JPH11280788A - 変速機の同期装置 - Google Patents

変速機の同期装置

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JPH11280788A
JPH11280788A JP10098190A JP9819098A JPH11280788A JP H11280788 A JPH11280788 A JP H11280788A JP 10098190 A JP10098190 A JP 10098190A JP 9819098 A JP9819098 A JP 9819098A JP H11280788 A JPH11280788 A JP H11280788A
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JP
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gear
adhesive
dog
spline
tooth
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Pending
Application number
JP10098190A
Other languages
English (en)
Inventor
Futoshi Kuroda
太 黒田
Takuhiro Tsuruoka
卓弘 鶴岡
Nobuaki Shirasaki
信明 白崎
Tetsuya Hattori
哲也 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11280788A publication Critical patent/JPH11280788A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/17Toothed wheels
    • F16H55/171Toothed belt pulleys

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は,歯車とドッグ歯との高精度で且
つ堅固な接合構造を有する変速機の同期装置を提供す
る。 【解決手段】 この変速機の同期装置は,歯車3のボス
部12にはスプライン20が形成され,ドッグ歯4の内
径部13にもスプライン21が形成されている。歯車3
とドッグ歯4とは,スプライン20,21によって互い
に結合されるので,相対回転しない。また,歯車3のス
プライン歯20及び突き当て面22に接着剤23を塗布
し,プレス等によりドッグ歯4を歯車3に圧入して互い
に一体化したので,ドッグ歯4は歯車3から抜けること
はなく,かつ歯車3の歯とドッグ歯4の歯の同軸度が確
保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,車両等に適用さ
れる変速機の同期装置,特に,歯車とドッグ歯との接合
構造を持った同期噛合式の変速機の同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】変速機には,選択摺動式,常時噛合式及
び同期噛合式の3種類があるが,現在では,同期噛合式
の変速機が,変速操作が迅速容易に行えることから,自
動車,トラック,バス等のほとんどの車種で用いられて
いる。同期噛合式の変速機は,メインシャフトとカウン
タシャフトとを並列配置し,メインシャフト上に設けら
れた歯車とカウンタシャフト上に設けられた歯車とを常
時噛み合わせたものであり,メインシャフト上に設けら
れた歯車の回転速度とメインシャフトの回転速度を同期
させるシンクロメッシュ機構を備えたものである。
【0003】シンクロメッシュ機構は,図5に示すよう
に,変速機のメインシャフト即ち出力軸1に相対回転可
能に設けられた歯車2,3と,各歯車2,3と一体に設
けられたドッグ歯4と,出力軸1と一体に設けられるシ
ンクロナイザハブ5と,シンクロナイザハブ5に軸方向
に摺動可能に設けられたスリーブ6と,変速レバー7の
動きをスリーブ6に伝達するシフトロッド8及びシフト
アーム9と,ドッグ歯4に摺動可能に設けられ且つスリ
ーブ6の動きに連動して動きスリーブ6とドッグ歯4の
相対回転を同期させるブロックリング10とから成る。
歯車2,3は,出力軸に並列配置されたカウンタシャフ
ト(図示せず)上に設けられた歯車(図示せず)と常時
噛み合っている。
【0004】上記シンクロメッシュ機構において,操作
レバー7を操作して,スリーブ6を例えば右方向へ移動
させると,ブロックリング10がドッグ歯4のコーン部
11に強く押し付けられて摩擦係合する。スリーブ6と
歯車3との回転が同じ速さになる(即ち,同期する)
と,スリーブ6はブロックリング10及びドッグ歯4の
歯に噛み合う。その結果,カウンタシャフトのトルク
は,カウンタシャフトに設けられた歯車,その歯車に噛
み合っている出力軸1の歯車3,出力軸1へと順次伝達
される。
【0005】ところで,歯車2,3には,上記のとお
り,ドッグ歯4が一体に設けられているが,両者を一体
化するための接合構造には,次のような事項が要求され
る。即ち,歯車2,3とドッグ歯4は十分な力で結合さ
れており,別々に回転してはならない(即ち相対回転し
てはならない)。また,変速操作等の入力によりドッグ
歯4が歯車2,3から抜けて分離してはならない(抜き
力は4トン以上必要である)。更に,歯車2,3の歯部
分とドッグ歯4の歯部分の同軸度はφ0.1以下とする
ことが好ましい。
【0006】歯車2,3とドッグ歯4との接合構造に
は,従来から種々のタイプのものがある。例えば,図2
に示す接合構造は,歯車3に円筒状のボス部12を形成
し,ボス部12にドッグ歯4の内径部13を圧入し,歯
車3とドッグ歯4との圧入部14に円周状に電子ビーム
を照射して溶接を行い,一体化したものである(例え
ば,特開昭57−107437号公報,特開平2−31
060号公報参照)。上記電子ビーム溶接による接合構
造は,機械加工が比較的容易であり,結合強度も十分確
保できるという利点がある。
【0007】また,別の接合構造として,スプライン圧
入による接合構造がある。即ち,この接合構造は,歯車
3のボス部12にスプライン(図示せず)を形成し,ド
ッグ歯4の内径部13にもスプライン(図示せず)を形
成し,それぞれのスプラインを嵌合させて噛み合わせる
ことで相対回転するのを防止するとともに,抜け防止の
ために,両スプラインの大きさを若干異ならせ,ドッグ
歯4を加熱して膨張させてから歯車3にドッグ歯4を圧
入したものである。上記スプライン圧入による接合構造
によれば,常温でドッグ歯4に歯車3を締め付ける力が
加わるので,その締付力によりドッグ歯4の抜けを防止
することができる。
【0008】更に,別の接合構造として,図3に示すよ
うなスナップリングによる接合構造がある。該接合構造
は,歯車3とドッグ歯4にそれぞれスプライン16,1
7を形成し,歯車3のボス部12にドッグ歯4をスプラ
イン嵌合した後にスナップリング15を嵌め込んでドッ
グ歯4の抜けを防止したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで,近年,変速
機の品質に対する要求が厳しくなってきたことから,そ
れに伴って,歯車に関しても,歯の精度に対する要求が
非常に厳しくなってきている。そのため,歯を熱処理
(浸炭焼入れ等)後に加工するという工法が使用される
ようになってきた。図2は従来の変速機の同期装置にお
ける歯車とドッグ歯との接合構造を説明する断面図であ
り,(D)は歯車を示す断面図,(E)はドッグ歯を示
す断面図,及び(F)は歯車とドッグ歯とを電子ビーム
による溶接で接合した構造を示す断面図である。図2に
示した電子ビーム溶接による接合法の場合,焼入れ工程
の前に歯車3とドッグ歯4とを電子ビーム溶接で一体化
するため,図4に示すように,歯を加工する砥石18が
ドッグ歯4に干渉してしまうという問題があり,焼入れ
後の歯の加工には対応できない場合がある。また,溶接
は熱を伴う工法であるから,一体化後にドッグ歯4に熱
歪みが発生してしまい,精度の確保が困難になってしま
うという問題がある。
【0010】また,スプライン圧入による接合法は,熱
処理後に研磨等の歯加工を施す際に,一般に多用される
接合法であるが,次のような問題がある。歯の部分の研
磨は,内径部を基準とするため,歯車とドッグ歯を一体
化する前に,内径部を一度研磨して基準面を整えておい
てから,歯の研磨等を実施する。しかし,圧入代の都合
上,ドッグ歯4は加熱して圧入するため,常温において
はドッグ歯4が歯車3を締め付ける状態となり,歯車3
のボス部12が圧縮されて,歯車3の内径部19が変形
してしまうことがある。また,歯車3の内径部19はベ
アリングが挿入される部分であり,寸法に対する要求が
厳しいため,結果的に内径部をもう一度研磨することと
なり,投資と工数が増えることになる。また,二度目の
内径部の研磨は,歯の部分を基準とする(歯車の歯の精
度は内径部が基準のため)が,その際,ワーククランプ
のチャックの振れやロケートコイル(歯の溝部にこのロ
ケートコイルを嵌め込み,その状態でロケートコイルを
介して歯車を固定する)の寸法誤差,更にはチャックへ
のワークの取付誤差等が蓄積され,精度悪化の原因にな
ってしまう。
【0011】また,歯車3とドッグ歯4の抜け防止のた
めには,圧入代を大きくとる必要がある(スプラインで
は,肉厚で50から100μm程度)。しかし,スプラ
イン寸法の加工誤差により,圧入代が過大な場合にはド
ッグ歯4の割れが生じ,逆に圧入代が不足する場合には
抜けが生じることがある。
【0012】このほかに,歯車とドッグ歯とを一体化し
た後にスプラインの端面をかしめる方法もとられている
が,その場合,かしめる部分には既に浸炭焼入れが施さ
れているから,一度焼きなます必要がある。しかし,実
際には局部的に焼きなますことは困難であり,歯車の内
径部及び端面にまで焼きなましが及んでしまい,必要な
硬度が確保できなくなってしまう場合がある。
【0013】また,スナップリングによる接合法は,歯
車3のボス部12にスナップリング15を嵌める溝を設
けるだけのスペースを確保するために設計変更が必要で
あり,変速機の全長がその分だけ延び,変速機の商品性
を低下させるという問題がある。また,圧入代をとらな
いため,加工誤差が大きくなった場合,ドッグ歯4と歯
車3にガタが発生する。歯車3の歯とドッグ歯4の歯の
同軸度を確保するには,加工の品質確保を厳重に管理す
る必要がある。
【0014】このように従来の接合構造又は接合法で
は,歯車3とドッグ歯4とが相対回転しないように且つ
ドッグ歯4が歯車3から抜けないように両者を堅固に結
合し,熱影響による歪みを避け,歯車の歯とドッグ歯の
歯の同軸度を十分に確保することが課題となっていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,大きなトルクを伝達できる
ように構成するため,歯車とドッグ歯とをスプラインで
嵌合させ,抜け防止のために接着剤の結合力を利用する
ことによって,歯車とドッグ歯との接合構造を高精度で
且つ堅固な構造に構成した変速機の同期装置を提供する
ことである。
【0016】この発明は,出力軸に相対回転可能に設け
られた歯車,前記歯車と一体に設けられたドッグ歯,前
記出力軸と一体に設けられたシンクロナイザハブ,前記
シンクロナイザハブに軸方向に摺動可能に設けられたス
リーブ,変速レバーの動きを前記スリーブに伝達するシ
フトロッドとシフトアーム,前記ドッグ歯に摺動可能に
設けられ且つ前記スリーブの動きに連動して動き前記ス
リーブと前記ドッグ歯の相対回転を同期させるブロック
リングとから成るシンクロメッシュ機構を備えた変速機
の同期装置において,前記歯車のボス部に第1スプライ
ンを形成し,前記ドッグ歯の内径部に前記第1スプライ
ンに嵌合する第2スプラインを形成し,前記第1と第2
のスプラインを互いに嵌合させると共に接着剤によって
互いに結合したことを特徴とする変速機の同期装置に関
する。
【0017】この変速機の同期装置は,上記のように,
歯車とドッグ歯とがスプラインによって相対回転しない
ように結合されているので,大きなトルクを伝達するこ
とができる上,スプラインそのものに接着剤を塗布して
歯車とドッグ歯を結合したので,ドッグ歯の歯車からの
抜けが防止できる。しかも,溶接などのような熱影響を
伴う接合法を採用していないので,精度を十分に確保す
ることができる。
【0018】また,歯車とドッグ歯の一体化後に歯車の
歯とドッグ歯の歯の同軸度が確保できるように,基本的
には,嵌め合い又は圧入とする。また,同軸度を確保で
き,且つ圧入による歯車内径部の変形が歯車内径部の要
求精度を超えないように,圧入代を設定することが好ま
しい。
【0019】また,前記接着剤は,嫌気性接着剤,熱硬
化性接着剤又は二液硬化性接着剤であり,特に,前記嫌
気性接着剤を使用することが好ましい。前記接着剤とし
て,嫌気性接着剤を用いた場合には,嫌気性接着剤は空
気が遮断されないと硬化しないため,嫌気性接着剤を接
合面に塗布した状態では固まらず,相手部材を組み付け
た時の空気が絶たれた状態で硬化が始まるので,組立
上,取り扱い易いという利点がある。接着剤は,歯車又
はドッグ歯の接合部のスプライン及び突き当て面に塗布
し,プレス等によりドッグ歯を歯車に圧入する。その
際,歯車及びドッグ歯は接着剤の効果を十分に発揮させ
るべく,予め脱脂洗浄を施す必要がある。ただし,脱脂
洗浄は,耐油性の接着剤を使用するのであれば不必要で
ある。また,接着剤としては,接合強度を十分確保可能
なものを選ぶ必要がある。
【0020】この変速機の同期装置は,歯車とドッグ歯
の接合構造に限らず,一般に,高精度が要求される二つ
の環状部品の接合構造として幅広く適用できるものであ
ることは言うまでもない。即ち,この変速機の同期装置
は,第一環状部品の外径面にスプラインを形成し,第二
環状部品の内径面に前記スプラインに嵌合するスプライ
ンを形成し,前記スプラインに接着剤を塗布して前記第
一環状部品と前記第二環状部品をスプライン結合した接
合構造に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら,この
発明による変速機の同期装置の実施例について説明す
る。この発明による変速機の同期装置の一実施例を示す
断面図であり,(A)は歯車を示す断面図,(B)はド
ッグ歯を示す断面図,及び(C)は歯車とドッグ歯とを
スプラインと接着材で接合した構造を示す断面図であ
る。この発明による変速機の同期装置は,歯車とドッグ
歯との接合構造を除き,図5に示した従来のものと同一
であるから,同一部品には同一の符号を付し,重複する
説明を省略する。
【0022】歯車3のボス部12には50枚のインボリ
ュートスプライン20が形成され,ドッグ歯4の内径部
13にも50枚のインボリュートスプライン21が形成
されている。インボリュートスプライン20,21はイ
ンボリュートの歯形曲線を歯形形状にしたスプラインで
ある。インボリュートスプライン20,21は,標準歯
車の歯たけより低いから,強さも大きく,しかも歯車と
同じように加工できるので,高精度のものが得られる。
インボリュートスプライン20,21によって,歯車3
とドッグ歯4とは相対回転しないように結合されている
ので,この変速機の同期装置は大きなトルクを伝達する
ことができる。
【0023】歯車3のインボリュートスプライン20及
び突き当て面22に接着剤23を塗布し,プレス等によ
りドッグ歯4を歯車3に圧入して一体化する。圧入代は
インボリュートスプライン20の歯厚で0.05mmと
した。その際に,ドッグ歯4を加熱すれば圧入が容易に
行える。歯車3にドッグ歯4を圧入したので,歯車3の
歯とドッグ歯4の歯の同軸度が確保できる。歯車3とド
ッグ歯4とは接着剤23の効果を十分に発揮させるため
に,前処理として歯車3とドッグ歯4の脱脂洗浄を実施
した。
【0024】インボリュートスプライン20及び突き当
て面22に接着剤23を塗布して歯車3とドッグ歯4を
結合したので,ドッグ歯4の歯車3からの抜けが防止さ
れる。接着剤23として嫌気性接着剤を使用して歯車3
のインボリュートスプライン20とドッグ歯4のインボ
リュートスプライン21とを互いに接合し,これについ
て,ドッグ歯4を歯車3から抜くために抜き力を加え,
抜き力を測定したところ,測定結果は10ton以上と
いう結果が得られた(即ち,試験機の測定範囲をオーバ
ーしてしまった)。許容値は4tonであるから,両者
の接合構造の結合力は強度的には十分な大きさである。
ここで,嫌気性接着剤とは,金属接合面間の微細な隙間
に入り,空気と遮断されると重合反応が始まり,プラス
チック結合を形成する接着剤のことである。
【0025】また,この変速機の同期装置において,歯
車3のインボリュートスプライン20とドッグ歯4のイ
ンボリュートスプライン21とを互いに接合するのに使
用される接着剤23としては,嫌気性接着剤を用いるこ
とが好ましいが,場合によっては,嫌気性接着剤の他
に,熱硬化性接着剤又は二液硬化性接着剤を使用するこ
とができる。熱硬化性接着剤は,セメント状の接着剤で
あり,接合強度は曲げ力で120MPa程度であり,抜
き力としては10ton以上を期待できる。また,二液
硬化性接着剤は,接合時にベース液に硬化液を混合する
ものであり,接合強度は曲げ力で40MPa程度であ
る。接着剤23として熱硬化性接着剤を使用した場合に
は,スプライン20,21と突き当て面22に接着剤2
3を塗布し,歯車3にドッグ歯4を嵌入した後に,15
0℃程度で1時間加熱して接着剤を硬化させる。この
時,熱硬化性接着剤は粘度が高いため,均一に塗布する
必要がある。また,接着剤23として二液硬化性接着剤
を使用した場合には,ベース液に硬化液を混合し,スプ
ライン20,21と突き当て面22に接着剤23を塗布
し,歯車3にドッグ歯4を嵌入し,歯車3とドッグ歯4
とを接合する。この時,ベース液に硬化液を予め混合す
るため,混合液が塗布前に硬化しないように注意する必
要がある。
【0026】この実施例では,同期噛合式の変速機を構
成する歯車とドッグ歯との接合構造について説明した
が,この変速機の同期装置は,歯車とドッグ歯の接合構
造に限らず,一般に,二つの環状部品を精度よく接合す
るための接合構造として幅広く適用できるものであるこ
とは言うまでもない。一方の環状部品の外径面にスプラ
インを形成し,他方の環状部品の内径面にもスプライン
を形成し,スプラインに接着剤23を塗布して両スプラ
インを結合することにより,二つの環状部品は互いに強
固に接合される。
【0027】
【発明の効果】この発明による変速機の同期装置は,上
記のように,歯車とドッグ歯とを,スプラインと接着剤
とで互いに一体化する接合構造を採用したから,熱処理
後に歯車とドッグ歯を一体化することができ,歯車の歯
研磨(若しくは,ハードフィニッシュ)に対応可能であ
る。また,この変速機の同期装置は,上記のように,ド
ッグ歯を歯車に接着剤で接着した結合構造に構成したの
で,ドッグ歯の抜け防止のために,圧入代を大きくとる
必要がなく,ドッグ歯の割れを防止することができると
共に,内径部の変形量を小さく抑えることができる。こ
のことは,二度目の内径研磨の際の加工時間が短縮でき
るということを意味し,さらには,圧入後の内径部の変
形量が内径部の要求精度の範囲内となるように圧入代を
設定すれば,一度の内径研磨で済むということを意味す
るものである。こうすれば,設備投資及び工数を削減す
ることができ,同時に精度上でも余計な誤差の蓄積が阻
止され,高品質の歯車が比較的容易に得られる。
【0028】また,上記接合構造によれば,かしめる必
要がないため,焼きなましが不要となり,焼きなましの
設備投資及び工数を削減することができ,かつ歯車の硬
度の低下も起こらない。更に,上記接合構造によれば,
スナップリング溝が不要となるので,加工工数が少なく
て済み,設計上の変更も比較的少なくて済み,スナップ
リング自体も不要なので,部品点数の増加を防ぐことが
できる。また,全長が大きくなることがないので,変速
機の商品性も低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による変速機の同期装置の一実施例を
示す断面図であり,(A)は歯車を示す断面図,(B)
はドッグ歯を示す断面図,及び(C)は歯車とドッグ歯
とをスプラインと接着材で接合した構造を示す断面図で
ある。
【図2】従来の変速機の同期装置における歯車とドッグ
歯との接合構造を説明する断面図であり,(D)は歯車
を示す断面図,(E)はドッグ歯を示す断面図,及び
(F)は歯車とドッグ歯とを電子ビームによる溶接で接
合した構造を示す断面図である。
【図3】従来の歯車とドッグ歯との別の接合構造,即ち
スナップリングによる接合構造を示す断面図である。
【図4】図2の接合構造において歯加工を施すときの様
子を示す説明図である。
【図5】従来の変速機の同期装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 出力軸 2,3 歯車 4 ドッグ歯 5 シンクロナイザハブ 6 スリーブ 8 シフトロッド 9 シフトアーム 10 ブロックリング 12 ボス部 20,21 スプライン 23 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 哲也 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番1号 いすゞ自動車株式会社川崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸に相対回転可能に設けられた歯
    車,前記歯車と一体に設けられたドッグ歯,前記出力軸
    と一体に設けられたシンクロナイザハブ,前記シンクロ
    ナイザハブに軸方向に摺動可能に設けられたスリーブ,
    変速レバーの動きを前記スリーブに伝達するシフトロッ
    ドとシフトアーム,前記ドッグ歯に摺動可能に設けられ
    且つ前記スリーブの動きに連動して動き前記スリーブと
    前記ドッグ歯の相対回転を同期させるブロックリングと
    から成るシンクロメッシュ機構を備えた変速機の同期装
    置において,前記歯車のボス部に第1スプラインを形成
    し,前記ドッグ歯の内径部に前記第1スプラインに嵌合
    する第2スプラインを形成し,前記第1と第2のスプラ
    インを互いに嵌合させると共に接着剤によって互いに結
    合したことを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 【請求項2】 前記接着剤は,嫌気性接着剤,熱硬化性
    接着剤又は二液硬化性接着剤であることを特徴とする請
    求項1に記載の変速機の同期装置。
JP10098190A 1998-03-27 1998-03-27 変速機の同期装置 Pending JPH11280788A (ja)

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