JPH11281440A - 流量計の脈動吸収構造 - Google Patents

流量計の脈動吸収構造

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JPH11281440A
JPH11281440A JP8181898A JP8181898A JPH11281440A JP H11281440 A JPH11281440 A JP H11281440A JP 8181898 A JP8181898 A JP 8181898A JP 8181898 A JP8181898 A JP 8181898A JP H11281440 A JPH11281440 A JP H11281440A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脈動の影響を低減させて正確な流量計測を実
現することのできる流量計の脈動吸収構造を得る。 【解決手段】 流量計1のケース2外面の入口3からケ
ース2内の計測部5の入口端5d流体を導くケース内導
入路6と、計測部5の出口端からケース2外面の出口4
に流体を導くケース内排出路7との少なくとも一方に、
伝搬する圧力波に位相差を生じさせるバイパス流路7b
と、流体の一部をバイパス流路7bに流す偏向手段10
a,10bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子式ガスメータ
等として使用される流量計に関し、さらに詳しくは、流
路中の流速を間欠的に計測して積算流量を推測する推量
式流量計において脈動(圧力変動,流速変動)の影響を
低減する流量計の脈動吸収構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子式ガスメータ等に使用される
流量計として、流路内を流れる流体の流速に応じて変化
する適宜物理量を流路内に設けた電子式センサを利用し
て間欠的に検出し、前記電子化センサの検出信号に基づ
いて流路中の流速を間欠的に計測して積算流量を推測す
る推量式流量計が普及している。また、このような推量
式流量計は、使用する電子式センサ別で評価すると、流
体中で超音波を発信・受信する素子である音響トランス
ジューサ等を使用する超音波式のもの、及び流路中の流
体の圧力変動を検出するフルイディック素子を使用する
フルイディック式のものが広く普及している。
【0003】図6は、電子式ガスメータとして使用され
る超音波式の流量計20の基本構造を示したものであ
る。この流量計20は、ケース24の外面に被計測流体
(この場合は、ガス)の入口26と出口27を設けると
共に、ケース24内には、計測部28と、ケース外面の
入口26に供給される流体を前記計測部28の入口端2
8aに導くケース内導入路29aと、計測部28を通過
する流体を、この計測部28の出口端28bからケース
外面の出口27に導くケース内排出路29bと、計測部
28に装備されるセンサの動作制御やセンサの検出信号
に基づいた所定の演算処理を行う図示せぬ演算処理回路
とを装備して構成される。ケース内導入路29a及びケ
ース内排出路29bは、いずれも、ケース24の内壁面
を利用したものである。
【0004】計測部28は、ガスの流路と超音波の伝搬
管路を兼ねる計測用管路22と、計測用管路22の両端
間で超音波の発信・受信を行う一対の音響トランスジュ
ーサ21,23とから構成されている。そして、ケース
24内に装備される図示せぬ演算処理装置は、例えば、
計測部28の入口端28a側の音響トランスジューサ2
1から超音波信号を発生させて出口端28b側の音響ト
ランスジューサ23に受信させて、トランスジューサ間
での超音波信号のガス流方向の伝搬時間t1を計測す
る。次ぎに、双方のトランスジューサの動作を切り換え
て、出口端28b側のトランスジューサ23から超音波
信号を発生させ、入口端28a側のトランスジューサ2
1で受信してガス流方向とは逆方向の伝搬時間t2 を計
測する。この計測した2つの伝搬時間t1 ,t2 の伝搬
時間差に基づいて計測用管路22内を流れているガスの
流速Vを間欠的に求め、この流速Vに計測用管路22の
断面積を乗じて瞬時流量を求める。そして更に、この瞬
時流量に一定の計測間隔であるサンプリング時間を乗じ
て通過流量を求め、この通過流量を積算して積算流量を
求める。図示せぬ演算処理装置が求めた積算流量は、ケ
ース24の外面に装備される図示せぬ表示手段に表示さ
れる。
【0005】このような電子式流量計20では、流体の
圧力変動を可撓膜の変位により検出してその検出値に基
づいて流量計測を行う従来の膜式(機械式)メータと比
較して、一般に、流量計測に必要な物理量を検出する計
測部28をコンパクト化することができ、その結果、流
量計全体をコンパクト化することができる。また、ケー
ス24が同一の大きさであれば、従来の膜式メータと比
較して、ケース内により大きな空きスペースを確保する
ことができ、空きスペースを利用して、更に付加価値を
持った回路や機器等を追加装備することが可能になる。
さらに、このような電子式流量計20では、センサ感度
が高いため、微量の流量測定も計測精度の高精度化も期
待することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の流
量計を通じて供給されるガス等の流体を消費するガスヒ
ートポンプ(GHP)等の燃焼器は、使用中に供給ガス
に圧力変動や流速変動等の脈動を生じさせるものがあ
る。そして、図7(a)に示すように、燃焼器30の発
生した脈動25は、流量計20からのガス流を伝って流
量計内に伝搬すると、計測用管路22内でのガス流を脈
動流とする虞がある。更に、図7(b)に示すように主
供給管31に複数の流量計20A,20B,…が分岐接
続されている場合に、上流側の流量計20Aに接続され
ている燃焼器30Aの発生した脈動25Aが、流量計2
0A及び分岐供給管31a内のガス流を伝って、下流の
流量計20B,…内に伝搬される虞がある。即ち、例え
ば、下流の流量計20Bでは、自己に接続されている燃
焼器30Bからの脈動25Bと、上流の流量計20Aに
接続されている燃焼器30Aからの脈動25Bとの双方
が伝搬されて、双方の脈動25A,25Bによる影響を
受けて、計測用管路22内での脈動流が更に激しくなる
虞がある。
【0007】上記の流量計20において、燃焼器の発生
した脈動の影響で計測用管路22内のガス流に脈動流が
生じると、図8に示すように一定のサンプリング間隔Δ
tでガス流の流速Vを検出し、検出した流速Vにサンプ
リング時間Δtを乗じて通過流量を求めた場合に、図中
斜線を施した部分が誤差となり、通過流量を積算して求
めた積算流量は実際のガス使用量とかなり違った積算値
となり、計測誤差の増大という重大な問題を招く。
【0008】そこで、以上の流量計20では、計測用管
路22への脈動の伝搬を防止する対策を講じることが望
ましいが、脈動の伝搬を低減する機構が複雑になると、
限られた大きさの流量計20への組み込みが困難になっ
たり、あるいは計測部28の構造や配置等に工夫を凝ら
す必要が生じ、大改造となって大幅なコストアップを招
くといった新たな問題が生じる。
【0009】本発明の目的は、上記課題を解消すること
にあり、電子式ガスメータ等に使用される流量計におい
て、計測部内への脈動の伝搬を効率良く低減させること
ができ、しかも、ケースやケース内の計測部等に大改造
が必要なく、正確な流量計測を容易かつ安価に実現する
ことのできる流量計の脈動吸収構造を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、ケ
ースの外面に被計測流体の入口と出口を設けると共に、
ケース内には、流路内を流れる流体の流速に応じて変化
する適宜物理量を流路内に設けた電子式センサにより間
欠的に検出する計測部と、前記入口と前記計測部の入口
端とを繋ぐケース内導入路と、前記計測部の出口端と前
記出口とを繋ぐケース内排出路とを装備する流量計の、
前記計測部内の流体の流れに作用する脈動を低減させる
流量計の脈動吸収構造であって、前記ケース内導入路及
びケース内排出路の少なくとも一方は、流路内をメイン
流路とバイパス流路とに区分する仕切壁と、この仕切壁
の端部付近に装備され流体の一部が円滑にバイパス流路
に流れるように流体の流れ方向を調整する偏向手段とを
備えた構成とし、かつ、メイン流路を流れた圧力波とバ
イパス流路を流れた圧力波は合流時に位相がずれるよう
に、バイパス流路長を設定したことを特徴とする流量計
の脈動吸収構造により解決される。
【0011】上記構成の流量計の脈動吸収構造によれ
ば、例えば、流路をメイン流路とバイパス流路に区分す
る仕切壁や、流体の一部をバイパス流路に送るための偏
向手段をケース内排出路に装備した場合には、流量計の
出口に接続されている燃焼器等からケース内に伝搬され
てきた脈動は、ケース内排出路を伝搬する際に、偏向手
段によって所定の割合でメイン流路とバイパス流路とに
振り分けられる。これに伴い、それぞれの流路に分かれ
て伝搬した脈動は互いの位相がずれているので、メイン
流路内を伝搬されて来た圧力波とバイパス流路内を伝搬
されてきた圧力波とが合成される際に互いに打ち消し合
い、脈動の圧力波が減衰・吸収され、流量計の下流から
伝搬されてきた脈動の計測部への影響を低減させること
ができる。
【0012】同様に、バイパス流路を形成する仕切壁
や、流体の一部が安定してバイパス流路に流れるように
流体の流れ方向を調整する偏向手段をケース内導入路に
装備した場合には、流量計の入口に接続されている流体
供給路の上流に分岐接続されている別の流量計等からケ
ース内に伝搬されてきた脈動は、ケース内導入路を伝搬
する際に、メイン流路とバイパス流路とに分かれて伝搬
する。これに伴い、それぞれの流路に分かれて伝搬した
脈動は互いの位相がずれているので、メイン流路内を伝
搬されて来た圧力波とバイパス流路内を伝搬されてきた
圧力波とが合成される際に互いに打ち消し合い、脈動の
圧力波が減衰・吸収され、流量計の上流から伝搬されて
きた脈動の計測部への影響を低減させることができる。
【0013】従って、バイパス流路を形成する仕切壁
と、流体の一部をバイパス流路に安定して流すための偏
向手段とをケース内導入路及びケース内排出路の双方に
装備した構成とすれば、計測部の上流側及び下流側の双
方からの脈動の影響を低減することができる。
【0014】また、脈動の伝搬を低減する機構としての
仕切壁や偏向手段は、可動部等が必要でなく、構造が極
めて簡単であるため、計測部の構造や配置に特別な工夫
を凝らさずとも容易に流量計のケース内に組み込むこと
ができる。
【0015】なお、好ましくは、前記ケース内導入路及
びケース内排出路は、流路壁としてケースの内壁を利用
して形成し、ケースに装備されるねじ部用ボス部のケー
ス内に突出する湾曲外面がバイパス流路への偏向手段と
して利用される構成とするとよい。このようにすると、
ケース自体の構造が有効に活用され、特別に別部品の偏
向手段を容易することが必要なくなる。
【0016】更に、ケース内導入路又はケース内排出路
をメイン流路とバイパス流路に区分する仕切壁を、前記
ケースに一体形成した構成とすることが望ましい。この
ようにすれば、仕切壁においても、特別に別部品として
製作する必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る流量計の脈動
吸収構造の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説
明する。図1は、本発明に係る流量計の脈動吸収構造の
第1実施形態の概略構成を示したものである。この第1
実施形態の脈動吸収構造は、電子式ガスメータとして使
用される流量計1に適用されている。この流量計1は、
ケース2の外面に、被計測流体であるガスの入口3及び
出口4と、後述する演算処理回路の算出した流量値を表
示する図示せぬ表示手段とを装備している。
【0018】また、流量計1は、ケース2内に、直管状
に設けた計測用管路5a内を流れる流体の流速に応じて
変化する適宜物理量を、計測用管路5aの両端に設けた
一対の電子式センサ5b,5cにより間欠的に検出する
計測部5と、電子式センサ5b,5cの検出値に基づい
て流量を算出する図示せぬ演算処理回路と、ケース2外
面の入口3に接続したガスの主供給管31から供給され
る流体(ガス)を計測部5の入口端5dに導くケース内
導入路6と、前記計測部5を通過する流体を前記計測部
5の出口端5eからケース2外面の出口4に導くケース
内排出路7とを装備している。
【0019】前記計測部5は、図6に示した流量計20
における計測部28に相当するものである。即ち、計測
用管路5aの両端に設けられた一対の電子式センサ5
b,5cは、超音波を発信・受信する音響トランスジュ
ーサである。図1に2点鎖線による斜線を施した区間の
長さLが、計測部5の長さである。
【0020】そして、図示せぬ演算処理回路は、例え
ば、先ず計測部5の入口端5d側の音響トランスジュー
サ5bから超音波信号を発生させて出口端5e側の音響
トランスジューサ5cに受信させて、トランスジューサ
間での超音波信号のガス流方向の伝搬時間t1 を計測す
る。次ぎに、双方のトランスジューサの動作を切り換え
て、出口端5e側のトランスジューサ5cから超音波信
号を発生させ、入口端5d側のトランスジューサ5bに
受信させてガス流方向とは逆方向の伝搬時間t2を計測
する。この計測した2つの伝搬時間t1 ,t2 の伝搬時
間差に基づいて計測用管路5a内を流れているガスの流
速Vを間欠的に求め、この流速Vに計測用管路5aの断
面積を乗じて瞬時流量を求める。そして更に、この瞬時
流量に一定の計測間隔であるサンプリング時間を乗じて
通過流量を求め、この通過流量を積算して積算流量を求
める。図示せぬ演算処理装置が求めた積算流量は、ケー
ス2の外面に装備されている図示せぬ表示手段に表示さ
れる。
【0021】そして、本実施形態の場合、前記ケース内
導入路6及びケース内排出路7は、流路壁としてケース
2の内壁を利用している。また、ケース内排出路7は、
流路内をメイン流路7aとバイパス流路7bとに区分す
る仕切壁8と、この仕切壁8の両端部付近にそれぞれ装
備されて流体の一部が円滑にバイパス流路7bに流れる
ように流体の流れ方向を調整する偏向手段10a,10
bとを備える。
【0022】偏向手段10aは、出口4からケース内排
出路7に流入する流体の一部をバイパス流路7bに振り
分けるためのものである。また、偏向手段10bは、計
測用管路5aを通過してケース内排出路7に流入する流
体の一部をバイパス流路7bに振り分けるためのもので
ある。これらの偏向手段10a,10bは、いずれも、
ケース2に一体に装備されるねじ部用ボス部2aのケー
ス内に突出する湾曲外面である。
【0023】また、仕切壁8は、バイパス流路7b側が
大きく湾曲した翼形(三日月形)で、ケース2に一体形
成されている。そして、メイン流路7aを流れた圧力波
の位相と、バイパス流路7bを流れた圧力波の位相とが
合流時にずれるように、バイパス流路7bの長さが設定
してある。
【0024】以上の流量計1の出口4には、図示のよう
に、ガスを燃焼・消費するガスヒートポンプ(GHP)
等の燃焼器14A,14Bが接続されている。
【0025】以上の流量計1において、燃焼器14から
ケース2の出口4まで伝搬された脈動15は、ケース内
排出路7を伝搬する際に、偏向手段10aによって流体
が所定の流量比でメイン流路7aとバイパス流路7bと
に振り分けられるのに伴い、それぞれの流路に分かれて
伝搬し、流れが合流した際には、互いの位相がずれてい
るために、メイン流路7a内を伝搬されて来た圧力波と
バイパス流路7b内を伝搬されてきた圧力波とが合成さ
れる際に互いに打ち消し合う。更に詳述すると、出口4
からケース内排出路7内に伝搬される圧力波が、図2
(a)に示すように、振幅(圧力差)がΔP、周期がt
x の波形Nである場合、メイン流路7a中を伝搬した圧
力波とバイパス流路7b中を伝搬した圧力波とは、偏向
手段10b付近の流れの合流点で合成される。その場
合、メイン流路7a中を伝搬した圧力波の波形N1 とバ
イパス流路7bを伝搬した圧力波の波形N2とは、図2
(b)に示すように、互いの位相がずれているために、
合成すると、互いに打ち消し合って振幅や周期が小さく
なって、脈動の圧力波の減衰・吸収が実現される。従っ
て、流量計1の下流から伝搬される脈動の計測部5への
影響を低減させることができ、より正確な流量計測を実
現することができる。
【0026】また、脈動の伝搬を低減する機構としての
仕切壁8や偏向手段10a,10bは、可動部等が必要
でなく、構造が極めて簡単であるため、計測部の構造や
配置に特別な工夫を凝らさずとも容易に流量計のケース
内に組み込むことができる。即ち、流量計のケース2や
ケース2内の計測部5等に大改造が必要なく、容易にケ
ース2内に組み込むことができて、正確な流量計測を容
易かつ安価に実現することができる。
【0027】そして、前記ケース内導入路6及びケース
内排出路7は、流路壁としてケースの内壁を利用して形
成し、ケース2に装備されるねじ部用ボス部2a,2b
のケース内に突出する湾曲外面はバイパス流路7bへの
偏向手段10a,10bとして利用するため、ケース自
体の構造が有効に活用され、特別に別部品の偏向手段を
容易することが必要なく、構成部品の削減と、組立工程
の削減を図ることができる。
【0028】さらに、ケース内排出路7をメイン流路7
aとバイパス流路7bに区分する仕切壁8も、ケースと
一体形成しているため、仕切壁8についても、特別に別
部品として製作する必要がなくなり、更に構成部品の削
減と、組立工程の削減を徹底して、コストの低減を促進
させることができる。
【0029】なお、上記の第1実施形態では、流量計1
の下流側から伝搬される脈動15の吸収に主眼をおい
て、ケース内排出路7のみにバイパス流路7bを装備し
た。しかし、バイパス流路7bへの分流を促す偏向手段
は、仕切壁8の両端付近にそれぞれ設けてあり、計測部
5側の偏向手段10bは計測部5から流体ケース内排出
路7に流れる流体をバイパス流路7bに分流し、計測部
5の下流での脈動を低減させるため、効力は小さいが、
計測部5の上流から伝搬してきた脈動に対しても、計測
部5への影響を軽減する効果を発揮する。
【0030】図3は、本発明に係る流量計の脈動吸収構
造の第2実施形態の概略構成を示したものである。この
第2実施形態の脈動吸収構造は、電子式ガスメータとし
て使用される流量計1Aに適用されている。この流量計
1Aは、ケース内排出路7にバイパス流路7bを形成す
る仕切壁8と流体の一部をバイパス流路7bに安定して
流すための偏向手段10a,10bとを装備するだけで
なく、ケース内導入路6に対しても、バイパス流路6b
を形成する仕切壁17と、流体をメイン流路6aとバイ
パス流路6bに分流させるための偏向手段10a,10
bとを装備したものである。バイパス流路6bは、前述
したバイパス流路7bと同様に、メイン流路6aを流れ
た圧力波とバイパス流路6bを流れた圧力波は合流時に
位相がずれるように、流路長を設定してある。なお、流
量計1Aは、ケース内導入路6にも仕切壁17と偏向手
段10a,10bを装備した構成以外は、図1に示した
流量計1と同じ構成であるので、同一箇所には同一符号
を付して説明を省略する。
【0031】なお、この流量計1Aの入口3は、分岐供
給路32を介してガスの主供給管31に分岐接続されて
いる。そして、主供給管31には、流量計1Aよりも上
流側に位置するように、他の流量計13の入口13aが
接続されている。また、流量計1Aの出口4や、流量計
13の出口13bには、図示のように、ガスを燃焼消費
すガスヒートポンプ(GHP)等の燃焼器14A,14
Bが接続されている。
【0032】このように、ケース内導入路6及びケース
内排出路7の双方にバイパス流路6b,7bを装備した
構成とすれば、流量計1Aの上流側から伝搬されてくる
脈動15Aに対してはバイパス流路6bが伝搬する圧力
波の位相差によって脈動の減衰・吸収効果を有効に発揮
し、また、流量計1Aの下流側から伝搬されてくる脈動
15Bに対してはバイパス流路7bが伝搬する圧力波の
位相差によって脈動の減衰・吸収を有効に発揮するた
め、計測部5に対する上流側及び下流側の双方からの脈
動の影響を低減して、より正確な流量計測を実現するこ
とができる。
【0033】なお、上流から伝搬してくる脈動の影響の
みを低減させればよい場合には、図示はしないが、前述
したバイパス流路や偏向手段を、ケース内導入路6にの
み装備した構成とすることも可能である。また、一つの
流路をバイパス流路とメイン流路とに区分する仕切壁の
構造は、以上の実施形態で示した翼形に限らない。例え
ば、図4に示す仕切壁8Aや、図5に示す仕切壁8Bも
有効である。図4の仕切壁8Aは、両端を流体の流入方
向に屈曲させたほぼ均一厚の単純な板構造で、図5の仕
切壁8Bはほぼ均一厚で端部にも屈曲部のない更に単純
な板構造である。
【0034】なお、以上の各構成要素は、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲で適宜に設計変更可能であることは言
うまでもない。例えば、計測部5に使用する電子式セン
サは、超音波を発信・受信する音響トランスジューサ等
に限定するものではなく、例えば、フルイディック素子
を利用して、フルイディック式の流量計を構成すること
も可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の流量計の脈動吸収構造によれ
ば、例えば、流路をメイン流路とバイパス流路に区分す
る仕切壁や、流体の一部をバイパス流路に送るための偏
向手段をケース内排出路に装備した場合には、流量計の
出口に接続されている燃焼器等からケース内に伝搬され
てきた脈動は、ケース内排出路を伝搬する際に、偏向手
段によって流体が所定の流量比でメイン流路とバイパス
流路とに振り分けられるのに伴い、それぞれの流路に分
かれて伝搬し、合流した際には、互いの位相がずれてい
るために、メイン流路内を伝搬されて来た圧力波とバイ
パス流路内を伝搬されてきた圧力波とが合成される際に
互いに打ち消し合い、脈動の圧力波が減衰・吸収され、
流量計の下流から伝搬されてきた脈動の計測部への影響
を低減させることができる。
【0036】同様に、バイパス流路を形成する仕切壁
や、流体の一部が安定してバイパス流路に流れるように
流体の流れ方向を調整する偏向手段をケース内導入路に
装備した場合には、流量計の入口に接続されている流体
供給路の上流に分岐接続されている別の流量計等からケ
ース内に伝搬されてきた脈動は、ケース内導入路を伝搬
する際に、メイン流路とバイパス流路とに分かれて伝搬
し、合流した際には、互いの位相がずれているために、
メイン流路内を伝搬されて来た圧力波とバイパス流路内
を伝搬されてきた圧力波とが合成される際に互いに打ち
消し合い、脈動の圧力波が減衰・吸収され、流量計の上
流から伝搬されてきた脈動の計測部への影響を低減させ
ることができる。
【0037】従って、バイパス流路を形成する仕切壁
と、流体の一部をバイパス流路に安定して流すための偏
向手段とをケース内導入路及びケース内排出路の双方に
装備した構成とすれば、計測部の上流側及び下流側の双
方からの脈動の影響を低減して、より正確な流量計測を
実現することができる。
【0038】また、脈動の伝搬を低減する機構としての
仕切壁や偏向手段は、可動部等が必要でなく、構造が極
めて簡単であるため、計測部の構造や配置に特別な工夫
を凝らさずとも容易に流量計のケース内に組み込むこと
ができる。即ち、流量計のケースやケース内の計測部等
に大改造が必要なく、容易にケース内に組み込むことが
できて、正確な流量計測を容易かつ安価に実現すること
ができる。
【0039】そして、前記ケース内導入路及びケース内
排出路は、流路壁としてケースの内壁を利用して形成
し、ケースに装備されるねじ部用ボス部のケース内に突
出する湾曲外面がバイパス流路への偏向手段として利用
される構成とした場合には、ケース自体の構造が有効に
活用され、特別に別部品の偏向手段を容易することが必
要なく、構成部品の削減と、組立工程の削減を図ること
ができる。
【0040】更に、ケース内導入路又はケース内排出路
をメイン流路とバイパス流路に区分する仕切壁を、前記
ケースに一体形成した構成とした場合には、仕切壁にお
いても、特別に別部品として製作する必要がなくなり、
更に構成部品の削減と、組立工程の削減を徹底して、コ
ストの低減を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流量計の脈動吸収構造の第1実施
形態の概略構成図である。
【図2】図1の流量計のケース内排出路内における脈動
の減衰作用を説明するグラフである。
【図3】本発明に係る流量計の脈動吸収構造の第2実施
形態の概略構成図である。
【図4】本発明に係る流量計の脈動吸収構造として使用
する仕切壁の別の実施形態を示す流量計の要部断面図で
ある。
【図5】本発明に係る流量計の脈動吸収構造として使用
する仕切壁の更に別の実施形態を示す流量計の要部断面
図である。
【図6】電子式ガスメータ等として使用される超音波式
の流量計の概略構成図である。
【図7】流量計に接続された燃焼器から発生する脈動の
伝搬作用を示す概略図である。
【図8】流速の検出値から流量を算出する場合に、脈動
の影響で生じる測定誤差の説明図である。
【符号の説明】
1 流量計 1A 流量計 2 ケース 3 入口 4 出口 5 計測部 5a 計測用管路 5b,5c 電子式センサ 5d 入口端 5e 出口端 6 ケース内導入路 6a メイン流路 6b バイパス流路 7 ケース内排出路 7a メイン流路 7b バイパス流路 8 仕切壁 10a,10b 偏向手段 14A,14B 燃焼器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケースの外面に被計測流体の入口及び出
    口を設けると共に、ケース内には、流路内を流れる流体
    の流速に応じて変化する適宜物理量を流路内に設けた電
    子式センサにより間欠的に検出する計測部と、前記入口
    と前記計測部の入口端とを繋ぐケース内導入路と、前記
    計測部の出口端と前記出口とを繋ぐケース内排出路とを
    装備する流量計の、前記計測部内の流体の流れに作用す
    る脈動を低減させる流量計の脈動吸収構造であって、 前記ケース内導入路及びケース内排出路の少なくとも一
    方は、流路内をメイン流路とバイパス流路とに区分する
    仕切壁と、この仕切壁の端部付近に装備され流体の一部
    が円滑にバイパス流路に流れるように流体の流れ方向を
    調整する偏向手段とを備えた構成とし、 かつ、メイン流路を流れた圧力波とバイパス流路を流れ
    た圧力波は合流時に位相がずれるように、バイパス流路
    長を設定したことを特徴とする流量計の脈動吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記ケース内導入路及びケース内排出路
    は、流路壁としてケースの内壁を利用し、 前記偏向手段としては、前記ケースに装備されるねじ部
    用ボス部のケース内に突出する湾曲外面がバイパス流路
    への偏向手段として利用されることを特徴とする請求項
    1記載の流量計の脈動吸収構造。
  3. 【請求項3】 ケース内導入路又はケース内排出路をメ
    イン流路とバイパス流路に区分する仕切壁を、前記ケー
    スに一体形成したことを特徴とする請求項1又は2に記
    載の流量計の脈動吸収構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009186429A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Toyo Gas Meter Kk ガスメータ

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