JPH11285609A - 自動車用円筒型エアフィルタの成形方法 - Google Patents

自動車用円筒型エアフィルタの成形方法

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JPH11285609A
JPH11285609A JP10865198A JP10865198A JPH11285609A JP H11285609 A JPH11285609 A JP H11285609A JP 10865198 A JP10865198 A JP 10865198A JP 10865198 A JP10865198 A JP 10865198A JP H11285609 A JPH11285609 A JP H11285609A
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cylindrical air
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高さ方向の剛性が保持されると共に、ろ材の外
周面と内周面とのエアの気密性が保持される自動車用円
筒型エアフィルタを提供する。 【解決手段】ろ材Pが蛇腹状に折りたたまれて、略方形
状に成形されたフィルタ本体原体A0 の4辺の各周縁部
に、可撓性を備えた接合板2及び気密保持板3を固着さ
せると共に、前記ろ材Pの折りたたみ方向Qに沿って1
ないし複数本の中間リブ4を固着させて形成したフィル
タ本体A1 を、前記ろ材Pが折りたたまれることによっ
て形成されたひだ部の稜線1と平行に設けられた軸心C
1 を中心に丸め、両端の接合板2を接合させることによ
って円筒状に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車におけ
るエンジンの気化器にエアを導入する際に、該エア内の
塵埃を除去するための自動車用円筒型エアフィルタ、及
びその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14に示されるように、自動車におけ
るエンジンEの気化器(図示せず)には、ガソリンと共
に大気から吸引されたエアが導入される。このエアの量
は、ガソリン1リットルに対し、5000〜10000
リットルという膨大な量である。そのため、予めエア内
に浮遊する塵埃を除去して、エンジンEのシリンダ等が
損傷されることを防止する必要がある。通常の場合、前
記塵埃を除去するために乾式のエアフィルタが使用され
る。このエアフィルタには、自動車の排気量、設置場所
等に応じて各種の形状のものが存しているが、近時、ろ
過面積を大きくさせた状態で全体形状をコンパクトにす
ることができるという理由から、円筒型エアフィルタ
F’が多く使用されている。
【0003】図15に、従来の円筒型エアフィルタF’
を示す。この円筒型エアフィルタF’を構成するろ材5
1は円筒形状を成していて、その軸心C’から半径方向
に沿って多数のひだ部が放射状に突出されている。この
ろ材51の材質は、不織布、紙、ガラス繊維等である。
ろ材51の上端面と下端面が、金属から成るリング状の
上下の各蓋体52a,52b に固着される。更に、ろ材5
1の外周面と内周面が、それぞれ金網から成る外側及び
内側の各補強メッシュ53a,53b によって被覆されて
いる。このため、該円筒型エアフィルタF’における高
さ方向の剛性が保持される。この円筒型エアフィルタ
F’が、図14に示されるように、フィルタケース54
に内装される。該フィルタケース54の外壁部に設けら
れたエア供給筒54aから導入されたエアが、ろ材51
の外周面から内周面に通過される際にエア内の塵埃がろ
過されて除去される。そして、清浄なエアのみがエンジ
ンEに導入される。
【0004】図15及び図16を参照しながら、従来の
円筒型エアフィルタF’の成形方法について説明する。
ろ材51が蛇腹状に折りたたまれて、フィルタ本体原体
が形成される。そして、該フィルタ本体原体が、ろ材5
1における多数のひだ部の稜線51aに沿って設けられ
た軸心C’を中心に丸められ、その両端部が接合される
ことにより、円筒形状に成形される。しかし、該ろ材5
1が不織布等の軟弱材から成る場合、上記した方法で成
形されたフィルタ本体A’における高さ方向の剛性が不
足するため、該ろ材51の外周面部及び内周面部に、そ
れぞれ金網から成る外側及び内側の各補強メッシュ53
a,53b が取付けられる。そのため、多数の工数が必要
である。また、ろ材51における上下の各蓋体52a,5
2b の部分の気密性を保持させるため、当該部分には大
量の接着剤が注入される。この接着剤を固化させるため
に長時間を必要としており、作業効率が悪い。
【0005】上記した円筒型エアフィルタF’における
高さ方向の剛性を確保するために、ろ材51の外周縁部
にリブ55が固着される場合がある。金型によって、リ
ブ55を固着させる場合について説明する。図16に示
されるように、軸心C’に対して放射状に多数の突起部
56が突出された内型57の外周面に、蛇腹状に形成さ
れたろ材51が巻き付けられ、両端部が接合される。そ
して、その外側から、該ろ材51の多数のひだ部に対応
する外型58が嵌め込まれる。この外型58は、リブ5
5を固着させた後、容易に取り外すことができるように
多数に分割されている。また、該外型58には、溶融樹
脂を射出させるための射出孔(図示せず)が設けられて
いる。内型57に巻き付けられたろ材51のひだ部に、
外型58が装着され、溶融樹脂が射出される。該溶融樹
脂が固化された後、多数の外型58が取り外されると共
に、内型57が抜き取られる。
【0006】上記した金型(内型57と外型58)の構
成は、極めて複雑なものであると共に、その成形方法は
極めて面倒である。そのため、金型の製作費用が極めて
高価になるという不具合が存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した不
具合に鑑み、円筒型エアフィルタが簡単に成形できるよ
うにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、エンジンの気化器に導入されるエア内の塵
埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能に組み
込まれる自動車用円筒型エアフィルタであって、横断面
視において、ろ材の多数のひだ部が放射状に突出された
状態で円筒状に形成されたフィルタ本体における高さ方
向の上下端部又は中央部の少なくとも一か所に、その外
周縁部に沿ってリブを固着させたことを特徴としてい
る。
【0009】また、エンジンの気化器に導入されるエア
内の塵埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能
に組み込まれる自動車用円筒型エアフィルタの成形方法
であって、ろ材が蛇腹状に折りたたまれて、略方形状に
成形されたフィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ
方向に沿って可撓性を備えた1ないし複数本のリブを固
着してフィルタ本体を形成し、該フィルタ本体を、前記
ろ材の稜線と平行に設けられた軸心を中心に丸めた後、
ろ材の折りたたみ方向の両端部を接合させることによっ
て、円筒状に成形されることを特徴としている。
【0010】ろ材が蛇腹状に折りたたまれ、略方形状に
成形されたフィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ
方向に沿って1ないし複数本のリブが固着されて、フィ
ルタ本体が形成されている。このリブは軟質材で可撓性
を備えているため、前記フィルタ本体は、ほぼ任意の形
状に変形可能である。このフィルタ本体が、前記ろ材の
稜線と平行に設けられた軸心を中心に丸められ、前記ろ
材の折りたたみ方向の両端部が接合されることによって
円筒状に成形される。このようにして成形された円筒型
エアフィルタにおける多数のひだ部の外周面には、1な
いし複数本のリブが固着されているため、そのままの状
態で高さ方向の剛性が保持される。
【0011】前記フィルタ本体の4辺の各周縁部に、可
撓性を備えた枠材単体が、該フィルタ本体の各コーナー
部において互いに分離された状態で枠状に固着されてい
る場合、該フィルタ本体が円筒状に成形された際に、そ
の上下の各端部にリブが固着される。そのため、該円筒
型エアフィルタがフィルタケースに内装された際に、そ
の上下端部において、エアの気密性が保持される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例の円筒型
エアフィルタF1 の斜視図、図2は第1実施例の円筒型
エアフィルタF1 を構成するフィルタ本体A1 の斜視
図、図3は同じく平面図、図4は図3のX1 −X1 線断
面図、図5は同じくX2 −X2 線断面図、図6はフィル
タ本体A1 を軸心C1 を中心に丸める状態の平面図、図
7は図6の斜視図である。
【0013】図1ないし図5を参照しながら、第1実施
例の円筒型エアフィルタF1 について説明する。最初
に、この円筒型エアフィルタF1 の成形方法について説
明する。図2ないし図4に示されるように、ろ材Pが蛇
腹状に折りたたまれて、多数のひだ部が設けられた略方
形状のフィルタ本体原体A0 が形成されている。このろ
材Pの材質は、不織布、紙、ガラス繊維等である。射出
成形機により、このフィルタ本体原体A0 におけるろ材
Pの折りたたみ方向Qの両端部に、接合板2が固着さ
れ、フィルタ本体A1 が形成される。該接合板2は、可
撓性を備えた軟質の樹脂より成り、ろ材Pの両端部にお
ける幅方向(ろ材Pの折りたたみ方向Qと直交する方
向)の剛性を補強するという機能を有している。更に、
フィルタ本体A1 におけるろ材Pの幅方向の両側部に
は、気密保持板3が固着されている。この気密保持板3
は、前記接合板2と同様に可撓性を備えた軟質の樹脂よ
り成り、その高さは各ひだ部の稜線1の高さよりも僅か
に高い。該気密保持板3は、フィルタ本体原体A0 にお
ける折りたたみ方向Qに沿った長さを一定に保持させる
と共に、円筒形状に成形されたエアフィルタF1 の高さ
方向の上下端部におけるエアの気密を保持するという機
能を有している。
【0014】フィルタ本体A1 におけるひだ部の一方側
の面には、ろ材Pの折りたたみ方向Qに沿って2本の中
間リブ4が、各気密保持板3から一定の間隔をおいて固
着されている。2本の中間リブ4は、上記した接合板
2、気密保持板3と同様に可撓性を備えた軟質の樹脂よ
り成る。そして、各中間リブ4の長さは、前記気密保持
板3よりも少し短い。ろ材Pの折りたたみ方向Qに沿っ
て接合板2と各中間リブ4が固着されていることによ
り、フィルタ本体A1 におけるろ材Pの折りたたみピッ
チ(多数のひだ部の稜線1どうしの間隔)が一定に保持
される。各中間リブ4におけるろ材Pの折りたたみ方向
Qの両端部は、前記接合板2から分離された状態で固着
されている。このように、各接合板2、各気密保持板3
及び各中間リブ4は、いずれも可撓性を備えていると共
に、それぞれ分離された状態で固着されているため、フ
ィルタ本体A1 は、ほぼ任意の形状に変形可能である。
【0015】このフィルタ本体A1 が、図6及び図7に
示されるように、各ひだ部の稜線1と平行に設けられた
軸心C1 を中心に丸められる。この軸心C1 は、フィル
タ本体A1 において各中間リブ4が固着された側の反対
側に設けられる。その際、ろ材Pの幅方向の両側部(上
下端部)に位置される気密保持板3と、フィルタ本体A
1 の折りたたみ方向Qに沿って固着された2本の中間リ
ブ4とが、それぞれの水平面内で同時に丸められる。そ
の状態を、図6に二点鎖線で示す。この途中の状態の軸
心を、符号C2 で示す。そして、ろ材Pの折りたたみ方
向Qの両端部に固着された各接合板2どうしが重ね合わ
せられ、両者が接合される。同時に、上下の各気密保持
板3の端面どうしが接合される。その状態を、図6に一
点鎖線で示す。各接合板2及び各気密保持板3は、振動
溶着、超音波溶着、接着剤、又は別体のファスナー部材
(図示せず)等の手段によって接合される。こうするこ
とによって、図1に示されるように、フィルタ本体A1
は円筒形状に成形され、その外周面に軸心C1 から放射
状に突出された多数のひだ部が形成される。各接合板2
どうしが重ね合わせられて接合されると共に、上下の気
密保持板3の端面どうしが接合されることにより、当該
部分におけるエアの気密性が保持される。ろ材Pの幅方
向の両側部に固着された各気密保持板3が、それぞれの
水平面内で軸心C1 を中心に丸められることにより、円
筒型エアフィルタF1 における上下の各リブ5a,5b が
形成される。
【0016】このようにして成形された円筒型エアフィ
ルタF1 は、その外周縁部に円周方向に沿って2本の中
間リブ4が、高さ方向に所定の間隔をおいて固着されて
いる。そのため、各ひだ部の折りたたみピッチが一定に
保持され、各ひだ部どうしが密着されることはなく、ろ
過効率が低下することはない。また、該円筒型エアフィ
ルタF1 の接合部は、接合板2によって接合されてい
る。そのため、該フィルタF1 の高さ方向の剛性が補強
されると共に、前記接合部においてエアの気密性が保持
される。更に、該円筒型エアフィルタF1 の中央部に
は、2枚の中間リブ4が固着されていることにより、該
円筒型エアフィルタF1 における上下の各リブ5a,5b
と前記中間リブ4との間隔が極めて短くなり、該フィル
タF1 が座屈することが防止される。その結果、該円筒
型エアフィルタF1 の高さ方向の剛性が大きくなり、ろ
材Pが軟弱材であっても座屈が生じない。上記した上下
の各リブ5a,5b (気密保持板3)及び中間リブ4は、
それらの外周縁部と内周縁部に予め切欠部(図示せず)
を設けておくことにより、容易に丸められる。
【0017】この円筒型エアフィルタF1 の作用につい
て説明する。図8ないし図10に示されるように、この
円筒型エアフィルタF1 が、フィルタケース6に内装さ
れる。該フィルタケース6の底面部には、台座部7が設
けられている。台座部7の外周縁部には、上方に突出す
るガイド部7aが設けられていて、該台座部7は短円筒
形状を成している。この台座部7に、円筒型エアフィル
タF1 の下側リブ5bが、ほとんど隙間なく嵌まり込ん
で載置される。そのため、台座部7の軸心は、円筒型エ
アフィルタF1 の軸心C1 とほぼ同一である。その際、
下側リブ5bが前記ガイド部7aによりガイドされるた
め、前記円筒型エアフィルタF1 が水平方向に移動する
ことが抑止される。フィルタケース6の外周面には、平
面視における該フィルタケース6の接線方向に沿ってエ
ア供給筒8が設けられている。そして、前記台座部7の
軸心(C1 )は、フィルタケース6の軸心C3 よりもず
れた位置に設けられている。このため、前記エア供給筒
8を介して導入されたエアが、円筒型エアフィルタF1
の外周面に沿って周回され、予めエア内の大きな塵埃が
外側に飛ばされるという効果が奏される。
【0018】上記したフィルタケース6には、円筒型エ
アフィルタF1 が内装された状態で蓋体9が装着され
る。この蓋体9の下面には、リング状の押圧部9aが設
けられている。この押圧部9aの軸心は、前記台座部7
の軸心(C1 )と同一直線上に配置されている。そし
て、該蓋体9の上面における軸心(C1 )の直上には、
エア流出筒11が設けられている。この蓋体9がフィル
タケース6に装着される際に、前記蓋体9の押圧部9a
が、フィルタケース6に内装された円筒型エアフィルタ
1 の上側リブ5aを押圧する。そして、前記円筒型エ
アフィルタF1 の下側リブ5bは、台座部7に押圧され
る。その結果、円筒型エアフィルタF1 の上下の各端部
におけるエアの気密性が保持され、当該部分においてエ
アが漏れることはない。また、この円筒型エアフィルタ
1 におけるろ材Pの外周面には、2本の中間リブ4が
固着されているため、該フィルタF1 が押圧されても、
座屈することはない。
【0019】エア供給筒8からフィルタケース6の内部
に導入されたエア内の塵埃は、円筒型エアフィルタF1
の外周面と前記フィルタケース6の内壁面との間の部分
を周回する間に、多数のひだ部と衝突する。そして、エ
ア内の塵埃が多数のひだ部によってろ過され、清浄なエ
アのみが円筒型エアフィルタF1 の内周面の部分に通過
される。この清浄なエアのみが、エア流出筒11からエ
ンジンE(図14参照)の気化器に導入される。
【0020】次に、図11を参照しながら、第2実施例
の円筒型エアフィルタF2 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF2 は、上下の各リブ5a,5b
が固着されていて、中間リブ4が固着されていない場合
である。この実施例の場合、第1実施例の円筒型エアフ
ィルタF1 と同様に、フィルタ本体A2 が軸心C1 を中
心に丸められ、ろ材Pの折りたたみ方向Qの両端部に固
着された接合板2どうし、及びろ材Pの幅方向の両側部
に固着された気密保持板3の端面どうしが重ね合わせら
れて接合される。この実施例のろ材Pは、それ自身が剛
性を備えているため、そのままの状態で円筒型エアフィ
ルタF2 の高さ方向の剛性が確保される。そのため、中
間リブ4が不要である。各接合板2及び各気密保持板3
は、振動溶着、超音波溶着、接着剤等の手段によって接
合されるため、当該部分におけるエアの気密性が保持さ
れる。
【0021】次に、図12を参照しながら、第3実施例
の円筒型エアフィルタF3 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF3 は、上下の各リブ5a,5b
が固着されておらず、2本の中間リブ4のみが固着され
た場合である。第1実施例の円筒型エアフィルタF1
同様に、フィルタ本体A3 が軸心C1 を中心に丸めら
れ、ろ材Pの折りたたみ方向Qの両端部に固着された接
合板2どうしが重ね合わせられて接合される。各接合板
2は、振動溶着等の手段によって接合されるため、当該
部分におけるエアの気密性が保持される。更に、該フィ
ルタ本体A3 の上下端部に、それぞれキャップ12が嵌
まり込む。このキャップ12は、リング状の平板から成
るキャップ本体12aと、その一方側の面に前記キャッ
プ本体12aと同軸にして取付けられたフィルタ支持部
12bとから構成されている。フィルタ支持部12bは
円筒形状を成しており、フィルタ本体A3 の内周面にほ
とんど隙間なく嵌め込まれる。また、キャップ本体12
aの外径は、フィルタ本体A3 における多数のひだ部の
外径よりも僅かに大きい。このキャップ12におけるフ
ィルタ支持部12bが、フィルタ本体A3 の上下端部に
装着される。そして、フィルタ本体A3 の上下端部と、
該キャップ12のキャップ本体12aとの当接部に接着
剤が流し込まれ、両者が接合される。フィルタ本体A3
の上下端部が、キャップ12と密着状態で接合されるこ
とにより、当該部分におけるエアの気密性が保持され
る。この実施例の場合、上下のキャップ12における各
フィルタ支持部12bが、フィルタ本体A3 の内周面に
嵌まり込むと共に、フィルタ本体A3 に2本の中間リブ
4が固着されているため、ろ材Pが不織布等の軟弱材で
あっても、高さ方向の剛性が保持される。
【0022】次に、図13を参照しながら、第4実施例
の円筒型エアフィルタF4 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF4 は、ろ材Pが蛇腹状に折り
たたまれて形成されたフィルタ本体A4 の上下の端部
に、上記した各キャップ12が嵌め込まれていると共
に、該フィルタ本体A4 に別体の中間リブ13が装着さ
れて固着された場合である。別体の中間リブ13につい
て説明する。この中間リブ13は樹脂より成る。そし
て、その軸心方向には、フィルタ本体A4 における多数
のひだ部に対応する抜き孔部13aが設けられている。
1ないし複数枚の中間リブ13が、フィルタ本体A4
軸心C1 の方向に沿って嵌め込まれ、接着剤等の手段に
よって固着される。こうすることによって、フィルタ本
体A4 の高さ方向の剛性が保持される。この実施例の場
合、軟弱材より成るフィルタ本体A4 であっても、従来
のように補強のためのメッシュ(図15参照)を取付け
ることなく、高さ方向の剛性を保持させることができ
る。
【0023】上記したように、本発明に係る円筒型エア
フィルタの成形方法では、従来とほとんど同一の手段で
成形されたフィルタ本体を丸め、その両端部を接合する
ことのみによって円筒形状に成形させることができるた
め、極めて容易に成形できる。しかも、前記フィルタ本
体における上下端部、又は中央部の少なくとも一か所に
リブが固着されているため、円筒型エアフィルタにおけ
る高さ方向の剛性が保持される。
【0024】上記した第4実施例のフィルタ本体A
4 (図13参照)の上端部を、その軸心C1 に向かって
すぼめると共に、その下端部を軸心C1 から遠ざかるよ
うに広げることにより、かさ歯車形状としてもよい。こ
の場合、エアフィルタが円錐形状となるため、円筒型エ
アフィルタでは装着できないような狭隘な部位に装着す
ることが可能である。
【0025】本発明に係る自動車用円筒型エアフィルタ
は、自動車におけるエア内の塵埃を除去する場合以外に
も使用可能である。例えば、自動車におけるエア内の砂
を除去する場合、または、自動車以外の用途として、汚
水、ジュース、オイル等の液体内の夾雑物をろ過する場
合に使用しても構わない。また、花粉等の除去にも使用
可能である。更に、該円筒型エアフィルタを構成するろ
材に活性炭を混入させることにより、悪臭等の除去にも
使用可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明の自動車用円筒型エアフィルタ
は、エンジンの気化器に導入されるエア内の塵埃を除去
するためにフィルタケース内に交換可能に組み込まれる
自動車用円筒型エアフィルタであって、横断面視におい
て、ろ材の多数のひだ部が放射状に突出された状態で円
筒状に形成されたフィルタ本体における高さ方向の上下
端部又は中央部の少なくとも一か所に、その外周縁部に
沿ってリブを固着させたことを特徴としている。そのた
め、ろ材が軟弱材である場合でも、そのままの状態でエ
アフィルタの高さ方向の剛性が保持され、従来のように
メッシュ等の補強部材を装着させる必要がない。
【0027】また、その成形方法は、エンジンの気化器
に導入されるエア内の塵埃を除去するためにフィルタケ
ース内に交換可能に組み込まれる自動車用円筒型エアフ
ィルタの成形方法であって、ろ材が蛇腹状に折りたたま
れて、略方形状に成形されたフィルタ本体原体に、前記
ろ材の折りたたみ方向に沿って可撓性を備えた1ないし
複数本のリブを固着してフィルタ本体を形成し、該フィ
ルタ本体を、前記ろ材の稜線と平行に設けられた軸心を
中心に丸めた後、ろ材の折りたたみ方向の両端部を接合
させることによって、円筒状に成形されることを特徴と
している。このため、ろ材のひだ部の外周面がリブによ
って補強された円筒型エアフィルタの成形を、極めて容
易に行うことができる。そして、前記フィルタ本体の成
形方法は、従来の成形方法とほとんど同一であり、新た
な設備は不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の円筒型エアフィルタF1
の斜視図である。
【図2】第1実施例の円筒型エアフィルタF1 を構成す
るフィルタ本体A1 の斜視図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図3のX1 −X1 線断面図である。
【図5】同じくX2 −X2 線断面図である。
【図6】フィルタ本体A1 を軸心C1 を中心に丸める状
態の平面図である。
【図7】図6の斜視図である。
【図8】本発明の第1実施例の円筒型エアフィルタF1
を、フィルタケース6に内装させる状態の側面図であ
る。
【図9】図8のY−Y線断面図である。
【図10】図9のZ−Z線断面図である。
【図11】第2実施例の円筒型エアフィルタF2 の斜視
図である。
【図12】第3実施例の円筒型エアフィルタF3 を構成
するフィルタ本体A2 と、上下の各キャップ12とを分
離させた状態の斜視図である。
【図13】第4実施例の円筒型エアフィルタF4 を構成
するフィルタ本体A4 と、上下の各キャップ12及び別
体の中間リブ13とを分離させた状態の斜視図である。
【図14】円筒型エアフィルタF’によって塵埃が除去
されたエアが、エンジンEの気化器に導入される状態の
概略斜視図である。
【図15】一部を破断した従来の円筒型エアフィルタ
F’の斜視図である。
【図16】金型による従来の円筒型エアフィルタF’の
成形方法の概略図である。
【符号の説明】
0 :フィルタ本体原体 A1 〜A4 :フィルタ本体 C1 :軸心 E:エンジン F1 〜F4 :円筒型エアフィルタ P:ろ材 Q:折りたたみ方向 1:稜線 2:接合板(枠材単体) 3:気密保持板(枠材単体) 4,13:中間リブ 5a:上側リブ 5b:下側リブ 6:フィルタケース
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動車用円筒型エアフィルタの成形
方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車におけ
るエンジンの気化器にエアを導入する際に、該エア内の
塵埃を除去するための自動車用円筒型エアフィルタの成
形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14に示されるように、自動車におけ
るエンジンEの気化器(図示せず)には、ガソリンと共
に大気から吸引されたエアが導入される。このエアの量
は、ガソリン1リットルに対し、5000〜10000
リットルという膨大な量である。そのため、予めエア内
に浮遊する塵埃を除去して、エンジンEのシリンダ等が
損傷されることを防止する必要がある。通常の場合、前
記塵埃を除去するために乾式のエアフィルタが使用され
る。このエアフィルタには、自動車の排気量、設置場所
等に応じて各種の形状のものが存しているが、近時、ろ
過面積を大きくさせた状態で全体形状をコンパクトにす
ることができるという理由から、円筒型エアフィルタ
F’が多く使用されている。
【0003】図15に、従来の円筒型エアフィルタF’
を示す。この円筒型エアフィルタF’を構成するろ材5
1は円筒形状を成していて、その軸心C’から半径方向
に沿って多数のひだ部が放射状に突出されている。この
ろ材51の材質は、不織布、紙、ガラス繊維等である。
ろ材51の上端面と下端面が、金属から成るリング状の
上下の各蓋体52a,52b に固着される。更に、ろ材5
1の外周面と内周面が、それぞれ金網から成る外側及び
内側の各補強メッシュ53a,53b によって被覆されて
いる。このため、該円筒型エアフィルタF’における高
さ方向の剛性が保持される。この円筒型エアフィルタ
F’が、図14に示されるように、フィルタケース54
に内装される。該フィルタケース54の外壁部に設けら
れたエア供給筒54aから導入されたエアが、ろ材51
の外周面から内周面に通過される際にエア内の塵埃がろ
過されて除去される。そして、清浄なエアのみがエンジ
ンEに導入される。
【0004】図15及び図16を参照しながら、従来の
円筒型エアフィルタF’の成形方法について説明する。
ろ材51が蛇腹状に折りたたまれて、フィルタ本体原体
が形成される。そして、該フィルタ本体原体が、ろ材5
1における多数のひだ部の稜線51aに沿って設けられ
た軸心C’を中心に丸められ、その両端部が接合される
ことにより、円筒形状に成形される。しかし、該ろ材5
1が不織布等の軟弱材から成る場合、上記した方法で成
形されたフィルタ本体A’における高さ方向の剛性が不
足するため、該ろ材51の外周面部及び内周面部に、そ
れぞれ金網から成る外側及び内側の各補強メッシュ53
a,53b が取付けられる。そのため、多数の工数が必要
である。また、ろ材51における上下の各蓋体52a,5
2b の部分の気密性を保持させるため、当該部分には大
量の接着剤が注入される。この接着剤を固化させるため
に長時間を必要としており、作業効率が悪い。
【0005】上記した円筒型エアフィルタF’における
高さ方向の剛性を確保するために、ろ材51の外周縁部
にリブ55が固着される場合がある。金型によって、リ
ブ55を固着させる場合について説明する。図16に示
されるように、軸心C’に対して放射状に多数の突起部
56が突出された内型57の外周面に、蛇腹状に形成さ
れたろ材51が巻き付けられ、両端部が接合される。そ
して、その外側から、該ろ材51の多数のひだ部に対応
する外型58が嵌め込まれる。この外型58は、リブ5
5を固着させた後、容易に取り外すことができるように
多数に分割されている。また、該外型58には、溶融樹
脂を射出させるための射出孔(図示せず)が設けられて
いる。内型57に巻き付けられたろ材51のひだ部に、
外型58が装着され、溶融樹脂が射出される。該溶融樹
脂が固化された後、多数の外型58が取り外されると共
に、内型57が抜き取られる。
【0006】上記した金型(内型57と外型58)の構
成は、極めて複雑なものであると共に、その成形方法は
極めて面倒である。そのため、金型の製作費用が極めて
高価になるという不具合が存する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した不
具合に鑑み、円筒型エアフィルタが簡単に成形できるよ
うにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、エンジンの気化器に導入されるエア内の塵
埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能に組み
込まれる自動車用円筒型エアフィルタの成形方法であっ
て、ろ材が蛇腹状に折りたたまれて、略方形状に成形さ
れたフィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ方向に
沿って可撓性を備えた1ないし複数本のリブを固着して
フィルタ本体を形成し、該フィルタ本体を、前記ろ材の
稜線と平行に設けられた軸心を中心に丸めた後、ろ材の
折りたたみ方向の両端部を接合させることによって、円
筒状に成形されることを特徴としている。
【0009】ろ材が蛇腹状に折りたたまれ、略方形状に
成形されたフィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ
方向に沿って1ないし複数本のリブが固着されて、フィ
ルタ本体が形成されている。このリブは軟質材で可撓性
を備えているため、前記フィルタ本体は、ほぼ任意の形
状に変形可能である。このフィルタ本体が、前記ろ材の
稜線と平行に設けられた軸心を中心に丸められ、前記ろ
材の折りたたみ方向の両端部が接合されることによって
円筒状に成形される。このようにして成形された円筒型
エアフィルタにおける多数のひだ部の外周面には、1な
いし複数本のリブが固着されているため、そのままの状
態で高さ方向の剛性が保持される。
【0010】前記フィルタ本体の4辺の各周縁部に、可
撓性を備えた枠材単体が、該フィルタ本体の各コーナー
部において互いに分離された状態で枠状に固着されてい
る場合、該フィルタ本体が円筒状に成形された際に、そ
の上下の各端部にリブが固着される。そのため、該円筒
型エアフィルタがフィルタケースに内装された際に、そ
の上下端部において、エアの気密性が保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例の円筒型
エアフィルタF1 の斜視図、図2は第1実施例の円筒型
エアフィルタF1 を構成するフィルタ本体A1 の斜視
図、図3は同じく平面図、図4は図3のX1 −X1 線断
面図、図5は同じくX2 −X2 線断面図、図6はフィル
タ本体A 1 を軸心C1 を中心に丸める状態の平面図、図
7は図6の斜視図である。
【0012】図1ないし図5を参照しながら、第1実施
例の円筒型エアフィルタF1 について説明する。最初
に、この円筒型エアフィルタF1 の成形方法について説
明する。図2ないし図4に示されるように、ろ材Pが蛇
腹状に折りたたまれて、多数のひだ部が設けられた略方
形状のフィルタ本体原体A0 が形成されている。このろ
材Pの材質は、不織布、紙、ガラス繊維等である。射出
成形機により、このフィルタ本体原体A0 におけるろ材
Pの折りたたみ方向Qの両端部に、接合板2が固着さ
れ、フィルタ本体A1 が形成される。該接合板2は、可
撓性を備えた軟質の樹脂より成り、ろ材Pの両端部にお
ける幅方向(ろ材Pの折りたたみ方向Qと直交する方
向)の剛性を補強するという機能を有している。更に、
フィルタ本体A 1 におけるろ材Pの幅方向の両側部に
は、気密保持板3が固着されている。この気密保持板3
は、前記接合板2と同様に可撓性を備えた軟質の樹脂よ
り成り、その高さは各ひだ部の稜線1の高さよりも僅か
に高い。該気密保持板3は、フィルタ本体原体A0 にお
ける折りたたみ方向Qに沿った長さを一定に保持させる
と共に、円筒形状に成形されたエアフィルタF1 の高さ
方向の上下端部におけるエアの気密を保持するという機
能を有している。
【0013】フィルタ本体A1 におけるひだ部の一方側
の面には、ろ材Pの折りたたみ方向Qに沿って2本の中
間リブ4が、各気密保持板3から一定の間隔をおいて固
着されている。2本の中間リブ4は、上記した接合板
2、気密保持板3と同様に可撓性を備えた軟質の樹脂よ
り成る。そして、各中間リブ4の長さは、前記気密保持
板3よりも少し短い。ろ材Pの折りたたみ方向Qに沿っ
て接合板2と各中間リブ4が固着されていることによ
り、フィルタ本体A1 におけるろ材Pの折りたたみピッ
チ(多数のひだ部の稜線1どうしの間隔)が一定に保持
される。各中間リブ4におけるろ材Pの折りたたみ方向
Qの両端部は、前記接合板2から分離された状態で固着
されている。このように、各接合板2、各気密保持板3
及び各中間リブ4は、いずれも可撓性を備えていると共
に、それぞれ分離された状態で固着されているため、フ
ィルタ本体A1 は、ほぼ任意の形状に変形可能である。
【0014】このフィルタ本体A1 が、図6及び図7に
示されるように、各ひだ部の稜線1と平行に設けられた
軸心C1 を中心に丸められる。この軸心C1 は、フィル
タ本体A1 において各中間リブ4が固着された側の反対
側に設けられる。その際、ろ材Pの幅方向の両側部(上
下端部)に位置される気密保持板3と、フィルタ本体A
1 の折りたたみ方向Qに沿って固着された2本の中間リ
ブ4とが、それぞれの水平面内で同時に丸められる。そ
の状態を、図6に二点鎖線で示す。この途中の状態の軸
心を、符号C2 で示す。そして、ろ材Pの折りたたみ方
向Qの両端部に固着された各接合板2どうしが重ね合わ
せられ、両者が接合される。同時に、上下の各気密保持
板3の端面どうしが接合される。その状態を、図6に一
点鎖線で示す。各接合板2及び各気密保持板3は、振動
溶着、超音波溶着、接着剤、又は別体のファスナー部材
(図示せず)等の手段によって接合される。こうするこ
とによって、図1に示されるように、フィルタ本体A1
は円筒形状に成形され、その外周面に軸心C1 から放射
状に突出された多数のひだ部が形成される。各接合板2
どうしが重ね合わせられて接合されると共に、上下の気
密保持板3の端面どうしが接合されることにより、当該
部分におけるエアの気密性が保持される。ろ材Pの幅方
向の両側部に固着された各気密保持板3が、それぞれの
水平面内で軸心C1 を中心に丸められることにより、円
筒型エアフィルタF1 における上下の各リブ5a,5b が
形成される。
【0015】このようにして成形された円筒型エアフィ
ルタF1 は、その外周縁部に円周方向に沿って2本の中
間リブ4が、高さ方向に所定の間隔をおいて固着されて
いる。そのため、各ひだ部の折りたたみピッチが一定に
保持され、各ひだ部どうしが密着されることはなく、ろ
過効率が低下することはない。また、該円筒型エアフィ
ルタF1 の接合部は、接合板2によって接合されてい
る。そのため、該フィルタF1 の高さ方向の剛性が補強
されると共に、前記接合部においてエアの気密性が保持
される。更に、該円筒型エアフィルタF1 の中央部に
は、2枚の中間リブ4が固着されていることにより、該
円筒型エアフィルタF1 における上下の各リブ5a,5b
と前記中間リブ4との間隔が極めて短くなり、該フィル
タF1 が座屈することが防止される。その結果、該円筒
型エアフィルタF1 の高さ方向の剛性が大きくなり、ろ
材Pが軟弱材であっても座屈が生じない。上記した上下
の各リブ5a,5b (気密保持板3)及び中間リブ4は、
それらの外周縁部と内周縁部に予め切欠部(図示せず)
を設けておくことにより、容易に丸められる。
【0016】この円筒型エアフィルタF1 の作用につい
て説明する。図8ないし図10に示されるように、この
円筒型エアフィルタF1 が、フィルタケース6に内装さ
れる。該フィルタケース6の底面部には、台座部7が設
けられている。台座部7の外周縁部には、上方に突出す
るガイド部7aが設けられていて、該台座部7は短円筒
形状を成している。この台座部7に、円筒型エアフィル
タF1 の下側リブ5bが、ほとんど隙間なく嵌まり込ん
で載置される。そのため、台座部7の軸心は、円筒型エ
アフィルタF1 の軸心C1 とほぼ同一である。その際、
下側リブ5bが前記ガイド部7aによりガイドされるた
め、前記円筒型エアフィルタF1 が水平方向に移動する
ことが抑止される。フィルタケース6の外周面には、平
面視における該フィルタケース6の接線方向に沿ってエ
ア供給筒8が設けられている。そして、前記台座部7の
軸心(C1 )は、フィルタケース6の軸心C3 よりもず
れた位置に設けられている。このため、前記エア供給筒
8を介して導入されたエアが、円筒型エアフィルタF1
の外周面に沿って周回され、予めエア内の大きな塵埃が
外側に飛ばされるという効果が奏される。
【0017】上記したフィルタケース6には、円筒型エ
アフィルタF1 が内装された状態で蓋体9が装着され
る。この蓋体9の下面には、リング状の押圧部9aが設
けられている。この押圧部9aの軸心は、前記台座部7
の軸心(C1 )と同一直線上に配置されている。そし
て、該蓋体9の上面における軸心(C1 )の直上には、
エア流出筒11が設けられている。この蓋体9がフィル
タケース6に装着される際に、前記蓋体9の押圧部9a
が、フィルタケース6に内装された円筒型エアフィルタ
1 の上側リブ5aを押圧する。そして、前記円筒型エ
アフィルタF1 の下側リブ5bは、台座部7に押圧され
る。その結果、円筒型エアフィルタF1 の上下の各端部
におけるエアの気密性が保持され、当該部分においてエ
アが漏れることはない。また、この円筒型エアフィルタ
1 におけるろ材Pの外周面には、2本の中間リブ4が
固着されているため、該フィルタF1 が押圧されても、
座屈することはない。
【0018】エア供給筒8からフィルタケース6の内部
に導入されたエア内の塵埃は、円筒型エアフィルタF1
の外周面と前記フィルタケース6の内壁面との間の部分
を周回する間に、多数のひだ部と衝突する。そして、エ
ア内の塵埃が多数のひだ部によってろ過され、清浄なエ
アのみが円筒型エアフィルタF1 の内周面の部分に通過
される。この清浄なエアのみが、エア流出筒11からエ
ンジンE(図14参照)の気化器に導入される。
【0019】次に、図11を参照しながら、第2実施例
の円筒型エアフィルタF2 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF2 は、上下の各リブ5a,5b
が固着されていて、中間リブ4が固着されていない場合
である。この実施例の場合、第1実施例の円筒型エアフ
ィルタF1 と同様に、フィルタ本体A2 が軸心C1 を中
心に丸められ、ろ材Pの折りたたみ方向Qの両端部に固
着された接合板2どうし、及びろ材Pの幅方向の両側部
に固着された気密保持板3の端面どうしが重ね合わせら
れて接合される。この実施例のろ材Pは、それ自身が剛
性を備えているため、そのままの状態で円筒型エアフィ
ルタF2 の高さ方向の剛性が確保される。そのため、中
間リブ4が不要である。各接合板2及び各気密保持板3
は、振動溶着、超音波溶着、接着剤等の手段によって接
合されるため、当該部分におけるエアの気密性が保持さ
れる。
【0020】次に、図12を参照しながら、第3実施例
の円筒型エアフィルタF3 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF3 は、上下の各リブ5a,5b
が固着されておらず、2本の中間リブ4のみが固着され
た場合である。第1実施例の円筒型エアフィルタF1
同様に、フィルタ本体A3 が軸心C1 を中心に丸めら
れ、ろ材Pの折りたたみ方向Qの両端部に固着された接
合板2どうしが重ね合わせられて接合される。各接合板
2は、振動溶着等の手段によって接合されるため、当該
部分におけるエアの気密性が保持される。更に、該フィ
ルタ本体A3 の上下端部に、それぞれキャップ12が嵌
まり込む。このキャップ12は、リング状の平板から成
るキャップ本体12aと、その一方側の面に前記キャッ
プ本体12aと同軸にして取付けられたフィルタ支持部
12bとから構成されている。フィルタ支持部12bは
円筒形状を成しており、フィルタ本体A3 の内周面にほ
とんど隙間なく嵌め込まれる。また、キャップ本体12
aの外径は、フィルタ本体A 3 における多数のひだ部の
外径よりも僅かに大きい。このキャップ12におけるフ
ィルタ支持部12bが、フィルタ本体A3 の上下端部に
装着される。そして、フィルタ本体A3 の上下端部と、
該キャップ12のキャップ本体12aとの当接部に接着
剤が流し込まれ、両者が接合される。フィルタ本体A3
の上下端部が、キャップ12と密着状態で接合されるこ
とにより、当該部分におけるエアの気密性が保持され
る。この実施例の場合、上下のキャップ12における各
フィルタ支持部12bが、フィルタ本体A3 の内周面に
嵌まり込むと共に、フィルタ本体A 3 に2本の中間リブ
4が固着されているため、ろ材Pが不織布等の軟弱材で
あっても、高さ方向の剛性が保持される。
【0021】次に、図13を参照しながら、第4実施例
の円筒型エアフィルタF4 について説明する。この実施
例の円筒型エアフィルタF4 は、ろ材Pが蛇腹状に折り
たたまれて形成されたフィルタ本体A4 の上下の端部
に、上記した各キャップ12が嵌め込まれていると共
に、該フィルタ本体A4 に別体の中間リブ13が装着さ
れて固着された場合である。別体の中間リブ13につい
て説明する。この中間リブ13は樹脂より成る。そし
て、その軸心方向には、フィルタ本体A4 における多数
のひだ部に対応する抜き孔部13aが設けられている。
1ないし複数枚の中間リブ13が、フィルタ本体A4
軸心C1 の方向に沿って嵌め込まれ、接着剤等の手段に
よって固着される。こうすることによって、フィルタ本
体A4 の高さ方向の剛性が保持される。この実施例の場
合、軟弱材より成るフィルタ本体A4 であっても、従来
のように補強のためのメッシュ(図15参照)を取付け
ることなく、高さ方向の剛性を保持させることができ
る。
【0022】上記したように、本発明に係る円筒型エア
フィルタの成形方法では、従来とほとんど同一の手段で
成形されたフィルタ本体を丸め、その両端部を接合する
ことのみによって円筒形状に成形させることができるた
め、極めて容易に成形できる。しかも、前記フィルタ本
体における上下端部、又は中央部の少なくとも一か所に
リブが固着されているため、円筒型エアフィルタにおけ
る高さ方向の剛性が保持される。
【0023】上記した第4実施例のフィルタ本体A
4 (図13参照)の上端部を、その軸心C1 に向かって
すぼめると共に、その下端部を軸心C1 から遠ざかるよ
うに広げることにより、かさ歯車形状としてもよい。こ
の場合、エアフィルタが円錐形状となるため、円筒型エ
アフィルタでは装着できないような狭隘な部位に装着す
ることが可能である。
【0024】本発明に係る自動車用円筒型エアフィルタ
は、自動車におけるエア内の塵埃を除去する場合以外に
も使用可能である。例えば、自動車におけるエア内の砂
を除去する場合、または、自動車以外の用途として、汚
水、ジュース、オイル等の液体内の夾雑物をろ過する場
合に使用しても構わない。また、花粉等の除去にも使用
可能である。更に、該円筒型エアフィルタを構成するろ
材に活性炭を混入させることにより、悪臭等の除去にも
使用可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明の自動車用円筒型エアフィルタ
成形方法は、エンジンの気化器に導入されるエア内の塵
埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能に組み
込まれる自動車用円筒型エアフィルタの成形方法であっ
て、ろ材が蛇腹状に折りたたまれて、略方形状に成形さ
れたフィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ方向に
沿って可撓性を備えた1ないし複数本のリブを固着して
フィルタ本体を形成し、該フィルタ本体を、前記ろ材の
稜線と平行に設けられた軸心を中心に丸めた後、ろ材の
折りたたみ方向の両端部を接合させることによって、円
筒状に成形されることを特徴としている。このため、ろ
材のひだ部の外周面がリブによって補強された円筒型エ
アフィルタの成形を、極めて容易に行うことができる。
そして、前記フィルタ本体の成形方法は、従来の成形方
法とほとんど同一であり、新たな設備は不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の円筒型エアフィルタF1
の斜視図である。
【図2】第1実施例の円筒型エアフィルタF1 を構成す
るフィルタ本体A1 の斜視図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】図3のX1 −X1 線断面図である。
【図5】同じくX2 −X2 線断面図である。
【図6】フィルタ本体A1 を軸心C1 を中心に丸める状
態の平面図である。
【図7】図6の斜視図である。
【図8】本発明の第1実施例の円筒型エアフィルタF1
を、フィルタケース6に内装させる状態の側面図であ
る。
【図9】図8のY−Y線断面図である。
【図10】図9のZ−Z線断面図である。
【図11】第2実施例の円筒型エアフィルタF2 の斜視
図である。
【図12】第3実施例の円筒型エアフィルタF3 を構成
するフィルタ本体A2 と、上下の各キャップ12とを分
離させた状態の斜視図である。
【図13】第4実施例の円筒型エアフィルタF4 を構成
するフィルタ本体A4 と、上下の各キャップ12及び別
体の中間リブ13とを分離させた状態の斜視図である。
【図14】円筒型エアフィルタF’によって塵埃が除去
されたエアが、エンジンEの気化器に導入される状態の
概略斜視図である。
【図15】一部を破断した従来の円筒型エアフィルタ
F’の斜視図である。
【図16】金型による従来の円筒型エアフィルタF’の
成形方法の概略図である。
【符号の説明】 A0 :フィルタ本体原体 A1 〜A4 :フィルタ本体 C1 :軸心 E:エンジン F1 〜F4 :円筒型エアフィルタ P:ろ材 Q:折りたたみ方向 1:稜線 2:接合板(枠材単体) 3:気密保持板(枠材単体) 4,13:中間リブ 5a:上側リブ 5b:下側リブ 6:フィルタケース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの気化器に導入されるエア内の
    塵埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能に組
    み込まれる自動車用円筒型エアフィルタであって、 横断面視において、ろ材の多数のひだ部が放射状に突出
    された状態で円筒状に形成されたフィルタ本体における
    高さ方向の上下端部又は中央部の少なくとも一か所に、
    その外周縁部に沿ってリブを固着させたことを特徴とす
    る自動車用円筒型エアフィルタ。
  2. 【請求項2】 エンジンの気化器に導入されるエア内の
    塵埃を除去するためにフィルタケース内に交換可能に組
    み込まれる自動車用円筒型エアフィルタの成形方法であ
    って、 ろ材が蛇腹状に折りたたまれて、略方形状に成形された
    フィルタ本体原体に、前記ろ材の折りたたみ方向に沿っ
    て可撓性を備えた1ないし複数本のリブを固着してフィ
    ルタ本体を形成し、該フィルタ本体を、前記ろ材の稜線
    と平行に設けられた軸心を中心に丸めた後、ろ材の折り
    たたみ方向の両端部を接合させることによって、円筒状
    に成形されることを特徴とする自動車用円筒型エアフィ
    ルタの成形方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ本体の4辺の各周縁部に
    は、可撓性を備えた枠材単体が、該フィルタ本体の各コ
    ーナー部において互いに分離された状態で枠状に固着さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の自動車用円
    筒型エアフィルタの成形方法。
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