JPH11277484A - 工業用ロボット - Google Patents

工業用ロボット

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JPH11277484A
JPH11277484A JP8775498A JP8775498A JPH11277484A JP H11277484 A JPH11277484 A JP H11277484A JP 8775498 A JP8775498 A JP 8775498A JP 8775498 A JP8775498 A JP 8775498A JP H11277484 A JPH11277484 A JP H11277484A
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JP
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pipe
signal
tube
paint
switching
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Application number
JP8775498A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Takahashi
真義 高橋
Jun Watanabe
潤 渡辺
Yoshiko Iriyama
佳子 入山
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に配管の破損を未然防止することを可能
とし、生産性を向上させることができる工業用ロボット
を提供する。 【解決手段】 第2アーム5fの先端側から塗装ガン7
の後端にかけての手首部分内部の動力伝達機構に通孔3
0を設け、これに塗装機器6からの塗料供給チューブ等
の各チューブを配管すると共に、コントローラ1と接続
された光ファイバケーブル33−1及び33−2を配線
する。そして、塗装作業中に光ファイバケーブル33−
1及び33−2からの信号をチェックし、信号が途絶え
た時点で塗装ガン7の塗料噴射動作を停止する。又、配
管中に通常使用の各種チューブ32−iに加えて予備チ
ューブ35とこれに流路を切り替えるための切替バルブ
61−i及び62−iを設け、手首部分の曲げ回数θjn
が所定の限界回数jlimを超えたときに、使用するチュー
ブを予備チューブ35側に切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達機構に配
管が設けられた工業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】塗装作業やシーリング作業等を行うロボ
ットのように、可動部に沿って所定の配管を設ける必要
のある工業用ロボットにおいては、可動部の動力伝達機
構を構成する動力伝達軸(シャフト)内に通孔を設けて
塗料やエア等の作業用流体を供給するための配管や動作
制御信号伝達用の配線を行うこととするのが通例であ
る。一般に、この種の工業用ロボットは、所定の作業プ
ログラムに従って動作するのに必要な作業用信号のみを
可動部等と制御手段との間で授受し、専ら予め定められ
た作業を実行するものとなっている。
【0003】ところが、かかる工業用ロボットでは、可
動部の抵抗や曲げ、ひねり等による力が動力伝達軸内の
配管に加わるので、作業を継続すると配管は徐々に劣化
していき、やがて折れや亀裂、破れ、切断等が生じて破
損する。このため、従来においては、配管が破損してか
ら交換したり、或いは、所定の時間毎に配管の劣化状況
を点検したりすることとしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、配管が破損し
てから交換することとしたのでは、交換前の作業によっ
て作業対象物(ワーク)を破損してしまうことがある。
又、塗料の配管が動力伝達機構内に設けられている塗装
ロボット等にあっては、ワークを不良にするばかりでな
く、動力伝達機構内部に塗料やシンナーが漏れ、動力伝
達機構全体を交換しなければならなくなる。このため、
従来の工業用ロボットにおいては、配管の破損が不良品
を出す上にメンテナンスに多くの工数、費用等を要し、
生産性に多大な悪影響を及ぼすという問題があった。
【0005】一方、所定の時間毎に配管の劣化状況を点
検することとした場合には、定期的に動力伝達機構の部
分を分解する必要がある。このため、メンテナンスに多
くの工数、費用等を要することになり、上記同様、やは
り生産性が損なわれるという問題があった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、多くの工数や費用等を要せず、かつ、作業対象
物を破損したり不良としたりすることもなく、容易に配
管の破損を未然防止することを可能とし、生産性を向上
させることができる工業用ロボットを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
作業の実施に要する所定の流体を可動部に沿って設けら
れた配管によって供給する工業用ロボットにおいて、前
記配管に沿って配線され、前記配管を介して流体が供給
される側からの信号を伝達する信号伝達手段と、前記信
号伝達手段によって伝達されてきた信号を受け、受けた
信号の強度に基づいて前記配管の破損可能性を判断する
判断手段とを有することを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の工
業用ロボットにおいて、前記判断手段での判断結果によ
り前記配管の破損可能性があったとき、作業の実施を停
止させる制御手段を更に有することを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明によれば、請求項1又
は2記載の工業用ロボットにおいて、前記信号伝達手段
は、光ファイバによって構成されることを特徴としてい
る。
【0010】請求項4記載の発明は、作業の実施に要す
る所定の流体を可動部に沿って設けられた配管によって
供給する工業用ロボットにおいて、前記配管に沿って配
線され、前記配管を介して流体が供給される側からの信
号を伝達する信号伝達手段と、前記信号伝達手段によっ
て伝達されてきた信号を受け、受けた信号の強度に基づ
いて前記配管の破損可能性を判断する判断手段と、前記
配管に沿って設けられた予備配管と、前記判断手段での
判断結果により前記配管の破損可能性があったとき、流
体の供給に使用する配管を前記配管から前記予備配管へ
切り替える切替手段とを有することを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、作業の実施に要す
る所定の流体を可動部に沿って設けられた配管によって
供給する工業用ロボットにおいて、前記配管に沿って設
けられた予備配管と、流体の供給に使用する配管を前記
配管から前記予備配管へ切り替える切替手段と、前記可
動部の動作回数を計数する計数手段と、前記計数手段に
よって計数された動作回数が所定の回数を超えたとき、
前記切替手段に前記予備配管への切替を指示する切替制
御手段とを有することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】<全体構成及び基本動作>以下
に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明す
る。初めに、本実施形態の全体的な構成と、それによる
全体的な基本動作について概説する。図1は本発明の一
実施形態による工業用ロボットを用いて構成した塗装ロ
ボットシステムの全体構成を示す図である。
【0013】この図において、1はコントローラであ
り、入力装置2からケーブル3を介して各種指示データ
を受け、ケーブル4を介してマニピュレータ5の各可動
部に対する動作指令信号を供給すると共に、マニピュレ
ータ5との間で各種信号の授受を行い、これによりマニ
ピュレータ5の状態を監視しつつ、その動作を制御す
る。このコントローラ1は、教示プログラム、各種制御
パラメータ等を記憶する記憶装置と、それらプログラム
等と前記指示データ及びマニピュレータ5から受けた信
号等とに基づいて各種演算処理を行う演算処理部とを有
しており、該演算処理部における演算処理の結果に基づ
いてマニピュレータ5の動作を決定し、前記動作指令信
号を生成する。
【0014】又、コントローラ1には、マニピュレータ
5に設けられた塗装機器6による塗料供給等を制御する
塗装機器制御ユニット1aが設けられている。すなわ
ち、コントローラ1は、主としてマニピュレータ5の物
理的な動作を制御する部分(上記演算処理部等)と、そ
れによるマニピュレータ5の動作中に塗装作業の実施を
制御する部分(塗装機器制御ユニット1a)とを具備し
ている。尚、コントローラ1の内部構成の詳細や演算処
理動作の具体的内容等については後述する。
【0015】入力装置2は、オペレータがマニピュレー
タ5への動作指令やデータ管理のための指示入力を行う
入力装置であり、入力されたデータを前記指示データと
してケーブル3を介してコントローラ1へ供給する。ケ
ーブル3、4は、それぞれ、入力装置2−コントローラ
1間、コントローラ1−マニピュレータ5間で授受され
る信号を伝達する接続線である。
【0016】マニピュレータ5は、本塗装ロボットシス
テムにおける塗装ロボットの主要部であって、工場床面
に取り付けられたボックス5aによって床面の所定位置
に固定されている。このマニピュレータ5は、図中に符
合5a〜5iで示すボックス、旋回ベース及びアーム等
と各可動部の駆動ユニット等の構成要素によって構成さ
れており、図2に示すように、各可動部の駆動によって
回転角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5及びθ6の方向にそれ
ぞれ動作可能な6自由度を有するものとなっている(但
し、図2はマニピュレータ5の動作形態を把握できるよ
うに若干模式的にしてあり、構成要素を一部省略してあ
る。)。以下、マニピュレータ5の各構成要素につい
て、図1と図2を併せて参照しつつ説明する。
【0017】ボックス5aは、上述のように工場床面の
所定位置に固定され、図示せぬ第1の可動部駆動ユニッ
トを収納しており、旋回ベース5bがその第1可動部駆
動ユニットを介してボックス5a上に取り付けられてい
る。ここに、第1可動部駆動ユニットは、ボックス5a
内に固定されたサーボモータ、その出力軸側に設けられ
た減速機及びエンコーダ等からなっており、旋回ベース
5bは、減速機を介してサーボモータの出力軸と連結さ
れ、図2中の矢印θ1方向に回転自在に取り付けられて
いる。そして、第1可動部駆動ユニットのサーボモータ
がコントローラ1から供給される動作指令信号によって
駆動され、これにより、旋回ベース5bがθ1方向に回
転し、この回転角度をエンコーダが検出してコントロー
ラ1へ供給するようになっている。
【0018】又、旋回ベース5bには、同様にサーボモ
ータ等からなる第2の可動部駆動ユニット5cが取り付
けられている。第2可動部駆動ユニット5cにおいて
は、サーボモータが旋回ベース5b側に固定されてお
り、その出力軸が減速機を介して第1アーム5dの一端
(後方端)と連結されている。そして、この第2可動部
駆動ユニット5cのサーボモータがコントローラ1から
供給される動作指令信号によって駆動され、これによ
り、第1アーム5dが図2中の矢印θ2方向に回転し、
この回転角度をエンコーダが検出してコントローラ1へ
供給するようになっている。
【0019】一方、第1アーム5dの他端(先方端)に
は、第3の可動部駆動ユニット5eが取り付けられてい
る。第3可動部駆動ユニット5eにおいてもサーボモー
タの出力軸が減速機を介して第2アーム5f側と連結さ
れており、これがコントローラ1から供給される動作指
令信号によって駆動され、第2アーム5fが図2中の矢
印θ3方向に回転し、この回転角度をエンコーダが検出
してコントローラ1へ供給するようになっている。
【0020】第2アーム5fには、第3可動部駆動ユニ
ット5eとの連結部側(後方端側)に手首駆動ユニット
ケース5gが取り付けられており、先方端側に第1手首
部材5h、第2手首部材5i、塗装ガン7がそれぞれ図
2中の矢印θ4、θ5、θ6方向に回転自在な連結部を介
して順次取り付けられている。
【0021】ここで、手首駆動ユニットケース5g内に
は、第1手首部材5h、第2手首部材5i及び塗装ガン
7をそれぞれ回転動作させるためのサーボモータと、そ
れらサーボモータによる回転角度を検出するエンコーダ
等とからなる第4、第5及び第6の可動部駆動ユニット
が収納されている(図示略)。又、第2アーム5f等の
内部には、それら第4、第5、第6可動部駆動ユニット
にて発生された駆動力をθ4、θ5、θ6方向の回転力と
して、それぞれ、第1手首部材5h、第2手首部材5
i、塗装ガン7へ伝達する動力伝達機構が設けられてい
る。尚、この動力伝達機構の内部には、後述する塗装機
器6からの塗料供給チューブ等の配管や信号伝達用の光
ファイバケーブル等の配線も設けられているが、この部
分の具体的な構成については後に更に詳述する。
【0022】このような手首部分(第2アーム5fの先
端側から塗装ガン7の後端にかけての部分。以下におい
ても同様)の構成において、上記同様、第4、第5、第
6可動部駆動ユニットのサーボモータがコントローラ1
から供給される動作指令信号によって駆動され、その駆
動力が動力伝達機構を介して伝達されて第1手首部材5
h、第2手首部材5i、塗装ガン7がそれぞれθ4、θ
5、θ6方向に回転する。そして、これらの回転角度を各
エンコーダが検出し、コントローラ1へ供給するように
なっている。
【0023】一方、図1の塗装機器6は、図示せぬ塗料
タンクやポンプ等から供給される複数色の塗料、シンナ
ー及び加圧エアを上記動力伝達機構内部の配管へ供給す
るもので、それらの供給をコントローラ1の塗装機器制
御ユニット1aからの指示信号に従って制御する。
【0024】塗装ガン7は、エアモータのタービンによ
って回転されるディスクで塗料を拡散しつつ噴射する回
転霧化式の塗装ガンである。この塗装ガン7は、動力伝
達機構内部の配管を介して塗装機器6と接続され、同機
構内部の配線を介してコントローラ1と接続されてお
り、同配管を介して供給される塗料や加圧エア等とコン
トローラ1から同配線を介して供給される指示信号とに
応じてワーク(図示略)に対する塗装作業を実施する。
【0025】本塗装ロボットシステムの全体構成は以上
のようなものとなっており、この構成において、マニピ
ュレータ5は、塗装ガン7を空間上の任意の位置、姿勢
に移動させ、上記各可動部の回転角度θ1、θ2、θ3、
θ4、θ5及びθ6によって決定される位置、姿勢にてガ
ン先(図中の符合7x)から塗料を噴射させ、ワークの
塗装を行う。すなわち、本塗装ロボットシステムにおい
ては、旋回ベース5b、第1アーム5d、第2アーム5
f、第1手首部材5h、第2手首部材5i及び塗装ガン
7の回転角度θ1〜θ6によって塗装ガン7の位置及び姿
勢(ねらい方向)が決定されると共に、塗装機器6の動
作及び塗装ガン7の塗料噴射動作によって当該位置及び
姿勢での塗装作業の実施内容が決定される。そして、こ
れらの位置、姿勢及び回転角度θ1〜θ6並びに塗装作業
の実施内容等は、コントローラ1での演算処理により決
定され、その決定に基づく第1〜第6の可動部駆動ユニ
ットへの動作指令信号と塗装機器6及び塗装ガン7への
指示信号とによって制御される。
【0026】<手首部分への動力伝達機構>次に、上記
動力伝達機構の構成について説明し、上記配管及び配線
についての一般的な事項を述べる。
【0027】(1)動力伝達機構 第1手首部材5hへの動力伝達機構 図3に手首部分の断面図を示す。この図において、10
は第4可動部駆動ユニットにより発生される駆動力を伝
達する動力伝達軸であり、同ユニットのサーボモータの
出力軸と連結されている。動力伝達軸10の先端には平
歯車11aが取り付けられており、この平歯車11aは
平歯車11bと噛合している。12は、中心軸を回転角
度θ4の回転中心軸と同じくする中空円柱状の回転軸で
あり、この回転軸12に平歯車11b及び第1手首部材
5hが取り付けられ、これらが一体に回転するようにな
っている。
【0028】このような構成において、第4可動部駆動
ユニットから駆動力が供給されると、これが動力伝達軸
10、平歯車11aを介して伝達され、平歯車11bを
回転させる。これにより、その回転と共に回転軸12と
第1手首部材5hも回転し、第1手首部材5hが回転角
度θ4の方向に回転することになる。
【0029】第2手首部材5iへの動力伝達機構 一方、13は第5可動部駆動ユニットにより発生される
駆動力を伝達する動力伝達軸であり、同ユニットのサー
ボモータの出力軸と連結されている。動力伝達軸13の
先端には平歯車14aが取り付けられており、この平歯
車14aは平歯車14bと噛合している。15は、上記
回転軸12と同心の中空円柱状部材からなる回転軸であ
り、回転軸12の内壁側にベアリングを介して設けら
れ、回転軸12に対して回転自在になっている。平歯車
14bは、この回転軸15に取り付けられており、その
取付端と逆側の回転軸15の端部には、笠歯車16が取
り付けられ、平歯車14b、回転軸15及び笠歯車16
が一体に回転するようになっている。
【0030】更に、笠歯車16は笠歯車17と噛合して
おり、この笠歯車17は回転軸18に取り付けられてい
る。回転軸18は、中心軸を回転角度θ5の回転中心軸
と同じくする中空円柱状の回転軸であり、第2手首部材
5iに取り付けられてこれと一体に回転するようになっ
ており、第1手首部材5hに対しては外周壁側でベアリ
ングを介して回転自在となっている。すなわち、笠歯車
16が回転すると、笠歯車17、回転軸18及び第2手
首部材5iが一体に回転するように構成されている。
【0031】このような構成において、第5可動部駆動
ユニットから駆動力が供給されると、これが動力伝達軸
13、平歯車14a、平歯車14b、回転軸15及び笠
歯車16を介して伝達され、笠歯車17を回転させる。
これにより、その回転と共に回転軸18と第2手首部材
5iも回転し、第2手首部材5iが回転角度θ5の方向
に回転することになる。
【0032】塗装ガン7への動力伝達機構 又、19は第6可動部駆動ユニットにより発生される駆
動力を伝達する動力伝達軸であり、同ユニットのサーボ
モータの出力軸と連結されている。動力伝達軸19の先
端には平歯車20aが取り付けられており、この平歯車
20aは平歯車20bと噛合している。21は、上記回
転軸12及び15と同心の中空円柱状部材からなる回転
軸であり、回転軸15の内壁側にベアリングを介して設
けられ、回転軸15に対して回転自在になっている。平
歯車20bは、この回転軸21に取り付けられており、
その取付端と逆側の回転軸21の端部には、笠歯車22
が取り付けられ、平歯車20b、回転軸21及び笠歯車
22が一体に回転するようになっている。
【0033】更に、笠歯車22は笠歯車23と噛合して
おり、この笠歯車23は回転軸24に取り付けられてい
る。回転軸24は、上記回転軸18と同心の中空円柱状
部材からなる回転軸であり、回転軸18の内壁側にベア
リングを介して設けられ、回転軸18に対して回転自在
になっている。又、回転軸24の笠歯車23の取付端と
逆側の端部には、笠歯車25が取り付けられ、笠歯車2
3、回転軸24及び笠歯車25が一体に回転するように
なっている。
【0034】そして、笠歯車25は笠歯車26と噛合し
ており、この笠歯車26は回転軸27に取り付けられて
いる。回転軸27は、中心軸を回転角度θ6の回転中心
軸と同じくする中空円柱状の回転軸であり、塗装ガン7
に取り付けられてこれと一体に回転するようになってお
り、第2手首部材5iに対しては外周壁側でベアリング
を介して回転自在となっている。すなわち、笠歯車25
が回転すると、笠歯車26、回転軸27及び塗装ガン7
が一体に回転するように構成されている。
【0035】このような構成において、第6可動部駆動
ユニットから駆動力が供給されると、これが動力伝達軸
19、平歯車20a、平歯車20b、回転軸21及び笠
歯車22、笠歯車23、回転軸24及び笠歯車25を介
して伝達され、笠歯車26を回転させる。これにより、
その回転と共に回転軸27と塗装ガン7も回転し、塗装
ガン7が回転角度θ6の方向に回転することになる。
【0036】(2)配管及び配線の一般事項 上述したように、動力伝達機構内の各回転軸は中空円柱
状の部材によって構成され、それぞれの箇所で同心的に
設けられている。そして、内側に他の回転軸が存在しな
い最内回転軸である回転軸21、24及び27について
は、中心軸に沿った空洞がそのままとなっており、これ
らの回転軸の空洞によって第2アーム5fの先端部分か
ら塗装ガン7の後端部分にかけての通孔30が形成され
ている。塗装ガン7への塗料供給チューブやエア供給チ
ューブ等の配管とコントローラ1からの指示信号等を伝
達するための配線は、この通孔30に設けられる。
【0037】このため、手首部分の可動部が動作する
と、それに伴って塗料供給チューブ等も運動し、曲げや
ひねりを受ける。これについて、図4に示すマニピュレ
ータ5の数学モデルを参照して説明すると、図示のよう
に、手首部分は3つの軸を中心として回転動作するの
で、塗料供給チューブ等はこれらの回転動作に沿って運
動し、曲げやひねりを受ける。例えば、θ4方向に第1
手首部材5hが回転すると紙面上下方向の曲げとθ4方
向のひねりを受け、θ5方向に第2手首部材5iが回転
すると塗装ガン7の部分で曲げとひねりを受け、θ6方
向に塗装ガン7が回転するとひねりを受ける。このよう
に、手首部分の通孔30はマニピュレータ5の動作によ
る力を非常に受けやすい部分となっており、この部分に
設けられた配管は徐々に劣化していき、そのまま作業を
継続するといずれ破損する。
【0038】本塗装ロボットシステムにおいては、以下
に述べる通孔30内の配管及び配線並びに制御動作の特
異な形態により、かかる配管の破損及び破損した配管で
の塗装作業を回避する。
【0039】<配管及び配線並びに制御動作の種々の形
態> (1)第1形態 配管及び配線 第1の形態における通孔30内の配管及び配線を図5に
示す。図5は、通孔30の図3におけるA−A′断面を
示す図であり、通孔30の中心である図中の原点は、こ
の場合、回転角度θ5の回転中心軸に当たる。
【0040】図5において、中央に位置する大径の31
は、塗装ガン7へ塗料噴射動作のON/OFF用エアを
供給するための動力線であり、塗装機器6から第2アー
ム5f内の空洞を通って通孔30内へ誘導されている。
この動力線31の外側に位置する中径の32は、それぞ
れ、塗装ガン7の塗料噴射動作のための塗料供給チュー
ブやエア供給チューブ、静電用の電圧印加用ケーブル等
である(以下、これらを総称するときは「各種チューブ
等32」という。)。ここに、エア供給チューブには、
回転霧化式の塗装ガン7の動作に必要なエア軸受け用、
エアモータ駆動用、シェービングエア用のエアチューブ
等が含まれ、これらのエア供給チューと塗料供給チュー
ブも動力線31と同様に塗装機器6から第2アーム5f
内の空洞を通って通孔30内へ誘導されている。
【0041】各種チューブ等32の更に外側に位置する
小径の33−1、33−2は、塗装ガン7のタービンの
回転を検出するための光ファイバケーブルであり、上記
ケーブル4中に含まれ、コントローラ1からボックス5
aや第1アーム5d等の内部空隙を通って通孔30内へ
誘導されている。これら光ファイバケーブル33−1、
33−2は、上記動力線31や各種チューブ等32に比
べて外力に対する強度が若干弱いものとなっており、手
首部分内部で動作半径が最も小さくなるところ(曲げや
ひねり等による力が最も強く加わることになるところ。
ここでは図示のように配管の最も外側)に配置する。
【0042】通孔30内には以上のような形態の配管及
び配線が設けられ、これらがすべて塗装ガン7へ入力
(接続)されている。そして、動力線31、各種チュー
ブ等32は、それぞれ、コントローラ1によって制御さ
れる塗装機器6からのON/OFF用エア、塗料及び加
圧エア等を塗装ガン7へ供給する。一方、光ファイバケ
ーブル33−1、33−2は、塗装ガン7からのタービ
ンの回転検出信号をコントローラ1へ伝達する。
【0043】ここに、回転検出信号とは、本塗装ロボッ
トシステムにおける塗装作業の実施状態を把握するため
の信号の一例であり、その伝達に光ファイバケーブルを
用いる本形態ではタービンで回転される塗料拡散用のカ
ップ又はベル形の回転体からの反射光等がこれに当た
る。この信号は、コントローラ1側に適当な強度の入射
光光源を設ける等して光ファイバケーブルが損傷しない
限り常に‘0’でない一定レベル以上の値を有するよう
にする。
【0044】信号系の構成 次に、本形態での塗装ロボットシステムにおける信号系
等について説明する。図6に同塗装ロボットシステムの
信号の系統図を示す。尚、この図においては、2点鎖線
で囲まれた部分が上記コントローラ1に対応する。
【0045】図示のように、コントローラ1内には、各
種制御演算を行う演算処理部であるCPU40、入出力
インターフェイス41、データインターフェイス42、
モータドライバD1〜D6及びモータドライバDP等が設
けられている。入出力インターフェイス41は、CPU
40と上記塗装機器6及び塗装ガン7や他の周辺装置等
との間を接続するインターフェイスであり、これらの間
で授受される信号を所定の信号形態として伝達する。
【0046】ここに、他の周辺装置としては、ワークの
供給装置であるワークコンベア43や生産ライン全体を
管理する中央管理装置44等がある。ワークコンベア4
3は、ワークの供給が完了したときに供給完了信号‘WO
RK SET’を送信し、これをCPU40が入出力インター
フェイス41を介して受けることにより塗装作業のため
の制御演算処理が開始される。又、ワークの塗装作業が
完了したときには、CPU40が入出力インターフェイ
ス41を介して塗装作業完了信号‘PAINT FIN’をワー
クコンベア43へ送出し、続くワークの供給が可能であ
る旨を知らせる。一方、中央管理装置44は、インター
フェース41とバス45とを介してCPU40との間で
所定の信号を授受する。
【0047】データインターフェイス42は、CPU4
0とモータドライバD1〜D6及びDPとの間を接続する
インターフェイスであり、これらの間で授受される信号
を所定の信号形態として伝達する。
【0048】モータドライバD1、D2、…、D6は、そ
れぞれ、データインターフェイス42を介してCPU4
0から受けた指令信号に応じて、マニピュレータ5の第
1、第2、…、第6可動部駆動ユニットのサーボモータ
M1、M2、…、M6へ駆動電流(上記動作指令信号)を
供給する。又、各モータドライバは、自己が駆動電流を
供給するサーボモータから(正確にはそのサーボモータ
に付設された上述のエンコーダから)回転角度に応じた
信号を受け、それぞれの可動部の回転角度データとして
データインターフェイス42を介してCPU40へ供給
する。
【0049】モータドライバDPは、データインターフ
ェイス42を介してCPU40から受けた信号に応じ
て、モータMPへ駆動電流を供給する。又、モータMPか
ら駆動状況に応じた信号を受け、データインターフェイ
ス42を介してCPU40へ供給する。
【0050】モータMPは、塗装機器6等によって構成
される塗料供給系側に設けられたモータであり、ポンプ
46を駆動するものである。ポンプ46は、配管内を流
れる塗料やエア等を所定の流量及び圧力で流動させる
F.G.P(Flow GeneratingPomp)である。
【0051】尚、塗料供給系は、上述した通孔30内の
配管(図6ではポンプ46と塗装ガン7との間に略記さ
れた管がこれに当たる。)やモータMP、ポンプ46の
ほか、図示のように、シンナーの供給をON/OFFす
るバルブ47、エアの供給をON/OFFするバルブ4
8、塗料PAINT1、PAINT2の供給切替とその供給のON/
OFFを行う色替えバルブ49、これらのバルブを介し
て供給される流体の流出をON/OFFするバルブ50
等によって構成された色替えバルブユニット51を具備
しており、この色替えバルブユニット51の各バルブ4
7〜50のON/OFF等は、CPU40が入出力イン
ターフェイス41を介して送信する指示信号によってそ
れぞれ制御するようになっている。このような構成によ
り、バルブ50を介して流入する流体(塗料やエア等)
をポンプ46が所定の流量及び圧力で塗装ガン7側(通
孔30内の配管)へ供給する。
【0052】又、CPU40は、入出力インターフェイ
ス41を介して塗装ガン7と接続されており、塗装ガン
7に対して塗料噴射動作のON/OFF指示信号を送信
できるようになっている。ここで、図中の入出力インタ
ーフェイス41と塗装ガン7との間の接続線は、簡略化
のために一本に略記してあるが、上記光ファイバケーブ
ル33−1と33−2の双方に相当する。これらの光フ
ァイバケーブルは、塗装ガン7からのタービンの回転検
出信号をコントローラ1へ伝達するものであるが、コン
トローラ1からのON/OFF指示信号の送信において
も、入出力インターフェイス41と塗装ガン7との間の
信号伝達に光ファイバケーブル33−1か33−2のい
ずれか一方を利用する。但し、これらとは別にON/O
FF指示信号送信用の光ファイバケーブルを設けること
としてもよく、その場合も該光ファイバケーブルによっ
て塗装ガン7と入出力インターフェイス41との間を接
続し、CPU40からのON/OFF指示信号を入出力
インターフェイス41を介して送信する。
【0053】制御動作 次に、上記構成による本形態における制御動作につい
て、図7及び図8を参照して説明する。図7は、マニピ
ュレータ5全体についての制御を含む制御動作の処理手
順を示す図であり、図8は、図7の処理中に行われる塗
装システムチェックの処理手順を示す図である。尚、図
7に示す処理は、非常に短い一定時間毎(例えば10ms
毎)にコントローラ1において行われるもので、ここに
いう一定時間とは、コントローラ1とマニピュレータ5
等との間で各可動部の回転角度データや動作指令信号等
の授受が行われる一定時間(以下、「制御周期」とい
う。)がこれに当たる。
【0054】図7において、まず、各可動部駆動ユニッ
トから供給されている各可動部の回転角度θ1〜θ6をC
PU40がモータドライバD1〜D6、データインターフ
ェイス42を介して取り込み、これらの取り込んだ回転
角度に基づいて、塗装ガン7の現在位置(ガン先7xの
現在位置)を算出する(ステップS1)。尚、この位置
は、幾何学的手法により、各可動部の回転角度θ1〜θ6
の関数として算出することができる。
【0055】次に、CPU40が入出力インターフェイ
ス41を介してチェックケーブルからの信号を取り込
み、塗装システムチェック処理を行って異常発生の有無
を診断する(ステップS2)。ここに、チェックケーブ
ルとは、塗装ロボットシステム内の異常検出に用いる信
号をマニピュレータ5側からコントローラ1側へ伝達す
るケーブルであり、本形態では、このチェックケーブル
として上述の光ファイバケーブル33−1と33−2を
用いる。CPU40は、塗装ロボットシステム内の異常
検出用の信号に上記回転検出信号を用い、図8に示す手
順に従ってステップS2における塗装システムチェック
処理を行う。
【0056】塗装システムチェック処理では、まず、チ
ェックケーブルが何本目のものかを数えるためのカウン
タiを‘1’に初期化する(図8のステップS20)。次
いで、システムエラー信号が“OFF”の状態であるか
どうか、又は、カウンタiの値がチェックケーブルの総
本数以下であるかどうかを判断する(ステップS21)。
そして、これら2つの判断の結果が共に“YES”とな
る限り、ステップS22以下の処理を繰り返す。
【0057】ここで、システムエラー信号とは、塗装ロ
ボットシステム内に異常が発生したときに“ON”状態
とする信号であり、塗装ロボットシステムの動作開始時
に“OFF”状態にセットし、後述する異常発生時の処
理にて“ON”状態としない限り、各制御周期を通じて
常に“OFF”状態に維持される。又、カウンタiの値
は、図8の処理を行う度にその最初のステップS20で
‘1’に初期化され、各チェックケーブルについての処
理で異常なしとされる度にインクリメントされる(後
述)ので、現制御周期においてこれから処理するチェッ
クケーブルが何本目かを表す値になる。従って、ステッ
プS21でカウンタiの値がチェックケーブルの総本数以
下かどうかを判断することは、現制御周期においてすべ
てのチェックケーブルについての処理が終了したかどう
かを判断することに相当する。
【0058】本形態では、チェックケーブルとして光フ
ァイバケーブル33−1と33−2を用いるので、カウ
ンタiとの比較対象となる総本数は‘2’である。この
ため、塗装ロボットシステムの動作開始当初で初めて図
8の処理が行われる場合、システムエラー信号は“OF
F”状態であり、かつ、ステップS20でカウンタiを
‘1’とした直後ではカウンタiの値が総本数以下であ
るから、ステップS21における上記2つの判断の結果は
共に“YES”となり、ステップS22以下の処理へ進
む。
【0059】ステップS22では、CPU40が入出力イ
ンターフェイス41を介してi番目のチェックケーブル
からの信号を取り込み、これを信号値変数signalに代入
する。ここに、信号値変数signalは、CPU40が演算
処理で使用するデータ記憶部(RAM)内に確保された
所定の記憶領域であり、ステップS22の処理を行う度に
チェックケーブルから取り込んだ信号が示す値に上書き
する。尚、チェックケーブルの番号は予め適当に定めて
おく。
【0060】続いてステップS23へ進み、信号値変数si
gnalの値が‘0’であるかどうか、すなわち、i番目の
チェックケーブルからの信号が途切れたかどうかを判断
する。そして、信号値変数signalの値が‘0’であった
場合にはステップS24へ進んでシステムエラー信号を
“ON”状態とし、‘0’でなかった場合にはステップ
S25へ進んでカウンタiを‘1’インクリメントする。
これにより、チェックケーブルからの信号が途絶したと
きには異常が発生したと診断され、チェックケーブルか
ら何等かの信号が伝達されてきている間はカウンタiの
値が次に処理すべきチェックケーブルの番号に更新され
ることになる。
【0061】以後、ステップS21での判断結果が“YE
S”となる限り、上記同様の異常検出処理が繰り返し行
われる。すなわち、システムエラー信号が“ON”状態
となるか、或いは、すべてのチェックケーブルについて
の処理が終了するまで、上記ステップS22以下の処理が
繰り返される。そして、ステップS24でシステムエラー
信号が“ON”状態とされるとステップS21での判断結
果が“NO”となり、図8の塗装システムチェック処理
を終了して図7の処理へ戻る。又、すべてのチェックケ
ーブルについての処理が終了したときもステップS21で
の判断結果が“NO”となって図7の処理へ戻る。
【0062】ここで、本形態におけるチェックケーブル
である光ファイバケーブル33−1と33−2は、上述
したように、共に通孔30内に配管されている動力線3
1や各種チューブ等32に比べて強度が弱い上に、力が
最も強く加わるところに配置されている。従って、手首
部分の動作により配管に折れ、亀裂、破れ、切断等が生
ずる前にチェックケーブルの方が断線し、上記図8のス
テップS22以下の処理による異常検出においては、その
断線により信号が途絶してシステムエラー信号が“O
N”状態とされることになる。これにより、配管が実際
に破損する前に、それが配置されたところでの曲げやひ
ねりによって劣化してきており、やがて破損することに
なるということを予め知ることができる。
【0063】このようにして図8の塗装システムチェッ
ク処理が終了すると、図7の処理がステップS2からス
テップS3へ進み、システムエラー信号が“ON”状態
が否かを判断する。すなわち、上記塗装システムチェッ
ク処理後のシステムエラー信号により、塗装ロボットシ
ステム内に異常が発生したかどうか(チェックケーブル
からの信号が途絶えたかどうか)を判断する。
【0064】このとき、異常が発生してシステムエラー
信号が“ON”状態となっていた場合には、動作中の現
在位置が教示プログラムの再生途中の位置(塗装作業中
の位置)であるかどうかを判断する(ステップS4)。
この判断は、具体的には、上記ステップS1で求めた塗
装ガン7の現在位置が教示プログラムにおける第1番目
の教示点位置より後の位置かどうかを判断すると共に、
同現在位置が教示プログラムにおける最終の教示点位置
でないかどうかを判断することによって行う。
【0065】このステップS4での判断において、現在
位置が再生途中の位置であった場合には、判断結果が
“YES”となってステップS5へ進み、塗装ガン7を
移動させるべき目標位置を教示プログラムに基づく次の
目標位置に更新する。一方、現在位置が再生途中の位置
でなかった場合(すなわち、待機中であった場合)に
は、判断結果が“NO”となってステップS6へ進み、
目標位置を更新せずに現在の位置をそのまま目標位置と
する。このようにしてステップS4での判断結果に応じ
た目標位置設定を行った後に、ステップS7の処理へ進
む。
【0066】ステップS7では、教示プログラムや入力
装置2からの指示データ等に基づく現在の塗装ガン7に
対する制御指令の如何に関わらず、次に塗装ガン7へ供
給するON/OFF指示信号の指示値をOFFの方にす
る(CPU40がこの指示値の格納領域にOFF指示の
値をセットする。)。その後、ステップS8へ進み、上
記ワークコンベア43や中央管理装置44等へ塗料供給
系のエラー信号を送信する。
【0067】一方、ステップS3において、システムエ
ラー信号が“OFF”状態であった場合には、ステップ
S9へ進み、塗装ガン7を移動させるべき目標位置を次
の目標位置に更新する。これは、何等異常が検出されな
いときには、プログラムの再生中かどうかを考慮するま
でもなく、通常の動作制御と同様に目標位置を更新する
処理を継続することを意味する。又、この後も通常の動
作制御同様、教示プログラム中の教示データから塗装ガ
ン7に対する塗料噴射動作のON/OFF指示情報を読
み込む(ステップS10)。
【0068】次に、上記ステップS5、S6又はS9で設
定した目標位置と、上記ステップS1で求めた現在位置
とに基づき、CPU40がモータドライバD1〜D6へ出
力すべきマニピュレータ5の動作に対する指令信号を算
出する(ステップS11)。
【0069】その後、ステップS12へ進み、CPU40
は、上記ステップS7でOFF指示値にセットしたON
/OFF指示信号を、入出力インターフェイス41と信
号が途絶えた方でない光ファイバケーブルとを介して塗
装ガン7へ送信し、塗装ガン7の塗料噴射動作を停止す
る。又、必要に応じて上記塗料供給系の各バルブをOF
F(閉鎖)したり、モータMPの駆動を停止したりする
指示信号も送信する。
【0070】続いて、上記ステップS11で算出した指令
信号をCPU40がモータドライバD1〜D6へ出力し、
これを受けたモータドライバD1〜D6がそれぞれマニピ
ュレータの可動部駆動ユニットのサーボモータへ動作指
令信号を供給する(ステップS13)。これにより、設定
された目標位置へのマニピュレータ5の動作が実行され
る。
【0071】以後、制御周期毎に、上述した図7及び図
8の処理が同様に実行され、常にチェックケーブルから
の信号が監視されつつマニピュレータ5の物理的動作と
塗装ガン7の塗料噴射動作とが制御される。これによ
り、異常が発生してシステムエラー信号が“ON”状態
となった場合であって、かつ、教示プログラムの再生中
である場合には、ステップS5で教示プログラムに基づ
く次の目標位置が設定され、ステップS7で塗装ガン7
へのON/OFF指示信号にOFF指示値が設定される
ので、塗装ガンの塗料噴射動作のみが停止し、マニピュ
レータ5自体は教示プログラムに従って動作することに
なる。
【0072】一方、システムエラー信号が“ON”状態
となった場合であって、かつ、教示プログラムの再生中
でない場合(再生終了時若しくは再生前の待機時等の場
合)には、ステップS6で現在位置がそのまま目標位置
とされ、ステップS7でON/OFF指示信号にOFF
指示値が設定されるので、塗装ガンの塗料噴射動作のみ
ならず、マニピュレータ5自体の動作も停止することに
なる。又、この場合の制御動作は、上記教示プログラム
再生中の場合で、塗装ガンの塗料噴射動作のみが停止し
た後にマニピュレータ5の教示プログラムに従った動作
が進行して最終教示点位置に到達した場合にも行われる
ので、教示プログラム再生中に異常が発生したときに
は、まず塗装ガン7の塗料噴射のみが停止し、その後に
位置軌道の再生が終了した時点でマニピュレータ5の動
作も停止することになる。
【0073】従って、配管に破損のおそれが生じた時点
で塗装作業が中止されるので、ワークを不良にすること
はなく、かつ、動力伝達機構内で塗料漏れを起こすこと
もない。更に、塗装作業を中止するときでも、常にマニ
ピュレータ5自体の動作は最終教示点位置まで再生され
るので、ワークの不良を出さないばかりでなく、マニピ
ュレータ5とワークとの干渉も回避することができ、安
全性が向上することになる。
【0074】尚、システムエラー信号が“OFF”状態
を維持しているとき(異常なく正常の状態を維持してい
るとき)は、ステップS9、S10で目標位置設定等が通
常通り行われるので、教示プログラムに従った塗装作業
が通常通り実施される。
【0075】以上が本塗装ロボットシステムにおける配
管及び配線並びに制御動作の第1形態である。上述した
ように塗装作業が中止された場合にあっては、マニピュ
レータ5の動作停止後に配管の交換を行えばよい。
【0076】第1形態の変形形態 上記第1形態においては、異常検出のためのチェックケ
ーブルに光りファイバケーブルを用いることとしてい
た。これは、本実施形態のような回転霧化式の塗装ガン
を具備した塗装ロボットシステムにおいては、防爆性の
面からして特に有効である。
【0077】但し、チェックケーブルは、光ファイバケ
ーブルに限定されるものではなく、塗装ガン7側からの
信号を伝達できるものであって、手首部分の動作によっ
て各チューブよりも早く破損するような構造、配置等で
設けられたものであればよく、例えば、微弱電流を流す
電線やエアチューブ等でもよい。ここで、電線の場合に
はコントローラ側でマニピュレータ側からの電流値を検
出し、エアチューブの場合にはコントローラ側で圧力を
検出し、上記同様にそれらの検出値の低下を監視するこ
ととすればよい。
【0078】又、上記第1形態においては、チェックケ
ーブルと塗装ガン7への信号伝達用の信号線とを共用し
たが、特別にチェックケーブルとして用いる異常診断用
の信号線を配線することとしてもよい。かかる特別の信
号伝達用ケーブルを設けた例を図9に示す。この図は、
上記図5と同様、通孔30の図3におけるA−A′断面
に相当する図である。図中の符号34が信号伝達用ケー
ブルであり、この例では、各種チューブ等32の外側で
手首部分の屈折部となるところに配線されている。
【0079】尚、チェックケーブルの本数も限られるも
のではなく、必要に応じて適当な本数のチェックケーブ
ルを配線することとしてもよい。
【0080】(2)第2形態 配管及び配線 次に、本塗装ロボットシステムにおける配管及び配線並
びに制御動作の第2の形態について説明する。本形態に
おける通孔30内の配管及び配線を図10に示す。この
図も通孔30の図3におけるA−A′断面を示す図とな
っている。
【0081】図10においては、上記第1形態と同様の
配管及び配線を図5と同一符号で表してある。すなわ
ち、本形態においても、上述した動力線31、各種チュ
ーブ等32、光ファイバケーブル33−1、33−2が
同様に配置されている。但し、各種チューブ等32のう
ちの1つが予備チューブ35と入れ代わっており、当該
1つのチューブは予備チューブ35の外側に位置してい
る。予備チューブ35は、通常時に使用する各種チュー
ブ等32が破損したときに代替使用するもので、図示の
ようにそれら通常使用の管内側に1本配置されている。
【0082】ここで、本形態における各種チューブ等3
2と予備チューブ35について、塗装機器6側から通孔
30を経て塗装ガン7側に至るまでの接続形態を説明す
る。図11にその接続形態図を示す。尚、この図は、接
続の形態を示すのみで、各チューブ等の実際の配置を示
すものではない(配置は上述したとおりである。)。
又、この図では、各種チューブ等32と予備チューブ3
5の接続に関わる部分以外の構成要素は省略してある。
【0083】図11においては、図中右側が塗装機器6
側、中央が通孔30内、左側が塗装ガン7側に相当す
る。60−1、60−2、…、60−nは、塗装機器6
から誘導され、それぞれ塗料、エア、シンナー等を供給
する供給側チューブである。
【0084】61−1、61−2、…、61−nは、各
チューブが手首部分内部に入る直前に設けられた切替バ
ルブであり、それぞれ、流入端側が供給側チューブ60
−1、60−2、…、60−nと接続され、流出端側が
各種チューブ32−1、32−2、…、32−n及び予
備チューブ35と接続されている。ここに、各種チュー
ブ32−1、32−2、…、32−nは、上記各種チュ
ーブ等32に含まれるそれぞれのチューブを表している
ものである。又、予備チューブ35は、すべての切替バ
ルブ61−1〜61−nと接続されている。
【0085】各切替バルブ61−i(i=1、2、…、
n)は、それぞれコントローラ1からの切替制御信号
(図示略)によって動作し、各供給側チューブ60−i
を各種チューブ32−i又は予備チューブ35のいずれ
か一方と接続する。図は予備チューブ35を使用しない
通常時の状態(初期状態)を示しており、このときは各
供給側チューブ60−iと各種チューブ32−iとの間
が開放され、予備チューブ35側は閉鎖されている。こ
れに対し、いずれかの切替バルブにコントローラ1から
流路切替を指示する切替制御信号が供給されると、当該
切替バルブの流路は図中上側の流路に切り替わり、供給
側チューブと予備チューブ35との間が開放され、各種
チューブ側は閉鎖される。
【0086】各種チューブ32−1〜32−nと予備チ
ューブ35は、これら切替バルブ61−1〜61−nの
流出端側直後から手首部分の内部へ入り、通孔30内を
上述した配置で誘導されている。そして、手首部分先端
の通孔30の出口側又は塗装ガン7の配管入口側にもう
一段切替バルブ62−1、62−2、…、62−nが設
けられている。
【0087】切替バルブ62−1、62−2、…、62
−nは、それぞれ、流入端側が各種チューブ32−1、
32−2、…、32−n及び予備チューブ35と接続さ
れ、流出端側が被供給側チューブ63−1、63−2、
…、63−nと接続されている。ここに、被供給側チュ
ーブ63−1、63−2、…、63−nは、供給されて
きた塗料等を塗装ガン7内の所定位置へ誘導するチュー
ブである。又、予備チューブ35は、すべての切替バル
ブ62−1〜62−nとも接続されており、切替バルブ
61−1〜61−nと62−1〜62−nとの間にのみ
配置されたものとなっている。
【0088】各切替バルブ62−iもそれぞれコントロ
ーラ1からの切替制御信号(図示略)によって動作し、
各種チューブ32−i又は予備チューブ35のいずれか
一方を各被供給側チューブ63−iと接続する。図はこ
れらについても予備チューブ35を使用しない通常時の
状態(初期状態)を示しており、各種チューブ32−i
と各被供給側チューブ63−iとの間が開放され、予備
チューブ35側は閉鎖されている。これに対し、いずれ
かの切替バルブにコントローラ1から流路切替を指示す
る切替制御信号が供給されると、当該切替バルブの流路
は図中上側の流路に切り替わり、予備チューブ35と被
供給側チューブとの間が開放され、各種チューブ側は閉
鎖される。
【0089】本形態における配管の接続形態は以上のよ
うになっており、コントローラ1からの切替制御信号で
上記各切替バルブを操作することによって、各種チュー
ブ32−1〜32−nのうちの破損したもの或いは破損
のおそれがあるものを直ちに予備チューブ35で代替す
る配管接続とすることができるようになっている。
【0090】信号系の構成 次に、本形態での塗装ロボットシステムにおける信号系
等について説明する。図12に信号の系統図を示す。但
し、この図は、本形態においても上記図6と同様に設け
られるワークコンベア43、中央管理装置44、バス4
5、ポンプ46、バルブ47〜50、モータドライバD
P及びモータMPについての図示を省略して簡略化してあ
る(従ってこれらについての説明も省略する。)。尚、
図12において、2点鎖線で囲まれた部分は図6同様コ
ントローラ1に対応するが、CPU等による実現機能が
上記第1形態とは異なるので、新たに符号を付して説明
する。
【0091】コントローラ1内には、各種制御演算を行
う演算処理部であるCPU70、入出力インターフェイ
ス71、データインターフェイス72及びモータドライ
バD1〜D6等が設けられている。本形態におけるCPU
70は、図示のように、入出力インターフェイス71を
介して上記切替バルブ60−1〜60−n及び62−1
〜62−nとそれぞれ接続されており、入出力インター
フェイス71がこれらの間で授受される信号を所定の信
号形態として伝達する(但し、切替バルブ62−1〜6
2−nは煩雑化回避のため図示省略。これらは塗装ガン
7側に設けられている。)。これにより、CPU70が
その演算処理結果に応じて各切替バルブへ上記切替制御
信号を送信することができるようになっている。
【0092】データインターフェイス72は、CPU7
0とモータドライバD1〜D6との間を接続するインター
フェイスであり、これらの間で授受される信号を所定の
信号形態として伝達する。モータドライバD1〜D6及び
これらによって駆動される第1〜第6可動部駆動ユニッ
トのサーボモータM1〜M6は、上記図6に示したものと
同様であり、各モータドライバがデータインターフェイ
ス72を介してCPU70から受けた指令信号に応じた
駆動電流を各サーボモータへ供給すると共に、各サーボ
モータからの回転角度に応じた信号を各可動部の回転角
度データとしてデータインターフェイス72を介してC
PU70へ供給する。
【0093】尚、塗料供給系の上記図6におけるポンプ
46、バルブ47〜50及びモータMP等からなる部分
は、供給側チューブ60−1〜60−nの前段に設けら
れる。
【0094】制御動作 次に、上記構成による本形態における制御動作について
説明する。上述したように、本形態は、通孔30内のチ
ューブに実際に破損が生じた場合には直ちに予備チュー
ブ35へ切り替えることができるようになっているが、
実際には破損が生じていない場合でも、破損のおそれが
あるときには予備チューブ35への切替ができるものと
なっており、その切替動作を可能とするのが以下に述べ
る制御動作である。
【0095】図13は、マニピュレータ5全体について
の制御を含む制御動作の処理手順を示す図であり、図1
4は、本塗装ロボットシステムの動作開始時と終了時と
に行う演算処理の手順を示す図である。以下、説明の便
宜上、図13の制御動作処理の方から説明する。尚、図
13に示す処理も、上記図7同様、非常に短い制御周期
(例えば10ms程度の一定時間)毎にコントローラ1に
おいて行われる。
【0096】図13において、まず、各可動部駆動ユニ
ットから供給されている各可動部の回転角度θ1〜θ6を
CPU70がモータドライバD1〜D6、データインター
フェイス72を介して取り込み、これらの取り込んだ回
転角度に基づいて、塗装ガン7の現在位置(ガン先7x
の現在位置)を算出する(ステップS30)。尚、この位
置は、幾何学的手法により、各可動部の回転角度θ1〜
θ6の関数として算出することができる。
【0097】次に、取り込んだ回転角度θ4が所定の制
限値の範囲を超えているかどうかチェックする(ステッ
プS31)。ここにいう所定の制限値の範囲とは、通孔3
0内の配管(上記各チューブ)に加わる曲げやひねり等
による力が配管を劣化させない程度の大きさとなるよう
な可動部の回転角度範囲であり、これを超える場合には
配管が劣化すると判断するものである。本形態では、こ
の制限値の範囲を配管が曲げられたか否かという基準で
設定する。すなわち、ステップS31で用いる制限値の範
囲は、配管が曲げられていないと認められる第1手首部
材5hの回転角度θ4の上限値θ4maxと下限値θ4minと
を予め設定し、それら上下限値間の範囲とする。そし
て、ステップS31では、取り込んだ回転角度θ4が上限
値θ4maxを上回るか否かと、下限値θ4minを下回るか否
かとを判断することによって、第1手首部材5hの回転
角度θ4が制限値の範囲を超えたかどうか(配管が曲げ
られたかどうか)を判断する。
【0098】ステップS31での判断において、取り込ん
だ回転角度θ4が上限値θ4maxを上回っていた場合、又
は、下限値θ4minを下回っていた場合には、第1手首部
材5hの回転角度θ4が制限値の範囲を超えていること
を示すフラグθ4chk_fを‘ON’とする(ステップS3
2)。
【0099】一方、取り込んだ回転角度θ4が上限値θ4
maxを上回っておらず、かつ、下限値θ4minを下回って
いない場合には、ステップS31からS33へ進み、フラグ
θ4chk_fが‘ON’となっているかどうかを判断する。
ここで、ステップS31からS33へ進んだときにフラグθ
4chk_fが‘ON’となっているのは、回転角度θ4が一
度制限値の範囲を超えてフラグθ4chk_fが‘ON’とさ
れた後に、再び制限値の範囲内となった場合、すなわ
ち、配管が1回曲げられた場合である。このため、ステ
ップS33でフラグθ4chk_fが‘ON’となっていた場合
には、第1手首部材5hのところ(第4可動部)で配管
に曲げがかかった回数を記録する曲げ回数θ4nの値を1
インクリメントする(ステップS34)。その後、フラグ
θ4chk_fを‘OFF’とし(ステップS35)、後続の処
理へと進む。
【0100】尚、ステップS33でフラグθ4chk_fが‘O
FF’となっていた場合には、上記ステップS34及びS
35の処理を行わずにそのまま後続の処理へと進む。
【0101】続いて、ステップS36〜S40において、取
り込んだ回転角度θ5についても上記ステップS31〜S3
5と同様のチェック処理を行う。すなわち、まず、回転
角度θ5が上限値θ5maxを上回るか否かと下限値θ5min
を下回るか否かによって制限値の範囲を超えたかどうか
判断し(ステップS36)、超えていた場合にはフラグθ
5chk_fを‘ON’とし(ステップS37)、超えていない
場合にはフラグθ5chk_fが‘ON’となっているかどう
か判断する(ステップS38)。尚、ここで用いる制限値
の範囲についても、上記同様に配管が曲げられていない
と認められる第2手首部材5iの回転角度θ5の上限値
θ5maxと下限値θ4minとを設定しておく。そして、フラ
グθ5chk_fが‘ON’となっていた場合には、第2手首
部材5iのところ(第5可動部)で配管に曲げがかかっ
た回数を記録する曲げ回数θ5nの値を1インクリメント
(ステップS39)した後、フラグθ5chk_fを‘OFF’
として(ステップS40)後続の処理へ進み、フラグθ5c
hk_fが‘OFF’となっていた場合には、これらの処理
を行わずに後続の処理へと進む。
【0102】更に、ステップS41〜S45においては、取
り込んだ回転角度θ6について上記ステップS31〜S35
やS36〜S40と同様のチェック処理を行う。すなわち、
まず、回転角度θ6が上限値θ6maxを上回るか否かと下
限値θ6minを下回るか否かによって制限値の範囲を超え
たかどうか判断し(ステップS41)、超えていた場合に
はフラグθ6chk_fを‘ON’とし(ステップS42)、超
えていない場合にはフラグθ6chk_fが‘ON’となって
いるかどうか判断する(ステップS43)。尚、ここで用
いる制限値の範囲についても、上記同様に配管が曲げら
れていないと認められる塗装ガン7の回転角度θ6の上
限値θ6maxと下限値θ6minとを設定しておく。そして、
フラグθ6chk_fが‘ON’となっていた場合には、塗装
ガン7のところ(第6可動部)で配管に曲げがかかった
回数を記録する曲げ回数θ6nの値を1インクリメント
(ステップS44)した後、フラグθ6chk_fを‘OFF’
として(ステップS45)後続の処理へ進み、フラグθ6c
hk_fが‘OFF’となっていた場合には、これらの処理
を行わずに後続の処理へと進む。
【0103】次に、塗装ガン7を移動させるべき目標位
置を教示プログラムに基づく次の目標位置に更新する
(ステップS46)。尚、現在、塗装作業の教示プログラ
ムの再生中でなければ、現在の待機位置がそのまま次の
目標位置とされることになる。その後、ステップS47へ
進み、マニピュレータ5が教示プログラムの再生中(塗
装作業の動作中)であるか待機中(静止中)であるかを
判断する。
【0104】このとき、マニピュレータ5が待機中であ
った場合にはステップS47からS48以下の処理へ進み、
第4〜第6可動部それぞれでの配管の曲げ回数θjn(j
=4、5、6)についてのチェック処理を行う。まず、
曲げ回数θjnが所定の限界回数θjlim(j=4、5、
6)を超えていないかどうかをチェックする(ステップ
S49)。ここにいう限界回数とは、配管中のチューブが
劣化してきており、それ以上曲げると破損する可能性が
あるものと認められる曲げ回数である。尚、各可動部で
の曲げ回数それぞれについての限界回数(θ4lim、θ5l
im及びθ6lim)は予め適宜設定しておく。
【0105】ステップS49において、曲げ回数θjnが限
界回数θjlimを超えていた場合にはステップS50へ進
み、チューブを既に交換したかどうかを判断する。すな
わち、配管中のチューブで塗料等の供給に使用していた
ものを前回の制御周期までに予備チューブ35に交換し
たかどうかを判断する。このチューブ交換処理について
は後述するが、ステップS50でチューブを既に交換して
いた場合にはステップS51へ進み、コントローラ1は上
記中央管理装置44へ又は入力装置2のディスプレイ等
を介してオペレータへチューブの交換を指示する。
【0106】これに対し、ステップS50で未だチューブ
を交換していなかった場合にはステップS52へ進み、予
備チューブ35へのチューブ交換処理を行う。この処理
は、配管中のチューブで塗料等の供給路として使用して
いたもの、すなわち、各種チューブ32−1〜32−n
のうちのいずれかが接続されている切替バルブ61−i
及び62−iに対し、コントローラ1がCPU70から
入出力インターフェイス71を介して流路切替を指示す
る切替制御信号を送信する。これにより、当該切替バル
ブ61−i及び62−iの流路を図11中上側の流路に
切り替え、供給側チューブ60−iと被供給側チューブ
63−iとの間を各種チューブ32−iに代えて予備チ
ューブ35によって接続する。ここで、このようにして
予備チューブ35を代替使用することとする各種チュー
ブ32−iとしては、最も古いチューブや最も使用頻度
が高かったチューブ等、最も劣化が進行していると思わ
れるものを適宜選択する。又、コントローラ1は、上記
切替制御信号を送信した際に、チューブ交換処理を行っ
た旨を以後の制御周期における上記ステップS50での判
断処理に供する情報として記憶装置に記憶しておく。
【0107】尚、ステップS49でいずれの曲げ回数θjn
も限界回数θjlimを超えていなかった場合には、上記ス
テップS50以下の処理を行わずにそのまま後述の処理へ
と進む。
【0108】一方、ステップS47において、マニピュレ
ータ5が教示プログラムの再生中であった場合にはステ
ップS53へ進み、教示プログラム中の教示データから塗
装ガン7に対する塗料噴射動作のON/OFF指示情報
等を読み込む。
【0109】次に、上記ステップS46で設定した目標位
置と、上記ステップS30で求めた現在位置とに基づき、
CPU70がモータドライバD1〜D6へ出力すべきマニ
ピュレータ5の動作に対する指令信号を算出し、それら
をデータインターフェイス72を介して出力する(ステ
ップS54)。これにより、モータドライバD1〜D6から
マニピュレータ5の第1〜第6可動部駆動ユニットのサ
ーボモータへ動作指令信号が供給され、設定された目標
位置へのマニピュレータ5の動作が実行される。又、C
PU70は、上記ステップS53で読み込んだON/OF
F指示情報等に基づき、塗装ガン7へのON/OFF指
示信号等を入出力インターフェイス71を介して送信
し、塗装ガン7の塗料噴射動作等を制御する(ステップ
S55)。
【0110】以後、制御周期毎に、上述した図13の処
理が同様に実行され、待機中となる度に手首部分の各曲
げ回数が監視されつつマニピュレータ5の物理的動作と
塗装ガン7の塗料噴射動作とが制御される。これによ
り、教示プログラムに従った塗装作業が実行されると共
に、手首部分のいずれかの可動部の曲げ回数θjnが予め
設定した限界回数θjlimを超えたときには、待機中の上
記ステップS48以下のチェック処理により、使用してい
たチューブの予備チューブ35への切替処理やチューブ
の交換指示がなされる。従って、破損したチューブで塗
装作業が行われることは回避され、ワークを不良にする
ことなく、かつ、動力伝達機構内で塗料漏れを起こすこ
ともなく、塗装作業を続行し、或いは、適宜チューブの
交換を行うことが可能となる。
【0111】続いて、図14を参照して本塗装ロボット
システムの動作開始時と終了時とに行う演算処理につい
て説明する。尚、図14においては、前半部分が動作開
始時の演算処理を示し、後半部分が動作終了時の演算処
理を示しており、これらの間に上述した制御周期毎の制
御動作等が実行されるものとなっている。
【0112】動作開始時には、まず、コントローラ1に
おいて、記憶装置から制御演算用の緒元データを演算処
理で使用するデータ記憶部(RAM)の所定領域に読み
込む(ステップS60)。ここに、緒元データとは、上述
した上限値θjmax、下限値θimin及び限界回数θjlimや
その他マニピュレータ5の制御等に必要なデータであ
り、予め設定されて記憶装置に記憶されている。
【0113】次いで、記憶装置からロボットメンテナン
スデータを同データ記憶部の所定領域に読み込む(ステ
ップS61)。ここに、ロボットメンテナンスデータと
は、前回の塗装作業までにカウントされた曲げ回数θjn
のデータやチューブ交換処理を行ったかどうかの情報等
を含む本塗装ロボットのメンテナンスに関するデータで
あり、記憶装置には後述する動作終了時の演算処理によ
って記録されるものとなっている。
【0114】次に、制御動作で使用する各変数を初期化
する(ステップS62)。尚、上記フラグθjchk_fは、こ
の初期化処理にて‘OFF’に初期化する。
【0115】以後、動作終了時処理が要求されるまで
(ステップS63)、すなわち、コントローラ1に対して
入力装置2等から塗装作業の終了指示信号が入力される
まで、メニュープログラム中の各種プログラムの処理を
実行する(ステップS64)。このステップS64での各種
プログラム実行により、タスクの切替等を行う処理や上
述した制御周期毎の制御動作処理等が行われる。
【0116】そして、動作終了時処理が要求されるとス
テップS65へ進み、ロボットメンテナンスデータを記録
する。すなわち、動作終了時処理が要求された時点での
図13の処理における曲げ回数θjnの値やチューブ交換
処理を行ったかどうかの情報等を、コントローラ1がロ
ボットメンテナンスデータとして記憶装置内に記録す
る。
【0117】又、他の所定のエラー情報を記録すると共
に(ステップS66)、現在実行中であったプログラム名
称等を記録することにより(ステップS67)現在の状態
を保存して動作終了時処理を完了し、図14の処理を終
了する。
【0118】第2形態の変形形態 以上が本塗装ロボットシステムにおける配管及び配線並
びに制御動作の第2形態であるが、以下に上記同様の制
御動作を適用できる配管の他の形態を挙げ、順に説明す
る。
【0119】・配管の他の形態(i) まず、通孔30内の各チューブ等の配置を上記図10と
同様にし、塗装機器6側から塗装ガン7側に至るまでの
接続形態を上記図11と異にする形態について説明す
る。図15にその接続形態図を示す。尚、この図も図1
1同様接続の形態を示すのみであり、又、各種チューブ
等32と予備チューブ35の接続に関わる部分以外の構
成要素を省略してある。
【0120】図15においては、図11同様、図中右側
が塗装機器6側、中央が通孔30内、左側が塗装ガン7
側に相当し、60−1〜60−n、32−1〜32−
n、35がそれぞれ供給側チューブ、各種チューブ、予
備チューブを表している。
【0121】61′−1、61′−2、…、61′−n
は各チューブが手首部分内部に入る直前に設けられた切
替バルブであり、それぞれ、流入端側が供給側チューブ
60−1、60−2、…、60−nと接続され、流出端
側が各種チューブ32−1、32−2、…、32−n及
び予備チューブ35と接続されている。各切替バルブ6
1′−iは、それぞれコントローラ1からの切替制御信
号(図示略)によって動作し、各供給側チューブ60−
iを各種チューブ32−i又は予備チューブ35のいず
れか一方と接続する。図は予備チューブ35を使用しな
い通常時の状態(初期状態)を示しており、このときは
各供給側チューブ60−iと各種チューブ32−iとの
間が開放され、予備チューブ35側は閉鎖されている。
これに対し、いずれかの切替バルブにコントローラ1か
ら流路切替を指示する切替制御信号が供給されると、当
該切替バルブの流路は図中上側の流路に切り替わり、供
給側チューブと予備チューブ35との間が開放され、各
種チューブ側は閉鎖される。
【0122】本接続形態では、各種チューブ32−1〜
32−nと予備チューブ35が切替バルブ61′−1〜
61′−nの流出端側直後から手首部分の内部へ入り、
通孔30内を介してそのまま塗装ガン7の入口へ誘導さ
れている。すなわち、図示のように、各種チューブ32
−1〜32−nの予備チューブ35への切替バルブは動
力伝達機構内への入口直前にのみ設けられ、初期状態で
は予備チューブ35が供給側チューブ60−1〜60−
nのいずれとも接続されていないものとなっている。
又、予備チューブ35は、その先端側も閉鎖されてお
り、塗装ガン7の入口へ誘導されているだけである。
【0123】このような配管の接続形態において、上述
した制御動作を同様に行うが、図13のステップS52に
おけるチューブ交換処理を行う場合にあっては、コント
ローラ1が1の切替バルブ61′−iに対してのみ流路
切替を指示する切替制御信号を送信するようにする。こ
れにより、当該1の切替バルブ61′−iの流路を図1
5中上側の流路に切り替え、供給側チューブ60−iと
予備チューブ35とを接続し、破損のおそれがあるチュ
ーブに塗料等が供給される事態を回避する。そして、予
備チューブ35を使用して塗装作業を行う際には、その
先端側を供給側チューブ60−iと接続されるべき塗装
ガン7の入口に改めて接続する。
【0124】・配管の他の形態(ii) 次に、通常使用のチューブそれぞれに予備チューブを設
ける配管の形態について説明する。その通孔30内の配
管を図16に示す。この図も通孔30の図3におけるA
−A′断面を示す図となっている。尚、ここでは配管の
みについて説明することとし、上記光ファイバケーブル
等の信号線についての説明は省略する(必要な信号線は
上記同様に適宜配線することとすればよい。)。
【0125】図16においては、上記同様、31が動力
線、32が各種チューブ等、35が予備チューブを表し
ている。この形態では、図示のように、動力線31を中
央に配置し、その外側に予備チューブ35を配置し、そ
の更に外側に各種チューブ32を配置してある。すなわ
ち、ここでは、塗装ガン7のON/OFF用エア供給の
ための動力線を中央に配置することは上記同様である
が、その外側にまず複数の予備チューブを配置し、それ
ら予備チューブの外側に通常時の状態(初期の状態)に
使用する各種チューブ等を配置する。
【0126】ここで、この配管の形態における各種チュ
ーブ等32と予備チューブ35について、塗装機器6側
から通孔30を経て塗装ガン7側に至るまでの接続形態
を説明する。図17にその接続形態図を示す。尚、この
図も接続の形態を示すのみであり、各種チューブ等32
と予備チューブ35の接続に関わる部分以外の構成要素
は適宜省略してある。
【0127】図17においては、図中右側が塗装機器6
側で中央の2点鎖線の間が手首部分内に内蔵される部分
であり、左側に塗装ガン7がある。又、上記図11同
様、60−1〜60−n、32−1〜32−n、63−
1〜63−nがそれぞれ供給側チューブ、各種チュー
ブ、被供給側チューブを表している。
【0128】80−1、80−2、…、80−nは、各
チューブが手首部分内部に入る直前に設けられた切替バ
ルブであり、それぞれ、流入端側が供給側チューブ60
−1、60−2、…、60−nと接続され、流出端側が
各種チューブ32−1、32−2、…、32−n及び予
備チューブ35−1、35−2、…、35−nと接続さ
れている。このように、本配管形態では、各種チューブ
32−1、32−2、…、32−nのそれぞれに対応し
て予備チューブ35−1、35−2、…、35−nが設
けられ、すべての各種チューブが予備チューブと対にな
っている。そして、各種チューブ32−iが初期状態で
供給側チューブ60−iと接続される方の流出端側に接
続され、予備チューブ35−iが初期状態では閉鎖され
ている流出端側と接続されている。
【0129】各種チューブ32−1〜32−nと予備チ
ューブ35−1〜35−nは、これら切替バルブ80−
1〜80−nの流出端側直後から手首部分の内部へ入
り、通孔30内を上述した配置で誘導されている。そし
て、塗装ガン7側(手首部分先端の通孔30の出口側又
は塗装ガン7の配管入口側)にもう一段切替バルブ81
−1、81−2、…、81−nが設けられている。
【0130】切替バルブ81−1、81−2、…、81
−nは、それぞれ、流入端側が各種チューブ32−1、
32−2、…、32−n及び予備チューブ35−1、3
5−2、…、35−nと接続され、流出端側が被供給側
チューブ63−1、63−2、…、63−nと接続され
ている。ここでも各種チューブ32−iが初期状態で被
供給側チューブ63−iと接続される方の流出端側に接
続され、予備チューブ35−iが初期状態では閉鎖され
ている流出端側と接続されている。そして、このような
配管接続により、予備チューブ35−1〜35−nは、
切替バルブ80−1〜80−nと81−1〜81−nと
の間(主として手首部分内部)にのみ配置されたものと
なっている。
【0131】又、切替バルブ80−1と81−1、80
−2と81−2、…、80−nと81−nは、それぞ
れ、図中に破線で示す途中から2系統に分岐した共通の
信号線と接続されている。この信号線は、上記ケーブル
4中に含まれ、第1アーム5dやボックス5a等の内部
空隙を通ってコントローラ1と接続されている。すなわ
ち、コントローラ1は、これらの信号線を介して各切替
バルブに対する切替制御信号を送信し、それぞれの流路
を形成する切替バルブ80−iと81−iの組は、コン
トローラ1からの切替制御信号を同時に受けて同時に動
作することができるようになっている。
【0132】従って、コントローラ1から流路切替を指
示する切替制御信号が供給されない通常時の状態(初期
状態)では、図示のように、各切替バルブの組において
各種チューブ32−iと供給側チューブ60−i及び各
被供給側チューブ63−iとの間が開放され、予備チュ
ーブ35−i側は閉鎖されている。これに対し、コント
ローラ1から流路切替を指示する切替制御信号が供給さ
れると、これを受けた切替バルブ80−iと81−iと
が同時に動作して流路が切り替わり、予備チューブ35
−iと供給側チューブ60−i及び被供給側チューブ6
3−iとの間が開放され、各種チューブ側は閉鎖され
る。
【0133】このような配管の接続形態において、上述
した制御動作を同様に行うが、図13のステップS52に
おけるチューブ交換処理では、コントローラ1がいずれ
かの切替バルブの組に対して流路切替を指示する切替制
御信号を送信するようにする。これにより、当該組の切
替バルブ80−i及び81−iの流路を切り替え、供給
側チューブ60−iと被供給側チューブ63−iとの間
を予備チューブ35−iで接続する。
【0134】この場合、本配管形態では、その切替制御
信号を送信する切替バルブの組数は1組に限らず任意で
ある。すなわち、予備チューブへ交換すべきところを適
宜複数選択して複数の切替バルブの組に対して切替制御
信号を送信してもよいし、或いは、すべての組に対して
切替制御信号を送信することとしてもよい。但し、本配
管形態を適用する場合には、上記ロボットメンテナンス
データ中のチューブ交換処理を行ったかどうかの情報は
各予備チューブそれぞれについて更新して管理するよう
にする。
【0135】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、上述した配管等の第1形態と第2形態とを組み合
わせることとしてもよい。すなわち、塗装ロボットシス
テムにおいて、第1形態の構成(異常検出用の信号線
等)と第2形態の構成(予備チューブと切替バルブ等)
とを共に具備し、第1形態の塗装システムチェック処理
を行って異常が検出されたときに第2形態のチューブ交
換処理を行うこととしたり、更には、そのチューブ交換
処理にて予備チューブへの交換が既になされていた場合
に、第1形態における塗装ガン7の噴射動作とマニピュ
レータ5の動作とを停止させる処理や、塗装ガン7の噴
射動作のみを停止してマニピュレータ5を位置軌道再生
後に停止させる処理等を行うこととしてもよい。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、可
動部に沿って配管が設けられた工業用ロボットにおい
て、流体が供給される側からの信号を伝達する信号伝達
手段を配管に沿って配線し、伝達されてきた信号の強度
に基づいて配管の破損可能性を判断することとしたの
で、配管が可動部の動作によって劣化していき、折れや
亀裂、破れ、切断等が生じて実際に破損する前に、破損
するおそれがあるかどうかを検知することができる。こ
れにより、多くの工数や費用等を要せずして容易に配管
の破損を未然防止することが可能となり、作業対象物を
不良とすることを回避して生産性を向上させることがで
きるという効果が得られる。
【0137】更に、配管から塗料やエア等の作業に要す
る流体が漏れることも未然に防ぐことが可能となるの
で、配管が設けられた部分の部品交換を回避することが
できる。これにより、保守性が向上し、メンテナンスの
工数や費用等が削減されて保守コストが低減すると共
に、生産性も一層向上するという効果が得られる。
【0138】そして、請求項2記載の発明によれば、配
管の破損可能性があったときに作業の実施を停止させる
こととしたので、破損した配管で作業が行われることを
確実に回避することができる。これにより、作業対象物
を破損したり不良としたりすることなく生産性の向上を
図ることができると共に、破損した配管に流体が供給さ
れ続けることによって生ずるランニングコストの無駄を
省くこともできる。
【0139】尚、請求項3記載の発明では、信号伝達手
段を光ファイバによって構成することとしたので、塗装
ロボット等のような防爆性を担保する必要がある工業用
ロボットにおいても本発明を良好に適用することができ
る。
【0140】一方、請求項4記載の発明によれば、配管
に沿って予備配管を設け、同配管に沿って配線された信
号伝達手段によって伝達されてきた信号の強度に基づい
て配管の破損可能性を判断し、破損可能性があったとき
に流体の供給に使用する配管を予備配管へ切り替えるこ
ととしたので、使用している配管が実際に破損する前
に、破損するおそれが生じた時点で予備配管へ切り替え
ることができる。これにより、配管の破損を未然防止し
て破損可能性のない配管で作業を続けることが可能とな
り、作業対象物を不良とすることがない上にメンテナン
ス周期も延長され、生産性が向上するという効果が得ら
れる。
【0141】又、請求項5記載の発明によれば、可動部
の動作回数を計数し、計数された動作回数が所定の回数
を超えたときに予備配管への切替を指示することとした
ので、可動部の動作回数が所定の回数を超えたかどうか
によって使用中の配管が破損するかどうかが監視される
ことになり、使用中の配管が破損する前に予備配管へ切
り替えることが可能となる。これにより、配管から流体
が漏れることを未然に防ぐことができ、保守性が向上し
て保守コストが低減すると共に、上記同様生産性の向上
も図り得るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による工業用ロボットを
用いて構成した塗装ロボットシステムの全体構成を示す
図である。
【図2】 図1におけるマニピュレータ5を動作形態が
把握できるように示した模式図である。
【図3】 マニピュレータ5の手首部分の断面図であ
る。
【図4】 マニピュレータ5の数学モデルを示す図であ
る。
【図5】 本塗装ロボットシステムにおける配管及び配
線の第1形態を示す図である。
【図6】 同第1形態における本塗装ロボットシステム
の信号の系統図である。
【図7】 同第1形態におけるマニピュレータ5全体に
ついての制御を含む制御動作の処理手順を示す図であ
る。
【図8】 図7の処理中に行われる塗装システムチェッ
クの処理手順を示す図である。
【図9】 同第1形態の変形形態の1つを示す図であ
る。
【図10】 本塗装ロボットシステムにおける配管及び
配線の第2形態を示す図である。
【図11】 同第2形態における各チューブの接続形態
を示す図である。
【図12】 同第2形態における本塗装ロボットシステ
ムの信号の系統図である。
【図13】 同第2形態におけるマニピュレータ5全体
についての制御を含む制御動作の処理手順を示す図であ
る。
【図14】 同第2形態における本塗装ロボットシステ
ムの動作開始時と終了時とに行う演算処理の手順を示す
図である。
【図15】 同第2形態の変形形態の1つを示す図であ
る。
【図16】 同第2形態の変形形態の他の1つを示す図
である。
【図17】 図16の変形形態における各チューブの接
続形態を示す図である。
【符号の説明】
1 コントローラ 5 マニピュレータ 5f 第2アーム 5h 第1手首部材 5i 第2手首部材 6 塗装機器 7 塗装ガン 12、15、18、21、24、27 回転軸 30 通孔 31 動力線 32−1〜32−n 各種チューブ 33−1、33−2 光ファイバケーブル 34 信号伝達用ケーブル 35、35−1〜35−n 予備チューブ 61−1〜61−n、62−1〜62−n、61′−1
〜61′−n、80−1〜80−n、81−1〜81−
n 切替バルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業の実施に要する所定の流体を可動部
    に沿って設けられた配管によって供給する工業用ロボッ
    トにおいて、 前記配管に沿って配線され、前記配管を介して流体が供
    給される側からの信号を伝達する信号伝達手段と、 前記信号伝達手段によって伝達されてきた信号を受け、
    受けた信号の強度に基づいて前記配管の破損可能性を判
    断する判断手段とを有することを特徴とする工業用ロボ
    ット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の工業用ロボットにおい
    て、 前記判断手段での判断結果により前記配管の破損可能性
    があったとき、作業の実施を停止させる制御手段を更に
    有することを特徴とする工業用ロボット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の工業用ロボットに
    おいて、 前記信号伝達手段は、光ファイバによって構成されるこ
    とを特徴とする工業用ロボット。
  4. 【請求項4】 作業の実施に要する所定の流体を可動部
    に沿って設けられた配管によって供給する工業用ロボッ
    トにおいて、 前記配管に沿って配線され、前記配管を介して流体が供
    給される側からの信号を伝達する信号伝達手段と、 前記信号伝達手段によって伝達されてきた信号を受け、
    受けた信号の強度に基づいて前記配管の破損可能性を判
    断する判断手段と、 前記配管に沿って設けられた予備配管と、 前記判断手段での判断結果により前記配管の破損可能性
    があったとき、流体の供給に使用する配管を前記配管か
    ら前記予備配管へ切り替える切替手段とを有することを
    特徴とする工業用ロボット。
  5. 【請求項5】 作業の実施に要する所定の流体を可動部
    に沿って設けられた配管によって供給する工業用ロボッ
    トにおいて、 前記配管に沿って設けられた予備配管と、 流体の供給に使用する配管を前記配管から前記予備配管
    へ切り替える切替手段と、 前記可動部の動作回数を計数する計数手段と、 前記計数手段によって計数された動作回数が所定の回数
    を超えたとき、前記切替手段に前記予備配管への切替を
    指示する切替制御手段とを有することを特徴とする工業
    用ロボット。
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