JPH112840A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH112840A
JPH112840A JP9152356A JP15235697A JPH112840A JP H112840 A JPH112840 A JP H112840A JP 9152356 A JP9152356 A JP 9152356A JP 15235697 A JP15235697 A JP 15235697A JP H112840 A JPH112840 A JP H112840A
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JP
Japan
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liquid crystal
video signal
signal line
film
electrode
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Application number
JP9152356A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Ashizawa
啓一郎 芦沢
Kazuhiro Ogawa
和宏 小川
Masayuki Hikiba
正行 引場
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】横電界方式の液晶表示装置における映像信号配
線と対向電極の間から発生する漏れ光に起因する縦スメ
アを低減する。 【解決手段】複数の走査信号配線GLおよび映像信号配
線DLと、走査信号配線および映像信号配線の交点近傍
に形成したスイッチング素子TFTと、スイッチング素
子を介して駆動電圧が印加される画素電極PXと、画素
電極と共に基板の平面に略平行な電界を印加するように
配置された対向電極CTとを備えてアクティブ・マトリ
クス基板を構成する第1の基板と、樹脂組成物で形成し
たブラックマトリクスBMと、各画素に対応して配置し
たカラーフィルタ層FILを形成したカラーフィルタ基
板を構成する第2の基板との間に液晶組成物を挟持し、
画素電極PXと対向電極CTとの間に各基板の平面と略
平行に発生される電界成分によって液晶組成物の光透過
率を変化させて画像表示を行う液晶表示装置において、
少なくとも有効表示領域内の前記映像信号線DLの下層
に絶縁膜ASを配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特に、洗浄効率向上による歩留り及び縦スメアの発
生を抑制して高画質の画像表示を可能とした横電界方式
の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の情報端末やその他の機器のモニタ
ーのための画像表示手段としてアクティブ・マトリクス
方式の液晶表示装置が広く採用されている。
【0003】この種の液晶表示装置を液晶の駆動モード
から分類すると、大きく分けて「縦電界方式」と「横電
界方式」に分けられる。
【0004】縦電界方式の液晶表示装置は、液晶組成物
(以下、単に液晶または液晶層と称する)を介して互い
に対向して配置される透明基板の液晶層側の単位画素に
相当するそれぞれの領域面に、透明電極からなる画素電
極と共通電極とが対向して備えられ、この画素電極と共
通電極との間に透明基板に対して垂直に発生させる電界
によって前記液晶層を透過する光を変調させるようにし
たものである。
【0005】一方、横電界方式の液晶表示装置は、液晶
層を介して互いに対向して配置される透明基板のうち、
その一方または両方の液晶層側の単位画素に相当する領
域面に、画素電極と対向電極とを備え、この画素電極と
対向電極との間に透明電極と略平行に発生させる電界成
分によって前記液晶層を透過する光を変調させるように
したものである。
【0006】横電界方式の液晶表示装置は縦電界方式の
液晶表示装置と異なり、その表示面に対して大きな角度
視野から観察しても鮮明な映像を認識でき、所謂角度視
野に優れたものとして知られるに至ったものである。
【0007】なお、このような構成からなる液晶表示装
置は、例えば特開平6−160878号公報に詳述され
ている。
【0008】上記横電界方式の液晶表示装置は、対向す
る透明基板である、例えば、アクティブ・マトリクス基
板を構成する第1の基板およびカラーフィルタ基板を構
成する第2の基板と、画像を表示するための光源となる
バックライトユニットとが、上側シールドケースと下側
ケースとからなる筐体に収納して一体化した構造を有す
る。また、第1と第2の基板の両面側には一定の偏光の
み透過させるように偏光板を貼り付けている。
【0009】さらに、例えば、カラーフィルタ基板に
は、アクティブ・マトリクス基板の少なくとも薄膜トラ
ンジスタの形成領域と、配線周辺などの透過光を制御で
きない領域に対応する箇所にブラックマトリクスが形成
されている。
【0010】横電界方式の場合、画素電極と対向電極の
間で発生させる基板の平面と略平行な電界で液晶を駆動
する。この場合、カラーフィルタ基板上に低抵抗材料が
存在すると、前記画素電極或いは対向電極から発生する
電気力線が前記低抵抗材料で終端されて電界強度が低下
し、駆動電圧が増加する。
【0011】そのため、一般的には、ブラックマトリク
ス形成材料として、高抵抗の樹脂組成物を採用する。こ
の場合、金属材料を用いたブラックマトリクスと比較し
てOD(Optical Densityの略)値が十
分大きくないため、ブラックマトリクス自体の遮光特性
は低下する。
【0012】従来の技術では、このような遮光特性の低
下に関する対策については考慮されておらず、従って、
正常に動作しない領域の透過光を遮蔽することに関する
問題提起はなされていない。
【0013】また、横電界方式の液晶表示装置の場合、
1つの基板上に走査信号電極、映像信号電極、画素電
極、対向電極等、多くの電極が形成される。そのため、
基板上には段差が多く、この段差部分が洗浄媒質の流れ
を阻害し、製造工程中の洗浄効率が低下する。
【0014】基板上に異物が残留あるいは付着すると、
この異物が原因となって断線不良が増加する傾向があ
る。
【0015】従来の技術では、このような段差による洗
浄効率の低下に対する対策については考慮されておら
ず、製造歩留りを劣化させるという問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の横電界
方式の液晶表示装置において、外部回路から入力される
走査信号、映像信号により制御できずに正常に液晶が動
作しない領域が存在する。特に、映像信号配線(以下、
単に映像信号線とも言う)と、前記映像信号配線と隣接
する画素電極或いは対向電極との間では、各々印加され
る電圧が異なるため黒表示しているにもかかわらず、こ
の部分で光の透過が生じることがある。
【0017】この部分を遮光するため、カラーフィルタ
基板上にブラックマトリクスを形成して遮光している
が、OD値が低いため完全に遮光できないことがある。
これが原因となり、クロストークが発生するという問題
があった。
【0018】上記クロストークとは、例えば、画面の中
央にウインドウ画面を表示させた際に、そのウインドウ
幅と同じ幅で縦方向或いは横方向に背景色の輝度が変化
する現象を指す。
【0019】縦電界方式の液晶表示装置で発生するクロ
ストークは、画素電極、配線電極、対向電極などの容量
結合により保持期間に他の画素の電位が影響を受けるこ
とに原因している。設計上では、上記の容量比を適正化
することにより影響を少なくしている。しかし、本発明
の解決課題とするクロストークは、この様な容量結合に
起因したものではなく、単に完全に遮光できない洩れ光
の影響により、ウインドウ幅と同じ幅で背景色の輝度が
変化してしまうことを原因としたものである。
【0020】横電界方式の液晶表示装置では、1つの基
板上に走査信号電極、映像信号電極、画素電極、対向電
極等の複数の電極が形成されるため、基板表面(TFT
等の形成面)に段差が著しく多い。従って、縦電界方式
のTFT基板と比較してTFT工程での洗浄効率が低下
し、異物が付着する頻度が増加する。特に、画素電極と
対向電極を映像信号配線と略平行に形成する構造を採用
した際、映像信号配線と隣接する画素電極あるいは対向
電極の間(映像信号配線の形成領域)が最も電極間隔が
狭いため前記電極間に最も異物が付着し易い。
【0021】そのため、映像信号配線の形成工程で、前
記異物の影響により成膜不良や現像不良を起こし、断線
不良が発生し易くなり、製造歩留りを低下させるという
問題がある。
【0022】したがって、本発明の目的は、上記段差に
よる異物の付着を低減して、製造歩留りを向上させた液
晶表示装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の手段は、複数の走査信号配線および
映像信号配線と、前記走査信号配線および映像信号配線
の交点近傍に形成したスイッチング素子と、前記スイッ
チング素子を介して駆動電圧が印加される画素電極と、
前記画素電極と共に基板の平面に略平行な電界を印加す
るように配置された対向電極とを備えてアクティブ・マ
トリクス基板を構成する第1の基板と、樹脂組成物で形
成したブラックマトリクスと、各画素に対応して配置し
たカラーフィルタ層を形成したカラーフィルタ基板を構
成する第2の基板との間に液晶組成物を挟持し、前記画
素電極と対向電極との間に前記各基板の平面と略平行に
発生される電界成分によって前記液晶組成物の光透過率
を変化させて画像表示を行う液晶表示装置において、少
なくとも有効表示領域内の前記映像信号配線の下層に絶
縁膜を配置してなることを特徴とする。
【0024】また、本発明の第2の手段は、第1の手段
における前記絶縁膜の膜厚が、前記映像信号配線と隣接
する画素電極あるいは対向電極の膜厚より厚いことを特
徴とする。
【0025】さらに、本発明の第3の手段は、第1の手
段における前記絶縁膜が、前記映像信号配線と隣接する
画素電極あるいは対向電極と重なるごとく配置してなる
ことを特徴とする。
【0026】そして、本発明の第4の手段は、第1、第
2、あるいは第3の手段における前記絶縁膜が非晶質シ
リコン膜であることを特徴とする。
【0027】上記本発明の各手段により、映像信号配線
の形成工程での洗浄効果が向上し、断線不良が発生を抑
制して、製造歩留りを向上させるとことができる。
【0028】本発明の更に他の目的及び本発明の更に他
の特徴は図面を参照した以下の説明から明らかになるで
あろう。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、アクティブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装置
に本発明を適用した実施例を説明する。なお、以下に説
明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】《マトリクス部(画素部)の平面構成》図
1は本発明のアクティブ・マトリクス方式カラー液晶表
示装置の第1実施例を説明する一画素とブラックマトリ
クスBMの遮光領域およびその周辺を示す平面図であ
る。
【0031】図1に示すように、各画素は走査信号配線
(ゲート信号線又は水平信号線)GLと、対向電圧信号
線(対向電極配線)CLと、隣接する2本の映像信号配
線(ドレイン信号線又は垂直信号線)DLとの交差領域
内(4本の信号線で囲まれた領域内)に配置されてい
る。
【0032】各画素は薄膜トランジスタTFT、蓄積容
量Cstg、画素電極PX及び対向電極CTを含む。走
査信号線GL、対向電圧信号線CLは、同図では左右方
向に延在し、上下方向に複数本配置されている。映像信
号線DLは上下方向に延在し、左右方向に複数本配置さ
れている。画素電極PXは薄膜トランジスタTFTと接
続され、対向電極CTは対向電圧信号線CLと一体にな
っている。
【0033】画素電極PXと対向電極CTは互いに対向
し、各画素電極PXと対向電極CTとの間の電界により
液晶LCの配向状態を制御し、透過光を変調して表示を
制御する。画素電極PXと対向電極CTは櫛歯状に構成
され、それぞれ同図の上下方向に長細い電極となってい
る。
【0034】1画素内の対向電極CTの本数O(櫛歯の
本数)は、画素電極PXの本数P(櫛歯の本数)とO=
P+1の関係を必ず持つように構成する(本実施例で
は、O=2、P=1)。これは、対向電極CTと画素電
極PXを交互に配置し、かつ、対向電極CTを映像信号
線DLに必ず隣接させるためである。
【0035】これにより、対向電極CTと画素電極PX
の間の電界が、映像信号線DLから発生する電界から影
響を受けないように、対向電極CTで映像信号線DLか
らの電気力線をシールドすることができる。
【0036】対向電極CTは、対向電圧信号線CLによ
り常に外部から電位を供給されているため、電位は安定
している。そのため、映像信号線DLに隣接しても、電
位の変動が殆どない。又、これにより、画素電極PXの
映像信号線DLからの幾何学的な位置が遠くなるので、
画素電極PXと映像信号線DLの間の寄生容量が大幅に
減少し、画素電極電位Vsの映像信号電圧による変動も
制御できる。
【0037】これらにより、上下方向に発生するクロス
トーク(縦スミアと呼ばれる画質不良)を抑制すること
ができる。
【0038】画素電極PXと対向電極CTの電極幅W
p,Wcはそれぞれ6μmとし、後述の液晶層の最大設
定厚みを超える4.5μmよりも十分大きく設定する。
製造上の加工ばらつきを考慮すると20%以上のマージ
ンを持った方が好ましいので、望ましくは5.4μmよ
りも十分大きくしたほうが良い。
【0039】これにより、液晶層に印加される基板面に
平行な電界成分が基板面に垂直な方向の電界成分よりも
大きくなり、液晶を駆動する電圧の上昇を抑制すること
ができる。又、各電極の電極幅Wp,Wcの最大値は、
画素電極PXと対向電極CTの間の間隔Lよりも小さい
事が好ましい。
【0040】これは、電極の間隔が小さすぎると電気力
線の湾曲が激しくなり、基板面に平行な電界成分よりも
基板面に垂直な電界成分の方が大きい領域が増大するた
め、基板面に平行な電界成分を効率良く液晶層に印加で
きないからである。従って、画素電極PXと対向電極C
Tの間の間隔Lはマージンを20%とると7.2μmよ
り大きいことが必要である。本実施例では、対角約1
4.5cm(5.7インチ)で640×480ドットの
解像度で構成したので、画素ピッチは約60μmであ
り、画素を2分割することにより、間隔L>7.2μm
を実現した。
【0041】又、映像信号線DLの電極幅は断線を防止
するために、画素電極PXと対向電極CTに比較して若
干広い8μmとし、映像信号線DLと対向電極CTとの
間隔は短絡を防止するために約1μmの間隔を開けると
共に、ゲート絶縁膜の上側に映像信号線DLを下側に対向
電極CTを形成して、異層になるように配置している。
【0042】一方、画素電極PXと対向電極CTの間の
電極間隔は、用いる液晶材料によって変える。これは、
液晶材料によって最大透過率を達成する電界強度が異な
るため、電極間隔を液晶材料に応じて設定し、用いる映
像信号駆動回路(信号側ドライバ)の耐圧で設定される
信号電圧の最大振幅の範囲で、最大透過率が得られるよ
うにするためである。後述の液晶材料を用いると電極間
隔は、約15μmとなる。
【0043】本実施例では、平面的に、ブラックマトリ
クスBMがゲート配線GL上、対向電圧信号線CL、薄
膜トランジスタTFT上、ドレイン配線DL上、ドレイ
ン配線DLと対向電極CT間に形成している。
【0044】《マトリクス部(画素部)の断面構造》図
2は図1の4ー4切断線における薄膜トランジスタTF
Tの断面図、図3は図1の5ー5切断線における蓄積容
量Cstgの断面図、図4は横電界方式の液晶表示基板
の画像表示領域における1画素の電極近傍の断面図と基
板周辺部の断面図である。なお、図4では映像信号線の
下層に絶縁膜は設置していない。
【0045】図4に示すように、液晶層LCを基準にし
て下部透明ガラス基板SUB1側には薄膜トランジスタ
TFT、蓄積容量Cstg(図示せず)及び電極群C
T、PXが形成され、上部透明ガラス基板SUB2側に
はカラーフィルタFIL、遮光用ブラックマトリクスB
Mのパターンが形成されている。尚、公知ではないが、
同一出願人による、特願平7ー198349号に提案さ
れたように、遮光用ブラックマトリクスBMのパターン
を下部透明ガラス基板SUB1側に形成することも可能
である。
【0046】又、透明ガラス基板SUB1、SUB2の
それぞれの内側(液晶LC側)の表面には、液晶の初期
配向を制御する配向膜ORI11、ORI12が設けら
れており、透明ガラス基板SUB1、SUB2のそれぞ
れの外側の表面には、偏光軸が直交して配置(クロスニ
コル配置)された偏光板POL1、POL2が設けられ
ている。
【0047】次に、下側透明ガラス基板SUB1側(T
FT基板)の構成を詳しく説明する。
【0048】TFT基板 《薄膜トランジスタ》薄膜トランジスタTFTは、ゲー
ト電極GTに正のバイアスを印加すると、ソース−ドレ
イン間のチャネル抵抗が小さくなり、バイアスを零にす
ると、チャネル抵抗は大きくなるように動作する。
【0049】薄膜トランジスタTFTは、図8に示すよ
うに、ゲート電極GT、ゲート絶縁膜GI、i型(真
性:intrinsic、導電型決定不純物がドープさ
れていない)非晶質シリコン(Si)からなるi型半導
体層AS、一対のソース電極SD1、ドレイン電極SD
2を有する。
【0050】尚、ソース、ドレインは本来その間のバイ
アス極性によって決まるもので、この液晶表示装置の回
路ではその極性は動作中反転するので、ソース、ドレイ
ンは動作中入れ替わると理解されたい。しかし、以下の
説明では、便宜上一方をソース、他方をドレインと固定
して表現する。
【0051】《ゲート電極GT》ゲート電極GTは走査
信号線GLと連続して形成されており、走査信号線GLの
一部の領域がゲート電極GTとなるように構成されてい
る。このゲート電極GTは薄膜トランジスタTFTの能
動領域を超える部分であり、i型半導体層ASを完全に
覆うよう(下方から見て)それより大きめに形成されて
いる。
【0052】これにより、ゲート電極GTはそれ自身の
役割の他に、i型半導体層ASに外光やバックライト光
が当たらないように工夫されている。本例では、ゲート
電極GTは単層の導電膜g1で形成されている。この導
電膜g1としては、例えばスパッタで形成されたアルミ
ニウム(Al)膜が用いられ、その上にはAlの陽極酸
化膜AOFが設けられている。
【0053】《走査信号線GL》走査信号線GLは導電
膜g1で構成されている。この走査信号線GLの導電膜
g1はゲート電極GTの導電膜g1と同一製造工程で形
成され、かつ、一体に構成されている。この走査信号線
GLにより、外部回路からゲート電圧Vgをゲート電極
GTに供給する。
【0054】又、走査信号線GL上にもAlの陽極酸化
膜AOFが設けられている。尚、映像信号線DLと交差
する部分は映像信号線DLとの短絡の確率を小さくする
ため細くし、又、短絡してもレーザトリミングで切り離
すことができるように二股にしている。
【0055】《対向電極CT》対向電極CTはゲート電極
GT及び走査信号線GLと同層の導電膜glで構成されてい
る。又、対向電極CT上にもAlの陽極酸化膜AOFが
設けられている。対向電極CTは、陽極酸化膜AOFで
完全に覆われていることから、映像信号線と限りなく近
づけても、それらが短絡してしまうことがなくなる。
【0056】又、それらを交差させて構成させることも
できる。対向電極CTには対向電圧Vcomが印加され
るように構成されている。本実施例では、対向電圧Vc
omは映像信号線DLに印加される最小レベルの駆動電
圧Vdminと最大レベルの駆動電圧Vdmaxとの中
間直流電位から、薄膜トランジスタ素子TFTをオフ状
態にするときに発生するフィードスルー電圧ΔVs分だ
け低い電位に設定されるが、映像信号駆動回路で使用さ
れる集積回路の電源電圧を約半分に低減したい場合は、
交流電圧を印加すれば良い。
【0057】《対向電圧信号線CL》対向電圧信号線C
Lは導電膜g1で構成されている。この対向電圧信号線
CLの導電膜g1はゲート電極GT、走査信号線GL及
び対向電極CTの導電膜g1と同一製造工程で形成さ
れ、かつ、対向電極CTと一体に構成されている。
【0058】この対向電圧信号線CLにより、外部回路
から対向電圧Vcomを対向電極CTに供給する。又、
対向電圧信号線CL上にもAlの陽極酸化膜AOFが設
けられている。尚、映像信号線DLと交差する部分は、
走査信号線GLと同様に映像信号線DLとの短絡の確率
を小さくするため細くし、又、短絡しても、レーザトリ
ミングで切り離すことができるように二股にすることも
できる。
【0059】《絶縁膜GI》絶縁膜GIは、薄膜トラン
ジスタTFTにおいて、ゲート電極GTと共に半導体層
ASに電界を与えるためのゲート絶縁膜として使用され
る。絶縁膜GIはゲート電極GT及び走査信号線GLの
上層に形成されている。
【0060】絶縁膜GIとしては例えばプラズマCVD
で形成された窒化シリコン膜が選ばれ、120〜270
nmの厚さに(本実施例では、240nm)形成され
る。
【0061】このゲート絶縁膜GIは、マトリクス部A
Rの全体を囲むように形成され、周辺部は外部接続端子
DTM、GTMを露出するよう除去されている。また、
絶縁膜GIは走査信号線GL及び対向電圧信号線CLと
映像信号線DLの電気的絶縁にも寄与している。
【0062】《i型半導体層AS》i型半導体層AS
は、非晶質シリコンで、20〜220nmの厚さ(本実
施例では、200nm程度の膜厚)で形成される。層d
0はオーミックコンタクト用のリン(P)をドープした
N(+)型非晶質シリコン半導体層であり、下側にi型
半導体層ASが存在し、上側に導電膜d1(d2)が存
在するところのみに残されている。
【0063】i型半導体層ASは走査信号線GL及び対
向信号線CLと映像信号線DLとの交差部の両者間にも
設けられている。この交差部のi型半導体層ASは交差
部における走査信号線GL及び対向信号線CLと映像信
号線DLとの短絡を低減する。
【0064】《ソース電極SDI、ドレイン電極SD
2》ソース電極SDI、ドレイン電極SD2のそれぞれ
は、N(+)型半導体層d0に接触する導電膜d1とそ
の上に形成された導電膜d2とから構成されている。
【0065】導電膜d1はスパッタで形成したクロム
(Cr)膜を用い、50〜100nmの厚さに(本実施
例では、60nm程度)で形成される。Cr膜は膜厚を
厚く形成するとストレスが大きくなるので、200nm
程度の膜厚を越えない範囲で形成する。Cr膜はN
(+)型半導体層d0との接着性を良好にし、導電膜d
2のAlがN(+)型半導体層d0に拡散することを防
止する、所謂バリア層の目的で使用される。
【0066】導電膜d1として、Cr膜の他に高融点金
属(Mo、Ti、Ta、W)膜、高融点金属シリサイド
(MoSi2 、TiSi2 、TaSi2 、WSi2 )膜
を用いても良い。
【0067】導電膜d2はAlのスパッタリングで30
0〜500nmの厚さに(本実施例では、400nm程
度)形成される。Al膜はCr膜に比べてストレスが小
さく、厚い膜厚に形成することが可能で、ソース電極S
D1、ドレイン電極SD2および映像信号線DLの抵抗
値を低減したり、ゲート電極GTやi型半導体層ASに
起因する段差乗り越えを確実にする(ステップカバレー
ジを良くする)働きがある。
【0068】導電膜d1、導電膜d2を同じマスクパタ
ーンでパターニングした後、同じマスクを用いて、或い
は導電膜d1、導電膜d2をマスクとして、N(+)型
半導体層d0が除去される。つまり、i型半導体層AS
上に残っているN(+)型半導体層d0は導電膜d1、
導電膜d2以外の部分がセルフアラインで除去される。
このとき、N(+)型半導体層d0はその厚さ分は全て
除去されるようエッチングされるので、i型半導体層A
Sも若干その表面部分がエッチングされるが、その程度
はエッチング時間で制御すればよい。
【0069】《映像信号線DL》映像信号線DLはソー
ス電極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜
d2、第3導電膜d3で構成されている。又、映像信号
線DLはドレイン電極SD2と一体に形成されている。
【0070】《画素電極PX》画素電極PXはソース電
極SD1、ドレイン電極SD2と同層の第2導電膜d
2、第3導電膜d3で構成されている。又、画素電極P
Xはソース電極SD1と一体に形成されている。
【0071】《蓄積容量Cstg》画素電極PXは、薄
膜トランジスタTFTと接続される端部と反対側の端部
において、対向電圧信号線CLと重なるように形成され
ている。この重ね合せは、図3からも明らかなように、
画素電極PXを一方の電極PL2とし、対向電圧信号線
CLを他方の電極PL1とする蓄積容量(静電容量素
子)Cstgを構成する。この蓄積容量Cstgの誘電
体膜は、薄膜トランジスタTFTのゲート絶縁膜として
使用される絶縁膜GI及び陽極酸化膜AOFで構成され
ている。
【0072】図1に示したように、平面的には蓄積容量
Cstgは対向電圧信号線CLの導電膜g1の部分に形
成されている。
【0073】この場合、この蓄積容量Cstgは、その
絶縁膜GIに対して下側に位置づけられる電極の材料が
Alで形成され、かつ、その表面が陽極化成されたもの
であることから、ALの所謂ヒロック等が原因する点欠
陥(上側に位置づけられる電極との短絡)による弊害を
発生し難くくする蓄積容量を得ることができる。
【0074】《保護膜PSV1》薄膜トランジスタTF
T上には保護膜PSV1が設けられている。保護膜PS
V1は主に薄膜トランジスタTFTを湿気等から保護す
るために形成されており、透明性が高くしかも耐湿性の
良いものを使用する。この保護膜PSV1は例えばプラ
ズマCVD装置で形成した酸化シリコン膜や窒化シリコ
ン膜で形成されており、500nm程度の膜厚で形成す
る。
【0075】保護膜PSV1は、マトリクス部ARの全
体を囲むように形成され、周辺部は外部接続端子DT
M、GTMを露出するよう除去されている。この保護膜
PSV1とゲート絶縁膜GIの厚さ関係に関しては、前
者は保護効果を考え厚くされ、後者はトランジスタの相
互コンダクタンスgmを考慮して薄くされる。
【0076】カラーフィルタ基板 次に、図1、図4に戻り、上側透明ガラス基板SUB2
側(カラーフィルタ基板)の構成を詳しく説明する。
【0077】《遮光膜BM》上部透明ガラス基板SUB
2側には、不要な間隙部(画素電極PXと対向電極CT
の間以外の隙間)からの透過光が表示面側に出射して、
コントラスト比等を低下させないように遮光膜BM(所
謂、ブラックマトリクス)を形成している。遮光膜BM
は、外部光又はバックライト光がi型半導体層ASに入
射しないようにする役割も果たしている。即ち、薄膜ト
ランジスタTFTのi型半導体層ASは上下にある遮光
膜BM及び大きめのゲート電極GTによってサンドイッ
チにされ、外部の自然光やバックライト光が当たらなく
なる。
【0078】図1に示す遮光膜BMの閉じた多角形の輪
郭線は、その内側が遮光膜BMが形成されない開口を示
している。この輪郭線のパターンは1例である。
【0079】横電界方式の液晶表示装置では、可能な限
り高抵抗なブラックマトリクスが適していることから、
一般に樹脂組成物を用いる。この抵抗規格については、
公知ではないが、同一出願人による特願平7−1919
94号に記載がある。即ち、液晶組成物LCの比抵抗値
が10のN乗を10N と記述すると10N Ω・cm以上、か
つ、ブラックマトリクスBMの比抵抗値が10のM乗を
10M と記述すると10MΩ・cm以上とし、かつ、N>
9、M>6を満足する関係とする。或いは、N>13、
M>7を満足する関係とすることが望ましい。
【0080】又、液晶表示装置の表面反射を低減する目
的からも、ブラックマトリクスの形成材料に樹脂組成物
を用いることが望ましい。
【0081】さらに、Cr等の金属膜をブラックマトリ
クスに用いる場合と比較して、金属膜のエッチング工程
が不要なため、カラーフィルタ基板の製造工程を簡略化
できる。金属膜を使用する場合の製造工程は、1)金属
膜成膜、2)レジスト塗布、3)露光、4)現像、5)
金属膜エッチング、6)レジスト剥離、である。
【0082】一方、樹脂を使用する場合の製造工程は、
1)樹脂塗布、2)露光、3)現像、であり、著しく工
程を短縮できる。
【0083】しかし、樹脂組成物は金属膜と比較して遮
光性が低い。樹脂の膜厚を厚くすると遮光性は向上する
が、ブラックマトリクスの膜厚ばらつきは増加する。こ
れは、例えば±10%の膜厚ばらつきがある場合、ブラ
ックマトリクスの膜厚が1.0μm時は±0.1μm、
2μm時は±0.2μmになるためである。
【0084】又、ブラックマトリクスの膜厚を厚くする
と、カラーフィルタ基板の膜厚ばらつきが増加し、液晶
表示基板のギャップ精度を向上することが困難になる。
以上の理由により、樹脂の膜厚は、2μm以下にするこ
とが望ましい。
【0085】膜厚1μmでOD値を約4.0以上にする
ためには、例えばカーボンの含有量を増加して黒色化す
る場合、ブラックマトリクスBMの比抵抗値は約106
Ω・cm以下となり、現状では使用できない。尚、OD
値は、吸光係数に膜厚を掛けた値と定義できる。
【0086】このため、本実施例では、この遮光膜BM
の材料として、黒色の無機顔料をレジスト材に混入した
樹脂組成物を用い、1.3±0.1μm程度の厚さで形
成している。無機顔料の例としては、パラジウムや無電
解メッキしたNiなどがある。更に、ブラックマトリク
スBMの比抵抗値は約109 Ω・cmとし、OD値約
2.0とした。
【0087】この樹脂組成物ブラックマトリクスBMを
使用した場合の光透過量の計算結果を下記に示す。
【0088】OD値=log(100/Y) Y=∫A(λ)・B(λ)・C(λ)dλ/∫A(λ)
・C(λ)dλ ここで、Aは視感度、Bは透過率、Cは光源スペクト
ル、λは入射光の波長を示す。
【0089】OD値2.0の膜で遮光した場合は、上記
数1から、Y=1%を得て、入射光強度4000cd/
2 を仮定すると、約40cd/m2 の光が透過してく
ることになる。この光強度は、十分に人間が視認できる
明るさである。
【0090】遮光膜BMは周辺部にも額縁状に形成さ
れ、そのパターンはドット状に複数の開口を設けた図7
に示すマトリクス部のパターンと連続して形成されてい
る。
【0091】《カラーフィルタFIL》カラーフィルタ
FILは画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に形成される。カラーフィルタFILは遮
光膜BMのエッジ部分と重なるように形成されている。
【0092】本発明では、この重なる部分の平面レイア
ウトを規定するものである。詳細は後述する。
【0093】カラーフィルタFILは例えば次のように
形成することができる。まず、上部透明ガラス基板SU
B2の表面にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フ
ォトリソグラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染
色基材を除去する。この後、染色基材を赤色染料で染
め、固着処理を施して赤色フィルタRを形成する。次
に、同様な工程を施すことによって、緑色フィルタG、
青色フィルタBを順次形成する。
【0094】《オーバーコート膜OC》オーバーコート
膜OCはカラーフィルタFILの染料の液晶LCへの漏
洩を防止、及びカラーフィルタFIL、遮光膜BMによ
る段差の平坦化のために設けられている。オーバーコー
ト膜OCは例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の透明
樹脂材料で形成される。
【0095】液晶層及び偏光板 次に、液晶層、配向膜、偏光板等について説明する。
【0096】《液晶層》液晶材料LCとしては、誘電率
異方性△εが正でその値が13.2、屈折率異方性△n
が0.081(589nm、20°C)のネマチック液
晶と、誘電率異方性△εが負でその値が−7.3、屈折
率異方性△nが0.053(589nm、20°C)の
ネマチック液晶を用いた。
【0097】液晶層の厚み(ギャップ)は、誘電率異方
性△εが正の場合2.8μm超4.5μm未満とした。
これは、リターデションΔn・dは0.25μm超0.
32μm未満の時、可視光の範囲内で波長依存性が殆ど
ない誘電率特性が得られ、誘電率異方性△εが正を有す
る液晶の大部分が複屈折率異方性△nが0.07超0.
09未満であるためである。
【0098】一方、誘電率異方性△εが負の場合は、液
晶層の厚み(ギャップ)は、4.2μm超8.0μm未
満とした。これは誘電率異方性△εが正の液晶と同様
に、リターデションΔn・dを0.25μm超0.32
μm未満に抑えるためで、誘電率異方性△εが負を有す
る液晶の大部分が複屈折異方性△nが0.04超0.0
6未満であるためである。
【0099】又、後述の配向膜と偏光板の組み合わせに
より、液晶分子がラビング方向から電界方向に45°回
転したとき最大透過率を得ることができる。尚、液晶層
の厚み(ギャップ)はポリマビーズで制御している。
【0100】又、液晶材料LCは、ネマチック液晶であ
れば、特に限定したものではない。誘電率異方性△ε
は、その値が大きいほうが、駆動電圧が低減でき、屈折
率異方性△nは小さいほうが液晶層の厚み(ギャップ)
を厚くでき、液晶の封入時間が短縮され、かつギャップ
ばらつきを少なくすることができる。
【0101】《配向膜》配向膜ORIとしてはポリイミ
ドを用いる。ラビング方向RDRは上下基板で互いに平
行にし、かつ、印加電界方向EDRとのなす角度φLC
は75°とする。図11にその関係を示す。
【0102】尚、ラビング方向RDRと印加電界方向E
DRとのなす角度は、液晶材料の誘電率異方性△εが正
であれば、45°以上90°未満、誘電率異方性△εが
負であれば、0°を超え45°以下であれば良い。
【0103】《偏光板》偏光板POLとしては、日東電
工社製G1220DU(商品名)を用い、図11に示し
たように、下側の偏光板POL1の偏光透過軸MAX1
をラビング方向RDRと一致させ、上側の偏光板POL
2の偏光透過軸MAX2をそれに直交させる。
【0104】これにより、本発明の画素に印加される電
圧(画素電極PXと対向電極CTの間の電圧)を増加さ
せるに伴い、透過率が上昇するノーマリークローズ特性
を得ることができる。
【0105】更に、本発明で開示される横電界方式と称
される液晶表示装置では、上側の基板SUB2側の表面
の外部から静電気等の高い電位が加わった場合に、表示
の異常が発生する。このため、上側の偏光板POL2の
更に上側或いは表面にシート抵抗が1×108 Ω/□以
下の透明導電膜の層を形成すること、或いは偏光板と前
記透明基板の間にシート抵抗1×108 Ω/□以下のI
TO等の透明導電膜の層を形成すること、或いは偏光板
の粘着層にITO、SnO2 、In2 3 等の導電性粒
子を混ぜ、シート抵抗を1×108 Ω/□以下とするこ
とが必要になる。この対策については、公知ではないが
同一出願人による特願平7−264443号において、
シールド機能向上につき詳しい記載がある。
【0106】《マトリクス周辺の構成》図12は上下の
ガラス基板SUB1、SUB2を含む表示パネルPNL
のマトリクス(AR)周辺の要部平面図である。又、図
13は左側に走査回路が接続された外部接続端子GTM
付近の断面図、図14はゲートTCPの出力側および入
力側の断面構造の説明図である。
【0107】このパネルの製造では、小さいサイズであ
ればスループット向上のため1枚のガラス基板では複数
個分のデバイスを同時に加工してから分割し、大きいサ
イズであれば製造設備の共用のため、どの品種でも標準
化された大きさのガラス基板を加工してから各品種に合
ったサイズに小さくし、いずれの場合も一通りの工程を
経てからガラスを切断する。
【0108】図12、図13は後者の例を示すもので、
図12、図13の両図とも上下基板SUB1、SUB2
の切断後を表わしており、LNは両基板の切断前の縁を
示す。いずれの場合も、完成状態では外部接続端子群T
g、Td及び端子CTMが存在する(図で上辺と左辺
の)部分はそれらを露出するように上側基板SUB2の
大きさが下側基板SUB1よりも内側に制限されてい
る。
【0109】端子群Tg、Tdは、それぞれ後述する走
査回路接続用端子GTM、映像信号回路接続用端子DT
Mとそれらの引出し配線部を集積回路チップCHIが搭
載されたテープキャリアパッケージTCP(図14、図
13参照)の単位に複数本まとめて名付けたものであ
る。
【0110】各群のマトリクス部から外部接続端子部に
至るまでの引出し配線は、両端に近づくにつれ傾斜して
いる。これは、パッケージTCPの配列ピッチ及び各パ
ッケージTCPにおける接続端子ピッチに表示パネルP
NLの端子DTM、GTMに合わせるためである。
【0111】又、対向電極端子CTMは、対向電極CT
に対向電圧を外部から与えるための端子である。マトリ
クス部の対向電極信号線CLは、走査回路用端子GTM
の反対側(図では右側)に引出し、各対向電圧信号線を
共通バスラインCBで一纏めにして、対向電極端子CT
Mに接続している。
【0112】透明ガラス基板SUB1、SUB2の間に
は、その縁に沿って、液晶封入口INJを除き、液晶L
Cを封止するようにシールパターンSLが形成される。
シール材は例えばエポキシ樹脂から成る。
【0113】配向膜ORI1、ORI2の層は、シール
パターンSLの内側に形成される。偏光板POL1、P
OL2はそれぞれ下部透明ガラス基板SUB1、上部透
明ガラス基板SUB2の外側の表面に構成されている。
【0114】エッチングLCは液晶分子の向きを設定す
る下部配向膜ORI1と上部配向膜ORI2との間でシ
ールパターンSLで仕切られた領域に封入されている。
下部配向膜ORI1は下部透明ガラス基板SUB1側の
保護膜PSV1の上部に形成される。
【0115】この液晶表示装置は、下部透明ガラス基板
SUB1側、上部透明ガラス基板SUB2側で別個に種
々の層を積み重ね、シールパターンSLを基板SUB2
側に形成し、下部透明ガラス基板SUB1と上部透明ガ
ラス基板SUB2とを重ね合わせ、シールパターンSL
の開口部INJから液晶LCを注入し、注入口INJを
エポキシ樹脂などで封止し、上下基板を切断することに
よって組み立てられる。
【0116】《表示装置全体等価回路》図15は本発明
による液晶表示装置の周辺回路の概要説明図であって、
同図に示すように、液晶表示基板は画像表示部がマトリ
クス状に配置された複数の画素の集合により構成され、
各画素は前記液晶表示基板の背部に配置されたバックラ
イトからの透過光を独自に変調制御できるように構成さ
れている。
【0117】液晶表示基板の構成要素の1つであるアク
ティブ・マトリクス基板SUB1上には、有効画素領域
ARにx方向(行方向)に延在し、y方向(列方向)に並
設されたゲート信号線GLと対向電圧信号線CLとそれ
ぞれ絶縁されてy方向に延在し、x方向に並設されたド
レイン信号線DLが形成されている。
【0118】ここで、ゲート信号線GL、対向電圧信号
線CL、ドレイン信号線DLのそれぞれによって囲まれ
る矩形状の領域に単位画素が形成される。
【0119】液晶表示基板には、その外部回路として垂
直走査回路V及び映像信号駆動回路Hが備えられ、前記
垂直走査回路Vによって前記ゲート信号線GLのそれぞ
れに順次走査信号(電圧)が供給され、そのタイミング
に合わせて映像信号駆動回路Hからドレイン信号線DL
に映像信号(電圧)を供給するようになっている。
【0120】尚、垂直走査回路V及び映像信号駆動回路
Hは、液晶駆動電源回路3から電源が供給されるととも
に、CPU1からの画像情報がコントローラ2によって
それぞれ表示データ及び制御信号に分けられて入力され
るようになっている。
【0121】《駆動方法》図16は本発明の液晶表示装
置の駆動波形図である。対向電圧をVCHとVCLの2
値の交流矩形波にし、それに同期させて走査信号VG
(i−1)、VG(i)の非選択電圧を1走査期間毎
に、VCHとVCLの2値で変化させる。対向電圧の振
幅幅と非選択電圧の振幅値は同一にする。
【0122】映像信号電圧は、液晶層に印加したい電圧
から、対向電圧の振幅の1/2を差し引いた電圧であ
る。
【0123】対向電圧は直流でも良いが、交流化するこ
とで映像信号電圧の最大振幅を低減でき、映像信号駆動
回路(信号側ドライバ)に耐圧の低いものを用いること
が可能になる。
【0124】《蓄積容量Cstgの働き》蓄積容量Cs
tgは、画素に書き込まれた(薄膜トランジスタTFT
がオフした後の)映像情報を長く蓄積するために設けら
れる。
【0125】本発明で用いている電界を基板面と平行に
印加する方式では、電界を基板面に垂直に印加する方式
と異なり、画素電極と対向電極で構成される容量(所謂
液晶容量)が殆ど無いため、蓄積Cstgは必須の構成
要素である。
【0126】又、蓄積容量Cstgは、薄膜トランジス
タTFTがスイッチングするとき、画素電極電位Vsに
対するゲート電位変化△Vgの影響を低減するようにも
働く。この様子を式で表わすと次のようになる。
【0127】△Vs=[Cgs/(Cgs+Cstg+
Cpix)]×ΔVg ここで、Cgsは薄膜トランジスタTFTのゲート電極
GTとソース電極SDIとの間に形成される寄生容量、
Cpixは画素電極PXと対向電極CTとの間に形成さ
れる容量、△VsはΔVgによる画素電極電位の変化
分、所謂フィードスルー電圧を表わす。
【0128】この変化分△Vsは液晶LCに加わる直流
成分の原因となるが、保持容量Cstgを大きくする
程、その値を小さくすることができる。
【0129】液晶LCに印加される直流成分の低減は、
液晶LCの寿命を向上し、液晶表示画面の切り替え時に
前の画像が残る所謂焼き付きを低減することができる。
【0130】前述したように、ゲート電極GTはi型半
導体層ASを完全に覆うよう大きくされている分、ソー
ス電極SDI、ドレイン電極SD2とのオーバーラップ
面積が増え、従って寄生容量Cgsが大きくなり、画素
電極電位Vsはゲート(走査)信号Vgの影響を受けや
すくなるという逆効果が生じる。しかし、蓄積容量Cs
tgを設けることによりこのデメリットも解消する。
【0131】《製造方法》次に、上述した液晶表示装置
の基板SUB1側の製造方法について説明する。
【0132】図17、図18および図19は本発明によ
る液晶表示装置の製造工程の説明図であって、同図にお
いて、中央の文字は工程名の略称であり、図中左側は図
8に示した薄膜トランジスタTFT部分、右側は図ゲー
ト端子付近の断面形状でみた加工の流れを示す。また、
工程B、工程Dを除き工程A〜工程Iは各写真処理(フ
ォトリソグラフィ)に対応して区分けしたもので、各工
程のいずれの断面図も写真処理後の加工が終わりフォト
レジストを除去した段階を示している。
【0133】尚、写真処理とは本発明ではフォトレジス
トの塗布からマスクを使用した選択露光を経て、それを
現像するまでの一連作業を示すものとし、繰り返しの説
明は避ける。以下区分けした工程に従って説明する。
【0134】工程A(図17) AN635ガラス(商品名)からなる下部透明ガラス基
板SUB1上に膜厚が300nmのAl−Pd、Al−
W、Al−Ta、Al−Ti−Ta等からなる導電膜g
1をスパッタリングにより設ける。写真処理後、リン酸
と哨酸と氷酢酸との混酸液で導電膜g1を選択的にエッ
チングする。それによって、ゲート電極GT、走査信号
線GL、対向電極CT、対向電圧信号線CL、電極PL
1、ゲート端子GTM、共通バスラインCBの第1導電
層、対向電極端子CTMの第1導電層、ゲート端子GT
Mを接続する陽極酸化バスラインSHg(図示せず)及
び陽極酸化バスラインSHgに接続された陽極酸化パッ
ド(図示せず)を形成する。
【0135】工程B(図17) 直接描画による陽極酸化マスクAOの形成後、3%酒石
酸をアンモニアによりPH6.25±0.05に調整し
た溶液をエチレングリコール液で1:9に希釈した液か
らなる陽極酸化液中に基板SUB1を浸漬し、化成電流
密度が0.5mA/cm2 になるように調整する(定電
流化成)。
【0136】次に、所定のAl203膜厚が得られるの
に必要な化成電圧125Vに達するまで陽極酸化を行
う。その後、この状態で数10分保持することが望まし
い(定電圧化成)。これは均一なAl203膜を得る上
で大事なことである。それによって、導電膜g1が陽極
酸化され、ゲート電極GT、走査信号線GL、対向電極
CT、対向電圧信号線CL及び電極PL1上に膜厚が1
80nmの陽極酸化膜AOFが形成される。
【0137】工程C(図17) 膜厚が140nmのITO膜からなる透明導電膜g2を
スパッタリングにより設ける。写真処理後、エッチング
液として塩酸と硝酸との混酸液で透明導電膜g2を選択
的にエッチングすることにより、ゲート端子GTMの最
上層、ドレイン端子DTM及び対向電極端子CTMの第
2導電膜を形成する。
【0138】工程D(図18) プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が220nmの窒化Si膜を設
け、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガスを導入
して、膜厚が200nmのi型非晶質Si膜を設けた
後、プラズマCVD装置にシランガス、水素ガス、ホス
フィンガスを導入して、膜厚が30nmのN(+)型非
晶質Si膜を設ける。
【0139】工程E(図18) 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
してN(+)型非晶質Si膜、i型非晶質Si膜を選択
的にエッチングすることにより、i型半導体層ASの島
を形成する。
【0140】工程F(図18) 写真処理後、ドライエッチングガスとしてSF6を使用
して、窒化Si膜を選択的にエッチングする。
【0141】工程G(図19) 膜厚が60nmのCrからなる導電膜d1をスパッタリ
ングにより設け、さらに膜厚が400nmのAl−P
d、Al−Si、Al−Ta、Al−Ti−Ta等から
なる導電膜d2をスパッタリングにより設ける。写真処
理後、導電膜d2を工程Aと同様の液でエッチングし、
導電膜d1を硝酸第2セリウムアンモニウム溶液でエッ
チングし、映像信号線DL、ソース電極SD1、ドレイ
ン電極SD2、画素電極PX、電極PL2、共通バスラ
インCBの第2導電層、第3導電層及びドレイン端子D
TMを短絡するバスラインSHd(図示せず)を形成す
る。次に、ドライエッチング装置にSF6を導入して、
N(+)型非晶質Si膜をエッチングすることにより、
ソースとドレイン間のN(+)型半導体層d0を選択的
に除去する。
【0142】工程H(図19) プラズマCVD装置にアンモニアガス、シランガス、窒
素ガスを導入して、膜厚が500nmの窒化Si膜を設
ける。写真処理後、ドレインエッチングガスとしてSF
6を使用した写真蝕刻技術で窒化Si膜を選択的にエッ
チングすることによって、保護膜PSV1を形成する。
【0143】《表示パネルPNLと駆動回路基板PCB
1》図20は図12に示した表示パネルPNLと映像信
号駆動回路Hと垂直走査回路Vを接続した状態を示す上
面図である。
【0144】CH1は表示パネルPNLを駆動させる駆
動ICチップ(下側の5個は垂直走査回路側の駆動IC
チップ、左側の10個の映像信号駆動回路側の駆動IC
チップ)である。TCPは図14、図13に示したよう
に駆動用ICチップCH1がテープ・オートメイティッ
ド・ボンディング(TAB)法により実装されたテープ
キャリアパッケージ、PCB1は上記TCPやコンデン
サ等が実装された駆動回路基板で、映像信号駆動回路用
と走査信号駆動回路用の2つに分割されている。
【0145】FGPはフレームグランドパッドであり、
シールドケースSHDに切り込んで設けられたバネ状の
破片が半田付けされる。FCは下側の駆動回路基板PC
B1と左側の駆動回路基板PCB1を電気的に接続する
フラットケーブルである。
【0146】フラットケーブルFCとしては図に示すよ
うに、複数のリード線(りん青銅の素材にSn鍍金を施
したもの)をストライプ状のポリエチレン層とポリビニ
ルアルコール層とでサンドイッチして支持したものを使
用する。
【0147】《TCPの接続構造》前記した図14は、
走査信号駆動回路Vや映像信号駆動回路Hを構成する集
積回路チップCHIがフレキシブル配線基板に搭載され
たテープキャリアパッケージの断面構造を示す図であ
り、図13はそれを液晶表示パネルの、本例では走査信
号回路用端子GTMに接続した状対を示す要部断面図で
ある。
【0148】同図において、TTBは集積回路CHIの
入力端子・配線部であり、TTMは集積回路CHIの出
力端子・配線部であって、例えばCuから成り、それぞ
れの内側の先端部(通称インナーリード)には集積回路
CHIのボンディングパッドPADが所謂フェースダウ
ンボンディング法により接続される。
【0149】端子TTB、TTMの外側の先端部(通称
アウターリード)はそれぞれ半導体集積回路チップCH
Iの入力及び出力に対応し、半田付け等によりCRT/
TFT変換回路・電源回路SUPに、異方性導電膜AC
Fによって液晶表示パネルPNLに接続される。
【0150】パッケージTCPは、その先端部がパネル
PNL側の接続端子GTMを露出した保護膜PSV1を
覆うようにパネルにPNLに接続されている。従って、
外側接続端子GTM(DTM)は保護膜PSV1かパッ
ケージTCPの少なくとも一方で覆われるので電触に対
して強くなる。
【0151】BF1はポリイミド等からなるベースフィ
ルムであり、SRSは半田付けの際、半田が余計な所へ
付かないようにマスクするためのソルダレジスト膜であ
る。シールパターンSLの外側の上下ガラス基板の隙間
は、洗浄後にエポキシ樹脂EPX等により保護され、パ
ッケージTCPと上側基板SUB2の間には更にシリコ
ン樹脂SILが充填されて保護が多重化されている。
【0152】《駆動回路基板PCB2》駆動回路基板P
CB2は、IC、コンデンサ、抵抗等の電子部品が搭載
されている。この駆動回路基板PCB2には、1つの電
圧源から複数の分圧した安定化された電圧源を得るため
の電源回路や、ホスト(上位演算処理装置)からのCR
T(陰極線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報
に変換する回路を含む回路SUPが搭載されている。C
Jは外部と接続される図示しないコネクタが接続される
コネクタ接続部である。
【0153】駆動回路基板PCB1と駆動回路基板PC
B2とはフラットケーブルFC等のジョイナーJNによ
り電気的に接続されている。
【0154】《液晶表示モジュールの全体構成》図21
は液晶モジュールの各構成部品を示す分解斜視図であっ
て、SHDは金属板から成る枠状のシールドケース(メ
タルフレーム)、WDはその表示窓、PNLは液晶表示
パネル、SPSは光拡散板、GLBは導光体、RFSは
反射板、BLはバックライトの蛍光管、MCAは下側ケ
ース(バックライトケース)であり、図に示すような上
下の配置関係で各部材が積み重ねられてモジュールMD
Lが組み立てられる。
【0155】モジュールMDLはシールドケースSHD
に設けられた爪とフックによって全体が固定されるよう
になっている。ここで、筺体MDは、モジュールMDL
とバックライトケースMCAとの組み合わさったものと
する。
【0156】バックライトケースMCAは、バックライ
ト蛍光管BL、光拡散板SPS、導光体GLB、反射板
RFSを収納する形状になっており、導光体GLBの側
面に配置されたバックライト蛍光管BLの光を導光体G
LB、反射板RFS、光拡散板SPSにより表示面で一
様なバックライトにし、液晶表示パネルPNL側に出射
する。
【0157】バックライト蛍光管BLにはインバータ回
路基板が接続されており、バックライト蛍光管BLの電
源となっている。
【0158】《実施例1》図5は本発明による液晶表示
装置の第1実施例の構成を示す図1の映像信号線DL部
分の断面模式図である。なお、詳細は図1の《マトリク
ス部の平面構成》で説明したので再度の説明は省略す
る。
【0159】本実施例の特徴は、映像信号線DLの下層
に絶縁膜として非晶質シリコン膜ASを配置した点にあ
る。この非晶質シリコン膜ASの幅に関しては特に制限
はないが、広い程好ましい。本実施例では、非晶質シリ
コン膜ASの幅を映像信号線DLよりも2μm広くして
ある。
【0160】図1の映像信号線DL部分の断面構造を説
明する図2に示したように、映像信号線DLの下層はガ
ラス基板側からゲート絶縁膜GI、非晶質シリコン膜A
Sにより構成され、かつ映像信号線DLと下層非晶質シ
リコン膜ASの界面部には、N(+)型シリコンd0が
配置されている。これは、前記TFT基板の製造工程の
中で説明したように、映像信号線DLを形成した後にN
(+)型シリコンd0を加工(エッチング)するためで
ある。
【0161】従来技術では、本実施例と異なり、映像信
号線DLの下層に非晶質シリコン膜は配置していない。
【0162】以上の構造上の差が横電界方式の液晶表示
装置では、縦スメアの特性に大きく影響する。縦電界方
式の液晶表示装置の場合、縦スメアは配線と画素電極と
の寄生容量により発生する。しかし、横電界方式の液晶
表示装置の場合は、縦スメアは上記の寄生容量で発生す
るのではなく、以下の2つのモードで発生する。
【0163】1つは、映像信号線DLの供給電圧の影響
により、映像信号線DLと画素電極PXとの間で電界が
発生し、本来の画素電極PXと対向電極CTとの間の電
界成分が変動してしまうために生じる。
【0164】もう1つは、映像信号線DLと対向電極C
Tとの間からの光漏れである。これは、映像信号線DL
と対向電極CTとの間で発生する電界により、液晶分子
が回転して透過光を発生させる。この殆どはブラックマ
トリクスBMにより遮光されるが、ブラックマトリクス
BMを構成している樹脂材料のOD値が不十分であるた
めに生じる漏れ光である。特に、横電界方式の液晶表示
装置の場合、ブラックマトリクスBMに金属材料を使用
すると、液晶分子に印加される実効的な電界強度が低減
し、それにより駆動電圧の上昇を招く。
【0165】従って、横電界用のブラックマトリクス材
料には、高抵抗を実現できる樹脂材料を使用するのが一
般的である。樹脂材料は、金属材料と比較してOD値が
低いため、遮光性に問題がある。
【0166】前者の映像信号線DLからの漏れ電界の影
響は、TFT基板上の映像信号線DLと対向電極CTと
の電極幅を最適設計することで低減することは可能であ
る。しかし、後者の漏れ光の影響は材料の開発等が必要
であり、対策が困難である。
【0167】しかし、本実施例の構造により、映像信号
線DLと対向電極CTの間を透過する光量が非晶質シリ
コン膜を形成した分低下し、それに伴い、前記領域に対
応する部分のブラックマトリクスBMからの光漏れは低
下する。その結果、縦スメアも低減される。
【0168】図6は本実施例による縦スメアの評価結果
を従来技術と比較した説明図である。この評価は、縦ス
メアの評価パターンとして、画面の中心部に白表示のウ
インドウパターンを表示し、背景を黒表示にして行う。
【0169】本実施例の評価では、上記ウインドウの縦
方向の幅を画面縦方向の幅Yの1/2とした。このパタ
ーンを表示した時に当該ウインドウパターンの下部の黒
表示領域の任意の点を評価点とする。この評価点におい
て上記ウインドウパターンを表示した時と表示しない時
の輝度差を評価する。すなわち、評価点におけるウイン
ドウパターン表示時の輝度をA、ウインドウパターンを
表示しない時の輝度をBとした時、縦スメア強度は(A
−B)/B×100(%)で定義する。
【0170】図6に示したように、従来構造の液晶表示
装置における縦スメア強度が60%であるのに対し、本
実施例の構造を持つ液晶表示装置では20%まで低減さ
れた。
【0171】また、液晶信号線DLの下層に非晶質シリ
コン膜ASを形成することで、製造歩留りも向上する。
図5からも明らかなように、映像信号線DLの下層に非
晶質シリコン膜ASを形成しない場合、映像信号線DL
の形成前は隣接する対向電極CTの膜厚分の窪みが生じ
る。そうすると、工程中で異物(ゴミ等)を除去する目
的で行う洗浄時に、当該窪みの部分は洗浄効果が低下
し、異物等が完全に除去されなくなる。これは、洗浄時
の水流が窪みの両端の段差で乱されるためである。
【0172】従来構造を採用した場合の映像信号線DL
の断線不良は5%であるのに対し、本実施例の構造を採
用した場合には0.8%まで低減することができた。
【0173】このように、本実施例により、縦スメアを
低減させることができると共に、映像信号線DLの断線
不良も低減できる。
【0174】《実施例2》図7は本発明による液晶表示
装置の第2実施例の構成を示す図1の映像信号線DL部
分の断面模式図である。本実施例の平面構造は図1と同
様であるので説明は省略する。
【0175】本実施例の特徴は、第1実施例と比較し
て、非晶質シリコン膜ASの膜厚を隣接する対向電極C
Tの膜厚より厚くしたことにある。
【0176】この構造により、次のような効果が得られ
る。すなわち、本実施例の構造により、映像信号線DL
の形成領域の基板面からの高さは非晶質シリコンASと
ゲート絶縁膜GIの膜厚分となる。この時、非晶質シリ
コン膜ASの膜厚の方が対向電極の膜厚よりも厚いた
め、映像信号線DLの形成領域は、その他の部分よりも
洗浄効率が高く、それに伴い、異物等が付着していたと
しても洗浄により除去することができる。従って、映像
信号線DLを形成した際の断線不良が著しく低減でき
る。
【0177】映像信号線DLの下層に非晶質シリコン膜
ASを形成しない時の断線不良が5%であるのに対し、
本実施例では0.5%まで低減することができた。
【0178】《実施例3》実施例3を図8と図9を参照
して説明する。図8は本発明による液晶表示装置の第3
実施例の構成を説明する1画素の断面模式図、図9は図
8の映像信号線部の断面構造図である。
【0179】本実施例の特徴は、映像信号線DLの下層
に非晶質シリコン膜ASを形成すると共に、この非晶質
シリコン膜ASを映像信号線DLと隣接する対向電極C
Tと重畳するように配置した点にある。
【0180】この構造としたことにより、映像信号線D
Lと対向電極CTの間の領域には全て非晶質シリコン膜
ASが形成されることになる。従って、前記図1、図5
で説明した実施例の構造よりも映像信号線DLと対向電
極CTの間から透過する光量は低下する。そのため、前
記実施例1で説明したように、縦スメアは従来構造の液
晶表示装置と比較して著しく低減される。
【0181】図10は本実施例による縦スメアの評価結
果の説明図であって、映像信号線DLの下層に非晶質シ
リコン膜ASを形成しない従来構造では、縦スメアは6
0%であるのに対し、本実施例の構造を採用した場合に
は8%まで低減することができた。なお、この評価方法
は実施例1での方法と同一である上記各実施例では、映
像信号線DLの下層に形成する絶縁膜として非晶質シリ
コン膜を用いたが、本発明はこれに限るものではなく、
他の適当な絶縁材料であれば、同様に採用することがで
きる。NAO、この絶縁材料は、光透過率がより低い方
が望ましい。
【0182】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
映像信号線と対向電極の間からの漏れ光が抑制され、縦
スメアを低減した高画質の液晶表示装置を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクティブ・マトリクス方式カラー液
晶表示装置の第1実施例を説明する一画素とブラックマ
トリクスBMの遮光領域およびその周辺を示す平面図で
ある。
【図2】図1の4ー4切断線における薄膜トランジスタ
TFTの断面図である。
【図3】図1の5ー5切断線における蓄積容量Cstg
の断面図である。
【図4】横電界方式の液晶表示基板の画像表示領域にお
ける1画素の電極近傍の断面図と基板周辺部の断面図で
ある。
【図5】本発明による液晶表示装置の第1実施例の構成
を示す図1の映像信号線DL部分の断面模式図である。
【図6】本発明による液晶表示装置の第1実施例による
縦スメアの評価結果を従来技術と比較した説明図であ
る。
【図7】本発明による液晶表示装置の第2実施例の構成
を示す図1の映像信号線DL部分の断面模式図である。
【図8】本発明による液晶表示装置の第3実施例の構成
を説明する1画素の断面模式図である。
【図9】図8の映像信号線部の断面構造図である。
【図10】本発明による液晶表示装置の第3実施例によ
る縦スメアの評価結果の説明図である。
【図11】配向膜のラビング方向と電界方向の説明図で
ある。
【図12】上下のガラス基板SUB1、SUB2を含む
表示パネルPNLのマトリクス(AR)周辺の要部平面
図である。
【図13】左側に走査回路が接続された外部接続端子G
TM付近の断面図である。
【図14】ゲートTCPの出力側および入力側の断面構
造の説明図である。
【図15】本発明による液晶表示装置の周辺回路の概要
説明図である。
【図16】本発明の液晶表示装置の駆動波形図である。
【図17】本発明による液晶表示装置の製造工程の説明
図である。
【図18】本発明による液晶表示装置の製造工程の説明
図である。
【図19】本発明による液晶表示装置の製造工程の説明
図である。
【図20】図12に示した表示パネルPNLと映像信号
駆動回路Hと垂直走査回路Vを接続した状態を示す上面
図である。
【図21】液晶モジュールの各構成部品を示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
TFT 薄膜トランジスタ AS 非晶質シリコン膜 GL 走査信号線 DL 映像信号線 BM ブラックマトリクス PX 画素電極 CT 対向電極 CL 対向電圧信号線 Cstg 蓄積容量 d0 N(+)型半導体層 d1 第1導電膜 d2 第2導電膜 SD1 ソース電極 SD2 ドレイン電極 GI ゲート絶縁膜 GT ゲート電極 AOF ゲート電極の陽極酸化膜 SUB1 下部透明ガラス基板(アクティブ・マトリク
ス基板:TFT基板:第1の基板) PL1 蓄積容量下部電極 SUB2 上部透明ガラス基板(カラーフィルタ基板:
第2の基板) POL1,POL2…偏光板 FIL カラーフィルタ層 OC オーバーコート膜 LC 液晶 E 電界 SL シール材 ORI1,ORI2 配向膜 PSV1 パッシベーション膜 RDR ラビング方向 EDR 印加電界方向 MAX1,MAX2 偏光板の透過軸 PNL 表示パネル CTM 端子接続部 Tg,Td 外部接続端子群 LN 切断前の基板サイズ CB 共通バスライン INJ 液晶封入口 BFI ベースフィルム SRS ソルダレジスト膜 EPX エポキシ樹脂 FGP フレームグランドパッド PCB 駆動回路基板 TTB 集積回路CHIの入力端子/配線部 FC フラットケーブル TTM 集積回路CHIの出力端子/配線部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の走査信号配線および映像信号配線
    と、前記走査信号配線および映像信号配線の交点近傍に
    形成したスイッチング素子と、前記スイッチング素子を
    介して駆動電圧が印加される画素電極と、前記画素電極
    と共に基板の平面に略平行な電界を印加するように配置
    された対向電極とを備えてアクティブ・マトリクス基板
    を構成する第1の基板と、樹脂組成物で形成したブラッ
    クマトリクスと、各画素に対応して配置したカラーフィ
    ルタ層を形成したカラーフィルタ基板を構成する第2の
    基板との間に液晶組成物を挟持し、前記画素電極と対向
    電極との間に前記各基板の平面と略平行に発生される電
    界成分によって前記液晶組成物の光透過率を変化させて
    画像表示を行う液晶表示装置において、 少なくとも有効表示領域内の前記映像信号配線の下層に
    絶縁膜を配置してなることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記絶縁膜の膜厚が、前記映像信号配線と
    隣接する画素電極あるいは対向電極の膜厚より厚いこと
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記絶縁膜が、前記映像信号配線と隣接す
    る画素電極あるいは対向電極と重なるごとく配置してな
    ることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁膜が非晶質シリコン膜であること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の液晶表示装
    置。
JP9152356A 1997-06-10 1997-06-10 液晶表示装置 Pending JPH112840A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001324727A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板及びその製造方法
US7503214B2 (en) 2004-06-11 2009-03-17 Siemens Aktiengesellschaft Sensor

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JP2001324727A (ja) * 2000-05-12 2001-11-22 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置用薄膜トランジスタ基板及びその製造方法
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