JPH11278928A - 複合系セラミックス材料 - Google Patents

複合系セラミックス材料

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JPH11278928A
JPH11278928A JP10086201A JP8620198A JPH11278928A JP H11278928 A JPH11278928 A JP H11278928A JP 10086201 A JP10086201 A JP 10086201A JP 8620198 A JP8620198 A JP 8620198A JP H11278928 A JPH11278928 A JP H11278928A
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zirconia
ceramic material
yttria
stabilizer
silica
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JP10086201A
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Toshihito Kuramochi
豪人 倉持
Masahiro Watanabe
正広 渡邊
Yoshitaka Kubota
吉孝 窪田
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ジルコニアセラミックスの優れた機械的特性を
大きく損ねることなく、従来のジルコニアセラミックス
に比べて加工時間を短縮でき、また、経済的に加工でき
る新規な易加工性複合系セラミックス材料を提供する。 【解決の手段】安定化剤を含有するジルコニア及びシリ
カからなり、前記シリカの含有率が全量の2〜25重量
%であり、相対密度が95%以上であり、かつビッカー
ス硬度が800〜1250kg/mm2であることを特
徴とする易加工性複合系セラミックス材料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性を向上させ
た複合系セラミックス材料に関し、さらに詳しくは、セ
ラミックス軸受、セラミックボールねじや、光コネクタ
部品であるフェルールなどの精密部品に好適なジルコニ
アを含むセラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より精密部品用の材料として耐久
性、信頼性等の観点から優れた機械的特性を有する材料
が用いられており、特にセラミックス材料は多くの精密
部品、例えば光ファイバーを接続するために使用される
光コネクタの主要部品であるフェルール用や、セラミッ
クス軸受、セラミックボールねじ等の部材として用いら
れてきている。中でもジルコニアセラミックスは優れた
機械的特性を有しているために高信頼性、高耐久性の材
料として用いられてきており、特に酸化イットリウムを
添加した部分安定化ジルコニアが多くの場合用いられて
いる。このような精密部品は高い寸法精度を要求される
ため、機械加工により最終仕上げを行って要求される寸
法精度を達成しているのが現状である。
【0003】しかしながら、ジルコニアセラミックスは
その優れた機械的特性、特に高靭性、高硬度のために加
工性が低く、上記のように光コネクタ部品等の精密部品
などのように非常に高い精度が要求される場合には加工
に手間が非常にかかり、また、従来の加工においてはダ
イアモンドのような高価な砥粒を用いていることが多い
ために加工コストが割高となってしまったり、また、生
産性にも悪影響を及ぼしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のジル
コニアセラミックスでは機械的特性に優れた高精度の精
密部品は得られるものの加工性が低いために高精度化す
るための加工コストが非常に大きく、生産性も上がらな
いという問題が生じていた。本発明はこのような問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的はジルコニアセ
ラミックスの優れた機械的特性を大きく損ねることな
く、従来のジルコニアセラミックスに比べて加工時間を
短縮でき、また、経済的に加工できる新規な易加工性複
合系セラミックス材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、安定化剤を含有
するジルコニアにシリカを混合することにより材料を低
硬度化でき、その加工を容易にできることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、安定化剤を含有するジ
ルコニア及びシリカからなり、シリカの含有率が全量の
2〜25重量%であり、相対密度が95%以上であり、
ビッカース硬度が800〜1250kg/mm2である
複合系セラミックス材料に関するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の複合系セラミックス材料におい
て、安定化剤を含有するジルコニアとシリカの組成比と
してはシリカが複合系セラミックス材料全量の2〜25
重量%であることが必須である。シリカが2重量%より
も小さいと安定化剤を含有するジルコニア本来の硬度の
低下が不十分となり、加工時間短縮の効果が小さくなっ
てしまうので好ましくない。25重量%よりも多くなる
と加工時間は短縮されるが、例えばフェルール用の材料
として使用される場合には強度の低下や加工後の表面粗
さ、対摩耗性が低下することがあり好ましくない。
【0009】ここで安定化剤とはジルコニアに固溶さ
せ、低温においても正方晶構造や立方晶構造を維持でき
る特性を有したものであり、例えばカルシア、マグネシ
アやイットリア、セリア等の希土類酸化物等が挙げられ
るが、通常ジルコニアを安定化することができる酸化物
であれば特に制限されるものではなく、さらに、熱に対
して安定化を図るにはセリアが、より優れた機械的強度
を得るにはイットリアが好ましい。
【0010】本発明の複合系セラミックス材料はその相
対密度が95%以上であることが必須であり、相対密度
とは以下の式により求められる値のことである。
【0011】相対密度(%)=かさ密度(g/cm3
/理論密度(g/cm3)×100 上記式中、理論密度とは安定化剤を含有するジルコニア
の理論密度を安定化剤とジルコニアの配合比から算出
し、その理論密度とシリカの理論密度(本明細書では
2.2g/cm3とする。)から単純配合計算して求め
た値である。従って、結晶相中に安定化剤を含有するジ
ルコニア相、シリカ相以外の結晶相、例えばジルコン相
などが存在した場合には100%を超える値をとること
もありうる。この理論密度の算出方法について例示する
と、例えば3モル%イットリア安定化ジルコニアとシリ
カを原料にした場合、それぞれの理論密度を6.10g
/cm 3、2.2g/cm3とし、安定化剤を含有するジ
ルコニア粉末:シリカ粉末=86.6:13.4の重量
比で配合したとすると、その理論密度は4.93g/c
3となる。
【0012】この相対密度が95%を下回ると曲げ強
度、圧縮強度などの機械的特性に及ぼす気孔の影響が大
きくなり、機械的特性の低下につながるので好ましくな
い。
【0013】本発明の複合系セラミックス材料のビッカ
ース硬度は800〜1250kg/mm2の範囲、さら
に850〜1250kg/mm2の範囲であることが好
ましい。ビッカース硬度が1250よりも大きくなる
と、機械的特性に非常に優れた材料であるため耐久性に
優れる等の利点を有することになるが、寸法精度を要求
されるフェルール等の精密部品の場合、要求精度を満た
すための加工工程における加工作業に非常に負担がかか
ることになる、すなわち、加工時間が非常に長くなるの
で好ましくない。また、ビッカース硬度が800を下回
る場合には加工性はよいものの実際の使用において機械
的強度が低下するために破損等が生じ好ましくない。
【0014】なお、本明細書におけるビッカース硬度の
値は実施例に記載のようにJIS−R−1610に準拠
し、試験荷重10kg、荷重保持時間10秒の条件でビ
ッカース圧子を圧入して常温でビッカース硬度が測定さ
れたもの又はこれと同等の測定によるものを意味する。
【0015】本発明の複合系セラミックス材料の表面、
研磨面の結晶相は、実施例に示されるX線回折試験によ
れば通常ジルコニア正方晶相、単斜晶相、立方晶相、ク
リストバライト相、ジルコン相が同定されるが、クリス
トバライト相、ジルコン相は同定されないこともある。
またX線的に同定されないガラス相が含まれうる。
【0016】これら結晶相の比率は複合系セラミックス
材料の焼結表面の単斜晶率が15%以下であり、かつ研
磨後の表面の単斜晶率が5%以下であることが好まし
い。焼結表面の単斜晶率が15%より多く、かつ研磨後
の表面の単斜晶率が5%よりも多いとジルコニア相の安
定化が不十分であるため、曲げ強度等の低下を招くこと
があったり、例えば温度85℃、湿度85%の雰囲気中
でのジルコニア正方晶相の安定性の低下を生じることが
ある。
【0017】ここで本明細書における複合系セラミック
ス材料の焼結表面及び研磨後の表面とは以下の通りであ
る。すなわち、焼結表面とは通常のセラミックス材料の
製造工程における焼成・焼結工程を経て得られた焼結体
の焼肌の表面のことであり、研磨後の表面とは前記複合
系セラミックス材料の表面を325番の砥石あるいは研
磨紙などの目でおよそ500μm程度研削して得られた
面を通常用いられる研磨布で研削傷が消失するまで研磨
して得られた面のことを意味する。
【0018】また各結晶相の比率の算出としては、実施
例に示されるようなX線回折試験により、表1に示され
るジルコニアの単斜晶相の面、正方晶相の面、立方晶相
の面、クリストバライト相の面、ジルコン相の面の各回
折積分強度を測定することにより行われる。
【0019】
【表1】
【0020】ジルコニア結晶相に含める安定化剤として
は、カルシア、マグネシアやイットリア、セリア等の希
土類酸化物等が挙げられる。さらに、安定化剤がイット
リアの場合には曲げ強度、圧縮強度などの機械的特性に
優れるからである。このとき、ジルコニア結晶相に含ま
れる安定化剤のイットリア含有量はジルコニア量とイッ
トリア量の総和に対して3〜6モル%であることが望ま
しい。イットリア量が3モル%より少ないと正方晶相の
安定性が低下し、また6モル%を超えると機械的強度の
低下が生じ、前記範囲内のときにシリカを混合した場合
の本発明の効果が大きくなる。
【0021】本発明の複合系セラミックス材料に用いら
れるジルコニアの平均粒子径としては、10μm以下、
好ましくは3μm以下であると良い。このとき得られる
複合系セラミックス材料の機械的特性に優れるからであ
る。
【0022】また、本発明の複合系セラミックス材料中
のガラス相粒子の1個当たりの大きさは50μm2以下
であることが望ましい。ガラス相粒子の1個当たりの大
きさが50μm2を上回る大きさになると機械的強度の
低下が著しくなることがあるからである。
【0023】このようにして得られた複合系セラミック
ス材料の通常の機械的強度は3点曲げ強度が25kg/
mm2以上、ビッカース硬度が800以上となる。
【0024】ここで、本明細書においては、3点曲げ強
度はJIS−R−1601に準拠し、試験片幅4mm、
試験片厚さ3mm、試験片全長36mmの試験片を下部
支点間距離30mm、クロスヘッド速度0.5mm/分
の条件で試験片の荷重点に荷重を加え、試験片が破壊す
る最大荷重を測定して算出された値あるいはこれと同等
の方法により得られた値を意味する。またビッカース硬
度はJIS−R−1610に準拠して前記したような条
件で測定した値を意味する。
【0025】また、本発明の複合系セラミックス材料の
気孔率(=(理論密度−測定されるかさ密度)/理論密
度×100として示される)としては5%以下であるこ
とが望ましい。気孔率が5%を超えるとその気孔が機械
的強度の低下の一因となることがあるからである。ここ
で理論密度とは、安定化剤とジルコニアの配合比から算
出される安定化剤を含有するジルコニアの理論密度であ
る。
【0026】次に本発明の複合系セラミックス材料の製
造方法について説明する。
【0027】本発明の複合系セラミックス材料の製造方
法は上記記載の特性を有したものであれば特に限定され
るものではなく、例えば、安定化剤の金属、Zr及び
Siの酸化物粉末を所定割合で乾式または湿式で混合し
た後、仮焼し、成形し、焼結する方法や、上記各構成
金属元素の無機塩やアルコキシド等の溶液を混合し、ア
ンモニアなどを添加することによって沈殿を得、その沈
殿を分離、洗浄、乾燥した後、仮焼、成形し、焼結する
方法、また、安定化剤の金属化合物とZrの化合物か
ら安定化剤を含有するジルコニア粉末を前記方法に準拠
して仮焼して得、これに所定割合のSiの化合物を添
加、混合して仮焼し、成形した後、焼結する方法、等を
用いることができる。
【0028】これらの内、の方法は取り扱いが容易で
あり、また、安定化剤を含有するジルコニア粉末は市販
の粉末を用いることもできて経済的である。
【0029】の方法は微細な安定化剤を含有するジル
コニア粉末を得ることができるため焼結性の高い原料と
なり、やや低い温度で焼結することが可能となることが
あり、ま、た反応性が高いため再現性に優れることが期
待できる。
【0030】の方法は一度安定化剤を含有するジルコ
ニア粉末を調製するため、シリカを添加した後に製造さ
れる本発明の複合系セラミックス材料中の結晶相、特に
ジルコニアの正方晶相の安定性が高くなる。このとき、
安定化剤を含有するジルコニア粉末としてはBET比表
面積が1〜50m2/g、平均粒子径が0.05〜30
0μm、シリカ粉末としてはBET比表面積が5〜40
0m2/g、平均粒子径が0.05〜300μmである
粉末を用いることが成形性や複合系セラミックス材料中
のシリカの分散性等を考慮すると望ましい。
【0031】原料の混合方法としては特に限定されるも
のではないが、固体粉末を原料とした場合には通常の方
法が用いられ、例えばボールミルによる湿式混合や振動
ミルによる乾式混合等を例示することができる。
【0032】また、ジルコニア、安定化剤、シリカの混
合順序としては任意でよいが、以下に記載する焼結の際
の再現性を考慮した場合、安定化剤とジルコニアでジル
コニアを安定化させておき、それにシリカを添加して混
合することで、より信頼性の高い材料が得られやすい。
【0033】このようにして得られる混合粉末はそのま
ま仮焼することも可能である。仮焼する場合、その仮焼
温度は特に限定されるものではないが、通常700℃〜
1300℃程度で十分である。特に原料に酸化物粉末以
外の粉末を用いた場合には、この後成形、焼結工程にお
いて原料粉末の熱分解により焼結を阻害する場合がある
ので仮焼工程において十分に熱分解させておくことが好
ましい。
【0034】次にシリカが混合された粉末(混合粉末)
あるいはこの混合粉末を仮焼した粉末(仮焼粉末)は成
形して形状を持たせることになる。成形方法は特に限定
されるものではなく、通常の成形方法を用いることがで
き、例えばプレス成形法、射出成形法、押し出し成形法
等を例示することができる。
【0035】上記成形工程を経て作製された成形体は続
いて焼結される。有機材料をバインダー等として添加・
混合した場合には焼結工程の前に脱脂工程が必要であ
る。脱脂方法は特に限定されるものではないが、大気中
での脱脂、非酸化雰囲気中での脱脂が例示できる。非酸
化雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素等のガス
を用いることで達成される。このときの雰囲気の圧力は
大気圧、加圧、場合によっては減圧状態でも良く、特に
限定されるものではない。脱脂温度は有機材料が消失す
る温度以上であれば特に問題はなく、通常400℃〜8
00℃程度である。
【0036】焼結方法は特に限定されるものではなく、
通常用いられる電気炉での焼結で特に問題はない。この
ときの雰囲気は大気中でよく、また、焼結温度は特に限
定されるものではないが、通常1200℃〜1500℃
程度で十分である。
【0037】このようにして得られた複合系セラミック
ス材料は、実施例にも記載したように従来、特に精密部
品として多く用いられているイットリア系ジルコニアセ
ラミックスよりも低硬度であるために加工速度が大きく
なり生産性が向上するとともにダイアモンド以外の砥粒
での加工が可能となるためコスト削減につながることが
期待でき、セラミックス軸受、セラミックボールねじ
や、光コネクタ部品であるフェルールなどの精密部品の
素材として好適である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各評価は以下に示した方法によって実施した。
【0039】〜かさ密度〜 50mm×40mm×15mmの平板状試料を作製し、
サンプルとした。このサンプルを電子天秤で測定した重
量と、マイクロメータで測定した形状寸法とから算出し
た。
【0040】〜各結晶相分率〜 X線回折装置(マックサイエンス社製、型式:MXP−
3)を用いて、X線回折試験(CuKα線、40kV、
30mA)を行い、表1に示されるジルコニアの単斜晶
相の面、正方晶相の面、立方晶相の面の各回折積分強度
及びクリストバライト相の面、ジルコン相の面の各回折
積分強度を測定し、下式によりそれぞれ求めた。
【0041】
【数1】
【0042】〜平均粒子径〜 試料の一面を鏡面研磨し、試料の焼成温度よりも50℃
低い温度で1時間熱エッチングした後、鏡面研磨した面
を走査型電子顕微鏡JSM5400(日本電子製)で観
察し、ジルコニア粒子部分を考慮してインターセプト法
により求めた。
【0043】〜ガラス相粒子の大きさ〜 試料の一面を鏡面研磨し、その面をX線マイクロアナラ
イザー(EPMA)JCMA−733(日本電子製)で
観察し、Si、Zr、Yの各元素の面分析を行った。そ
の結果、Si元素とO元素が強く検出され、かつZr元
素、Y元素の検出強度が非常に弱い粒子をガラス相粒子
として特定した。この観察写真を画像解析してガラス相
粒子の大きさを測定した。
【0044】〜曲げ強度〜 サンプルを3×4×38mmの試験片に加工し、JIS
−R−1601に準拠して島津オートグラフIS−10
T(島津製作所製)を用い、クロスヘッド速度0.5m
m/分で負荷を加えて常温で3点曲げ強度を測定した。
表1に示した結果は試験片10本の平均値である。
【0045】〜ビッカース硬度〜 曲げ試験を行ったサンプルの一面を鏡面研磨し、JIS
−R−1610に準拠して、研磨面にアカシビッカース
硬度計AVK−A(明石製作所製)を用いて試験荷重1
0kg、荷重保持時間10秒の条件でビッカース圧子を
圧入して常温でビッカース硬度を測定した。表1に示し
た結果は試験片10本の平均値である。
【0046】<製造と評価> 実施例1 安定化剤を含有するジルコニア粉末として、TZ−3Y
−E(東ソー製、イットリア含有量3モル%)、シリカ
粉末としてE743(日本シリカ工業製)を用い、両者
をTZ−3Y−E粉末:E743粉末=86.6:1
3.4(重量比)となるように秤量し、振動ミルで3時
間湿式混合した後、スプレードライで乾燥した。得られ
た混合粉末を1t/cm2の圧力でCIP成形した後、
1300℃で2時間焼成した。得られた焼結体のかさ密
度、平均粒子径、曲げ強度、ビッカース硬度、結晶相分
率、ガラス相の大きさを上記記載の方法により測定し、
結果を表2、表3及び表4にまとめた。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】実施例2 安定化剤を含有するジルコニア粉末として、TZ−3Y
−E(東ソー製、イットリア含有量3モル%)、シリカ
粉末としてE743(日本シリカ工業製)を用い、両者
をTZ−3Y−E粉末:E743粉末=96.1:3.
9(重量比)となるように秤量し、振動ミルで3時間湿
式混合した後、スプレードライで乾燥した。得られた混
合粉末を1t/cm2の圧力でCIP成形した後、13
00℃で2時間焼成した。得られた焼結体の評価を実施
例1と同様に行い、評価結果を表2、表3及び表4にま
とめた。
【0051】比較例1 安定化剤を含有するジルコニア粉末として、TZ−3Y
−E(東ソー製、イットリア含有量3モル%)を用い、
その粉末を1t/cm2の圧力でCIP成形した後、1
450℃で2時間焼成した。得られた焼結体の評価を実
施例1と同様に行い、評価結果を表2、表3及び表4に
まとめた。
【0052】<加工性の評価> 実施例3 直径25mmの円柱状サンプルを実施例1と同様の方法
で作製し、精密平面研削盤PSG−63AN(岡本工作
機械製作所製)を用い、140番の砥石で両面を研削し
た。得られた面の表面精度をJIS−B−0601に準
拠して、万能表面形状測定器SE−3C(小坂研究所
製)を用いて評価した。評価は最大高さ(Rmax)を
測定長さ2.5mmの条件で実施した。ここで、Rma
xとは、最大高さを意味し、断面曲線から基準長さだけ
抜き取った部分の平行線に平行な2直線で抜き取り部分
を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率方
向に測定して、この値をマイクロメータ単位(μm)で
表したものである。なお、測定方向は平面研削方向に直
交する方向である。
【0053】次に、研削した面を研磨装置PLANOP
OL/PEDEMAX2(Struers社製)で研磨
布DP−PLUS(Struers社製)と粒径3μm
のダイアモンド砥粒DP−スプレー(Struers社
製)を用い、加工圧力400g/cm2の条件で研磨し
た。10秒ごとにサンプル表面の表面精度を前記と同様
に測定し、最大高さ(Rmax)の単位時間当たりの変
化量を求めた。この変化量が大きい程加工性が高いこと
を示している。得られた結果を表5にまとめた。
【0054】
【表5】
【0055】比較例2 実施例3と同様に円柱状サンプルを比較例1の方法で作
製し、実施例3と同様にその表面精度を評価した。研磨
試験は実施例3、比較例2ともに同時に行った。得られ
た結果を実施例3と同様に表5にまとめた。
【0056】
【発明の効果】本発明の複合系セラミックス材料は低硬
度化されたことにより、加工時間を短縮でき、また、経
済的に加工できるなど加工性に優れている。そのために
加工性に優れた精密部品用素材、例えばセラミックス軸
受、セラミックボールねじや、フェルール用素材として
有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安定化剤を含有するジルコニア及びシリカ
    からなり、前記シリカの含有率が全量の2〜25重量%
    であり、相対密度が95%以上であり、かつビッカース
    硬度が800〜1250kg/mm2であることを特徴
    とする易加工性複合系セラミックス材料。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の複合系セラミックス材料
    の焼結表面の単斜晶分率が15%以下であり、かつ研磨
    後の表面の単斜晶分率が5%以下であることを特徴とす
    る易加工性複合系セラミックス材料。
  3. 【請求項3】ジルコニア結晶相に含まれる安定化剤がイ
    ットリアであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の易加工性複合系セラミックス材料。
  4. 【請求項4】イットリアの含有量がジルコニア量とイッ
    トリア量との総和に対して3〜6モル%であることを特
    徴とする請求項3に記載の易加工性複合系セラミックス
    材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015089656A (ja) * 2013-11-06 2015-05-11 東ソー株式会社 複合プレートおよびその製造方法
JP2015089863A (ja) * 2013-11-06 2015-05-11 東ソー株式会社 複合プレート及びその製造方法
WO2015093549A1 (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 東ソー株式会社 白色ジルコニア焼結体及びその製造方法並びにその用途

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