JPH11275930A - 農作物収穫用ベルト - Google Patents

農作物収穫用ベルト

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JPH11275930A
JPH11275930A JP10024798A JP10024798A JPH11275930A JP H11275930 A JPH11275930 A JP H11275930A JP 10024798 A JP10024798 A JP 10024798A JP 10024798 A JP10024798 A JP 10024798A JP H11275930 A JPH11275930 A JP H11275930A
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JP
Japan
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rubber
lightweight
belt
lightweight rubber
hollow body
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JP10024798A
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Koichi Nakagawa
康一 中川
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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  • Belt Conveyors (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Harvesting Machines For Specific Crops (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量ゴム層と非軽量ゴム層とを積層して加硫
一体成形し、軽量ゴム層の体積変化を小さくして狙い通
りの寸法に仕上げ、寸法精度を良好にするとともに農作
物と接触する軽量ゴムが農作物の葉等を傷つけることの
ない程度に低硬度であってしかも引き裂き強度の高い農
作物収穫用ベルトを提供する。 【解決手段】 軽量ゴム5と非軽量ゴム3とを積層した
農作物収穫用ベルト1において、上記軽量ゴムが塩化ビ
ニリデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材中に低沸
点炭化水素を気化させることにより膨張させた高分子中
空体を混練し、さらに発泡剤もゴム100重量部に対し
て2〜30重量部混練したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はほうれん草等を収穫
する農作物収穫用ベルトに係り、詳しくは農作物の葉等
を傷つけることなく収穫でき、しかも引き裂き強度が高
く背面ゴム層の寿命が長い農作物収穫用ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】柔軟性のある軽量ゴムとしては、スポン
ジが良く知られている。しかし、スポンジは伸び、強
度、モジュラス、硬度、引き裂き強度等がいずれも小さ
いばかりか、これらの物性値のバラツキが大きいために
高性能用途には使用できず、また遮水性が悪い等の欠点
もあった。更に、最近では、隔壁材がフェノール樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メタクリル酸メチ
ル、塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリ
塩化ビリニデン・アクリロニトリル共重合体等の有機系
のマイクロカプセルで内部に低沸点炭化水素のように熱
により気化し隔壁材を膨張させる物質を内包したものを
ゴム中に含有させ、ゴムの加硫と同時に隔壁材を膨張さ
せ軽量ゴムとしたものが知られており、例えば特開平8
−53567号公報、特開平4−246440号公報に
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、上記の軽量化ゴ
ムと非軽量ゴムとを接着剤を用いて張り合わせ積層した
ゴム積層物では、接着が不十分であり、軽量化ゴムと非
軽量ゴムの界面で剥離が起き易く、また接着させる工程
が煩雑であるという問題があり、軽量化ゴムと非軽量ゴ
ムとを同時に加硫接着することが強く望まれていた。し
かし、無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、ヒド
ラジン化合物系の発泡剤や上記マイクロカプセルを配合
した発泡ゴム組成物と無発泡ゴム組成物とを同時に加硫
成形した場合、発泡ゴムが加硫前後で大きな体積膨張が
生じるのに対して無発泡ゴム組成物は体積変化がないた
め、得られた積層体は成形型の形状に対して大きく湾曲
変形してしまい目的の形状が得られない大きな難点があ
った。
【0004】また、スポンジゴムを軽量ゴムとして用い
たものでは、強度が低く、農作物収穫用ベルト等の比較
的大きな負荷を受ける用途に用いた場合、軽量ゴムが欠
損しやすく寿命が短くなるという問題があった。
【0005】そこで、塩化ビニリデン、ポリアクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体
から選ばれた隔壁材中に低沸点炭化水素を内包したマイ
クロカプセルを予め加熱して上記低沸点炭化水素を気化
させることにより膨張させ軽量化した高分子中空体をゴ
ム中に混練した未加硫の軽量ゴムと、上記高分子中空体
を含有しない未加硫の非軽量ゴムとを積層して一体的に
加硫した軽量ゴムを用いたゴム積層物を有する農作物収
穫用ベルトが開発された。しかし、上記軽量ゴムでもス
ポンジと同等かあるいはそれ以上軟らかいゴムとはなら
ず、より軟らかいゴムでの対応はとれていなかった為、
ほうれん草等の軟らかい葉を挟んで収穫するときには、
葉が傷つき問題となっていた。本発明は、これらの点を
考慮し、軽量ゴム層の体積変化を小さくして狙い通りの
寸法に仕上げ、寸法精度を良好にするとともにさらによ
り硬度を低くした軽量ゴムを用いた農作物収穫用ベルト
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、軽量ゴムと非軽量ゴムとを積層したゴム積層
物を有する農作物収穫用ベルトにおいて、上記軽量ゴム
が塩化ビリニデン、ポリアクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔壁材
中に低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させた
高分子中空体と発泡剤とがゴム中に混練されたものであ
り、とりわけ未加硫の軽量ゴムとして隔壁材中に低沸点
炭化水素を内包したマイクロカプセルを予め加熱して上
記低沸点炭化水素を気化させることにより膨張させ軽量
化させた高分子中空体をゴム中に混練したゴム組成物を
使用するために、一体的に加硫しても軽量ゴム層の体積
変化が小さくて、狙い通りの寸法に仕上げ、寸法精度の
良好な積層物を得ることができ、さらに発泡剤を混練す
ることにより一層低硬度の軽量ゴムとすることができ
る。
【0007】本願請求項2に記載の発明では、添加する
発泡剤が少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれ
たひとつである。請求項2記載の発明によると、上記高
分子中空体のみを混練したゴム組成物を使用する場合に
比べて確実にゴム硬度を低下させることができる。
【0008】本願請求項3に記載の発明では、添加する
高分子中空体として、低沸点炭化水素が完全に気化して
隔壁材が膨張しているものを使用するために、加硫時の
積層一体化の際にはより非軽量ゴムの体積変化が小さく
なって寸法精度の良好な積層物を得ることができる。
【0009】本願請求項4記載の発明では、添加する高
分子中空体として、その表面に潤滑剤が付着したものを
使用するために、膨張した高分子中空体がゴム組成物の
混練時にゴムとの滑りが良好になりパンクしにくくな
る。
【0010】本願請求項5記載の発明では、添加する高
分子中空体の体積分率が5〜80%である。
【0011】本願請求項6記載の発明では、添加する発
泡剤がゴム100重量部に対して2〜30重量部である
ことにより、適当な硬度及び引き裂き強さを有すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用するゴムとしては、
天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴ
ム、エチレン−プロピレンゴムのようなエチレン−α−
オレフィン系共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、
水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニトリルゴ
ムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、アルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、クロ
ロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)等を主成分
とし、これにカーボンブラックのような補強剤、充填
剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加硫
剤等が添加混合される。
【0013】本発明の軽量ゴム層に添加する膨張した高
分子中空体は、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、及びこれらの共重合体から
選ばれた比較的耐熱性に優れた隔壁材中にイソブタン、
n−ペンタンのような低沸点炭化水素を内包したマイク
ロカプセルを、予め120〜200°Cで加熱して上記
低沸点炭化水素を気化させることにより元の体積の数十
倍に膨張させた高分子中空体であり、低沸点炭化水素を
完全に気化させることにより加硫中にはほとんど膨張し
ないものが好ましい。高分子中空体が加硫中に膨張する
と、成形体の体積変化が大きくなり、狙い通りの寸法に
仕上げ、寸法精度を高めることができない。ここで言う
マイクロカプセルは隔壁材中に内包した低沸点炭化水素
が気化していない状態のものである。
【0014】本発明の軽量ゴム層に添加する発泡剤は、
少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物、
ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれたひとつ
である。そして、無機発泡剤としては重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムが使用で
き、ニトロソ化合物としては、N,N’−ジニトロソ・
ペンタメチレン・テトラミンやN,N’−ジメチル−
N,N’−ジニトロソ・テレフタルアミドが使用でき
る。また、アゾ化合物としては、アゾカルボンアミド、
アゾビス・イソブチロニトリル、バリウム・アゾジカル
ボキシレートが使用できる。さらに、ヒドラジン化合物
としては、ベンゼン・スルホニル・ヒドラジド、トルエ
ン・スルホニル・ヒドラジドが使用できる。
【0015】上記高分子中空体は、その表面に予め潤滑
剤を付着したものを使用するのが好ましい。潤滑剤を付
着した高分子中空体はゴム組成物の混練時にゴムとの滑
りが良好になりパンクしにくくなるためである。ここで
使用する潤滑剤は、プロセスオイル、DOP、パラフィ
ンワックスのようなオイルや可塑剤である。高分子中空
体を液状の潤滑剤に浸けたり、また高分子中空体と潤滑
剤を混ぜ合わせることにより、潤滑剤を付着することが
できる。
【0016】上記高分子中空体の添加量は、体積分率が
5〜80%であり、好ましくは20〜70%である。8
0%重量部を越えると、高分子中空体のゴムへの混練り
が困難になり引張強度、伸び等の機械的強度が低下して
好ましくなく、また5%未満では軽量化する目的を達成
することができない。
【0017】上記発泡剤の添加量は、ゴム100重量部
に対して2〜30重量部であり、好ましくは3〜20重
量部である。30重量部を越えると軽量ゴムの引裂強度
が低下し、農作物を軽量ゴムにて挟んで収穫する際に軽
量ゴムが早期に摩滅したり引き裂かれたりする為ベルト
の寿命が短くなる。一方、2重量部未満であると、ゴム
の硬度を下げるという目的が達成できない。
【0018】上記軽量ゴム層は、ゴムと必要に応じて添
加される充填剤、軟化剤、老化防止剤等とをロール、ニ
ーダー、バンバリーミキサーなどで混練りした後、高分
子中空体や発泡剤及び加硫剤を混合する方法や、オープ
ンロールによりゴムと高分子中空体や発泡剤や加硫剤、
および必要に応じて添加される充填剤、軟化剤、老化防
止剤等を混練りする方法がある。
【0019】一方、非軽量ゴム層は高分子中空体を含ま
ないゴム組成物であり、特に制限されるものではない
が、ゴム種においては軽量ゴムと同じものが界面の接着
を向上させるためにも好ましい。このようにして得られ
たゴム組成物をカレンダーロール等のロールを用いてシ
ートにした後、加硫する。加硫装置としては、モールド
加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加硫機、射出成形機等
を使用することができる。
【0020】軽量ゴム層と非軽量ゴムとを積層したゴム
積層物の製造方法の一例として、以下にその製造方法を
示す。この農作物収穫用ベルト1は、図1に示すように
ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を用いた
ロープからなる心線または帆布からなる心体2を埋設し
たベルト本体3の背面4に湾曲面を有する軽量ゴム層5
を貼着した構造を有している。ベルト本体3はプーリ溝
と嵌合する断面台形状の突起をもった駆動部6を形成し
ている。上記一対のベルトは、図2に示すように軽量ゴ
ム層5の湾曲面同士が嵌合し当接する状態で駆動プーリ
と従動プーリに懸架して使用され、中国野菜、ほうれん
草等の野菜の葉15がこの間に挟持されて、土から引き
抜かれる。
【0021】上記農作物収穫用ベルト1の製造方法で
は、まず図3に示すようにプレス機7の下加熱板8上に
置いた鉄、アルミニウム製の下型10の断面台形状の溝
条部16に未加硫の細長いゴムストリップ17をほぼ充
満するように入れ、その上に接着処置した心体2を下型
10の側部に設けた側壁14の内側に収容してベルト本
体3を順次積層する。尚、上記心体2の表面には、コー
チィングゴム18、19が付着している。
【0022】そして、予め120〜200°Cのオーブ
ン中で加熱して上記低沸点炭化水素を気化させるように
膨張させた高分子中空体をゴム中に混練してシート出し
し、所定形状にカットした未加硫の軽量ゴム20を上記
心体2の表面に積層する。このとき、成形空間21をも
った上型11は、上加熱板9に固定されている。上記未
加硫ゴムの軽量ゴム20は成形空間21の体積の1.0
〜1.5倍になるように調節しておく方が好ましい。
【0023】そして、図4に示すようにプレス機7の上
加熱板9を下降し、加熱加圧してベルト本体3と軽量ゴ
ム20とを加硫一体化するが、この時の加熱温度はゴム
が加硫する温度で特に限定されない。成形した軽量ゴム
20は成形空間サイズよりも大きくなることはなく、目
的とする外観形状の良好な形状になり、同時にベルト本
体3と軽量ゴム20(軽量ゴム層5)の界面は強固に接
合する。これが終わると、未加硫領域のベルト本体3と
軽量ゴム20とを下型10内へ設置して同様に加硫す
る。加硫領域と未加硫領域の境界を冷却する。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1、比較例1〜5 表1に示す配合表の軽量ゴム1(実施例1)、軽量ゴム
2(実施例2)、軽量ゴム3(比較例1)、軽量ゴム4
(比較例2)、軽量ゴム5(比較例3)、軽量ゴム6
(比較例4)、軽量ゴム7(比較例5)と非軽量ゴムを
バンバリーミキサーにて混練り後、ロールにて各5mm
厚のシートを押し出した。ここにおいて、軽量ゴム1で
使用した高分子中空体は160°Cで1分間加熱処理し
たものを使用しさらに軽量ゴム1は発泡剤としてヒドラ
ジン化合物であるベンゼン・スルホニル・ヒドラジドを
クロロプレンゴム100重量部に対して3重量部添加し
た。軽量ゴム2としては、軽量ゴム1と同様の高分子中
空体と発泡剤とを添加したが、発泡剤の添加量はクロロ
プレンゴム100重量部に対して30重量部であった。
軽量ゴム3としては160°Cで1分間加熱処理した高
分子中空体を使用し、発泡剤は使用しなかった。軽量ゴ
ム4で使用した高分子中空体は予め熱処理していないマ
イクロカプセルを使用し、発泡剤は使用しなかった。軽
量ゴム5では発泡剤として上記のベンゼン・スルホニル
・ヒドラジドを使用し、高分子中空体は使用しなかっ
た。軽量ゴム6では160°Cで1分間加熱処理をした
高分子中空体を使用し、さらに発泡剤としてベンゼン・
スルホニル・ヒドラジドをクロロプレンゴム100重量
部に対して1重量部添加した。また、軽量ゴム7では軽
量ゴム6と同様の高分子中空体と発泡剤を添加したが、
発泡剤の量はクロロプレンゴム100重量部に対して3
5重量部であった。
【0025】そして、これらの軽量ゴム1、軽量ゴム
2、軽量ゴム3、軽量ゴム4、軽量ゴム5、軽量ゴム
6、軽量ゴム7をそれぞれ非軽量ゴムと重ね合わせて1
0mm厚にした。これを幅25mm、長さ100mm、
深さ10mmに彫り込んだ金型に充填し、153°Cで
20分加硫し、軽量ゴム層の加硫後の比重、未加硫時の
比重、軽量ゴム層の加硫後/未加硫時の体積変化率、硬
度、および積層体の変形の有無を調べた。その結果を表
2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】この結果、予め加熱処理して膨張させた高
分子中空体を使用した上に発泡剤も3重量部以上使用し
た軽量ゴム層を用いた場合には、加硫一体化した積層体
の体積膨張による変形がなく、硬度も低くなっているこ
とがわかる。しかし、予め加熱処理して膨張させた高分
子中空体を使用したのみで発泡剤を用いなかったかある
いは1重量部用いた場合は、硬度が低下しない。更に、
加硫時にマイクロカプセルを膨張させる軽量ゴム層を用
いた場合や、発泡剤のみを使用した場合には、軽量ゴム
層の表面が凸状に膨張変形していた。
【0029】実施例3、4、比較例6 断面台形状の溝条部を有するアルミニウム製の下型をプ
レス機の下加熱板(153°Cに調節)の上にセットし
た。この溝条部に細長い未加硫のクロロプレンゴム組成
物からなるゴムストリップをほぼ充満するように入れ、
更に接着処置した横スダレを下型の側部に設けた側壁の
内側に収容してベルト本体を積層成形した。
【0030】そして、実施例3として実施例1に示す厚
さ10mmの軽量ゴム層1を上記未加硫ゴムシートの表
面に積層した後、上加熱板(153°Cに調節)を下降
してベルト本体と軽量ゴム層1とを加熱加圧して加硫一
体化した。続いて、未加硫の無端ベルト本体と軽量ゴム
層1の積層物を順次下型に送り込み、上記と同様に加硫
一体化して農作物収穫用ベルトを作製した。同様にして
実施例3と同じ方法で実施例2に示す厚さ10mmの軽
量ゴム層2を用いて農作物収穫用ベルトを作製して実施
例4とした。次に、実施例3と同じ方法で比較例5に示
す厚さ10mmの軽量ゴム層6を用いて農作物収穫用ベ
ルトを作製して比較例6とした。さらに、実施例3と同
じ方法で比較例4に示す厚さ10mmの軽量ゴム層7を
用いて農作物収穫用ベルトを作製して比較例7とした。
【0031】この結果、得られた実施例3のベルトの軽
量ゴム層は、寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好
で、硬度も40°(アスカC型硬度計)であった。ま
た、同様に実施例4のベルトの軽量ゴム層も寸法変化が
なく、外観も凹凸がなく良好で、硬度も35°(アスカ
C型硬度計)であった。比較例6のベルトの軽量ゴム層
も寸法変化がなく、外観も凹凸がなく良好であったが、
硬度は52°(アスカC型硬度計)であった。比較例7
のベルトの軽量ゴム層も寸法変化がなく、外観も凹凸が
なく良好で、硬度も30°(アスカC型硬度計)であっ
た。上記得られた一対のベルトを各軽量ゴム層が接触す
るように農作物収穫機の駆動プーリと従動プーリに掛け
渡し、実際にほうれん草の葉を軽量ゴム層間に挟持して
実機テストを行い、軽量ゴム層とベルト本体間の剥離状
態および軽量ゴム層の表面状態を評価した。その結果を
表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】表3からもわかるように、実施例3及び4
はベルト状態、ほうれん草の葉の状態共に問題がなく、
十分にほうれん草が収穫できた。しかし、比較例6は葉
と接触するゴム層の硬度が高いために、葉を傷つける結
果となった。比較例7はベルト表面の欠損が多数発生し
ており、予め加熱処理して熱膨張させた高分子中空体を
使用した上に発泡剤を30重量部を越える量を使用する
と早期寿命に至る可能性があることがわかる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本願請求項1記載の発明で
は、軽量ゴム層と非軽量ゴムとを積層したゴム積層物を
有する農作物収穫用ベルトにおいて、未加硫の軽量ゴム
として隔壁材中に低沸点炭化水素を内包したマイクロカ
プセルを予め加熱して上記低沸点炭化水素を気化させる
ことにより膨張させた高分子中空体及び発泡剤をゴム中
に混練したゴム組成物を使用するために、一体的に加硫
しても軽量ゴムの体積変化が小さくて、狙い通りの寸法
に仕上げ、寸法精度の良好な積層物を得ることができ、
さらに発泡剤を混練することにより一層低硬度の軽量ゴ
ムとすることができる。
【0035】本願請求項2記載の発明では、添加する発
泡剤が少なくとも無機発泡剤、ニトロソ化合物、アゾ化
合物、ヒドラジン化合物系の発泡剤のうちから選ばれた
ひとつであるために、上記高分子中空体のみを混練した
ゴム組成物を使用する場合に比べて確実にゴム硬度を低
下させることができる。
【0036】本願請求項3に記載の発明では、添加する
高分子中空体として、低沸点炭化水素が完全に気化する
ように隔壁材が膨張しているものを使用するために、加
硫時の積層一体化の際にはより非軽量ゴムの体積変化が
小さくなって寸法精度の良好な積層物を得ることができ
る効果がある。
【0037】本願請求項4に記載の発明では、添加する
高分子中空体として、その表面に潤滑剤が付着したもの
を使用するために、膨張した高分子中空体がゴム組成物
の混練時にゴムとの滑りが良好になりパンクしにくくな
る効果がある。
【0038】本願請求項6に記載の発明では、添加する
発泡剤がゴム100重量部に対して2〜30重量部であ
ることにより、適当な硬度及び引き裂き強さを有するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農作物収穫用ベルトの断面図である。
【図2】本発明の農作物収穫用ベルトの使用状態を示し
たところの断面図である。
【図3】本発明の農作物収穫用ベルトの各構成材料を積
層成形しているところの断面図である。
【図4】本発明の農作物収穫用ベルトを製造している状
態の断面図である。
【符号の説明】
1 農作物収穫用ベルト 2 心体 3 ベルト本体 5 軽量ゴム層 6 駆動部 7 プレス機 10 下型 11 上型 14 側壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 27/06 C08L 27/06 33/20 33/20 // B29K 105:04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽量ゴムと非軽量ゴムとを積層したゴム
    積層物を有する農作物収穫用ベルトにおいて、上記軽量
    ゴムが塩化ビリニデン、ポリアクリロニトリル、メタア
    クリロニトリル、及びこれらの共重合体から選ばれた隔
    壁材中に低沸点炭化水素を気化させることにより膨張さ
    せた高分子中空体と発泡剤とがゴム中に混練されたもの
    であることを特徴とする農作物収穫用ベルト。
  2. 【請求項2】 添加する発泡剤が少なくとも無機発泡
    剤、ニトロソ化合物、アゾ化合物及びヒドラジン化合物
    のうちから選ばれたひとつである請求項1記載の農作物
    収穫用ベルト。
  3. 【請求項3】 添加する高分子中空体は、低沸点炭化水
    素が完全に気化して隔壁材が膨張している請求項1に記
    載の農作物収穫用ベルト。
  4. 【請求項4】 添加する高分子中空体は、その表面に潤
    滑剤が付着している請求項1記載の農作物収穫用ベル
    ト。
  5. 【請求項5】 添加する高分子中空体の体積分率が、5
    〜80%である請求項1記載の農作物収穫用ベルト。
  6. 【請求項6】 添加する発泡剤がゴム100重量部に対
    して2〜30重量部である請求項2から5のいずれかに
    記載の農作物収穫用ベルト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016031112A1 (ja) * 2014-08-26 2016-03-03 バンドー化学株式会社 伝動ベルト及びその製造方法

Cited By (2)

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WO2016031112A1 (ja) * 2014-08-26 2016-03-03 バンドー化学株式会社 伝動ベルト及びその製造方法
JPWO2016031112A1 (ja) * 2014-08-26 2017-06-08 バンドー化学株式会社 伝動ベルト及びその製造方法

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