陰極にしている
のは、その逆の場合に比べて火花放電に移行しにくいと
いう安全に対する実用上の理由に基づくものである。
【0003】静電塗装装置は大別して、2つのタイプに
区別することができ、1つは回転および静電気の力で塗
料を微粒化し、塗料粒子を静電引力で被塗物に吸着させ
る回転霧化静電塗装装置であり、もう1つは圧縮空気の
力、あるいは高い塗料圧力などの機械的な力によって塗
料の微粒化を行ない、微粒化された塗料に電荷を与え
て、静電引力で被塗物に吸着させるガンタイプの装置で
ある。
【0004】回転霧化静電塗装装置は、回転する金属製
のカップ(「ベル」と称される場合もある。)、ディス
ク等の噴霧頭の遠心力によって塗料を霧化させ、しかも
このような金属製の噴霧頭に塗料の帯電および静電場を
形成するための高電圧を印加する方式とすることが一般
的である。従って、この金属製のカップは塗料を霧化す
る機能と同時に、被塗物との間に静電界を維持する機能
等を同時に満たすという非常に優れたものであり、高い
塗着効率を発揮する塗装装置として知られている。
【0005】図10は、従来の回転霧化静電塗装装置の
一例における先端部構造を概略示す断面図である。
【0006】この装置において、装置内部に組込まれた
モーターの中空シャフト21の先端部には、金属製カッ
プ22が固定されており、一方中空シャフト21の内部
には図示しない塗料ポンプに連通する塗料ノズル23が
配してあり、その先端開口部は金属製カップ22内部に
位置し、カップ22の内周面側中央部位に開口する塗料
出口孔24(多数の細孔が環状に配されている。)に連
通している。また前記カップ22の後面側には、前記中
空シャフト21の外周を定間隔をもって囲繞するエアー
リング25が取付けられており、このエアリング25内
部には、カップ22の後面に対向する先端面に開口する
数多くのエア出口孔26と、側面側に開口するエア導入
口27とを結ぶリング状マニホールドが形成されてお
り、このエア導入口27は図示しないエア供給ポンプに
連通している。また、前記中空シャフト21は、図示し
ない高電圧発生装置がケーブル等により電気的に接続さ
れ、中空シャフト21と導通するカップ22に所定の印
加電圧を負荷できるようになっている。
【0007】この装置において、塗料は、カップの回転
軸の中心に位置する塗料ノズル23を通って、塗料出口
孔24からカップ23内周面(カップ前面)に供給され
る。このカップ23はモーターによって高速回転されて
いるために、カップ内周面に供給された塗料は遠心力に
よってカップ内周面を伝って薄く引伸ばされ、カップ外
周縁部へと向い、カップ外周縁部から霧状に放出され
る。放出された塗料粒子は、エアーリング25のエア出
口孔26より噴出されるパターン調節用エアによって所
望のパターンにコントロールされ被塗物方向に運ばれ
る。一方、金属製カップには高電圧が印加されているた
めにカップ先端から被塗物に向ってコロナ放電が行われ
ている。上記塗料粒子にはカップに接触することによっ
て得られる帯電のほかにコロナ放電によって更に帯電さ
れ、このように帯電された塗料粒子はクローン力によっ
て効率良く被塗物に付着する。
【0008】このような従来の回転霧化静電塗装装置に
おいては、従来、上記したように金属製、例えば、クロ
ム鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金などにより形成
された噴霧頭を有しており、これが放電電極としても作
用するものであることから、一見すると合理的な機構で
あるように考えられるものであった。
【0009】しかしながら、本発明者の検討結果によれ
ば、このように金属製の噴霧頭を有する回転霧化静電塗
装装置においては、放電電流量の調節が出来ず、塗着効
率のさらなる向上が困難であることが判明した。すなわ
ち、このような金属製噴霧頭を有する従来の回転霧化静
電塗装装置において塗料を霧化するとコロナ放電による
電流が減少するという現象が見られるものであった。こ
れは霧化された塗料粒子が静電遮蔽効果を有するためで
あると考えられる。
【0010】そこで、本発明者らは、先の特開平9−1
31551号公報において、噴霧頭の回転軸の正面(内
周面)部分への放電電流を平均的に増加させることがで
き、塗料の塗着効率の向上を図ることのできる回転霧化
静電塗装装置として、回転する噴霧頭を有し、かつ該噴
霧頭の内周面上に塗料を供給する手段を備えた回転霧化
塗装装置において、該噴霧頭が電気絶縁材料で構成さ
れ、かつ該噴霧頭の外周面側に、該噴霧頭の中心部側よ
り噴霧頭の外周面の形状に概略沿って外方に延長されて
なる略帯状パターンを有する電極を、該噴霧頭の回転軸
回りに相互に位相差を有するように複数本配置してな
り、この複数本の放電電極が該噴霧頭と共に回転するこ
とを特徴とする回転霧化静電塗装装置を提案した。
【0011】図11は、上記特開平9−131551号
公報に記載の回転霧化静電塗装装置の一実施例における
先端部構造を概略示す断面図、図12は同実施例におけ
るカップの背面図、図13は同実施例におけるカップの
前面図である。
【0012】図11〜13に示す実施例の装置におい
て、装置内部に組込まれたモーターの中空シャフト1の
先端部には、樹脂製カップ2が固定されており、一方中
空シャフト1の内部には図示しない塗料ポンプに連通す
る塗料ノズル3が配してあり、その先端開口部は樹脂製
カップ2内部に位置し、カップ2の前面側中央部位に開
口する塗料出口孔4(多数の細孔が環状に配されてい
る。)に連通している。また前記カップ2の後面側に
は、前記中空シャフト1の外周を定間隔をもって囲繞す
るエアーリング5が取付けられており、このエアリング
5内部には、カップ2の後面に対向する先端面に開口す
る数多くのエア出口孔6と、側面側に開口するエア導入
口7とを結ぶリング状マニホールドが形成されており、
このエア導入口7は図示しないエア供給ポンプに連通し
ている。しかして、この実施例においては、樹脂製カッ
プ2の後面に、導電性塗料により、図2に示すような形
状を有する導電性皮膜8が形成されており、これによっ
て、噴霧頭の回転軸に対称に2本の放電電極が形成され
ている。なお、この導電性皮膜8は、図2および図3か
ら明らかなように、カップ2の外周縁部に至るまで形成
されており、従って、相互に約180°の位相差を有す
る2本の放電電極の先端部は、カップ2の外周縁部に存
在している。なお、この放電電極の先端部の幅は、カッ
プの外径の1/25とされている。
【0013】一方、前記導電性皮膜8は、カップ2の中
心部側において、前記中空シャフト1の先端部を挿入す
るカップ2中央部に設けられた挿通口9の周面全体にも
存在し、中空シャフト1と電気的に接続されている。前
記中空シャフト1は、図示しない高電圧発生装置がケー
ブル等により電気的に接続されているため、この中空シ
ャフト1と導通する導電性皮膜8、すなわち2本の放電
電極に印加電圧を負荷できるようになっている。
【0014】この装置において、塗料は、カップの回転
軸の中心に位置する塗料ノズル3を通って、塗料出口孔
4からカップ3前面(カップ内面)に供給される。この
カップ3はモーターによって高速回転されているため
に、カップ前面に供給された塗料は遠心力によってカッ
プ前面を伝って薄く引伸ばされ、カップ外周縁部へと向
い、カップ外周縁部から霧状に放出される。放出された
塗料粒子は、エアーリング5のエア出口孔6より噴出さ
れるパターン調節用エアによって所望のパターンにコン
トロールされ被塗物方向に運ばれる。一方、樹脂製カッ
プ裏面に設けられた導電性皮膜8によって形成された放
電電極には高電圧が印加されているために、カップの外
周縁部の2箇所に存在する各放電電極の先端からは、ほ
ぼ定常的に、被塗物に向ってコロナ放電が行われおり、
カップの回転と同時にこの放電電極も回転しているた
め、カップ回りの全周域において被塗物へと向う放電流
が形成される。なお、コロナ放電が発生する箇所が実質
的に前記放電電極の先端部(カップ外周縁部の相互に1
80°位相を有する2箇所)のみに限定され、かつこの
放電電極は回転しているために、マクロ的な時間を通し
てみると、カップ前面に形成される放電電流の分布パタ
ーンは平均化されることとなる。そこで、カップ外周縁
部で霧化された前方空間へと飛び出した塗料粒子は、こ
のコロナ放電によって帯電され、このように帯電された
塗料粒子はクローン力によって効率良く被塗物に付着す
る。
【0015】上述したように、特開平9−131551
号公報に記載の回転霧化静電塗装装置では、高い塗着効
率を有することができるものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平9−131
551号公報に記載された回転霧化静電塗装装置の構造
にあっては、塗着効率を高くすることができるが、放電
電流量が大きくなるため、例えば、直径30mmから5
0mmのように小さい霧化頭には有効であるが、直径が
70mmクラスの大口径の霧化頭に対しては高電圧発生
装置の供給電流が不足するという欠点があった。この供
給電流の不足は、印加電圧を60kV〜120kVと高
く維持するために、過剰な能力を有する発生器を備える
必要性を生じさせ、必然的に塗装機自体を高価にさせる
ばかりか、被塗物の異常接近時のスパークの発生を懸念
させるものであった。
【0017】そこで、本発明の目的は、高い塗着効率を
有する従来の回転霧化静電塗装装置(特開平9−131
551号公報に記載された回転霧化静電塗装装置)にお
いて、塗着効率を高く維持し、かつ放電電流量を少なく
抑えることのできる回転霧化静電塗装装置を提供するも
のである。
【0018】また、本発明の目的は、高い塗着効率を有
し、かつ放電電流量を少なく抑えられ、また過剰な能力
を有する高電圧発生装置を備える必要がなく、また大口
径の霧化頭が利用でき、被塗物の異常接近時のスパーク
の増大を回避できる回転霧化静電塗装装置を提供するも
のである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、各請求項毎に次のように構成される。
【0020】請求項1に記載の発明は、回転する噴霧頭
を有し、かつ該噴霧頭の回転軸を介して高電圧の供給を
受ける複数の放電電極を該噴霧頭の外周面側に配した構
造の回転霧化静電塗装装置において、該噴霧頭の回転軸
と電気的に接続されてなる放電抑制電極が、噴霧頭の内
周面側に設けられていることを特徴とする回転霧化静電
塗装装置である。
【0021】請求項2に記載の発明は、前記噴霧頭が、
電気絶縁性材料で構成されており、前記放電電極および
放電抑制電極が、半導電性ないし導電性の材料で構成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の回転霧化静
電塗装装置である。
【0022】請求項3に記載の発明は、前記噴霧頭が、
半導電性材料で構成されており、前記放電電極および放
電抑制電極が、導電性材料で構成されていることを特徴
とする請求項1に記載の回転霧化静電塗装装置である。
【0023】請求項4に記載の発明は、前記放電抑制電
極が、前記放電電極との電気的な接続を介して、該噴霧
頭の回転軸と電気的に接続されていることを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転霧化静電塗装
装置である。
【0024】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の放電抑制電極と放電電極との電気的な接続の仕方が、
前記噴霧頭の内部で連通した構造および/または噴霧頭
の周縁部を回り込んで接続する構造であることを特徴と
する請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転霧化静電
塗装装置である。
【0025】請求項6に記載の発明は、前記噴霧頭が、
半導電性材料で構成されており、かつ該噴霧頭自身が放
電抑制電極として機能し、前記放電電極が、導電性材料
で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回
転霧化静電塗装装置である。
【0026】請求項7に記載の発明は、回転する電気絶
縁性材料でできた噴霧頭を有し、かつ該噴霧頭の回転軸
を介して高電圧の供給を受ける構造の回転霧化静電塗装
装置において、該噴霧頭の外周面側と内周面側の少なく
とも一部を半導電性ないし導電性材料で構成してなる導
電部および/または該噴霧頭の外周面側と内周面側の少
なくとも一部に半導電性ないし導電性材料で構成してな
る導電被膜を有し、該外周面側の導電部および/または
導電被膜と、該内周面側の導電部および/または導電被
膜とが該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていること
を特徴とする回転霧化静電塗装装置である。
【0027】請求項8に記載の発明は、前記噴霧頭の外
周面側の導電部および/または導電被膜と、該噴霧頭の
内周面側の導電部および/または導電被膜とが、互いに
接続された構造であって、該外周面側若しくは内周面側
の導電部および/または導電被膜のいずれか一方が、該
該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていることを特徴
とする請求項7に記載の回転霧化静電塗装装置である。
【0028】請求項9に記載の発明は、前記噴霧頭の外
周面側の導電部および/または導電被膜と、該噴霧頭の
内周面側の導電部および/または導電被膜との接続手段
が、前記電気絶縁性材料でできた噴霧頭の内部で連通し
た構造もしくは噴霧頭の周縁部を回り込んで接続する構
造であることを特徴とする請求項8に記載の回転霧化静
電塗装装置である。
【0029】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、各請求項毎に次のような効果を奏する。
【0030】請求項1に記載の発明にあっては、回転す
る噴霧頭を有し、かつ該噴霧頭の回転軸を介して高電圧
の供給を受ける複数の放電電極を該噴霧頭の外周面側に
配した構造の回転霧化静電塗装装置、すなわち、特開平
9−131551号公報に記載の回転霧化静電塗装装置
の構造を備えた上で、さらに、該噴霧頭の回転軸と電気
的に接続されてなる放電抑制電極を噴霧頭の内周面側に
設けることにより、当該公報に記載の回転霧化静電塗装
装置の欠点であった、放電電流量の増大を抑制しつつ、
高い塗着効率を得ることを可能とするものである。すな
わち、塗料の噴霧中は、放電抑制電極が内周面側にある
ことによってもその影響(有用な機能の発現)は殆どな
く、従来と殆ど変わりない放電量を放電電極より得られ
るが、塗料を被塗物に向けて噴霧しない場合には内周面
側に設けられた放電抑制電極がその機能を有効かつ効果
的に発揮するため、従来よりも大幅に放電電流を低下さ
せることができ、高電圧発生器の電流供給能力を従来と
殆ど変える必要がないばかりか、従来の発明の効果(特
に、特開平9−131551号公報に記載の発明により
得られる高い塗着効率)を損なうことなく、放電電流の
安定が図れるという利点を有する。よって、直径70m
mとする大口径の噴霧頭に特開平9−131551号公
報に記載された回転霧化静電塗装装置の構造を導入した
場合に必要となる供給電流量が約500μAと見積もら
れるのに対し、本請求項1に記載の回転霧化静電塗装装
置の構造によれば、約150〜200μAで十分であ
り、大口径の霧化頭に対しても供給電流が不足すること
もなく、塗装機の小型化に寄与するばかりか、発熱量を
約1/6に抑えることができ、より大口径の霧化頭の利
用が可能となり、塗装能力を大幅に高めることができ
る。また、過剰な能力を有する高電圧発生装置を備える
必要がなく、塗装機本来の機能に見合う高電圧発生装置
を備えればよく、経済的にも有利である。さらに、被塗
物の異常接近時のスパークによる火災発生の危険性の増
大を回避できるとする利点もある。
【0031】請求項2に記載の発明にあっては、上記請
求項1に記載の発明における効果に加えて、前記噴霧頭
が電気絶縁性材料で構成され、前記放電電極および放電
抑制電極が半導電性ないし導電性材料で構成されている
ことにより、半導電性材料を用いる場合には、電気絶
縁性材料に電気絶縁性樹脂を用い、半導電性材料に導電
性金属粉などを含有した電気絶縁性樹脂を用いることが
できるため、共に複雑な成形加工が容易に行え、かつ両
者を極めて強固に結合することができる利点を有する。
一方、導電性材料を用いる場合には、半導電性材料に
比して塗料の噴霧中での噴霧頭での消費電力を最小限に
とどめることができ、発熱量も少なくて良いほか、これ
らの一部が消耗されたり、破損や欠損が生じた場合に
も、容易に補修ないし取り替えることができるとする利
点を有する。よって、双方の利点を有効に生かせるよう
に、前記放電電極を導電性材料で構成し、放電抑制電極
を半導電性ないし導電性材料で構成することが、上記
およびの効果を得ることができるので望ましい。
【0032】請求項3に記載の発明にあっては、上記請
求項1に記載の発明における効果に加えて、前記噴霧頭
が半導電性材料で構成され、前記放電電極および放電抑
制電極が導電性材料で構成されていることにより、塗料
を被塗物に向けて噴霧しない場合には内周面側に設けら
れた放電抑制電極に加えて半導電性材料で構成された噴
霧頭においてもその機能を持つ得るため、より有効かつ
効果的に放電抑制機能を発揮することができる。
【0033】請求項4に記載の発明にあっては、上記請
求項1〜3に記載の発明における効果に加えて、前記放
電抑制電極が、前記放電電極との電気的な接続を介し
て、該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていることに
より、放電抑制電極および放電電極噴霧頭を個別に噴霧
頭の回転軸と電気的に接続するのに比して、接続に要す
る構造ないし構成部材をより簡素化することができる。
【0034】請求項5に記載の発明にあっては、上記請
求項1〜4に記載の発明における効果に加えて、請求項
4に記載の放電抑制電極と放電電極との電気的な接続の
仕方が、前記噴霧頭の内部で連通した構造および/また
は噴霧頭の周縁部を回り込んで接続する構造であること
により、噴霧頭の内部で連通した構造とする場合に
は、接続部位が内部にあるためかかる接続部の劣化が抑
えられ、また、連通部を除いて、噴霧頭の外周面部に放
電電極を、内周面部に放電抑制電極を、それぞれの機能
を発揮することのできる最適な形状・形態に個別に設け
ることができるたる利点を有する。一方、噴霧頭の周
縁部を回り込んで接続する構造とする場合には、製造時
に放電抑制電極と放電電極とを一体化して形成でき、放
電電極だけでは機械強度が比較的弱い周縁部を両側から
支持補強する構造にでき、また放電電極として消耗され
る周縁部近傍を補強することもできるとする利点を有す
る。
【0035】請求項6に記載の発明にあっては、上記請
求項1に記載の発明における効果に加えて、前記噴霧頭
が、半導電性材料で構成されており、かつ該噴霧頭自身
が放電抑制電極として機能し、前記放電電極が導電性材
料で構成されていることにより、装置構成を簡略化でき
る利点を有する。また、放電電極を、噴霧頭自身である
放電抑制電極を介して該噴霧頭の回転軸と電気的に接続
することもできるため、噴霧頭の回転軸に放電電極が直
接接続している必要もないため、噴霧頭の周縁部近傍に
のみ複数の放電電極を配置するような構造とすることも
可能となるり、バリエーションに富んだ各種の形態の提
供が可能となり、選択の幅が広がり、それぞれの被塗物
の形状、大きさに応じた最適な形態を得る上で有意義で
あるとする利点を有する。
【0036】請求項7に記載の発明は、上記請求項1〜
6に記載の発明を多面的ないし包括的にとらえるために
異なった表現形式により記載したものである。すなわ
ち、請求項7に記載の発明にあっては、回転する電気絶
縁性材料でできた噴霧頭を有し、かつ該噴霧頭の回転軸
を介して高電圧の供給を受ける構造の回転霧化静電塗装
装置において、該噴霧頭の外周面側と内周面側の少なく
とも一部を半導電性ないし導電性材料で構成してなる導
電部および/または該噴霧頭の外周面側と内周面側の少
なくとも一部に半導電性ないし導電性材料で構成してな
る導電被膜を有し、該外周面側の導電部および/または
導電被膜と、該内周面側の導電部および/または導電被
膜とが該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていること
により、上述した請求項1〜6に記載の発明における効
果と同様の効果を奏することができるものである。
【0037】請求項8に記載の発明も、上記請求項1〜
6に記載の発明を多面的ないし包括的にとらえるために
異なった表現形式により記載したものである。すなわ
ち、請求項8に記載の発明にあっては、前記噴霧頭の外
周面側の導電部および/または導電被膜と、該噴霧頭の
内周面側の導電部および/または導電被膜とが、互いに
接続された構造であって、該外周面側若しくは内周面側
の導電部および/または導電被膜のいずれか一方が、該
該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていることによ
り、上述した請求項1〜6に記載の発明における効果、
特に請求項2、3、4、6に記載の発明と同様の効果を
奏することができるものである。
【0038】請求項9に記載の発明も、上記請求項1〜
6に記載の発明を多面的ないし包括的にとらえるために
異なった表現形式により記載したものである。すなわ
ち、請求項9に記載の発明においては、前記噴霧頭の外
周面側の導電部および/または導電被膜と、該噴霧頭の
内周面側の導電部および/または導電被膜との接続手段
が、前記電気絶縁性材料でできた噴霧頭の内部で連通し
た構造もしくは噴霧頭の周縁部を回り込んで接続する構
造であることにより、上述した請求項1〜6に記載の発
明における効果、とりわけ、請求項5に記載の発明と同
様の効果を奏することができるものである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施態様を図面
を用いて具体的に説明する。
【0040】図1は、本発明に係る回転霧化静電塗装装
置の一実施例における先端部構造を概略示す断面図、図
2は同実施例における噴霧頭(カップ)の外周面側の構
造を示すためのカップの背面図、図3は同実施例におけ
る噴霧頭(カップ)の内周面側の構造を示すためのカッ
プの前面図である。
【0041】図1〜3に示す実施例の装置において、装
置内部に組込まれたモーター101の中空シャフト102の先
端部には、電気絶縁性樹脂材料で構成された樹脂製のベ
ル型の噴霧頭(カップ)103が固定されており、一方中
空シャフト102の内部には塗料ポンプ(図示せず)に連
通する塗料ノズル105が配してあり、その先端開口部107
は前記カップ103内部に位置し、前記カップ103の内周面
側中央部位に開口する塗料出口孔109(多数の細孔が環
状に配されている。)に連通している。また前記カップ
103の外周面側の後方部(カップ103を取り付けてある塗
装機本体部分)には、前記中空シャフト102の外周を定
間隔をもって囲繞するエアーリング111が取付けられて
おり、このエアリング111内部には、カップ103の周縁部
113に対向する先端面115に開口する数多くのエア出口孔
117と、側面側に開口するエア導入口119とを結ぶリング
状マニホールド121が形成されており、このエア導入口
119はエア供給ポンプ(図示せず)に連通している。
【0042】しかして、この実施例においては、前記カ
ップ103の外周面側から周縁部113を回り込んで内周
面側に至るまで、導電性材料としての導電性塗料によ
り、図2および図3に示すような形状を有する導電被膜
が一体的に形成されている。かかる導電被膜は、放電電
極123と放電抑制電極125と、両電極をカップ103の周縁
部113を回り込んで接続する配線部とを構成する。すな
わち、前記カップ103の外周面側にカップ103の中空シャ
フト102(回転軸)に対称に(相互に約180°の位相
差を有して)導電被膜により形成されている2本の放電
電極123a、123bと、前記カップ103の内周面側の塗料
出口孔109よりも周縁部寄りに一定の幅で環状に導電被
膜により形成されている放電抑制電極125と、さらに当
該両電極を電気的に接続するために放電電極123の先端
部からカップ103の周縁部113を回り込んで内周面側の放
電抑制電極に至るまでを導電被膜により形成されている
接続部位127によって、両電極と共にいわば一体化して
構成されている。なお、この場合の、放電電極123a、1
23bは、カップ103の周縁部113までをその構成部分に含
むものとする。これは、放電電極123の先端部がカップ1
03の周縁部113に位置することで、放電電極123の本来的
なの機能である、被塗物に向ってコロナ放電を行うため
の電極としての機能を果たせるからである。なお、この
放電電極の周縁部113の幅は、カップの外径の1/25
程度とされていればよい。
【0043】一方、前記導電被膜により形成される放電
電極123は、カップ103の外周面の中心部側において、前
記中空シャフト102の先端部を挿入するカップ中央部に
設けられた挿通口131の周面全体にも存在し、中空シャ
フト102と電気的に接続されている。前記中空シャフト1
02は、高電圧発生装置(図示せず)がケーブル等により
電気的に接続されているため、この中空シャフト102と
導通する導電被膜、すなわち2本の放電電極123a、123
bに印加電圧を負荷できるようになっている。
【0044】この装置において、塗料は、カップ103の
中空シャフト102(回転軸)の中心に位置する塗料ノズ
ル105を通って、塗料出口孔109からカップ103内周面側
に供給される。このカップ103はモーター101によって高
速回転されているために、カップ内周面側に供給された
塗料は、遠心力によってカップ内周面を伝って薄く引伸
ばされ、カップ103の周縁部113へと向い、該周縁部103
から霧状に放出される。放出された塗料粒子は、エアー
リング111のエア出口孔117より噴出されるパターン調節
用エアによって所望のパターンにコントロールされ被塗
物方向に運ばれる。一方、カップ103の外周面側に設け
られた導電被膜によって形成された放電電極123a、123
bには高電圧が印加されているために、カップ103の周
縁部113の2箇所に存在する各放電電極の先端からは、
ほぼ定常的に、被塗物に向ってコロナ放電が行われお
り、カップ103の回転と同時にこの放電電極123a、123
bも回転しているため、カップ回りの全周域において被
塗物へと向う放電流が形成される。なお、コロナ放電が
発生する箇所が実質的に前記放電電極123a、123bの先
端部(カップ103の周縁部113の相互に180°位相を有
する2箇所)のみに限定され、かつこの放電電極123
a、123bは回転しているために、マクロ的な時間を通
してみると、カップ内周面部に形成される放電電流の分
布パターンは、放電抑制電極の有無に拘わらず殆ど変わ
りない放電量を得られるため、平均化されるので、従来
の金属製のカップのように放電電流量の調節が出来ない
場合に比して、内周面部分への放電電流を平均的に調整
しつつ、電流量を増加させることができることとなる。
よって、塗料の噴霧中は、カップ103の周縁部113で霧化
された前方空間へと飛び出した塗料粒子は、このコロナ
放電によって帯電され、このように帯電された塗料粒子
はクローン力によって効率良く被塗物に付着することが
できるため、高い塗着効率を達成することができるので
ある。一方、被塗物に向けて塗料を噴霧しない場合に
も、該放電電極123a、123bの先端からは、ほぼ定常的
に、被塗物に向ってコロナ放電が行われることとなる
が、カップ103の内周面側に放電抑制電極125を設けてい
ることにより、放電電流を抑えることができ、従来より
も大幅に放電電流を低下させることができることを見出
したものである。
【0045】図4(a)は本発明の別の実施例に係るカ
ップの背面図、図4(b)は本発明の別の実施例に係る
カップの断面図、図4(c)は本発明の別の実施例に係
るカップの前面図である。この実施例においては、6本
の放電電極123c〜123hを形成するように、図示するご
とく、カップ103の外周面側に形成された導電被膜の形
成パターンを変更し、カップ103の内周面側の塗料出口
孔109よりも周縁部寄りに一定の幅で環状に導電被膜に
より放電抑制電極125を形成し、さらに当該両電極123と
125を電気的に接続するために、カップ103の内部を連通
した構造を設けた。すなわち、各放電電極123c〜123h
と放電抑制電極125とをカップ103の内部を連通する導電
性材料の電極同通線141で接続した構造が設けられてい
る。なお、この場合の、放電電極123c〜123hの先端部
は、図4(c)に示すように、カップ103の周縁部113に
位置し、この放電電極の周縁部113の幅は、カップの外
径の1/25程度とされていればよい。かかるカップの
放電電極および放電抑制電極の構成とした以外は、前記
図1〜3に示す実施例と同様の構成を有するものであ
る。すなわち、この実施例においては、各放電電極123
c〜123hは、カップ103の中心部側において、カップ10
3中央部に設けられた挿通口131の周面全周を囲繞し、こ
れより相互に約60°の位相差を有するカップ103の周
縁部113の6つの位置に向って、漸次縮幅しながら放射
状に伸びた形状を有している。
【0046】上記図2および図4においては、それぞれ
2本および6本の電極を有する構成例を示したが、他の
本数(例えば、3、4、5、8、9、10、12本な
ど)でも同様に構成することができる。なお、上記実施
例においては、複数の放電電極を構成する導電被膜が、
カップ103中央部、すなわち中空シャフト102ないし高電
圧発生装置との接続側においては、各電極ごとに分離し
ておらず一体となっているが、この接続側においても各
放電電極ごとに分離させ、放電電極の本数に対応する複
数の独立した導電被膜を形成することも可能である。す
なわち、回転霧化静電塗装装置において塗装を行なった
場合、放電電流が多いほど塗着効率が高くなるが、本発
明に係る構成を有する回転霧化静電塗装装置によれば、
放電電流が増大し、塗着効率が向上することが、先の特
開平9−131551号により明らかにされたものであ
る。
【0047】また、上記図1〜図4では、電気絶縁性材
料のカップと導電性材料で構成した放電電極及び放電抑
制電極の例を示したが、これらの材料を、電気絶縁性材
料のカップと導電性材料ないし半導電性材料で構成した
放電電極及び放電抑制電極とすることもできるし、半導
電性材料のカップと導電性材料材料で構成した放電電極
及び放電抑制電極とすることもできるほか、さらに、請
求項6に示す発明のように、噴霧頭(カップ)が、半導
電性材料で構成されており、かつ該噴霧頭自身が放電抑
制電極として機能し、前記放電電極が、導電性材料で構
成されていることを特徴とする場合を含め、請求項2、
3、6、7、8に記載した様々な組み合わせで構成する
ことができることは言うまでもない。特に、噴霧頭(カ
ップ)が、半導電性材料で構成されており、かつ該噴霧
頭自身が放電抑制電極として機能させた場合、放電電極
には図6〜8に示すような各種のバリエーションを持た
せて放電電極を形成できる。すなわち、図6に示すよう
に、放電電極127を周縁部113近傍にのみ設けたケース、
図7に示すように、放電電極127とする部分と該放電電
極部127を回転軸と接続するためにカップ103中央部に設
けられた挿通口131の周面全周を囲繞する部分153を除き
絶縁性被膜により外周面側を覆って放電電極127を設け
たケース、図8に示すように、図6と図7に示す構成を
組み合わせて放電電極127を設けたケースなど、その構
成に関しては如何なる組み合わせてあれ、放電電極と放
電抑制電極の本来的な機能を奏することができさえすれ
ば、いかなる構造であっても何ら制限されるものはなく
あらゆる組み合わせが可能である。
【0048】次に、図5(a)は本発明のさらに別の実
施例に係るカップの背面図、図5(b)は本発明のさら
に別の実施例に係るカップの断面図、図5(c)は本発
明のさらに別の実施例に係るカップの前面図である。こ
の実施例においては、6本の放電電極123i〜123nを形
成するように、図示するごとく、カップ103の外周面側
に形成された導電被膜の形成パターンを変更し、カップ
103の内周面側の塗料出口孔109よりも周縁部寄りに一定
の幅で環状に導電被膜により放電抑制電極125を形成
し、さらに当該両電極123と125を電気的に接続するため
に、前記カップ103の外周面側から周縁部113を回り込ん
で内周面側に至るまで、導電性材料としての導電性塗料
により、図5に示すような形状を有する接続部127が導
電被膜により一体的に形成されている。すなわち、導電
被膜は、放電電極123i〜123nと放電抑制電極125と、
両電極をカップ103の周縁部113を回り込んで接続する接
続部127とを構成する。前記カップ103の外周面側にカッ
プ103の中空シャフト(回転軸)に対称に(相互に約6
0°の位相差を有して)導電被膜により形成されている
6本の放電電極123i〜123nと、前記カップ103の内周
面側の塗料出口孔109よりも周縁部寄りに一定の幅で環
状に導電被膜により形成されている放電抑制電極125
と、さらに当該両電極を電気的に接続するために、各放
電電極123i〜123nの先端部からカップ103の周縁部113
を回り込んで内周面側の放電抑制電極に至るまでを導電
被膜により形成されている接続部位127によって、両電
極と共にいわば一体化して構成されている。なお、この
場合も、各放電電極123i〜123nは、カップ103の周縁
部113までをその構成部分に含むものとする。これは、
放電電極123の先端部がカップ103の周縁部113に位置す
ることで、放電電極123の本来的なの機能である、被塗
物に向ってコロナ放電を行うための電極としての機能を
果たせるからである。かかるカップの放電電極および放
電抑制電極の構成とした以外は、前記図1〜3に示す実
施例と同様の構成を有するものである。すなわち、この
実施例においては、各放電電極123c〜123hは、カップ
103の中心部側において、カップ103中央部に設けられた
挿通口131の周面全周を囲繞し、これより相互に約60
°の位相差を有するカップ103の周縁部113の6つの位置
に向って、漸次縮幅しながら放射状に伸びた形状を有し
ている。
【0049】また、放電抑制電極および放電電極は、共
に噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていればよく、上
述した図1、図4、図5に示すように、放電抑制電極が
放電電極との電気的な接続を介して、該噴霧頭の回転軸
と電気的に接続されている以外にも、それぞれが各個に
噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていてもよく、ま
た、放電電極が放電抑制電極との電気的な接続を介し
て、該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されていてもよ
い。なお放電抑制電極は、図3、図4(c)、図5
(c)に示すように、カップの内周面側に塗料吐出口よ
りも周縁部寄りに管状(リング状)に形成することが望
ましいが、これに限られるものではない。
【0050】なお、図9(a)〜(e)には、本発明に
なるベルカップの組立の1例を示す。
【0051】ベルカップ103は、本体901、内部ガイド90
3および塗料分配ハブ905から構成され、内部ガイド903
と塗料分配ハブ905部品は高絶縁材料、例えば、ガラス
ファイバー入りのPEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)やPFA(ポリフルオロアルキレン、いわゆるフッ
素樹脂)等で構成され、ベル本体901は表面の一部に高
導電性被膜電極を有する、ガラスファイバー入りのPE
EK等で構成する。この場合、導電材としては、ごく一
般的に用いられる、カーボンブラックや、カーボンファ
イバー、また金属蒸着したマイカや、導電処理を施した
セラミックファイバー、セラミックウィスカー等が使用
される。また、上記ガラスファイバーは繊維強化が目的
なので、適宜他の材料、例えば、アルミナ繊維などのセ
ラミックファイバーやセラミックウィスカーなどで置き
換えることもできるし、逆に余り強度が必要でなけれ
ば、適宜繊維強化なしで用いることもできる。
【0052】また、例えば、内部ガイド903と塗料分配
ハブ905部品は、高絶縁材料であることが最も必要な条
件であり、それ自体の強度が余り重要でない場合には繊
維強化なしのフッ素樹脂、例えば、PFAで構成するこ
とも可能である。この場合、塗料分配ハブ905の部材を
PFAで構成すると、ベル本体901の材質を問わず接着
が困難であるが、ベル本体901の回転シャフト(回転
軸)102への取り付けねじ911a、911bとは逆方向の螺
旋(いわゆる逆ねじ)913a、913bで取り付くように構
成すると前記困難さは回避することができる。このよう
にする理由は、ベル本体901が回転する方向は通常はベ
ルカップ103が慣性で締まる方向(いわゆる逆方向)で
あり、塗料分配ハブ905を同じねじ切り方向で構成する
と、塗料が塗料分配ハブ905に付着して重くなった状態
に働く慣性モーメントが塗料分配ハブ905部材を緩める
方向に働いてしまうためである。これを逆ねじに構成す
ると、塗料が付着した状態で締まる方向に働くため、接
着剤などの補助的手段を用いなくとも異なった材質でベ
ルカップ103を構成することができ、しかも使用時に外
れることがないという実用性を兼ね備えることができる
ためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る回転霧化静電塗装装置の一実施
例における先端部構造を概略示す断面図である。
【図2】 同実施例におけるカップの背面図である。
【図3】 同実施例におけるカップの前面図である。
【図4】 図4(a)は、本発明に係る回転霧化静電塗
装装置の別の実施例における先端部構造を概略示す背面
図であり、図4(b)は、同実施例におけるカップの断
面図であであり、図4(c)は、同実施例におけるカッ
プの前面図である。
【図5】 図5(a)は、本発明に係る回転霧化静電塗
装装置のさらに別の実施例における先端部構造を概略示
す背面図であり、図5(b)は、同実施例におけるカッ
プの断面図であであり、図5(c)は、同実施例におけ
るカップの前面図である。
【図6】 本発明に係る回転霧化静電塗装装置の他の一
実施例のカップの外周面側に設けられた放電電極の構成
を概略示す背面図である。
【図7】 本発明に係る回転霧化静電塗装装置のさらに
他の一実施例のカップの外周面側に設けられた放電電極
の構成を概略示す背面図である。
【図8】 本発明に係る回転霧化静電塗装装置のさらに
また他の一実施例のカップの外周面側に設けられた放電
電極の構成を概略示す背面図である。
【図9】 図9(a)〜図9(d)は、回転軸およびこ
れに固定されるベルカップの各構成部品の1例を示す概
略断面図であり、図9(e)は、図9(a)〜図9
(c)を組み立ててなるベルカップ組立図の1例を示す
概略断面図である。
【図10】 従来の回転霧化静電塗装装置の一例におけ
る先端部構造を概略示す断面図。
【図11】 上記特開平9−131551号公報に記載
の回転霧化静電塗装装置の一実施例における先端部構造
を概略示す断面図である。
【図12】 同実施例におけるカップの背面図である。
【図13】 同実施例におけるカップの前面図である。
【符号の説明】
1…モーターの中空シャフト、 2…樹脂製カッ
プ、3…塗料ノズル、 4…塗料出口
孔、5…エアーリング、 6…エア出口
孔、7…エア導入口、 8…導電性皮
膜(複数の放電電極)、9…挿通口、21…中空シャフ
ト、 22…金属製カップ、23…塗料ノ
ズル、 24…塗料出口孔、25…エア
ーリング、 26…エア出口孔、27…エ
ア導入口、101…モーター、 102…中
空シャフト、103…噴霧頭(カップ)、 105…
塗料ノズル、107…先端開口部、 109…
塗料出口孔、111…エアリング、 113…
カップの周縁部、115…エアリング内部のカップ1の周縁
部に対向する先端面、117…エア出口孔、
119…エア導入口、121…リング状マニホールド、
123(a〜n)…放電電極、125…放電抑制電極、
127…接続部、131…挿通口、
141…電極同通線、151…絶縁性被膜、
153…挿通口の周面全周を囲繞する部分、901…
ベル本体、 903…内部ガイド、905…
塗料分配ハブ、911a、911b…ベル本体の回転軸への取
り付けねじ、913a、913b…塗料分配のベル本体への逆
方向の螺旋(いわゆる逆ねじ)。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転する噴霧頭を有し、かつ該噴霧頭の
    回転軸を介して高電圧の供給を受ける複数の放電電極を
    該噴霧頭の外周面側に配した構造の回転霧化静電塗装装
    置において、 該噴霧頭の回転軸と電気的に接続されてなる放電抑制電
    極が、噴霧頭の内周面側に設けられていることを特徴と
    する回転霧化静電塗装装置。
  2. 【請求項2】 前記噴霧頭が、電気絶縁性材料で構成さ
    れており、 前記放電電極および放電抑制電極が、半導電性ないし導
    電性の材料で構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の回転霧化静電塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記噴霧頭が、半導電性材料で構成され
    ており、 前記放電電極および放電抑制電極が、導電性材料で構成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の回転霧化
    静電塗装装置。
  4. 【請求項4】 前記放電抑制電極が、前記放電電極との
    電気的な接続を介して、該噴霧頭の回転軸と電気的に接
    続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の回転霧化静電塗装装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の放電抑制電極と放電電
    極との電気的な接続の仕方が、前記噴霧頭の内部で連通
    した構造および/または噴霧頭の周縁部を回り込んで接
    続する構造であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の回転霧化静電塗装装置。
  6. 【請求項6】 前記噴霧頭が、半導電性材料で構成され
    ており、かつ該噴霧頭自身が放電抑制電極として機能
    し、 前記放電電極が、導電性材料で構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の回転霧化静電塗装装置。
  7. 【請求項7】 回転する電気絶縁性材料でできた噴霧頭
    を有し、かつ該噴霧頭の回転軸を介して高電圧の供給を
    受ける構造の回転霧化静電塗装装置において、 該噴霧頭の外周面側と内周面側の少なくとも一部を半導
    電性ないし導電性材料で構成してなる導電部および/ま
    たは該噴霧頭の外周面側と内周面側の少なくとも一部に
    半導電性ないし導電性材料で構成してなる導電被膜を有
    し、 該外周面側の導電部および/または導電被膜と、該内周
    面側の導電部および/または導電被膜とが該噴霧頭の回
    転軸と電気的に接続されていることを特徴とする回転霧
    化静電塗装装置。
  8. 【請求項8】 前記噴霧頭の外周面側の導電部および/
    または導電被膜と、該噴霧頭の内周面側の導電部および
    /または導電被膜とが、互いに接続された構造であっ
    て、 該外周面側若しくは内周面側の導電部および/または導
    電被膜のいずれか一方が、該該噴霧頭の回転軸と電気的
    に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の回
    転霧化静電塗装装置。
  9. 【請求項9】 前記噴霧頭の外周面側の導電部および/
    または導電被膜と、該噴霧頭の内周面側の導電部および
    /または導電被膜との接続手段が、前記電気絶縁性材料
    でできた噴霧頭の内部で連通した構造もしくは噴霧頭の
    周縁部を回り込んで接続する構造であることを特徴とす
    る請求項8に記載の回転霧化静電塗装装置。
JP9195098A 1998-04-03 1998-04-03 回転霧化静電塗装装置 Withdrawn JPH11285653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9195098A JPH11285653A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 回転霧化静電塗装装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9195098A JPH11285653A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 回転霧化静電塗装装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11285653A true JPH11285653A (ja) 1999-10-19

Family

ID=14040868

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9195098A Withdrawn JPH11285653A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 回転霧化静電塗装装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11285653A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10464084B2 (en) Electrode assembly for an electrostatic atomizer
US4852810A (en) Apparatus for electrostatic coating of objects
CA1303345C (en) Apparatus for coating workpieces electrostatically
JP4733133B2 (ja) 静電塗装装置
US4776520A (en) Rotary atomizer
JPH09131551A (ja) 回転霧化静電塗装装置
US6230994B1 (en) Rotary atomizing head type coating device
JP2926071B2 (ja) 静電塗装装置
JP2009039684A (ja) 静電塗装装置
US10576483B2 (en) Electrostatic coating machine
US6676049B2 (en) Bell cup powder spray applicator
US11154883B2 (en) Electrostatic coating machine
JPH11285653A (ja) 回転霧化静電塗装装置
JP3557802B2 (ja) 回転霧化静電塗装装置
JP6765007B2 (ja) 静電塗装機
JP4128742B2 (ja) 回転スプレー式噴霧器
JP3274613B2 (ja) 回転霧化頭型塗装装置
JP3405493B2 (ja) 回転霧化静電塗装装置
JPH06320065A (ja) ベル型静電塗装装置
JPH0810658A (ja) 回転霧化型静電塗装装置
JP3266438B2 (ja) 回転霧化頭型塗装装置
WO2019221100A1 (ja) マスキング治具
JP3742540B2 (ja) 静電塗装装置
JPS6212419Y2 (ja)
JPH0947713A (ja) 静電塗装方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050607