JPH1128099A - 黄色ブドウ球菌の検出法 - Google Patents

黄色ブドウ球菌の検出法

Info

Publication number
JPH1128099A
JPH1128099A JP6199498A JP6199498A JPH1128099A JP H1128099 A JPH1128099 A JP H1128099A JP 6199498 A JP6199498 A JP 6199498A JP 6199498 A JP6199498 A JP 6199498A JP H1128099 A JPH1128099 A JP H1128099A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
staphylococcus aureus
antibody
lysostaphin
detecting
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6199498A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Fukuda
賢 福田
Hiroki Tatsumi
宏樹 辰巳
Ayumi Nagahara
歩 長原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikkoman Corp filed Critical Kikkoman Corp
Priority to JP6199498A priority Critical patent/JPH1128099A/ja
Publication of JPH1128099A publication Critical patent/JPH1128099A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高感度かつ高精度な黄色ブドウ球菌の検出法お
よび黄色ブドウ球菌の検出用試薬を提供すること。 【解決手段】1.検体を酵素と接触させるA工程および
検体中の黄色ブドウ球菌の生体成分を測定するB工程を
含む黄色ブドウ球菌の検出法において、該酵素としてリ
ゾスタフィンを使用することを特徴とする黄色ブドウ球
菌の検出法。 2.リゾスタフィンを含むことを特徴とする、黄色ブド
ウ球菌の検出用試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黄色ブドウ球菌の
検出法および黄色ブドウ球菌の検出用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureu
s、S.aureus)は、ヒトや動物に種々の疾患を惹起する
病原性細菌の一種である。黄色ブドウ球菌が食物を汚染
し、そこで増殖すると、菌体外毒素(エンテロトキシ
ン)が産生される。エンテロトキシンを含有する食物を
摂取すると、2〜6時間後に急性胃腸炎の症状が現れ、そ
の後、嘔吐、腹痛、下痢を起こす。重症の場合には微熱
を伴い、血圧の低下、胸内苦悶、意識混濁、脈拍数の減
少などの著明な中毒症状を起こし、緊急入院を必要とす
る場合もある。又、黄色ブドウ球菌の一種であるMRSA
(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)は、大きな社会問題
となっている病院内感染症の原因菌である。
【0003】上記の通り、黄色ブドウ球菌は、食品衛生
上及び医学上、ヒトと深く関わっている。このため、高
感度或いは高精度な黄色ブドウ球菌の検出法の確立が求
められている。
【0004】従来、黄色ブドウ球菌の検出法としては、
選択分離培地を用いる培養法が多用されてきた。培養法
では、まず、マンニット食塩培地等を用いて48時間の前
培養を行う。次いで、24時間の純培養を行って菌を鑑別
し、更にウサギプラズマ、PSラテックスを用いて菌の同
定作業を行っている(食品衛生検査指針、微生物編)。
しかしながら、培養法においては、選択分離培地の保存
性、培地作製の煩雑さ、培養に多くの時間がかかる点な
どが問題となっていた。
【0005】培養法以外の黄色ブドウ球菌の検出法とし
ては、黄色ブドウ球菌全菌体、菌体表面のテイコ酸、莢
膜、プロテインA、サーモヌクレアーゼ或いはエンテロ
トキシンに対する抗体を利用した酵素免疫測定法(Enzy
me-linked immunosorbent assay、ELISA法)を用いる方
法〔Acta path. microbiol. scand. Sect. B, 95: 115-
120, 1987、Journal of Clinical Microbiology, May 1
989, 989-993、Journal of Immunological Methods, 14
0(1991) 79-84 、Archiv fur Lebensmittelhygiene, 3
5, 97(1984)、特開平6−88824号〕、ヒトフィブリノ
ーゲン及び免疫グロブリンG(以下「IgG」という)
で感作したポリスチレンラテックス粒子が、黄色ブドウ
球菌の産生するプロテインAと特異的に反応して凝集反
応を起こすことを利用する方法(特表平2-502942号公
報)等が知られている。さらに、黄色ブドウ球菌に特異
的なリボゾームRNA遺伝子に対するDNAプローブを用いる
方法(特開平5−49477号公報)も公知である。
【0006】わが国の微生物規格では、たとえば食肉製
品の場合、包装後加熱食肉製品と乾燥食肉製品を除き、
黄色ブドウ球菌1000/g以下という基準が設けられている
(食品と科学, 5(1996) 88-92)。この基準に近い感度
で黄色ブドウ球菌を検出する免疫学的測定法としては、
牛乳中の黄色ブドウ球菌を4〜6×103/mlで検出できる酵
素増幅比色免疫測定法が知られているのみである(Jour
nal of ImmunologicalMethods, 140(1991) 79-84)。
【0007】細菌の検出感度の向上を目的として、検体
中に存在する細菌の溶菌処理を行なうことは公知であ
る。溶菌処理を伴う細菌の検出法としては、界面活性剤
および金属イオンを用いて微生物の蛋白質を可溶化し、
抗原を露出させる免疫学的測定法(特開昭61-111464
号)、溶菌酵素リゾチームと細胞膜溶解剤を用いて溶菌
し、加水分解酵素の活性を測定する酵素活性測定法(特
開昭63-167799号)等が知られている。しかしながら、
これらの方法で用いられる溶菌剤は、特異性が低いた
め、特定の細菌のみを検出しようとする場合には適当で
はない。
【0008】特定の細菌のみを高精度に検出する方法と
しては、ファージによる溶菌とATP測定法とを組み合わ
せた方法が公知(特表平8-503847号)であるが、この方
法では、一つの菌種に対し複数種のファージを必要とす
る場合があることや、検出に多くの時間を必要とするこ
とが問題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高感度かつ
高精度な黄色ブドウ球菌の検出法および黄色ブドウ球菌
の検出用試薬を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に基づいて鋭意研究を行った結果、検体をリゾスタフィ
ンと接触させることにより、高感度、かつ高精度な黄色
ブドウ球菌の検出が可能となることを見出し、本発明を
完成した。
【0011】すなはち本発明は、 (1)検体を酵素と接触させるA工程および検体中の黄
色ブドウ球菌の生体成分を測定するB工程を含む黄色ブ
ドウ球菌の検出法において、該酵素としてリゾスタフィ
ンを使用することを特徴とする黄色ブドウ球菌の検出
法。 (2)B工程における黄色ブドウ球菌の生体成分を測定
する方法が、免疫学的測定法、酵素活性測定法、ATP
測定法、及び核酸検出法のいずれかであることを特徴と
する(1)記載の黄色ブドウ球菌の検出法。 (3)免疫学的測定法が、ELISA法によるものであ
る(2)記載の黄色ブドウ球菌の検出法。 (4)リゾスタフィンを含むことを特徴とする、黄色ブ
ドウ球菌の検出用試薬。である。 以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
1.黄色ブドウ球菌の生体成分を測定する方法について 本発明は、検体を酵素と接触させるA工程および検体中
の黄色ブドウ球菌の生体成分を測定するB工程を含む黄
色ブドウ球菌の検出法において、該酵素としてリゾスタ
フィンを使用することを特徴とする。
【0013】B工程における黄色ブドウ球菌の生体成分
を測定する方法(以下「生体成分の測定法」という)
は、特に限定されず、黄色ブドウ球菌の生体成分を指標
物質とする方法であればどのようなものでもよい。
【0014】黄色ブドウ球菌の生体成分とは、黄色ブド
ウ球菌の全菌体、菌体成分あるいは代謝産物を意味し、
例えば、アミノ酸および蛋白質、核酸(DNA、RN
A、ヌクレオチド、環状ヌクレオチド等)、脂質(脂肪
酸、リン脂質等)、糖類(単糖類、オリゴ糖、多糖
等)、糖蛋白質、糖脂質、その他の化合物(ビタミン、
補酵素、金属イオン等)が挙げられ、さらに具体的に
は、プロテインA、サーモヌクレアーゼ、エンテロトキ
シン、テイコ酸、莢膜、アデノシン三リン酸(ATP)
等が挙げられる。
【0015】上記の生体成分を指標物質とする生体成分
の測定法としては、例えば、免疫学的測定法、酵素活性
測定法、核酸検出法、その他の生体成分の測定法が挙げ
られる。免疫学的測定法としては、凝集反応法、酵素免
疫測定法(Enzyme-linked immunosorbent assay 、EL
ISA法)、放射能免疫測定法(RIA法)、蛍光免疫
測定法(FIA法)等が挙げられる。また、酵素活性測
定法としては、微生物のもつ各種加水分解酵素の活性を
利用する方法(特開昭63-167799号)や、アデニル酸キ
ナーゼ活性を利用する方法(Bioluminescence and Chem
iluminescence,11, 4/5, 235 (1996))等が挙げられ
る。核酸検出法としては、黄色ブドウ球菌の染色体DN
A、mRNA、rRNA等を検出する方法、例えば、PC
R法(食品と微生物, 9(2), 77-88 (1992))やDNAプロー
ブ法(BIO INDUSTRY, 10, 11, 5-13 (1993))等が挙げ
られる。
【0016】その他の生体成分の測定法としては、例え
ば、ATPを指標物質とするATP測定法(「食品と開
発」27,5,10-12 (1992))等が挙げられる。
【0017】2.本発明のリゾスタフィンについて リゾスタフィンは、Staphylococcus simulans (NRRL B-
2628)が生産する亜鉛プロテアーゼである。リゾスタフ
ィンは、黄色ブドウ球菌またはその同属菌の細胞壁ペプ
チドグリカンのグリコペプチド鎖中のグリシルグリシン
結合を加水分解することにより、これらの菌を溶菌する
ことが知られている(H. P. Browder etal., Biochem.
Biophys. Res. Comm., 19, 383, (1965), J. L. Stromi
nger and J.-M., Ghuysen, Science, 156, 213 (1967),
H. R. Trayer and C. E. Buckley III, J. Biol. Che
m., 245, 4842 (1970))。
【0018】本発明のリゾスタフィンとしては、上記St
aphylococcus simulans (NRRL B-2628)が生産する天然
型リゾスタフィンが使用できる。また、グリシルグリシ
ン結合の加水分解活性を失わない範囲で、天然型リゾス
タフィンのアミノ酸配列中の1または複数のアミノ酸に
付加、欠失、置換等の変異が導入された変異型リゾスタ
フィンを使用することもできる。さらには、プロテア−
ゼ活性や安定性等を改善するために、上記の天然型或い
は変異型リゾスタフィンに糖鎖、ポリエチレングリコー
ル等を結合させた修飾型リゾスタフィンを使用してもよ
い。
【0019】検体とリゾスタフィンを接触させると、リ
ゾスタフィンが検体中の黄色ブドウ球菌の細胞壁を溶解
する。その結果、指標物質の菌体表面への露出或いは菌
体外への抽出がおこり、黄色ブドウ球菌の検出感度ある
いは検出精度が向上するものと考えられる。
【0020】なお、使用するリゾスタフィンの量や検体
溶液の浸透圧によっては、細胞壁の溶解のみならず、細
胞膜の破壊、いわゆる溶菌が起こることもある。従っ
て、本発明でいう細胞壁の溶解とは、溶菌の概念をも含
むものである。
【0021】最近、リゾスタフィンのC末端アミノ酸92
残基よりなる領域が、黄色ブドウ球菌の細胞壁に強い親
和性を持つことが発表され、リゾスタフィンの黄色ブド
ウ球菌に対する特異性の高さが説明された(T.Baba and
O.Schneewind,The EMBO journal,15,18,4789-4797(199
6))。生体成分の測定法として、黄色ブドウ球菌に特有
の生体成分を測定する方法(例えば、プロテインAを標
的物質とする免疫学的測定法等)を採用する場合には、
必ずしも黄色ブドウ球菌の細胞壁のみが溶解される必要
はなく、検体に混在する他の細菌の細胞壁が溶解されて
もよい。この場合、使用するリゾスタフィンは、黄色ブ
ドウ球菌に対する親和性に関与する部位、すなはち、天
然型リゾスタフィンのC末端アミノ酸92残基に相当する
領域に変異を有し、黄色ブドウ球菌に対する親和性が低
下或いは消失したものであってもよい。
【0022】天然型リゾスタフィンを用いる場合、該リ
ゾスタフィンは、例えば、上記Staphylococcus simulan
s (NRRL B-2628)の培養物から得られる。また、天然型
リゾスタフィンは、遺伝子工学的手法により得ることも
できる。すなわち、天然型リゾスタフィン遺伝子を適当
なベクタ−宿主系に導入し、得られた組換え微生物の培
養物からリゾスタフィンを採取すればよい。天然型リゾ
スタフィン遺伝子は、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,18,1127
-1131(1987)またはMol.Gen.Genet.209,563-569(1987)に
記載の方法により調製することができる。
【0023】変異型リゾスタフィンを用いる場合、該リ
ゾスタフィンは、上記Staphylococcus simulans (NRRL
B-2628)の変異株の培養物から得ることができる。該変
異株は、通常の変異株の作出方法、すなわち、自然界か
ら選抜する方法、原株に対し変異原物質を投与する方
法、或いは原株に対し紫外線を照射する方法等により得
ることができる。
【0024】また変異型リゾスタフィンは、遺伝子工学
的手法により得ることができる。すなわち天然型リゾス
タフィン遺伝子の塩基配列中の1または複数の塩基に付
加、欠失、置換等の変異を導入した変異型リゾスタフィ
ン遺伝子を調製し、これを適当なベクタ−宿主系に導入
し、得られた組換え微生物の培養物から変異型リゾスタ
フィンを採取すればよい。遺伝子に変異を導入する方法
としては、例えば、天然型リゾスタフィン遺伝子と変異
原となる薬剤(ヒドロキシルアミン、亜硝酸、亜硫酸、
5−ブロモウラシル等)とを接触させる方法が使用でき
る。この他、紫外線照射法、カセット変異法、PCR法
を用いた部位特異的変異導入法等を広く用いることがで
きる。更には、化学合成したDNAをアニーリングし
て、所望の部位に変異を有する変異型リゾスタフィン遺
伝子を構築することも可能である。
【0025】修飾型リゾスタフィンは、天然型或いは変
異型リゾスタフィンに糖鎖、ポリエチレングリコ−ル等
を結合させることにより得られる。
【0026】なお、リゾスタフィンとしては、市販品、
例えば、組み換え体Staphylococcussimulans由来のリゾ
スタフィン(和光純薬社製)等を用いてもよい。
【0027】3.検体について 検体は、特に限定されないが、例えば、飲食物、医薬、
化粧品、海水、河川水、下水、土壌、尿、糞便、血液、
喀痰、膿汁等が挙げられる。また、上記の検体を適当な
溶媒(例えば、蒸留水、生理的食塩水、リン酸緩衝液、
トリス緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等等)に懸濁した
溶液を検体としてもよい。検体が固形分を含む場合に
は、該検体を適当な溶媒(例えば、蒸留水、生理的食塩
水、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸緩衝液等等)に
懸濁するか、ミキサ−などでホモジナイズすれば溶液状
のものと同様に扱うことができる。
【0028】黄色ブドウ球菌の検出を行なう対象が調理
器具、施設、設備等である場合は、ふきとり法(「食品
微生物検査マニュアル」栄研化学(株)、平成8年)等
によりサンプリングしたものを検体とすればよい。ふき
とり法を実施する場合は、まず、適当な緩衝液(ペプト
ン加生理食塩水、生理的リン酸緩衝液等)を含ませた綿
棒を用いて10cm四方の区画をふきとる。次いで、1
0mlの上記緩衝液中で綿棒への付着物を抽出し、該抽
出液を検体とすればよい。 4.検体とリゾスタフィンとの接触について 検体をリゾスタフィンと接触させる場合、接触条件(リ
ゾスタフィンの終濃度、接触時間、温度等)および接触
工程と生体成分の測定工程の順序は特に限定されず、採
用する生体成分の測定法や検体の状態に応じて適宜設定
すればよい。すなわち、請求項1においてA工程とB工
程を同時に行なってもよく、A工程の次にB工程を行な
ってもよい。具体的な方法については実施例に記載し
た。
【0029】操作の簡便化の為、検体およびリゾスタフ
ィンは溶液状態であることが好ましい。飲料等の液状の
検体を使用する場合、該検体はそのまま使用してもよ
く、適当な溶媒(例えば、蒸留水、生理的食塩水、リン
酸緩衝液、トリス(Tris)緩衝液、トリシン(Tricin
e)緩衝液、、酢酸ナトリウム緩衝液等)を用いて希釈
してもよい。また、リゾスタフィンも、上記の溶媒に溶
解すればよい。
【0030】なお、検体をリゾスタフィンと接触させる
操作においては、必要により他の細胞壁溶解剤或いは溶
菌剤を併用してもよい。そのような薬剤としては、例え
ば、リゾチ−ム等の酵素、ドデシル硫酸ナトリウム等の
界面活性剤を使用できる。
【0031】5.黄色ブドウ球菌の検出法の具体例 以下に、生体成分の測定法が免疫学的測定法またはATP
測定法である場合の黄色ブドウ球菌の検出法を例にと
り、本発明をさらに詳しく説明する。 A.免疫学的測定法を用いた黄色ブドウ球菌の検出法 (1)免疫学的測定法について 免疫学的測定法としては、黄色ブドウ球菌の生体成分
と、該生体成分を抗原とする抗体との特異的結合反応、
すなはち、抗原抗体反応を利用するものであれば公知の
方法を用いることができる。免疫学的測定法としては、
例えば、凝集反応法、酵素免疫測定法(ELISA
法)、放射能免疫測定法(RIA法)、蛍光免疫測定法
(FIA法)等が挙げられる。免疫学的測定法におい
て、ELISA法、特にサンドイッチELISA法は、
感度が極めて高い点で好ましい方法である。 (2)抗原について 抗原は、黄色ブドウ球菌の生体成分であれば特に限定さ
れない。抗原として好適な生体成分は、蛋白質(プロテ
インA、サーモヌクレアーゼ、エンテロトキシン等)、
多糖類、脂質等である。
【0032】黄色ブドウ球菌の高精度な検出のために
は、黄色ブドウ球菌に特異的な生体成分を抗原として選
択することが好ましい。特にプロテインAは、黄色ブド
ウ球菌の大多数(85〜95%)が産生する細胞壁タンパク
質であり、抗原として好適である。
【0033】抗体産生能を有する動物を免疫して本発明
の抗体を得る場合、投与する抗原は、上記の生体成分の
精製物の他、菌体全体(例えば菌体熱処理物、菌体ホル
マリン処理物等)であってもよい。
【0034】(3)抗体について 抗体は、上記の抗原を認識するものであれば如何なるも
のでもよい。そのような抗体としては、例えば、哺乳類
および鳥類(例えばウサギ、マウス、ヤギ、ニワトリ
等)由来の免疫グロブリン(IgG、IgM等)、遺伝
子工学的手法により作製された人工抗体等(例えば、一
本鎖抗体、シングルドメイン抗体等)が挙げられる。な
お、本発明の抗体としては、ポリクローナル抗体、モノ
クローナル抗体のいずれをも使用できる。
【0035】以下に、哺乳類および鳥類のIgGの調製
法について説明する。
【0036】a)哺乳類由来のIgG 哺乳類由来のポリクローナルIgGは、定法に従って調
製することができる。該抗体は、例えば、抗原を用いて
免疫した哺乳動物(例えば、ウサギ、マウス、ヤギ等)
の血清より得ることができる(新生化学実験講座 分子
免疫学III,日本化学会)。
【0037】モノクローナルIgGの調製も、定法に従
って行うことができる。例えば、抗原で免疫した動物の
脾細胞とミエローマ細胞とを融合してハイブリドーマを
得、これをBALB/cマウス等の動物の腹腔に接種し、該動
物から腹水を回収する。得られた腹水を遠心分離等によ
り清澄にした後、プロテインGを固定化したカラムに供
して抗体を吸着させる。吸着した抗体を定法に従って溶
出することにより、モノクローナル抗体を精製すること
ができる。具体的な方法は実施例1に記載した。
【0038】この他、ハイブリドーマを常用の培養液で
培養し、培養液中に分泌されるモノクローナルIgGを
精製する方法を用いることもできる。
【0039】b)鳥類由来のIgG 哺乳類由来のIgGは、Group G Streptococciの産生す
るプロテインGと非免疫学的に結合する(新生化学実験
講座 分子免疫学III,日本化学会)。このため、哺乳動
物のIgGを用いる方法では、検体中にGroup G Strept
ococciの菌体やプロテインGが混入していた場合、該抗
体が該混入物との交差反応性を示す。この場合、採用す
る生体成分の測定法によっては黄色ブドウ球菌の特異的
な検出が困難になるという問題がある。尚、「非免疫学
的な結合」とは、抗体の抗原結合部位であるV領域以外
の領域と、抗原との結合を意味する。
【0040】一方、ニワトリ由来のIgG(以下「Ig
Y」という)は、プロテインGと非免疫学的な結合をし
ないことが知られている。従って、IgYを用いること
により、哺乳動物由来の抗体と非免疫学的に結合する物
質や、それを生産する微生物等が混在している検体であ
っても、黄色ブドウ球菌を特異的に且つ高感度で検出す
ることが可能となる。
【0041】ポリクローナルIgYは、抗原を投与した
ニワトリが産出した鶏卵より定法に従い精製することが
できる(〔J. Vet. Med. B33, 609(1986)〕。また、鶏
卵からのポリクローナルIgYの精製は、市販の精製キ
ット(ファルマシア バイオテク社製)を用いて行うこ
ともできる。なお、IgYとして、市販品を使用するこ
ともできる。市販品としては、例えば、プロテインAに
対するIgY(OEMコンセプト社製)が挙げられる。
【0042】モノクローナルIgYの作製も、定法に従
って行うことができる。例えば、ニワトリBリンパ芽細
胞由来のチミジンキナーゼ欠損株と免疫したニワトリ脾
細胞との融合細胞(ハイブリドーマ)より、モノクロー
ナル抗体を精製すればよい(特開平2-186980号公報)。 (4)サンドイッチELISA法を用いた黄色ブドウ球
菌の検出法について サンドイッチELISA法においては、先ず、第1抗体
を固体担体に固定する。固定化された抗体を固相抗体と
いう。次いで、検体中の抗原を固相抗体に結合させた
後、結合しなかった抗原を除去する。次いで、検出可能
な低分子或いは酵素で標識した第2抗体(標識抗体)を
加え、固相抗体上の抗原に結合させる。最後に、固相抗
体に結合した標識物質の活性を測定して抗原、すなわち
黄色ブドウ球菌の有無やその量を求める。なお、第1抗
体と第2抗体はそれぞれ2種類以上の抗体の混合物であっ
てもよい。
【0043】サンドイッチELISA法の別法として、
第2抗体を酵素等で標識せず、第2抗体に対する抗体(第
3抗体)を酵素標識する方法もある。第3抗体としては、
第2抗体の調製に用いる動物と別種の動物の抗体であっ
て、第2抗体の調製に用いる動物種の免疫グロブリンに
対する抗体、又はその断片が用いられる。例えば、第2
抗体がIgYである場合は、第3抗体としてIgYと特
異的に反応するヤギIgGを用いればよい。第3抗体の
標識は、第2抗体を標識する場合と同様の方法が使用で
きる。
【0044】サンドイッチELISA法を用いた黄色ブ
ドウ球菌の検出法の一例を以下に示す。 a)固相抗体の調製 まず、第1抗体を固体担体に固定して固相抗体を調製す
る。固体担体としては、例えば、各種マイクロタイター
プレート、マイクロタイターチューブ、磁気粒子等が使
用できる。第1抗体を適当な溶媒(例えば、炭酸緩衝
液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等)で希釈した後、固
体担体と接触させ、通常4〜37℃で30分間以上インキュ
ベートすれば、第1抗体が固体担体に固定される。
【0045】次に、固体担体を、界面活性剤〔Tween20
(バイオラッド社製)等〕を含有する緩衝液(例えば、
リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等)により
数回洗浄して、未吸着の抗体を除去する。
【0046】次に、固体担体表面上の遊離結合基をブロ
ックするため、ブロッキング緩衝液により固体担体をブ
ロッキング緩衝液と接触させる。ブロッキング緩衝液と
しては、ウシ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン(O
VA)、スキムミルク等を含有する緩衝液(例えばリン酸
緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等)が使用でき
る。ブロッキング処理は、4〜37℃で30分以上行うこと
が好ましい。
【0047】次に、固体担体を、界面活性剤を含有する
緩衝液で洗浄して、ブロッキング緩衝液を除去する。こ
の洗浄は、前記のモノクローナル抗体或いはポリクロー
ナル抗体の固定後の洗浄と同様に行うことができる。こ
うして、固相抗体が調製される。 b)検体およびリゾスタフィンの調製 操作の簡便化の為、検体およびリゾスタフィンは溶液状
態であることが好ましい。検体およびリゾスタフィンの
溶解、懸濁或いは希釈には、適当な溶媒(例えば、蒸留
水、生理的食塩水、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、トリ
シン緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等)が使用できる。 c)検体とリゾスタフィンの接触 操作の簡便化の為、固相抗体、検体およびリゾスタフィ
ンを同時に接触させることが好ましい。接触操作は特に
限定されないが、通常、4〜37℃で30分間以上行えばよ
い。
【0048】固相抗体がマイクロタイタープレートに固
定されており、検体およびリゾスタフィンが溶液状態で
ある場合は、該マイクロタイタープレートのウエルに検
体およびリゾスタフィンの溶液を加え、上記の条件で静
置すればよい。
【0049】検体とリゾスタフィンを接触させた後に、
検体と固相抗体を接触させる場合は、検体とリゾスタフ
ィンの接触は、通常、室温〜37℃で、2分間以上行えば
よい。
【0050】接触工程におけるリゾスタフィンの終濃度
は特に限定されないが、通常は、0.0005〜5 mg/ml、望
ましくは0.005〜0.5 mg/mlであればよい。リゾスタフィ
ンとの接触により、検体中の黄色ブドウ球菌の細胞壁が
溶解される。その結果、抗原の菌体表面への露出或いは
菌体外への抽出がおこり、抗原が固相抗体と特異的に結
合する。次に、固相を前記のようにして洗浄する。 d)固定化された抗原と第2抗体の接触 次いで、固相を、標識された第2抗体(以下「標識抗
体」ともいう)を含有する緩衝液(例えば、リン酸緩衝
液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等)と接触させる。こ
の接触は、通常、4〜37℃で30分間以上行えばよい。こ
の操作により、標識抗体が、固相抗体に固定された抗原
と特異的に結合する。次に、前記のようにして洗浄し、
結合しなかった標識抗体を除去する。
【0051】第2抗体の標識は、特異的検出が可能な低
分子或いは酵素等を用いて行なえばよい。低分子として
はビオチン等が、酵素としては、例えば、ルシフェラー
ゼ、西洋わさびパーオキシダーゼ、アルカリフォスフォ
ターゼ、β−ガラクトシターゼ、ウレアーゼ、アセテー
トカイネース等が使用できる。
【0052】特にルシフェラーゼは、ルシフェリン−ル
シフェラーゼ発光反応を利用することにより、高感度か
つ迅速な検出が可能であるという点で優れている。ルシ
フェラーゼとしては、例えば、昆虫(ゲンジボタル、ヘ
イケボタル、北米産ホタル、ヒカリコメツキムシ、ツチ
ボタル等)や発光細菌等を由来とする天然型ルシフェラ
ーゼが使用できる。また、遺伝子工学的手法により、天
然型ルシフェラーゼのアミノ酸配列中の1または複数の
アミノ酸に付加、欠失、置換等の変異を導入した変異型
ルシフェラーゼを使用することもできる。 e)固定化された標識抗体の検出 標識抗体がルシフェラーゼにより標識されている場合、
該抗体はルシフェリン−ルシフェラーゼ発光反応を利用
することにより検出可能である。すなわち、該標識抗体
に対し、ルシフェリン、マグネシウムイオンおよびAT
Pを含む発光試薬を加えて発光反応を起こさせ、生じた
光の発光量を測定すればよい。
【0053】第2抗体をビオチンで標識した場合、標識
抗体は、酵素標識されたアビジンやストレプトアビジン
により検出可能である。また、標識抗体を、非標識のア
ビジンやストレプトアビジンを介してビオチン標識され
た酵素と結合させることにより、該標識抗体を検出する
ことも可能である(生化学実験法11 エンザイムイムノ
アッセイ,東京化学同人)。ビオチン標識された標識抗
体を、ビオチン化ルシフェラーゼ標識されたストレプト
アビジンにより検出する方法について、実施例1に記載
した。
【0054】サンドイッチELISA法においては、第
2抗体の固定量が、固定されている抗原の数、すなわち
検体中の黄色ブドウ球菌の菌数を反映する。従って、第
2抗体の固定量を測定することにより、検体中の黄色ブ
ドウ球菌数を予測することができる。
【0055】B.ATP測定法を用いた黄色ブドウ球菌の
検出法 ATPを指標物質とする黄色ブドウ球菌の検出法の一例
を、以下に示す。
【0056】a)検体およびリゾスタフィンの調製 操作の簡便化の為、検体およびリゾスタフィンは溶液状
態であることが好ましい。検体およびリゾスタフィンの
溶解或いは希釈には、適当な溶媒(例えば、蒸留水、生
理的食塩水、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、トリシン緩
衝液、酢酸ナトリウム緩衝液等)等を使用すればよい。 b)検体とリゾスタフィンの接触 ATPは短時間での測定が可能であるため、検体とリゾ
スタフィンの接触は、ATP測定の前に行なうことが好
ましい。接触条件は特に限定されないが、通常、リゾス
タフィンの終濃度0.0005〜5 mg/ml、4℃〜50℃で30秒以
上、好ましくは終濃度0.005〜0.5 mg/ml、20℃〜37℃で
2分前後接触させればよい。リゾスタフィンとの接触に
より、検体中の黄色ブドウ球菌の細胞壁が溶解され、A
TPが菌体外へ浸出すると考えられる。 c)ATPの測定 ATP測定法としては、例えば、ルシフェリン−ルシフ
ェラーゼ発光反応を利用する方法が採用できる。ルシフ
ェリン−ルシフェラーゼ発光反応は、発光にATPを必
要とする系であればいかなる生物を由来とするものであ
ってもよい。ルシフェラーゼとしては、前記の天然型及
び変異型ルシフェラーゼのいずれもが使用可能である。
【0057】ホタルルシフェラーゼを使用する場合、リ
ゾスタフィンと接触させた後の検体に対し、ホタルルシ
フェラーゼ、ルシフェリン、マグネシウムイオン等を含
むATP測定試薬を加えて発光反応を起こさせ、生じた
光の発光量を測定する。この際、あらかじめ黄色ブドウ
球菌数と発光量の相関を求めておくことにより、黄色ブ
ドウ球菌数を推定することが可能である。なお、ATP
測定試薬としては、市販のキット、例えば、ルシフェー
ルLUプラス(キッコーマン社製)を用いることもでき
る。具体的な方法を実施例2に記載した。ところで、食
品衛生等の現場では、食品や増菌培地を検体とすること
が多いが、それらの検体には、多くの場合、食塩(塩化
ナトリウム)が含まれている。塩化ナトリウムに由来す
る塩素イオンはルシフェラーゼの発光反応を阻害するこ
とが知られている(Methods in Enzymology, 57, 3-15
(1987))。そのため、食品や培地を検体とする場合は、
検体から黄色ブドウ球菌を分離した後に、黄色ブドウ球
菌の生体成分を測定することが望ましい。そのような方
法の一例として、抗黄色ブドウ球菌抗体を固定化した磁
気ビーズ(抗体固定化磁気ビーズ)とATP測定法を用い
る方法を採用することができる。具体的な方法を実施例
3に記載した。
【0058】6.本発明の黄色ブドウ球菌の検出用試薬
について 本発明の黄色ブドウ球菌の検出用試薬は、リゾスタフィ
ンを含むことを特徴とする。黄色ブドウ球菌の検出用試
薬は、リゾスタフィンを含むものであれば、その形状、
試薬に含まれるリゾスタフィン以外の成分等は特に限定
されない。試薬の形状は、溶液状でもよく、また粉末状
や顆粒状であってもよい。試薬を溶液状とする場合は、
リゾスタフィンを適当な溶液(例えば、蒸留水、生理的
食塩水、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、トリシン緩衝
液、酢酸ナトリウム緩衝液)に溶解すればよい。リゾス
タフィン以外の成分としては、例えば、浸透圧調製、p
H調製、試薬の保存性向上に関与する物質が挙げられ、
具体的には、シュークロース、HEPES、トリシン、トリ
ス、EDTA・2Na、ジチオスレイトール(DTT)、
硫酸アンモニウム、2−メルカプトエタノール、等が挙
げられる。本発明の測定用試薬は、リゾスタフィンと、
黄色ブドウ球菌の検出法の各工程において使用される他
の試薬との混合物であってもよい。他の試薬とは、例え
ば、黄色ブドウ球菌の生体成分の測定用試薬、具体的に
は、ホタルルシフェラーゼ、ルシフェリン、マグネシウ
ムイオンを含むATP測定試薬等である。
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。 〔実施例1〕実施例1では、サンドイッチELISA法
により黄色ブドウ球菌の検出を行った。第1抗体として
はマウス由来のIgG(モノクローナル抗体)を、第2
抗体としてはビオチンにより標識されたIgY(ポリク
ローナル抗体)を使用した。
【0059】標識抗体の検出には、ストレプトアビジン
とビオチン化ホタルルシフェラーゼの複合体を用い、ル
シフェリン−ルシフェラーゼ発光反応を利用する方法を
採用した。
【0060】なお、ビオチン化ホタルルシフェラーゼ
は、組換え大腸菌JM101[pHLf248](FERM BP-5081 特開
平8−308578号)の培養物より精製したものを使
用した。ルシフェラーゼの精製は、Tatsumi等の方法(A
NALYTICAL BIOCHEMISTRY 243,176-180(1996))により行
なった。
【0061】また、本発明の黄色ブドウ球菌の検出用試
薬としては、1 mg/mlのリゾスタフィン溶液を使用し
た。該溶液は、リゾスタフィン(和光純薬社製)を、20
mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に溶解して調製し
た。検体としては、下記の黄色ブドウ球菌の培養液を使
用した。 ・Staphylococcus aureus CowanI株 (ATCC12598) ・Staphylococcus aureus SA106株 (国立予防衛生研
究所、食品衛生微生物部より分与) 1.第1抗体の調製 黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus Wood46(ATCC108
32)株の一夜培養液を、100℃で15分間加熱処理した後、
遠心分離により集菌した。初回免疫は菌体を約108個を5
00μlの生理食塩水に懸濁し、菌体懸濁液にアジュバン
トとしてアジュプライム(ピアス社製)を加えて、3週
令のBalb/cマウス雌に腹腔内投与した。追加免疫は同菌
体約108個を100μlの生理食塩水に懸濁し、尾静脈より1
週間おきに2回投与した。最終免疫の3日後に脾臓を摘出
し、定法(単クローン抗体実験操作入門、講談社)に従
ってミエローマSp2/O‐Ag14(大日本製薬社より入手)
と細胞融合を行い、クローニングを経てハイブリドーマ
を作成した。
【0062】得られたハイブリドーマをイスコフ改変ダ
ルベッコ培地を用いて増殖させ、Balb/cヌードマウス6
週令雌の腹腔に約108個投与した。投与2週間後、ヌード
マウスにたまった腹水を取り出し、遠心分離(2000回
転、10分)により混入した細胞等を除去した。遠心上清
より、E-Z-Sep(ファルマシア バイオテク社製)とHiT
rapQカラム(ファルマシアバイオテク社製)を用いて抗
体を精製し、これを第1抗体とした。第1抗体が、Wood4
6株の全菌体および市販の黄色ブドウ球菌由来リポテイ
コ酸(シグケミカル社製)と反応することを確認した。
【0063】第1抗体の産生能を有する上記ハイブリド
ーマは、Mouse-Mouse hybridoma N9C3-7と命名され、工
業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P-16191 とし
て寄託されている。
【0064】2.サンドイッチELISA法による黄色
ブドウ球菌の検出 (1)固体担体として、96ウエルの白色マイクロプレー
ト(ダイナテックラボラトリ−ズ社製)を使用した。該
プレートの各ウエルに、第1抗体溶液(10μg/ml第1抗
体、50 mM 炭酸緩衝液(pH9.6))100μl を注入し、4℃
で16時間インキュベートした。ウエルから第1抗体溶液
を除いた後、各ウエルに300μl の洗浄液(0.1%Tween2
0 を含有するTBS緩衝液(0.9% NaCl, 50 mM Tris(pH
7.6))を加え、ウエルの洗浄を行なった。この洗浄操
作を更に3回繰り返した。以上の操作により、第1抗体
を固体担体に固定して固相抗体とした。
【0065】次に、ブロッキング液(0.2% カゼインを
含有する10mM リン酸緩衝液(pH7.4))をそれぞれのウ
エルに300μl ずつ加え、37℃で2時間インキュベートす
る事により、ウエルの非特異的結合部位のブロッキング
を行った。ウエルからブロッキング液を除いた後、前記
の洗浄液にて4回洗浄を行った。
【0066】(2)検体溶液として、Staphylococcus a
ureus CowanI株およびStaphylococcusaureus SA106株の
24時間培養液を調製し、該培養液を、0.1% ペプトンを
含有する生理食塩水により希釈した。
【0067】(3)検体溶液を90μlずつ各ウエルに加
えた後、直ちにリゾスタフィン溶液10μlを加え、37℃
で1時間インキュベートした。なお、対照として、20 m
M酢酸ナトリウム緩衝溶液(pH4.5)10μlを検体溶液の入
ったウエルに加え、同様の条件でインキュベートした。
【0068】ウエルから検体溶液を除いた後、前記の洗
浄液にて4回洗浄を行った。
【0069】(4)標識した第2抗体(標識抗体)とし
ては、ビオチン標識したニワトリIgG(抗プロテイン
A抗体、OEMコンセプト社製)を使用した。該標識抗体
を上記のブロッキング液により2000倍に希釈した後、各
ウエルに100μl ずつ加え、37℃で30分間インキュベー
トした。ウエルから標識抗体溶液を除いた後、前記の洗
浄液にて4回洗浄を行った。
【0070】(5)ビオチン化ホタルルシフェラーゼと
ストレプトアビジンのそれぞれに希釈液A(0.2% BSA,
5% グリセロール, 0.1 mM DTT, 0.1 mM EDTA含有0.1 M
リン酸緩衝液(pH7.6))を用いて希釈し、10-10 mole/
mlの溶液を調製した。等量のビオチン化ルシフェラーゼ
溶液とストレプトアビジン溶液を室温で30分間穏やかに
混和し、ビオチン化ルシフェラーゼ−ストレプトアビジ
ン複合体を形成させた。
【0071】上記複合体を希釈液B(1% BSA, 5% グリ
セロール, 1 mM 2-メルカプトエタノール, 1 mM EDTAを
含む50 mM HEPES緩衝液(pH7.5))をもちいて100倍希
釈した後、各ウエルに100μl ずつ加え、37℃で15分間
インキュベートした。ウエルから標識抗体溶液を除いた
後、前記の洗浄液にて4回洗浄を行った。
【0072】(6)白色マイクロプレートをマイクロプ
レート用ルミノメーターLUMINOUS CT-9000D(ダイアヤ
トロン社製)にセットし、内蔵ディスペンサーを用いて
各ウエルに基質溶液(ピッカージーン(東洋インキ製造
社製))を100 μlずつ分注し、10秒間攪拌した後、10
秒間の発光量を積算した。尚、上記ルミノメーターLUMI
NOUS CT-9000Dに表示されたカウント数を発光量とし
た。検体溶液中の黄色ブドウ球菌の菌数と、発光量との
関係を表1及び表2に示す。尚、表1の検体は、Staphy
lococcus aureus CowanI株であり、表2の検体はStaphy
lococcus aureus SA106株である。また、表中CV%は
変動係数を、cfuはコロニーフォーミングユニット
(colony forming unit)を意味し、検体溶液1ml中の菌
数を表す。
【0073】なお、母平均の差の検定は、P<0.5%にて
行なった(エクセル統計(エスミ社製)を使用)。
【0074】
【表1】 **P<0.5%
【0075】
【表2】 **P<0.5%
【0076】表1および2より明らかな通り、検体とリ
ゾスタフィンとを接触させることにより、黄色ブドウ球
菌数に依存する発光量が、バックグラウンドに影響する
ことなく約4倍に増加したことがわかる。また、検体と
リゾスタフィンとを接触させることにより、CowanI株の
検出限界は5000cfu/mlから1000cfu/mlとなり、SA106株
の検出限界は50000cfu/mlから5000cfu/mlとなった。本
発明により検出感度が5〜10倍向上することが明らかと
なった。
【0077】実施例1の方法により、検体中の黄色ブド
ウ球菌を高感度に検出できることが確認された。
【0078】〔実施例2〕実施例2では、ATP測定法
により黄色ブドウ球菌の検出を行った。ATP測定法と
しては、ルシフェリン−ホタルルシフェラーゼ発光反応
を利用する方法を採用した。本発明の黄色ブドウ球菌の
検出用試薬として、0.1 mg/mlのリゾスタフィン溶液を
使用した。該溶液は、リゾスタフィン(和光純薬社製)
を、20 mM トリシン緩衝液(pH7.8)に溶解して調製し
た。
【0079】また、検体として、下記の細菌の培養液を
使用した。
【0080】・黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus
CowanI株(ATCC12598) ・表皮ブドウ球菌Staphylococcus epidermidis T6 株
(国立予防衛生研究所、食品衛生微生物部より分与) ・大腸菌Escherichia coli WP-2uvrA株(IFO14196) ・サルモネラ菌Salmonella Typhimurium TA100株(IFO14
94))。 (1)上記4菌株をブレインハートインフュージョンブロス
を用いて37℃で20時間培養した後、培養液を0.1%ペプ
トン水を用いて一万倍に希釈した。 (2)希釈した各菌株の培養液100μlとリゾスタフィン溶
液100μlを混合し、2分間室温で反応させた。
【0081】一方、比較例1として、市販のATP測定キ
ット(ルシフェールLUプラス(キッコーマン社製))に
含まれる抽出剤を用いて、取扱説明書に従い、希釈した
各菌株の培養液からATP抽出を行った。また、比較例2
として、上記抽出剤の代わりに20 mM トリシン緩衝液(p
H7.8)を使用して比較例1と同様の操作を行なった。 (3)ATP抽出を行った検体に、それぞれ100μlずつキット
付属の発光試薬を加え、ルミノメータールミテスターK-
200(キッコーマン社製)を用いて発光量の測定を行っ
た。結果を表3に示す。尚、上記ルミテスターK-200に
表示されたカウントを発光量とした。
【0082】
【表3】
【0083】表3から明らかな通り、検体とリゾスタフ
ィンとを接触させることにより、黄色ブドウ球菌に関
し、市販キットに近い発光量が得られることがわかる。
また、黄色ブドウ球菌以外の菌株が検体である場合、そ
の発光量は、多いものでも黄色ブドウ球菌を検体とした
時の2割程度であることが明らかとなった。実施例2の方
法により、検体中の黄色ブドウ球菌を高精度に検出でき
ることが確認された。
【0084】〔実施例3〕実施例3では、抗黄色ブドウ
球菌抗体を固定した磁気ビーズ(抗体固定化磁気ビー
ズ)とATP測定法を用いて、黄色ブドウ球菌を検出し
た。また、本発明の黄色ブドウ球菌の検出用試薬とし
て、0.1 mg/mlのリゾスタフィン溶液を使用した。該溶
液は、リゾスタフィン(和光純薬社製)を、20 mM トリ
シン緩衝液(pH7.8)に溶解して調製した。
【0085】1)抗体固定化磁気ビーズの調製 抗黄色ブドウ球菌抗体としては、実施例1記載のハイブ
リドーマN9C3-7(FERMP-16191)が生産するモノクロー
ナル抗体(以下「N9C3-7抗体」という)を用いた。ISOs
trip(ベーリンガーマンハイム社製)を用いて、N9C3-7
抗体のアイソタイプがIgG2a型であることを確認した。
磁気ビーズとしては、ラット由来の抗マウスIgG2a抗体
固定化済みダイナビーズM-450(ダイナル社製)を用い
た。N9C3-7抗体は、抗マウスIgG2a抗体を介して磁気ビ
ーズに固定される。上記ダイナビーズM-450の懸濁液1mL
を1.5mLマイクロチューブに移し、専用磁石MPC(ダイナ
ル社製)を用いて磁気ビーズを集め、上澄みを除去後に
洗浄液A(150mM NaCl、 0.1% BSAを含有する10mM リン
酸緩衝液( pH7.4))1mLに再懸濁した。再びMPCで磁気
ビーズを集め、洗浄液Aを入れ替え再懸濁するという操
作を2回繰り返した。次に1mLの磁気ビーズ懸濁液に30μ
gのN9C3-7抗体を加え、4℃で30分間ローテーター(タイ
テック社製)で回転させながら反応させた。反応後、MP
Cで磁気ビーズを集め、上澄みを除去後洗浄液Aを1mL加
え、4℃で5分間攪拌し洗浄した。再びMPCで磁気ビーズ
を集め、1mL洗浄液Aに懸濁し洗浄する操作をさらに3回
繰り返し、最後に1mLの洗浄液Aに懸濁して4℃で保存し
た。以上により、磁気ビーズにN9C3-7抗体を固定し、抗
体固定化磁気ビーズとした。
【0086】(2)検体の調製 検体としては、下記の細菌の培養液を使用した。 ・黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus Cowan I株(AT
CC12598) ・黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus SA106株(国立
感染症研究所 食品衛生微生物部より分与) ・黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus SA110株(国立
感染症研究所 食品衛生微生物部より分与) 上記3菌株をブレインハートインフュージョンブロスを
用いて37℃20時間培養した後、培養液を同培地を用いて
希釈し、菌数が約104〜105/mLの検体を調製した。
【0087】(3)抗体固定化磁気ビーズによる黄色ブド
ウ球菌の捕捉 抗体固定化磁気ビーズ20μLと検体400μLを1.5 mLマイ
クロチューブ中で混合し、室温で10分間ボルテックスミ
キサー(タイテック社製)で穏やかに振とうした。MPC
で磁気ビーズを回収し、上澄みを取り除き、洗浄液B
(0.1% BSA,0.01%グルコース)500μLに懸濁し、室温で5
分間振とうした。磁気ビーズを回収し、洗浄液Bに懸
濁、振とうする操作を繰り返した後、黄色ブドウ球菌を
捕捉した磁気ビーズを回収した。
【0088】(4)リゾスタフィンとの接触 洗浄液B200μLに黄色ブドウ球菌を捕捉した磁気ビーズ
を再懸濁し、リゾスタフィン溶液200μlを添加混合し、
室温で2分間静置し、ATP抽出を行った。
【0089】(5)ATPの測定 ATPを抽出した検体200μLを、あらかじめルシフェールL
U(キッコーマン社製)キットに含まれる発光試薬を100μ
L分注しておいたチューブ(アシスト社製No.55.484)に添
加し、ルミノメータールミテスターK-200(キッコーマン
社製)を用いて発光量の測定を行った。上記ルミテスタ
ーK-200に表示されたカウント数を発光量とした。結果
を図1に示す。
【0090】図1から明らかな通り、各検定菌の菌数に
応じた発光量が得られた。実施例3の方法を用いること
により、発光量から菌数の推定が可能であるがわかる。
実施例3の方法により、検体中の黄色ブドウ球菌を高精
度に検出できることが確認された。
【0091】
【発明の効果】本発明は、高感度かつ高精度な黄色ブド
ウ球菌の検出法および黄色ブドウ球菌の検出用試薬を提
供するものであり、産業上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光量と、検定菌の菌数との関係を示す図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体を酵素と接触させるA工程および検体
    中の黄色ブドウ球菌の生体成分を測定するB工程を含む
    黄色ブドウ球菌の検出法において、 該酵素としてリゾスタフィンを使用することを特徴とす
    る黄色ブドウ球菌の検出法。
  2. 【請求項2】B工程における黄色ブドウ球菌の生体成分
    を測定する方法が、免疫学的測定法、酵素活性測定法、
    ATP測定法、及び核酸検出法のいずれかであることを
    特徴とする請求項1記載の黄色ブドウ球菌の検出法。
  3. 【請求項3】免疫学的測定法が、ELISA法によるも
    のである請求項2記載の黄色ブドウ球菌の検出法。
  4. 【請求項4】以下の工程を含むことを特徴とする黄色ブ
    ドウ球菌の検出法。 (1)検体をリゾスタフィンと接触させる工程。 (2)検体中の黄色ブドウ球菌の生体成分と固相抗体を
    接触させる工程。 (3)上記(2)の工程で生成した、黄色ブドウ球菌の
    生体成分−固相抗体複合体を、標識抗体と接触させる工
    程。 (4)上記(3)の工程で生成した、黄色ブドウ球菌の
    生体成分−固相抗体−標識抗体複合体を検出する工程。
  5. 【請求項5】(4)の工程における黄色ブドウ球菌の生
    体成分−固相抗体−標識抗体複合体の検出法が、ルシフ
    ェラーゼ−ルシフェリン発光反応を利用する方法である
    ことを特徴とする請求項4記載の黄色ブドウ球菌の検出
    法。
  6. 【請求項6】以下の工程を含むことを特徴とする黄色ブ
    ドウ球菌の検出法。 (1)検体をリゾスタフィンと接触させ、検体中の黄色
    ブドウ球菌のATPを抽出する工程。 (2)上記(1)で抽出されたATPを測定する工程。
  7. 【請求項7】(2)の工程におけるATPを測定する方
    法が、ルシフェラーゼ−ルシフェリン発光反応を利用す
    る方法であることを特徴とする請求項6記載の黄色ブド
    ウ球菌の検出法。
  8. 【請求項8】ルシフェラーゼがホタルルシフェラーゼで
    あることを特徴とする請求項5または7記載の黄色ブド
    ウ球菌の検出法。
  9. 【請求項9】 リゾスタフィンを含むことを特徴とす
    る、黄色ブドウ球菌の検出用試薬。
JP6199498A 1997-05-12 1998-02-27 黄色ブドウ球菌の検出法 Pending JPH1128099A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6199498A JPH1128099A (ja) 1997-05-12 1998-02-27 黄色ブドウ球菌の検出法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-135767 1997-05-12
JP13576797 1997-05-12
JP6199498A JPH1128099A (ja) 1997-05-12 1998-02-27 黄色ブドウ球菌の検出法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1128099A true JPH1128099A (ja) 1999-02-02

Family

ID=26403071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6199498A Pending JPH1128099A (ja) 1997-05-12 1998-02-27 黄色ブドウ球菌の検出法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1128099A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1223429A1 (de) * 2001-01-13 2002-07-17 Dentognostics GmbH Verfahren zum Nachweis von lebenden Mikroorganismen
WO2005071416A1 (en) * 2003-12-30 2005-08-04 3M Innovative Properties Company Method of enhancing signal detection of cell-wall components of cells
JP2006017554A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Daikin Ind Ltd 磁気ビーズ及び微生物検出方法
US7364918B2 (en) 2002-12-19 2008-04-29 3M Innovative Properties Company Colorimetric sensors constructed of diacetylene materials
US7399609B2 (en) 2003-12-30 2008-07-15 3M Innovative Properties Company Staphylococcus detection
JP2009222712A (ja) * 2008-02-21 2009-10-01 Univ Nagoya メチシリン耐性ブドウ球菌の検出法、検出用試薬及び検出用キット
JP2010008361A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 病原体検出チップ及び病原体検出方法
US7648830B2 (en) 2001-09-21 2010-01-19 The Secretary Of State For Defence In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Method for determining the presence of bacteria resistant to cell lysing antibiotics
JP2010510526A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 細菌全細胞を捕捉する方法及び細菌について試料を分析する方法
US7816473B2 (en) 2002-12-19 2010-10-19 3M Innovative Properties Company Diacetylenic materials for sensing applications
EP2308993A1 (en) * 2009-09-28 2011-04-13 Sysmex Corporation Bacteria analysis apparatus, bacteria analysis method and computer program product
JP2012513773A (ja) * 2008-12-31 2012-06-21 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微小粒子を用いた生きた生物負荷の検出法
WO2013186885A1 (ja) 2012-06-13 2013-12-19 旭化成株式会社 乳汁中の特定物質を検出する方法
JP2014062785A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Dkk Toa Corp 定量方法、定量装置及び定量用キット
WO2015093544A1 (ja) 2013-12-18 2015-06-25 旭化成株式会社 乳汁中のブドウ球菌を検出する方法
US9284593B2 (en) 2009-12-30 2016-03-15 3M Innovative Properties Company Live bioload detection using microparticles
JP2017032579A (ja) * 2016-09-30 2017-02-09 旭化成株式会社 乳汁中の特定物質を検出する方法
WO2021085651A1 (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 旭化成株式会社 検体中の黄色ブドウ球菌を検出するための抗体、並びに斯かる抗体を用いて黄色ブドウ球菌を検出するための方法、試薬、及びキット
CN112903995A (zh) * 2021-01-15 2021-06-04 西北农林科技大学 一种比色/荧光探针、检测玉米赤霉烯酮的试纸条及应用
WO2024111665A1 (ja) 2022-11-24 2024-05-30 旭化成株式会社 溶菌方法、溶菌助液、及び細菌の有無の判定方法

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1223429A1 (de) * 2001-01-13 2002-07-17 Dentognostics GmbH Verfahren zum Nachweis von lebenden Mikroorganismen
WO2002055733A3 (de) * 2001-01-13 2002-09-12 Dentognostics Gmbh Verfahren zum nachweis von lebenden mikroorganismen
US7648830B2 (en) 2001-09-21 2010-01-19 The Secretary Of State For Defence In Her Britannic Majesty's Government Of The United Kingdom Of Great Britain And Northern Ireland Method for determining the presence of bacteria resistant to cell lysing antibiotics
US7364918B2 (en) 2002-12-19 2008-04-29 3M Innovative Properties Company Colorimetric sensors constructed of diacetylene materials
US7816473B2 (en) 2002-12-19 2010-10-19 3M Innovative Properties Company Diacetylenic materials for sensing applications
US7399609B2 (en) 2003-12-30 2008-07-15 3M Innovative Properties Company Staphylococcus detection
WO2005071416A1 (en) * 2003-12-30 2005-08-04 3M Innovative Properties Company Method of enhancing signal detection of cell-wall components of cells
JP2006017554A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Daikin Ind Ltd 磁気ビーズ及び微生物検出方法
JP2010510526A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 細菌全細胞を捕捉する方法及び細菌について試料を分析する方法
JP2009222712A (ja) * 2008-02-21 2009-10-01 Univ Nagoya メチシリン耐性ブドウ球菌の検出法、検出用試薬及び検出用キット
JP2010008361A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 病原体検出チップ及び病原体検出方法
JP2012513773A (ja) * 2008-12-31 2012-06-21 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微小粒子を用いた生きた生物負荷の検出法
US9382570B2 (en) 2008-12-31 2016-07-05 3M Innovative Properties Company Live bioload detection using microparticles
EP2308993A1 (en) * 2009-09-28 2011-04-13 Sysmex Corporation Bacteria analysis apparatus, bacteria analysis method and computer program product
JP2011087571A (ja) * 2009-09-28 2011-05-06 Sysmex Corp 細菌分析装置および細菌分析方法
US9284593B2 (en) 2009-12-30 2016-03-15 3M Innovative Properties Company Live bioload detection using microparticles
EP2863223A1 (en) * 2012-06-13 2015-04-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting specific substances in milk
US10048262B2 (en) 2012-06-13 2018-08-14 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting specific substance in milk
JPWO2013186885A1 (ja) * 2012-06-13 2016-02-01 旭化成株式会社 乳汁中の特定物質を検出する方法
WO2013186885A1 (ja) 2012-06-13 2013-12-19 旭化成株式会社 乳汁中の特定物質を検出する方法
EP2863223A4 (en) * 2012-06-13 2016-07-20 Asahi Chemical Ind METHOD FOR THE DETECTION OF CERTAIN SUBSTANCES IN MILK
US10545146B2 (en) 2012-06-13 2020-01-28 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting specific substance in milk
JP2014062785A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Dkk Toa Corp 定量方法、定量装置及び定量用キット
JPWO2015093544A1 (ja) * 2013-12-18 2017-03-23 旭化成株式会社 乳汁中のブドウ球菌を検出する方法
WO2015093544A1 (ja) 2013-12-18 2015-06-25 旭化成株式会社 乳汁中のブドウ球菌を検出する方法
US10151751B2 (en) 2013-12-18 2018-12-11 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting Staphylococcus contained in milk
US10527616B2 (en) 2013-12-18 2020-01-07 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting Staphylococcus contained in milk
US10732179B2 (en) 2013-12-18 2020-08-04 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Method for detecting Staphylococcus contained in milk
JP2017032579A (ja) * 2016-09-30 2017-02-09 旭化成株式会社 乳汁中の特定物質を検出する方法
WO2021085651A1 (ja) * 2019-11-01 2021-05-06 旭化成株式会社 検体中の黄色ブドウ球菌を検出するための抗体、並びに斯かる抗体を用いて黄色ブドウ球菌を検出するための方法、試薬、及びキット
CN112903995A (zh) * 2021-01-15 2021-06-04 西北农林科技大学 一种比色/荧光探针、检测玉米赤霉烯酮的试纸条及应用
WO2024111665A1 (ja) 2022-11-24 2024-05-30 旭化成株式会社 溶菌方法、溶菌助液、及び細菌の有無の判定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1128099A (ja) 黄色ブドウ球菌の検出法
JP5219057B2 (ja) 微生物検出用抗体
JP2779509B2 (ja) 検出方法
AU681845B2 (en) Method of detecting microorganisms
US20110159515A1 (en) Compositions and methods for the rapid growth and detection of microorganisms
Pongsunk et al. Rapid identification of Burkholderia pseudomallei in blood cultures by a monoclonal antibody assay
JPH06502534A (ja) 微生物を分析する方法及びキット
US20140315219A1 (en) Rapid Enzyme-Linked Immunosorbant Assay for Detection and Identification of Pathogens and Determination of Antimicrobial Susceptibility
Kaspar et al. Coagglutination and enzyme capture tests for detection of Escherichia coli beta-galactosidase, beta-glucuronidase, and glutamate decarboxylase
US6004766A (en) Method for detecting low levels of microorganisms
EP0441469A1 (en) Immunospecific and bioluminescent assay of cellular ATP
WO2019179174A1 (zh) 一种用于检测艰难梭菌的胶体金试纸条和试剂盒
RU2569196C1 (ru) СПОСОБ ОПРЕДЕЛЕНИЯ НАЛИЧИЯ БАКТЕРИЙ Escherichia coli O157:H7 В БИОЛОГИЧЕСКИХ И ПИЩЕВЫХ ОБРАЗЦАХ НА ОСНОВЕ ИММУНОДЕТЕКЦИИ, СОПРЯЖЕННОЙ С ПОЛИМЕРАЗНОЙ ЦЕПНОЙ РЕАКЦИЕЙ
US11029312B2 (en) Stabilization of glutamate dehydrogenase in an aqueous solution
JPH0795068B2 (ja) 細菌および菌類感染の迅速検出方法
Marcos-Fernández et al. Cell wall hydrolase as a surface-associated protein target for the specific detection of Lactobacillus rhamnosus using flow cytometry
WO2014140381A1 (en) Methods for immunocapture and concentration of bacteria in a sample
Kim et al. A rapid method for estimation of cariogenic bacteria based on a stationary liquid phase lab-on-a-chip
EP2054726B1 (en) Method for detecting listeria
JPH09211000A (ja) 黄色ブドウ球菌の検出方法
RU2812147C1 (ru) Способ дифференциации Listeria monocytogenes от других видов Listeria spp. методом дот-блоттинга с использованием конъюгированных антител против фактора патогенности InlB
RU2808590C1 (ru) Способ дифференциации вирулентных штаммов Listeria monocytogenes от авирулентных штаммов с использованием поликлональных антител против факторов патогенности интерналина А (InlA) и интерналина В (InlB).
JP2001061496A (ja) 黄色ブドウ球菌用選択増菌培地
WO2014147628A1 (en) Bacterial immunoassay
US8383353B2 (en) Method for in vitro detection and/or quantification and/or identification of infectious compounds in a biological material