JP2000117155A - 回転霧化頭型塗装装置 - Google Patents

回転霧化頭型塗装装置

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JP2000117155A
JP2000117155A JP10306330A JP30633098A JP2000117155A JP 2000117155 A JP2000117155 A JP 2000117155A JP 10306330 A JP10306330 A JP 10306330A JP 30633098 A JP30633098 A JP 30633098A JP 2000117155 A JP2000117155 A JP 2000117155A
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rotary atomizing
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シュタウフ ゲルト
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三千雄 三井
Kimiyoshi Nagai
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    • B05B5/0426Means for supplying shaping gas

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗着効率を落すことなく回転霧化頭の周囲で
火花放電が発生するのを防止する。 【解決手段】 回転軸9を絶縁性材料によって形成し、
回転軸9の先端には絶縁性樹脂材料からなる外周面には
設けた霧化頭用半導電性膜14が形成された回転霧化頭
11を取付ける。また、モータ本体6の先端面6Dには
第1の制限リング15を固着し、回転霧化頭11の環状
凹溝12Hには第2の制限リング17を嵌着する。そし
て、第1の制限リング15の外周面には第1の円弧状膜
16を形成し、第2の制限リング17の外周面には第2
の円弧状膜18を形成する。また、回転軸9の外周面に
は円弧状膜16,18間に位置して給電用半導電性膜1
9を形成する。そして、エアモータ5に印加された高電
圧は、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜19、第
2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14を通じて回
転霧化頭11の塗料放出端縁12Eに供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転霧化頭を高速
回転することによって塗料を微粒化する形式の回転霧化
頭型塗装装置に関し、特に塗料に直接高電圧を印加する
直接帯電方式の静電塗装装置に用いて好適な回転霧化頭
型塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体等の被塗物を塗装
する塗装装置としては、回転霧化頭型塗装装置が広く用
いられている。そして、この回転霧化頭型塗装装置は、
筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設けられたエ
アモータと、該エアモータの軸方向に挿通されて該エア
モータによって回転せしめられる中空円筒状の回転軸
と、該回転軸内を軸方向に伸長して配設されたフィード
チューブと、前記カバーの前側に位置し、前記回転軸に
取付けられて高速回転することにより該フィードチュー
ブから供給された塗料を噴霧する回転霧化頭とから大略
構成されている。
【0003】また、回転霧化頭型塗装装置には、例えば
回転軸に高電圧を印加してフィードチューブ内を流通す
る塗料を高電圧に帯電させる直接帯電方式の静電塗装装
置が知られている(例えば、特開平2−237667号
公報、特開平6−269701号公報、特開平8−15
0352号公報等)。
【0004】このような、回転霧化頭型静電塗装装置で
は、回転霧化頭が絶縁性樹脂材料によって形成されると
共に、該回転霧化頭の塗料放出端縁側に半導電性膜等が
形成されている。そして、この半導電性膜には、回転霧
化頭の近傍に設けた半導電性膜、電極等を通じて高電圧
が印加されている。このとき、回転霧化頭の半導電性膜
先端ではコロナ放電が生じ、このコロナ放電によって空
気イオンが生成されている。このため、塗料放出端縁か
ら噴霧される塗料粒子は、コロナ放電領域に生成された
空気イオンを吸着し、帯電塗料粒子となる。これによ
り、回転霧化頭から噴霧される帯電塗料粒子は、アース
電位にある被塗物に向けて形成される静電界に沿って飛
行し、該被塗物に塗着するものである。
【0005】また、このような従来技術では、回転霧化
頭が絶縁性樹脂材料によって形成されているから、回転
霧化頭を金属材料によって形成したときに比べて回転霧
化頭自体の静電容量を低下させることができる。このた
め、回転霧化頭に被塗物が異常接近したときでも、回転
霧化頭に蓄えられた電荷が被塗物に向って一気に放電す
るのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による回転霧化頭型静電塗装装置を用いた場合で
は、回転霧化頭が絶縁性樹脂材料によって形成されてい
るから、回転霧化頭が被塗物に異常接近したときに、回
転霧化頭に蓄えられた電荷のみでは、ストリーマ、スパ
ーク等と呼ばれる火花放電が発生することはない。しか
し、従来技術では、装置を構成するエアモータ等の金属
部品は浮遊容量を有するから、この浮遊容量に電荷が蓄
えられることになる。このため、このようなエアモータ
等の浮遊容量に電荷が蓄えられている場合には、この電
荷が被塗物に向けて一気に放電し、火花放電が生じると
いう問題がある。
【0007】このため、着火に至らない放電エネルギに
するためには、エアモータ等の金属部品からの直接の放
電を防止する必要がある。ここで、放電エネルギEは放
電するときの電荷が帯電するものの静電容量をC、放電
するときの被塗物との間の電圧をVとしたときに、以下
に示す数1の式によって表わすことができる。
【0008】
【数1】
【0009】しかしながら、絶縁材料によって形成した
回転霧化頭は静電容量も小さく放電エネルギを小さく抑
えることができるものの、一般的に近接する静電容量の
大きいエアモータからの放電を防止することができな
い。
【0010】このため、このようなエアモータからの放
電を防止する手段として、回転軸を絶縁材料によって形
成すると共に、この回転軸の長さを比較的長めに設定す
ることにより、エアモータと被塗物との間の放電距離を
長くする方法が考えられる。しかし、回転軸を長くした
場合には、高速で回転する回転軸に軸ぶれ等が生じ易く
なりエアモータの機械的安定性を阻害するため、極端な
エアモータの寿命低下につながるという問題がある。
【0011】また、エアモータへの印加電圧を低下させ
るため、例えばエアモータと高電圧発生器との間に高抵
抗を挿入した場合にも、エアモータからの放電を防止す
ることができる。しかし、このようにエアモータへの印
加電圧を低くした場合には塗料粒子への帯電が低下し、
塗料の塗着効率が低下するという問題がある。
【0012】さらに、高電圧発生器等にスパーク防止制
御回路を設け、着火に至る火花放電を防止する方法が開
示されている(例えば、特開平6−269701号公報
等)。しかし、このような制御回路を用いた防止方法
は、米国の消防協会(NFPA)の規定でも明確に区別
しているように、本質的な着火の防止にはならないとい
う問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、塗着効率を低下させる
ことなく被塗物と回転霧化頭等との間で火花放電の発生
を防止できるようにした回転霧化頭型塗装装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による回転霧化頭型塗装装置
は、絶縁性樹脂材料を用いて筒状に形成されたカバー
と、該カバー内に設けられ導電性金属材料を用いて形成
されたエアモータと、絶縁性材料を用いて形成され、該
エアモータの軸方向に挿通されて該エアモータによって
回転せしめられる回転軸と、外周面に半導電性膜が塗布
された絶縁性樹脂材料を用いて後端が取付部となると共
に前端が塗料放出端縁となったベル形に形成され、前記
エアモータの先端から軸方向に離間した状態で該取付部
によって該回転軸に設けられた回転霧化頭と、エアモー
タの先端と回転霧化頭の後端との間でカバーの内周面ま
たは回転軸の外周面に設けられ、エアモータに印加され
た高電圧を回転霧化頭に給電する給電用半導電性膜と、
外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記エア
モータの先端と給電用半導電性膜との間に設けられた第
1の円弧部と、外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性
樹脂材料または導電性金属材料を用いてリング状に形成
され、前記給電用半導電性膜と回転霧化頭の後端側との
間に設けられた第2の円弧部とから構成している。
【0015】このように構成したことにより、エアモー
タに印加された高電圧は、カバーの内周面または回転軸
の外周面に設けられた給電用半導電性膜を通じて絶縁性
樹脂材料からなる回転霧化頭の半導電性膜に供給され
る。
【0016】そして、エアモータによって回転軸と一緒
に回転霧化頭を高速回転させ、この状態で回転霧化頭に
向けて塗料を供給することにより、この塗料は回転霧化
頭の塗料放出端縁から噴霧される。このとき、半導電性
膜先端ではコロナ放電が生じ、このコロナ放電によって
空気イオンが生成されるから、噴霧される塗料粒子には
この空気イオンが吸着する。これにより、塗料は帯電塗
料粒子となってアース側に接続された被塗物との間に形
成された静電界に沿って飛行し、該被塗物に塗着する。
【0017】また、回転軸を絶縁性材料を用いて形成す
ることにより、塗装時に回転霧化頭が被塗物等に異常接
近した場合でも、回転軸と被塗物との間の短絡を防止す
ることができる。
【0018】さらに、エアモータの先端と給電用半導電
性膜との間に第1の円弧部を設けると共に、給電用半導
電性膜と回転霧化頭の後端側との間に第2の円弧部とを
設けたから、回転霧化頭が被塗物等に異常接近し、エア
モータから塗料放出端縁に向けて大きな電流が流れると
きでも、エアモータの先端と回転霧化頭の後端との間で
火花放電(ストリーマ放電)が発生するのを防止でき
る。
【0019】また、請求項2の発明は、回転軸を絶縁性
のセラミック材料を用いて形成したことにある。これに
より、特開平6−269701号公報に開示されている
ような一般的な樹脂材料、充填樹脂材料等によって回転
軸を形成したときに比べて、回転軸の機械的強度を強く
することができる。また、回転軸の電気的な絶縁強度を
高くし、吸湿性を小さくできるから、回転軸から被塗物
への放電を防止できると共に、回転軸の強度を高め、高
速で回転する回転軸の変形等を防止することができる。
【0020】また、請求項3の発明は、第1,第2の円
弧部を0.5〜25mmの曲率半径を有する構成とした
ことにある。これにより、被塗物が急接近した場合であ
っても、円弧部の曲率半径が0.5mmよりも小さいと
きに比べて、電界の集中が急激に生じることがない。こ
のため、電界が曲面上に分散して分布するから、着火の
原因となる火花放電の発生を防止することができる。
【0021】さらに、請求項4の発明は、第1の円弧部
と第2の円弧部との間を10〜80mmだけ離間させた
ことにある。これにより、被塗物が急激に接近した場合
であっても、第1,第2の円弧部の曲面によって、これ
らの部分での電界の集中が緩和される。このため、エア
モータから回転霧化頭への放電を緩やかに行うことがで
きる。
【0022】また、請求項5の発明は、第1の円弧部を
絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第1の円弧部の外周
面に半導電性膜を塗布したことにある。これにより、エ
アモータに供給された高電圧は、第1の円弧部の外周面
に塗布された半導電性膜を通じて給電用半導電性膜に供
給される。このとき、第1の円弧部はドーナツ状をなし
ているから、エアモータの先端に集中電荷の発生を防止
できる。
【0023】また、請求項6の発明は、第2の円弧部を
絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第2の円弧部の外周
面に半導電性膜を塗布したことにある。これにより、エ
アモータに印加された高電圧は、給電用半導電性膜を通
じて第2の円弧部に供給される。そして、第2の円弧部
を通じて回転霧化頭の外周面に塗布された半導電性膜に
高電圧を給電することができる。
【0024】また、請求項7の発明は、第1の円弧部を
導電性金属材料を用いて形成したことにある。これによ
り、エアモータに印加された高電圧は、第1の円弧部を
通じてカバーの内周面に設けた給電用半導電性膜に供給
される。このとき、第1の円弧部はドーナツ状をなして
いるから、エアモータの先端に集中電荷の発生を防止で
きる。
【0025】また、請求項8の発明は、第2の円弧部は
導電性金属材料を用いて形成したことにある。これによ
り、エアモータに印加された高電圧は、給電用半導電性
膜を通じて第2の円弧部に供給される。そして、第2の
円弧部を通じて回転霧化頭の外周面に塗布された半導電
性膜に高電圧を給電することができる。
【0026】また、請求項9の発明は、カバーの内周面
に給電用半導電性膜を塗布した場合において、前記第
1,第2の円弧部は該カバーと同一の材料を用いて形成
し、これら第1,第2の円弧部に半導電性膜を塗布した
ことにある。これにより、エアモータに印加された高電
圧は、第1の円弧部を通じて給電用半導電性膜に供給さ
れると共に、この給電用半導電性膜から第2の円弧部に
供給される。そして、第2の円弧部を通じて回転霧化頭
の外周面に塗布された半導電性膜に高電圧を給電するこ
とができる。
【0027】また、請求項10の発明は、絶縁性樹脂材
料を用いて筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設
けられ導電性金属材料を用いて形成されたエアモータ
と、絶縁性材料によって形成され、該エアモータの軸方
向に挿通されて該エアモータによって回転せしめられる
回転軸と、外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂
材料によって後端が取付部となると共に前端が塗料放出
端縁となったベル形に形成され、前記エアモータの先端
から軸方向に離間した状態で該取付部によって該回転軸
に設けられた回転霧化頭と、エアモータの先端と回転霧
化頭の後端との間で回転軸の外周面に設けられ、エアモ
ータに印加された高電圧を回転霧化頭に給電する給電用
半導電性膜と、外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性
樹脂材料または導電性金属材料を用いてリング状に形成
され、前記エアモータの先端と給電用半導電性膜との間
に設けられた第1の円弧部と、外周面に半導電性膜が塗
布された絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を用いて
リング状に形成され、前記給電用半導電性膜と回転霧化
頭の後端側との間に設けられた第2の円弧部とから構成
したことにある。
【0028】このように構成したことにより、エアモー
タに印加された高電圧は、回転軸の外周面に設けられた
給電用半導電性膜を通じて、絶縁性樹脂材料を用いて形
成された回転霧化頭の半導電性膜に供給される。これに
より、この半導電性膜を通じて回転霧化頭の塗料放出端
縁側に高電圧が供給される。
【0029】また、請求項11の発明は、絶縁性樹脂材
料を用いて筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設
けられ導電性金属材料を用いて形成されたエアモータ
と、絶縁性材料を用いて形成され、該エアモータの軸方
向に挿通されて該エアモータによって回転せしめられる
回転軸と、外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂
材料を用いて後端が取付部となると共に前端が塗料放出
端縁となったベル形に形成され、前記エアモータの先端
から軸方向に離間した状態で該取付部によって該回転軸
に設けられた回転霧化頭と、エアモータの先端と回転霧
化頭の後端との間でカバーの内周面に設けられ、エアモ
ータに印加された高電圧を回転霧化頭に給電する給電用
半導電性膜と、外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性
樹脂材料または導電性金属材料を用いてリング状に形成
され、前記エアモータの先端と給電用半導電性膜との間
に設けられた第1の円弧部と、外周面に半導電性膜が塗
布された絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を用いて
リング状に形成され、前記給電用半導電性膜と回転霧化
頭の後端側との間に設けられた第2の円弧部とから構成
したことにある。
【0030】これにより、エアモータに印加された高電
圧は、カバーの内周面に設けられた給電用半導電性膜を
通じて絶縁性樹脂材料を用いて形成された回転霧化頭の
半導電性膜に供給される。そして、この半導電性膜を通
じて回転霧化頭の塗料放出端縁側に高電圧が供給され
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
回転霧化頭型塗装装置を、図1ないし図8に基づいて詳
細に説明する。
【0032】まず、図1ないし図3に基づいて、第1の
実施の形態による回転霧化頭型塗装装置について説明す
る。
【0033】1は回転霧化頭塗装装置の外形をなすカバ
ーで、該カバー1は略円筒状に形成されたカバー筒2、
モータ支持ケース3、シェーピングエアリング4によっ
て構成されている。
【0034】ここで、モータ支持ケース3は厚肉な筒状
に形成され、カバー筒2の内周側に取付けられている。
そして、モータ支持ケース3は、後述するエアモータ5
を支持する段付の中空支持穴3Aを有し、該中空支持穴
3Aの周囲には軸方向に延びるシェーピングエア通路3
Bが穿設されている。
【0035】また、シェーピングエアリング4は、モー
タ支持ケース3の先端側に取付けられ、該シェーピング
エアリング4の前面にはエア噴出口4A,4A,…が環
状に列設されている。そして、各エア噴出口4Aにはシ
ェーピングエア通路3Bを通じてシェーピングエアが供
給されるものである。
【0036】そして、カバー筒2、モータ支持ケース
3、シェーピングエアリング4は、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等の絶縁性樹脂材料を用いて形成されて
いる。
【0037】5はモータ支持ケース3の中空支持穴3A
に設けられたエアモータで、該エアモータ5は導電性金
属材料を用いて段付筒状に形成されたモータ本体6と、
該モータ本体6内に収容されたエアタービン7と、後述
する回転軸9を回転可能に軸支する静圧エア軸受8とか
ら構成されている。
【0038】そして、モータ本体6は、エアタービン7
を収容する大径のタービン収容部6Aと、該タービン収
容部6Aから前側に向って軸方向に延び内周側に静圧エ
ア軸受8が設けられた小径のエア軸受部6Bとから構成
されている。そして、モータ本体6には、タービン収容
部6Aからエア軸受部6Bに亘って延びる中空穴6Cが
設けられ、該中空穴6C内に回転軸9が配設されてい
る。
【0039】また、モータ本体6は、高電圧発生器(図
示せず)によって例えば−60〜−120kV程度の高
電圧が印加されるものである。そして、モータ本体6
は、中空支持穴3Aに取付けられると共に、モータ本体
6から突出した回転軸9は中空支持穴3Aの先端よりも
前方に位置している。
【0040】9は絶縁性材料として例えば硬質のセラミ
ック材料等を用いて形成された回転軸で、該回転軸9
は、エアモータ5のモータ本体6内に軸方向に挿通さ
れ、モータ本体6内で静圧エア軸受8によって高速回転
可能に支持されている。そして、回転軸9には軸方向に
延びる中空穴9Aが設けられ、該中空穴9A内には後述
のフィードチューブ10等が配設されている。また、回
転軸9の基端側はエアモータ5のエアタービン7と固着
され、先端側はモータ本体6よりも前方に突出してい
る。そして、回転軸9の先端側には、後述する霧化頭本
体12の雌ねじ部12Fに螺着する雄ねじ部9Bが形成
されている。
【0041】10は回転軸9の中空穴9A内を軸方向に
伸長して設けられたフィードチューブで、該フィードチ
ューブ10は、回転霧化頭11に塗料、シンナ等を供給
するため、その先端部が回転軸9から突出して該回転霧
化頭11内に延在している。また、フィードチューブ1
0は、二重筒体により構成され、内筒10A内の通路に
は塗料が流通し、該内筒10Aと外筒10Bとの間の通
路にはシンナが流通する。そして、外筒10Bの先端に
は、ゴム等によるチェック弁体10Cが取付けられ、該
チェック弁体10Cによってシンナのだれ落ちを防止し
ている。
【0042】また、フィードチューブ10は、例えばポ
リエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメ
チレン(POM)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(P
I)等の絶縁性樹脂材料を用いて形成されている。
【0043】11はシェーピングエアリング4の前側に
位置して回転軸9に取付けられ、ベル形、カップ形また
は円皿形(以下、ベル形という)に形成された回転霧化
頭で、該回転霧化頭11は、霧化頭本体12とハブ部材
13とから大略構成されている。
【0044】ここで、霧化頭本体12は回転霧化頭11
の外形をなすもので、フィードチューブ10とほぼ同様
に例えばポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(P
EI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リオキシメチレン(POM)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイ
ミド(PI)等の絶縁性樹脂材料を用いて先端側に向け
拡開して延びるベル形に形成されている。
【0045】そして、霧化頭本体12は、前方に向け拡
開して形成されたベルカップ部12Aと、該ベルカップ
部12Aから後方に延びた円筒状の取付部12Bと、前
記ハブ部材13の後方に位置して前記ベルカップ部12
Aと取付部12Bとの間に内向きに突設された環状隔壁
12Cと、前記ハブ部材13より前側に位置して前記ベ
ルカップ部12Aの前面側に形成され、塗料を薄膜化す
る塗料薄膜化面12Dと、前記ベルカップ部12Aの前
端側に設けられ、該塗料薄膜化面12Dによって薄膜化
された塗料を液糸として放出する塗料放出端縁12E
と、前記取付部12Bの内周側に設けられ、回転軸9の
雄ねじ部9Bに螺着する雌ねじ部12Fと、前記ベルカ
ップ部12Aの内周側に設けられ、ハブ部材13が螺着
されるハブ取付段部12Gと、取付部12Bの後端面に
断面半円弧状に形成された環状凹溝12Hとから大略構
成されている。
【0046】また、ベルカップ部12Aのハブ取付段部
12Gに螺着されたハブ部材13は、霧化頭本体12と
同様の絶縁性樹脂材料を用いて、円板部13Aと、該円
板部13Aの外周側に立設された筒部13Bとから形成
されている。そして、ハブ部材13の円板部13Aと筒
部13Bとの接続部近くには、フィードチューブ10か
ら吐出された塗料またはシンナを霧化頭本体12の塗料
薄膜化面12Dに導くための塗料流出孔となる第1のハ
ブ孔13C,13C…が多数個穿設され、円板部13A
中央側には前面にシンナを供給するシンナ流出孔となる
第2のハブ孔13D,13D,…(それぞれ2個ずつ図
示)が複数個穿設されている。
【0047】また、霧化頭本体12の取付部12B内に
は回転軸9の先端側が嵌合されると共に、霧化頭本体1
2の雌ねじ部12Fが回転軸9の雄ねじ部9Bに螺着さ
れている。これによって、回転霧化頭11は回転軸9に
取付けられている。また、霧化頭本体12の取付部12
Bの後端面(環状凹溝12Hを形成している面)とモー
タ本体6を構成するエア軸受部6Bの先端面6Dとは、
例えば10〜80mm程度の範囲内で離間している。
【0048】14は回転霧化頭11の外周面に膜状に塗
布された霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜
14は、例えばカーボン繊維、金属等の導電性繊維を混
練したポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等によ
って形成されている。また、霧化頭用半導電性膜14は
霧化頭本体12の取付部12Bの後端から塗料放出端縁
12Eにかけて成膜されている。そして、霧化頭用半導
電性膜14のうち、取付部12B側の端部は後述する制
限リング17の外周側で第2の円弧状膜18に接触し、
塗料放出端縁12E側の端部は塗料放出端縁12Eから
放出される塗料に接触可能となっている。
【0049】そして、この霧化頭用半導電性膜14を含
めて回転霧化頭11の静電容量は例えば0.059pF
よりも小さい値に設定されている。これにより、回転霧
化頭11に帯電する電荷量を小さくし、回転霧化頭11
と被塗物との間で火花放電が生じるのを防止している。
【0050】15はエアモータ5の先端側に設けられた
第1の円弧部としての第1の制限リングで、該制限リン
グ15は、例えば霧化頭本体12と同様の絶縁性樹脂材
料を用いて断面円形のリング状に形成され、モータ本体
6の先端面6Dに固着されている。そして、制限リング
15の外周面には第1の円弧状膜16が塗布されてい
る。また、第1の円弧状膜16は、霧化頭用半導電性膜
14と同様に導電性繊維を混練したポリエステル、エポ
キシ樹脂、フッ素樹脂等からなる半導電性膜によって形
成され、後述する給電用半導電性膜19とエアモータ5
の間に位置している。また、円弧状膜16を含めて第1
の制限リング15の表面は、0.5〜25mm程度の曲
率半径rをもって形成されている。
【0051】17は回転霧化頭11の後端側に設けられ
た第2の円弧部としての第2の制限リングで、該制限リ
ング17は、第1の制限リング15とほぼ同様に絶縁性
樹脂材料を用いて断面円形のリング状に形成され、霧化
頭本体12の取付部12B後端側に形成した環状凹溝1
2Hに嵌着されている。また、制限リング17の表面側
には第2の円弧部としての第2の円弧状膜18が形成さ
れている。そして、円弧状膜18は、第1の円弧状膜1
6とほぼ同様の半導電性膜が塗布されることにより形成
され、霧化頭用半導電性膜14と後述の給電用半導電性
膜19の間に位置して、これらの半導電性膜14,19
に電気的に接続されている。
【0052】そして、第1,第2の制限リング15,1
7は、10〜80mmの範囲内で例えば50mm程度の
長さ寸法Lだけ離間している。また、円弧状膜18を含
めて第2の制限リング17の表面は、0.5〜25mm
程度の曲率半径rをもって形成されている。
【0053】19は回転軸9の外周面に膜状に塗布され
た給電用半導電性膜で、該給電用半導電性膜19は、第
2の円弧状膜18とほぼ同様にカーボン、金属等の導電
性繊維を混練したポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素
樹脂等によって形成されている。そして、給電用半導電
性膜19は、モータ本体6の先端と取付部12Bの後端
との間に配設され、その先端は円弧状膜18に接触して
いる。
【0054】また、給電用半導電性膜19の後端はモー
タ本体6の先端近傍に位置するものの、給電用半導電性
膜19の後端はモータ本体6の先端面6Dとの間には空
中放電可能な程度の微小隙間をもって離間している。こ
のため、給電用半導電性膜19は、第1の円弧状膜16
とは微小隙間を介して電気的に接続されると共に、回転
軸9が高速回転するときに、給電用半導電性膜19がモ
ータ本体6に接触することがなく、給電用半導電性膜1
9等の摩耗が防止されている。
【0055】従って、第1の円弧状膜16、給電用半導
電性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜
14は、エアモータ5と回転霧化頭11との間で電気的
に接続されている。このため、モータ本体6に印加され
た高電圧は、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14を通
じて回転霧化頭11の塗料放出端縁12Eに供給される
ものである。
【0056】また、第1の円弧状膜16、給電用半導電
性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜1
4の抵抗値は、モータ本体6の先端面6Dと回転霧化頭
11の塗料放出端縁12Eとの間の抵抗値が20〜10
0MΩの範囲となるように適宜設定される。これによ
り、回転霧化頭11の塗料放出端縁12Eが被塗物等に
接触したときには、第1の円弧状膜16、給電用半導電
性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜1
4によって電圧降下が生じ、塗料放出端縁12E側の電
圧が低下する。これにより、回転霧化頭11と被塗物等
との間で火花放電が発生するのを防止することができ
る。
【0057】本実施の形態による回転霧化頭型塗装装置
は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動に
ついて説明する。
【0058】まず、車体等の被塗物に塗装を行なう場合
には、エアモータ5にエアを供給し、エアタービン7に
よって回転軸9と一緒に回転霧化頭11を高速回転させ
る。この状態で、フィードチューブ10に塗料を供給
し、該フィードチューブ10から回転霧化頭11に向け
て塗料を供給する。
【0059】これにより、回転霧化頭11に供給された
塗料は、ハブ部材13の第1のハブ孔13Cを通じて霧
化頭本体12の塗料薄膜化面12Dに流出して薄膜化さ
れ、塗料放出端縁12Eから塗料粒子として放出され
る。ここで、エアモータ5のモータ本体6に給電された
高電圧が、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14等を
通じて回転霧化頭11側に供給されている。
【0060】このとき、回転霧化頭11の霧化頭用半導
電性膜14先端となる塗料放出端縁12E側ではコロナ
放電が生じ、このコロナ放電によって例えば霧化頭用半
導電性膜14近傍にマイナス電界が形成されているとき
にはマイナスの空気イオンが生成されている。そして、
回転霧化頭11から噴霧される塗料は、塗料放出端縁1
2E側で霧化頭用半導電性膜14に接触し、塗料の表面
が電界と反対の電位、即ちマイナス電界であればプラス
の電位に誘導分極される。このため、塗料放出端縁12
Eから噴霧される塗料粒子には、コロナ放電領域によっ
て生成されるマイナスの空気イオンが吸着し、塗料粒子
がマイナスに帯電することになる。
【0061】この結果、回転霧化頭11から噴霧される
塗料粒子は、帯電塗料粒子となり、各エア噴出口4Aか
ら噴出されるシェーピングエアによって微粒化されつ
つ、アース側に接続された被塗物との間に形成された静
電界に沿って飛行し、該被塗物に塗着する。
【0062】かくして、本実施の形態による回転霧化頭
型塗装装置でも、従来技術とほぼ同様に被塗物の塗装を
行うことができる。しかし、本実施の形態では、回転霧
化頭11を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、その外周側
に霧化頭用半導電性膜14等を形成している。このた
め、塗装時に塗装装置が被塗物に急激に接近(異常接
近)することがあっても、エアモータ5の浮遊容量を霧
化頭用半導電性膜14等の各部分における抵抗によって
分布容量とし、放電エネルギEを小さく抑えることがで
きる。この結果、回転霧化頭11と被塗物との異常接近
または接触等によって短絡が生じた場合でも、火花放電
が発生することはない。
【0063】また、回転軸9、フィードチューブ10を
絶縁性材料を用いて形成したから、塗装時に回転霧化頭
11が被塗物等に異常接近したときでも、回転軸9等と
被塗物との間が電気的に短絡することがなく、安全性と
信頼性を高めることができる。
【0064】即ち、回転軸9、フィードチューブ10等
が導電性金属材料を用いて形成されている場合には、回
転霧化頭11に被塗物が異常接近したときに、ハブ部材
13の第2のハブ孔13Dを通じて回転軸9等と被塗物
との間で火花放電が発生する虞れがある。しかし、本実
施の形態では、回転軸9、フィードチューブ10を絶縁
性材料を用いて形成したから、回転軸9等から被塗物に
向けて火花放電が発生することはない。
【0065】一方、回転霧化頭11が被塗物等に急接近
したときには、比較的突出した形状となり易いモータ本
体6の先端面6D、取付部12Bの後端面に電界が急激
に集中し、着火の原因となる火花放電が発生し易い傾向
がある。しかし、本実施の形態では、モータ本体6の先
端面6Dに外周面に円弧状膜16が塗布されたドーナツ
状の第1の制限リング15を設けると共に、回転霧化頭
本体12の取付部12Bの後端に円弧状膜18が塗布さ
れたドーナツ状の第2の制限リング17を設けている。
【0066】この結果、回転霧化頭11が被塗物等に急
激に接近したとしても、第1の制限リング15の円弧状
膜16では、その曲面上に分散して電界が分布する。同
様に、第2の制限リング17の円弧状膜18でも、その
曲面上に分散して電界が分布するから、第1の制限リン
グ15によってエアモータ5の先端面6Dへの電界の集
中を緩和できると共に、第2の制限リング17によって
回転霧化頭11の後端への電界の集中を緩和できる。
【0067】このため、モータ本体6の先端面6Dと取
付部12Bの後端面との間での絶縁破壊が生じにくくな
る。これにより、エアモータ5の先端と回転霧化頭11
の後端との間で着火の原因となる火花放電が発生するの
を防止でき、火花放電によって回転霧化頭11等が損傷
するのを防止できる。
【0068】また、本実施の形態では、エアモータ5側
の高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14等を
通じて円滑に回転霧化頭11側に供給することができ
る。このため、回転霧化頭11の塗料放出端縁12E側
に供給される高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半
導電性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性
膜14によって確実に電圧降下させることができる。こ
の結果、回転霧化頭11に被塗物等が急接近したときで
あっても、回転霧化頭11と被塗物との間で火花放電が
発生することはない。
【0069】また、本実施の形態では、回転霧化頭11
の塗料放出端縁12E側から被塗物に向けて大きな電流
が流れるときには、回転霧化頭11の塗料放出端縁12
E側の高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半導電性
膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14
によって確実に電圧降下させる。このため、回転霧化頭
11と被塗物とが例えば30cm程度の通常の離間寸法
をもって塗装を行うときには、回転霧化頭11と被塗物
との間で電流が殆ど流れないから、回転霧化頭11に供
給する高電圧を低下せず、高い塗着効率を維持できる。
【0070】一方、回転霧化頭11と被塗物とが異常接
近したときには、回転霧化頭11から被塗物に向けて大
きな電流が流れるから、給電用半導電性膜19等によっ
て回転霧化頭11の塗料放出端縁12E側の電圧を降下
させ、回転霧化頭11と被塗物との間の火花放電を防止
でき、安全性等をさらに高めることができる。
【0071】また、回転軸9を絶縁性のセラミック材料
を用いて形成したから、一般的な樹脂材料、充填樹脂材
料等を用いて回転軸9を形成したときに比べて、回転軸
9の機械的強度を強くすることができる。このため、高
速で回転する回転軸9の変形を防止でき、エアモータ5
等の信頼性を高めることができる。また、回転軸9の電
気的な絶縁強度を高くし、吸湿性を小さくできるから、
エアモータ5に蓄えられた電荷が回転軸9を通じて被塗
物に向って一気に放電するのを防止できる。
【0072】また、円弧状膜16,18を含めて各制限
リング15,17は0.5〜25mm程度の曲率半径r
を有している。これにより、回転霧化頭11に被塗物が
急接近したときでも、制限リング15,17等の曲率半
径rが0.5mmよりも小さいときに比べて、エアモー
タ5の先端面6D、回転霧化頭11の後端に電界の集中
が急激に生じることがない。このため、電界を第1,第
2の各制限リング15,17の曲面上である円弧状膜1
6,18に分散して分布させ、電界の集中を緩和するこ
とができる。また、曲率半径rが25mmよりも大きい
ときに比べて、カバー1等を小径化することができ、回
転霧化頭塗装装置を小型化することができる。
【0073】さらに、第1の制限リング15と第2の制
限リング17との間は、10〜80mmの範囲で長さ寸
法Lだけ離間させている。これにより、回転霧化頭11
に被塗物が急激に接近したときでも、第1,第2の制限
リング15,17間を10mmよりも短く接近させた場
合に比べて、制限リング15,17によって電界の集中
を緩和することができる。このため、エアモータ5から
回転霧化頭11に向けて放電が生じるときであっても、
緩やかな放電にすることができ、火花放電の発生を防止
することができる。また、第1,第2の制限リング1
5,17間を80mmよりも遠くする場合に比較して回
転霧化頭型塗装装置を小型化することができる。
【0074】次に、図4および図5に基づき本発明によ
る第2の実施の形態について述べる。そして、第2の実
施の形態の特徴は、カバーの内周面に給電用半導電性膜
を設けたことにある。なお、本実施の形態では前記第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0075】21は回転霧化頭塗装装置の外形をなすカ
バーで、該カバー21は略円筒状に形成されたカバー筒
22、モータ支持ケース23、シェーピングエアリング
24によって構成されている。
【0076】そして、モータ支持ケース23は、第1の
実施の形態によるモータ支持ケース3とほぼ同様に絶縁
性樹脂材料を用いて厚肉筒状に形成され、中空支持穴2
3A、シェーピングエア通路23Bが穿設されている。
しかし、モータ支持ケース23は、中空支持穴23Aの
先端側には環状の凹陥溝23Cが形成されている点で、
第1の実施の形態によるモータ支持ケース3とは異なっ
ている。
【0077】また、凹陥溝23Cの軸方向基端側には表
面が円弧状となった第1の円弧部としての第1の円弧状
段部23Dが形成され、軸方向先端側には表面が円弧状
となった第2の円弧部としての第2の円弧状段部23E
が形成されている。そして、第1の円弧状段部23Dの
近傍にはモータ本体6の先端面6Dが配設され、第2の
円弧状段部23Eの近傍には後述する回転霧化頭28の
後端側が配設されている。また、後述の円弧状膜25,
26を含めて第1,第2の円弧上段部23D,23Eの
表面は、0.5〜25mm程度の曲率半径rをもって形
成されている。
【0078】25は第1の円弧状段部23D外周面に塗
布された第1の円弧状膜で、該円弧状膜25は、第1の
実施の形態による円弧状膜16等と同様の導電性繊維を
混練したポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等に
よって形成されている。また、円弧状膜25はモータ本
体6の先端側から凹陥溝23C内に向けて延び、モータ
本体6の先端面6Dに電気的に接続されている。
【0079】26は第2の円弧状段部23E外周面に塗
布された第2の円弧状膜で、該円弧状膜26は、第1の
円弧状膜25と同様の導電性繊維を混練したポリエステ
ル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等によって形成され、後
述する給電用半導電性膜27等を通じてモータ本体6に
電気的に接続されている。また、円弧状膜26は後述す
る回転霧化頭28の後端側と空中放電可能となる範囲で
僅かな微小隙間だけ離間している。
【0080】27はモータ支持ケース23の凹陥溝23
C表面に塗着された給電用半導電性膜で、該給電用半導
電性膜27は円弧状膜25,26等と同様に導電性繊維
を混練したポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等
によって形成され、凹陥溝23Cの内周側をほぼ全面に
亘って覆っている。そして、給電用半導電性膜27は、
その軸方向両端側が円弧状膜25,26に接触してい
る。これにより、給電用半導電性膜27は円弧状膜2
5,26と共にモータ本体6に電気的に接続されてい
る。
【0081】28は回転軸9の先端側に高速回転可能に
取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭28は霧化頭
本体29、ハブ部材30によって構成されている。
【0082】そして、霧化頭本体29は、第1の実施の
形態による霧化頭本体12とほぼ同様に、ベルカップ部
29A、取付部29B、環状隔壁29C、塗料薄膜化面
29D、塗料放出端縁29E、雌ねじ部29F、ハブ取
付段部29Gを有し、絶縁性樹脂材料を用いて形成され
ている。しかし、霧化頭本体29は、取付部29Bの後
端側に制限リングが取付けられていない点で、第1の実
施の形態による霧化頭本体12と異なるものである。
【0083】一方、ハブ部材30は、第1の実施の形態
によるハブ部材13とほぼ同様に円板部30Aと筒部3
0Bとから形成され、第1,第2のハブ孔30C,30
Dが多数個穿設されている。
【0084】31は霧化頭本体29の外周面の形成され
た霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜31は
第1の実施の形態による霧化頭用半導電性膜14とほぼ
同様に形成され、霧化頭本体29の塗料放出端縁29E
から取付部29Bの後端に亘って塗布されている。
【0085】そして、霧化頭用半導電性膜31のうち取
付部29Bの後端側は、第2の円弧状膜26に微小隙間
をもって常時対面している。これにより、エアモータ5
に印加された高電圧は、第1の円弧状膜25、給電用半
導電性膜27を通じて第2の円弧状膜26に供給される
と共に、霧化頭用半導電性膜31と第2の円弧状膜26
との間の空中放電によって霧化頭用半導電性膜31に供
給される。このため、塗料放出端縁29Eから放出され
る塗料に霧化頭用半導電性膜31を通じて高電圧を印加
することができる。
【0086】また、第1の円弧状膜25、給電用半導電
性膜27、第2の円弧状膜26、霧化頭用半導電性膜3
1の抵抗値は、モータ本体6の先端面6Dと回転霧化頭
28の塗料放出端縁29Eとの間の抵抗値が20〜10
0MΩの範囲となるように適宜設定されている。
【0087】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。特に、モータ支持ケー
ス23の内周面に給電用半導電性膜27を形成したか
ら、回転霧化頭28の外周面に設けた霧化頭用半導電性
膜31を回転軸9に接触させる必要がなく、霧化頭用半
導電性膜31を回転軸9から離間させることができる。
このため、回転霧化頭28を容易に回転軸9から着脱す
ることができ、回転霧化頭28の洗浄等のメンテナンス
性を向上させることができる。
【0088】次に、図6に基づき本発明による第3の実
施の形態について述べる。そして、第3の実施の形態の
特徴は、第1の実施の形態に用いた第1の制限リング1
5と第1の円弧状膜16とに代え、第1の円弧部を導電
性金属材料からなる制限リングによって形成したことに
ある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0089】41はモータ本体6の先端面6Dに設けら
れた第1の円弧部としての第1の制限リングで、該制限
リング41は、導電性金属材料を用いて断面円形のリン
グ状に形成されている。そして、制限リング41は、給
電用半導電性膜19とエアモータ5の間に位置して設け
られ、給電用半導電性膜19の後端とは空中放電可能な
程度の微小隙間をもって離間している。また、第1の制
限リング41の表面は、0.5〜25mm程度の曲率半
径をもって形成されている。
【0090】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。
【0091】なお、導電性金属材料からなる制限リング
41の外周面には、図6中に仮想線で示すように第1の
実施の形態による円弧状膜16とほぼ同様の第1の円弧
状膜42を塗布する構成としてもよい。
【0092】次に、図7および図8に基づき本発明によ
る第4の実施の形態について述べる。そして、第4の実
施の形態の特徴は、第1の実施の形態による回転霧化頭
11の環状凹溝12Hに制限リング17を設けるのに代
え、回転霧化頭の後端の形状を断面円弧状に形成し、回
転霧化頭の後端側に第2の円弧部を直接形成したことに
ある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0093】51は回転軸9の先端側に高速回転可能に
取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭51は霧化頭
本体52、ハブ部材53によって構成されている。
【0094】そして、霧化頭本体52は、第1の実施の
形態による霧化頭本体12とほぼ同様に、絶縁性樹脂材
料を用いて形成され、ベルカップ部52A、取付部52
B、環状隔壁52C、塗料薄膜化面52D、塗料放出端
縁52E、雌ねじ部52F、ハブ取付段部52Gを有し
ている。
【0095】しかし、霧化頭本体52は、取付部52B
の後端側に第2の円弧部としての断面円弧状の円弧状端
部52Hが設けられている点で、第1の実施の形態によ
る霧化頭本体12と異なるものである。そして、円弧状
端部52Hの外周面には後述する円弧状膜55が塗布さ
れている。
【0096】一方、ハブ部材53は、第1の実施の形態
によるハブ部材13とほぼ同様に絶縁性樹脂材料を用い
て円板部53Aと筒部53Bとから形成され、第1,第
2のハブ孔53C,53Dが多数個穿設されている。
【0097】54は回転霧化頭51の外周面に膜状に塗
布された霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜
54は、第1の実施の形態による霧化頭用半導電性膜1
4とほぼ同様に霧化頭本体52の取付部52Bの後端か
ら塗料放出端縁52Eにかけて成膜されている。
【0098】55は円弧状端部52Hの外周面に形成さ
れた第2の円弧状膜で、該円弧状膜55は、霧化頭用半
導電性膜54とほぼ同様の半導電性膜が塗布されること
により形成され、霧化頭用半導電性膜54と後述の給電
用半導電性膜56の間に位置して、これらの半導電性膜
54,56に電気的に接続されている。そして、円弧状
端部52Hは、10〜80mmの範囲内で例えば50m
m程度だけ制限リング15と離間し、円弧状膜55を含
めて0.5〜25mm程度の曲率半径をもって形成され
ている。
【0099】56は回転軸9の外周面に膜状に塗布され
た給電用半導電性膜で、該給電用半導電性膜56は、そ
の先端が円弧状膜55に接触し、後端がモータ本体6の
先端近傍に位置している。そして、給電用半導電性膜5
6の後端はモータ本体6の先端面6Dとの間には空中放
電可能な程度の微小隙間をもって離間している。
【0100】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態で
は回転霧化頭51に第2の円弧状端部52Hを形成した
から、回転霧化頭51の製造時に第2の円弧部を形成す
ることができ、回転霧化頭51の製造工数を削減し、製
造コストを低減することができる。
【0101】なお、第1,第3,第4の実施の形態で
は、モータ本体6の先端側に設けた第1の制限リング1
5,31によって第1の円弧部を形成するものとした
が、エアモータの先端側を直接円弧状に形成するものと
してもよい。
【0102】また、第2の実施の形態では、モータ支持
ケース23の内周面に給電用半導電性膜27を形成する
構成としたが、例えばシェーピングエアリングの一部を
回転霧化頭とエアモータとが対面する位置まで延在させ
ることにより、シェーピングエアリングの内周面に給電
用半導電性膜を形成する構成としてもよい。
【0103】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、回転軸を絶縁性材料を用いて形成したから、塗装
時に回転霧化頭が被塗物等に異常接近した場合でも、回
転軸と被塗物との間で火花放電が発生するのを防止する
ことができ、安全性、信頼性を高めることができる。
【0104】また、カバーの内周面または回転軸の外周
面には給電用半導電性膜を設けると共に、エアモータの
先端と給電用半導電性膜との間に第1の円弧部を設け、
給電用半導電性膜と回転霧化頭との間に第2の円弧部を
設けたから、回転霧化頭が被塗物等に急激に接近したと
きでも、エアモータの先端と回転霧化頭の後端との間で
火花放電が発生するのを防止することができる。このた
め、高い塗着効率を維持しつつ、安全性等をさらに高め
ることができる。
【0105】また、請求項2の発明によれば、回転軸を
絶縁性のセラミック材料を用いて形成したから、回転軸
から被塗物への放電を防止できると共に、回転軸の強度
を高め、高速で回転する回転軸の変形等を防止すること
ができる。
【0106】また、請求項3の発明によれば、第1,第
2の円弧部を、0.5〜25mmの曲率半径を有する構
成としている。これにより、電界を第1,第2の円弧部
の曲面上に分散して分布させることができ、円弧部の曲
率半径が0.5mmよりも小さいときに比べて、エアモ
ータの先端と回転霧化頭の後端の間での絶縁破壊を生じ
にくくすることができる。また、曲率半径が25mmよ
りも大きいときに比べて、カバー等を小径化することが
でき、回転霧化頭塗装装置を小型化することができる。
【0107】さらに、請求項4の発明によれば、第1の
円弧部と第2の円弧部との間を10〜80mmだけ離間
させたから、第1,第2の円弧部の間を10mmよりも
短く接近させた場合に比べて、エアモータの先端、回転
霧化頭の後端での電界の集中を緩和し、安全性等を高め
ることができる。
【0108】また、請求項5の発明によれば、第1の円
弧部を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第1の円弧部
の外周面に半導電性膜を塗布したから、エアモータに供
給された高電圧は、第1の円弧部の外周に塗布された半
導電性膜を通じて給電用半導電性膜に供給することがで
きる。
【0109】また、請求項6の発明によれば、第2の円
弧部を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第2の円弧部
の外周面に半導電性膜を塗布したから、エアモータに印
加された高電圧は、給電用半導電性膜を通じて第2の円
弧部に供給されると共に、回転霧化頭側に高電圧を給電
することができる。
【0110】また、請求項7の発明によれば、第1の円
弧部を導電性金属材料を用いて形成したから、エアモー
タに供給された高電圧は、第1の円弧部、給電用半導電
性膜等を通じて回転霧化頭側に供給することができる。
【0111】また、請求項8の発明によれば、第2の円
弧部を導電性金属材料を用いて形成したから、エアモー
タに印加された高電圧は、給電用半導電性膜を通じて第
2の円弧部に供給されると共に、回転霧化頭側に高電圧
を給電することができる。
【0112】また、請求項9の発明によれば、カバーの
内周面に給電用半導電性膜を塗布した場合において、第
1,第2の円弧部は該カバーと同一の材料を用いて形成
し、これら第1,第2の円弧部に半導電性膜を塗布した
から、カバーと第1,第2の円弧部とを一体形成するこ
とができ、カバーと第1,第2の円弧部とを別途形成し
た場合に比較して生産性を向上することができる。
【0113】また、請求項10の発明によれば、回転軸
の外周面に給電用半導電性膜を設け、絶縁性樹脂材料か
らなる回転霧化頭の外周面には半導電性膜を設けると共
に、エアモータの先端側に第1の円弧部を設け、回転霧
化頭の後端側に第2の円弧部を設ける構成としている。
これにより、回転霧化頭が被塗物等に異常接近したとき
でも、着火等が生じることがなく、安全性、信頼性を高
めることができる。
【0114】また、請求項11の発明によれば、カバー
の内周面に給電用半導電性膜を設け、絶縁性樹脂材料か
らなる回転霧化頭の外周面には半導電性膜を設けると共
に、エアモータの先端側に第1の円弧部を設け、回転霧
化頭の後端側に第2の円弧部を設ける構成としているか
ら、安全性、信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の回転霧化頭型塗装装置の要部を示す縦
断面図である。
【図3】図2中のa部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置の要部を示す縦断面図である。
【図5】図4中のb部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による第1,第2の
制限リング等を拡大して示す図3とほぼ同様位置の要部
拡大縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置の要部を示す縦断面図である。
【図8】図7中のc部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【符号の説明】
1,21 カバー 2,22 カバー筒 3,23 モータ支持ケース 4,24 シェーピングエアリング 5 エアモータ 6 モータ本体 9 回転軸 11,28,51 回転霧化頭 12,29,52 霧化頭本体 12E,29E,52E 塗料放出端縁 13,30,53 ハブ部材 14,31,54 霧化頭用半導電性膜 15,41 第1の制限リング(第1の円弧部) 16,25,42 第1の円弧状膜 17 第2の制限リング(第2の円弧部) 18,26,55 第2の円弧状膜 19,27,56 給電用半導電性膜 23D 第1の円弧状段部(第1の円弧部) 23E 第2の円弧状段部(第2の円弧部) 52H 円弧状端部(第2の円弧部)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年11月29日(1999.11.
29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転霧化頭型塗装装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転霧化頭を高速
回転することによって塗料を微粒化する形式の回転霧化
頭型塗装装置に関し、特に塗料に直接高電圧を印加する
直接帯電方式の静電塗装装置に用いて好適な回転霧化頭
型塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の車体等の被塗物を塗装
する塗装装置としては、回転霧化頭型塗装装置が広く用
いられている。そして、この回転霧化頭型塗装装置は、
筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設けられたエ
アモータと、該エアモータの軸方向に挿通されて該エア
モータによって回転せしめられる中空円筒状の回転軸
と、該回転軸内を軸方向に伸長して配設されたフィード
チューブと、前記カバーの前側に位置し、前記回転軸に
取付けられて高速回転することにより該フィードチュー
ブから供給された塗料を噴霧する回転霧化頭とから大略
構成されている。
【0003】また、回転霧化頭型塗装装置には、例えば
回転軸に高電圧を印加してフィードチューブ内を流通す
る塗料を高電圧に帯電させる直接帯電方式の静電塗装装
置が知られている(例えば、特開平2−237667号
公報、特開平6−269701号公報、特開平8−15
0352号公報等)。
【0004】このような、回転霧化頭型静電塗装装置で
は、回転霧化頭が絶縁性樹脂材料によって形成されると
共に、該回転霧化頭の塗料放出端縁側に半導電性膜等が
形成されている。そして、この半導電性膜には、回転霧
化頭の近傍に設けた半導電性膜、電極等を通じて高電圧
が印加されている。このとき、回転霧化頭の半導電性膜
先端ではコロナ放電が生じ、このコロナ放電によって空
気イオンが生成されている。このため、塗料放出端縁か
ら噴霧される塗料粒子は、コロナ放電領域に生成された
空気イオンを吸着し、帯電塗料粒子となる。これによ
り、回転霧化頭から噴霧される帯電塗料粒子は、アース
電位にある被塗物に向けて形成される静電界に沿って飛
行し、該被塗物に塗着するものである。
【0005】また、このような従来技術では、回転霧化
頭が絶縁性樹脂材料によって形成されているから、回転
霧化頭を金属材料によって形成したときに比べて回転霧
化頭自体の静電容量を低下させることができる。このた
め、回転霧化頭に被塗物が異常接近したときでも、回転
霧化頭に蓄えられた電荷が被塗物に向って一気に放電す
るのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による回転霧化頭型静電塗装装置は、回転霧化頭
が絶縁性樹脂材料によって形成されている。従って、回
転霧化頭が被塗物に異常接近しても、回転霧化頭に蓄え
られた電荷のみでは、ストリーマ、スパーク等と呼ばれ
る火花放電が発生することはない。しかし、従来技術で
は、装置を構成するエアモータ等の金属部品は浮遊容量
を有するから、この浮遊容量に電荷が蓄えられることに
なる。このため、このようなエアモータ等の浮遊容量に
電荷が蓄えられている場合には、この電荷が被塗物に向
けて一気に放電し、火花放電が生じるという問題があ
る。
【0007】このため、着火に至らない放電エネルギに
するためには、エアモータ等の金属部品からの直接の放
電を防止する必要がある。ここで、放電エネルギEは放
電するときの電荷が帯電するものの静電容量をC、放電
するときの被塗物との間の電圧をVとしたときに、以下
に示す数1の式によって表わすことができる。
【0008】
【数1】
【0009】しかしながら、絶縁材料によって形成した
回転霧化頭は静電容量小さいため、該回転霧化頭から
放電エネルギを小さく抑えることができる。しかし、
該回転霧化頭の近くには静電容量の大きいエアモータ
配設されており、該エアモータからの放電は抑えること
ができない。
【0010】このため、このようなエアモータからの放
電を防止する手段として、回転軸を絶縁材料によって形
成すると共に、この回転軸の長さを比較的長めに設定す
ることにより、エアモータと被塗物との間の放電距離を
長くする方法が考えられる。しかし、回転軸を長くした
場合には、高速で回転する回転軸に軸ぶれ等が生じ易く
なりエアモータの機械的安定性を阻害するため、極端
なエアモータの寿命低下につながるという問題がある。
【0011】また、エアモータへの印加電圧を低下させ
るため、例えばエアモータと高電圧発生器との間に高抵
抗を挿入した場合にも、エアモータからの放電を防止す
ることができる。しかし、このようにエアモータへの印
加電圧を低くした場合には塗料粒子への帯電が低下し、
塗料の塗着効率が低下するという問題がある。
【0012】さらに、高電圧発生器等にスパーク防止制
御回路を設け、着火に至る火花放電を防止する方法が開
示されている(例えば、特開平6−269701号公報
等)。しかし、このような制御回路を用いた防止方法
は、米国の消防協会(NFPA)の規定でも明確に区別
しているように、本質的な着火の防止にはならないとい
う問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、塗着効率を低下させる
ことなく被塗物と回転霧化頭等との間で火花放電の発生
を防止できるようにした回転霧化頭型塗装装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による回転霧化頭型塗装装置
は、絶縁性樹脂材料を用いて筒状に形成されたカバー
と、該カバー内に設けられ導電性金属材料を用いて形成
されたエアモータと、絶縁性材料を用いて形成され、該
エアモータの軸方向に挿通されて該エアモータによって
回転せしめられる回転軸と、縁性樹脂材料を用いて後
端が取付部となると共に前端が塗料放出端縁となったベ
ル形に形成され、前記エアモータの先端から軸方向に離
間した状態で該取付部によって該回転軸に設けられた回
転霧化頭と、該回転霧化頭の外周面に塗布され、該回転
霧化頭から噴霧される塗料に帯電させる霧化頭用半導電
性膜と、前記エアモータの先端と回転霧化頭の後端との
間でカバーの内周面または回転軸の外周面に設けられ、
エアモータに印加された高電圧を回転霧化頭に給電する
給電用半導電性膜と、外周面に半導電性膜が塗布された
絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を用いてリング状
に形成され、前記エアモータの先端と給電用半導電性膜
との間に設けられた第1の円弧部と、外周面に半導電性
膜が塗布された絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を
用いてリング状に形成され、前記給電用半導電性膜と
化頭用半導電性膜の後端側との間に設けられた第2の円
弧部とから構成している。
【0015】このように構成したことにより、エアモー
タに印加された高電圧は、カバーの内周面または回転軸
の外周面に設けられた給電用半導電性膜を通じて絶縁性
樹脂材料からなる回転霧化頭に設けられた霧化頭用半導
電性膜に供給される。
【0016】そして、エアモータによって回転軸と一緒
に回転霧化頭を高速回転させ、この状態で回転霧化頭に
向けて塗料を供給することにより、この塗料は回転霧化
頭の塗料放出端縁から噴霧される。このとき、霧化頭用
半導電性膜先端ではコロナ放電が生じ、このコロナ放電
によって空気イオンが生成されるから、噴霧される塗料
粒子にはこの空気イオンが吸着する。これにより、塗料
は帯電塗料粒子となってアース側に接続された被塗物と
の間に形成された静電界に沿って飛行し、該被塗物に塗
着する。
【0017】また、回転軸を絶縁性材料を用いて形成す
ることにより、塗装時に回転霧化頭が被塗物等に異常接
近した場合でも、回転軸と被塗物との間の短絡を防止す
ることができる。
【0018】さらに、エアモータの先端と給電用半導電
性膜との間に第1の円弧部を設けると共に、給電用半導
電性膜と霧化頭用半導電性膜の後端側との間に第2の円
弧部とを設けたから、回転霧化頭が被塗物等に異常接近
し、エアモータから塗料放出端縁に向けて大きな電流が
流れるときでも、エアモータの先端と回転霧化頭の後端
との間で火花放電(ストリーマ放電)が発生するのを防
止できる。
【0019】また、請求項2の発明は、回転軸を絶縁性
のセラミック材料を用いて形成したことにある。これに
より、特開平6−269701号公報に開示されている
ような一般的な樹脂材料、充填樹脂材料等によって回転
軸を形成したときに比べて、回転軸の機械的強度を強く
することができる。また、回転軸の電気的な絶縁強度を
高くし、吸湿性を小さくできるから、回転軸から被塗物
への放電を防止できると共に、回転軸の強度を高め、高
速で回転する回転軸の変形等を防止することができる。
【0020】また、請求項3の発明は、第1,第2の円
弧部を0.5〜25mmの曲率半径を有する構成とした
ことにある。これにより、被塗物が急接近した場合であ
っても、円弧部の曲率半径が0.5mmよりも小さいと
きに比べて、電界の集中が急激に生じることがない。こ
のため、電界が曲面上に分散して分布するから、着火の
原因となる火花放電の発生を防止することができる。
【0021】さらに、請求項4の発明は、第1の円弧部
と第2の円弧部との間を10〜80mmだけ離間させた
ことにある。これにより、被塗物が急激に接近した場合
であっても、第1,第2の円弧部の曲面によって、これ
らの部分での電界の集中が緩和される。このため、エア
モータから回転霧化頭への放電を緩やかに行うことがで
きる。
【0022】また、請求項5の発明は、第1の円弧部を
絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第1の円弧部の外周
面に半導電性膜を塗布したことにある。これにより、エ
アモータに供給された高電圧は、第1の円弧部の外周面
に塗布された半導電性膜を通じて給電用半導電性膜に供
給される。このとき、第1の円弧部はドーナツ状をなし
ているから、エアモータの先端に集中電荷の発生を防止
できる。
【0023】また、請求項6の発明は、第2の円弧部を
絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第2の円弧部の外周
面に半導電性膜を塗布したことにある。これにより、エ
アモータに印加された高電圧は、給電用半導電性膜を通
じて第2の円弧部に供給される。そして、第2の円弧部
を通じて回転霧化頭の外周面に塗布された霧化頭用半導
電性膜に高電圧を給電することができる。
【0024】また、請求項7の発明は、第1の円弧部を
導電性金属材料を用いて形成したことにある。これによ
り、エアモータに印加された高電圧は、第1の円弧部を
通じてカバーの内周面に設けた給電用半導電性膜に供給
される。このとき、第1の円弧部はドーナツ状をなして
いるから、エアモータの先端に集中電荷の発生を防止で
きる。
【0025】また、請求項8の発明は、第2の円弧部は
導電性金属材料を用いて形成したことにある。これによ
り、エアモータに印加された高電圧は、給電用半導電性
膜を通じて第2の円弧部に供給される。そして、第2の
円弧部を通じて霧化頭用半導電性膜に高電圧を給電する
ことができる。
【0026】また、請求項9の発明は、カバーの内周面
に給電用半導電性膜を塗布した場合において、前記第
1,第2の円弧部は該カバーと同一の材料を用いて形成
し、これら第1,第2の円弧部に半導電性膜を塗布した
ことにある。これにより、エアモータに印加された高電
圧は、第1の円弧部を通じて給電用半導電性膜に供給さ
れると共に、この給電用半導電性膜から第2の円弧部に
供給される。そして、第2の円弧部を通じて霧化頭用
導電性膜に高電圧を給電することができる。
【0027】また、請求項10の発明は、絶縁性樹脂材
料を用いて筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設
けられ導電性金属材料を用いて形成されたエアモータ
と、絶縁性材料によって形成され、該エアモータの軸方
向に挿通されて該エアモータによって回転せしめられる
回転軸と、絶縁性樹脂材料によって後端が取付部となる
と共に前端が塗料放出端縁となったベル形に形成され、
前記エアモータの先端から軸方向に離間した状態で該取
付部によって該回転軸に設けられた回転霧化頭と、該回
転霧化頭の外周面に塗布され、該回転霧化頭から噴霧さ
れる塗料に帯電させる霧化頭用半導電性膜と、前記エア
モータの先端と回転霧化頭の後端との間で回転軸の外周
面に設けられ、エアモータに印加された高電圧を回転霧
化頭に給電する給電用半導電性膜と、外周面に半導電性
膜が塗布された絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を
用いてリング状に形成され、前記エアモータの先端と給
電用半導電性膜との間に設けられた第1の円弧部と、外
周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または導
電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記給電用
半導電性膜と霧化頭用半導電性膜の後端側との間に設け
られた第2の円弧部とから構成したことにある。
【0028】このように構成したことにより、エアモー
タに印加された高電圧は、回転軸の外周面に設けられた
給電用半導電性膜を通じて、絶縁性樹脂材料を用いて形
成された回転霧化頭の半導電性膜に供給される。これに
より、この霧化頭用半導電性膜を通じて回転霧化頭の塗
料放出端縁側に高電圧が供給される。
【0029】また、請求項11の発明は、絶縁性樹脂材
料を用いて筒状に形成されたカバーと、該カバー内に設
けられ導電性金属材料を用いて形成されたエアモータ
と、絶縁性材料を用いて形成され、該エアモータの軸方
向に挿通されて該エアモータによって回転せしめられる
回転軸と、絶縁性樹脂材料を用いて後端が取付部となる
と共に前端が塗料放出端縁となったベル形に形成され、
前記エアモータの先端から軸方向に離間した状態で該取
付部によって該回転軸に設けられた回転霧化頭と、該回
転霧化頭の外周面に塗布され、該回転霧化頭から噴霧さ
れる塗料に帯電させる霧化頭用半導電性膜と、前記エア
モータの先端と回転霧化頭の後端との間でカバーの内周
面に設けられ、エアモータに印加された高電圧を回転霧
化頭に給電する給電用半導電性膜と、外周面に半導電性
膜が塗布された絶縁性樹脂材料または導電性金属材料を
用いてリング状に形成され、前記エアモータの先端と給
電用半導電性膜との間に設けられた第1の円弧部と、外
周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または導
電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記給電用
半導電性膜と霧化頭用半導電性膜の後端側との間に設け
られた第2の円弧部とから構成したことにある。
【0030】これにより、エアモータに印加された高電
圧は、カバーの内周面に設けられた給電用半導電性膜を
通じて絶縁性樹脂材料を用いて形成された回転霧化頭の
半導電性膜に供給される。そして、この霧化頭用半導電
性膜を通じて回転霧化頭の塗料放出端縁側に高電圧が供
給される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
回転霧化頭型塗装装置を、図1ないし図8に基づいて詳
細に説明する。
【0032】まず、図1ないし図3に基づいて、第1の
実施の形態による回転霧化頭型塗装装置について説明す
る。
【0033】1は回転霧化頭塗装装置の外形をなすカバ
ーで、該カバー1は略円筒状に形成されたカバー筒2、
モータ支持ケース3、シェーピングエアリング4によっ
て構成されている。
【0034】ここで、モータ支持ケース3は厚肉な筒状
に形成され、カバー筒2の内周側に取付けられている。
そして、モータ支持ケース3は、後述するエアモータ5
を支持する段付の中空支持穴3Aを有し、該中空支持穴
3Aの周囲には軸方向に延びるシェーピングエア通路3
Bが穿設されている。
【0035】また、シェーピングエアリング4は、モー
タ支持ケース3の先端側に取付けられ、該シェーピング
エアリング4の前面にはエア噴出口4A,4A,…が環
状に列設されている。そして、各エア噴出口4Aにはシ
ェーピングエア通路3Bを通じてシェーピングエアが供
給されるものである。
【0036】そして、カバー筒2、モータ支持ケース
3、シェーピングエアリング4は、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等の絶縁性樹脂材料を用いて形成されて
いる。
【0037】5はモータ支持ケース3の中空支持穴3A
に設けられたエアモータで、該エアモータ5は導電性金
属材料を用いて段付筒状に形成されたモータ本体6と、
該モータ本体6内に収容されたエアタービン7と、後述
する回転軸9を回転可能に軸支する静圧エア軸受8とか
ら構成されている。
【0038】そして、モータ本体6は、エアタービン7
を収容する大径のタービン収容部6Aと、該タービン収
容部6Aから前側に向って軸方向に延び内周側に静圧エ
ア軸受8が設けられた小径のエア軸受部6Bとから構成
されている。そして、モータ本体6には、タービン収容
部6Aからエア軸受部6Bに亘って延びる中空穴6Cが
設けられ、該中空穴6C内に回転軸9が配設されてい
る。
【0039】また、モータ本体6は、高電圧発生器(図
示せず)によって例えば−60〜−120kV程度の高
電圧が印加されるものである。そして、モータ本体6
は、中空支持穴3Aに取付けられると共に、モータ本体
6から突出した回転軸9は中空支持穴3Aの先端よりも
前方に位置している。
【0040】9は絶縁性材料として例えば硬質のセラミ
ック材料等を用いて形成された回転軸で、該回転軸9
は、エアモータ5のモータ本体6内に軸方向に挿通さ
れ、モータ本体6内で静圧エア軸受8によって高速回転
可能に支持されている。そして、回転軸9には軸方向に
延びる中空穴9Aが設けられ、該中空穴9A内には後述
のフィードチューブ10等が配設されている。また、回
転軸9の基端側はエアモータ5のエアタービン7と固着
され、先端側はモータ本体6よりも前方に突出してい
る。そして、回転軸9の先端側には、後述する霧化頭本
体12の雌ねじ部12Fに螺着する雄ねじ部9Bが形成
されている。
【0041】10は回転軸9の中空穴9A内を軸方向に
伸長して設けられたフィードチューブで、該フィードチ
ューブ10は、回転霧化頭11に塗料、シンナ等を供給
するため、その先端部が回転軸9から突出して該回転霧
化頭11内に延在している。また、フィードチューブ1
0は、二重筒体により構成され、内筒10A内の通路に
は塗料が流通し、該内筒10Aと外筒10Bとの間の通
路にはシンナが流通する。そして、外筒10Bの先端に
は、ゴム等によるチェック弁体10Cが取付けられ、該
チェック弁体10Cによってシンナのだれ落ちを防止し
ている。
【0042】また、フィードチューブ10は、例えばポ
リエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメ
チレン(POM)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(P
I)等の絶縁性樹脂材料を用いて形成されている。
【0043】11はシェーピングエアリング4の前側に
位置して回転軸9に取付けられ、ベル形、カップ形また
は円皿形(以下、ベル形という)に形成された回転霧化
頭で、該回転霧化頭11は、霧化頭本体12とハブ部材
13とから大略構成されている。
【0044】ここで、霧化頭本体12は回転霧化頭11
の外形をなすもので、フィードチューブ10とほぼ同様
に例えばポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(P
EI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポ
リオキシメチレン(POM)、ポリアミドイミド(PA
I)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイ
ミド(PI)等の絶縁性樹脂材料を用いて先端側に向け
拡開して延びるベル形に形成されている。
【0045】そして、霧化頭本体12は、前方に向け拡
開して形成されたベルカップ部12Aと、該ベルカップ
部12Aから後方に延びた円筒状の取付部12Bと、前
記ハブ部材13の後方に位置して前記ベルカップ部12
Aと取付部12Bとの間に内向きに突設された環状隔壁
12Cと、前記ハブ部材13より前側に位置して前記ベ
ルカップ部12Aの前面側に形成され、塗料を薄膜化す
る塗料薄膜化面12Dと、前記ベルカップ部12Aの前
端側に設けられ、該塗料薄膜化面12Dによって薄膜化
された塗料を液糸として放出する塗料放出端縁12E
と、前記取付部12Bの内周側に設けられ、回転軸9の
雄ねじ部9Bに螺着する雌ねじ部12Fと、前記ベルカ
ップ部12Aの内周側に設けられ、ハブ部材13が螺着
されるハブ取付段部12Gと、取付部12Bの後端面に
断面半円弧状に形成された環状凹溝12Hとから大略構
成されている。
【0046】また、ベルカップ部12Aのハブ取付段部
12Gに螺着されたハブ部材13は、霧化頭本体12と
同様の絶縁性樹脂材料を用いて、円板部13Aと、該円
板部13Aの外周側に立設された筒部13Bとから形成
されている。そして、ハブ部材13の円板部13Aと筒
部13Bとの接続部近くには、フィードチューブ10か
ら吐出された塗料またはシンナを霧化頭本体12の塗料
薄膜化面12Dに導くための塗料流出孔となる第1のハ
ブ孔13C,13C…が多数個穿設され、円板部13A
中央側には前面にシンナを供給するシンナ流出孔となる
第2のハブ孔13D,13D,…(それぞれ2個ずつ図
示)が複数個穿設されている。
【0047】また、霧化頭本体12の取付部12B内に
は回転軸9の先端側が嵌合されると共に、霧化頭本体1
2の雌ねじ部12Fが回転軸9の雄ねじ部9Bに螺着さ
れている。これによって、回転霧化頭11は回転軸9に
取付けられている。また、霧化頭本体12の取付部12
Bの後端面(環状凹溝12Hを形成している面)とモー
タ本体6を構成するエア軸受部6Bの先端面6Dとは、
例えば10〜80mm程度の範囲内で離間している。
【0048】14は回転霧化頭11の外周面に膜状に塗
布された霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜
14は、例えばポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹
脂等にカーボン繊維、金属等の導電性繊維を混練するこ
によって形成されている。また、霧化頭用半導電性膜
14は霧化頭本体12の取付部12Bの後端から塗料放
出端縁12Eにかけて成膜されている。そして、霧化頭
用半導電性膜14のうち、取付部12B側の端部は後述
する制限リング17の外周側で第2の円弧状膜18に接
触し、塗料放出端縁12E側の端部は塗料放出端縁12
Eから放出される塗料に接触可能となっている。
【0049】そして、この霧化頭用半導電性膜14を含
めて回転霧化頭11の静電容量は例えば0.059pF
よりも小さい値に設定されている。これにより、回転霧
化頭11に帯電する電荷量を小さくし、回転霧化頭11
と被塗物との間で火花放電が生じるのを防止している。
【0050】15はエアモータ5の先端側に設けられた
第1の円弧部としての第1の制限リングで、該制限リン
グ15は、例えば霧化頭本体12と同様の絶縁性樹脂材
料を用いて断面円形のリング状に形成され、モータ本体
6の先端面6Dに固着されている。そして、制限リング
15の外周面には第1の円弧状膜16が塗布されてい
る。また、第1の円弧状膜16は、霧化頭用半導電性膜
14と同様に、ポリエステル、エポキシ樹脂、フッ素樹
脂等に導電性繊維を混練しなる半導電性膜によって形
成され、後述する給電用半導電性膜19とエアモータ5
の間に位置している。また、円弧状膜16を含めて第1
の制限リング15の表面は、0.5〜25mm程度の曲
率半径rをもって形成されている。
【0051】17は回転霧化頭11の後端側に設けられ
た第2の円弧部としての第2の制限リングで、該制限リ
ング17は、第1の制限リング15とほぼ同様に絶縁性
樹脂材料を用いて断面円形のリング状に形成され、霧化
頭本体12の取付部12B後端側に形成した環状凹溝1
2Hに嵌着されている。また、制限リング17の表面側
には第2の円弧部としての第2の円弧状膜18が形成さ
れている。そして、円弧状膜18は、第1の円弧状膜1
6とほぼ同様の半導電性膜塗布ることにより形成さ
れ、霧化頭用半導電性膜14と後述の給電用半導電性膜
19の間に位置して、これらの半導電性膜14,19に
電気的に接続されている。
【0052】そして、第1,第2の制限リング15,1
7は、10〜80mmの範囲内で例えば50mm程度の
長さ寸法Lだけ離間している。また、円弧状膜18を含
めて第2の制限リング17の表面は、0.5〜25mm
程度の曲率半径rをもって形成されている。
【0053】19は回転軸9の外周面に膜状に塗布され
た給電用半導電性膜で、該給電用半導電性膜19は、第
2の円弧状膜18とほぼ同様に、ポリエステル、エポキ
シ樹脂、フッ素樹脂等にカーボン、金属等の導電性繊維
を混練することによって形成されている。そして、給電
用半導電性膜19は、モータ本体6の先端と取付部12
Bの後端との間に配設され、その先端は円弧状膜18に
接触している。
【0054】また、給電用半導電性膜19の後端はモー
タ本体6の先端近傍に位置するものの、給電用半導電性
膜19の後端はモータ本体6の先端面6Dとの間には空
中放電可能な程度の微小隙間をもって離間している。こ
のため、給電用半導電性膜19は、第1の円弧状膜16
とは微小隙間を介して電気的に接続されると共に、回転
軸9が高速回転するときに、給電用半導電性膜19がモ
ータ本体6に接触することがなく、給電用半導電性膜1
9等の摩耗が防止されている。
【0055】従って、第1の円弧状膜16、給電用半導
電性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜
14は、エアモータ5と回転霧化頭11との間で電気的
に接続されている。このため、モータ本体6に印加され
た高電圧は、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14を通
じて回転霧化頭11の塗料放出端縁12Eに供給される
ものである。
【0056】また、第1の円弧状膜16、給電用半導電
性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜1
4の抵抗値は、モータ本体6の先端面6Dと回転霧化頭
11の塗料放出端縁12Eとの間の抵抗値が20〜10
0MΩの範囲となるように適宜設定される。これによ
り、回転霧化頭11の塗料放出端縁12Eが被塗物等に
接触したときには、第1の円弧状膜16、給電用半導電
性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜1
4によって電圧降下が生じ、塗料放出端縁12E側の電
圧が低下する。これにより、回転霧化頭11と被塗物等
との間で火花放電が発生するのを防止することができ
る。
【0057】本実施の形態による回転霧化頭型塗装装置
は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動に
ついて説明する。
【0058】まず、車体等の被塗物に塗装を行なう場合
には、エアモータ5にエアを供給し、エアタービン7に
よって回転軸9と一緒に回転霧化頭11を高速回転させ
る。この状態で、フィードチューブ10に塗料を供給
し、該フィードチューブ10から回転霧化頭11に向け
て塗料を供給する。
【0059】これにより、回転霧化頭11に供給された
塗料は、ハブ部材13の第1のハブ孔13Cを通じて霧
化頭本体12の塗料薄膜化面12Dに流出して薄膜化さ
れ、塗料放出端縁12Eから塗料粒子として放出され
る。ここで、エアモータ5のモータ本体6に給電された
高電圧が、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14等を
通じて回転霧化頭11側に供給されている。
【0060】このとき、回転霧化頭11の霧化頭用半導
電性膜14先端となる塗料放出端縁12E側ではコロナ
放電が生じ、このコロナ放電によって例えば霧化頭用半
導電性膜14近傍にマイナス電界が形成されているとき
にはマイナスの空気イオンが生成されている。そし
て、回転霧化頭11から噴霧される塗料粒子は、塗料放
出端縁12E側で霧化頭用半導電性膜14に接触し、塗
粒子の表面が電界と反対の電位、即ちマイナス電界で
あればプラスの電位に誘導分極される。このため、塗料
放出端縁12Eから噴霧される塗料粒子には、コロナ放
電領域によって生成されるマイナスの空気イオンが吸着
し、塗料粒子がマイナスに帯電することになる。
【0061】この結果、回転霧化頭11から噴霧される
塗料粒子は、帯電塗料粒子となり、各エア噴出口4Aか
ら噴出されるシェーピングエアによって微粒化されつ
つ、アース側に接続された被塗物との間に形成された静
電界に沿って飛行し、該被塗物に塗着する。
【0062】かくして、本実施の形態による回転霧化頭
型塗装装置でも、従来技術とほぼ同様に被塗物の塗装を
行うことができる。しかし、本実施の形態では、回転霧
化頭11を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、その外周側
に霧化頭用半導電性膜14等を形成している。このた
め、塗装時に塗装装置が被塗物に急激に接近(異常接
近)することがあっても、エアモータ5の浮遊容量を霧
化頭用半導電性膜14等の各部分における抵抗によって
分布容量とし、放電エネルギEを小さく抑えることがで
きる。この結果、回転霧化頭11と被塗物との異常接近
または接触等によって短絡が生じた場合でも、火花放電
が発生することはない。
【0063】また、回転軸9、フィードチューブ10を
絶縁性材料を用いて形成したから、塗装時に回転霧化頭
11が被塗物等に異常接近したときでも、回転軸9等と
被塗物との間が電気的に短絡することがなく、安全性と
信頼性を高めることができる。
【0064】即ち、回転軸9、フィードチューブ10等
が導電性金属材料を用いて形成されている場合には、回
転霧化頭11に被塗物が異常接近したときに、ハブ部材
13の第2のハブ孔13Dを通じて回転軸9等と被塗物
との間で火花放電が発生する虞れがある。しかし、本実
施の形態では、回転軸9、フィードチューブ10を絶縁
性材料を用いて形成したから、回転軸9等から被塗物に
向けて火花放電が発生することはない。
【0065】一方、回転霧化頭11が被塗物等に急接近
したときには、比較的突出した形状となり易いモータ本
体6の先端面6D、取付部12Bの後端面に電界が急激
に集中し、着火の原因となる火花放電が発生し易い傾向
がある。しかし、本実施の形態では、モータ本体6の先
端面6Dに外周面に円弧状膜16が塗布されたドーナツ
状の第1の制限リング15を設けると共に、回転霧化頭
本体12の取付部12Bの後端に円弧状膜18が塗布さ
れたドーナツ状の第2の制限リング17を設けている。
【0066】この結果、回転霧化頭11が被塗物等に急
激に接近したとしても、第1の制限リング15の円弧状
膜16では、その曲面上に分散して電界が分布する。同
様に、第2の制限リング17の円弧状膜18でも、その
曲面上に分散して電界が分布する。従って、第1の制限
リング15によってエアモータ5の先端面6Dへの電界
の集中を緩和できると共に、第2の制限リング17によ
って回転霧化頭11の後端への電界の集中を緩和でき
る。
【0067】このため、モータ本体6の先端面6Dと取
付部12Bの後端面との間での絶縁破壊が生じにくくな
る。これにより、エアモータ5の先端と回転霧化頭11
の後端との間で着火の原因となる火花放電が発生するの
を防止でき、火花放電によって回転霧化頭11等が損傷
するのを防止できる。
【0068】また、本実施の形態では、エアモータ5側
の高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半導電性膜1
9、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14等を
通じて円滑に回転霧化頭11側に供給することができ
る。このため、回転霧化頭11の塗料放出端縁12E側
に供給される高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半
導電性膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性
膜14によって確実に電圧降下させることができる。こ
の結果、回転霧化頭11に被塗物等が急接近したときで
あっても、回転霧化頭11と被塗物との間で火花放電が
発生することはない。
【0069】また、本実施の形態では、回転霧化頭11
の塗料放出端縁12E側から被塗物に向けて大きな電流
が流れるときには、回転霧化頭11の塗料放出端縁12
E側の高電圧を、第1の円弧状膜16、給電用半導電性
膜19、第2の円弧状膜18、霧化頭用半導電性膜14
によって確実に電圧降下させる。このため、回転霧化頭
11と被塗物とが例えば30cm程度の通常の離間寸法
をもって塗装を行うときには、回転霧化頭11と被塗物
との間で電流が殆ど流れないから、回転霧化頭11に供
給する高電圧を低下せず、高い塗着効率を維持できる。
【0070】一方、回転霧化頭11と被塗物とが異常接
近したときには、回転霧化頭11から被塗物に向けて大
きな電流が流れるから、給電用半導電性膜19等によっ
て回転霧化頭11の塗料放出端縁12E側の電圧を降下
させ、回転霧化頭11と被塗物との間の火花放電を防止
でき、安全性等をさらに高めることができる。
【0071】また、回転軸9を絶縁性のセラミック材料
を用いて形成したから、一般的な樹脂材料、充填樹脂材
料等を用いて回転軸9を形成したときに比べて、回転軸
9の機械的強度を強くすることができる。このため、高
速で回転する回転軸9の変形を防止でき、エアモータ5
等の信頼性を高めることができる。また、回転軸9の電
気的な絶縁強度を高くし、吸湿性を小さくできるから、
エアモータ5に蓄えられた電荷が回転軸9を通じて被塗
物に向って一気に放電するのを防止できる。
【0072】また、円弧状膜16,18を含めて各制限
リング15,17は0.5〜25mm程度の曲率半径r
を有している。これにより、回転霧化頭11に被塗物が
急接近したときでも、制限リング15,17等の曲率半
径rが0.5mmよりも小さいときに比べて、エアモー
タ5の先端面6D、回転霧化頭11の後端に電界の集中
が急激に生じることがない。このため、電界を第1,第
2の各制限リング15,17の曲面上である円弧状膜1
6,18に分散して分布させ、電界の集中を緩和するこ
とができる。また、曲率半径rが25mmよりも大きい
ときに比べて、カバー1等を小径化することができ、回
転霧化頭塗装装置を小型化することができる。
【0073】さらに、第1の制限リング15と第2の制
限リング17との間は、10〜80mmの範囲で長さ寸
法Lだけ離間させている。これにより、回転霧化頭11
に被塗物が急激に接近したときでも、第1,第2の制限
リング15,17間を10mmよりも短く接近させた場
合に比べて、制限リング15,17によって電界の集中
を緩和することができる。このため、エアモータ5から
回転霧化頭11に向けて放電が生じるときであっても、
緩やかな放電にすることができ、火花放電の発生を防止
することができる。また、第1,第2の制限リング1
5,17間を80mmよりも遠くする場合に比較して回
転霧化頭型塗装装置を小型化することができる。
【0074】次に、図4および図5に基づき本発明によ
る第2の実施の形態について述べる。そして、第2の実
施の形態の特徴は、カバーの内周面に給電用半導電性膜
を設けたことにある。なお、本実施の形態では前記第1
の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0075】21は回転霧化頭塗装装置の外形をなすカ
バーで、該カバー21は略円筒状に形成されたカバー筒
22、モータ支持ケース23、シェーピングエアリング
24によって構成されている。
【0076】そして、モータ支持ケース23は、第1の
実施の形態によるモータ支持ケース3とほぼ同様に絶縁
性樹脂材料を用いて厚肉筒状に形成され、中空支持穴2
3A、シェーピングエア通路23Bが穿設されている。
しかし、モータ支持ケース23は、中空支持穴23Aの
先端側には環状の凹陥溝23Cが形成されている点で、
第1の実施の形態によるモータ支持ケース3とは異なっ
ている。
【0077】また、凹陥溝23Cの軸方向基端側には表
面が円弧状となった第1の円弧部としての第1の円弧状
段部23Dが形成され、軸方向先端側には表面が円弧状
となった第2の円弧部としての第2の円弧状段部23E
が形成されている。そして、第1の円弧状段部23Dの
近傍にはモータ本体6の先端面6Dが配設され、第2の
円弧状段部23Eの近傍には後述する回転霧化頭28の
後端側が配設されている。また、後述の円弧状膜25,
26を含めて第1,第2の円弧上段部23D,23Eの
表面は、0.5〜25mm程度の曲率半径rをもって形
成されている。
【0078】25は第1の円弧状段部23D外周面に塗
布された第1の円弧状膜で、該円弧状膜25は、第1の
実施の形態による円弧状膜16等と同様に、ポリエステ
ル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等に導電性繊維を混練
ることによって形成されている。また、円弧状膜25は
モータ本体6の先端側から凹陥溝23C内に向けて延
び、モータ本体6の先端面6Dに電気的に接続されてい
る。
【0079】26は第2の円弧状段部23E外周面に塗
布された第2の円弧状膜で、該円弧状膜26は、第1の
円弧状膜25と同様に、ポリエステル、エポキシ樹脂、
フッ素樹脂等に導電性繊維を混練することによって形成
され、後述する給電用半導電性膜27等を通じてモータ
本体6に電気的に接続されている。また、円弧状膜26
は後述する回転霧化頭28の後端側と空中放電可能とな
る範囲で僅かな微小隙間だけ離間している。
【0080】27はモータ支持ケース23の凹陥溝23
C表面に塗着された給電用半導電性膜で、該給電用半導
電性膜27は円弧状膜25,26等と同様に、ポリエス
テル、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等に導電性繊維を混練
することによって形成され、凹陥溝23Cの内周側をほ
ぼ全面に亘って覆っている。そして、給電用半導電性膜
27は、その軸方向両端側が円弧状膜25,26に接触
している。これにより、給電用半導電性膜27は円弧状
膜25,26と共にモータ本体6に電気的に接続されて
いる。
【0081】28は回転軸9の先端側に高速回転可能に
取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭28は霧化頭
本体29、ハブ部材30によって構成されている。
【0082】そして、霧化頭本体29は、第1の実施の
形態による霧化頭本体12とほぼ同様に、ベルカップ部
29A、取付部29B、環状隔壁29C、塗料薄膜化面
29D、塗料放出端縁29E、雌ねじ部29F、ハブ取
付段部29Gを有し、絶縁性樹脂材料を用いて形成され
ている。しかし、霧化頭本体29は、取付部29Bの後
端側に制限リングが取付けられていない点で、第1の実
施の形態による霧化頭本体12と異なるものである。
【0083】一方、ハブ部材30は、第1の実施の形態
によるハブ部材13とほぼ同様に円板部30Aと筒部3
0Bとから形成され、第1,第2のハブ孔30C,30
Dが多数個穿設されている。
【0084】31は霧化頭本体29の外周面の形成され
た霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜31は
第1の実施の形態による霧化頭用半導電性膜14とほぼ
同様に形成され、霧化頭本体29の塗料放出端縁29E
から取付部29Bの後端に亘って塗布されている。
【0085】そして、霧化頭用半導電性膜31のうち取
付部29Bの後端側は、第2の円弧状膜26に微小隙間
をもって常時対面している。これにより、エアモータ5
に印加された高電圧は、第1の円弧状膜25、給電用半
導電性膜27を通じて第2の円弧状膜26に供給される
と共に、霧化頭用半導電性膜31と第2の円弧状膜26
との間の空中放電によって霧化頭用半導電性膜31に供
給される。このため、塗料放出端縁29Eから放出され
る塗料粒子は、霧化頭用半導電性膜31を通じて高電
圧を印加することができる。
【0086】また、第1の円弧状膜25、給電用半導電
性膜27、第2の円弧状膜26、霧化頭用半導電性膜3
1の抵抗値は、モータ本体6の先端面6Dと回転霧化頭
28の塗料放出端縁29Eとの間の抵抗値が20〜10
0MΩの範囲となるように適宜設定されている。
【0087】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。特に、モータ支持ケー
ス23の内周面に給電用半導電性膜27を形成したか
ら、回転霧化頭28の外周面に設けた霧化頭用半導電性
膜31を回転軸9に接触させる必要がなく、霧化頭用半
導電性膜31を回転軸9から離間させることができる。
このため、回転霧化頭28を回転軸9から容易に着脱す
ることができ、回転霧化頭28の洗浄等のメンテナンス
性を向上させることができる。
【0088】次に、図6に基づき本発明による第3の実
施の形態について述べる。そして、第3の実施の形態の
特徴は、第1の実施の形態に用いた第1の制限リング1
5と第1の円弧状膜16とに代え、第1の円弧部を導電
性金属材料からなる制限リングによって形成したことに
ある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0089】41はモータ本体6の先端面6Dに設けら
れた第1の円弧部としての第1の制限リングで、該制限
リング41は、導電性金属材料を用いて断面円形のリン
グ状に形成されている。そして、制限リング41は、給
電用半導電性膜19とエアモータ5の間に位置して設け
られ、給電用半導電性膜19の後端とは空中放電可能な
程度の微小隙間をもって離間している。また、第1の制
限リング41の表面は、0.5〜25mm程度の曲率半
径をもって形成されている。
【0090】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。
【0091】なお、導電性金属材料からなる制限リング
41の外周面には、図6中に仮想線で示すように第1の
実施の形態による円弧状膜16とほぼ同様の第1の円弧
状膜42を塗布する構成としてもよい。
【0092】次に、図7および図8に基づき本発明によ
る第4の実施の形態について述べる。そして、第4の実
施の形態の特徴は、第1の実施の形態による回転霧化頭
11の環状凹溝12Hに制限リング17を設けるのに代
え、回転霧化頭の後端の形状を断面円弧状に形成し、回
転霧化頭の後端側に第2の円弧部を直接形成したことに
ある。なお、本実施の形態では前記第1の実施の形態と
同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略す
るものとする。
【0093】51は回転軸9の先端側に高速回転可能に
取付けられた回転霧化頭で、該回転霧化頭51は霧化頭
本体52、ハブ部材53によって構成されている。
【0094】そして、霧化頭本体52は、第1の実施の
形態による霧化頭本体12とほぼ同様に、絶縁性樹脂材
料を用いて形成され、ベルカップ部52A、取付部52
B、環状隔壁52C、塗料薄膜化面52D、塗料放出端
縁52E、雌ねじ部52F、ハブ取付段部52Gを有し
ている。
【0095】しかし、霧化頭本体52は、取付部52B
の後端側に第2の円弧部としての断面円弧状の円弧状端
部52Hが設けられている点で、第1の実施の形態によ
る霧化頭本体12と異なるものである。そして、円弧状
端部52Hの外周面には後述する円弧状膜55が塗布さ
れている。
【0096】一方、ハブ部材53は、第1の実施の形態
によるハブ部材13とほぼ同様に絶縁性樹脂材料を用い
て円板部53Aと筒部53Bとから形成され、第1,第
2のハブ孔53C,53Dが多数個穿設されている。
【0097】54は回転霧化頭51の外周面に膜状に塗
布された霧化頭用半導電性膜で、該霧化頭用半導電性膜
54は、第1の実施の形態による霧化頭用半導電性膜1
4とほぼ同様に霧化頭本体52の取付部52Bの後端か
ら塗料放出端縁52Eにかけて成膜されている。
【0098】55は円弧状端部52Hの外周面に形成さ
れた第2の円弧状膜で、該円弧状膜55は、霧化頭用半
導電性膜54とほぼ同様の半導電性膜が塗布されること
により形成され、霧化頭用半導電性膜54と後述の給電
用半導電性膜56の間に位置して、これらの半導電性膜
54,56に電気的に接続されている。そして、円弧状
端部52Hは、10〜80mmの範囲内で例えば50m
m程度だけ制限リング15と離間し、円弧状膜55を含
めて0.5〜25mm程度の曲率半径をもって形成され
ている。
【0099】56は回転軸9の外周面に膜状に塗布され
た給電用半導電性膜で、該給電用半導電性膜56は、そ
の先端が円弧状膜55に接触し、後端がモータ本体6の
先端近傍に位置している。そして、給電用半導電性膜5
6の後端はモータ本体6の先端面6Dとの間には空中放
電可能な程度の微小隙間をもって離間している。
【0100】かくして、このように構成された本実施の
形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様
の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態で
は回転霧化頭51に第2の円弧状端部52Hを形成した
から、回転霧化頭51の製造時に第2の円弧部を形成す
ることができ、回転霧化頭51の製造工数を削減し、製
造コストを低減することができる。
【0101】なお、第1,第3,第4の実施の形態で
は、モータ本体6の先端側に設けた第1の制限リング1
5,31によって第1の円弧部を形成するものとした
が、エアモータの先端側を直接円弧状に形成するものと
してもよい。
【0102】また、第2の実施の形態では、モータ支持
ケース23の内周面に給電用半導電性膜27を形成する
構成としたが、例えばシェーピングエアリングの一部を
回転霧化頭とエアモータとが対面する位置まで延在させ
ることにより、シェーピングエアリングの内周面に給電
用半導電性膜を形成する構成としてもよい。
【0103】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、回転軸を絶縁性材料を用いて形成したから、塗装
時に回転霧化頭が被塗物等に異常接近した場合でも、回
転軸と被塗物との間で火花放電が発生するのを防止する
ことができ、安全性、信頼性を高めることができる。
【0104】また、カバーの内周面または回転軸の外周
面には給電用半導電性膜を設けると共に、エアモータの
先端と給電用半導電性膜との間に第1の円弧部を設け、
給電用半導電性膜と回転霧化頭に形成した霧化頭用半導
電性膜との間に第2の円弧部を設けたから、回転霧化頭
が被塗物等に急激に接近したときでも、エアモータの先
端と回転霧化頭の後端との間で火花放電が発生するのを
防止することができる。このため、高い塗着効率を維持
しつつ、安全性等をさらに高めることができる。
【0105】また、請求項2の発明によれば、回転軸を
絶縁性のセラミック材料を用いて形成したから、回転軸
から被塗物への放電を防止できると共に、回転軸の強度
を高め、高速で回転する回転軸の変形等を防止すること
ができる。
【0106】また、請求項3の発明によれば、第1,第
2の円弧部を、0.5〜25mmの曲率半径を有する構
成としている。これにより、電界を第1,第2の円弧部
の曲面上に分散して分布させることができ、円弧部の曲
率半径が0.5mmよりも小さいときに比べて、エアモ
ータの先端と回転霧化頭の後端の間での絶縁破壊を生じ
にくくすることができる。また、曲率半径が25mmよ
りも大きいときに比べて、カバー等を小径化することが
でき、回転霧化頭塗装装置を小型化することができる。
【0107】さらに、請求項4の発明によれば、第1の
円弧部と第2の円弧部との間を10〜80mmだけ離間
させたから、第1,第2の円弧部の間を10mmよりも
短く接近させた場合に比べて、エアモータの先端、回転
霧化頭の後端での電界の集中を緩和し、安全性等を高め
ることができる。
【0108】また、請求項5の発明によれば、第1の円
弧部を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第1の円弧部
の外周面に半導電性膜を塗布したから、エアモータに供
給された高電圧は、第1の円弧部の外周に塗布された半
導電性膜を通じて給電用半導電性膜に供給することがで
きる。
【0109】また、請求項6の発明によれば、第2の円
弧部を絶縁性樹脂材料を用いて形成し、該第2の円弧部
の外周面に半導電性膜を塗布したから、エアモータに印
加された高電圧は、給電用半導電性膜を通じて第2の円
弧部に供給されると共に、回転霧化頭側に高電圧を給電
することができる。
【0110】また、請求項7の発明によれば、第1の円
弧部を導電性金属材料を用いて形成したから、エアモー
タに供給された高電圧は、第1の円弧部、給電用半導電
性膜等を通じて回転霧化頭側に供給することができる。
【0111】また、請求項8の発明によれば、第2の円
弧部を導電性金属材料を用いて形成したから、エアモー
タに印加された高電圧は、給電用半導電性膜を通じて第
2の円弧部に供給されると共に、回転霧化頭側に高電圧
を給電することができる。
【0112】また、請求項9の発明によれば、カバーの
内周面に給電用半導電性膜を塗布した場合において、第
1,第2の円弧部は該カバーと同一の材料を用いて形成
し、これら第1,第2の円弧部に半導電性膜を塗布した
から、カバーと第1,第2の円弧部とを一体形成するこ
とができ、カバーと第1,第2の円弧部とを別途形成し
た場合に比較して生産性を向上することができる。
【0113】また、請求項10の発明によれば、回転軸
の外周面に給電用半導電性膜を設け、絶縁性樹脂材料か
らなる回転霧化頭の外周面には霧化頭用半導電性膜を設
けると共に、エアモータの先端側に第1の円弧部を設
け、霧化頭用半導電性膜の後端側に第2の円弧部を設け
る構成としている。これにより、回転霧化頭が被塗物等
に異常接近したときでも、着火等が生じることがなく、
安全性、信頼性を高めることができる。
【0114】また、請求項11の発明によれば、カバー
の内周面に給電用半導電性膜を設け、絶縁性樹脂材料か
らなる回転霧化頭の外周面には霧化頭用半導電性膜を設
けると共に、エアモータの先端側に第1の円弧部を設
け、霧化頭用半導電性膜の後端側に第2の円弧部を設け
る構成としているから、安全性、信頼性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置を示す縦断面図である。
【図2】図1中の回転霧化頭型塗装装置の要部を示す縦
断面図である。
【図3】図2中のa部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置の要部を示す縦断面図である。
【図5】図4中のb部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による第1,第2の
制限リング等を拡大して示す図3とほぼ同様位置の要部
拡大縦断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による回転霧化頭型
塗装装置の要部を示す縦断面図である。
【図8】図7中のc部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【符号の説明】 1,21 カバー 2,22 カバー筒 3,23 モータ支持ケース 4,24 シェーピングエアリング 5 エアモータ 6 モータ本体 9 回転軸 11,28,51 回転霧化頭 12,29,52 霧化頭本体 12E,29E,52E 塗料放出端縁 13,30,53 ハブ部材 14,31,54 霧化頭用半導電性膜 15,41 第1の制限リング(第1の円弧部) 16,25,42 第1の円弧状膜 17 第2の制限リング(第2の円弧部) 18,26,55 第2の円弧状膜 19,27,56 給電用半導電性膜 23D 第1の円弧状段部(第1の円弧部) 23E 第2の円弧状段部(第2の円弧部) 52H 円弧状端部(第2の円弧部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨーゼフ ヴィットマン ドイツ連邦共和国 D−68766 ホッケン ハイム ラートハウスシュトラッセ 37 (72)発明者 三井 三千雄 東京都港区赤坂5丁目2番39号 エービー ビー・インダストリー株式会社内 (72)発明者 永井 公好 東京都港区赤坂5丁目2番39号 エービー ビー・インダストリー株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AA10 AA31 AA80 4F034 AA04 BA23 BB01 BB02 BB14 BB21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性樹脂材料を用いて筒状に形成され
    たカバーと、 該カバー内に設けられ導電性金属材料を用いて形成され
    たエアモータと、 絶縁性材料によって形成され、該エアモータの軸方向に
    挿通されて該エアモータによって回転せしめられる回転
    軸と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料を用い
    て後端が取付部となると共に前端が塗料放出端縁となっ
    たベル形に形成され、前記エアモータの先端から軸方向
    に離間した状態で該取付部によって前記回転軸に設けら
    れた回転霧化頭と、 エアモータの先端と回転霧化頭の後端との間でカバーの
    内周面または回転軸の外周面に設けられ、エアモータに
    印加された高電圧を回転霧化頭に給電する給電用半導電
    性膜と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記エア
    モータの先端と給電用半導電性膜との間に設けられた第
    1の円弧部と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記給電
    用半導電性膜と回転霧化頭の後端側との間に設けられた
    第2の円弧部とから構成してなる回転霧化頭型塗装装
    置。
  2. 【請求項2】 前記回転軸は絶縁性のセラミック材料を
    用いて形成してなる請求項1に記載の回転霧化頭型塗装
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第1,第2の円弧部は、0.5〜2
    5mmの曲率半径を有してなる請求項1に記載の回転霧
    化頭型塗装装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の円弧部と第2の円弧部との間
    は、10〜80mmの寸法で離間させてなる請求項1に
    記載の回転霧化頭型塗装装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の円弧部は絶縁性樹脂材料を用
    いて形成し、該第1の円弧部の外周面に半導電性膜を塗
    布してなる請求項1,2,3または4に記載の回転霧化
    頭型塗装装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の円弧部は絶縁性樹脂材料を用
    いて形成し、該第2の円弧部の外周面に半導電性膜を塗
    布してなる請求項1,2,3または4に記載の回転霧化
    頭型塗装装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の円弧部は導電性金属材料を用
    いて形成してなる請求項1,2,3または4に記載の回
    転霧化頭型塗装装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の円弧部は導電性金属材料を用
    いて形成してなる請求項1,2,3または4に記載の回
    転霧化頭型塗装装置。
  9. 【請求項9】 前記カバーの内周面に給電用半導電性膜
    を塗布した場合において、前記第1,第2の円弧部は該
    カバーと同一の材料を用いて形成し、これら第1,第2
    の円弧部の外周面に半導電性膜を塗布してなる請求項
    1,2,3または4に記載の回転霧化頭型塗装装置。
  10. 【請求項10】 絶縁性樹脂材料を用いて筒状に形成さ
    れたカバーと、 該カバー内に設けられ導電性金属材料を用いて形成され
    たエアモータと、 絶縁性材料を用いて形成され、該エアモータの軸方向に
    挿通されて該エアモータによって回転せしめられる回転
    軸と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料を用い
    て後端が取付部となると共に前端が塗料放出端縁となっ
    たベル形に形成され、前記エアモータの先端から軸方向
    に離間した状態で該取付部によって該回転軸に設けられ
    た回転霧化頭と、 エアモータの先端と回転霧化頭の後端との間で回転軸の
    外周面に設けられ、エアモータに印加された高電圧を回
    転霧化頭に給電する給電用半導電性膜と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記エア
    モータの先端と給電用半導電性膜との間に設けられた第
    1の円弧部と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記給電
    用半導電性膜と回転霧化頭の後端側との間に設けられた
    第2の円弧部とから構成してなる回転霧化頭型塗装装
    置。
  11. 【請求項11】 絶縁性樹脂材料を用いて筒状に形成さ
    れたカバーと、 該カバー内に設けられ導電性金属材料を用いて形成され
    たエアモータと、 絶縁性材料によって形成され、該エアモータの軸方向に
    挿通されて該エアモータによって回転せしめられる回転
    軸と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料を用い
    て後端が取付部となると共に前端が塗料放出端縁となっ
    たベル形に形成され、前記エアモータの先端から軸方向
    に離間した状態で該取付部によって該回転軸に設けられ
    た回転霧化頭と、 エアモータの先端と回転霧化頭の後端との間でカバーの
    内周面に設けられ、エアモータに印加された高電圧を回
    転霧化頭に給電する給電用半導電性膜と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記エア
    モータの先端と給電用半導電性膜との間に設けられた第
    1の円弧部と、 外周面に半導電性膜が塗布された絶縁性樹脂材料または
    導電性金属材料を用いてリング状に形成され、前記給電
    用半導電性膜と回転霧化頭の後端側との間に設けられた
    第2の円弧部とから構成してなる回転霧化頭型塗装装
    置。
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