JPH11285092A - パラメトリックスピーカー - Google Patents
パラメトリックスピーカーInfo
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- JPH11285092A JPH11285092A JP10012298A JP10012298A JPH11285092A JP H11285092 A JPH11285092 A JP H11285092A JP 10012298 A JP10012298 A JP 10012298A JP 10012298 A JP10012298 A JP 10012298A JP H11285092 A JPH11285092 A JP H11285092A
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- JP
- Japan
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- modulated signal
- pass filter
- ultrasonic
- sound
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 パラメトリック効果を用いて、空気等の媒質
中に被変調信号を復調するパラメトリックスピーカーに
おいて、復調した再生音に混入するノイズを軽減させ
る。 【構成】 被変調信号の低音域をカットするハイパスフ
ィルターと、高音域をカットするローパスフィルター
と、可聴音周波数帯の所定周波数範囲を通過するバンド
パスフィルターと、これらのフィルターを適宜選択する
切換器とを設け、復調した際に人間の耳には聞こえ難い
周波数成分を予めカットし、ノイズの原因となる各周波
数成分の差音をなくすようにした。また、被変調信号の
内容、あるいは復調時の再生音に対するノイズ混入状況
に応じてフィルターの種類を選択できるようにした。
中に被変調信号を復調するパラメトリックスピーカーに
おいて、復調した再生音に混入するノイズを軽減させ
る。 【構成】 被変調信号の低音域をカットするハイパスフ
ィルターと、高音域をカットするローパスフィルター
と、可聴音周波数帯の所定周波数範囲を通過するバンド
パスフィルターと、これらのフィルターを適宜選択する
切換器とを設け、復調した際に人間の耳には聞こえ難い
周波数成分を予めカットし、ノイズの原因となる各周波
数成分の差音をなくすようにした。また、被変調信号の
内容、あるいは復調時の再生音に対するノイズ混入状況
に応じてフィルターの種類を選択できるようにした。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、パラメトリックアレイ
効果により可聴音信号などで振幅変調された超音波を媒
質（例えば空気中）に放射した際、音波の非線形伝搬特
性の結果、超音波伝搬路に沿って変調信号が可聴音とし
て復調される現象を利用したパラメトリックスピーカー
に関する。
効果により可聴音信号などで振幅変調された超音波を媒
質（例えば空気中）に放射した際、音波の非線形伝搬特
性の結果、超音波伝搬路に沿って変調信号が可聴音とし
て復調される現象を利用したパラメトリックスピーカー
に関する。
【０００２】
【従来の技術】音声による情報伝達の分野において音声
の伝達範囲や方向を制御することは重要な課題のひとつ
である。例えば、大勢の人が集まるイベント会場では一
度に大勢の人に対して音声情報を伝える必要があるが、
美術館，博物館などの展示物ガイダンスでは限られた範
囲に存在する人に対して音声情報を伝達できれば充分で
あり不必要な範囲の人にまで音声を伝えることは騒音に
つながる。また、銀行などの現金支払機の場合は更に範
囲が限定され、利用者一人に対して情報伝達するのが望
ましい。そこで、特定範囲の空間に可聴音を発生させる
装置としてパラメトリックスピーカーが従来より提案さ
れている。このパラメトリックスピーカーは、可聴域信
号で振幅変調された超音波を超音波振動子などのトラン
スデューサから空中に放射することで、空気中における
音波の非線形伝搬特性の結果（パラメトリックアレイ効
果）、超音波伝搬路に沿って変調信号が自己復調される
ものである。
の伝達範囲や方向を制御することは重要な課題のひとつ
である。例えば、大勢の人が集まるイベント会場では一
度に大勢の人に対して音声情報を伝える必要があるが、
美術館，博物館などの展示物ガイダンスでは限られた範
囲に存在する人に対して音声情報を伝達できれば充分で
あり不必要な範囲の人にまで音声を伝えることは騒音に
つながる。また、銀行などの現金支払機の場合は更に範
囲が限定され、利用者一人に対して情報伝達するのが望
ましい。そこで、特定範囲の空間に可聴音を発生させる
装置としてパラメトリックスピーカーが従来より提案さ
れている。このパラメトリックスピーカーは、可聴域信
号で振幅変調された超音波を超音波振動子などのトラン
スデューサから空中に放射することで、空気中における
音波の非線形伝搬特性の結果（パラメトリックアレイ効
果）、超音波伝搬路に沿って変調信号が自己復調される
ものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のパラメトリック
スピーカーにおいて、例えば４０キロＨｚの超音波を搬
送波とし、図６（ａ）に示すようなスペクトルを持った
被変調信号を振幅変調すると、図６（ｂ）に示すスペク
トルを持った超音波が空中に放射される。このとき、超
音波の振幅が有限振幅レベルと見なされる程度に大きけ
れば、搬送波成分と上・下側波帯成分とが空気中で非線
形相互作用を起こし、その差音が超音波伝搬路に沿って
発生する。すなわち、上側波帯の５０キロＨｚ成分と搬
送波の４０キロＨｚ成分とで１０キロＨｚの可聴音が発
生し、同じく４０．０１キロＨｚ成分と搬送波成分とで
１０Ｈｚの音波が発生し、結果として被変調信号が復調
される。このように、搬送波成分と側波帯成分との差音
のみが再生されるのであれば、変調した通りの信号が再
生されることになり、高音質の可聴音を聞くことができ
る。しかしながら実際は、上側波帯と下側波帯とに含ま
れる全ての周波数成分の間で差音が生じ、また、同じ側
波帯の中でも差音が生じ、これらの差音が被変調信号と
は異なったノイズとなっていた。すなわち、側波帯域
（被変調信号の周波数帯域）が広いほどその分ノイズが
混入してしまうという問題点があった。
スピーカーにおいて、例えば４０キロＨｚの超音波を搬
送波とし、図６（ａ）に示すようなスペクトルを持った
被変調信号を振幅変調すると、図６（ｂ）に示すスペク
トルを持った超音波が空中に放射される。このとき、超
音波の振幅が有限振幅レベルと見なされる程度に大きけ
れば、搬送波成分と上・下側波帯成分とが空気中で非線
形相互作用を起こし、その差音が超音波伝搬路に沿って
発生する。すなわち、上側波帯の５０キロＨｚ成分と搬
送波の４０キロＨｚ成分とで１０キロＨｚの可聴音が発
生し、同じく４０．０１キロＨｚ成分と搬送波成分とで
１０Ｈｚの音波が発生し、結果として被変調信号が復調
される。このように、搬送波成分と側波帯成分との差音
のみが再生されるのであれば、変調した通りの信号が再
生されることになり、高音質の可聴音を聞くことができ
る。しかしながら実際は、上側波帯と下側波帯とに含ま
れる全ての周波数成分の間で差音が生じ、また、同じ側
波帯の中でも差音が生じ、これらの差音が被変調信号と
は異なったノイズとなっていた。すなわち、側波帯域
（被変調信号の周波数帯域）が広いほどその分ノイズが
混入してしまうという問題点があった。
【０００４】また、一般に音楽信号は、その周波数特性
を調べると低音域ほど音量レベルが高いので、被変調信
号として音楽信号を用いた場合、低音域を豊富に含んだ
超音波が放射されることになる。ところがパラメトリッ
クアレイ効果は、低音域になるほど超音波から可聴音へ
の変換効率が低下するので、実際の可聴音は低音域が不
足して甲高い音が聞こえることになる。しかし実際に
は、人間の耳には聞こえ難い低音域や高音域の成分も超
音波に変調されて空中に放射されているので、両側波帯
間および同じ側波帯の中で生じた周波数成分同士の差音
は、それぞれの周波数成分の出力レベルに比例した高い
音圧レベルのノイズとなり、再生音の音質低下を招いて
いた。上記のように重低音は特に音量レベルが高いとい
う事に加え、超音波振動子のＱ（Ｑｕａｌｉｔｙ Ｆａ
ｃｔｏｒ）は搬送波周波数をピークにその周波数から離
れるに従い急激に低くなるので、振幅変調した場合に、
被変調信号の低音域ほど効率よく放射され、ノイズ発生
の大きな要因となっていた。
を調べると低音域ほど音量レベルが高いので、被変調信
号として音楽信号を用いた場合、低音域を豊富に含んだ
超音波が放射されることになる。ところがパラメトリッ
クアレイ効果は、低音域になるほど超音波から可聴音へ
の変換効率が低下するので、実際の可聴音は低音域が不
足して甲高い音が聞こえることになる。しかし実際に
は、人間の耳には聞こえ難い低音域や高音域の成分も超
音波に変調されて空中に放射されているので、両側波帯
間および同じ側波帯の中で生じた周波数成分同士の差音
は、それぞれの周波数成分の出力レベルに比例した高い
音圧レベルのノイズとなり、再生音の音質低下を招いて
いた。上記のように重低音は特に音量レベルが高いとい
う事に加え、超音波振動子のＱ（Ｑｕａｌｉｔｙ Ｆａ
ｃｔｏｒ）は搬送波周波数をピークにその周波数から離
れるに従い急激に低くなるので、振幅変調した場合に、
被変調信号の低音域ほど効率よく放射され、ノイズ発生
の大きな要因となっていた。
【０００５】
【課題を解決するための手段】（１）上記のような問題
を解決するために本発明では、超音波周波数帯の搬送波
を発振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変
調信号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調
信号の所定周波数以下を遮断するハイパスフィルター
と、前記変調部から出力される信号を超音波として媒質
中に放射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性
により可聴音を再生することを特徴とするパラメトリッ
クスピーカーを提案する。
を解決するために本発明では、超音波周波数帯の搬送波
を発振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変
調信号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調
信号の所定周波数以下を遮断するハイパスフィルター
と、前記変調部から出力される信号を超音波として媒質
中に放射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性
により可聴音を再生することを特徴とするパラメトリッ
クスピーカーを提案する。
【０００６】（２）また、超音波周波数帯の搬送波を発
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数以上を遮断するローパスフィルターと、前
記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に放
射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性により
可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックスピ
ーカーを提案する。
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数以上を遮断するローパスフィルターと、前
記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に放
射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性により
可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックスピ
ーカーを提案する。
【０００７】（３）また、超音波周波数帯の搬送波を発
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数帯域を通過するバンドパスフィルターと、
前記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に
放射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性によ
り可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックス
ピーカーを提案する。
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数帯域を通過するバンドパスフィルターと、
前記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に
放射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性によ
り可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックス
ピーカーを提案する。
【０００８】（４）また、超音波周波数帯の搬送波を発
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数以下を遮断するハイパスフィルターと、前
記変調部に入力される被変調信号の所定周波数以上を遮
断するローパスフィルターと、前記変調部に入力される
被変調信号の所定周波数帯域を通過するバンドパスフィ
ルターと、前記各フィルターを切り換える切換器と、前
記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に放
射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性により
可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックスピ
ーカーを提案する。また、ハイパスフィルターおよびロ
ーパスフィルターはカットオフ周波数を適宜調整するボ
リュームスイッチを備えると共に、バンドパスフィルタ
ーは通過周波数帯域を適宜調整するボリュームスイッチ
を備えることを特徴とするパラメトリックスピーカーを
提案する。
振する発振回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信
号で変調する変調部と、変調部に入力される被変調信号
の所定周波数以下を遮断するハイパスフィルターと、前
記変調部に入力される被変調信号の所定周波数以上を遮
断するローパスフィルターと、前記変調部に入力される
被変調信号の所定周波数帯域を通過するバンドパスフィ
ルターと、前記各フィルターを切り換える切換器と、前
記変調部から出力される信号を超音波として媒質中に放
射する超音波振動子とを備え、媒質の非線形特性により
可聴音を再生することを特徴とするパラメトリックスピ
ーカーを提案する。また、ハイパスフィルターおよびロ
ーパスフィルターはカットオフ周波数を適宜調整するボ
リュームスイッチを備えると共に、バンドパスフィルタ
ーは通過周波数帯域を適宜調整するボリュームスイッチ
を備えることを特徴とするパラメトリックスピーカーを
提案する。
【０００９】
【作用】（１）の提案によれば、被変調信号の低音域を
カットして搬送波を変調し、パラメトリックスピーカー
として再生音を発生させることができる。したがって、
可聴音以下の不要な成分に起因していたノイズを大幅に
軽減することが可能になる。
カットして搬送波を変調し、パラメトリックスピーカー
として再生音を発生させることができる。したがって、
可聴音以下の不要な成分に起因していたノイズを大幅に
軽減することが可能になる。
【００１０】（２）の提案によれば、被変調信号の高音
域より上をカットして搬送波を変調し、パラメトリック
スピーカーとして再生音を発生させることができる。し
たがって、可聴音の高音域より上の不要な成分に起因し
ていたノイズを大幅に軽減することが可能になる。
域より上をカットして搬送波を変調し、パラメトリック
スピーカーとして再生音を発生させることができる。し
たがって、可聴音の高音域より上の不要な成分に起因し
ていたノイズを大幅に軽減することが可能になる。
【００１１】（３）の提案によれば、被変調信号のうち
再生音として必要な可聴音周波数帯のみ変調し、パラメ
トリックスピーカーとして再生音を発生させることがで
きる。したがって、音声メッセージ等の再生には不要な
成分に起因していたノイズを大幅に軽減することが可能
になる。
再生音として必要な可聴音周波数帯のみ変調し、パラメ
トリックスピーカーとして再生音を発生させることがで
きる。したがって、音声メッセージ等の再生には不要な
成分に起因していたノイズを大幅に軽減することが可能
になる。
【００１２】（４）の提案によれば、被変調信号をフィ
ルターを介して変調し、パラメトリックアレイ効果によ
り発生した再生音のノイズ混入状況に応じてフィルター
の種類あるいはカットオフ周波数・通過周波数帯域を選
択できる。したがって、被変調信号の種類（音声信号、
音楽信号等）に応じて効果的にノイズを軽減することが
可能になる。
ルターを介して変調し、パラメトリックアレイ効果によ
り発生した再生音のノイズ混入状況に応じてフィルター
の種類あるいはカットオフ周波数・通過周波数帯域を選
択できる。したがって、被変調信号の種類（音声信号、
音楽信号等）に応じて効果的にノイズを軽減することが
可能になる。
【００１３】
【実施例】以下、図面を基に、本発明の実施例について
説明する。図１は本発明実施例の駆動回路を示すブロッ
ク図である。１は超音波振動子から放射する超音波の搬
送波（例えば４０ＫＨｚ）を発振する発振回路、２は音
声信号や音楽信号等から成る被変調信号を発生する被変
調信号発生部、３は発振回路１から出力される搬送波に
被変調信号発生部２から出力される被変調信号を変調す
る変調部である。４は変調部３からの出力信号を増幅す
る増幅回路であり、超音波振動子５を駆動する。６は被
変調信号発生部２から出力される被変調信号の低音域以
下をカットするハイパスフィルターで、そのカットオフ
周波数は１００Ｈｚに設定されている。なお、可聴音の
範囲は一般に３０Ｈｚ〜１６ＫＨｚであるが、実際のと
ころ１００Ｈｚ以下の音は非常に聞こえ難く、パラメト
リックスピーカーにおいては復調した際に再生音として
はほとんど認識されない。ところが、一般に音楽信号に
はこれら低音域の成分が多く含まれており、そのまま被
変調信号として変調すると、復調した際に再生音として
ではなくむしろノイズとして音質低下を引き起こしてし
まう。そのために本実施例ではカットオフ周波数を一例
として１００Ｈｚに設定した。７は被変調信号発生部２
から出力される被変調信号の可聴音周波数以上をカット
するローパスフィルターで、そのカットオフ周波数は１
０ＫＨｚとした。８はバンドパスフィルターで、その通
過周波数帯は１００Ｈｚ〜１０ＫＨｚとした。そして、
これらのフィルターは切換器９を介して変調部３に接続
されている。
説明する。図１は本発明実施例の駆動回路を示すブロッ
ク図である。１は超音波振動子から放射する超音波の搬
送波（例えば４０ＫＨｚ）を発振する発振回路、２は音
声信号や音楽信号等から成る被変調信号を発生する被変
調信号発生部、３は発振回路１から出力される搬送波に
被変調信号発生部２から出力される被変調信号を変調す
る変調部である。４は変調部３からの出力信号を増幅す
る増幅回路であり、超音波振動子５を駆動する。６は被
変調信号発生部２から出力される被変調信号の低音域以
下をカットするハイパスフィルターで、そのカットオフ
周波数は１００Ｈｚに設定されている。なお、可聴音の
範囲は一般に３０Ｈｚ〜１６ＫＨｚであるが、実際のと
ころ１００Ｈｚ以下の音は非常に聞こえ難く、パラメト
リックスピーカーにおいては復調した際に再生音として
はほとんど認識されない。ところが、一般に音楽信号に
はこれら低音域の成分が多く含まれており、そのまま被
変調信号として変調すると、復調した際に再生音として
ではなくむしろノイズとして音質低下を引き起こしてし
まう。そのために本実施例ではカットオフ周波数を一例
として１００Ｈｚに設定した。７は被変調信号発生部２
から出力される被変調信号の可聴音周波数以上をカット
するローパスフィルターで、そのカットオフ周波数は１
０ＫＨｚとした。８はバンドパスフィルターで、その通
過周波数帯は１００Ｈｚ〜１０ＫＨｚとした。そして、
これらのフィルターは切換器９を介して変調部３に接続
されている。
【００１４】次に本発明の動作について説明する。切換
器９でハイパスフィルター６を選択すると、被変調信号
発生部２から出力された被変調信号は１００Ｈｚ以下の
低音域をカットされて図２（ａ）に示すようなスペクト
ルを持つ超音波が空中に放射され、図２（ｂ）のような
周波数特性の再生音が復調される。このように、復調さ
れた際にほとんど聞こえない１００Ｈｚ以下の周波数成
分をカットするので、カットした周波数成分との差音と
して発生していたノイズを大幅に減少することができ
る。この点について図５を基に更に詳しく説明する。例
えば４０ＫＨｚの搬送波に１００Ｈｚと１５ＫＨｚの信
号とを振幅変調し、超音波振動子から空中に放射する
と、上側波帯に注目すればそれぞれの信号成分の差音と
してＡ：１００Ｈｚ Ｂ：１４．９ＫＨｚ Ｃ：１５Ｋ
Ｈｚ と三種類の音が復調される。すなわち、１００Ｈ
ｚと１５ＫＨｚとの差音である１４．９ＫＨｚの信号が
不要なノイズとして発生してしまうのである。しかも、
この１４．９ＫＨｚの信号は１００Ｈｚと１５ＫＨｚの
出力レベルに比例するので、非常に高い音圧のノイズと
なってしまう。そこで、復調音としてはほとんど聞こえ
ない１００Ｈｚの信号をカットしてしまえば、差音Ｂも
発生せず、ノイズをなくすことができるのである。
器９でハイパスフィルター６を選択すると、被変調信号
発生部２から出力された被変調信号は１００Ｈｚ以下の
低音域をカットされて図２（ａ）に示すようなスペクト
ルを持つ超音波が空中に放射され、図２（ｂ）のような
周波数特性の再生音が復調される。このように、復調さ
れた際にほとんど聞こえない１００Ｈｚ以下の周波数成
分をカットするので、カットした周波数成分との差音と
して発生していたノイズを大幅に減少することができ
る。この点について図５を基に更に詳しく説明する。例
えば４０ＫＨｚの搬送波に１００Ｈｚと１５ＫＨｚの信
号とを振幅変調し、超音波振動子から空中に放射する
と、上側波帯に注目すればそれぞれの信号成分の差音と
してＡ：１００Ｈｚ Ｂ：１４．９ＫＨｚ Ｃ：１５Ｋ
Ｈｚ と三種類の音が復調される。すなわち、１００Ｈ
ｚと１５ＫＨｚとの差音である１４．９ＫＨｚの信号が
不要なノイズとして発生してしまうのである。しかも、
この１４．９ＫＨｚの信号は１００Ｈｚと１５ＫＨｚの
出力レベルに比例するので、非常に高い音圧のノイズと
なってしまう。そこで、復調音としてはほとんど聞こえ
ない１００Ｈｚの信号をカットしてしまえば、差音Ｂも
発生せず、ノイズをなくすことができるのである。
【００１５】次に、図１において切換器９でローパスフ
ィルター７を選択すると、被変調信号発生部２から出力
された被変調信号は１０ＫＨｚ以上の高音域をカットさ
れ、図３（ａ）に示すようなスペクトルを持つ超音波が
空中に放射され、図３（ｂ）のような周波数特性の再生
音が復調される。このように、再生音への変換効率が高
い高音域の周波数成分をなくすので、カットした周波数
成分との差音として発生していたノイズを大幅に減少さ
せることができる。
ィルター７を選択すると、被変調信号発生部２から出力
された被変調信号は１０ＫＨｚ以上の高音域をカットさ
れ、図３（ａ）に示すようなスペクトルを持つ超音波が
空中に放射され、図３（ｂ）のような周波数特性の再生
音が復調される。このように、再生音への変換効率が高
い高音域の周波数成分をなくすので、カットした周波数
成分との差音として発生していたノイズを大幅に減少さ
せることができる。
【００１６】次に切換器９でバンドパスフィルター８を
選択すると、被変調信号発生部２から出力された被変調
信号は１００Ｈｚ〜１０ＫＨｚの周波数成分のみが変調
され、図４（ａ）に示すようなスペクトルを持つ超音波
が空中に放射されて図４（ｂ）のような周波数特性の再
生音が復調される。このように、復調された際にほとん
ど聞こえない１００Ｈｚ以下の周波数成分と、再生音へ
の変換効率が高い高音域の周波数成分とをカットするの
で、そのカットした周波数成分との差音として発生して
いたノイズを大幅に減少することができる。
選択すると、被変調信号発生部２から出力された被変調
信号は１００Ｈｚ〜１０ＫＨｚの周波数成分のみが変調
され、図４（ａ）に示すようなスペクトルを持つ超音波
が空中に放射されて図４（ｂ）のような周波数特性の再
生音が復調される。このように、復調された際にほとん
ど聞こえない１００Ｈｚ以下の周波数成分と、再生音へ
の変換効率が高い高音域の周波数成分とをカットするの
で、そのカットした周波数成分との差音として発生して
いたノイズを大幅に減少することができる。
【００１７】本発明は以上のように構成されるものであ
るが、上記実施例に限定されるものではなく、被変調信
号が一定の決まった内容であったり、音声メッセージだ
けであるような場合は、上記各フィルターにカットオフ
周波数および通過周波数帯を適宜調整できるボリューム
スイッチを設け、再生音を確認しながら最も適した値に
設定することも可能である。例えば、上記ハイパスフィ
ルターのカットオフ周波数を１６０Ｈｚに設定すると、
多少低音の迫力が失われるものの音楽再生に対して著し
いノイズ減少効果が得られ、音質が飛躍的に向上するこ
とを確認した。また、上記各フィルターを切換器で選択
する構成ではなく、被変調信号の内容が決まっているよ
うな場合は専用のフィルターを固定で設けるようにして
も良い。
るが、上記実施例に限定されるものではなく、被変調信
号が一定の決まった内容であったり、音声メッセージだ
けであるような場合は、上記各フィルターにカットオフ
周波数および通過周波数帯を適宜調整できるボリューム
スイッチを設け、再生音を確認しながら最も適した値に
設定することも可能である。例えば、上記ハイパスフィ
ルターのカットオフ周波数を１６０Ｈｚに設定すると、
多少低音の迫力が失われるものの音楽再生に対して著し
いノイズ減少効果が得られ、音質が飛躍的に向上するこ
とを確認した。また、上記各フィルターを切換器で選択
する構成ではなく、被変調信号の内容が決まっているよ
うな場合は専用のフィルターを固定で設けるようにして
も良い。
【００１８】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パラメト
リックアレイ効果による復調時にほとんど聞こえないよ
うな低音域を予めカットして搬送波を変調し、パラメト
リックスピーカーとして再生音を発生させることができ
る。したがって、再生音として必要な周波数成分と不要
な周波数成分との差音として高い音圧レベルで生じてい
たノイズを大幅に軽減することができる。しかも低コス
トで実現することが可能である。
リックアレイ効果による復調時にほとんど聞こえないよ
うな低音域を予めカットして搬送波を変調し、パラメト
リックスピーカーとして再生音を発生させることができ
る。したがって、再生音として必要な周波数成分と不要
な周波数成分との差音として高い音圧レベルで生じてい
たノイズを大幅に軽減することができる。しかも低コス
トで実現することが可能である。
【００１９】また、パラメトリックアレイ効果による復
調時に、再生音への変換効率が高い可聴音上限付近の高
音域を予めカットして搬送波を変調し、パラメトリック
スピーカーとして再生音を発生させることができる。し
たがって、カットした周波数成分との差音として生じて
いた高い音圧レベルのノイズを大幅に軽減することがで
きる。しかも低コストで実現することが可能である。
調時に、再生音への変換効率が高い可聴音上限付近の高
音域を予めカットして搬送波を変調し、パラメトリック
スピーカーとして再生音を発生させることができる。し
たがって、カットした周波数成分との差音として生じて
いた高い音圧レベルのノイズを大幅に軽減することがで
きる。しかも低コストで実現することが可能である。
【００２０】また、パラメトリックアレイ効果による復
調時に、少なくとも再生音として必要な可聴音周波数帯
のみ変調し、パラメトリックスピーカーとして再生音を
発生させることができる。したがって、音声メッセージ
等の再生には不要な周波数成分に起因していた高い音圧
レベルのノイズを大幅に軽減することができる。しかも
低コストで実現することが可能である。
調時に、少なくとも再生音として必要な可聴音周波数帯
のみ変調し、パラメトリックスピーカーとして再生音を
発生させることができる。したがって、音声メッセージ
等の再生には不要な周波数成分に起因していた高い音圧
レベルのノイズを大幅に軽減することができる。しかも
低コストで実現することが可能である。
【００２１】また、被変調信号をフィルターを介して変
調し、パラメトリックアレイ効果により発生した再生音
へのノイズ混入状況に応じてフィルターの種類あるいは
カットオフ周波数・通過周波数帯域を適宜選択できる。
したがって、被変調信号の種類（音声信号、音楽信号、
音声＋音楽信号 等）に応じて効果的にノイズを軽減す
ることが可能になる。
調し、パラメトリックアレイ効果により発生した再生音
へのノイズ混入状況に応じてフィルターの種類あるいは
カットオフ周波数・通過周波数帯域を適宜選択できる。
したがって、被変調信号の種類（音声信号、音楽信号、
音声＋音楽信号 等）に応じて効果的にノイズを軽減す
ることが可能になる。
【図１】本発明実施例の駆動回路を示すブロック図であ
る。
る。
【図２】本発明実施例による変調波と再生音のスペクト
ルを示す説明図である。
ルを示す説明図である。
【図３】本発明実施例による変調波と再生音のスペクト
ルを示す説明図である。
ルを示す説明図である。
【図４】本発明実施例による変調波と再生音のスペクト
ルを示す説明図である。
ルを示す説明図である。
【図５】搬送波に２種類の信号を振幅変調した状態を示
す説明図である。
す説明図である。
【図６】被変調信号と変調後のスペクトルを示す説明図
である。
である。
１ 発振回路 ２ 被変調信号発生部 ３ 変調部 ４ 増幅回路 ５ 超音波振動子 ６ ハイパスフィルター ７ ローパスフィルター ８ バンドパスフィルター ９ 切換器
Claims (5)
- 【請求項１】 超音波周波数帯の搬送波を発振する発振
回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信号で変調す
る変調部と、変調部に入力される被変調信号の所定周波
数以下を遮断するハイパスフィルターと、前記変調部か
ら出力される信号を超音波として媒質中に放射する超音
波振動子とを備え、媒質の非線形特性により可聴音を再
生することを特徴とするパラメトリックスピーカー。 - 【請求項２】 超音波周波数帯の搬送波を発振する発振
回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信号で変調す
る変調部と、変調部に入力される被変調信号の所定周波
数以上を遮断するローパスフィルターと、前記変調部か
ら出力される信号を超音波として媒質中に放射する超音
波振動子とを備え、媒質の非線形特性により可聴音を再
生することを特徴とするパラメトリックスピーカー。 - 【請求項３】 超音波周波数帯の搬送波を発振する発振
回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信号で変調す
る変調部と、変調部に入力される被変調信号の所定周波
数帯域を通過するバンドパスフィルターと、前記変調部
から出力される信号を超音波として媒質中に放射する超
音波振動子とを備え、媒質の非線形特性により可聴音を
再生することを特徴とするパラメトリックスピーカー。 - 【請求項４】 超音波周波数帯の搬送波を発振する発振
回路と、超音波周波数帯の搬送波を被変調信号で変調す
る変調部と、変調部に入力される被変調信号の所定周波
数以下を遮断するハイパスフィルターと、前記変調部に
入力される被変調信号の所定周波数以上を遮断するロー
パスフィルターと、前記変調部に入力される被変調信号
の所定周波数帯域を通過するバンドパスフィルターと、
前記各フィルターを切り換える切換器と、前記変調部か
ら出力される信号を超音波として媒質中に放射する超音
波振動子とを備え、媒質の非線形特性により可聴音を再
生することを特徴とするパラメトリックスピーカー。 - 【請求項５】 請求項４記載のパラメトリックスピーカ
ーにおいて、ハイパスフィルターおよびローパスフィル
ターはカットオフ周波数を適宜調整するボリュームスイ
ッチを備えると共に、バンドパスフィルターは通過周波
数帯域を適宜調整するボリュームスイッチを備えること
を特徴とするパラメトリックスピーカー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10012298A JPH11285092A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | パラメトリックスピーカー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10012298A JPH11285092A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | パラメトリックスピーカー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11285092A true JPH11285092A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=14265543
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10012298A Pending JPH11285092A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | パラメトリックスピーカー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11285092A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000050387A (ja) * | 1998-07-16 | 2000-02-18 | Massachusetts Inst Of Technol <Mit> | パラメトリックオ―ディオシステム |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP10012298A patent/JPH11285092A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000050387A (ja) * | 1998-07-16 | 2000-02-18 | Massachusetts Inst Of Technol <Mit> | パラメトリックオ―ディオシステム |
| US8027488B2 (en) | 1998-07-16 | 2011-09-27 | Massachusetts Institute Of Technology | Parametric audio system |
| US9036827B2 (en) | 1998-07-16 | 2015-05-19 | Massachusetts Institute Of Technology | Parametric audio system |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050323 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071112 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20080306 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |