JPH11275365A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

Info

Publication number
JPH11275365A
JPH11275365A JP10072428A JP7242898A JPH11275365A JP H11275365 A JPH11275365 A JP H11275365A JP 10072428 A JP10072428 A JP 10072428A JP 7242898 A JP7242898 A JP 7242898A JP H11275365 A JPH11275365 A JP H11275365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
signal
image processing
image signal
blurred
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10072428A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3939428B2 (ja
Inventor
Fumito Takemoto
文人 竹本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP07242898A priority Critical patent/JP3939428B2/ja
Publication of JPH11275365A publication Critical patent/JPH11275365A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3939428B2 publication Critical patent/JP3939428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スキャナ等の入力デバイスから読み取られた原
画像に対して頻繁に用いられている、階調変換、色修
正、あるいはシャープネス強調処理などの画像処理とと
もに自動覆い焼き処理を行う際にも、原画像に存在する
ノイズを増幅させることのない画像処理方法および装置
を提供する。 【解決手段】カラー原画像を表すデジタル原画像信号を
可視像として再生するための画像処理信号を得る際に、
このデジタル原画像信号に対してエッジ保存平滑化フィ
ルタによるフィルタリング処理を施して原画像のボケ画
像を表すボケ画像信号を生成し、このボケ画像信号に対
して所定の画像処理を施して、処理済ボケ画像信号を生
成し、この処理済ボケ画像信号とボケ画像信号との差信
号を生成し、この差信号と原画像信号とを加算して、画
像処理信号を生成することにより、上記課題を達成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真や印刷物等の
反射原稿、ネガフィルムおよびリバーサルフィルム等の
透過原稿に担持されるカラー原画像から得られる画像信
号を可視像として表示、再生するための画像処理方法お
よび装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ネガフィルム、リバーサルフィル
ム等の写真フィルムや印刷物等に記録された画像情報を
光電的に読み取って、読み取った画像をデジタル画像信
号とした後、種々の信号処理を施して記録用のデジタル
画像信号とし、この画像信号に応じて変調された記録光
によって印画紙等の感光材料を走査露光して潜像を記録
し、現像処理して仕上がりプリントとするデジタルフォ
トプリンタが提案され、現在本出願人によって実用化さ
れている。
【0003】このようなデジタルフォトプリンタは、基
本的に、写真フィルムに記録された画像を光電的に読み
取るスキャナ等の画像読取装置と、読み取った画像に所
望の画像処理を施すとともに画像記録の露光条件を決定
する画像処理装置と、決定された露光条件に従って処理
済画像を感光材料に走査露光した後、現像処理を施して
可視像として再生する画像再生装置とから構成される。
【0004】デジタルフォトプリンタでは、読取画像が
デジタル画像信号化されているため、複数画像の合成や
画像の分割等の編集や、文字と画像との編集等のプリン
ト画像のレイアウトや、階調変換、色/濃度修正、変
倍、シャープネス強調(輪郭強調)等の各種の画像処理
も自由に行うことができ、用途に応じて自由に編集およ
び画像処理を施した仕上りプリントを出力することがで
きる。また、仕上りプリント画像を画像情報としてフロ
ッピーディスク等の記録媒体に保存できるので、焼増し
等の際に、原稿となる写真フィルムや印刷物等を用意す
る必要がなく、かつ再度露光条件を決定する必要がない
ので迅速かつ簡易に作業を行うことができる。さらに、
従来の直接露光によるプリントでは、分解能、色/濃度
再現性等の制約から、フィルム等に記録されている画像
をすべて再生することはできないが、デジタルフォトプ
リンタによればフィルムに記録されている画像(濃度情
報)をほぼ100%再生したプリントが出力可能であ
る。
【0005】ところで、写真フィルム等に撮影された画
像の撮影条件は一定ではなく、ストロボ撮影や逆光シー
ン等、明暗(濃度)の差、すなわちダイナミックレンジ
が非常に広い場合がある。これに対し、一般に、フィル
ムの担持画像を再生するための印画紙等の感光材料が記
録可能な被写体画像のダイナミックレンジ(輝度レン
ジ)は、比較的広いものではあるが、印画紙等の感光材
料はその最大濃度が制限されているため、フィルムに記
録可能な被写体画像のダイナミックレンジ(輝度レン
ジ)に比べると狭い。
【0006】このような場合、写真フィルム上のカラー
原画像を通常の印画紙に露光してプリントを作成する
と、ハイライト部またはシャドウ部のディテールが再現
できない場合がある。例えば、人物を逆光下で撮影した
場合、人物が明瞭な画像となるように露光を行うと、空
のような明るい部分は白く飛んでしまい、逆に、空が明
瞭な画像となるように露光を行うと、人物が黒くつぶれ
てしまう。そこで、従来の写真焼付装置では、覆い焼き
やマスキングプリントというような方法が用いられてい
る。
【0007】覆い焼きとは、シーンの中の中間的な濃度
の領域には通常の露光を与え、プリント上で白くとびそ
うな領域に穴あき遮蔽板を使って選択的に長時間露光を
与えたり、逆にプリント上で黒くつぶれそうな領域には
遮蔽板を用いて選択的に露光時間を短くすることによ
り、個々の被写体のコントラストを維持し、かつ明部・
暗部のつぶれのないプリントを得る方法である。このよ
うに局部的に露光時間を制御する遮蔽板として、原画フ
ィルムのネガポジを反転したボケ像を写真的に作成した
ものを用いて、原画フィルムとボケ画像フィルムとを重
ねてプリントを行う方法が提案されている。しかし、ボ
ケ画像フィルムを作成するには手間と時間がかかる。
【0008】また、写真原画の照明光源の明るさを部分
的に変化させることにより、覆い焼きと同様の効果を得
ることができるマスキングプリント方法もよく知られて
いるが、マスキングプリントでは、再生される画像に関
係なく用意された複数の遮蔽板を操作するので、極めて
高度な技術を必要とする。このため、本出願人は、デジ
タルフォトプリンタにおいて、従来の覆い焼きやマスキ
ングプリント方法等と同等もしくはこれ以上の効果を挙
げることのできるダイナミックレンジ圧縮技術を特願平
8−16646号明細書において提案している。この特
願平8−16646号明細書に記載の技術は、カラー原
画像に対してメディアンフィルタによるボケ画像を作成
し、カラー原画像からボケ画像を減算して差信号を得、
この差信号に所定の信号処理を施し、可視画像として再
生するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したデ
ジタルフォトプリンタ等においては、スキャナ等の入力
デバイスから読み取られた原画像に対して、階調変換、
色修正、あるいはシャープネス強調処理などの画像処理
が頻繁に行われているが、階調変換が硬調化であり、色
修正が高彩度化である場合も多く、シャープネス強調処
理も含め、このような画像処理を原画像に行うと、画像
処理の各ステップで原画像に存在するノイズまたは粒状
成分が増幅されてしまうという問題があった。また、上
述した特願平8−16646号明細書に記載の技術は、
メディアンフィルタを用いることにより、偽輪郭の発生
をある程度防止または抑制し、また、コントラストが大
きい画像であってもメリハリを失うことなく、ハイライ
ト部のとびやシャドウ部のつぶれをなくし、エッジ付近
の違和感を生ずることなく色再現性を向上させる自動覆
い焼き処理を目的とするものであり、ノイズを抑制する
ことを目的とした処理ではないが、原画像に存在するノ
イズ成分である高周波成分は種々の画像処理により強調
されてしまっているという問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、スキャナ等の入力デバイスから読み取られた原
画像に対して頻繁に用いられている、階調変換、色修
正、あるいはシャープネス強調処理などの画像処理、さ
らには必要に応じてこれらとともに自動覆い焼き処理を
行う際にも、原画像に存在するノイズを増幅させること
のない画像処理方法および装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明は、カラー原画像を表すデジタル原画像信号
を可視像として再生するための画像処理信号を得る画像
処理方法であって、このデジタル原画像信号に対してエ
ッジ保存平滑化フィルタによるフィルタリング処理を施
して前記原画像のボケ画像を表すボケ画像信号を生成
し、このボケ画像信号に対して所定の画像処理を施し
て、処理済ボケ画像信号を生成し、この処理済ボケ画像
信号と前記ボケ画像信号との差信号を生成し、この差信
号と前記原画像信号とを加算して、前記画像処理信号を
生成することを特徴とする画像処理方法を提供するもの
である。
【0012】ここで、前記原画像信号の占める空間周波
数帯域に依存して、前記ボケ画像信号の周波数特性を変
化させるのが好ましい。また、前記原画像信号が高周波
数帯域を占める場合には、前記ボケ画像信号の周波数を
高周波側にし、前記原画像信号が低周波数帯域を占める
場合には、前記ボケ画像信号の周波数を低周波側にする
のが好ましい。また、前記画像処理が、階調変換処理、
色修正処理およびシャープネス処理の少なくとも1つで
あるのが好ましい。また、前記画像処理の条件が、前記
原画像信号あるいはボケ画像信号を分析することによ
り、自動的に設定されるのが好ましい。
【0013】また、前記エッジ保存平滑化フィルタとし
て、メディアンフィルタを用いて前記ボケ画像信号を生
成するのが好ましい。また、前記エッジ保存平滑化フィ
ルタとして、メディアンフィルタおよびローパスフィル
タを用いて前記ボケ画像信号を生成するのが好ましい。
また、前記ボケ画像信号は、メディアンフィルタによる
第1のボケ画像信号とローパスフィルタによる第2のボ
ケ画像信号とを重み付け演算したものであるのが好まし
い。また、前記ローパスフィルタによる前記第2のボケ
画像信号は、前記原画像の前記デジタル画像信号の間引
き信号を補間することにより生成されるのが好ましい。
また、前記ローパスフィルタとして、無限インパルス応
答フィルタを用いるのが好ましい。また、前記デジタル
原画像信号を明暗信号に変換し、この明暗信号から前記
ボケ画像信号を生成するのが好ましい。
【0014】また、本発明は、カラー原画像を表すデジ
タル原画像信号を可視像として再生するための画像処理
信号を得る画像処理装置であって、このデジタル原画像
信号からエッジ保存平滑化フィルタによって前記原画像
のボケ画像を表すボケ画像信号を生成するフィルタリン
グ処理手段と、このボケ画像信号に所定の画像処理を施
して処理済ボケ画像信号を得る画像処理手段と、この処
理済ボケ画像信号と前記ボケ画像信号との差信号を得る
減算手段と、この差信号と前記原画像信号とを加算し
て、前記画像処理信号を得る加算手段とを備えたことを
特徴とする画像処理装置を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る画像処理方法および
装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説
明する。
【0016】図1は、本発明の画像処理方法を実施する
本発明の画像処理装置を適用する画像再生装置の一実施
例の模式図である。図1に示すように、画像再生装置1
0は、デジタルフォトプリンタとして構成されるもので
あって、原稿となる写真フィルムAに撮影されたカラー
原画像を光電的に読み取る画像読取装置12と、この画
像読取装置12によって読み取られたデジタル画像信号
を入力画像情報としてデジタル画像処理して、可視像と
して再生するための処理済画像信号を出力画像情報とし
て出力する画像処理装置14と、この画像処理装置14
から出力された処理済画像信号を、可視像(ハードコピ
ー画像)として感光材料Z上に再生する画像記録装置1
6および可視像(ソフトコピー画像)として表示画面上
に表示するCRT18とを有する。
【0017】画像読取装置12は、写真フィルムAに撮
影された画像を光電的に読み取る装置であって、光源2
0と、光源20から射出される光量を調整する可変絞り
22と、光源20からの光をR(赤)、G(緑)および
B(青)の3色に分解するためのR、GおよびBの3枚
の色フィルタを有し、回転して任意の色フィルタを光路
に挿入するための色フィルタ板24と、この色フィルタ
板24の各色フィルタを透過した光を拡散させて写真フ
ィルムAの2次元平面を均一に照明するための拡散ボッ
クス26と、写真フィルムAを透過した読取光をCCD
30に結像するための結像レンズ28と、結像レンズ2
8によって結像された写真フィルムAの1枚(1コマ)
の画像を光電的に読み取るエリア(2次元)センサであ
るCCD30と、CCD30によって読み取られたRG
B3色の画像信号を増幅するアンプ32と、増幅された
画像信号をA/D変換するA/D変換器34と、得られ
たデジタル画像信号を対数(LOG)変換して濃度信号
とするための第1のルックアップテーブル(以下、LU
Tという)36とを有する。
【0018】このような画像読取装置12においては、
光源20から射出され、絞り22によって光量調整さ
れ、色フィルタ板24を通過して色分解され、拡散ボッ
クス26で拡散された読取光が写真フィルムAを透過す
ることにより、写真フィルムAに撮影された画像で変調
された透過光が得られる。この透過光は、結像レンズ2
8によって写真フィルムAの画像の1枚(1コマ)分が
CCD30の受光面に結像され、CCD30によって光
電的に読み取られる。CCD30からの出力信号は、ア
ンプ32で増幅され、A/D変換器34によってデジタ
ル信号化され、LUT36で濃度信号とされた後、写真
フィルムAに撮影された画像の濃度変換デジタル画像信
号が入力画像情報として画像処理装置14に送られる。
画像読取装置12では、このような画像読取を、色フィ
ルタ板28のR、GおよびBの色フィルタを順次光路に
挿入することにより、写真フィルムAに撮影された画像
をR、GおよびBの3原色に分解して読み取って、入力
画像情報を得ることができる。なお、画像読取装置の画
像読取方法は、エリアCCD30の代わりにラインセン
サを相対的に移動する方法でもよいし、ドラムスキャナ
のようにスポット測光する方法であってもよい。
【0019】本発明の画像処理装置14は、本発明の特
徴とする部分であって、画像読取装置12から供給され
るRGB3色のデジタル画像信号を入力画像情報として
各色毎に格納するフレームメモリ38と、フレームメモ
リ38に格納された入力画像情報を用いて各種の画像処
理条件の設定を行う画像処理条件設定部(以下、条件設
定部という)40と、設定された画像処理条件に従って
本発明の特徴である原画像に存在するノイズ成分を増幅
させずに、階調変換、色修正、シャープネス強調処理や
ダイナミックレンジ圧縮伸長処理等の各種画像処理を行
う画像処理部42とを有する。
【0020】画像読取装置12によって読み取られた写
真フィルムAの1コマの画像のRGB3色のデジタル画
像信号は、各色毎にフレームメモリ38に格納された
後、読み出されて、条件設定部40および画像処理部4
2に送られる。条件設定部40は、セットアップ部44
と、キー入力部46と、パラメータ統合部48とを有す
る。セットアップ部44は、画像処理条件を設定するた
めにあり、オートセットアップアルゴリズムを実行する
ためのCPUを有し、フレームメモリ38に記憶された
デジタル画像信号から、オートセットアップアルゴリズ
ムによって、濃度ヒストグラムの作成、最高濃度、最低
濃度およびダイナミックレンジの算出等を行って、ダイ
ナミックレンジ伸縮率を設定し、更に、マトリクス演
算、画像処理アルゴリズム、画像処理テーブル等を用い
て、色/濃度処理条件等の画像処理条件を設定する。よ
り具体的には、各種の変換テーブル、補正テーブル、処
理テーブル等を作成し、あるいは調整する。
【0021】まず、セットアップ部44で行われる濃度
ヒストグラムの作成、ダイナミックレンジの算出および
ダイナミックレンジ伸縮率の設定について説明する。セ
ットアップ部44は、まず、フレームメモリ38から1
コマの画像信号を読み出して、オートセットアップアル
ゴリズムにより、濃度ヒストグラムを作成する。この
時、濃度ヒストグラム作成処理の迅速化および簡略化や
処理回路の小規模化を図るために、図示しない読み出し
タイミングコントローラなどの間引処理装置によってフ
レームメモリ38から読み出される画像信号を間引いて
(読み出した後間引いてまたは間引いて読み出して)、
セットアップ部44に供給し、間引かれた画像信号で濃
度ヒストグラムを作成するようにしてもよい。なお、濃
度ヒストグラムは、RGBの3色についてそれぞれ作成
される。
【0022】セットアップ部44では、これらのRGB
3色の濃度ヒストグラムを用いて、図2に示すように、
全体の、すなわち明暗(グレイ濃度)についての濃度ヒ
ストグラムを作成する。ここで、全体の(グレイ)濃度
ヒストグラムを得る方法は、RGBの各ヒストグラムを
加算平均を取る方法、RGBの各成分を明度や輝度に変
換する方法などが挙げられる。輝度に変換する方法とし
ては、例えばYIQ規定のY成分を下記式によって算出
する方法が挙げられる。 Y=0.3R+0.59G+0.11B
【0023】こうして、図2に示すように、1コマ中の
3種の異なる絵柄(シーン)について、3種の輝度Yに
ついての濃度ヒストグラムが得られたものとする。図2
において、実線で示す濃度ヒストグラムaは、中間濃度
の頻度が高い晴天時等の画像を表すヒストグラムであ
り、その濃度ダイナミックレンジDRa はYmax a −Y
min a である。また、一点鎖線で示す濃度ヒストグラム
bは、中間濃度の頻度が低いが、高濃度域および低濃度
域での頻度が高いためコントラストが高い画像を表すヒ
ストグラムであり、その濃度ダイナミックレンジDRb
はYmax b −Ymi n b である。更に、破線で示す濃度ヒ
ストグラムcは、中間濃度のみが多く、高低両濃度が極
めて少なく、コントラストの低い曇天時等の画像を表す
ヒストグラムであり、その濃度ダイナミックレンジDR
c はYmax c −Ymin c である。なお、図2には印画紙
等にプリントされた標準的なシーンの濃度ダイナミック
レンジを、標準濃度レンジDRo として表示している。
なお、標準濃度レンジDRoをはみ出るヒストグラムa
およびbの場合、そのままプリントすると、原画像のハ
イライト部は白く飛び、シャドウ部は黒くつぶれること
になる。
【0024】このため、本発明においては、コントラス
トの高い画像であっても低い画像であっても、安定して
適切な仕上りを得るために、濃度ヒストグラムaおよび
bで示される画像は、ダイナミックレンジの圧縮を行
い、濃度ヒストグラムcで示される画像は、ダイナミッ
クレンジの伸長を行う必要がある。そこで、本発明にお
いては、濃度ヒストグラムから最高濃度(Ymax )およ
び最低濃度(Ymin )を算出し、その差を求めて、濃度
ダイナミックレンジDR(=Ymax −Ymin )を算出す
る。こうして得られた濃度ダイナミックレンジDRを用
いて、ダイナミックレンジ圧縮伸長率(以下、伸縮率と
いう)αを下記式に従って算出する。 α=DRo /DR ここで、DRo は、対象とする感光材料のプリント再現
域内に再生可能な、数十種のシーンの平均濃度ダイナミ
ックであり、これらの数十種のシーンの平均濃度のヒス
トグラムから定まる最高濃度(Ymax o )と最低濃度
(Ymin o )との差から求まる標準濃度レンジである。
なお、伸縮率α<1の時、カラー原画像は圧縮されるこ
とになり、伸縮率α>1の時、カラー原画像は伸長され
ることを示す。
【0025】このようにして、セットアップ部44では
オートセットアップアルゴリズムによって伸縮率αが自
動的に算出されるが、本発明においては、オペレータが
カラー原画像のシーンを目視・判断して、そのダイナミ
ックレンジの圧縮伸長処理および伸縮率αを決定し、キ
ー入力部46によって入力してもよい。キー入力部46
は、図4に示される調整キー47によるオペレータのキ
ー入力に応じて、上述した伸縮率αを含む各種の画像処
理条件の補正量を演算する。図示例の調整キー47で
は、一例として、全体濃度(D)、シアン(C)濃度、
マゼンタ濃度(M)、イエロー(Y)濃度、階調
(γ)、全体の濃度ダイナミックレンジDRの伸縮率
(α)、明部(ハイライト側)の伸縮率(αl )、およ
び暗部(シャドー側)の伸縮率(αd )を、それぞれ調
整することができる。
【0026】オペレータは、後述するモニタ18に表示
された画像を見ながら検定を行い、必要に応じて各パラ
メータの(+)キーおよび(−)キーの押圧して、所望
の状態に画像を調整することもでき、すなわち画像処理
条件の調整を行うこともできる。それぞれの補正量は、
キーの押圧回数に応じて調整される。なお、オペレータ
による調整は、このようなキー操作以外にも、図1に示
すようにモニタ18に調整キー47に対応する表示を行
い、例えばGUI(スライダー)を表示し、マウス66
やキーボード操作で調整を行う方法であってもよい。
【0027】パラメータ統合部48は、セットアップ部
44によって設定された画像処理条件と、キー入力部4
6による補正量とを統合して、最終的に設定された画像
処理条件とする。従って、調整キー47による入力が無
い場合には、ここで最終的に設定される画像処理条件
は、セットアップ部44によって設定された画像処理条
件となる。また、パラメータ統合部48は、画像処理条
件を統合・設定して、画像処理部42の所定部所(LU
T50、60およびMUL56)に送って設定し、各画
像情報は、この画像処理条件に応じた処理が施される。
従って、調整キー47からの入力があり、先にパラメー
タ統合部48で設定された画像処理条件が変更される
と、これに応じてモニタ18の表示画像も変化する。条
件設定部40は以上のように構成されるが、オペレータ
による調整をモニタ18の表示画面におけるGUIのマ
ウス66等による操作で行う場合には、キー入力部46
を省略してもよいし、GUIによる出力を、パラメータ
統合部48ではなくセットアップ部44に直接反映させ
る場合にはパラメータ統合部48をも省略してもよい。
【0028】一方、画像処理部42は、本発明の最も特
徴とする部分であり、フレームメモリ38に記憶された
画像情報を読み出し、条件設定部40で設定された画像
処理条件に応じて所定の画像処理を施し、画像記録装置
16によるプリントP出力のための出力画像情報とする
部分であって、第2LUT50、マトリックス演算器
(MTX)52、フィルタ(FIL)54、乗算器(M
UL)56、減算器58および第3LUT60を有す
る。第2LUT50は、フレームメモリ38に記憶され
た入力画像情報を読み出し、グレイバランスの調整、明
るさ補正および階調補正を行うもので、それぞれの補正
や調整を行うためのテーブルがカスケード接続されて構
成されている。第2LUT50の各補正(調整)テーブ
ルは、前述の条件設定部40のパラメータ統合部48で
設定され、あるいは調整される。
【0029】図4に第2LUT50に設定されるテーブ
ルの一例を示す。図4(a)はグレイバランスの調整テ
ーブルで、セットアップ部44は、算出された最高濃度
および最低濃度から、公知の方法でグレイバランスを取
ってこの調整テーブルを作成する。また、前述の調整キ
ー47からの入力があった場合には、キー入力部46で
補正量が算出され、パラメータ統合部48でこの補正量
とセットアップ部44が作成した調整テーブルとが統合
され、調整テーブルのR、GおよびBの各テーブルの傾
きが変化する。図4(b)は明るさ補正の補正テーブル
で、セットアップ部44は、作成した濃度ヒストグラム
や最高濃度および最低濃度から、公知のセットアップア
ルゴリズムを用いて、この補正テーブルを作成する。ま
た、この補正テーブルは、グレイバランスの調整テーブ
ルと同様に、前述の調整キー47の濃度(D)キーの入
力によって図4(b)に示されるように調整される。図
4(c)は階調の補正テーブルで、セットアップ部44
は、作成した濃度ヒストグラムや最高濃度および最低濃
度から、公知のセットアップアルゴリズムを用いて、こ
の補正テーブルを作成する。また、この補正テーブル
は、グレイバランスの調整テーブルと同様に、前述の調
整キー47の階調(γ)キーの入力によって図4(c)
に示されるように調整される。
【0030】MTX52は、マトリックス演算器であっ
て、第2LUT50で処理されたRGB3色の画像信号
の色補正を行うもので、得られる出力画像(情報)が適
切な色に仕上がるように、フィルムAの分光特性や感光
材料(印画紙)Zの分光特性、現像処理の特性等に応じ
て設定されたマトリクス演算を行い、色補正を行う。M
TX52で色補正処理された画像信号は、ダイナミック
レンジの圧縮伸長処理を行うためのボケ画像信号を生成
するためにフィルタ(FIL)54と、加算器59との
両方に送られる。なお、ダイナミックレンジ圧縮伸長処
理を施さない場合は、MTX52と第3LUT60とが
バイパスして接続され、ボケ画像信号の生成は行われな
い。また、このダイナミックレンジで圧縮伸長処理の有
無は、オペレータの入力によるモード選択、条件設定部
40での演算結果から判断する方法等で設定すればよ
い。
【0031】FIL54は、エッジを残したまま高周波
成分のみを平滑化するフィルタであって、MTX52で
色補正されたRGB3色の画像信号を各色毎にエッジを
保存したまま2次元的にボカして、カラー原画像のボケ
画像信号を得るためのものである。本発明に用いられる
FIL54としては、エッジを保存する平滑化フィルタ
であれば、どのようなフィルタでもよいが、例えばメデ
ィアンフィルタ(MF)を挙げることができる。ここ
で、メディアンフィルタは、画像信号の中の大きなエッ
ジは保存し、細かい構造は2次元的にぼかすためのボケ
マスクフィルタであり、図5に示すような特性を有す
る。ここで、ウィンドウのサイズ(すなわちボケマスク
サイズ)が小さ過ぎると細かい構造の濃淡が残ったボケ
マスクになり、一方、ウィンドウのサイズが大き過ぎる
と主要被写体が小さいときにボケマスクの効果があまり
現れなかったり、演算量が多くなって装置の規模が大き
くなってしまうという欠点が生じる。本出願人による各
種シーンに対する実験の結果によれば、135フィルム
の場合のウィンドウサイズは20×20から5×5程度
が好ましい。ところで、本発明においては、原画像信号
の占める空間周波数帯域に依存して、フィルタのマスク
サイズを変えてボケ画像信号の周波数特性を変化させる
のが好ましい。例えば、原画像信号が高周波数帯域を占
める場合、すなわち、ビィジイな画像の場合には、ボケ
画像信号の周波数が高周波側に来るようにし、原画像信
号が低周波数帯域を占める場合、ゆったりとした変化の
少ない画像の場合には、ボケ画像信号の周波数が低周波
側に来るようにするのがよい。
【0032】FIL54としてメディアンフィルタ(M
F)を用いることにより、従来のローパスフィルタ(L
PF)のみで原画像の低周波成分のみを取り出して、原
画像を2次元的にボカしてボケ画像信号を得る場合に生
じていたエッジ部分のだれや偽輪郭(オーバーシュー
ト)の発生などを防止することができ、エッジを保存し
ておいて、平坦部のノイズ(高周波成分)をカットした
画像を得ることが可能となる。ところで、FIL54と
してメディアンフィルタを用いると、エッジを保存して
平滑化することができるが、上述したようにメディアン
フィルタはマスクサイズを適切に選択しなければ、エッ
ジを保存した平滑化フィルタとしてのボケマスク効果を
十分に得ることができない場合がある。
【0033】このため、本発明において用いられるFI
L54として、図6に示すようにメディアンフィルタ
(MF)とローパスフィルタ(LPF)とを併用するの
が好ましい。図6に示すFIL54は、MTX52で色
補正された画像信号をボケマスク処理して原画像の大き
なエッジは保存され細かい構造がボケたボケマスク信号
1を得るためのメディアンフィルタ(MF)54aと、
MTX52で色補正された同じ画像信号をその低周波成
分のみを取り出して原画像を2次元的にボカしたボケマ
スク信号2を得るためのローパスフィルタ(LPF)5
4bと、MF54aによるボケマスク信号1とLPF5
4bによるボケマスク信号2とを重み付け加算してボケ
マスク信号を生成する演算処理手段54cとから構成さ
れる。このように、FIL54としてMF54aとLP
F54bとを併用することにより、エッジ情報を十分に
保存し、かつ超低周波成分の情報のみを拾うとができ
る。
【0034】ここで、本発明に用いられるLPF54b
としては、ボケ画像生成に通常用いられるFIR(Finit
e Impulse Respones) 型のローパスフィルタを用いても
よいが、小型の回路で大きく画像をボカしたボケ画像情
報を生成できる点で、IIR(Infinite Impulse Respon
es) 型のローパスフィルタを用いるのが好ましい。図7
にIIR型のローパスフィルタの一例を示す。図示例の
ローパスフィルタは、順方向に加算器が配置され、フィ
ードバック方向に遅延回路が配置されている構成を有す
るものである。なお、本発明に用いることのできるII
R型のローパスフィルタとしては、本出願人の出願にか
かる特願平7−337509号明細書に開示されたII
R型のローパスフィルタを用いることができる。
【0035】このようにしてFIL54で生成されたR
GB3色の各色のボケマスク信号は、乗算器(MUL)
56に送られる。MUL56は、RGB3色のボケマス
ク信号を各色毎に条件設定部40において設定されて、
送られているダイナミックレンジ圧縮伸長率αを乗数と
して乗算する演算処理を行って、ボケ画像信号を得るた
めのものである。ところで、フィルムAに撮影可能な画
像の濃度領域は、一般的に仕上りプリントにおける再現
域よりも広く、種々の濃度範囲の被写体がフィルムAに
様々な濃度ダイナミックレンジ(DR)を持つ画像とし
て撮影できるようになっている。例えば、晴天時の画像
のように広い濃度ダイナミックレンジを持つ画像もあれ
ば、曇天時の画像のように狭い濃度ダイナミックレンジ
を持つ画像もあるし、広いダイナミックレンジを持ち、
コントラストの高い画像もある。また、雪中シーンや逆
光シーンやストロボ撮影の画像などのように、明部(ハ
イライト)側また暗部(シャドウ)側に、仕上りプリン
トの再現域を大きく超えて偏った濃度範囲の画像の場合
もある。さらに、フィルムAの露光状態は常に適正な訳
ではなく、いわゆる、アンダー/オーバー露光のものも
多数存在する。
【0036】図2に示すように、フィルムAの画像情報
からセットアップ部44で作成された濃度ヒストグラム
が曲線aおよびbで示される画像では、その濃度ダイナ
ミックレンジDRがプリント再現域に対応する標準濃度
レンジDRo より広いため、全画素を仕上りプリントに
再現することはできず、再現域に対応する標準濃度レン
ジを超える高濃度部(読み取りの信号強度弱)すなわち
暗部の画素はつぶれて黒くなり(仕上りプリントでは明
部がとぶ)、逆に、標準濃度レンジを超える低濃度部す
なわち明部の画素は白くとんでしまう(仕上りプリント
では暗部がつぶれる)。そのため、原画像の全てを再現
した画像を得るためには、原画像のダイナミックレンジ
を圧縮して、仕上りプリントの再現域に対応した標準濃
度レンジDRo に合わせる必要がある。一方、図2にお
いて曲線cのヒストグラムで示される画像では、その濃
度ダイナミックレンジDRが標準濃度レンジDRo より
狭いため、白の抜けが悪く、また黒の締まりが悪く、コ
ントラストのない、メリハリのない画像として再生され
てしまうため、ダイナミックレンジを伸長して、標準濃
度レンジDRo に合わせる必要がある。
【0037】また、雪中シーンや逆光シーンなどのよう
に明部(ハイライト)側の画像情報の頻度が高い場合
は、特に暗部(シャドウ)側を強く圧縮することによ
り、全体のダイナミックレンジを圧縮するのが効果的な
ものや、ストロボ撮影画像のように暗部(シャドウ)側
の画像情報の頻度が高い場合いは、明部(ハイライト)
側を強く圧縮することにより、全体のダイナミックレン
ジを圧縮するのが効果的である場合もある。このように
従来の直接露光による覆い焼きと同様の効果を付与する
ように、好ましくは、中間濃度部分の階調を変化させず
に明部および暗部の濃度を調整して、ダイナミックレン
ジを圧縮するように画像情報を処理するのがよい場合も
ある。
【0038】さらに、原稿となるフィルムAの画像がオ
ーバー露光の場合には、暗部側が全体的に黒く(仕上り
プリントでは明部に濃度が乗って白の抜けが悪くなる)
メリハリのない画像に成りがちである。逆にアンダー露
光の場合には、明部側の濃度が上り(仕上りプリントで
は暗部の濃度が下がり黒の締まりが悪くなる)やはりメ
リハリのない画像に成りがちである。そのため、この際
に高画質な画像を得るためには、階調を立ててコントラ
ストを上げる必要があり、標準濃度レンジ内で、オーバ
ー露光の場合には暗部の階調を立て、アンダー露光の場
合には、明部の階調を立てるようにダイナミックレンジ
を伸長する必要がある。このように、アンダー/オーバ
ー露光を修正する際には、好ましくは中間濃度部分の階
調を変化させずに、ダイナミックレンジを伸長するのが
よい場合もある。
【0039】以上のように、本発明においては、カラー
原画像がシーンに応じたダイナミックレンジの圧縮伸長
処理を施すことができるが、そのために、前述したよう
に条件設定部40のセットアップ部44において自動的
にカラー原画像のシーンに応じてダイナミックレンジ圧
縮伸長率αを適切に設定することもできるし、キー入力
部46からオペレータが原画像を目視して決定したダイ
ナミックレンジ圧縮伸長率αを入力することもできる。
この時、雪中シーン、逆光シーン、ストロボ撮影シーン
などや、アンダー露光、オーバー露光などのように、濃
度ダイナミックレンジの一部、特に明部(ハイライト)
側および暗部(シャドウ)側のいずれか一方または両方
を部分的に圧縮伸長するのが効果的である場合には、明
部の伸縮率αl および暗部の伸縮率αdをこれらのシー
ンをセットアップ部44で自動判別して、自動算出し、
もしくは、オペレータがキー入力部46から入力し、他
の部分の伸縮率αと異なるように非線形関数として設定
し、画像全体の濃度ダイナミックレンジDRを標準濃度
レンジDRo 内に収まるようにしてもよい。
【0040】図示例においては、ボケマスク信号に伸縮
率αを乗算するために、乗算器(MUL)56を用いて
いるが、本発明はこれに限定されず、LUTを用いるよ
うに構成してもよい。特に、伸縮率αが非線形関数とし
て与えられる場合には、LUTを用いるのが好ましい。
なお、LUTを用いたダイナミックレンジの圧縮伸長の
方法は、本出願人の出願に係る特願平7−337509
号明細書および同8−157200号明細書に開示され
た方法も用いることができる。
【0041】このようにしてMUL56でダイナミック
レンジ圧縮伸長処理されたRGB3色の各色のボケ画像
信号は、画像補正部57および減算器58に送られる。
画像補正部57では、各色のボケ画像信号に階調変換処
理、色修正処理およびシャープネス処理などのような画
像処理を行って、処理済ボケ画像信号を生成する。画像
補正部57で階調変換処理、色修正処理およびシャープ
ネス処理などの画像処理を行うと、不可避的にノイズや
粒状をも増幅させるが、画像補正部57で得られる処理
済ボケ画像信号は、FIL54によって中高周波成分が
除去された低周波成分のみからなる画像信号であるの
で、高周波成分から成るノイズや粒状は増幅されない。
このような画像処理は、LUTやMTXなどを用いて行
ってもよいし、関数などを用いて演算処理を行うもので
あってもよいが、これらの画像処理の条件は、原画像信
号あるいはボケ画像信号を分析することにより、自動的
に設定されるようにするのが好ましい。
【0042】画像補正部57で、ボケ画像信号にこのよ
うな画像処理を施すのは、これらが原画像信号に対して
頻繁に行われる処理であり、階調変換が硬調化であり、
色修正が高彩度化である場合も多く、シャープネス強調
処理も含め、このような画像処理を原画像に行うと、画
像処理の各ステップで原画像に存在するノイズまたは粒
状成分が増幅されてしまうからである。なお、画像補正
部57において、ボケ画像信号に施す画像処理は、階調
変換処理、色修正処理およびシャープネス処理に限定さ
れず、原画像に存在するノイズまたは粒状成分を増幅す
る恐れのある画像処理であれば、どのような画像処理で
あってもよい。本発明法においては、画像補正部57で
は、このような画像処理の少なくとも1つの画像処理を
行えばよいが、原画像に存在するノイズまたは粒状成分
を増幅させたくない、例えばソフトフォーカス的な効果
を出したい場合は、全ての画像処理を画像補正部57で
行うのが好ましい。なお、画像補正部57で階調変換、
あるいは色修正処理を行う場合には、LUT50あるい
はMTX52による階調変換、あるいは色補正を行わな
くても良く、従って、LUT50あるいはMTX52そ
のものを設けなくても良い。
【0043】このようにして画像補正部57で種々の画
像処理が施された処理済ボケ画像信号も、減算器58に
送られる。ここで、減算器58では、画像補正部57で
種々の画像処理が施されたRGB各色の処理済ボケ画像
信号からMUL56で生成されて直接送られたRGB各
色のボケ画像信号をそれぞれ減算して、各色の差信号を
得ることができる。この差信号は、画像補正部57にお
ける種々の画像処理によって変化した変化分のみからな
る信号である。こうして減算器58で得られた差信号
は、加算器59に送られる。加算器59では、MTX5
2から色補正されて直接送られているカラー原画像信号
と減算器58で生成された差信号とを加算し、本発明に
よる画像処理済信号を生成する。こうして加算器59で
得られた画像処理済信号は、高周波成分は保存され、エ
ッジを保存した低周波成分のみに階調変換処理、色修正
処理およびシャープネス処理などの頻繁に行われる画像
処理や、ダイナミックレンジ圧縮伸長処理などが施さ
れ、標準濃度レンジを持ち、偽輪郭などの発生がなく、
ノイズや粒状が増幅されず、目立つことのない適切な高
画質画像を再生することのできる画像信号である。
【0044】なお、本発明において得られる画像は、カ
ラー画像のエッジを保存した低周波成分のみに階調変
換、色修正およびシャープネス強調などの画像処理を施
しているので、従来の覆い焼き処理画像に比べノイズや
粒状が低下し、カラー原画像に比べノイズや粒状は増幅
されていないが、ソフトフォーカス的な画像となる場合
がある。しかし、ポートレートやゆったりとした画像な
どのように画像の占める空間周波数が低周波側にある場
合には、ソフトフォーカス的な仕上げは好まれるもので
あるので、そのまま仕上がりプリントとして出力するこ
とができる。一方、画像の変化が激しくビィジイな画像
などのように画像の占める空間周波数が高周波側にある
場合や、画像におけるエッジのダレが特に嫌われる画像
の場合には、本発明においても、フィルタリング処理の
条件を変え、ボケ画像の周波数特性を高周波側にするこ
とにより、シャープネス強調処理などの画像処理の効き
目を強くして、高周波成分を増幅することなく、エッジ
のだれなどを抑制することにより、適切な画像処理が施
された、メリハリのある高画質画像を得ることができ
る。また、画像読取装置(スキャナ)12の性能によっ
ては、色を的確に捉えられず、彩度があまり高く取れな
い場合があるし、デジタルカメラの場合にも同様に色が
的確に捉えられず、彩度があまり高く取れないので、彩
度を上げる処理を行うのが良いが、通常彩度を上げる
と、粒状などのノイズ成分も増幅される。従って、この
ような場合、本発明法を適用することにより、ノイズ成
分を増幅させずに彩度を上げることができ、好ましく仕
上げられた画像を得ることができるので効果的である。
【0045】こうして得られた画像処理済信号は、第3
LUT60に送られる。第3LUT60は、加算器59
による加算で得られた画像処理済信号を最終的な出力媒
体、例えばCRTモニタ18や画像記録装置16で用い
られる印画紙等の感光材料などの特性に応じた出力画像
信号に変換する階調変換テーブルである。従って、画像
処理済信号は第3LUT60によって最終的な出力媒体
に応じた画像信号に階調変換されて、出力画像情報とし
て画像記録装置16およびモニタ18に向けて出力され
る。なお、画像補正部57の説明の中で記述した理由に
より、画像補正部57で第3LUT60の階調変換を行
って、第3LUT60における階調変換を省略してもよ
いし、第3LUT60自体を省略することもできる。
【0046】このようにして第3LUT60において階
調(濃度)変換された画像信号は、信号変換器62に入
力され、信号変換器62によってモニタ18に対応する
信号に変換された後、D/A変換器64に入力されてア
ナログ画像信号に変換され、モニタ18に可視像として
表示される、もしくは画像記録装置16に入力され、画
像記録装置16において仕上がりプリント画像Pが可視
像として出力される。ここで、モニタ18に表示される
画像と、画像記録装置24に送られて再生される仕上が
りプリント画像は、ダイナミックレンジ圧縮伸長処理を
含む各種の画像処理がノイズを増幅させることなく適切
に施された全く同一の画像信号から得られたものである
ので、同様のダイナミックレンジ圧縮伸長効果をもち、
同様にノイズや粒状などが目立つことのない適切な高画
質画像であることは言うまでもない。
【0047】なお、前述したように、オペレータはモニ
タ20に表示された画像を見て検定を行うことができ、
必要に応じて、調整キー47の各キーを押圧して、全体
濃度、C濃度、M濃度、Y濃度、階調、全体のダイナミ
ックレンジ圧縮伸長、明部の圧縮伸長および暗部の圧縮
伸長の調整を行い、仕上りプリントに記録される画像の
調整を行うことができる。オペレータによる調整キー4
7のキー入力は、キー入力部46に送られ、伸縮率αを
含む画像処理条件の補正量とされ、パラメータ統合部4
8おいて、この補正量とセットアップ部44が設定した
伸縮率αを含む画像処理条件とが統合されて、キー補正
後の新たな画像処理条件が設定される。すなわち、MU
L56に供給される伸縮率α、αl 、αd ならびに前述
の第2LUT50の補正テーブルおよび第3LUT60
における階調変換テーブルは、調整キー47によるキー
入力によって調整あるいは再設定される。その結果、そ
れに応じて、モニタ18に表示される画像も変化する
し、画像記録装置16から出力される仕上がりプリント
画像Pも変化する。
【0048】ところで、図1に示すモニタ18のよう
に、表示画面に再生画像とともに伸縮率α、αl 、αd
などをGUIとして表示して、マウス66などによって
調整もしくは再設定できるようにしてもよい。 図8
は、ダイナミックレンジ圧縮伸長処理済画像が表示され
たモニタ18の表示画面の一例を示す。このモニタ18
の表示画面には処理済画像を表示するとともに、表示さ
れた画像の伸縮率をマウス66などにより調整するため
のGUI(調整用スライダー)18aが表示されてお
り、表示画像のシーンの判別を行って、伸縮率α、
αl 、αd の微調整、再設定を行うことができる。こう
して調整された伸縮率α、αl 、αd は、条件設定部4
0のセットアップ部44またはパラメータ統合部48に
入力され、最終的に画像処理部42のMUL56に乗数
として設定される。本発明の画像処理装置14は、基本
的に以上のように構成される。
【0049】つぎに、画像記録装置16は、出力画像情
報として、画像処理装置14の画像処理部42の第3L
UT60での階調変換処理が終了した仕上りプリントの
画像記録に応じた画像信号を受け、この出力画像情報に
応じて、光ビーム走査によって感光材料Zを走査露光
し、露光を終了した感光材料Zを現像処理して、仕上が
りプリント画像Pを可視像として出力するものであっ
て、図10に示すように、ドライバ88と、画像露光部
90と、現像部92とを有するものである。画像処理装
置14の画像処理部42より出力された画像信号は、ド
ライバ88に転送され、内部の図示しないD/A変換器
によって、アナログ画像信号に変換される。ドライバ8
8は、D/A変換されたアナログ画像信号に応じて、画
像露光部90の走査光ビームを変調するために、画像露
光部90の音響光学変調器(AOM)94を駆動する。
【0050】一方、画像露光部90は、光ビーム走査に
よって感光材料Zを走査露光して、前記画像情報の画像
を感光材料Zに記録するもので、図10に概念的に示さ
れるように、感光材料Zに形成されるR感光層の露光に
対応する狭帯波長域の光ビームを射出する光源96R、
以下同様にG感光層の露光に対応する光源96G、およ
びB感光層の露光に対応する光源96Bの各光ビームの
光源、各光源より射出された光ビームを、それぞれ記録
画像に応じて変調するAOM94R、94Gおよび94
B、光偏向器としてのポリゴンミラー98、fθレンズ
100と、感光材料Zの副走査搬送手段を有する。光源
96(96R、96G、96B)より射出され、互いに
相異なる角度で進行する各光ビームは、それぞれに対応
するAOM94(94R、94G、94B)に入射す
る。各AOM94には、ドライバ88より記録画像に応
じたR、GおよびBそれぞれの駆動信号が転送されてお
り、入射した光ビームを記録画像に応じて強度変調す
る。
【0051】AOM94によって変調された各光ビーム
は、ポリゴンミラー98の略同一点に入射して反射さ
れ、主走査方向(図中矢印x方向)に偏向され、次いで
fθレンズ94によって所定の走査位置zに所定のビー
ム形状で結像するように調整され、感光材料Zに入射す
る。なお、画像露光部90には、必要に応じて光ビーム
の整形手段や面倒れ補正光学系が配置されていてもよ
い。
【0052】一方、感光材料Zはロール状に巻回されて
遮光された状態で所定位置に装填されている。このよう
な感光材料Zは引き出しローラ(図示省略)に引き出さ
れ、副走査手段を構成する走査位置zを挟んで配置され
る搬送ローラ対102aおよび102bによって、走査
位置zに保持されつつ主走査方向と直交する副走査方向
(図中矢印y方向)に副走査搬送される。光ビームは主
走査方向に偏向されているので、副走査方向に搬送され
る感光材料Zは光ビームによって全面を2次元的に走査
露光され、感光材料Zに画像処理装置14の画像処理部
40より転送された画像情報の画像(潜像)が記録され
る。
【0053】露光を終了した感光材料Zは、次いで搬送
ローラ対104によって現像部92に搬入され、現像処
理を施され仕上りプリントPとされる。ここで、例えば
感光材料Zが銀塩写真感光材料であれば、現像部92は
発色現像槽106、漂白定着槽108、水洗槽110
a、110b、110cおよび110d、乾燥部および
カッタ(図示せず)等より構成され、感光材料Zはそれ
ぞれの処理槽において所定の処理を施され、乾燥された
後、カッタによってプリント1枚に対応する所定長に切
断され、仕上りプリントPとして出力される。画像記録
装置16は、基本的に以上のように構成される。
【0054】画像再生装置10は、基本的に以上のよう
に構成されるが、以下に、その作用および本発明の画像
処理方法について、図面を参照して簡単に説明する。画
像再生装置10が立ち上げられ、画像読取装置12にお
いて、光源20の光量が安定し、絞り22の開放基準値
の設定、現像部92の温度調整等の所定の作業が終了し
た後、原画となるフィルムAが所定位置に装填され、プ
リント作成開始の指示が出されると、まず、フィルムA
の画像の読み取りが開始される。
【0055】画像読取装置12において読み取りが開始
されると、光源20から射出され、絞り22で光量調整
され、色フィルタ板24を通過して色調整(例えばG
光)され、拡散ボックス26で拡散された読取光がフィ
ルムAを通過することで、フィルムAのG画像を担持す
る投影光となり、結像レンズ28によってCCDセンサ
30に結像され、光電的に読み取られる。CCDセンサ
30からの出力信号は、アンプ32で増幅され、A/D
変換器34によってデジタル信号化され、LUT36で
log変換されて濃度信号とされた後、画像処理装置1
4に送られ、そのフレームメモリ38のG画像用フレー
ムメモリに記憶される。次いで、色フィルタ板30が切
り替えられて、Rフィルタが光路に作用して、同様にし
てR画像が読み取られてフレームメモリ38のR画像用
フレームメモリに記憶され、同様にB画像が読み取られ
てフレームメモリ38のB画像用フレームメモリに記憶
され、読み取りが終了する。
【0056】一方、画像処理装置14において、条件設
定部40のセットアップ部44は、画像読取装置12に
よる読み取りが終了した時点で、フレームメモリ38か
らデジタル画像信号を読み出し、濃度ヒストグラムの作
成や最高濃度および最低濃度や濃度レンジの算出等を行
って、ダイナミックレンジ圧縮伸長率αや明部の伸縮率
αl や暗部の伸縮率αd などを算出または設定し、さら
に第2LUT50のグレイバランス調整テーブル、明る
さ補正テーブルおよび階調補正テーブル、および第3L
UT60の階調変換テーブルを作成して画像処理条件を
設定し、パラメータ統合部48に出力する。パラメータ
統合部48は、送られた伸縮率αなどの画像処理条件
を、画像処理部40のMUL56に乗数として転送する
とともに、各LUT50および60に転送し、画像処理
用のテーブルとして設定する。
【0057】画像処理条件が設定されると、画像処理部
40の第2LUT50がフレームメモリ38から原画像
のRGB各色のデジタル画像信号を読み出し、設定され
た各テーブルによる処理を行い、次いで、MTX52で
色補正が施される。MTX52で色補正されたRGB各
色の画像信号は、各色毎に加算器59およびFIL54
に送られる。FIL54は、各色毎に、送られた画像信
号にメディアンフィルタ(MF)54aによるフィルタ
リング処理を行って、好ましくは、図6に示すように、
メディアンフィルタ(MF)54aおよびローパスフィ
ルタ(LPF)54bによるフィルタリング処理ならび
に重み付け加算手段54cによる演算処理を行って、ボ
ケマスク信号を生成する。こうして生成されたボケマス
ク信号は、MUL56において、条件設定部40のパラ
メータ統合部48から送られた伸縮率α(αl,αd
によって乗算され、ダイナミックレンジの圧縮伸長処理
がなされたボケ画像信号に変換される。
【0058】こうしてFIL54で得られたボケ画像信
号は、画像補正部57および減算器58に送られる。画
像補正部57では、FIL54で得られたボケ画像信号
に階調変換(特に、階調を立てる変換処理)、色修正
(特に高彩度化)処理、シャープネス強調処理などの画
像処理が施され、処理済ボケ画像信号が生成され、減算
器58に送られる。減算器58では、画像補正部57で
処理された処理済ボケ画像信号から直接入力されたボケ
画像信号が引き算され、差信号が生成され、加算器59
に送られる。次に、加算器59では、MTX52で処理
された画像信号と減算器58で生成された差信号が加算
され、原画像にノイズや粒状を増幅させず、また目立た
せることなく、適切な種々の画像処理が施され、原画像
のダイナミックレンジが圧縮伸長された処理済画像信号
が生成される。加算器59から出力された処理済画像信
号は、LUT60においてモニタ18による表示に応じ
た画像となるように階調変換され、信号変換器62によ
ってモニタ18による表示に応じた信号に変換され、D
/A変換器64でアナログ信号とされて、モニタ18に
表示される。
【0059】オペレータは、モニタ20に表示された画
像を見て検定を行い、必要に応じて調整キー47を用い
て各種の調整を行う。調整キー47による入力がある
と、キー入力部46で伸縮率α等の画像処理条件の補正
量が演算されて、パラメータ統合部48によって、この
補正量とセットアップ部44が設定した画像処理条件と
が統合されて、画像処理条件が再設定あるいは変更され
る。新たな伸縮率αが画像処理部42のMUL56に、
その他の新たな画像処理条件がLUT50および60に
転送され、MUL56での乗数やLUT50、60で設
定されるテーブルの内容が変更され、これらに基づいて
上述した画像処理部42による画像処理が再び行われ
て、モニタ18の画像が変化する。
【0060】オペレータが画像が適正であると判断する
と(検定OK)、出力の指示が出され、画像処理装置1
4の画像処理部42のLUT60からRGB各色のダイ
ナミックレンジ圧縮伸長処理済デジタル画像信号が、出
力画像情報として画像記録装置16に送られる。なお、
上記検定は必ずしも行われる必要はなく、例えば、フル
オートモード等を設定して、検定なしで自動的に画像記
録装置16にてプリント作成を行うように構成してもよ
い。
【0061】画像記録装置16が出力画像情報としてダ
イナミックレンジ圧縮伸長処理済デジタル画像信号を受
けると、この処理済デジタル画像信号はドライバ88に
入力され、記録用アナログ画像信号にD/A変換され
る。画像記録装置16において、各光源96から光ビー
ムが射出され、この光ビームがドライバ88によって記
録画像信号に応じて駆動される各AOM94によって記
録画像に応じて変調され、ポリゴンミラー98によって
主走査方向に変更され、fθレンズ100を経て、副走
査方向に搬送される感光材料Aを2次元的に走査露光し
て潜像を形成する。露光済感光材料Aは、発色現像槽1
06、漂白定着槽108、水洗槽110で所定の処理を
施され、乾燥された後、カッタによってプリント1枚
(コマ)に対応する所定長に切断され、仕上りプリント
Pとして出力される。こうして得られた仕上りプリント
画像Pは、高コントラスト画像であっても、低コントラ
スト画像であっても、偽輪郭の発生や明部や暗部のつぶ
れがなく、ダイナミックレンジが適切に圧縮伸長された
めりはりのある高画質画像である。
【0062】すなわち、本発明の画像処理方法の好まし
い態様の特徴は、図9に示すように、予め原画像から濃
度ヒストグラムを作成して濃度レンジを算出し、次いで
ダイナミックレンジ圧縮伸長率αを算出しておき、原画
像からメディアンフィルタ(MF)によって生成された
ボケ画像1とローパスフィルタ(LPF)によって生成
されたボケ画像2とを重み付け加算した後、予め算出さ
れた圧縮伸長率αを用いて圧縮伸長することにより、ボ
ケ画像を生成し、生成されたボケ画像に階調変換、色修
正、シャープネス強調処理などの画像補正処理を施し、
得られた処理済ボケ画像から処理されていないボケ画像
を引き算して、処理済差画像を生成し、最後に得られた
処理済差画像と原画像とを加算することにより、高コン
トラスト画像であっても、低コントラスト画像であって
も、ノイズや粒状を増幅させることなくシャープネス処
理などの画像処理が適正に掛かり、ダイナミックレンジ
が適切に圧縮伸長され、偽輪郭の発生や明部や暗部のつ
ぶれがなく、メリハリのある高画質画像を得ることにあ
る。
【0063】ところで、図1に示す画像再生装置10に
おいては、プレスキャンを行うことなく、フィルムAか
らカラー原画像の読み取りを1回行うのみで画像情報の
処理を行うことができるため、画像の読み取りおよび処
理を迅速に行うことができるが、本発明はこれに限定さ
れず、プレスキャンを行うものであってもよい。図11
に示す画像再生装置10Aは、図1に示す画像再生装置
10と、画像処理装置14Aの構成、具体的には画像処
理装置14の構成に加え、さらにプレスキャンメモリ6
8と、プレスキャン画像処理部70とを有している点を
除いて、全く同一の構成を有しているので、同一の構成
要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0064】図11に示す画像再生装置10Aにおいて
は、画像読取装置12において、出力のための画像情報
を得るための画像読取(本スキャン)に先立ち、低解像
度で画像を粗に読み取るプレスキャンを行う。画像処理
装置14Aは、プレスキャンで得られた画像情報から各
種の画像処理条件を設定(セットアップ)し、この画像
処理条件に応じて本スキャンの画像情報を画像処理し
て、画像記録装置24による画像記録ための出力画像情
報とする。なお、プレスキャンと本スキャンにおける画
像読取方法は、基本的に同様であるが、両者の違いは、
読取画像の解像度が異なることだけである。プレスキャ
ンの際には、CCDセンサ30で読み取られた画像は、
画像処理装置14Aのプレスキャンメモリ68に接続さ
れるタイミングコントローラ72による制御で画素が間
引され、解像度の低い粗な画像情報とされてプレスキャ
ン画像処理部70において画像処理される。
【0065】図示例の画像処理装置14Aは、画像読取
装置12から入力されるデジタル画像信号に対して、ダ
イナミックレンジ圧縮伸長処理を含む各種の画像処理を
行うものであって、本スキャン画像メモリとして用いら
れるフレームメモリ38と、画像処理条件設定部40
と、本スキャン画像の画像処理部42とに加え、プレス
キャンメモリ68と、プレスキャン画像処理部(以下、
表示画像処理部という)70とを有する。また、プレス
キャンメモリ38およびフレームメモリ68には、画像
情報の画素毎の読み出しを制御するタイミングコントロ
ーラ72が接続される。画像読取装置12によるプレス
キャンの画像情報はプレスキャンメモリ68に、本スキ
ャンの画像情報はフレームメモリ38にそれぞれ送ら
れ、記憶される。プレスキャンメモリ68は、基本的に
本スキャンメモリであるフレームメモリ38と同様の構
成を有するものであり、共に、画像読取装置12から供
給されたR画像情報、G画像情報およびB画像情報を、
それぞれ記憶する3つのフレームメモリから構成され
る。なお、必要に応じて、プレスキャンメモリ68とフ
レームメモリ38の記録容量を異なるものとしてもよ
い。
【0066】プレスキャンメモリ68に記憶された画像
情報は表示画像処理部70および条件設定部40に、フ
レームメモリ38に記憶された画像情報は画像処理部4
2に、それぞれ読み出される。条件設定部40は、プレ
スキャンメモリ68から記憶された画像情報を受け取る
点が図1に示す画像処理装置14の条件設定部40と異
なるが、セットアップ部44と、キー入力部46と、パ
ラメータ統合部48とを有し、ダイナミックレンジの算
出や圧縮伸長率α等の算出などの種々の画像処理条件の
設定において全く同様に機能する。なお、条件設定部4
0のセットアップ部44において算出された圧縮伸長率
α、αl 、αd 等は、パラメータ統合部48から画像処
理部42のMUL56に送られ、乗数として設定される
のみならず、表示画像処理部70の第3LUT78にも
送られ、乗数もしくはダイナミックレンジ圧縮伸長テー
ブルとして設定される。また、セットアップ部44にお
いて設定された他の各種の画像処理条件(テーブル等を
含む)は、パラメータ統合部48から画像処理部42の
第2および第3LUT50および60のみならず、表示
画像処理部70の第2LUT74にも送られ、各種の画
像処理テーブル等が設定される。
【0067】表示画像処理部70は、プレスキャンメモ
リ68に記憶されたプレスキャン画像情報を読み出し、
条件設定部40で設定された画像処理条件に応じた各種
の画像処理を施し、モニタ18表示用の画像情報とする
部分で、第2LUT74、MTX76、第3LUT78
および信号変換器62を有する。ここで第2LUT74
は、画像処理部42の第2LUT52と全く同様の機能
を有し、プレスキャンメモリ68に記憶された画像情報
を読み出し、グレイバランスの調整、明るさ補正および
階調補正を行う。MTX76は、画像処理部42のMT
X52と全く同様の機能を有し、第2LUT74で処理
された画像情報の色補正を行う。
【0068】表示画像処理部70においては、MTX7
6で処理された画像情報は、フィルタリング処理(ボケ
マスク処理)によるボケ画像情報を使ったダイナミック
レンジ圧縮伸長処理を行わずに、直接第3LUT78に
入力される。第3LUT78は、ダイナミックレンジ圧
縮伸長処理を施さずに、MTX76で色補正されたプレ
スキャン画像情報をモニタ18に表示する場合には、画
像処理部42の第3LUT60と全く同様の階調変換機
能を有し、色補正プレスキャン画像情報をモニタ18に
表示するのに適した画像情報に階調変換、濃度変換す
る。一方、色補正プレスキャン画像情報にもダイナミッ
クレンジ圧縮伸長処理を施す場合には、第3LUT78
は、このような階調変換機能に加え、条件設定部40か
ら送られた伸縮率α、αl 、αd を乗数とする乗算機能
または倍率変換機能を有し、色補正プレスキャン画像情
報に設定伸縮率α、αl 、αd の圧縮伸長処理および階
調変換、濃度変換処理を施して、ダイナミックレンジが
適切で、モニタ18への表示に適した画像信号に変換す
る。
【0069】このようにして、第3LUT78で変換さ
れたプレスキャン画像情報は、出力され、信号変換器6
2によってモニタ18に対応する信号に変換され、さら
に、D/A変換器64によってD/A変換されて、モニ
タ18に表示される。ここで、モニタ18に表示される
画像は、ダイナミックレンジ圧縮伸長処理が施されてい
る場合、画像記録装置24に送られて再生される仕上り
プリント画像Pと各種の画像処理や圧縮伸長処理とし
て、同様の処理が施されたものであり、従って、モニタ
18には、仕上りプリント画像Pと同様の画像が表示さ
れる。なお、図11に示す例ではモニタ18に接続され
るマウス66が省略されている。
【0070】オペレータはモニタ18に表示されたプレ
スキャン画像を見て検定を行い、必要に応じて、条件設
定部40の調整キー47の各キーを押圧して、各種の調
整が行われるのは前述のとおりである。オペレータによ
る調整キー47のキー入力は、条件設定部40のキー入
力部46に送られ、画像処理条件の補正量とされ、パラ
メータ統合部48おいて、この補正量とセットアップ部
44が設定した画像処理条件とが統合されて、キー補正
後の新たな画像処理条件が設定される。ここで調整キー
47によるキー入力によって、画像処理部42では、第
2LUT50の各補正テーブル、MUL56の乗数α等
および第3LUT60における階調変換テーブルが調整
あるいは再設定され、表示画像処理部70でも、第2L
UT74の各補正テーブルおよび第3LUT78におけ
る伸縮率αによるダイナミックレンジ圧縮伸長および階
調変換テーブルが調整あるいは再設定され、また、これ
に応じて、モニタ18に表示される画像も変化する。オ
ペレータが画像が適正であると判断すると(検定O
K)、出力の指示が出され、画像処理部42の第2LU
T50がフレームメモリ38から本スキャン画像情報を
読み出す。
【0071】以下、画像処理装置14Aの画像処理部4
2においても、こうして読み出された本スキャン画像情
報に対して、図1に示す画像再生装置10の画像処理装
置14の画像処理部42と全く同様に、ダイナミックレ
ンジ圧縮伸長処理を含む各種の画像処理を行って、画像
記録のための出力画像情報を生成し、画像記録装置16
に送られる。なお、上記検定は必ずしも行われる必要は
なく、例えば、フルオートモード等を設定して、検定な
しでプリント作成を行うように構成してもよい。この場
合には、例えば、セットアップ部44が画像処理条件を
設定し、パラメータ統合部48が画像処理部42にこれ
らの画像処理条件を設定した時点で、第2LUT50が
本スキャン画像情報を読み出しを開始し、画像処理を行
う。
【0072】画像記録装置16は、出力画像情報を受け
ると、同様にして仕上りプリント画像Pを出力する。こ
うして得られた仕上りプリント画像Pも同様に、高コン
トラスト画像であっても、低コントラスト画像であって
も、偽輪郭の発生や明部や暗部のつぶれがなく、ダイナ
ミックレンジが適切に圧縮伸長されためりはりのある高
画質画像である。本態様の画像再生装置10Aにおいて
は、プレスキャンを行って得た低画素密度の(本スキャ
ン画像に比較して画素数の少ない)プレスキャン画像を
用いて、条件設定部40のセットアップ部44でオート
セットアップアルゴリズムを行うことができるので、条
件設定部40の処理およびモニタ18への表示のための
画像信号の画像処理を迅速かつ簡単なものとすることが
でき、条件設定部40や表示画像処理部70の構成を簡
素化でき、それらの回路規模を簡単なものとすることが
できる。
【0073】また、図1および図11に示す画像再生装
置10および10Aにおいては、ボケ画像情報を作成す
る際に、RGBの3色の各色のデジタル画像信号につい
てそれぞれ、画像処理装置14および14Aの画像処理
部42のフィルタ(FIL54)によるフィルタリング
処理を行ってボケマスク信号を生成しているが、本発明
はこれに限定されず、図12に示す画像再生装置10B
のように、RGBの3色のデジタル画像信号を明暗画像
信号に変換した後に、フィルタ(FIL54)によるフ
ィルタリング処理を行ってボケマスク信号を生成するよ
うに構成してもよい。
【0074】図12に示す画像再生装置10Bは、図1
1に示す画像再生装置10Aと、画像処理装置14Bの
構成、具体的には画像処理部42Bでは、第1のMTX
52とFIL54との間に明暗画像信号に変換するため
の第2のMTX80を有している点と、条件設定部40
がセットアップ部44のみで構成されている点と、プレ
スキャン画像処理部70が、ダイナミック伸長圧縮およ
び階調変換してモニタ18に表示するのに適した画像信
号にするためのLUT78のみで構成されている点を除
いて、全く同一の構成を有しているので、同一の構成要
素には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0075】図12に示す画像再生装置10Bの画像処
理装置14Bの画像処理部42Bにおいては、第1のM
TX52で色補正されたRGB3色の画像信号は、加算
器59に送られるとともに、ダイナミックレンジの圧縮
伸長等の画像処理を行うためのボケマスク信号を生成す
るFIL54にも送られることになるが、直接送られる
のではなく、予め明暗画像信号に変換されるために、F
IL54より先に第2のMTX80に送られる。第2の
MTX80は、第1のMTX52から送られるR、Gお
よびBの画像信号から、カラー原画像の明暗画像信号を
生成する。明暗画像信号の生成方法としては、R、Gお
よびBの画像信号の平均値の3分の1を取る方法、YI
Q規定を用いてカラー画像信号を明暗画像信号に変換す
る方法等が例示される。YIQ規定を用いて明暗画像信
号を得る方法としては、例えば、下記式により、YIQ
規定のY成分のみを、R、GおよびBの画像信号から算
出する方法が例示される。 Y=0.3R+0.59G+0.11B
【0076】こうして第2のMTX80で得られた明暗
画像信号は、ボケマスク信号を生成するためにFIL5
4に送られる。FIL54で生成されたボケマスク信号
はMUL56に送られ、伸縮率αでダイナミックレンジ
圧縮伸長処理されて、ボケ画像信号とされた後、画像補
正部57および減算器58に送られる。ボケ画像信号
は、画像補正部57で階調変換、色修正およびシャープ
ネス強調処理などの画像処理を行い、処理済ボケ画像信
号とした後、減算器58に送られる。減算器58では、
画像補正部57からの処理済ボケ画像信号とMUL56
からのボケ画像信号とを差し引いて差信号が生成され
る。減算器58で得られた差信号は、加算器59に送ら
れ、第1のMTX52から送られた色補正RGB3色の
画像信号と各色毎に加算される。以下、同様にして、第
3LUT60にて階調変換されて、画像記録装置16に
向けて送られ、可視再生像として仕上がりプリント画像
が出力される。本実施例では、フィルタリング処理によ
るボケ画像信号をカラー原画像のデジタル画像信号から
変換された明暗画像信号に基づいて作成しているので、
再生可視画像、特に被写体のエッジ部分の明るさは変化
しても、色の再現性は変化しないため、適切なダイナミ
ックレンジを持ち、高低濃度部のつぶれのない、メリハ
リのある画像であるのはもちろん、シャープネス強調処
理などの種々の画像処理が施されているにもかかわら
ず、ノイズや粒状が増幅されていないので、ノイズや粒
状が目立たず、カラー原画像と同様の不自然さのない画
像を再生することができる。
【0077】また、図6に示す実施例では、エッジを保
存した平滑化フィルタ(FIL)54として、メディア
ンフィルタ(MF)54aおよびローパスフィルタ(L
PF)54bを用い、これらのフィルタ54aおよび5
4bでMTX52で色補正された、同一のデジタル画像
信号をフィルタリング処理して、それぞれのボケマスク
信号1および2(それぞれボケ画像1および2)を生成
しているが、本発明はこれに限定されず、図13に示す
実施例のように、MF54aでは同様にMTX52で色
補正された本スキャン画像信号をフィルタリング処理し
てボケマスク信号1(ボケ画像1)を生成し、LPF5
4bでは表示画像処理部70のMTX76で色補正され
たプレスキャン画像信号、すなわち画素密度が低く、本
スキャン画像信号に比べて間引かれた画素についての間
引き画像信号をフィルタリング処理した後、本スキャン
画像信号と同じ画素密度になるように補間してボケマス
ク信号2(ボケ画像2)を生成するようにしてもよい。
なお、ローパスフィルタによるボケ画像のみならず、メ
ディアンフィルタによるボケ画像もカラー原画像の間引
き信号を補間して作成してもよい。こうすることによ
り、画素数の少ないプレスキャン画像信号に基づいてボ
ケマスク処理を行えるので、大規模な回路構成を必要と
するボケマスクフィルタが不要となり、装置構成を簡易
なものとすることができる。
【0078】なお、偽輪郭の発生をさらに低減するため
に、メディアンフィルタとして複数のレベルの異なる中
間値を出力する、またはマスクサイズの異なる複数のメ
ディアンフィルタを用意し、ボケ画像信号を作成するた
めのデジタル画像信号の信号分布に応じて中間値のレベ
ルまたはマスクサイズを選択するようにしてもよい。ま
た、図11および図12に示す画像処理装置14Aおよ
び14Bにおいては、プレスキャン画像のための表示画
像処理部70(またはセットアップ部44のみ)と、本
スキャン画像のための画像処理部42(または42B)
とを異なるものとしているが、本発明はこれに限定され
ず、両画像処理部42(または42B)および70を処
理対象画素規模(画素数、容量)を除いて、同様に、ま
たは全く同一に構成してもよい。
【0079】上述した例においては、乗算器(MUL)
56において、フィルタ(FIL)54で得られたボケ
マスク信号にダイナミックレンジ圧縮伸長率αを乗算し
て、画像のダイナミックレンジの圧縮伸長を行っている
が、本発明はこれに限定されず、ダイナミックレンジ圧
縮伸長処理、従って、自動覆い焼き処理を行わなくても
よいし、この場合にはMUL56自体を設けなくてもよ
いし、条件設定部40のセットアップ部44においてダ
イナミックレンジの算出およびダイナミックレンジ伸長
率αの設定を行わなくてもよいことはもちろんである。
【0080】以上、本発明の画像処理方法および装置に
ついて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はさ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の
改良や設計の変更等を行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
コントラストの大きいカラー原画像であっても、偽輪郭
が発生することがなく、適切なダイナミックレンジを持
ち、高低濃度部のつぶれのない、メリハリのある画像で
あるのはもちろん、シャープネス強調処理などの種々の
画像処理が施されているにもかかわらず、ノイズや粒状
が増幅されておらず、ノイズや粒状が目立たず、カラー
原画像と同様の不自然さのない画像を再現する画像信号
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像処理方法を実施する画像処
理装置を適用する画像再生装置の一実施例の模式図であ
る。
【図2】 図1に示される画像再生装置に用いられる本
発明の画像処理装置で得られる濃度ヒストグラムの一例
を表すグラフである。
【図3】 図1に示される本発明の画像処理装置に接続
される調整キーの一実施例の概念図である。
【図4】 図1に示される本発明の画像処理装置の第2
LUTに設定されるテーブルの特性図の一例であって、
それぞれ、(a)はグレイバランス調整テーブルを、
(b)は明るさ補正テーブルを、(c)は階調補正テー
ブルを示す。
【図5】 図1に示される本発明の画像処理装置に用い
られるメディアンフィルタの特性の一例を説明する説明
図である。
【図6】 図1に示される画像処理装置のフィルタ(F
IL)の一実施例を含む一部分を示すブロック図であ
る。
【図7】 図1に示される本発明の画像処理装置に用い
られるIIR型のローパスフィルタの一例を示す回路図
である。
【図8】 図1に示される画像再生装置に用いられるモ
ニタの一実施例の概念図である。
【図9】 本発明に係る画像処理方法の一例の特徴部分
のフローを示す図である。
【図10】 図1に示される画像再生装置に用いられる
画像記録装置の一実施例の模式的斜視図である。
【図11】 本発明に係る画像処理方法を実施する画像
処理装置を適用する画像再生装置の別の実施例の模式図
である。
【図12】 本発明に係る画像処理方法を実施する画像
処理装置を適用する画像再生装置の別の実施例の模式図
である。
【図13】 本発明に係る画像再生装置に用いられる本
発明の画像処理装置の別の実施例のブロック図である。
【符号の説明】
10 画像再生装置 12 画像読取装置 14 画像処理装置 16 画像記録装置 18 モニタ 20,96 光源 22 可変絞り 24 色フィルタ板 26 拡散ボックス 28 結像レンズ 30 CCDセンサ 32 アンプ 34 A/D変換器 36 LUT(ルックアップテーブル) 38 フレームメモリ 40 条件設定部 42 画像処理部 44 セットアップ部 46 キー入力部 47 調整キー 48 パラメータ統合部 50,74 第2LUT(ルックアップテーブル) 52,76 MTX(マトリクス) 54 FIL(フィルタ) 54a メディアンフィルタ 54b LPF(ローパスフィルタ) 54c 重み付け加算器 56 MUL(乗算器) 57 画像補正部 58 減算器 59 加算器 60,78 第3LUT(ルックアップテーブル) 62 信号変換器 64 D/A変換器 66 マウス 68 プレスキャンメモリ 70 表示画像処理部 80 第2のMTX(マトリクス) 88 ドライバ 90 画像露光部 92 現像部 94 AOM(音響光学変調器) 98 ポリゴンミラー 100 Fθレンズ 102,104 搬送ローラ対 106 発色現像槽 108 漂白定着槽 110 水洗槽 A フィルム Z 感光材料 P プリント

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー原画像を表すデジタル原画像信号を
    可視像として再生するための画像処理信号を得る画像処
    理方法であって、 このデジタル原画像信号に対してエッジ保存平滑化フィ
    ルタによるフィルタリング処理を施して前記原画像のボ
    ケ画像を表すボケ画像信号を生成し、 このボケ画像信号に対して所定の画像処理を施して、処
    理済ボケ画像信号を生成し、 この処理済ボケ画像信号と前記ボケ画像信号との差信号
    を生成し、 この差信号と前記原画像信号とを加算して、前記画像処
    理信号を生成することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記原画像信号の占める空間周波数帯域に
    依存して、前記ボケ画像信号の周波数特性を変化させる
    請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】前記原画像信号が高周波数帯域を占める場
    合には、前記ボケ画像信号の周波数を高周波側にし、前
    記原画像信号が低周波数帯域を占める場合には、前記ボ
    ケ画像信号の周波数を低周波側にする請求項1または2
    に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】前記画像処理が、階調変換処理、色修正処
    理およびシャープネス処理の少なくとも1つである請求
    項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記画像処理の条件が、前記原画像信号あ
    るいはボケ画像信号を分析することにより、自動的に設
    定される請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記エッジ保存平滑化フィルタとして、メ
    ディアンフィルタを用いて前記ボケ画像信号を生成する
    請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】前記エッジ保存平滑化フィルタとして、メ
    ディアンフィルタおよびローパスフィルタを用いて前記
    ボケ画像信号を生成する請求項1〜6のいずれかに記載
    の画像処理方法。
  8. 【請求項8】前記ボケ画像信号は、メディアンフィルタ
    による第1のボケ画像信号とローパスフィルタによる第
    2のボケ画像信号とを重み付け演算したものである請求
    項7に記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】前記ローパスフィルタによる前記第2のボ
    ケ画像信号は、前記原画像の前記デジタル画像信号の間
    引き信号を補間することにより生成される請求項8に記
    載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】前記ローパスフィルタとして、無限イン
    パルス応答フィルタを用いる請求項7〜9のいずれかに
    記載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】前記デジタル原画像信号を明暗信号に変
    換し、この明暗信号から前記ボケ画像信号を生成する請
    求項1〜10のいずれかに記載の画像処理方法。
  12. 【請求項12】カラー原画像を表すデジタル原画像信号
    を可視像として再生するための画像処理信号を得る画像
    処理装置であって、 このデジタル原画像信号からエッジ保存平滑化フィルタ
    によって前記原画像のボケ画像を表すボケ画像信号を生
    成するフィルタリング処理手段と、 このボケ画像信号に所定の画像処理を施して処理済ボケ
    画像信号を得る画像処理手段と、 この処理済ボケ画像信号と前記ボケ画像信号との差信号
    を得る減算手段と、 この差信号と前記原画像信号とを加算して、前記画像処
    理信号を得る加算手段とを備えたことを特徴とする画像
    処理装置。
JP07242898A 1998-03-20 1998-03-20 画像処理方法および装置 Expired - Lifetime JP3939428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07242898A JP3939428B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 画像処理方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07242898A JP3939428B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 画像処理方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11275365A true JPH11275365A (ja) 1999-10-08
JP3939428B2 JP3939428B2 (ja) 2007-07-04

Family

ID=13489022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07242898A Expired - Lifetime JP3939428B2 (ja) 1998-03-20 1998-03-20 画像処理方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3939428B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009296488A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Fujifilm Corp 撮影制御装置およびその方法並びにプログラム
JP2010273393A (ja) * 2010-09-08 2010-12-02 Canon Inc 画像処理装置およびその制御方法
WO2022044640A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 富士フイルム株式会社 画像露光装置、画像露光方法、及びプログラム

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6287100B2 (ja) 2013-11-20 2018-03-07 株式会社リコー 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体
JP6476898B2 (ja) 2014-03-07 2019-03-06 株式会社リコー 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009296488A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Fujifilm Corp 撮影制御装置およびその方法並びにプログラム
JP2010273393A (ja) * 2010-09-08 2010-12-02 Canon Inc 画像処理装置およびその制御方法
WO2022044640A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03 富士フイルム株式会社 画像露光装置、画像露光方法、及びプログラム
JPWO2022044640A1 (ja) * 2020-08-25 2022-03-03

Also Published As

Publication number Publication date
JP3939428B2 (ja) 2007-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4081219B2 (ja) 画像処理方法及び画像処理装置
US6674544B2 (en) Image processing method and apparatus
US6480300B1 (en) Image processing apparatus, image processing method and recording medium on which software for executing the image processing is recorded
US6473198B1 (en) Image processing apparatus
JP3584389B2 (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JP2007096509A (ja) 画像処理装置、および画像処理方法
JP3913356B2 (ja) 画像処理方法
JP4172663B2 (ja) 画像処理方法
JPH10111928A (ja) 画像処理方法及び装置
US6459500B1 (en) Image processing apparatus
JP3405266B2 (ja) 画像処理方法および装置
JP3408770B2 (ja) 画像処理装置
JP2000156785A (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JPH11191871A (ja) 画像処理装置
JP2001218015A (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JP3939428B2 (ja) 画像処理方法および装置
JPH1153535A (ja) 画像再生方法および装置
US20020012126A1 (en) Image processing method and apparatus
JP2001222710A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
US6700685B1 (en) Image processing apparatus
JPH1013680A (ja) 画像処理方法および画像処理装置
JPH11353477A (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびこれを行うソフトウエアを記録した記録媒体
JP2001245153A (ja) 画像処理方法および装置
JP4667072B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP4091220B2 (ja) 画像処理方法および装置並びに記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070219

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110406

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120406

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130406

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140406

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term