JP3274613B2 - 回転霧化頭型塗装装置 - Google Patents

回転霧化頭型塗装装置

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JP3274613B2 JP34244996A JP34244996A JP3274613B2 JP 3274613 B2 JP3274613 B2 JP 3274613B2 JP 34244996 A JP34244996 A JP 34244996A JP 34244996 A JP34244996 A JP 34244996A JP 3274613 B2 JP3274613 B2 JP 3274613B2
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    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B3/00Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements
    • B05B3/02Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements
    • B05B3/10Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements discharging over substantially the whole periphery of the rotating member, i.e. the spraying being effected by centrifugal forces
    • B05B3/1064Spraying or sprinkling apparatus with moving outlet elements or moving deflecting elements with rotating elements discharging over substantially the whole periphery of the rotating member, i.e. the spraying being effected by centrifugal forces the liquid or other fluent material to be sprayed being axially supplied to the rotating member through a hollow rotating shaft

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  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料に直接高電圧
を印加する直接帯電方式の静電塗装装置に用いて好適な
回転霧化頭型塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体等の被塗物を塗装
する塗装装置としては、回転霧化頭型塗装装置が広く用
いられている。そして、この回転霧化頭型塗装装置は、
筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設けられたエ
アモータと、導電性金属材料によって中空円筒状に形成
され、該エアモータの軸方向に挿通されて該エアモータ
によって回転せしめられる回転軸と、導電性金属材料に
よって筒状に形成され、該回転軸内を軸方向に伸長して
配設されたフィードチューブと、前記カバーの前側に位
置し、前記回転軸に取付けられて高速回転することによ
り該フィードチューブから供給された塗料を噴霧する回
転霧化頭とから大略構成されている。
【0003】また、回転霧化頭型塗装装置には、例えば
回転軸に高電圧を印加してフィードチューブ内を流通す
る塗料を高電圧に帯電させる直接帯電方式の静電塗装装
置がある。この回転霧化頭型静電塗装装置は、回転霧化
頭から噴霧される帯電塗料粒子をアース電位にある被塗
物に向けて形成される静電界に沿って飛行させ、該被塗
物に塗着させるものである。
【0004】一方、この回転霧化頭型静電塗装装置を用
いた場合には、回転霧化頭が被塗物に異常接近したとき
に、該回転霧化頭等に蓄えられた電荷が一気に放電して
火花が生じるという問題がある。
【0005】そこで、昨今では、回転霧化頭等を絶縁性
樹脂材料から形成し、該回転霧化頭の外周面にその全面
にわたって半導電性膜を設けたものが知られている(例
えば、特開平8−150352号公報)。この従来技術
によれば、半導電性膜によって回転霧化頭から噴霧され
る塗料に高電圧を印加するに際し、回転霧化頭等の浮遊
容量を半導電性膜の各部分における抵抗によって分布容
量とし、放電エネルギを小さく抑えることができる。
【0006】ここで、上述した従来技術による回転霧化
頭型塗装装置を図6および図7に基づいて説明する。
【0007】図中、1は回転霧化頭型塗装装置の外形を
なすカバーで、該カバー1は、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)等の絶縁性樹脂材料から円筒状に形成されて
いる。また、カバー1内には、後述するエアモータ5等
が設けられ、先端側には後述するシェーピングエアリン
グ2が取付けられている。
【0008】2はカバー1の先端側に螺着されたシェー
ピングエアリングで、該シェーピングエアリング2は、
カバー1と同様の絶縁性樹脂材料から有底の段付筒状に
形成されている。また、シェーピングエアリング2の先
端面にはシェーピングエア噴出口3,3,…が環状に列
設されている。
【0009】4は各シェーピングエア噴出口3にシェー
ピングエアを供給するためのシェーピングエア供給通路
で、該シェーピングエア供給通路4は、カバー1の内周
側に設けられたシェーピングエア通路4A、連絡通路4
B,4Bおよび各シェーピングエア噴出口3に連通する
環状のエアチャンバ4Cから大略構成されている。
【0010】5はカバー1内に設けられた導電性金属材
料からなるエアモータで、該エアモータ5は導電性金属
材料により段付筒状に形成されたモータハウジング5A
を有し、該モータハウジング5A内には後述する回転軸
6を回転駆動するエアタービン、エア軸受等(図示せ
ず)が設けられている。また、モータハウジング5Aに
は高電圧発生器(図示せず)によって高電圧が印加され
る。
【0011】6は例えば鉄材、ステンレス材、アルミニ
ウム合金等の導電性金属材料によって中空円筒状に形成
され、エアモータ5のモータハウジング5A内に軸方向
に挿通された回転軸で、該回転軸6はモータハウジング
5A内に高速回転可能に支持され、微小隙間を介して電
気的に接続されている。また、回転軸6の基端側はエア
モータ5のエアタービンに嵌着され、先端側はモータハ
ウジング5Aから前方に突出している。さらに、回転軸
6の先端側外周には、後述する霧化頭本体9の雌ねじ部
9Gに螺着する雄ねじ部6Aが形成されている。
【0012】7は回転軸6内を軸方向に伸長して設けら
れたフィードチューブで、該フィードチューブ7は導電
性金属材料によって2重筒状に形成され、内筒7A内の
通路には塗料が流通し、該内筒7Aと外筒7Bとの間の
通路にはシンナが流通する。また、前記内筒7A内に
は、該内筒7A内の塗料を吐出、停止する塗料弁(図示
せず)の弁体7Cが設けられている。そして、フィード
チューブ7は回転霧化頭8に塗料等を供給するため、そ
の先端部が回転軸6から突出して該回転霧化頭8内に延
在している。
【0013】8はシェーピングエアリング2の前側に位
置して回転軸6に取付けられたベル型の回転霧化頭で、
該回転霧化頭8は、霧化頭本体9とハブ部材10とから
大略構成されている。
【0014】ここで、霧化頭本体9は回転霧化頭8の外
形をなすもので、例えばポリエーテルスルホン(PE
S)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエ
ーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリア
ミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリイミド(PI)等の絶縁性樹脂材料に
よって先端側に向け拡開して延びるベル状に形成されて
いる。
【0015】そして、霧化頭本体9は、前方に向け拡開
して延び内周側にハブ部材10が嵌合されたベルカップ
部9Aと、該ベルカップ部9Aから後方に延びた筒状の
取付部9Bと、前記ハブ部材10の後方に位置して前記
ベルカップ部9Aと取付部9Bとの間に内向きに突設さ
れた環状隔壁9Cと、前記ハブ部材10より前側に位置
して前記ベルカップ部9Aの前面に形成され、塗料を薄
膜化する塗料薄膜化面9Dと、前記ベルカップ部9Aの
先端側に設けられ、該塗料薄膜化面9Dによって薄膜化
された塗料を液糸として放出する塗料放出端縁9Eと、
前記取付部9Bの内周側に位置して回転軸6の先端部が
嵌合される取付穴9Fと、該取付穴9F内周側に設けら
れ、回転軸6の雄ねじ部6Aに螺着する雌ねじ部9Gと
から大略構成されている。
【0016】さらに、ベルカップ部9Aの内周側中央部
位に嵌合されたハブ部材10は、霧化頭本体9と同様の
絶縁性樹脂材料によって円板状に形成されている。そし
て、ハブ部材10の外周側には、フィードチューブ7か
ら吐出された塗料またはシンナを霧化頭本体9の塗料薄
膜化面9Dに導くための第1のハブ孔10A,10A,
…が多数個穿設され、中央側には前面にシンナを供給す
るための第2のハブ孔10B,10B,…(それぞれ2
個ずつ図示)が複数個穿設されている。
【0017】そして、回転霧化頭8は、霧化頭本体9の
取付穴9F内に回転軸6の先端側を嵌合させ、この状態
で霧化頭本体9の雌ねじ部9Gと回転軸6の雄ねじ部6
Aとを螺着させることにより、該回転軸6に取付けられ
ている。また、フィードチューブ7の先端は霧化頭本体
9の環状隔壁9Cより前方まで突出している。
【0018】11は回転霧化頭8の外周面に厚膜状に塗
着された半導電性膜で、該半導電性膜11は、例えば導
電性繊維を混練したポリエステル、エポキシ樹脂、フッ
素樹脂等によって形成されている。また、半導電性膜1
1は霧化頭本体9の取付部9Bから塗料放出端縁9Eに
かけて成膜されている。さらに、半導電性膜11のう
ち、取付部9B側の端部は、回転軸6と電気的に接続で
きるように、該回転軸6の外面に接触または空中放電可
能な程度の微小隙間をもって離間している。そして、半
導電性膜11は、印加される高電圧に応じてその抵抗値
が107 〜109Ωの範囲で適宜設定される。
【0019】従来技術による回転霧化頭型塗装装置は、
上述の如き構成を有するもので、次に、その作動につい
て説明する。
【0020】まず、車体等の被塗物に塗装を行なう場合
には、エアモータ5にエアを供給し、エアタービンによ
って回転軸6と一緒に回転霧化頭8を高速回転させる。
この状態で、フィードチューブ7に塗料を供給し、該フ
ィードチューブ7から回転霧化頭8に向けて塗料を供給
する。
【0021】これにより、回転霧化頭8に供給された塗
料は、ハブ部材10の各第1のハブ孔10Aを通って霧
化頭本体9の塗料薄膜化面9Dに流出して薄膜化され、
塗料放出端縁9Eから塗料粒子として放出される。ここ
で、エアモータ5のモータハウジング5Aに給電された
高電圧が、回転霧化頭8の外周面に形成された半導電性
膜11を介して塗料放出端縁9Eから放出される塗料に
給電されているから、この塗料放出端縁9Eから噴霧さ
れる塗料粒子に高電圧が印加される。
【0022】この結果、噴霧された塗料は帯電塗料粒子
となり、各シェーピングエア噴出口3から噴出されるシ
ェーピングエアによって微粒化されつつ、アース側に接
続された被塗物との間に形成された静電界に沿って飛行
し、該被塗物に塗着する。
【0023】また、この塗装時には、塗装装置が被塗物
に異常接近することがあっても、回転霧化頭8を絶縁性
樹脂材料によって形成し、その外周側に半導電性膜11
を形成しているから、エアモータ5、回転霧化頭8等の
浮遊容量を半導電性膜11の各部分における抵抗によっ
て分布容量とし、放電エネルギを小さく抑えることがで
きる。このため、回転霧化頭8と被塗物との異常接近ま
たは接触等によって短絡が生じた場合でも、火花放電の
発生を防止している。
【0024】さらに、前色の塗装が終了したら、フィー
ドチューブ7から回転霧化頭8に向けてシンナを供給
し、ハブ部材10の各第1のハブ孔10Aから流出する
シンナによって塗料薄膜化面9D、塗料放出端縁9Eを
洗浄すると共に、各第2のハブ孔10Bから流出するシ
ンナによってハブ部材10の前面を洗浄する。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による回転霧化頭型塗装装置では、回転霧化頭8
を絶縁性樹脂材料によって形成しているから、短絡事故
が発生した場合でも、該回転霧化頭8の浮遊容量が一気
に流れるのを防止し、火花放電の発生を防止している。
【0026】しかし、フィードチューブ7を金属材料か
ら形成しているから、図7に示すように回転霧化頭8を
被塗物12に異常接近させた場合に、ハブ部材10の第
2のハブ孔10Bを介してフィードチューブ7と被塗物
12との間で短絡事故が発生することがあり、該フィー
ドチューブ7、回転軸6等からの放電エネルギによって
火花放電13が発生するという問題がある。
【0027】そこで、ハブ部材10の第2のハブ孔10
Bを塞いで短絡事故を防止することが考えられるが、こ
の場合にはハブ部材10の前面に付着した塗料を洗浄で
きなくなるという問題がある。
【0028】一方、回転霧化頭8を樹脂材料から形成し
ているから、該回転霧化頭8を高速回転させると、この
ときの遠心力によって該回転霧化頭8が径方向に膨出す
ることがある。これにより、霧化頭本体9の取付部9B
内周側に形成された雌ねじ部9Gが拡径し、回転軸6の
雄ねじ部6Aに対して緩みを生じる虞れがあるという問
題がある。
【0029】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、被塗物とフィードチュ
ーブとの間で火花放電が発生するのを防止できるように
した回転霧化頭型塗装装置を提供することにある。
【0030】また、本発明の他の目的は、回転軸に対す
る回転霧化頭の緩みを防止できるようにした回転霧化頭
型塗装装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明による回転霧化頭型塗装装置は、絶縁性
樹脂材料によって筒状に形成されたカバーと、該カバー
内に設けられたエアモータと、導電性金属材料によって
中空円筒状に形成され、該エアモータの軸方向に挿通さ
れて該エアモータによって回転せしめられる回転軸と、
該回転軸内を軸方向に伸長して配設されたフィードチュ
ーブと、前記カバーの前側に位置して絶縁性樹脂材料に
よって形成され、前記回転軸に取付けられて高速回転す
ることにより該フィードチューブから供給された塗料を
噴霧する回転霧化頭と、該回転霧化頭の外周面に設けら
れ、前記回転軸を介して給電される高電圧を該回転霧化
頭から噴霧される塗料に印加する半導電性膜とを備えて
なる。
【0032】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記フィードチューブは絶縁性樹脂材料によっ
て筒状に形成し、前記回転軸の先端側には中空穴の内周
側に雌ねじ部を設け、前記回転霧化頭は、ベル状に拡開
したベルカップ部と、該ベルカップ部の基端側から軸方
向に突出し前記回転軸の中空穴内に嵌合する取付筒部
、前記ベルカップ部と取付筒部との間に設けた段差部
から形成し、該取付筒部の外周側には前記雌ねじ部に
螺着する雄ねじ部を設け、前記半導電性膜は前記ベルカ
ップ部の外周に設け、かつ前記半導電性膜の基端側は前
記段差部まで延在させ、前記回転軸の先端側と電気的に
接続する構成としたことにある。
【0033】このように構成したことにより、エアモー
タによって回転軸と一緒に回転霧化頭を高速回転させ、
この状態でフィードチューブから回転霧化頭に向けて塗
料を供給することにより、この塗料は回転霧化頭から噴
霧される。このとき、回転霧化頭の外周面から段差部に
かけて設けられた半導電性膜には、回転軸の先端側から
段差部を介して高電圧が供給され、噴霧される塗料粒子
は該半導電性膜によって高電圧が印加されるから、塗
料は帯電塗料粒子となってアース側に接続された被塗物
との間に形成された静電界に沿って飛行し、該被塗物に
塗着する。
【0034】また、フィードチューブを絶縁性樹脂材料
から形成することにより、塗装時に回転霧化頭が被塗物
等に異常接近した場合でも、フィードチューブと被塗物
との間の短絡を防止することができる。
【0035】また、回転霧化頭の基端側から突出した
筒部を回転軸の中空穴内に嵌合し、この状態で雄ねじ
部と雌ねじ部を螺着する。これにより、回転軸の中空穴
先端側が取付筒部によって覆われ、該取付筒部の軸方向
長さ寸法の分だけ回転軸内面の露出部分を回転霧化頭か
ら離間させることができ、絶縁距離を長くできる。従っ
て、塗装時に回転霧化頭が被塗物等に異常接近した場合
でも、被塗物と回転軸との間で短絡事故が発生するのを
防止することができる。
【0036】さらに、金属材料からなる回転軸側に雌ね
じ部を形成し、樹脂材料からなる回転霧化頭側に雄ねじ
部を形成して該雌ねじ部に螺着するようにしている。こ
のため、回転霧化頭の高速回転によって雄ねじ部が径方
向に膨出した場合には、該雄ねじ部が雌ねじ部に対して
より強く螺着するから、回転軸と回転霧化頭との間の緩
みを防止することができる。
【0037】
【0038】
【0039】請求項の発明は、前記回転霧化頭にはベ
ルカップ部と取付筒部との間に段差部を設け、該段差部
に前記半導電性膜と接続された電極板を設けたことにあ
る。請求項3の発明は、前記回転霧化頭の段差部まで延
在した半導電性膜の基端側と前記回転軸の先端側との間
には空中放電可能な程度の微小隙間を形成したことにあ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
回転霧化頭型塗装装置を添付図面に従って詳細に説明す
る。なお、実施例では前述した従来技術と同一の構成要
素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0041】図中、21は従来技術による回転軸6に代
えて用いられる本実施例による回転軸で、該回転軸21
は、従来技術の回転軸6とほぼ同様に、エアモータ5の
モータハウジング5A内に軸方向に挿通され、例えば鉄
材、ステンレス材、アルミニウム合金等の導電性金属材
料から中空円筒状に形成されている。
【0042】しかし、本実施例による回転軸21には、
その中空穴21Aの先端側に位置して前方に向けて漸次
拡径するテーパ面21Bが形成され、該テーパ面21B
の奥所には後述する霧化頭本体24の雄ねじ部24Hに
螺着する雌ねじ部21Cが形成されている。また、回転
軸21の先端部21Dは、後述の電極リング26と電気
的に接続される電極部をなしている。
【0043】また、本実施例による回転軸21は、従来
技術の回転軸6に比較し、後述する霧化頭本体24に形
成された環状隔壁24Cと段差部24Jとの間の距離に
相当する長さSだけ短くなっている。
【0044】22は回転軸21内を軸方向に伸長して設
けられた本実施例によるフィードチューブで、該フィー
ドチューブ22は、従来技術で述べたフィードチューブ
7とほぼ同様に、2重筒状に形成され、内筒22A内の
通路には塗料が流通し、該内筒22Aと外筒22Bとの
間の通路にはシンナが流通する。また、前記内筒22A
内には塗料弁の弁体22Cが設けられている。しかし、
本実施例のフィードチューブ22は、例えばポリエーテ
ルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエー
テルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン
(POM)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)等の
絶縁性樹脂材料から形成されている点で従来技術による
ものとは相違している。
【0045】23はシェーピングエアリング2の先端側
に位置して回転軸21に取付けられた本実施例によるベ
ル型の回転霧化頭で、該回転霧化頭23は、後述する霧
化頭本体24とハブ部材25とから大略構成されてい
る。
【0046】24は従来技術による霧化頭本体9に代え
て用いられる本実施例による霧化頭本体で、該霧化頭本
体24は、従来技術による霧化頭本体9およびフィード
チューブ22と同様の絶縁性樹脂材料によって先端側に
向け拡開して延びるベル状に形成されている。
【0047】また、前記霧化頭本体24は、図2に示す
如く、前方に向け拡開して延び内周側にハブ部材25が
嵌合されたベルカップ部24Aと、該ベルカップ部24
Aから後方に延びた取付筒部24Bと、前記ハブ部材2
5の後方に位置して前記ベルカップ部24Aと取付筒部
24Bとの間に内向きに突設された環状隔壁24Cと、
前記ハブ部材25より前側に位置して前記ベルカップ部
24Aの前面に形成され、塗料を薄膜化する塗料薄膜化
面24Dと、前記ベルカップ部24Aの先端側に設けら
れ、該塗料薄膜化面24Dによって薄膜化された塗料を
液糸として放出する塗料放出端縁24Eと、前記取付筒
部24Bとベルカップ部24Aの内周側に位置してフィ
ードチューブ22が挿入されるフィードチューブ挿入穴
24Fと、前記取付筒部24Bの外周側に位置して回転
軸21のテーパ面21Bに対応するように後方に向けて
漸次縮径したテーパ面24Gと、前記取付筒部24Bの
先端外周側に形成され、回転軸21の雌ねじ部21Cに
螺着する雄ねじ部24Hと、前記ベルカップ部24Aと
取付筒部24Bとの間に形成された段差部24Jとから
大略構成されている。
【0048】また、ハブ部材25は、従来技術で述べた
ハブ部材10と同様に、霧化頭本体24と同様の絶縁性
樹脂材料によって円板状に形成され、外周側の第1のハ
ブ孔25A,25A,…と、内周側の第2のハブ孔25
B,25B,…(それぞれ2個ずつ図示)を有し、ベル
カップ部24Aの内周側中央部に嵌合されている。
【0049】ここで、回転霧化頭23はベルカップ部2
4Aの軸方向寸法L1 と取付筒部24Bの軸方向寸法L
2 とを合計した長さ寸法Lを有している。これに対し、
図6に示す従来技術による回転霧化頭8は、その軸方向
寸法がベルカップ部24Aの軸方向寸法L1 とほぼ等し
いものである。従って、本実施例の回転霧化頭23は取
付筒部24Bの軸方向寸法L2 の分だけ従来技術の回転
霧化頭8よりも長く形成されている。
【0050】そして、本実施例の回転霧化頭23は、霧
化頭本体24の取付筒部24Bを回転軸21の中空穴2
1A内に嵌合し、この状態で霧化頭本体24の雄ねじ部
24Hと回転軸21の雌ねじ部21Cとを螺着させるこ
とにより、該回転軸21に取付けられている。この際、
取付筒部24Bによって回転軸21の中空穴21Aを内
側から覆うことにより、該取付筒部24Bの軸方向寸法
L2 の分だけハブ部材25の第2のハブ孔25Bから回
転軸21が露出した部分までの距離を長くし、十分な絶
縁距離を確保する構成としている。また、フィードチュ
ーブ22の先端は霧化頭本体24の環状隔壁24Cより
前方まで突出している。
【0051】26は霧化頭本体24の段差部24Jに設
けられ、例えば銅材等の導電性金属材料から円環状に形
成された電極板となる電極リングで、該電極リング26
は、図3に示す如く、取付筒部24Bの外周側に位置し
て段差部24Jに一体的に固着されている。そして、電
極リング26は、回転霧化頭23を回転軸21に取付け
たときに、回転軸21の先端部21Dに接触することに
より、該回転軸21と半導電性膜27とを電気的に接続
するものである。
【0052】27は回転霧化頭23に設けられ、例えば
導電性繊維を混練したポリエステル、エポキシ樹脂、フ
ッ素樹脂等によって形成された本実施例による半導電性
膜で、該半導電性膜27は、霧化頭本体24のベルカッ
プ部24A外周面に位置して段差部24Jから塗料放出
端縁24Eにかけて成膜され、その基端側は電極リング
26に接続している。そして、半導電性膜27は、従来
技術で述べた半導電性膜11と同様に、印加される高電
圧に応じてその抵抗値が107 〜109 Ωの範囲で適宜
設定される。
【0053】本実施例による回転霧化頭型塗装装置は上
述の如き構成を有するもので、その基本的動作について
は従来技術によるものと格別差異はない。
【0054】然るに、本実施例では、フィードチューブ
22を絶縁性樹脂材料によって形成している。一方、回
転軸21に雌ねじ部21Cを形成し、回転霧化頭23の
霧化頭本体24には取付筒部24Bを設け、該取付筒部
24Bの先端側外周に雄ねじ部24Hを形成している。
従って、回転軸21に回転霧化頭23を取付ける場合に
は、取付筒部24Bを回転軸21の中空穴21A内に嵌
合し、この状態で回転軸21側の雌ねじ部21Cに回転
霧化頭23側の雄ねじ部24Hを螺着して取付ける構成
としている。
【0055】これにより、フィードチューブ22を絶縁
性樹脂材料で形成しているから、塗装時に回転霧化頭2
3が被塗物に異常接近した場合でも、従来技術で述べた
ように、ハブ部材25の各第2のハブ孔25Bを介して
被塗物とフィードチューブ22とが短絡するのを防止す
ることができる。
【0056】また、本実施例では、霧化頭本体24の取
付筒部24Bによって回転軸21の中空穴21A内周を
覆うことができるから、回転軸21の中空穴21Aが露
出した部分をハブ部材25の第2のハブ孔25Bから離
間させることができ、このハブ孔25Bと回転軸21の
先端部21Dとの間に十分な絶縁距離を確保し、被塗物
との短絡を防止することができる。
【0057】さらに、回転軸21側を雌ねじ部21Cと
し、回転霧化頭23側を雄ねじ部24Hとしているか
ら、樹脂材料からなる回転霧化頭23が高速回転による
遠心力によって径方向に膨出した場合でも、雄ねじ部2
4Hに拡径方向に遠心力を作用させることができる。こ
れにより、雄ねじ部24Hが雌ねじ部21Cに対してよ
り強く螺着するから、回転軸21と回転霧化頭23との
間の緩みを防止することができる。
【0058】かくして、本実施例によれば、塗装時に回
転霧化頭23が被塗物に異常接近した場合でも、被塗物
とフィードチューブ22との間、被塗物と回転軸21と
の間で短絡事故が発生するのを防止することができ、安
全性や信頼性を向上することができる。
【0059】このため、ハブ部材25に各第2のハブ孔
25Bを設ける構成としても、該各第2のハブ孔25B
を介して被塗物との間で短絡事故が発生するのを防止で
き、ハブ部材25前面の洗浄機能を維持することができ
る。
【0060】さらに、回転霧化頭23側を雄ねじ部24
Hとすることにより、遠心力による回転軸21と回転霧
化頭23との間の緩みを防止することができるから、回
転霧化頭23の脱落事故等を防止することができ、当該
回転霧化頭型塗装装置に対する信頼性を向上することが
できる。
【0061】また、エアモータ5を構成するエア軸受
は、通常、軸−軸受系の固有振動数の2倍の回転数で不
安定な自励振動が発生し、これ以上回転数を上げること
ができなくなる。しかし、本実施例では、回転霧化頭2
3を金属材料よりも比重の小さい樹脂材料から形成し、
さらに、従来技術として図6に示されるように、回転軸
6の雄ねじ部6Aおよび回転霧化頭9の取付穴9Fと嵌
合される雄テーパ面に代えて、図1に示す如く、回転軸
21の内周面に雌ねじ部21Cおよび雌テーパ面21B
を設け、金属材料からなる回転軸21の長さ寸法を短縮
する構成としている。
【0062】これにより、回転霧化頭23と回転軸21
からなる回転部の合計質量を小さくでき、軸−軸受系の
固有振動数を上げることができる。即ち、回転霧化頭2
3が回転するときの不安定な自励振動を高速回転域まで
抑えることができ、該回転霧化頭23を高速回転域まで
安定して回転させることができる。従って、回転霧化頭
23の最高回転数を、より高い状態に維持することがで
きる。
【0063】なお、前記実施例では、霧化頭本体24の
段差部24Jに電極リング26を一体的に固着し、該電
極リング26を回転軸21の先端部21Dに接触させて
高電圧を半導電性膜27に給電した場合を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限らず、例えば、図4に示す
第1の変形例の如く、電極リング26を廃止し、半導電
性膜27′を段差部24Jを覆うように取付筒部24B
の近傍まで延ばす構成としてもよい。この際、回転軸2
1の先端部21Dと半導電性膜27′との間に空中放電
可能な程度の微小隙間Gを形成してもよい。また、この
第1の変形例による半導電性膜27′を回転軸21の先
端部21Dに接触させる構成としてもよい。
【0064】一方、前記実施例では、回転霧化頭23の
霧化頭本体24は先端側に向けて拡開して延びるベル状
に形成するものとして述べたが、本発明はこれに限ら
ず、第2の変形例として、例えば図5に示す如く、ベル
カップを長筒状に形成してもよい。なお、図5中に示す
長筒状のベルカップを備えた回転霧化頭は、前述の実施
例と同一の構成要素には同一の符号をもって「″」を付
し、その説明を省略するものとする。
【0065】また、前記実施例では、フィードチューブ
22を内筒22Aと外筒22Bとから2重筒状に形成し
た場合を例示したが、フィードチューブは単筒型フィー
ドチューブ、または複数本のフィードチューブを束ねて
形成した束状フィードチューブとして形成し、これら単
筒型フィードチューブ、束状フィードチューブを回転軸
21内に挿入する構成としてもよい。
【0066】さらに、前記実施例では、霧化頭本体24
の取付筒部24Bを、ベルカップ部24Aと一体形成す
るものとして図示したが、これに替えて、例えば、取付
筒部をベルカップ部と別体に設け、接着、嵌着等の固着
手段によって一体的に固着するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、フィードチューブを絶縁性樹脂材料から形成する
構成としているから、塗装時に回転霧化頭が被塗物等に
異常接近した場合でも、フィードチューブと被塗物との
間の短絡を防止することができる。この結果、短絡事故
による火花放電の発生を防止でき、当該回転霧化頭型塗
装装置に対する安全性や信頼性を向上することができ
る。
【0068】また、回転霧化頭の取付筒部を回転軸の中
空穴内に嵌合し、雄ねじ部と雌ねじ部を螺着することに
より、取付筒部の軸方向長さ寸法の分だけ回転軸内面の
露出部分を回転霧化頭から離間させることができ、被塗
物に対する絶縁距離を長くすることができる。これによ
っても、被塗物と回転軸との間の短絡事故を防止でき、
安全性等を向上することができる。
【0069】また、金属材料からなる回転軸側に雌ねじ
部を形成し、樹脂材料からなる回転霧化頭側に雄ねじ部
を形成して該雌ねじ部に螺着するようにしている。この
ため、回転霧化頭の高速回転によって雄ねじ部が径方向
に膨出した場合には、雄ねじ部を雌ねじ部に対してより
強く螺着させることができるから、回転軸と回転霧化頭
との間の緩みを防止することができ、回転霧化頭の脱落
事故を防止して信頼性を向上することができる。
【0070】さらに、金属材料からなる回転軸側に雌ね
じ部を形成し、樹脂材料からなる回転霧化頭側に雄ねじ
部を形成して該雌ねじ部に螺着する構造としているか
ら、回転部全体の質量を小さくすることができ、これに
より、軸−軸受系の固有振動数を高くすることができ、
回転時の自励振動を抑え、回転霧化頭を高速回転域まで
安定して回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による回転霧化頭型塗装装置の
要部を示す縦断面図である。
【図2】図1中の回転霧化頭、電極リング、半導電性膜
等を示す縦断面図である。
【図3】図1中のa部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【図4】本発明の第1の変形例を示す図3と同様位置か
らみた要部拡大縦断面図である。
【図5】本発明の第2の変形例による回転霧化頭、半導
電性膜を示す縦断面図である。
【図6】従来技術による回転霧化頭型塗装装置の要部を
示す縦断面図である。
【図7】被塗物とフィードチューブとの間で火花放電が
生じた状態を図6中の矢示b部を拡大して示す要部拡大
縦断面図である。
【符号の説明】
1 カバー 5 エアモータ 21 回転軸 21A 中空穴 21C 雌ねじ部 22 フィードチューブ 23,23″ 回転霧化頭 24,24″ 霧化頭本体 24A,24A″ ベルカップ部 24B,24B″ 取付筒部 24H,24H″ 雄ねじ部 24J,24J″ 段差部 26,26″電極リング(電極板) 27,27′,27″ 半導電性膜
フロントページの続き (72)発明者 藤井 章二 静岡県磐田市今之浦2丁目10番地の7 (72)発明者 藤川 芳夫 静岡県周智郡森町谷中735番地の1 (56)参考文献 特開 平8−150352(JP,A) 特開 昭57−24657(JP,A) 特開 平8−187453(JP,A) 特開 平10−151377(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05B 5/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性樹脂材料によって筒状に形成され
    たカバーと、該カバー内に設けられたエアモータと、導
    電性金属材料によって中空円筒状に形成され、該エアモ
    ータの軸方向に挿通されて該エアモータによって回転せ
    しめられる回転軸と、該回転軸内を軸方向に伸長して配
    設されたフィードチューブと、前記カバーの前側に位置
    して絶縁性樹脂材料によって形成され、前記回転軸に取
    付けられて高速回転することにより該フィードチューブ
    から供給された塗料を噴霧する回転霧化頭と、該回転霧
    化頭の外周面に設けられ、前記回転軸を介して給電され
    る高電圧を該回転霧化頭から噴霧される塗料に印加する
    半導電性膜とを備えてなる回転霧化頭型塗装装置におい
    て、 前記フィードチューブは絶縁性樹脂材料によって筒状に
    形成し、前記回転軸の先端側には中空穴の内周側に雌ね
    じ部を設け 記回転霧化頭は、ベル状に拡開したベルカップ部と、
    該ベルカップ部の基端側から軸方向に突出し前記回転軸
    の中空穴内に嵌合する取付筒部と、前記ベルカップ部と
    取付筒部との間に設けた段差部とから形成し、該取付筒
    部の外周側には前記雌ねじ部に螺着する雄ねじ部を設
    前記半導電性膜は前記ベルカップ部の外周に設け、かつ
    前記半導電性膜の基端側は前記段差部まで延在させ、前
    記回転軸の先端側と電気的に接続する 構成としたことを
    特徴とする回転霧化頭型塗装装置。
  2. 【請求項2】 前記回転霧化頭段差部に前記半導電
    性膜と接続された電極板を設けてなる請求項1に記載の
    回転霧化頭型塗装装置。
  3. 【請求項3】 前記回転霧化頭の段差部まで延在した半
    導電性膜の基端側と前記回転軸の先端側との間には空中
    放電可能な程度の微小隙間を形成してなる請求項1に記
    載の回転霧化頭型塗装装置。
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