JPH11275715A - 浮上案内コイル異常探知装置 - Google Patents

浮上案内コイル異常探知装置

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JPH11275715A
JPH11275715A JP9077098A JP9077098A JPH11275715A JP H11275715 A JPH11275715 A JP H11275715A JP 9077098 A JP9077098 A JP 9077098A JP 9077098 A JP9077098 A JP 9077098A JP H11275715 A JPH11275715 A JP H11275715A
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coils
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裕之 鈴木
Hiroshi Suwa
博 諏訪
Kazuo Sawada
一夫 澤田
Takeshi Umeki
健 梅木
Hirotaka Natsuhara
博隆 夏原
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Central Japan Railway Co
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目視検査や端子からの通電検査によらずに、
浮上案内コイルの異常を浮上式鉄道のガイドウェイに沿
って迅速に探知する。 【解決手段】 浮上式鉄道のガイドウェイに沿って移動
可能なフレーム上にガイドウェイ両側壁に設けられた浮
上案内コイルに対向するように励振コイル 1a,1bと検出
コイル2a,3a,2b,3b および補償コイル4a,5a,4b,5b を設
け、励振コイルを励振することにより浮上案内コイル中
に誘導される誘導電流を検出コイルで検出し、その振幅
の現われ方が、誤結線、短絡、断線等により異なること
に着眼して識別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮上式鉄道におい
てガイドウェイに沿って敷設されている浮上案内コイル
の誤結線、短絡、断線というような、設置工事時或いは
運用中に発生した異常を探知する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】浮上式鉄道における浮上案内コイルはガ
イドウェイに沿って左右両側に敷設されており、この間
を超電導磁石を搭載した車両が進行することになる。こ
の浮上案内コイルおよびそのヌルフラックス結線を斜視
的に示すと図24のようになる。(a)は左右の側壁に
8の字状に結線したコイルを設けているので8の字コイ
ルと呼ばれており、(b)は左右の側壁に田の字状に8
の字コイルが設けられているので田の字コイルと呼ばれ
ている。このような浮上案内コイルおよび結線が軌道全
長に渡って設けられることになる。このような敷設工事
においては、誤結線、短絡、結線もれの発生の可能性が
ないとは言えないから、敷設工事後必ずこのような異常
の有無を検査確認する必要がある。
【0003】また、敷設工事完了後異常はなくともその
後の何らかの原因により短絡や断線等の異常は発生する
ことが有り得る。従って、それに対応した検査確認の必
要が生ずる。従来このような検査確認作業としては、目
視による検査および通電検査が考えられて来た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な目視による検査ではコイルの層間短絡のように発見不
可能な異常もありうるし、通電検査では一々接続端子を
外して行わなければならず非常に手間がかかるという問
題点がある。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みて、目視検査や端子からの通電検査に頼らずに、コ
イルであることの特性に着眼し、電磁誘導作用を利用し
た誘導電流の検出により浮上式軌道に沿って迅速な異常
探知が可能な浮上案内コイル異常探知装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の浮上案内コイル異常探知装置は、浮上式
鉄道のガイドウェイに沿って移動可能なフレーム上に下
記の構成を具備したことを特徴とするものである。 (イ) 浮上式鉄道のガイドウェイ両側の側壁に沿って
設けられた浮上案内コイルに対向するように、フレーム
両側に設けられた励振コイル (ロ) 励振コイルに励振電流を流すことによって浮上
案内コイル中に流れる誘導電流を電磁誘導作用により検
出する検出コイル (ハ) 検出コイルの近傍に設けられ、励振コイルから
検出コイルへの誘導を相殺する電磁界を発生する補償コ
イル (ニ) 励振コイルへ励振用交流電流を供給する電流供
給回路 (ホ) 検出コイルで検出された電圧・電流の大きさを
測定する振幅測定器
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、浮上式鉄
道のガイドウェイに沿って移動可能なフレーム、例えば
車輪の付いた人力或いは動力により移動可能な台車上
に、励振コイル、検出コイルおよび補償コイルを設け
る。励振コイルおよび検出コイルは、左右の側壁に沿っ
て設けられている浮上案内コイルと磁束の交錯が可能な
ように浮上案内コイルと対向させるようにして設ける。
このような設定のもとに、励振コイルに励振用交流電流
を流すことによって、浮上案内コイルに誘導電流を誘起
せしめ、この誘導電流を、浮上案内コイルから検出コイ
ルへの誘導作用によって検出コイルで検出する。
【0008】このように検出コイルも浮上案内コイルと
磁束の交錯が可能な位置に設けられているので、励振コ
イルから検出コイルへの直接の誘導ということが生じ、
浮上案内コイルの誘導電流だけを検出することができな
くなるので、この励振コイルからの誘導を相殺するため
の補償コイルが設けられ、検出コイルに対する励振コイ
ルからの誘導と補償コイルからの誘導が互いに打ち消し
合うように設けられている。こうすることによって、浮
上案内コイルに誘起された誘導電流を確実に検出するこ
とができる。
【0009】ところで、この浮上案内コイルに流れる電
流は、浮上案内コイルのヌルフラックス結線に誤結線が
あったり、結線抜けがあったり、断線や短絡等の異常が
あった場合には、正常に結線されている場合と較べて、
それぞれ異なった電流の流れ方になる。従って、予め発
生の可能性のある種々の異常パターンを人為的に作出
し、その状態で励振コイルを励振したときの浮上案内コ
イル中に流れる誘導電流を検出し、正常な結線時におけ
る誘導電流との相違を予め把握しておくことにより、設
置工事完了の検査時、或いは、設置後の点検時或いは異
常発生時に、励振コイルを励振しながら台車を移動させ
つつ、検出コイルにより浮上案内コイル中の誘導電流を
観測することにより、ガイドウェイのどの位置の浮上案
内コイルにどのような異常が発生しているかを即座に判
断することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の浮上案内コイル異常探知装置
の実施例を図面を参照して説明する。図1は、本発明の
浮上案内コイル異常探知装置の実施例の構造図で、
(a)は平面図であり、(b)は正面図である。浮上式
鉄道の走行路上をガイドウェイに沿って移動可能なよう
に下面に移動車輪9および両側に案内車輪10を有する
架台8に、ガイドウェイの左右両側壁に設けられた浮上
案内コイルに対向するようにして左右両側に励振コイル
1a,1b、検出コイル2a,3a,2b,3bおよび
補償コイル4a,5a,4b,5bが設けられている。
また架台8上には励振コイル1a,1bへ電流を供給す
るための電流供給回路6および検出コイル2a,3a,
2b,3bで検出された浮上案内コイル中の誘導電流の
振幅を測定する振幅測定器7が搭載されている。以上の
うち、励振コイル1a,1b、検出コイル2a,3a,
2b,3bおよび補償コイル4a,5a,4b,5bを
斜視的に図示したのが図2である。但しコイル間の接続
は省略してある。
【0011】そして、その接続関係の一例は図3に示す
通りである。浮上案内コイルについては、8の字コイル
のヌルフラックス結線の場合を示してある。左側の励振
コイル1aは補償コイル4aおよび5aと直列に接続さ
れており、右側の励振コイル1bは補償コイル4bおよ
び5bと直列に接続されており、この2つの直列回路へ
は電流供給回路6からスイッチ16,17を経て50H
zの交流電流が供給される。スイッチ16がS1 の方に
接続され、スイッチ17がS2 の方に接続されたときは
左右の直列回路が直列になって励振される。これに対し
てスイッチ16と17がともにS1 に接続されたときは
左側の直列回路のみが励振され、逆にスイッチ16と1
7がともにS2 の方に接続されたときは右側の直列回路
のみが励振される。
【0012】このように、片側の直列回路だけが励振さ
れるようになっているのはヌルフラックス線19が断線
した場合を探知するためである。即ちヌルフラックス線
19が断線すると左右いずれかのみを励振した場合、励
振された側の浮上案内コイルには誘導電流が流れるが、
励振されなかった側の浮上案内コイルには誘導電流は流
れないから両側の検出コイルの出力を見ることによって
ヌルフラックス線の断線が探知できることになるという
ものである。
【0013】今、スイッチ16がS1 に、スイッチ17
がS2 に接続された状態(図3の状態)では左右のコイ
ルすべてが直列状態になって交流電流が流れる。励振コ
イル1aに励振電流が流れると対向している浮上案内コ
イル11aおよび12aに起電力が誘起され、一方励振
コイル1bに励振電流が流れると対向している浮上案内
コイル11bおよび12bに起電力が誘起される。この
起電力により、浮上案内コイルの正規のヌルフラックス
接続状態、短絡、断線、誤結線に応じた電流が浮上案内
コイル中に流れることになる。浮上案内コイルの正規の
異常のない接続状態においては、左右直列に励振したと
きには、各浮上案内コイルに誘起された起電力の相殺に
よって殆ど電流が流れないようになっている。
【0014】浮上案内コイルのヌルフラックス線の誤結
線、断線、短絡等の各状態で浮上案内コイルに誘導電流
が流れると、その誘導により検出コイルに起電力が誘起
される。即ち、浮上案内コイル11aに誘導電流が流れ
ると検出コイル2aに起電力が誘起され、浮上案内コイ
ル12aに誘導電流が流れると検出コイル3aに起電力
が誘起される。
【0015】同様に浮上案内コイル11bに誘導電流が
流れると検出コイル2bに起電力が誘起され、浮上案内
コイル12bに誘導電流が流れると検出コイル3bに起
電力が誘起される。なお、検出コイル2aおよび3aに
対しては励振コイル1aからの誘導があるが、検出コイ
ル2aへの誘導は補償コイル4aからの誘導で相殺し、
検出コイル3aへの誘導は補償コイル5aからの誘導に
より相殺している。同様に、励振コイル1bから検出コ
イル2bへの誘導は補償コイル4bからの誘導で相殺
し、励振コイル1bから検出コイル3bへの誘導は補償
コイル5bからの誘導によって相殺している。
【0016】本実施例では、補償コイルは励振コイルの
両端に直列に接続され励振コイルに流れる電流と同じ電
流が流れているが、何ら直列で同じ電流である必要はな
く、並列であっても、電流値が異なっていても、要する
に検出コイルに対する励振コイルからの電磁誘導を相殺
するような電磁界を発生すればよいものである。
【0017】かくして、検出コイル2aは対向する浮上
案内コイル11a内に生じた誘導電流を検出でき、検出
コイル3aは対向する浮上案内コイル12a内に生じた
誘導電流を検出でき、検出コイル2bは対向する浮上案
内コイル11b内に生じた誘導電流を検出でき、検出コ
イル3bは対向する浮上案内コイル12b内に生じた誘
導電流を検出することができることになる。図3は、簡
易試験のためスイッチ16、17で回路を切り換えてい
るが本使用の場合は、右,左,右+左用に周波数の異な
る電源を用い、検出(オシロスコープ)の前にフィルタ
を入れてそれぞれ分離する。すなわち1回の走行で3種
を同時に測定することができる。
【0018】以下、図24の(b)に示すヌルフラック
ス結線の浮上案内コイルに対して模擬的に異常を生ぜし
め、本発明の異常探知装置によって検出した浮上案内コ
イル内の誘導電流振幅の測定データをオシロスコープに
よって観測した例を示す。図4および図5に浮上案内コ
イルのヌルフラックス結線の正常および異常の状態を示
す。図4の(a)が正常な状態であって図24の(b)
に対応する結線状態を示す。(b)、(c)、(d)は
それぞれ誤結線模擬A、同B、同Cの結線状態を示す。
【0019】図5の(a)は端子間短絡状態を示し、
(b)は上側の田の字コイルの左上コイル中に層間短絡
を生じた場合を示し、(c)は3本のヌルフラックス線
のうち左側のものが断線した場合を示し、(d)は3本
のヌルフラックス線のうち中央のヌルフラックス線が断
線した場合を示す。そして、ガイドウェイの側壁に沿っ
て多数配列された浮上案内コイルの1箇所に図4および
図5に示されるような模擬状態を作出し、この浮上案内
コイルの間を本発明の浮上案内コイル異常探知装置を、
励振コイル1aおよび1bに励振電流(50Hzの交流
電流)を流しながら移動させていく。
【0020】このとき、浮上案内コイルに流れる電流に
よって検出コイル2aおよび3aに誘起される起電力の
和を左側和分とし、検出コイル2bおよび3bに誘起さ
れる起電力の和を右側和分とし、これらの電圧をオシロ
スコープの励振端子に入力し、水平掃引を探知装置の移
動速度に対応する速度で掃引させその波形を観測すると
図6〜図11のようになる。
【0021】励振コイル1aおよび1bを直列即ち、図
3のスイッチ16をS1 に接続し、スイッチ17をS2
に接続して励振したとき、浮上案内コイルのヌルフラッ
クス結線が正常(即ち図4の(a))であれば浮上案内
コイルには殆ど電流が流れない。このときの左側和分の
波形が図6の(a)であり、右側和分の波形が図6の
(b)である。次に、図4の(b)に示すような誤結線
模擬Aを作出し、励振コイル1aおよび1bを直列励振
して、左側和分、右側和分の電圧波形を見ると図6の
(c)および(d)のようになる。同様に、図4の
(c)のような誤結線模擬Bの場合には、図7の(a)
および(b)のような電圧波形が得られ、図4の(d)
のような誤結線模擬Cの場合には図7の(c)および
(d)のような電圧波形が得られる。
【0022】次に短絡の場合について、図5の(a)の
ような端子間短絡模擬を作出し、励振コイル1aおよび
1bを直列励振した場合の検出コイル出力電圧波形は図
8の(a)および(b)のようになる。図5の(b)
は、上側(左側)の浮上案内コイルのうち左上の単位コ
イルに層間短絡を生じた場合を作出したものであり、励
振コイル1aおよび1bを直列励振した場合の検出コイ
ルの出力電圧波形は図8の(c)および(d)のように
なる。
【0023】次に断線の場合は、ヌルフラックス線の断
線の二通りの場合が図5の(c)および(d)に示され
ている。これらは左側浮上案内コイルと右側浮上案内コ
イルを結ぶ線の断線であるから、一方の側のみを励振し
た場合、励振した側の出力電圧と反対側の出力電圧がこ
となることになる点に着眼し、左側のみを励振した場合
の左側和分および右側和分と、右側のみを励振した場合
の左側和分および右側和分とを観測した。
【0024】まず、最初に断線のない正常な結線の場合
即ち、図4の(a)の場合について、異常探知装置のス
イッチ16およびスイッチ17をともにS2 へ接続し、
右側の励振コイル1bのみを励振したときの左側和分の
電圧波形が図9の(a)であり、右側和分の電圧波形が
図9の(b)である。次に、スイッチ16およびスイッ
チ17をともにS1 へ接続し、左側の励振コイル1aの
みを励振したときの左側和分の電圧波形が図9の(c)
であり、右側和分の電圧波形が図9の(d)である。い
ずれも充分な振幅のほぼ同様な波形が得られる。
【0025】次に、図5の(c)の断線模擬Aの状態を
作出し、右側の励振コイル1bのみを励振したときの左
側和分の電圧波形が図10の(a)であり、右側和分の
電圧波形が図10の(b)である。逆に左側の励振コイ
ル1aのみを励振したときの左側和分の電圧波形が図1
0の(c)であり、右側和分の電圧波形が図10の
(d)である。いずれも異常探知装置の検出コイル2
a,3a,2b,3bが浮上案内コイルのうち断線した
ヌルフラックス線に接続される8の字コイルの位置に来
たときには電圧波形の振幅は大幅に減少し、且つ励振し
た側の方の振幅が反対側の方の振幅に比較して若干大き
く現れるという特徴を有する。
【0026】もう1つの断線状態である図5の(d)の
断線模擬Bを作出し、右側の励振コイル1bのみを励振
したときの左側和分の電圧波形は図11の(a)のよう
になり、右側和分の電圧波形は図11の(b)のように
なる。逆に、左側の励振コイル1aのみを励振したとき
の左側和分の電圧波形は、図11の(c)のようにな
り、右側和分の電圧波形は図11の(d)のようにな
る。いずれも異常探知装置の検出コイル2a,3a,2
b,3bが断線を生じている浮上案内コイルの2つの8
の字コイルの位置に来たときに2箇所でほぼ同じ程度に
振幅が減少する一方、谷部分の振幅が正常な谷部分の振
幅より大きく現れるという特徴を有する。
【0027】以上、図6から図11に示したように、浮
上案内コイルの各異常態様に対応して、浮上案内コイル
内に流れる誘導電流の振幅特性には顕著な特徴が現れる
ので、予めこれらの特徴を把握しておくことにより異常
の存否およびその態様を即座に知ることができる。
【0028】次に、本発明の浮上案内コイル異常探知装
置を用いて異常探知を行う場合に、探知装置の位置が浮
上案内コイルに対する正常位置から変位した(ずれた)
場合に検出コイルの出力振幅にどの程度の変化があるか
の確認を行ったのでそれについて述べる。確認の方法と
しては、上下変位では正常位置(即ち変位が0)および
正常位置から上方へ10mm、20mm、30mmの各変位に
対する検出コイルの和分電圧を測定した。傾斜変位につ
いては正常位置(即ち変位が0)および右側をその位置
に固定したまま左側を上方へ10mm、20mm、30mmと
変位させ各変位に対する検出コイルの和分電圧を測定し
た。左右変位についても、正常位置(即ち変位が0)お
よび10mm、20mm、30mmの各変位に対する検出コイ
ルの和分電圧を測定した。これらの測定結果を表形式で
表示したのが図12、図13、図14である。
【0029】図12は、正常結線、誤結線模擬A、同
B、同C、端子間短絡模擬、層間短絡模擬については両
側励磁し、各変位の状態に対して左右検出コイルの両側
和分電圧をミリボルト単位で測定したデータである。図
13は、正常結線、断線模擬A、断線模擬Bについて、
右側のみ励振し、左側の検出コイル2a,3aの和分電
圧をミリボルト単位で測定したデータである。図14
は、正常結線、断線模擬A、断線模擬Bについて、左側
のみ励振し、右側の検出コイル2b,3bの和分電圧を
ミリボルト単位で測定したデータである。
【0030】以上のような各変位に対する測定値の変化
が、本発明の異常探知装置の実用に支障を来すものであ
るのか否かの判断をし易くするため図12、図13、図
14のデータをグラフ化したのが図15ないし図23で
ある。図15は、図12中の上下変位に対するデータ
を、横軸を変位量、縦軸を電圧値としてグラフ化したも
のであり、図16は図12中の傾斜変位に対するデータ
をグラフ化したものであり、図17は図12中の左右変
位に対するデータをグラフ化したものである。
【0031】図18は、図13中の上下変位に対するデ
ータを、横軸を変位量、縦軸を電圧値としてグラフ化し
たものであり、図19は、図13中の傾斜変位に対する
データをグラフ化したものであり、図20は、図13中
の左右変位に対するデータをグラフ化したものである。
【0032】図21は、図14中の上下変位に対するデ
ータを、横軸を変位量、縦軸を電圧値としてグラフ化し
たものであり、図22は、図14中の傾斜変位に対する
データをグラフ化したものであり、図23は、図14中
の左右変位に対するデータをグラフ化したものである。
【0033】以上各グラフを見れば変位に対する電圧値
の変化は認められるものの、図15、図16、図17に
ついて見れば、正常および誤結線A、誤結線B、誤結線
C、短絡、層間短絡の各異常態様における電圧値の間に
は変位にかかわらず明確な有意の差が維持されているこ
とが認められる。同様に図18ないし図23について見
ても正常、断線A、断線Bにおける各電圧値の間には、
変位にかかわらず明確な有意の差が維持されていること
が認められる。従って、これらのデータから見れば、上
下、傾斜、左右に30mmの変位が生じても異常探知機能
にはいささかの支障もないことが実証されたことにな
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の浮上案内
コイル異常探知装置は、浮上式鉄道のガイドウェイに沿
って移動可能なフレームに設けた励振コイルに励振電流
を流すことによって浮上案内コイル中に流れる誘導電流
をフレーム上の検出コイルによって検出し、その振幅特
性によって異常の有無およびその態様を探知するように
したので、浮上案内コイル側には一切手を加えることな
く、カイドウェイに沿って移動しつつ迅速な異常探知が
実現できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮上案内コイル異常探知装置の実施例
の構造図である。
【図2】本発明装置の主要構成要素である励振コイル、
検出コイル、補償コイルの斜視図である。
【図3】本発明の浮上案内コイル異常探知装置の接続関
係の一例を示す図である。
【図4】浮上案内コイルのヌルフラックス線の正常接続
と誤結線模擬A,B,Cの3態様を示す結線状態図であ
る。
【図5】浮上案内コイルにおける端子間短絡、層間短
絡、およびヌルフラックス線の断線A、断線Bの各模擬
態様を示す結線状態図である。
【図6】(a)および(b)は正常結線で両側励磁の場
合の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であ
り、(c)、(d)は誤結線Aで両側励磁の場合の左側
和分と右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図7】(a)および(b)は誤結線Bで両側励磁の場
合の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であ
り、(c)、(d)は誤結線Cで両側励磁の場合の左側
和分と右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図8】(a)、(b)は端子間短絡で両側励磁の場合
の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であり、
(c)、(d)層間短絡で両側励磁の場合の左側和分と
右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図9】(a)、(b)は正常結線で右側のみ励磁の場
合の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であ
り、(c)、(d)は正常結線で左側のみ励磁の場合の
左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図10】(a)、(b)は断線Aで右側のみ励磁の場
合の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であ
り、(c)、(d)は断線Aで左側のみ励磁の場合の左
側和分と右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図11】(a)、(b)は断線Bで右側のみ励磁の場
合の左側和分と右側和分のオシロスコープ波形図であ
り、(c)、(d)は断線Bで左側のみ励磁の場合の左
側和分と右側和分のオシロスコープ波形図である。
【図12】ヌルフラックス結線において、正常、誤結線
A、誤結線B、誤結線C、端子間短絡、層間短絡の各場
合について、異常探知装置を正常位置から上下、傾斜、
左右に変位を与えた場合の両側励磁、両側和分の電圧デ
ータである。
【図13】ヌルフラックス結線において、正常、断線
A、断線Bの各場合について、異常探知装置を正常位置
から上下、傾斜、左右に変位を与えた場合の、右側励
磁、左側和分の電圧データである。
【図14】ヌルフラックス結線において、正常、断線
A、断線Bの各場合について、異常探知装置を正常位置
から上下、傾斜、左右に変位を与えた場合の、左側励
磁、右側和分の電圧データである。
【図15】図12中の上下変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図16】図12中の傾斜変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図17】図12中の左右変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図18】図13中の上下変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図19】図13中の傾斜変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図20】図13中の左右変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図21】図14中の上下変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図22】図14中の傾斜変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図23】図14中の左右変位に対するデータをグラフ
化した図である。
【図24】浮上案内コイルおよびそのヌルフラックス結
線を傾斜的に示した図であり、(a)は8の字コイルの
ヌルフラックス結線を示す図であり、(b)は田の字コ
イルのヌルフラックス結線を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 励振コイル 2a,2b 検出コイル 3a,3b 検出コイル 4a,4b 補償コイル 5a,5b 補償コイル 6 電流供給回路 7 振幅測定器 8 架台 9 移動車輪 10 案内車輪 11a,11b 浮上案内コイル 12a,12b 浮上案内コイル 16,17 スイッチ 18 オシロスコープ 19 ヌルフラックス線 20,21 端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諏訪 博 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 澤田 一夫 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 梅木 健 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番4号 東海旅客鉄道株式会社内 (72)発明者 夏原 博隆 東京都千代田区永田町2丁目14番2号 日 本鉄道建設公団内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮上式鉄道のガイドウェイに沿って移動
    可能なフレーム上に、下記の各構成を設けたことを特徴
    とする浮上案内コイル異常探知装置。 (イ) 浮上式鉄道のガイドウェイ両側の側壁に沿って
    設けられた浮上案内コイルに対向するように、フレーム
    両側に設けられた励振コイル (ロ) 励振コイルに励振電流を流すことによって浮上
    案内コイル中に流れる誘導電流を電磁誘導作用により検
    出する検出コイル (ハ) 検出コイルの近傍に設けられ、励振コイルから
    検出コイルへの誘導を相殺する電磁界を発生する補償コ
    イル (ニ) 励振コイルへ励振用交流電流を供給する電流供
    給回路 (ホ) 検出コイルで検出された電圧・電流の大きさを
    測定する振幅測定器
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