JPH11275987A - 生分解性ネット - Google Patents

生分解性ネット

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JPH11275987A
JPH11275987A JP10103394A JP10339498A JPH11275987A JP H11275987 A JPH11275987 A JP H11275987A JP 10103394 A JP10103394 A JP 10103394A JP 10339498 A JP10339498 A JP 10339498A JP H11275987 A JPH11275987 A JP H11275987A
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JP
Japan
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resin
biodegradable
lactone
net
biodegradable net
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Application number
JP10103394A
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English (en)
Inventor
Fumio Yoshii
文男 吉井
Keizo Makuuchi
恵三 幕内
Hiroshi Mitomo
宏志 三友
Dalwiss Dalmawan
ダルマワン・ダルウィス
Tei Murakami
禎 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、耐熱性等の物性と生分解性が改良さ
れ、農業用、漁業用、土木用、園芸用、果樹クッション
用、日用生活品又は医療品用に使用されるネットを提供
すること。 【解決手段】 ラクトン樹脂(a)単独もしくはラクト
ン樹脂(a)と他の生分解性樹脂(b)とからなるラク
トン含有樹脂(c)、又は該ラクトン含有樹脂(c)と
樹脂添加剤(d)からなるラクトン含有樹脂組成物
(e)を成形してなる生分解性ネットであって、該生分
解性ネットの構成成分ラクトン樹脂は単独で又は他の少
なくとも1の構成成分と共に放射線照射処理がされたも
のであることを特徴とする生分解性ネット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線処理したラ
クトン樹脂を含む生分解性樹脂からなる生分解性ネット
に関するものであり、該生分解性ネットは成形性、耐熱
性等の物性と生分解性が改良される。
【0002】
【従来の技術】従来、植物生育用ネット等の農業用ネッ
ト、漁網等の漁業用ネット、地盤補強等の土木用ネット
等に用いられているネットは、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等の樹脂が使用さ
れている。ネットには、上記樹脂からなる繊維又は繊維
束を縦糸及び横糸に使用して織った物や、テープを織っ
た物や、シートや不織布を孔をあけてネット状にした物
などがある。このような樹脂から製造されたネットは、
田畑、湖沼、海、土壌、河川等自然界に設置されて使用
されるが、使い捨てにされて、動植物や自然環境に被害
を与えたりたり、回収して廃棄される場合にも、ゴミの
量を増すうえに、埋設すると半永久的に地中に残留し、
投棄された場合は景観を損なうという問題を生じてい
る。これまで、樹脂を使用して自然環境下で分解する生
分解性ネットは存在しなかった。そこで、これらの問題
を解決するために、近年、生分解性樹脂が注目されてい
る。ここに生分解性樹脂とは、材料としての使用時には
汎用のプラスチックスとほぼ同等の物性を持つが、廃棄
後、土上、土壌中、堆肥中、活性汚泥中、水中等の自然
環境下においては速やかにバクテリアやカビ等の微生物
により生化学的に、又は温度、湿度、光等の自然条件に
より、分解、資化される高分子をいい、微細に分解さ
れ、ものによっては最終的には二酸化炭素と水になる。
【0003】従来、生分解性樹脂としては上記諸要求を
満足させるために、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒ
ドロキシブチレート/ポリヒドロキシバリレート共重合
体、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂の
他、澱粉−EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重
合体)系樹脂、EVOH系樹脂−脂肪族ポリエステル系
樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂−ポリオレフィン系樹
脂等のブレンド系の樹脂組成物が知られており、これら
の樹脂又は樹脂組成物はフィルム等の形状に成形されて
実用に供されているが、生分解性ネットとして要求され
る物性、廃棄後に要求される生化学的分解性等の他、製
造時に要求される成形性においてバランスの採れたもの
は未だ提案されていない。
【0004】特開平8−188706号公報には、生分
解性樹脂であるポリ−ε−カプロラクトン(以下、PC
Lと略称することがある)80〜100重量%と、生物
によって産出される生分解性直鎖状ポリエステル系樹脂
20〜0重量%との混合物100重量部に対して滑剤
0.3〜0.8重量部を配合してなる組成物を成形して
得られた生分解性プラスチックシートが開示されている
が、シート成形時の機械的強度に問題があり、シートを
量産することは困難であるばかりか、該シートは生ゴミ
と共にコンポスト化装置に投入しても袋の生化学的分解
に100日もかかるので、分解速度は十分速いとは言え
ない。したがって、このようなシートからテープを得
て、該テープを使用してネットを製造することには、加
工上の問題、使用時の物性、分解性の点で問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生分
解性ネットの成形性、使用時の物性、廃棄後の生化学的
分解性等の点においてバランスのとれた、生分解性ネッ
トを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の条件下に放射
線処理をしたポリカプロラクトンを代表例とするラクト
ン樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂に、滑剤、可塑剤、熱
安定剤等を添加することにより、フィルムの成形性、フ
ィルム物性、廃棄後の生分解性等の点においてバランス
の取れた生分解性ネットが得られることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明の第1は、ラクトン樹脂
(a)単独もしくはラクトン樹脂(a)と他の生分解性
樹脂(b)とからなるラクトン含有樹脂(c)、又は該
ラクトン含有樹脂(c)と樹脂添加剤(d)からなるラ
クトン含有樹脂組成物(e)を成形してなる生分解性ネ
ットであって、該生分解性ネットの構成成分ラクトン樹
脂は単独で又は他の少なくとも1の構成成分と共に放射
線照射処理がされたものであることを特徴とする生分解
性ネットを提供する。本発明の第2は、ラクトン樹脂
(a)が、ε−カプロラクトン、4−メチルカプロラク
トン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,
3,5−トリメチルカプロラクトン、β−プロピオラク
トン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、エナ
ントラクトンの単独重合体又はこれらの2種以上のモノ
マーの共重合体、これらの単独又は共重合体の混合物で
ある本発明の第1に記載の生分解性ネットを提供する。
本発明の第3は、放射線照射処理されたラクトン樹脂の
ゲル分率が0.01〜90%である本発明の第1〜2の
いずれかに記載の生分解性ネットを提供する。本発明の
第4は、他の生分解性樹脂が、合成及び/又は天然高分
子である本発明の第1〜3のいずれかに記載の生分解性
ネットを提供する。本発明の第5は、合成高分子が、脂
肪族ポリエステル、生分解性セルロースエステル、ポリ
ペプチド、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物
からなる本発明の第4に記載の生分解性ネットを提供す
る。本発明の第6は、天然高分子が、澱粉、セルロー
ス、紙、パルプ、綿、麻、毛、絹、カラギーナン、キチ
ン・キトサン質、天然直鎖状ポリエステル系樹脂、又は
これらの混合物からなる本発明の第4に記載の生分解性
ネットを提供する。本発明の第7は、樹脂添加剤が可塑
剤、熱安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電
防止剤、難燃剤、流滴剤、抗菌剤、防臭剤、充填材、着
色剤又はこれらの混合物である本発明の第1に記載の生
分解性ネットを提供する。本発明の第8は、シート状に
成形され、シートが多数の孔を有することを特徴とする
本発明の第1に記載の生分解性ネットを提供する。本発
明の第9は、繊維に成形され、該繊維をネットの縦及び
/又は横糸に使用して得られることを特徴とする本発明
の第1に記載の生分解性ネットを提供する。本発明の第
10は、テープに成形され、該テープをネットの縦及び
/又は横に使用して得られることを特徴とする本発明の
第1に記載の生分解性ネットを提供する。本発明の第1
1は、農業用、漁業用、土木用、園芸用、果樹クッショ
ン用、日用生活品又は医療品用に使用される本発明の第
1〜10のいずれかに記載の生分解性ネットを提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明に使用されるラクトン樹脂は、ε−カプ
ロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−
トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカ
プロラクトンなどの各種メチル化カプロラクトン、β−
プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラ
クトン、エナントラクトンの単独重合体又はこれらの2
種以上のモノマーの共重合体、これらの単独又は共重合
体の混合物が挙げられる。特に常温で軟化しないものが
好ましく、この観点から高分子量であって融点が60℃
以上の、安定した性能が得やすいポリ−ε−カプロラク
トンが好適である。ラクトン樹脂は、ラクトンモノマー
とラクトンモノマー以外のモノマーと共重合されてもよ
く、例えば、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキ
シ酪酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸;後述する脂肪
族ポリエステルで例示される脂肪族ジオール及び脂肪族
ジカルボン酸が挙げられる。
【0009】以下、本発明に係るラクトン樹脂をその代
表例であるポリカプロラクトンを用いて説明する。放射
線未照射のポリカプロラクトンとしては、数平均分子量
が10,000〜1,000,000が好ましいが、効
率的な橋かけの点で100,000〜500,000の
ものが特に好ましい。上記分子量のポリカプロラクトン
はJISK6726の規定による相対粘度1.15〜
2.80を有するものであり、特に好ましくは1.50
〜2.80を有するものである。
【0010】本発明に用いられるラクトン含有樹脂
(c)は、ラクトン樹脂(a)単独又はラクトン樹脂
(a)と他の生分解性樹脂(b)との混合物である。上
記他の生分解性樹脂としては、合成及び/又は天然高分
子が使用される。合成高分子としては、脂肪族ポリエス
テル、ポリアミド、ポリアミドエステル、生分解性セル
ロースエステル、ポリペプチド、ポリビニルアルコー
ル、又はこれらの混合物が挙げられる。上記合成脂肪族
ポリエステル樹脂としては、ラクトン樹脂以外のポリエ
ステル樹脂であり、縮合重合系で得られた脂肪族ポリエ
ステル樹脂である。以下、合成脂肪族ポリエステル樹脂
を、単に、脂肪族ポリエステル樹脂と略称し、天然に産
出されるものの場合にはその旨明記する。脂肪族ポリエ
ステル樹脂としては、合成ポリ乳酸、ポリエチレンサク
シネート、ポリブチレンサクシネート等の生分解性のポ
リエステル樹脂(このような樹脂としては、昭和高分子
株式会社のビオノーレに代表される低分子量脂肪族ジカ
ルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成されるポリ
エステル樹脂を例示することができる)、特開平9−2
35360号、同9−233956号各公報記載の三元
共重合体の脂肪族ポリエステル、特開平7−17782
6号公報記載の乳酸とヒドロキシカルボン酸共重合体等
が挙げられる。脂肪族ポリエステル樹脂は、低分子量の
脂肪族ポリエステルにヘキサメチレンジイソシアネート
のような脂肪族イソシアネートを添加、反応させてウレ
タン結合により高分子量化したものでもよい。生分解性
セルロースエステルとしては、酢酸セルロース、セルロ
ースブチレート、セルロースプロピオネート等の有機酸
エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セ
ルロース等の無機酸エステル;セルロースアセテートブ
チレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸
セルロース等の混成エステルが例示できる。これらのセ
ルロースエステルは、単独で又は二種以上混合して使用
できる。これらのセルロースエステルのうち有機酸エス
テル、特に酢酸セルロースが好ましい。また、ポリペプ
チドとしては、ポリメチルグルタミン酸等のポリアミノ
酸及びポリアミドエステル等が例示できる。ポリアミド
エステルとしては、ε−カプロラクトンとε−カプロラ
クタムより合成される樹脂等が挙げられる。合成高分子
としては、例えば脂肪族ポリエステル樹脂を例にする
と、GPCによる標準ポリスチレン換算で数平均分子量
が20,000以上200,000以下、好ましくは4
0,000以上のものが使用できる。
【0011】天然高分子としては、澱粉、セルロース、
紙、パルプ、綿、麻、毛、絹、皮革、カラギーナン、キ
チン・キトサン質、天然直鎖状ポリエステル系樹脂、又
はこれらの混合物が挙げられる。上記澱粉としては、生
澱粉、加工澱粉及びこれらの混合物が挙げられる。生澱
粉としてはトウモロコシ澱粉、馬鈴箸澱粉、甘藷澱粉、
コムギ澱粉、キャッサバ澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱
粉、コメ澱粉、マメ澱粉、クズ澱粉、ワラビ澱粉、ハス
澱粉、ヒシ澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、物理
的変性澱粉(α−澱粉、分別アミロース、湿熱処理澱粉
等)、酵素変性澱粉(加水分解デキストリン、酵素分解
デキストリン、アミロース等)、化学分解変性澱粉(酸
処理澱粉、次亜塩素酸酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉
等)、化学変性澱粉誘導体(エステル化澱粉、エーテル
化澱粉、カチオン化澱粉、架橋澱粉等)などが挙げられ
る。上記の中、エステル化澱粉としては、酢酸エステル
化澱粉、コハク酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱
粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸エステル化澱
粉、キサントゲン酸エステル化澱粉、アセト酢酸エステ
ル化澱粉など;エーテル化澱粉としては、アリルエーテ
ル化澱粉、メチルエーテル化澱粉、カルボキシメチルエ
ーテル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、ヒド
ロキシプロピルエーテル化澱粉など;カチオン化澱粉と
しては、澱粉と2−ジエチルアミノエチルクロライドの
反応物、澱粉と2,3−エポキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライドの反応物など;架橋澱粉として
は、ホルムアルデヒド架橋澱粉、エピクロルヒドリン架
橋澱粉、リン酸架橋澱粉、アクロレイン架橋澱粉などが
挙げられる。
【0012】本発明において、ラクトン含有樹脂組成物
はラクトン含有樹脂(c)及び樹脂添加剤(d)からな
る。樹脂添加剤としては可塑剤、熱安定剤、滑剤、ブロ
ッキング防止剤、核剤、光分解剤、生分解促進剤、酸化
防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、難燃剤、流滴剤、
抗菌剤、防臭剤、充填材、着色剤又はこれらの混合物が
挙げられる。
【0013】可塑剤としては、脂肪族二塩基酸エステ
ル、フタル酸エステル、ヒドロキシ多価カルボン酸エス
テル、ポリエステル系可塑剤、脂肪酸エステル、エポキ
シ系可塑剤、又はこれらの混合物が例示される。具体的
には、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フ
タル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソデシル(D
IDP)等のフタル酸エステル、アジピン酸−ジ−2−
エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル
(DIDA)等のアジピン酸エステル、アゼライン酸−
ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)等のアゼライン酸エ
ステル、アセチルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、
アセチルクエン酸トリブチル等のヒドロキシ多価カルボ
ン酸エステル、ポリプロピレングリコールアジピン酸エ
ステル等のポリエステル系可塑剤であり、これらは一種
または二種以上の混合物で用いられる。これら可塑剤の
添加量としては、用途によって異なるが、一般にはラク
トン含有樹脂(c)100重量部に対して、3〜30重
量部の範囲が好ましい。(シートであると、5〜15重
量部の範囲が好ましい。)3重量部未満であると、破断
伸びや衝撃強度が低くなり、また30重量部を超える
と、破断強度や衝撃強度の低下をまねく場合がある。
【0014】本発明で用いる熱安定剤としては、脂肪族
カルボン酸塩がある。脂肪族カルボン酸としては、特に
脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸としては、乳酸、ヒドロキシ酪酸等の天
然に存在するものが好ましい。塩としては、ナトリウ
ム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、マグネシウ
ム、マンガン、鉄、亜鉛、鉛、銀、銅等の塩が挙げられ
る。これらは、一種または二種以上の混合物として用い
ることができる。添加量としては、ラクトン含有樹脂
(c)100重量部に対して、0.5〜10重量部の範
囲である。上記範囲で熱安定剤を用いると、衝撃強度
(アイゾット衝撃値)が向上し、破断伸び、破断強度、
衝撃強度のばらつきが小さくなる効果がある。
【0015】本発明で用いる滑剤としては、内部滑剤、
外部滑剤として一般に用いられるものが使用可能であ
る。たとえば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフ
ィン、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、アル
キレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級ア
ルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂
肪酸ポリグリコールエステル、脂肪族アルコール、多価
アルコール、ポリグリコール、ポリクリセロール、金属
石鹸、変性シリコーンまたはこれらの混合物が挙げられ
る。好ましくは、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂等が挙
げられる。滑剤を選択する場合には、ラクトン樹脂やそ
の他の生分解性樹脂の融点に応じて、その融点以下の滑
剤を選択する必要がある。例えば、脂肪族ポリエステル
樹脂の融点を考慮して、脂肪酸アミドとしては160℃
以下の脂肪酸アミドが選ばれる。配合量は、シートを例
にとると、ラクトン含有樹脂(c)100重量部に対
し、滑剤を0.05〜5重量部を添加する。0.05重
量部未満であると効果が充分でなく、5重量部を超える
と物性も低下する。環境汚染を防止する観点から、安全
性が高く、且つFDA(米国食品医薬品局)に登録され
ているエチレンビスステアリン酸アミド、ステアリン酸
アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドが好まし
い。
【0016】上記光分解促進剤としては、例えば、ベン
ゾイン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェ
ノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン
などのベンゾフェノンとその誘導体;アセトフェノン、
α,α−ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノ
ンとその誘導体;キノン類;チオキサントン類;フタロ
シアニンなどの光励起剤、アナターゼ型酸化チタン、エ
チレン−ー酸化炭素共重合体、芳香族ケトンと金属塩と
の増感剤などが例示される。これらの光分解促進剤は、
1種又は2種以上併用できる。
【0017】上記生分解促進剤には、例えば、オキソ酸
(例えば、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、などの炭素数2〜6程度のオキソ酸)、飽和ジ
カルボン酸(例えば、修酸、マロン酸、コハク酸、無水
コハク酸、グルタル酸、などの炭素数2〜6程度の低級
飽和ジカルボン酸など)などの有機酸;これらの有機酸
と炭素数1〜4程度のアルコールとの低級アルキルエス
テルが含まれる。好ましい生分解促進剤には、クエン
酸、酒石酸、リンゴ酸などの炭素数2〜6程度の有機
酸、及び椰子殻活性炭等が含まれる。これらの生分解促
進剤は1種又は2種以上併用できる。
【0018】本発明では、ラクトン含有樹脂(c)を構
成する少なくともラクトン樹脂(a)は所定の放射線照
射処理がされたものである。本発明で、「構成成分ラク
トン樹脂は単独で又は他の少なくとも1の構成成分と共
に放射線照射処理がされたものである」とは、ラクトン
樹脂(a)単独の状態で、ラクトン樹脂(a)と他の生
分解性樹脂(b)との混合物の状態で、ラクトン含有樹
脂(c)に少なくとも一つの樹脂添加剤(d)を配合し
た状態で、成形前、成形中、又は成形後に照射されるこ
とを意味する。従って本発明では、予めラクトン樹脂単
独に所定の放射線照射処理をし、これに合成脂肪族ポリ
エステル樹脂を混合したり、さらに例えば脂肪酸アミド
等を添加して得られる樹脂組成物の他、ラクトン樹脂と
合成脂肪族ポリエステル樹脂又は脂肪酸アミドを混合し
て同様の放射線照射処理をした後に残成分を混合して得
られる樹脂組成物、ラクトン樹脂、合成脂肪族ポリエス
テル樹脂及び脂肪酸アミドを混合して上記放射線照射処
理をして得られる樹脂組成物も使用できる。更にこの三
成分が混合された状態で放射線照射処理がされてなる態
様としては、成形用ペレット製造時の組成物(例えばペ
レット製造のためのストランド等)に照射する態様も、
成形品に照射する態様も含まれる。また、初めに低線量
で照射し、後の段階で高線量で照射する態様も含まれ、
例えばペレット段階ではゲル分率0.01〜10%、好
ましくは0.05〜1.0%になるように照射し、成形
中又は成形後1〜90%、好ましくは10〜90%にな
るように照射することができる。ゲル分率が0.01〜
10%、好ましくは0.05〜5.0%になるように照
射することにより、橋かけが生じて融点が高くなり、引
張強度、引裂強度が向上し、金型からの離型性、ロール
付着が低下し、透明性が高くなる。また、初めに低線量
で照射し、後の段階で高線量で照射する態様も含まれ、
例えばペレット段階ではゲル分率0.01〜10%、好
ましくは0.05〜5.0%になるように照射し、成形
中又は成形後5〜90%、好ましくは10〜90%にな
るように照射することができる。これにより、未照射の
ものよりも溶融粘度が高くなるので、より高温度で形状
を保持して再度照射することができて、橋かけが高い確
率で起こり、耐熱性が向上する。
【0019】本発明に係る放射線照射処理に使用される
放射線源としては、α線、β線、γ線、X線、電子線、
紫外線等を使用することができるが、コバルト60から
のγ線、電子線、X線がより好ましく、中でもγ線、電
子加速器の使用による電子線照射処理が高分子材料の橋
かけ構造導入には最も便利である。
【0020】照射量は、高分子材料の橋かけ構造導入の
目安になるラクトン樹脂のゲル分率を一つの尺度として
決められる。成形前のラクトン樹脂に照射する場合に
は、成形性を考慮すると、ゲル分率が0.05〜10%
であり、例えばフィルムでは0.1〜1%程度が好まし
い。成形品に照射する場合には、ラクトン樹脂のゲル分
率は90%程度まで高くすることができる。ゲル分率を
10%以上にする場合、橋かけは高分子材料の非結晶領
域を中心にして起こるため、室温付近での照射処理では
例えば200kGyといった大線量を要し、融点近傍で
の処理では多数のボイドが発生して強度を低下させる傾
向を有する。従って、このような場合には、ラクトン樹
脂を融点(ポリカプロラクトンでは60℃)以上で融解
後結晶化に至らない温度(ポリカプロラクトンでは50
〜35℃)まで冷却した状態で行われる。この状態で上
記処理をすることにより、低い線量で極めて高いゲル分
率のものが得られる。上記のごとく放射線照射処理条件
の1として「融解後結晶化に至らない状態」なる条件を
特定したが、ここに言う「結晶化に至らない状態」と
は、正確には特定できなが、架橋が非結晶部で起こるた
め、非結晶状態であることが優位である状態をいう。室
温状態におけるよりも結晶化度が低ければ、それに応じ
た照射効果はある。なお、ラクトン樹脂単独での処理で
はなくて、他の成分とからなる前記種々の組成物での処
理の場合においても上記ラクトン樹脂成分の溶融状態の
みを考慮すれば充分である。
【0021】本発明におけるラクトン樹脂の放射線処理
の効果について観察した結果、架橋度合いについてゲル
分率及びMIを測定したところ、放射線照射線量が10
kGyに達した時点で効果が出始め、ゲル分率は100
kGyで急激な立ち上がりが見られ、MIは60kGy
で更に低下し、それ以上の線量では安定する傾向が見ら
れる。生分解性については、汚泥中での測定をしたとこ
ろ、放射線照射線量が高いほど分解率は向上するほか、
4〜5日間の浸漬で生分解が開始され、約10日後に分
解率50%の結果が得られた。その他、機械的特性(引
張強度、引張伸度、引裂強度、衝撃強度)、ニップロー
ルに対するフィルムのアンチブロッキング性等の向上も
見られた。
【0022】本発明において、ラクトン含有樹脂又はラ
クトン含有樹脂組成物を成形して各種成形品を得ること
ができる。成形はペレット、板、パリソン等のプリフォ
ームへの1次成形、それらを孔あきシート状ネット、フ
ィルム、テープ、繊維、不織布等に2次成形することが
できる。シートは成形後孔をあけても、孔あきシートに
成形してネットとしてもよい。繊維またはそれからの
糸、繊維束、撚り繊維、ロープ等を縦糸、横糸等に使用
してネットにしたり、テープを縦、横に使用してネット
にしたり、不織布を孔をあけて孔あき不織布ネットにし
たり、不織布を解繊してネットにしたりしてもよい。繊
維やテープは織ったり、編んだりしてネットを製造する
ことができる。また、上記の生分解性樹脂の発泡体を使
用して発泡体材質の生分解性ネットにすることもでき
る。ネットは、目開きに関しては用途によって決まり、
0.001mmから10cmまで種々のものがあり、ま
たネットは一重であっても、多重であってもよく、また
ネットは不織布等と積層されてもよい。このような生分
解性ネットは、そのまま又は更に加工して農業用、漁業
用、土木用、園芸用、果樹クッション用又は日用生活用
品、医療品用特に、おむつ用品、生理用品、包帯等に使
用できる。成形法としては押出成形、射出成形、ブロー
成形、カレンダー成形、圧縮成型、トランスファー成
形、熱成形、流動成形、積層成形、発泡成形、発泡解繊
成形、紡糸等が可能である。
【0023】地盤補強を目的とする土木用メッシュシー
トは、繊維又は繊維束の太さは1,000〜200,0
00デニールが好ましい。また、ネットのメッシュは
0.1〜50mmである。このような繊維等を使用する
ことにより1t/m以上の引張特性を持ったネットが得
られる。土木用メッシュシートは、法面等の地盤を覆う
ように設置してもよいし、土砂をネットの袋に入れて使
用することもできる。
【0024】植栽(又は植生)用ネットしては、繊維又
は繊維束の太さは100〜10,000デニールが好ま
しい。また、ネットのメッシュは0.1〜100mmで
ある。ネットには、培養土、土砂、種子、球根、苗等と
共に肥料、成長促進剤、農業用薬品等を入れて使用する
ことができるし、そのまま、田畑、緑化用地盤に施設す
ることもできる。植栽用ネットしては、また、孔の設け
られたシートを使用することができる。
【0025】医療用ネットとしては、ガーゼ、包帯、マ
スク等である。
【0026】おむつ用あるいは生理用品等に使用するネ
ットとしては、繊維又は繊維束の太さは10〜1,00
0デニールが好ましい。また、ネットのメッシュは0.
01〜10mmである。ネットは、また、不織布からで
きていてもよいし、発泡解繊したものをネットとして使
用することもできる。
【0027】園芸用ネットは、花、茶、果実、野菜等の
栽培時に日照調節、野鳥による被害防止等のためにそれ
らにかぶせて使用される。
【0028】果樹用ネットは、短繊維を縦横に並べて溶
着したもの(一体成形でもよい)でミカン等を入れて店
頭に並べるために使用するネット、あるいは発泡体を縦
横に並べて溶着したもの(一体成形でもよい)でリンゴ
等を箱詰めする時のクッション用に使用するネットであ
る。
【0029】漁業用ネットは、引き網、底引き網、刺
網、張り網のほか、たも等のような柄の付いた網等であ
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例により限定されるものでは
ない。なお、実施例中「%」及び「部」とあるのは、特
に断りのない限り重量基準を表す。メルトインデックス
(MI)は190℃における2160g荷重の時の流動
特性を示す値である。先ず、本発明に係るラクトン樹脂
のポリカプロラクトンの放射線照射処理効果についての
前述の説明に加え、参考例を用いてより具体的に説明す
る。
【0031】(参考例1)ポリカプロラクトンのペレッ
ト(メルトインデックス2.57g/10分)を融点以
上に加熱したのち50℃に冷却し、非晶状態にある内に
放射線として電子線を60kGyおよび160kGy照
射したところ、得られた処理ペレットのメルトインデッ
クスはそれぞれ0.05g/10分(後記ゲル分率60
%)および0.03g/10分(ゲル分率80%)であ
った。該未処理ペレットおよび処理ペレットを都市下水
汚泥環境下にて、JIS K6950に準じた25℃、
4週間の生分解性試験に供した。その結果、未照射処理
品の分解率が55%であったのに対し、照射処理品はそ
れぞれ86.2%、77.2%であった。更に照射処理
品を200℃のホットプレスでシート状にし、粉砕した
試料について同様に生分解性試験を行った。その結果、
分解率はそれぞれ87.0%、87.8%であった。照
射線種を電子線からγ線に変えて行い、同様の試験結果
を得た。
【0032】(参考例2)参考例1で使用したポリカプ
ロラクトンに電子線の照射量を15kGyとして常温で
照射した。処理ペレット(メルトインデックスは1.0
g/10分,ゲル分率0.2%)を40mmφのT−ダ
イを設けた押出機(樹脂温度150℃)で押し出し、厚
さ約270μのシートを得た。得られたシートについ
て、常温で、引裂試験、JIS K7211に準拠した
耐衝撃強度試験およびJIS K6782に準じた引張
試験を行い、同様にシート化した未照射処理品の試験結
果と比較した。その結果、未照射処理品、照射処理品の
順に、引張強度(MD:縦方向)は260、280kg
f・cm、同横方向(TD)は210、230kgf・
cm、引張伸度(MD)は1130、1240%、同T
Dは1130、1160%、引裂強度(MD)は16
0、270gf、同TDは190、450gf、耐衝撃
強度試験は23.8、25.2kgf・cmとそれぞれ
向上した。
【0033】(参考例3)参考例1で使用したポリカプ
ロラクトンに常温で、電子線を10、20、40、10
0kGy照射してMIとゲル分率(%)の変化を測定
し、それぞれ順番に下記の値を得た。 電子線照射量(kGy): 0、10、20、40、1
00 MI(g/10min):2.6、1.0、0.5、0.1、0.08 ゲル分率(%):0、0.1、0.2、0.3、23.7
【0034】なお、参考例1〜3において、ポリカプロ
ラクトンに生分解性樹脂ビオノーレを添加したものにつ
いて照射を検討したが、本質的には変わりはなかった。
【0035】参考例3で20kGy照射カプロラクトン
から得られたシートを10cm平方にカットしたサンプ
ルを70℃の温水に浸漬し収縮率を測定した。この結
果、未照射カプロラクトンから得られたシートでは溶融
してしまったが、20kGy照射シートは溶融すること
なく、MD方向に60%TD方向に30%収縮した。
【0036】(生分解性樹脂組成物の調製) 〔調製例1〕ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業
(株)製、商品名プラクセルH7、数平均分子量1.2
8×105)のペレット10gを1.5cm径のガラス
アンプルに入れ、それを真空ラインに連結して空気を除
去してから熔封した。この試料を80℃のオーブン中で
完全融解した後、予め45℃に調節しておいた金属ブロ
ックに差し込み、コバルト60からのγ線により線量率
10kGy/hrで100kGy照射した。照射後はガ
ラスアンプルを開封し、1.5cm径の円柱状PCLを
取り出した。これから厚み約5mmの薄板を切り出し、
200メッシュのステンレス金網に包み、アセトンに2
4時間浸漬し、ゲル分率(不溶分の割合であり、橋かけ
度を表す。)を次式により求めたところ、70%であっ
た。 ゲル分率(%)=(W2/W1)×100 (ここで、W1は浸漬前のPCLの乾燥重量を表し、W2
は浸漬後の不溶分乾燥重量を表す。) 更に、耐熱性を調べるために2〜3mm厚みにスライス
したPCLを200℃の熱プレスによりフィルム状に圧
縮成形したが、得られたフィルムは極めて透明性に優れ
たものであった。耐熱性は高温引張試験機を使って、引
張速度100mm/min、120℃の条件で引張強度
と破断点伸びを求めた。結果は第1表に示す。前記照射
と同程度のゲル分率となるよう調節した照射処理工程を
経たポリカプロラクトン40部、ポリ1,4−ブタンジ
オール−コハク酸エステル60部、流動パラフイン0.
5部及びステアリン酸アミド1部を2軸スクリュータイ
プのベント式押出機(40mm径)に入れ、ダイス温度
180℃で押出して樹脂組成物のペレットを得た。この
樹脂組成物のMIは0.1g/10minであった。
【0037】〔調製例2〕γ線により150kGyの線
量で照射を行った以外は調製例1に記載の照射処理工程
と同様の工程を経たポリカプロラクトンのゲル分率
(%)は82%であった。更に耐熱性の試験を調製例1
記載の方法で行い、その結果を第1表に示した。上記照
射処理工程を経たポリカプロラクトン40部、ポリ1,
4−ブタンジオール−コハク酸エステル60部、流動パ
ラフイン0.5部、ステアリン酸アミド0.8部及び微
粉末シリカ(日本アエロジル社製「アエロジル#20
0」)0.8部を用いて調製例1と同様に樹脂組成物の
ペレットを得た。この樹脂組成物のMIは0.09g/
10minであった。
【0038】〔調製例3〕調製例2に記載の照射処理工
程と同様の工程を経たポリカプロラクトン40部、ポリ
1,4−ブタンジオール−コハク酸エステル60部、流
動パラフイン0.5部、ステアリン酸アミド0.5部及
び微粉末シリカ(同上のアエロジル#200)0.5部
用いて調製例1と同様に樹脂組成物のペレットを得た。
この樹脂組成物のMIは0.09g/10minであっ
た。
【0039】〔調製例4〕調製例2に記載の照射処理工
程と同様の工程を経たポリカプロラクトン40部、ポリ
1,4−ブタンジオール−コハク酸エステル60部、流
動パラフイン0.5部、ステアリン酸アミド0.5部、
微粉末シリカ(同上のアエロジル#200)0.5部及
びトウモロコシ澱粉50部用いて調製例1と同様に樹脂
組成物のペレットを得た。この樹脂組成物のMIは0.
09g/10minであった。
【0040】〔比較調製例1〕未照射ポリカプロラクト
ン40部(耐熱性の試験結果を表1に示す。)、ポリ
1,4−ブタンジオール−コハク酸エステル60部、流
動パラフイン0.5部、ステアリン酸アミド0.8部,
微粉末シリカ(日本アエロジル社製「アエロジル#20
0」)0.8部を用いて調製例1と同様に樹脂組成物の
ペレットを得た。この樹脂組成物のメルトインデックス
は3.9g/10分であった。
【0041】[実施例]調製例1〜4、比較調製例1でそ
れぞれ調製した樹脂組成物のペレットを用いてTダイ押
出成形器により縦延伸倍率5倍でテープを成形した。テ
ープを縦横に並べて熱融着してネットにし、土建用袋に
使用する。調製例1〜4のペレットを用いたテープは成
形性、強度、分解性の点でバランスが取れていた。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、生分解性が向
上し、生分解性ネットの成形性、使用時の物性、廃棄後
の生化学的分解性等の点においてバランスのとれた、生
分解性ネットが得られる。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 67/04 C08L 67/04 93/00 93/00 E02D 17/20 103 E02D 17/20 103A (72)発明者 三友 宏志 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 ダルマワン・ダルウィス 群馬県桐生市天神町1丁目5番1号 群馬 大学工学部内 (72)発明者 村上 禎 千葉県松戸市新松戸南1−323

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクトン樹脂(a)単独もしくはラクト
    ン樹脂(a)と他の生分解性樹脂(b)とからなるラク
    トン含有樹脂(c)、又は該ラクトン含有樹脂(c)と
    樹脂添加剤(d)からなるラクトン含有樹脂組成物
    (e)を成形してなる生分解性ネットであって、該生分
    解性ネットの構成成分ラクトン樹脂は単独で又は他の少
    なくとも1の構成成分と共に放射線照射処理がされたも
    のであることを特徴とする生分解性ネット。
  2. 【請求項2】 ラクトン樹脂(a)が、ε−カプロラク
    トン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメ
    チルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラ
    クトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
    δ−バレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体又
    はこれらの2種以上のモノマーの共重合体、これらの単
    独又は共重合体の混合物である請求項1に記載の生分解
    性ネット。
  3. 【請求項3】 放射線照射処理されたラクトン樹脂のゲ
    ル分率が0.01〜90%である請求項1〜2のいずれ
    かに記載の生分解性ネット。
  4. 【請求項4】 他の生分解性樹脂が、合成及び/又は天
    然高分子である請求項1〜3のいずれかに記載の生分解
    性ネット。
  5. 【請求項5】 合成高分子が、脂肪族ポリエステル、生
    分解性セルロースエステル、ポリペプチド、ポリビニル
    アルコール、又はこれらの混合物からなる請求項4に記
    載の生分解性ネット。
  6. 【請求項6】 天然高分子が、澱粉、セルロース、紙、
    パルプ、綿、麻、毛、絹、カラギーナン、キチン・キト
    サン質、天然直鎖状ポリエステル系樹脂、又はこれらの
    混合物からなる請求項4に記載の生分解性ネット。
  7. 【請求項7】 樹脂添加剤が可塑剤、熱安定剤、滑剤、
    酸化防止剤、紫外線安定剤、帯電防止剤、難燃剤、流滴
    剤、抗菌剤、防臭剤、充填材、着色剤又はこれらの混合
    物である請求項1に記載の生分解性ネット。
  8. 【請求項8】 シート状に成形され、シートが多数の孔
    を有することを特徴とする請求項1に記載の生分解性ネ
    ット。
  9. 【請求項9】 繊維に成形され、該繊維をネットの縦及
    び/又は横糸に使用して得られることを特徴とする請求
    項1に記載の生分解性ネット。
  10. 【請求項10】 テープに成形され、該テープをネット
    の縦及び/又は横に使用して得られることを特徴とする
    請求項1に記載の生分解性ネット。
  11. 【請求項11】 農業用、漁業用、土木用、園芸用、果
    樹クッション用、日用生活品又は医療品用に使用される
    請求項1〜10のいずれかに記載の生分解性ネット。
JP10103394A 1998-03-12 1998-03-31 生分解性ネット Pending JPH11275987A (ja)

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EP99939197A EP0984039A4 (en) 1998-03-12 1999-03-12 RESIN COMPOSITION CONTAINING LACTONE, MOLDED OBJECT IN THE COMPOSITION, AND FILM
US09/423,739 US20020136848A1 (en) 1998-03-12 1999-03-12 Lactone-containing resin composition, molded object thereof, and film

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004208652A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Unitika Ltd 蔓性植物栽培用生分解性ネット及びこれを用いた蔓性植物の栽培方法
KR101071925B1 (ko) * 2008-03-11 2011-10-10 장상호 옥수수 전분으로 이루어진 씨줄을 이용한 녹화용 네트

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