JPH11280682A - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JPH11280682A
JPH11280682A JP10079419A JP7941998A JPH11280682A JP H11280682 A JPH11280682 A JP H11280682A JP 10079419 A JP10079419 A JP 10079419A JP 7941998 A JP7941998 A JP 7941998A JP H11280682 A JPH11280682 A JP H11280682A
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JP
Japan
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bearing
scroll
drive shaft
type fluid
fluid machine
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Pending
Application number
JP10079419A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Matsuba
謙治 松葉
Hiroyuki Kuroiwa
弘之 黒岩
利彰 ▲吉▼井
Toshiaki Yoshii
Keiji Yoshimura
恵司 吉村
Kazuhiko Matsukawa
和彦 松川
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/42Pumps with cylinders or pistons

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  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸部の軸受を最適化することにより、軽
量化、高寿命化等が図られるスクロール型流体機械を提
供する。 【解決手段】 可動スクロール6のボス部6a内に、す
べり軸受3が装着されている。そのすべり軸受3にクラ
ンク部15が係合している。駆動軸12は、上部架構8
aに装着された円筒ころ軸受5と、下部架構8bに装着
された玉軸受7とによって支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール型流体機
械に関し、特に、駆動軸部の軸受を最適化することによ
り、軽量化および高寿命化等が図られるスクロール型流
体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機では、駆動軸部の回
転によってスクロール型の圧縮部に公転駆動を与えるク
ランク部に1つの軸受が用いられ、そのクランク部を通
して駆動軸に作用する荷重を支持するために2つの軸受
が用いられている。
【0003】まず、第1の従来技術として、以上の3つ
の軸受がすべてころがり軸受からなるスクロール型圧縮
機について図を用いて説明する。図5は、特許公報第2
546232号に開示されたスクロール型圧縮機の断面
構造を示したものである。図5を参照して、密閉ケーシ
ング101の内方上部位置に、固定スクロール102と
可動スクロール103とがケーシング101に固定され
た上部架構104a上に支持されている。ケーシング1
01の下部位置にモータ105が配置されている。モー
タ105には、駆動軸106が結合している。その駆動
軸106の上端側には、モータ105の回転に伴って可
動スクロール103を固定スクロール102に対して公
転駆動させる伝動機構Dが設けられている。
【0004】伝動機構Dでは、駆動軸106の中心に対
して偏心して設けられたドライブピン108がスイング
リング109と係合している。そのスイングリング10
9には、針状ころ軸受110が圧入されている。そし
て、針状ころ軸受110に可動スクロール103のボス
部103aが挿入されている。特に、スイングリング1
09はボス部103aの外側に位置していることから、
このスクロール型流体機械は、アウタドライブ方式と呼
ばれている。
【0005】架構104は、上部架構104aと、その
上部架構104aにステーボルトBを介して一体に結合
された下部架構104bとからなる。駆動軸106は、
上部架構104aに装着されたころがり軸受107a
と、下部架構104bに装着されたころがり軸受107
bとよって回転可能に支持されている。
【0006】また、駆動軸106の内部には、駆動軸1
06の下端側に設けられた油溜めの潤滑油を駆動軸の上
端側へ供給するための給油通路106aが形成されてい
る。
【0007】上述したスクロール型流体機械では、駆動
軸106の回転により、伝動機構Dを介して可動スクロ
ール1 03が固定スクロール102に対して公転駆動す
る。このとき、可動スクロール103と固定スクロール
102とによってガスが圧縮される。
【0008】ところで、上述したアウタドライブ方式の
他に、ドライブピンが可動スクロールのボス部内に配置
されたインナドライブ方式のスクロール型圧縮機があ
る。この場合には、スクロール型圧縮機は軸受がそのボ
ス部内に圧入された構造となる。なお、インナドライブ
方式のスクロール型圧縮機の動作もアウタドライブ方式
のものと同様である。
【0009】次に、第2の従来技術として、上記の3つ
の軸受のすべてがすべり軸受からなるスクロール型圧縮
機について図を用いて説明する。図6を参照して、可動
スクロール103のボス部103a内には、すべり軸受
112が装着されている。すべり軸受112は、駆動軸
106の軸心に対して偏心しているドライブピン108
が係合している。駆動軸106は、上部架構104aに
装着されたすべり軸受112と、下部架構104bに装
着されたすべり軸受113とによって回転可能に支持さ
れている。また、下部架構104bの下端には、駆動軸
106のスラスト方向の荷重を支持するためのスラスト
プレート114が設けられている。なお、これ以外の構
成については、第1の従来技術と同様なので同一部材に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0010】上述したスクロール型圧縮機では、駆動軸
106の回転とともに偏心回転するドライブピン108
を介して、可動スクロール103が固定スクロール10
2に対して公転駆動する。このとき、可動スクロール1
03と固定スクロール102とによってガスが圧縮され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】まず、第1の従来技術
のアウタドライブ方式のスクロール型圧縮機では、図1
に示すように、スイングリング109の存在により、駆
動軸106の上端はスイングリング109の直下に位置
している。このため、駆動軸106に形成された給油通
路106aを通して汲み上げられた潤滑油を、針状ころ
軸受110の上端から供給することができず、駆動軸1
06の上端部と針状ころ軸受の上端側とを結ぶ付加的な
給油機構が必要であった。
【0012】さらに、インナドライブ方式のスクロール
型圧縮機では、ころがり軸受を可動スクロールのボス部
内に圧入する際に、可動スクロールが圧入歪みを受ける
ことがあった。また、このような圧入に伴う歪みを抑制
するために、ボス部の肉厚を厚くするなどして、可動ス
クロールの重量が増加することがあった。
【0013】次に、第2の従来技術のスクロール型圧縮
機では、用いられる軸受はすべてすべり軸受111、1
12、113である。このすべり軸受111、112、
113では、ラジアル方向の荷重を支持することはでき
ても、スラスト方向の荷重を支持することはできない。
このため、スラスト方向の荷重を支持するために、たと
えば、下部架構104bに設けられたスラストプレート
114などの付加的な部品が必要となった。
【0014】また、特に、上部架構104aと駆動軸1
06との間に介在するすべり軸受112には、他のすべ
り軸受111、113に比べて、より強いラジアル方向
の荷重が作用する。このため、そのラジアル方向の荷重
を受け止めるために、すべり軸受112の摺動面積をよ
り大きくしなければならず、すべり軸受112の軸方向
寸法が増加することがあった。これに伴って、ケーシン
グが大型化することがあった。
【0015】さらに、スクロール型流体機械の組立にお
いて、すべり軸受を装着するにはころがり軸受の場合よ
りも、駆動軸106、上部架構104、下部架構104
bなどに加工精度や組立精度が要求される。たとえば、
駆動軸106の軸心がずれた場合には、2つのすべり軸
受111、112は駆動軸106の上端側に接近してい
るので、このずれを許容することができても、すべり軸
受113は駆動軸106の下端側に設けられているた
め、軸心からのずれがより拡大されて、すべり軸受11
3を良好に装着することができないことがあった。ま
た、すべり軸受け113を装着することができた場合で
も、ずれに伴う片当りによって部分的に摩耗することが
あった。
【0016】また、すべり軸受は一般にころがり軸受よ
りも潤滑油がなくなった場合の耐力が小さく、このため
に、焼付き現象などが発生することがあった。
【0017】本発明は、軸受の特性を生かして、スクロ
ール型流体機械の各部に最適な軸受を配置することによ
り、上記の種々の問題点を解決することができるスクロ
ール型流体機械を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のスクロ
ール型流体機械では、駆動軸部と、可動スクロールと、
第1軸受と、第2軸受と、第3軸受とを備えている。可
動スクロールは、駆動軸部の一端側に設けられ、駆動軸
部の駆動により公転駆動する。第1軸受は、可動スクロ
ールと駆動軸部との間に配置されている。第2軸受は、
駆動軸部を支持し、第1軸受と距離を隔てて配置されて
いる。第3軸受は、駆動軸部を支持し、第1軸受と距離
を隔てて第2軸受よりも遠い位置に配置されている。そ
の第1軸受はすべり軸受(3)である。第2軸受および
第3軸受はころがり軸受である。
【0019】この構成によれば、第1軸受をすべり軸受
とすることにより、ころがり軸受と比べてより軽量であ
り、しかも、可動スクロールのすべり軸受を受入れる部
分もより薄くすることができる。これにより、可動スク
ロールの公転駆動に伴う荷重を低減することができると
ともに、可動スクロールのそのものの重量、ひいてはス
クロール型流体機械の軽量化を図ることができる。ま
た、ラジアル方向の最も大きい荷重が作用する第2軸受
をころがり軸受とすることにより、すべり軸受の場合よ
りも、油切れ耐力が向上するだけでなく、軸方向寸法が
より短い軸受で駆動軸を支持することができる。これに
より、ケーシングが大型化(高さ)になるのを抑制する
ことができる。さらに、第3軸受をころがり軸受とする
ことにより、駆動軸部の軸心がずれた場合などには、す
べり軸受の場合よりも、このずれを許容することがで
き、容易に組立および加工をすることができる。そし
て、第1軸受をすべり軸受とすることにより、第1〜第
3軸受のすべてをころがり軸受とする場合よりも、第1
〜第3軸受を含めた軸受全体の寿命を延ばすことができ
る。
【0020】請求項2に記載のスクロール型流体機械で
は、第2軸受および第3軸受のうちの少なくともいずれ
か一方は、駆動軸部のラジアル荷重とともにスラスト荷
重を受けることのできる軸受である。
【0021】この場合には、駆動軸部のスラスト方向の
荷重が第2軸受および/または第3軸受により支持され
るため、スラストプレートのような付加的な部品が不要
となり、部品点数の削減を図ることができる。
【0022】請求項3に記載のスクロール型流体機械で
は、すべり軸受の摺動面は樹脂で覆われている。
【0023】この場合には、すべり軸受の潤滑油がなく
なった場合でも、油切れ耐力を有することができ、特
に、第1〜第3軸受のすべてがころがり軸受の場合と同
レベルの油切れ耐力を有することができる。また、軸受
の摺動面の内面加工を必要としない圧入れによって装着
する仕様により、加工工数の削減を図ることができる。
【0024】請求項4に記載のスクロール型流体機械で
は、ころがり軸受の転動体の表面は凹凸表面を有してい
る。
【0025】この場合には、転動体表面の凹部に潤滑油
が保持されて、ころがり軸受の耐力が向上するととも
に、ころがり軸受の寿命をさらに延ばすことができる。
【0026】請求項5に記載のスクロール型流体機械で
は、油溜り部と、給油通路と、架構とを有している。油
溜り部は、駆動軸部の他端側に設けられている。給油通
路は、駆動軸部内に設けられ、油溜り部の潤滑油を第1
軸受へ給油する。架構は、可動スクロールを下方から支
持している。その架構は、第1軸受が装着された駆動軸
部のクランク部を収容して、可動スクロールの公転駆動
を許容するためのクランク室と、そのクランク室と連通
し、駆動軸部を周方向から取囲むようにクランク室の下
方に位置する収容室とを含んでいる。第2軸受は、その
収容室に配置されている。
【0027】この場合には、給油通路を通って油溜り部
の潤滑油がクランク室内の第1軸受にまず供給され、そ
の後、その潤滑油がクランク室の下方の収容室に流れ込
む。これにより、第2軸受が配置されている収容室には
常に油が溜まるので、第2軸受の良好な潤滑状態を保つ
ことができる。
【0028】請求項6に記載のスクロール型流体機械で
は、油溜り部の潤滑油を導くための駆動軸部内に設けら
れる通路は給油通路のみである。
【0029】この場合には、第1軸受に供給された潤滑
油は第2軸受をも潤滑することができるため、潤滑油が
最も必要とされる第1軸受に積極的に潤滑油を給油すれ
ばよいことになる。また、駆動軸部には、軸方向に延び
る給油通路のみを形成すればよく、駆動軸部の途中で、
たとえば、第2軸受部へ潤滑油を給油するための通路を
形成する必要がなく、加工工数および加工コストを削減
することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係るスクロ
ール型圧縮機について図を用いて説明する。図1を参照
して、密閉されたケーシング2内の上方位置に、固定ス
クロール4と可動スクロール6とがケーシング2に固定
された上部架構8a上に支持されている。ケーシング2
の下方にはモータ10が配置されている。モータ10に
は、駆動軸12が結合している。可動スクロール6のボ
ス部6a内には、第1軸受としてのすべり軸受3が装着
されている。そのすべり軸受3には、駆動軸12の軸心
に対して偏心しているドライブピン13と、そのドライ
ブピン13に挿入されたスライドブシュを含むクランク
部15が係合している。
【0031】駆動軸12は、上部架構8aに装着された
第2軸受としてのころがり軸受5と、下部架構104b
に装着された第3軸受としての玉軸受7とによって回転
可能に支持されている。また、駆動軸12の内部には、
駆動軸12の下端の油溜め16の潤滑油を上端側に位置
するすべり軸受3へ供給するための給油通路18が形成
されている。
【0032】さらに、図2を参照して、上部架構8a付
近の構造について詳しく説明する。上部架構8aには、
クランク部15を収容するためのクランク室20が設け
られている。その上部架構8aには、さらに、クランク
室20の下方にクランク室20と連通する軸受収容室2
1が形成されている。その軸受収容室21に円筒ころ軸
受5が装着されている。
【0033】上記のように構成されたスクロール型流体
機械では、駆動軸12の回転駆動により偏心回転するド
ライブピン13を含むクランク部15を介して、可動ス
クロール6が固定スクロール4に対して公転駆動する。
このとき、ケーシング2内に取入れられたガスが、可動
スクロール6と固定スクロール4とによって圧縮され
て、ケーシング2の外へ送られる。
【0034】このスクロール型圧縮機では、可動スクロ
ール6のボス部6a内に装着される軸受をすべり軸受3
とすることにより、ボス部6aの肉厚を厚くする必要は
ないため、可動スクロール6の軽量化を図ることができ
る。また、すべり軸受はころがり軸受と比べて一般に軽
量である。これらによって、可動スクロールの公転駆動
に伴う荷重を低減することができるとともに、スクロー
ル型圧縮機の軽量化を図ることができる。
【0035】また、ラジアル方向の最も大きい荷重が作
用する上部架構8aに装着される軸受をころがり軸受5
とすることにより、すべり軸受の場合よりも、軸方向寸
法がより短いもので駆動軸12を支持することができ
る。これにより、ケーシングの高さがより高くなるのを
抑えることができる。
【0036】さらに、下部架構8bに装着される軸受を
玉軸受7とすることにより、製造工程において、駆動軸
12の軸心がずれた場合などには、すべり軸受の場合よ
りも、このずれを許容することができ、製造および加工
を容易に行なうことができる。また、たとえ、軸心がず
れた状態で支持されたとしても、すべり軸受の場合のよ
うに、部分的に摩耗が生じるのを抑制することができ
る。
【0037】そして、すべり軸受3を有していることに
より、3つの軸受のすべてがころがり軸受である場合と
比べて、すべり軸受3、ころがり軸受5および玉軸受7
を含めた軸受全体の寿命を延ばすことができる。なお、
これについては後で詳しく説明する。
【0038】また、2つのころがり軸受のうちの一方を
玉軸受7とすることにより、ラジアル方向の荷重ととも
に、スラスト方向の荷重をも支持することができる。こ
れにより、3つの軸受がすべてすべり軸受の場合のよう
に、スラスト方向の荷重を支持するためのスラストプレ
ートのような付加的部品が不要となり、部品点数の低減
を図ることができる。
【0039】さらに、駆動軸12に形成された給油通路
18を通じて潤滑油がすべり軸受3の部分に給油された
後、その潤滑油はクランク室20を経て軸受収容室21
に流れ込むことにより、円筒ころ軸受5を容易に潤滑す
ることができる。そして、さらに玉軸受7を油溜め16
の近傍に設けることにより、潤滑油のミストによって玉
軸受7を容易に潤滑することができる。つまり、軸受の
潤滑については、すべり軸受3の部分にのみ積極的に潤
滑油を供給すればよい。したがって、この場合には、駆
動軸12には軸方向に延びる給油通路18のみを形成す
ればよく、駆動軸12の途中で、たとえば、円筒ころ軸
受5へ潤滑油を給油するための通路を形成する必要はな
く、加工工数および加工コストを低減することができ
る。
【0040】ところで、スラスト方向の荷重を支持する
ためには、2つのころ軸受のうちの少なくとも1つがス
ラスト方向の荷重を支持し得る構造であればよい。そこ
で、上述したスクロール型圧縮機の変形例について図を
用いて説明する。図3を参照して、この変形例では、上
部架構8aに装着されるころがり軸受として、つば付円
筒ころ軸受9が適用されている。つば付円筒ころ軸受9
のつば部分を有する内輪9aにより、クランク部15を
含む駆動軸12が下方から支持されている。また、下部
架構8bには、円筒ころ軸受11が装着されている。な
お、これ以外の構成については、図1に示すスクロール
型圧縮機の構成と同様なので同一部材には同一符号を付
し、その説明を省略する。この変形例にかかるスクロー
ル型圧縮機でも、前述した重量の軽減および長寿命化な
どといった効果を得ることができる。
【0041】なお、上述したスクロール型圧縮機に用い
られるすべり軸受3として、たとえば、多孔質の青銅層
にポリ四フッ化エチレンを主成分とする樹脂を含浸させ
たものなどのように、すべり軸受の摺動面が樹脂で覆わ
れたものを用いてもよい。この場合には、潤滑油がなく
なった場合でも、すべての軸受がころがり軸受からなる
ものと同レベルの高い油切れ耐力を有することができ、
焼付き現象などを防止することができる。また、この場
合には、すべり軸受を圧入により容易に装着することも
できる。
【0042】さらに、円筒ころ軸受5、9、11や玉軸
受7の転動体として、その表面にミクロンオーダの凹凸
を形成したディンプル形状の転動体を適用してもよい。
この場合には、容易に凹部に潤滑油が保持されて、ころ
がり軸受の寿命および油切れ耐力をさらに向上すること
ができる。
【0043】次に、上述したスクロール型圧縮機に適用
される3つの軸受の寿命(耐久時間)を評価した結果の
一例について説明する。一般に、1つのころがり軸受の
寿命L1 (hrs)は、次の式、 L1 =a1 ・a2 ・a3 ・106 /(60N)・(Cr
/W)A で与えられる。ここで、a1 は信頼度係数、a2 は軸受
特性係数、a3 は潤滑係数、Crは動定格荷重(kg
f)、Nは軸受回転数(rpm)、Wは軸受荷重(kg
f)、Aは指数(玉軸受=3、ころ軸受=10/3)で
ある。なお、a1 〜a3 は通常1である。
【0044】そして、ころがり軸受を組合せた軸受全体
の寿命Ltotal (hrs)は、次の式、 Ltotal =1/(1/L1 e +1/L2 e +…+1/L
n e 1/e で与えられる。なお、玉軸受の場合ではe=10/9で
あり、ころ軸受の場合ではe=9/8である。
【0045】この式より、ころがり軸受の数が増加する
ほど、軸受全体の寿命Ltotal は短くなる。
【0046】本実施の形態に係るスクロール型圧縮機に
適用する3つの軸受のうちの1つをすべり軸受としたも
の(B)の寿命と、3つの軸受のすべてをころがり軸受
としてもの(A)の寿命とをそれぞれ評価した。その結
果を図4に示す。図4を参照して、Aの場合、各ころが
り軸受単体の寿命は、それぞれ15万時間、25万時
間、20万時間であった。そして、ころがり軸受全体の
寿命は7.2万時間であった。
【0047】これに対して、Bでは、特に、第1軸受を
すべり軸受とすることにより、軸受全体の寿命は12万
時間となり、大幅に寿命を延ばせることがわかった。
【0048】以上説明したように、本スクロール型圧縮
機では、軸受の特性を生かせるように各部に最適な軸受
を装着することによって、スクロール型圧縮機の軽量
化、小型化および長寿命化を図ることができ、そして、
部品点数、加工工数の低減、組立加工の容易さ、ひいて
は、生産コストの低減を図ることができる。
【0049】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0050】
【発明の効果】請求項1に記載のスクロール型流体機械
によれば、可動スクロールの公転駆動に伴う荷重を低減
することができるとともに、スクロール型流体機械の軽
量化を図ることができる。また、ケーシングが大型化に
なるのを抑制することができる。さらに、駆動軸部の軸
心がずれた場合などでも、比較的容易に製造することが
できる。そして、第1〜第3軸受のすべてをころがり軸
受とする場合よりも、第1〜第3軸受を含めた軸受全体
の寿命を延ばすことができる。
【0051】請求項2に記載のスクロール型流体機械で
は、駆動軸部のスラスト方向の荷重が第2軸受および/
または第3軸受により支持されるため、スラストプレー
トのような付加的な部品が不要となり、部品点数の削減
を図ることができる。
【0052】請求項3に記載のスクロール型流体機械で
は、すべり軸受の潤滑油がなくなった場合でも、油切れ
耐力を有することができ、特に、第1〜第3軸受のすべ
てがころがり軸受の場合と同レベルの油切れ耐力を有す
ることができる。また、軸受の摺動面の内面加工を必要
としない圧入れによって装着する仕様により、加工工数
の削減を図ることができる。
【0053】請求項4に記載のスクロール型流体機械で
は、転動体表面の凹部に潤滑油が保持されて、ころがり
軸受の耐力が向上するとともに、ころがり軸受の寿命を
さらに延ばすことができる。
【0054】請求項5に記載のスクロール型流体機械で
は、給油通路を通って油溜り部の潤滑油がクランク室内
の第1軸受にまず供給され、その後、その潤滑油がクラ
ンク室の下方の収容室に流れ込む。これにより、第2軸
受が配置されている収容室には常に油が溜まるので、第
2軸受の良好な潤滑状態を保つことができる。
【0055】請求項6に記載のスクロール型流体機械で
は、第1軸受に供給された潤滑油は第2軸受をも潤滑す
ることができるため、潤滑油が最も必要とされる第1軸
受に積極的に潤滑油を給油すればよいことになる。ま
た、駆動軸部の途中で、たとえば、第2軸受部へ潤滑油
を給油するための通路を形成する必要がなく、加工コス
トを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機
の断面図である。
【図2】図1に示されたスクロール型圧縮機の部分拡大
断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスクロール型圧縮機
の変形例を示す断面図である。
【図4】同実施の形態において、軸受の寿命の評価結果
を示す図である。
【図5】第1の従来技術におけるスクロール型圧縮機の
断面図である。
【図6】第2の従来技術におけるスクロール型圧縮機の
断面図である。
【符号の説明】
2 ケーシング 3 すべり軸受 4 固定スクロール 5 円筒ころ軸受 6 可動スクロール 6a ボス部 7 玉軸受 8a 上部架構 8b 下部架構 9 つば付円筒ころ軸受 9a 内輪 10 モータ 11 円筒ころ軸受 12 駆動軸 13 ドライブピン 14 スライドブシュ 15 クランク部 16 油溜め 18 給油通路 20 クランク室 21 軸受収容室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 21/00 F16C 21/00 (72)発明者 ▲吉▼井 利彰 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 吉村 恵司 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内 (72)発明者 松川 和彦 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキン 工業株式会社堺製作所臨海工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸部(12、13、14)と、 前記駆動軸部(12、13、14)の一端側に設けら
    れ、前記駆動軸部(12)の駆動により、公転駆動する
    可動スクロール(6)と、 前記可動スクロール(6)と前記駆動軸部(13、1
    4)との間に配置された第1軸受(3)と、 前記駆動軸部(12)を支持し、前記第1軸受(3)と
    距離を隔てて配置された第2軸受(5)と、 前記駆動軸部(12)を支持し、前記第1軸受(3)と
    距離を隔てて前記第2軸受(5)よりも遠い位置に配置
    された第3軸受(7)とを備え、 前記第1軸受(3)はすべり軸受(3)であり、 前記第2軸受(5)および前記第3軸受(7)はころが
    り軸受(5、7、9、11)である、スクロール型流体
    機械。
  2. 【請求項2】 前記第2軸受(5)および前記第3軸受
    (7)のうちの少なくともいずれか一方は、前記駆動軸
    部(12)のラジアル荷重とともにスラスト荷重を受け
    ることのできる軸受(7、9)である、請求項1記載の
    スクロール型流体機械。
  3. 【請求項3】 前記すべり軸受(3)の摺動面は樹脂で
    覆われている、請求項1または2に記載のスクロール型
    流体機械。
  4. 【請求項4】 前記ころがり軸受(5、7、9、11)
    の転動体の表面は凹凸表面を有する、請求項1〜3のい
    ずれかに記載のスクロール型流体機械。
  5. 【請求項5】 前記駆動軸部(12)の他端側に設けら
    れた油溜り部(16)と、 前記駆動軸部(12)内に設けられ、前記油溜り部(1
    6)の潤滑油を前記第1軸受(3)へ給油するための給
    油通路(18)と、 前記可動スクロール(6)を下方から支持する架構(8
    a)とを有し、 前記架構(8a)は、 前記第1軸受(3)が装着された前記駆動軸部(13、
    14)のクランク部(15)を収容して、前記可動スク
    ロール(6)の公転駆動を許容するためのクランク室
    (20)と、 前記クランク室(20)と連通し、前記駆動軸部(1
    2)を周方向から取囲むように前記クランク室(20)
    の下方に位置する収容室(21)とを含み、 前記第2軸受(5)は前記収容室(21)に配置され
    た、請求項1〜4のいずれかに記載のスクロール型流体
    機械。
  6. 【請求項6】 前記油溜り部(16)の潤滑油を導くた
    めの前記駆動軸部(12)内に設けられる通路は、前記
    給油通路(18)のみである、請求項5記載のスクロー
    ル型流体機械。
JP10079419A 1998-03-26 1998-03-26 スクロール型流体機械 Pending JPH11280682A (ja)

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