JPH11275360A - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JPH11275360A
JPH11275360A JP10072427A JP7242798A JPH11275360A JP H11275360 A JPH11275360 A JP H11275360A JP 10072427 A JP10072427 A JP 10072427A JP 7242798 A JP7242798 A JP 7242798A JP H11275360 A JPH11275360 A JP H11275360A
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JP
Japan
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image
sharpness
contrast
color
processing
Prior art date
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Application number
JP10072427A
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English (en)
Inventor
Fumito Takemoto
文人 竹本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラー画像を光電的に読み取り、得られたカラ
ー画像信号にデジタル画像処理を施す際に、再生される
カラー画像に遠近効果を付与し、カラー画像の遠近感を
表現することのできる画像処理方法を提供する。 【解決手段】カラー画像を光電的に読み取り、得られた
カラー画像信号に対して所定の画像処理を施すに際し、
カラー画像の位置および方向の少なくとも一方に依存さ
せて、カラー画像のコントラストおよび鮮鋭度を変化さ
せることにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真や印刷物等の
反射原稿、ネガフィルム、リバーサルフィルム等の透過
原稿に担持されるカラー画像を読み取ることによって得
られたカラー画像信号を可視像として再生し、表示する
ために、画像自体に遠近の効果を出す画像処理を施す画
像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ネガフィルム、リバーサルフィルムある
いはカラープリントなどに記録されたカラー画像を、C
CDなどの光電変換素子によって光電的に読み取り、デ
ジタル信号に変換して、原画像信号として、フレームメ
モリなどの画像信号記憶手段に記憶し、さらに、画像デ
ータ記憶手段に記憶された画像信号に画像処理を施し
て、カラーペーパーなどの記録材料あるいはCRTなど
の表示手段上に再生するデジタルカラー画像再生システ
ムが提案されて、デジタルフォトプリンタとして実用化
されている。このデジタルカラー画像再生システムによ
れば、カラー画像が、露光不足あるいは露光過剰など、
適切でない撮影条件下で撮影され、ネガフィルム、リバ
ーサルフィルムあるいはカラープリントなどに記録され
ていても、得られた原画像信号に画像処理を施すことに
より、所望の色および階調を有するカラー画像として再
生することができる。また、ネガフィルム、リバーサル
フィルムあるいはカラープリントなどに記録されたカラ
ー画像を、所望により、異なった色および階調を有する
カラー画像として再生することもできる。
【0003】一方、印刷分野におけるレタッチ工程にお
いて、網フィルム上に直接薬品をつけて、または、さら
に別のフィルムに露光するなどして、網フィルム上の特
定の場所の網%を増減させるドットエッチングという手
法が行われている。この手法を用いて、画像、例えば風
景画像に対して局所的にコントラストを落として、すな
わち風景の遠景のコントラストを落として、遠近感を出
す操作が行われている。また、絵画の分野においても、
遠近感を出す手法がある。
【0004】ところが、上述のデジタルカラー画像再生
システムにおけるデジタルフォトプリンタにおいても、
覆い焼き処理等の処理を始めとしてアナログフォトプリ
ンタ(従来型の写真焼付装置)では困難であった種々の
画像処理が行われているが、印刷分野におけるレタッチ
工程のドットエッチング手法や絵画の分野の遠近法をそ
のままデジタルフォトプリンタのデジタル画像処理に適
用することができないため、デジタル画像処理によっ
て、カラー再生画像に遠近感を表現できる操作は未だ実
現されていないのが現状である。このため、上述のデジ
タルフォトプリンタにおいて、カラーネガフィルムやカ
ラーリバーサルフィルムなどに記録されたカラー原画像
に基づいて、印刷分野におけるドットエッチング手法や
絵画の遠近法と同様な遠近効果を持つカラー再生画像を
生成することが強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、カラー画像を光電的に読み
取り、得られたカラー画像信号にデジタル画像処理を施
す際に、再生されるカラー画像に遠近効果を付与し、カ
ラー画像の遠近感を表現することのできる画像処理方法
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、カラー画像を光電的に読み取り、得られ
たカラー画像信号に対して所定の画像処理を施すに際
し、前記カラー画像の位置および方向の少なくとも一方
に依存させて、前記カラー画像のコントラストおよび鮮
鋭度を変化させることを特徴とする画像処理方法を提供
するものである。
【0007】ここで、前記カラー画像のコントラストお
よび鮮鋭度の変化は、前記カラー画像の位置および方向
の少なくとも一方に依存して変化するマスク画像を作成
し、作成されたマスク画像を用いて行われるのが好まし
い。また、前記マスク画像は、前記カラー画像の垂直方
向に対して変化するものであるのが好ましく、または、
前記マスク画像は、前記カラー画像中の最遠点を指定
し、指定された最遠点を中心にして放射状に変化するも
のであるのが好ましい。
【0008】また、前記コントラストの変化は、前記カ
ラー画像の階調を変化させることによって行うのが好ま
しい。さらに、前記鮮鋭度は、アンシャープマスク方式
または粒状抑制シャープネス方式を用いて行うのが好ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る画像処理方法を添付
の図面に示す好適実施の形態に基づいて、以下に詳細に
説明する。
【0010】図1は、本発明の画像処理方法を実施する
画像処理装置を適用するデジタルフォトプリンタの一実
施の形態のブロック図である。図1に示すデジタルフォ
トプリンタ(以下、フォトプリンタという)10は、フ
ィルムFに撮影された画像を光電的に読み取るスキャナ
(画像読取装置)12と、このスキャナ12で読み取ら
れた画像データ(画像情報)の遠近効果処理などの画像
処理やフォトプリンタ10全体の操作および制御等を行
う画像処理装置14と、この画像処理装置14から出力
された画像データに応じて変調した光ビームで感光材料
(印画紙)を画像露光し、現像処理して(仕上り)、遠
近効果のある画像をプリントとして出力する画像記録装
置16とを有する。また、画像処理装置14には、様々
な条件の入力、設定、処理の選択や指示、色/濃度補正
などの指示等を入力するためのキーボード18aおよび
マウス18bを有する操作系18と、スキャナ12で読
み取られた画像、各種の操作指示、様々な条件の設定/
登録画面等を表示するモニタ20が接続される。
【0011】スキャナ12は、フィルムF等に撮影され
た画像を1コマずつ光電的に読み取る装置で、光源22
と、可変絞り24と、フィルムFに入射する読取光をフ
ィルムFの面方向で均一にする拡散ボックス26と、フ
ィルムFのキャリア28と、結像レンズユニット32
と、R(赤)、G(緑)およびB(青)の各色画像濃度
の読取に対応する3ラインCCDセンサを有するイメー
ジセンサ32と、アンプ(増幅器)33と、A/D(ア
ナログ/デジタル)変換器34とを有する。
【0012】フォトプリンタ10においては、スキャナ
12の本体に装着自在な専用のキャリア28が、新写真
システム(Advanced Photo System)や135サイズのネ
ガ(あるいはリバーサル)フィルム等のフィルムFの種
類やサイズ、ストリップスやスライド等のフィルムの形
態等に応じて用意されており、キャリア28の交換によ
って、各種のフィルムや処理に対応することができる。
フィルムに撮影され、プリント作成に供される画像(コ
マ)は、このキャリア28によって所定の読取位置に搬
送される。また、周知のように、新写真システムのフィ
ルムには、磁気記録媒体が形成され、カートリッジID
やフィルム種等が記録されており、また、撮影時や現像
時等に、撮影や現像日時、カメラや現像機の機種等の各
種のデータが記録可能である。新写真システムのフィル
ム(カートリッジ)に対応するキャリア28には、この
磁気情報の読取手段が配置されており、フィルムを読取
位置に搬送する際に磁気情報を読み取り、これらの各種
の情報が画像処理装置14に送られる。
【0013】このようなスキャナ12において、フィル
ムFに撮影された画像を読み取る際には、光源22から
射出され、可変絞り24および拡散ボックス26によっ
て光量調整された均一な読取光が、キャリア28によっ
て所定の読取位置に位置されたフィルムFに入射して、
透過することにより、フィルムFに撮影された画像を担
持する投影光を得る。
【0014】図示例のキャリア28は、24枚取りの1
35サイズのフィルムや新写真システムのカートリッジ
等の、長尺なフィルムF(ストリップス)に対応するも
のであり、図2(a)に模式的に示されるように、所定
の読取位置にフィルムFを位置しつつ、イメージセンサ
32の、例えば、RGBの3ラインCCDセンサの延在
方向(主走査方向)と直交する副走査方向に、フィルム
Fの長手方向を一致させて搬送する、読取位置を副走査
方向に挟んで配置される搬送ローラ対28aおよび28
bと、フィルムFの投影光を所定のスリット状に規制す
る、読取位置に対応して位置する主走査方向に延在する
スリット28cを有するマスク28dとを有する。フィ
ルムFは、このキャリア28によって読取位置に位置さ
れて副走査方向に搬送されつつ、読取光を入射される。
これにより、結果的にフィルムFが主走査方向に延在す
るスリット28cによって2次元的にスリット走査さ
れ、フィルムFに撮影された各コマの画像が読み取られ
る。
【0015】フィルムFの投影光は、結像レンズユニッ
ト30によってイメージセンサ32の受光面に結像され
る。図2(b)に示されるように、イメージセンサ32
は、R画像の読み取りを行うラインCCDセンサ32
R、G画像の読み取りを行うラインCCDセンサ32
G、およびB画像の読み取りを行うラインCCDセンサ
32Bを有する、いわゆる3ラインのカラーCCDセン
サで、各ラインCCDセンサは、前述のように主走査方
向に延在している。フィルムFの投影光は、このイメー
ジセンサ32によって、R、GおよびBの3原色に分解
されて光電的に読み取られる。イメージセンサ32から
出力されたR,GおよびBの各出力信号は、アンプ33
で増幅されて、A/D変換器34に送られ、A/D変換
器34において、それぞれ、例えば12bitのRGB
デジタル画像データに変換された後、画像処理装置14
に出力される。
【0016】なお、スキャナ12においては、フィルム
Fに撮影された画像を読み取るに際し、低解像度で読み
取るプレスキャン(第1回目の画像読取)と、出力画像
の画像データを得るためのファインスキャン(第2回目
の画像読取)との2回の画像読取を行う。ここで、プレ
スキャンは、スキャナ12が対象とするフィルムFの全
ての画像を、イメージセンサ32が飽和することなく読
み取れるように、あらかじめ設定されたプレスキャン読
取条件で行われる。一方、ファインスキャンは、プレス
キャンデータから、その画像(コマ)の最低濃度よりも
若干低い濃度でイメージセンサ32が飽和するように、
各コマ毎に設定されたファインスキャンの読取条件で行
われる。なお、プレスキャンおよびファインスキャン出
力画像信号は、解像度および出力画像信号レベルが異な
る以外は、基本的に同様な画像データである。
【0017】なお、フォトプリンタ10に用いられるス
キャナ12は、このようなスリット走査読取を行うもの
に限定されず、1コマのフィルム画像の全面を一度に読
み取る面状読取を行うものであってもよい。この場合に
は、例えばエリアCCDセンサなどのエリアセンサを用
い、光源22とフィルムFのとの間にR,GおよびBの
各色フィルタの挿入手段を設け、光源からの射出光の光
路に挿入して、色フィルタを透過した読取光をフィルム
F全面に照射して、透過光をエリアCCDセンサに結像
させてフィルム全画像を読み取ることを、R,Gおよび
Bの各色フィルタを切り換えて順次行うことで、フィル
ムFに撮影された画像を3原色に分解して読み取る。
【0018】前述したように、スキャナ12から出力さ
れるデジタル画像データ信号は、本発明の画像処理方法
を実施する画像処理装置14に出力される。図3に、こ
の画像処理装置(以下、処理装置という)14のブロッ
ク図を示す。ここで、処理装置14は、スキャナ補正部
36、LOG変換器38、プレスキャン(フレーム)メ
モリ40、ファインスキャン(フレーム)メモリ42、
プレスキャンデータ処理部44、本発明の特徴とする遠
近効果付与のための画像処理を行うファインスキャンデ
ータ処理部46、および条件設定部48を有する。な
お、図3は主に画像処理関連の部分を示すものであり、
処理装置14には、これ以外にも、処理装置14を含む
フォトプリンタ10全体の制御や管理を行うCPU、フ
ォトプリンタ10の作動等に必要な情報を記憶するメモ
リ等が配設され、また、操作系18やモニタ20は、こ
のCPU等(CPUバス)を介して各部分に接続され
る。
【0019】スキャナ12から処理装置14に入力され
たR,GおよびBの画像信号、例えば12bitのデジ
タル画像データは、スキャナ補正部36に入力される。
スキャナ補正部36は、スキャナ12のイメージセンサ
32の3ラインCCDセンサ32R,32G,32Bに
起因する、RGBデジタル画像データの画素毎の感度バ
ラツキや暗電流を補正するためにDCオフセット補正、
暗時補正、欠陥画素補正、シェーディング補正等の読取
画像データのデータ補正を行うものである。スキャナ補
正部36で画素毎の感度バラツキや暗電流の補正処理等
が施されたデジタル画像信号は、LOG変換器に出力さ
れる。LOG変換器38は、対数変換処理してデジタル
画像データを階調変換してデジタル画像濃度データに変
換するものであって、例えば、ルックアップテーブル
(LUT)を用いて、スキャナ補正部26で補正された
例えば、12bitのデジタル画像データを変換して、
例えば、10bit(0〜1023)のデジタル画像濃
度データに変換する。
【0020】LOG変換器38で変換されたデジタル画
像濃度データは、プレスキャン画像データであればプレ
スキャンメモリ40に、ファインスキャン画像データで
あればファインスキャンメモリ42に、それぞれ記憶
(格納)される。プレスキャンメモリ40は、スキャナ
12によるフィルムFのプレスキャンによって得られ、
各種のデータ補正および対数変換処理が施されたフィル
ムFの1コマ全部の低解像度画像濃度データをRGBの
各色毎に格納または記憶するためのフレームメモリであ
る。プレスキャンメモリ40は、フィルムFの1コマの
RGB3色の画像濃度データを格納できる容量が少なく
とも必要であるが、複数コマ分の画像濃度データを格納
できる容量を持つものであってもよいし、1コマ分の容
量のメモリを多数備えるものであってもよい。プレスキ
ャンメモリ40に記憶されたプレスキャン画像データ
は、プレスキャンデータ処理部44に読み出される。
【0021】一方、ファインスキャンメモリ42は、ス
キャナ12によるフィルムFのファインスキャンによっ
て得られ、各種のデータ補正および対数変換処理が施さ
れたフィルムFの1コマ全部の高解像度画像濃度データ
をRGBの各色毎に格納または記憶するためフレームメ
モリである。ファインスキャンメモリ42は、少なくと
もフィルムFの2コマの画像のRGB3色の画像濃度デ
ータを格納できる容量を持ち、1コマ分の画像濃度デー
タを書き込んでいる間に、別の1コマ分の画像濃度デー
タを読み出し、ファインスキャンデータ処理部46にお
いて本発明の特徴とする遠近効果を付与するための様々
な処理を同時に行うようにするのが好ましいが、本発明
はこれに限定されず、1コマ分の画像濃度データを格納
できる容量を持ち1コマづつ処理するためのものであっ
てもよい。また、1コマ分の容量のメモリを多数備え、
例えばトグルメモリとし利用できるものであってもよ
い。ファインスキャンメモリ42に記憶されたファイン
スキャン画像データは、ファインスキャンデータ処理部
46に読み出される。
【0022】プレスキャンメモリ40に記憶されたプレ
スキャン画像データに、モニタ20に表示するのに必要
な種々の画像処理を施すプレスキャンデータ処理部44
は、画像処理部50と、画像データ変換部52とを有す
る。ここで、画像処理部50は、後述する条件設定部4
8が設定した画像処理条件に従って、スキャナ12によ
って読み取られ、プレスキャンメモリ42に記憶された
画像データに、所望の画質で、後述するモニタ20のC
RT表示画面にカラー画像が再生可能なように、ルック
アップテーブル(以下、LUTで代表させる)やマトリ
ックス(以下、MTXで代表させる)演算により、階調
補正、色変換、濃度変換などの所定の画像処理を施すた
めのものである。画像データ変換部52は、画像処理部
50によって処理された画像データを、モニタ20の解
像度に合わせるために必要に応じて間引いて、同様に、
3D(3次元)LUT等を用いて、モニタ20による表
示に対応する画像データに変換して、モニタ20に表示
させるためのものである。なお、画像処理部50におけ
る処理条件は、後述する条件設定部48で設定される。
【0023】一方、ファインスキャンメモリ42に記憶
されたファインスキャン画像データに、画像記録装置1
6からカラープリントとして出力するのに必要な種々の
画像処理および本発明の遠近効果処理を行うファインス
キャンデータ処理部46は、画像処理部54と、画像デ
ータ変換部56とを有する。ここで、画像処理部54
は、後述する条件設定部48が設定した画像処理条件に
従って、スキャナ12によって読み取られ、ファインス
キャンメモリ42に記憶された画像データに、カラープ
リントとして所望の濃度、階調および色調で、カラーぺ
ーパ上にカラー画像、または本発明が目的とする遠近効
果が表現された画像が再生可能なように、LUT、MT
X演算器、ローパスフィルタ、加減算器などにより、色
バランス調整、階調調整、色調整、濃度調整、彩度調
整、電子変倍や本発明の特徴とするコントラスト調整お
よびシャープネス強調(エッジ強調;鮮鋭化)などの種
々の画像処理を施すためのものであり、その詳細につい
ては、後述する。
【0024】画像データ変換部56は、画像処理部54
によって処理された遠近効果処理画像データを、例え
ば、3DLUT等を用いて、画像記録装置16による画
像記録に対応する画像データ変換して、画像記録装置1
6に供給する。画像記録装置16は、ファインスキャン
データ処理部46から出力される画像データに基づい
て、カラープリント上に遠近効果が表現されたカラー画
像が再現された仕上がりプリントとして出力するための
ものである。
【0025】なお、画像処理部54における処理条件
は、条件設定部48で設定される。条件設定部48は、
ファインスキャンの読取条件、プレスキャンデータ処理
部44およびファインスキャンデータ処理部46におけ
る各種の処理条件、特に、本発明の特徴とする遠近効果
処理条件を設定する。この条件設定部48は、セットア
ップ部58、キー補正部60およびパラメータ統合部6
2を有する。セットアップ部58は、プレスキャン画像
データ等を用いて、ファインスキャンの読取条件を設定
してスキャナ12に供給し、また、プレスキャンデータ
処理部44およびファインスキャンデータ処理部46の
画像処理条件を作成(演算)し、パラメータ統合部62
に供給する。
【0026】具体的には、セットアップ部58は、プレ
スキャンメモリ40からプレスキャン画像データを読み
出し、プレスキャン画像データから、濃度ヒストグラム
の作成や、平均濃度、LATD(大面積透過濃度)、ハ
イライト(最低濃度)、シャドー(最高濃度)等の画像
特徴量の算出を行う。算出した画像特徴量から、その画
像の最低濃度よりも若干低濃度でイメージセンサ32
(ラインCCDセンサ32R,32G,32B)が飽和
するように、ファインスキャンの読取条件、例えば、光
源22の光量、可変絞り24の絞り値、イメージセンサ
32の(各ラインCCDセンサ32R,32G,32B
の)蓄積時間等を設定する。なお、ファインスキャンの
読取条件は、プレスキャンの読取条件に対して、イメー
ジセンサの出力レベルに対応する全ての要素を変更して
もよく、前記絞り値等のいずれか1つの要素のみを変更
するものでもよく、絞り値と蓄積時間等の複数の要素の
みを変更するものでもよい。さらに、セットアップ部5
8は、濃度ヒストグラムや画像特徴量と、必要に応じて
行われるオペレータによる指示等に応じて、前述の色バ
ランス調整や階調調整等の画像処理条件を設定する。
【0027】キー補正部60は、キーボード18aや操
作系18に設けられたキー(図示せず)によって設定さ
れた濃度(明るさ)、色、コントラスト、シャープネ
ス、彩度等の調整量やマウス18bで入力された各種の
指示等に応じて、画像処理条件の調整量(例えば、LU
Tの補正量等)を算出し、パラメータを設定し、パラメ
ータ統合部62に供給するものである。なお、キー補正
部60においては、モニタ20に表示されたカラー原画
像の遠近効果を表現するために、コントラストおよび鮮
鋭度(シャープネス強調度)を変化させるマスク画像を
作成するためのカラー原画像上の位置および方向の少な
くとも一方がキーボード18aやマウス18bなどの操
作系によって入力される。パラメータ統合部62は、セ
ットアップ部58が設定した画像処理条件を受け取り、
供給された画像処理条件を、プレスキャンデータ処理部
44の画像処理部50およびファインスキャンデータ処
理部46の画像処理部54に設定し、さらに、キー補正
部60で算出された調整量に応じて、各部分に設定した
画像処理条件を補正(調整)し、あるいは画像処理条件
を再設定する。
【0028】続いて、本発明の特徴とする、遠近効果処
理を行うファインスキャンデータ処理部46の画像処理
部54について、詳細に説明する。図4は、画像処理部
54の一実施例の詳細を示すブロック図である。図4に
示すように、画像処理部54は、画像データの濃度、色
および階調を変換する色濃度階調変換手段64、画像デ
ータの彩度を変換する彩度変換手段66、画像データの
画素数を変換するディジタル倍率変換(電子変倍)手段
68、画像データにカラー再生画像に遠近効果が表現で
きる処理を施す遠近効果処理手段70および画像データ
にダイナミックレンジ圧縮伸長処理(伸縮処理)、すな
わち覆い焼き処理を施すダイナミックレンジ伸縮手段7
2を備えている。
【0029】画像処理部54において、色濃度階調変換
手段64は、LUT等に従って、画像データから濃度デ
ータ、色データおよび階調データに変換するものであ
る。また、彩度変換手段66は、色濃度階調変換手段6
4によって得られた画像データの彩度をMTX演算等に
従って変換するものである。また、電子変倍手段68
は、画像記録装置16においてカラーペーパに出力する
カラー画像のサイズに応じて、かつ出力画素密度に合わ
せて、彩度変換手段66によって彩度変換された画像デ
ータを補間したり、間引いたりして、画像データの画素
データ数を増減するものである。遠近効果処理手段70
は、詳細は後述するが、電子変倍手段68で所定出力サ
イズおよび出力画素密度の画像データに電子変倍された
画像データ遠近効果処理して、すなわち画像のコントラ
ストおよび鮮鋭度を画像の位置および方向の少なくとも
一方に依存させて調整して、画像に遠近効果を表現させ
る処理を行うものである。ダイナミックレンジ伸縮処理
手段72は、遠近効果処理手段72で遠近効果処理され
た画像データの低周波成分を抽出してボケ画像を生成
し、ボケ画像信号を伸縮処理して原画像から減算して、
画像のダイナミックレンジを出力媒体、例えばカラーペ
ーパまたは出力デバイスの表現可能な濃度レンジに合わ
せて圧縮または伸長するもので、いわゆる覆い焼き効果
を付与するものである。なお、遠近効果処理手段70は
ダイナミックレンジ伸縮処理手段72の後にあってもよ
い。
【0030】ここで、遠近効果処理手段70は、本発明
の最も特徴とする部分であって、マスク画像作成手段7
4と、コントラスト調整処理手段76と、シャープネス
強調処理手段78とを有する。マスク画像作成手段74
は、キーボード18aおよびマウス18bなどの操作系
18から条件設定部48のキー補正部60にオペレータ
によってモニタ20の表示カラー画像上で入力または指
定された位置情報および方向情報の少なくとも一方をパ
ラメータ統合部62を介して受け取り、カラー原画像の
位置および方向の少なくとも一方に依存して、それぞれ
カラー画像のコントラストおよび鮮鋭度(シャープネ
ス)を変化させるためのコントラスト調整用マスク(画
像)74aおよびシャープネス強調用マスク(画像)7
4bなどのマスク画像を作成するものである。
【0031】次に、コントラスト調整処理手段76は、
マスク画像作成手段74で作成されたコントラスト調整
用マスク74aを用いて、カラー画像の位置および方向
に依存させてコントラストを変化させるものである。本
発明においてカラー画像のコントラストの調整方法は、
特に制限的ではなく、従来公知のコントラスト調整方法
が利用できるが、例えばカラー画像の階調を変化させる
ことによって行うのが好ましい。この方法は、階調変換
関数(直線、曲線)またはテーブルの傾きを変える、例
えば階調変換での入力階調のシャドウ(SD)点を変化
させることによって出力階調の傾きを変化させること
で、コントラストの調整を行うものである。
【0032】また、シャープネス強調処理手段78は、
カラー画像のエッジや輪郭を強調する処理、いわゆるシ
ャープネス強調処理を行うものである。シャープネス強
調処理方法は、特に制限的ではなく、従来公知のシャー
プネス強調方法が適用できるが、例えば、アンシャープ
マスク(USM)方式や粒状抑制シャープネス方式、例
えば、米国特許第4812903号公報、特開昭63−
26783号公報、特表平3−502975号公報およ
び本出願人に係る特開平9−22460号公報に開示さ
れた鮮鋭度強調方式などが好ましい。
【0033】ここで、アンシャープマスク(USM)方
式のシャープネス強調処理は、所定のマスクサイズの画
素の平均化処理を行って、カラー原画像信号からアンシ
ャープマスク信号Susを生成し、下記式によってシャ
ープネス信号Ssを生成するものである。 Ss=Sorg+K・(Sorg−Sus) ここで、Sorgはカラー原画像信号であり、Kはシャ
ープネス強調係数である。このアンシャープマスク(U
SM)方式のシャープネス強調処理においては、シャー
プネス強調の度合い、すなわち鮮鋭度の調整は、上記式
のシャープネス強調係数Kの値を画像の位置および方向
の少なくとも一方に依存させて調整することによって行
うことができる。
【0034】一方、粒状抑制シャープネス方式におい
て、特表平3−502975号公報に開示されている、
粒状抑制シャープネス強調処理は、カラー画像から局所
分散方式によってカラー画像の平坦部と、テクスチャお
よびエッジ部とを検出して、上記式のシャープネス強調
係数Kの値を平坦部で小さくし、テクスチャおよびエッ
ジ部で大きくすることにより、雑音(ノイズ)や粒状を
抑制し、テクスチャやエッジ(輪郭)を強調することに
より鮮鋭度を強調するものである。従って、本発明にお
いてこの方法を用いる場合には、用いられるシャープネ
ス強調係数Kの値を平坦部とテクスチャおよびエッジ部
とで変えるとともに、上述の場合と同様に、画像の位置
および方向の少なくとも一方に依存させて調整すること
によって、遠近効果を表現するための画像の位置に依存
させた鮮鋭度の調整を行うことができる。
【0035】また、米国特許第4812903号公報お
よび特開昭63−26783号公報などに開示された粒
状抑制シャープネス強調処理は、カラー画像信号にフィ
ルタリング処理等を施して、低周波成分と高周波成分に
分離し、高周波成分のみに対して強調する処理を施して
合成するものであるので、高周波成分の強調度合い、例
えば強調係数やゲインを画像の位置および方向に依存さ
せて変化させることによって、遠近効果処理のための鮮
鋭度の調整を行うことができる。
【0036】また、本出願人の出願に係る特開平9−2
2460号公報に開示された粒状抑制シャープネス強調
処理は、カラー原画像信号を低周波成分、中間周波数成
分および高周波成分に分解し、好ましくはさらに中間周
波数成分および高周波成分から輝度成分を抽出して、輝
度成分のみに基づいて、高周波成分を強調し、中間周波
数成分を抑制した後に、低、中間および高周波数の各周
波数成分を合成するものであるので、上述の例と同様
に、設定された各周波数成分のゲインや処理の強度を画
像の位置および方向の少なくとも一方に依存させて変化
させることにより、遠近効果を表現するための鮮鋭度の
調整を行うことができる。
【0037】遠近効果処理手段70は、基本的に以上の
ように構成されるものであるが、本発明法の遠近効果処
理の一例を図5(A)〜(F)に示し、遠近効果処理を
具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるわけ
ではない。図5(A)は、カラー画像の一例を示し、遠
近感のある風景画であり、図中上側に空があり、背景が
山で道が手前(図中下方)から奥(図中上側)に向かっ
て続いている風景であり、図中右上が最も遠い風景
(点)を表し、図中左下が最も近い風景(点)を表すも
のとする。
【0038】図5(A)に示す風景画がモニタ20に表
示されると、オペレータは、キーボード18aやマウス
18bなどの操作系18を用いて、コントラストおよび
鮮鋭度(シャープネス)を変化させる方向や位置、例え
ばコントラストの変化を変える点(図5(A)および
(C)の点aおよび点b参照)や、最遠点(図5(A)
の点Pfや図5(D)および(F)参照)または最近点
などをモニタ20に表示された画像、すなわち図5
(A)に示す画像上に指示する、または入力する。これ
らの指示や入力は、条件設定部48のキー補正部60に
入力され、パラメータ統合部62を経て、遠近効果処理
手段70に入力される。遠近効果処理手段70において
は、これらの指示や入力を受け取ると、マスク画像作成
手段74によって、コントラスト調整用マスク74aお
よびシャープネス強度調整用マスク74bが作成され
る。
【0039】まず、コントラスト調整用マスク74aの
作成方法およびこれを用いたコントラスト調整方法につ
いて説明する。コントラストの調整は、図5(B)、
(C)および(D)に示すように画像階調を変化させる
ことによって行う。ここでは入力階調のハイライト点は
変化させずに、シャドウ(SD)点を変化させることに
よって、階調変換直線の傾きを変化させることでコント
ラストを変化させる。図5(B)に示す例においては、
横軸を階調数10ビット(0〜1023の1024階
調)の入力階調、縦軸を同様に10ビットの出力階調と
する時、画像のシャドウ(SD)点が200であるとす
ると、遠近効果処理が行われない場合や遠近効果処理に
よっても変化しない点においては、入力階調のシャドウ
点が200であれば、出力階調のシャドウ点の200に
変換される。すなわち、この場合には、図5(B)の直
線c1 で示される恒等変換である。一方、入力階調のシ
ャドウ点を0とすると、出力階調のシャドウ点の200
に変換されるので、図5(B)の直線c2 で示される変
換となり、傾きは小さくなり軟調化してコントラストは
低下する。他方、入力階調のシャドウ点を300とする
と、出力階調のシャドウ点200に変換されるので、図
5(C)の直線c3 で示される変換となり、傾きは大と
なり硬調化してコントラストは高くなる。
【0040】ここで、まず、パラメータ統合部62か
ら、コントラストの変化の方向が図5(A)におけるY
方向でコントラストの変化を変える点がaおよびbであ
ることが入力されているとすると、図5(A)に示す画
像中空の部分では山の稜線に近づく(遠景)につれて、
すなわち点aまでコントラストを低下させ、空以外の風
景では近景に近づくにつれ、すなわち点bまでコントラ
ストを高くし、それよりさらに近づくとコントラストは
変化させないように、図5(C)に示すようにシャドウ
点がY方向に変化する関数で示されるコントラスト調整
用マスク74aが作成される。図5(C)に示す例で
は、Y=0、すなわち図5(A)中上側では入力階調の
シャドウ点を200とし、Y方向に点aで0となるよう
に低下させ、点aを超えるとY方向に点bで入力階調が
300となるように増大し、点bを超えると300で変
化しないように作成される。
【0041】一方、パラメータ統合部62から最遠点と
して図5(A)に示す画像の右上の点Pfが入力されて
いるとすると、図5(D)に示すように、右上の点のシ
ャドウ点を0として、最遠点のコントラストを最も弱く
し、この点を中心にして放射状、且つ同心円状にシャド
ウ点の値を増大させ、左下の点を300として最近点の
コントラストを最も強くするコントラスト調整用マスク
74aを作成することができる。次いで、コントラスト
調整手段76では、このようにして作成されたコントラ
スト調整用マスク画像74a(図5(C)または(D)
参照)を用い、図5(B)に示す階調変換関係を参照し
て、カラー画像データの階調変換を行うことにより、画
像の位置/方向依存コントラスト調整を行うことができ
る。
【0042】次に、シャープネス調整用マスク74bの
作成方法およびシャープネス強調度調整方法について説
明する。シャープネス強調度の調整は、前述したよう
に、アンシャープネスマスク(USM)方式ではシャー
プネス強調係数や、粒状抑制シャープネス方式では各周
波数成分(輝度成分)のゲインや処理強度によって行わ
れるが、ここでは、それらの係数やゲインや処理強度を
変化させるために、これらに乗算する係数をシャープネ
ス調整強度とし、これを画像の位置および方向の少なく
とも一方に依存させて変化させる。ここで、シャープネ
ス調整強度は、1.0のときシャープネス強調度合には
変化がなく、シャープネス強調度合は1.0未満では低
下し、1.0超では、強化される。
【0043】ここで、まず、パラメータ統合部62から
シャープネスの変化の方向が図5(A)に示すY方向で
あることが入力されていると、Y方向におけるシャープ
ネス調整強度は図5(E)に示すように変化し、シャー
プネス強調度合は図5(A)の上側(Y=0)の遠景で
は0で小さく、下(Y方向)に向かうにつれて直線的に
増大し、下側(Yは大)の近景では2に近づいて大きく
なる。すなわち、図5(E)に示すような関数で表され
るシャープネス調整用マスク74bが作成できる。ま
た、パラメータ統合部62から画像の最遠点が図5
(A)の画像中の右上の点(Pf)であることが入力さ
れていると、図5(F)に示すように、シャープネス調
整強度が右上で0であり、これを中心にして放射状かつ
同心円状に増大し、左下で2.0となるシャープネス調
整用マスク74bを作成することができる。次いで、シ
ャープネス強調処理手段78では、このようにして作成
されたシャープネス調整用マスク74bを用いて、カラ
ー画像データのシャープネス強調処理を行うことによ
り、画像の位置/方向依存シャープネス強調度調整を行
うことができる。
【0044】以上のようにして得られた位置/方向依存
コントラストおよびシャープネス調整画像、すなわち遠
近効果処理画像は、図5(A)中Y方向にあるいは右上
から左下に向けてコントラストおよびシャープネス強調
度が増大し、すなわちコントラストおよびシャープネス
強調度は、遠景では低く、近景では高く、遠景から近景
に向かって少しずつ高くなるように変化するので、遠近
感を表現することができ、遠近効果が付与され、遠近効
果が表現されたものとなる。こうして、本発明法におい
ては、遠近感のある、すなわち遠近効果が表現されたカ
ラー再生画像を得ることができる。
【0045】なお、上述した例では、遠近効果処理手段
70のマスク作成手段74において、コントラストおよ
びシャープネス調整用マスク(画像)74aおよび74
bを作成しているが、本発明はこれに限定されず、条件
設定部48においてマスク画像の作成を行ってもよい
し、また、マスク画像を作成せずに、図5(C)および
(E)に示す関数をそのまま用いて、あるいはルックア
ップテーブル(LUT)化し、作成されたLUTを用い
て各手段76および78でコントラストおよびシャープ
ネスの調整を行うようにしてもよい。さらに、上述した
例では、コントラストやシャープネスを変化させるカラ
ー画像中の位置や方向をオペレータがモニタ20の表示
画像中にまたは画像を見て操作系18(キーボード18
a、マウス18b)で指示または入力するが、本発明は
これに限定されず、カラー画像のプリントを開始する前
に予め入力しておいてもよいし、また、カラー画像をい
くつかのパターンに分類し、分類された典型的なカラー
画像に応じたコントラストおよびシャープネスの変化パ
ターンのマスク画像やLUTや変換関数を用意してお
き、オペレータによるカラー画像パターンの指示で、遠
近効果処理を行うように構成してもよい(これは、特
に、プリント開始前に入力する場合に有効である)。ま
た、カラー画像中に指定される位置や方向は1点や1方
向に限定されず、複数点や複数の方向であってもよい。
【0046】また、図示例の画像処理装置14において
は、プレスキャンデータ処理部44の画像処理部50と
ファインスキャンデータ処理部46の画像処理部54と
は異なる処理を行っているが、解像度の違いを除いて全
く同様の処理を行うようにしてもよいし、処理済の画像
をモニタ20に表示するように構成してもよい。
【0047】本発明に係る画像処理方法を実施する画像
処理装置およびこれを用いるデジタルフォトプリンタ
は、基本的に以上のように構成されるが、画像処理装置
およびデジタルフォトプリンタの作用を以下に説明す
る。
【0048】オペレータがフィルムF(読取対象コマ)
に対応するキャリア28をスキャナ12に装填し、キャ
リア28の所定位置にフィルムFをセットし、仕上げ情
報や作成するプリントサイズ等の必要な指示を入力した
後に、遠近感のあるカラー画像のプリント作成開始を指
示する。これにより、スキャナ12の可変絞り24の絞
り値やイメージセンサ(ラインCCDセンサ32R,3
2G,32B)32の蓄積時間がプレスキャンの読取条
件に応じて設定される。その後、キャリア28がフィル
ムFをプレスキャンに応じた速度で副走査方向に搬送し
て、プレスキャンが開始され、フィルムFがスリット走
査されて投影光がイメージセンサ32に結像して、フィ
ルムFに撮影された画像がR,GおよびBに分解されて
光電的に低解像度で読み取られる。なお、ここでは、プ
レスキャンおよびファインスキャンは、1コマずつ行っ
てもよく、全コマあるいは所定の複数コマずつ、連続的
にプレスキャンおよびファインスキャンを行ってもよ
い。以下の例では、説明を簡潔にするために、1コマの
画像読取を例に説明を行う。
【0049】プレスキャンによるイメージセンサ32の
出力信号は、アンプ33で増幅されて、A/D変換器3
4に送られ、デジタル画像データとされた後に、画像処
理装置14に出力される。画像処理装置14に入力され
たデジタル画像データは、スキャナ補正部36でイメー
ジセンサ32の暗電流などの所定の補正を施した後、L
OG変換器38に送られ、プレスキャンに対応する濃度
範囲で、例えば、濃度Dで4の濃度範囲を10bitの
データに割り付けるように、LUTを用いて変換され、
プレスキャン画像データとされ、プレスキャン画像デー
タは、プレスキャンメモリ40に記憶される。プレスキ
ャンメモリ40にプレスキャン画像データが記憶される
と、条件設定部48のセットアップ部58がこれを読み
出し、濃度ヒストグラムの作成、ハイライトやシャドー
等の画像特徴量の算出等を行い、ファインスキャンの読
取条件を設定して、スキャナ12に供給し、また、階調
調整やグレイバランス調整等の各種の画像処理条件を設
定し、パラメータ統合部62に供給する。画像処理条件
を受け取ったパラメータ統合部62は、これを、プレス
キャンデータ処理部44およびファインスキャンデータ
処理部46の所定部分(ハードウエアおよびソフトウエ
ア)に設定する。
【0050】検定を行う場合には、プレスキャン画像デ
ータがプレスキャンデータ処理部44によってプレスキ
ャンメモリ40から読み出され、画像処理部50におい
て設定された画像処理条件で画像処理され、次いで、画
像データ変換部52で変換され、シュミレーション画像
としてモニタ20に表示される。オペレータは、モニタ
20の表示を見て、画像すなわち処理結果の確認(検
定)を行い、必要に応じてキーボード18aに設定され
た調整キー等を用いて色、濃度、階調等を調整するとと
もに、キーボード18aやマウス18bを用いて、コン
トラストやシャープネスを変化させる画像中の位置や方
向を指定または入力する。この調整の入力は、キー補正
部60に送られ、キー補正部60は調整入力に応じた画
像処理条件の補正量を算出し、これをパラメータ統合部
62に送る。また指定または入力された位置や方向の情
報は、キー補正部60に送られ、キー補正部60からパ
ラメータ統合部62に送られる。パラメータ統合部62
は、送られた補正量に応じて、画像処理部50および5
4のLUTやMTX等を補正するとともに、送られた位
置情報や方向情報を画像処理部54の遠近効果処理手段
70に送る。従って、この補正すなわちオペレータによ
る調整入力に応じて、モニタ20に表示される画像も変
化する。
【0051】オペレータは、このコマの画像が適正(検
定OK)であると判定すると、キーボード18a等を用
いてプリント開始を指示する。これにより、画像処理条
件が確定し、スキャナ12において可変絞り24の絞り
値等が設定されたファインスキャンの読取条件に応じて
設定されると共に、キャリア28がファインスキャンに
対応する速度でフィルムFを搬送し、ファインスキャン
が開始される。なお、検定を行わない場合には、パラメ
ータ統合部62によるファインスキャンデータ処理部4
6の画像処理部54への画像処理条件の設定を終了した
時点で画像処理条件が確定し、ファインスキャンが開始
される。ファインスキャンは、可変絞り24の絞り値等
の読取条件が異なる以外はプレスキャンと同様に行わ
れ、イメージセンサ32からの出力信号はアンプ33で
増幅されて、処理装置14のA/D変換器34でデジタ
ル濃度データとされ、スキャナ補正部36で所定の処理
を施され、LOG変換器38に送られる。LOG変換器
38において、ファインスキャンデジタル画像データは
プレスキャンよりも高い濃度分解能で処理され、例え
ば、濃度Dで2の濃度範囲を10bitのデータに割り
付けるようにLUTで変換され、ファインスキャン画像
データとされた後、ファインスキャンメモリ42に送ら
れる。
【0052】画像処理部54においては、色濃度階調変
換手段64により、ルックアップテーブルにしたがっ
て、ファインスキャン画像データの濃度データ、色デー
タおよび階調データが変換され、彩度変換手段66によ
って、マトリックス演算にしたがって、画像信号の彩度
データが変換される。次いで、カラーペーパに出力する
カラー画像のサイズに応じて、電子変倍手段68によ
り、画像データ信号の画素データ数が増減された後、画
像信号は、遠近効果処理手段70に入力される。遠近効
果処理手段70に入力されたカラー画像データ信号に対
して本発明の特徴とする遠近効果処理を施し、遠近効果
付与する。すなわち、遠近効果処理手段70において
は、マスク作成手段74は、オペレータからキーボード
18aやマウス18bを用いて条件設定部48のキー補
正部60に入力され、パラメータ統合部62を介して送
られてきたコントラストやシャープネスの変化が依存す
るカラー画像中の位置(座標)情報や方向情報を受け取
り、受け取った位置や方向の情報に基づいて、コントラ
ストを調整するための入力階調のシャドウ点の値を変化
させ、位置および方向の少なくとも一方に依存して変化
するシャドウ点からなるコントラスト調整用マスク画像
74aおよびシャープネス強調度を調整するためのシャ
ープネス調整強度を変化させ、位置および方向の少なく
とも一方に依存して変化するシャープネス調整強度から
なるシャープネス調整用マスク画像74bを作成する。
【0053】次に、コントラスト調整手段76は、マス
ク作成手段74で作成されたコントラスト調整用マスク
画像74aを用いて、カラー画像データ信号の階調変換
を行って、画像のコントラストを位置および方向の少な
くとも一方に依存させて変化させ、遠景のコントラスト
を低下させ、近景のコントラストを高くすることによ
り、遠近効果を付与する。続いて、コントラスト調整手
段76による遠近のコントラスト調整が行われた画像デ
ータ信号は、シャープネス強調処理手段78に入力さ
れ、シャープネス強調処理手段78において、マスク作
成手段74で作成されたシャープネス調整用マスク画像
74bを用いて、シャープネス強調度合が位置や方向の
少なくとも一方に依存して変化するシャープネス強調処
理を行って、カラー画像の遠景のシャープネスを低下さ
せ、近景のシャープネスを高くすることにより、遠近効
果を付与する。
【0054】このようにして遠近効果処理手段70で得
られた画像データ信号は、遠近効果が付与され、遠景の
コントラストやシャープネスの強調度が小さく、近景に
近づくにつれ、大きくなり、最近景で最大となるコント
ラストやシャープネスの強調度を持ち、遠近効果が表現
されたカラー画像となるものである。このような遠近効
果処理手段70で生成された遠近効果が付与された画像
データ信号は、ダイナミックレンジ圧縮伸長(伸縮)処
理72に入力される。ダイナミックレンジ伸縮処理72
では、ローパスフィルタなどでフィルタリング処理によ
って生成されたボケ画像信号を拡宿して原画像信号から
減算して再生される出力媒体や出力デバイスに応じた濃
度レンジに合うように圧縮または伸長して、カラー画像
信号のダイナミックレンジを伸縮処理する。こうしてフ
ァインスキャン処理部46の画像処理部54において生
成された遠近効果付与画像信号は、画像データ変換部5
6に入力されて、画像出力用画像データに変換された
後、画像処理装置14から、画像記録装置16に出力さ
れる。
【0055】画像記録装置16は、入力画像データに応
じて感光材料(印画紙)を露光して潜像を記録するプリ
ンタ(焼付装置)と、露光済の感光材料に所定の処理を
施4てプリントとして出力するプロセサ(現像装置)と
を有して構成される。プリンタでは、例えば、感光材料
をプリントに応じた所定長に切断した後に、バックプリ
ントを記録し、次いで、感光材料の分光感度特性に応じ
たR露光、G露光およびB露光の3種の光ビームを処理
装置14から出力された画像データに応じて変調して主
走査方向に偏向すると共に、主走査方向と直交する副走
査方向に感光材料を搬送することにより、前記光ビーム
で感光材料を2次元的に走査露光して潜像を記録し、プ
ロセサに供給する。感光材料を受け取ったプロセサは、
発色現像、漂白定着、水洗等の所定の湿式現像処理を行
い、乾燥してプリントとし、フィルム1本分等の所定単
位に仕分して集積する。
【0056】以上、本発明の画像処理方法について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良およ
び変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
カラー画像を光電的に読み取り、得られたカラー画像信
号にデジタル画像処理を施す際に、カラー画像のコント
ラストおよびシャープネス強調度をカラー画像の位置お
よび方向の少なくとも一方に依存させて調整することに
より、再生されるカラー画像に遠近効果を付与し、カラ
ー画像の遠近感を表現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理方法を実施する画像処理装
置を適用するデジタルフォトプリンタの一実施例のブロ
ック図である。
【図2】 (a)は、図1に示されるデジタルフォトプ
リンタに装着されるキャリアの一実施例を説明するため
の概略斜視図、(b)は図1に示されるデジタルフォト
プリンタのイメージセンサの一実施例の概念図である。
【図3】 図1に示されるデジタルフォトプリンタの本
発明の画像処理方法を実施する画像処理装置一実施例の
ブロック図である。
【図4】 図3に示される画像処理装置ファインスキャ
ン画像データ処理部の画像処理部一実施例のブロック図
である。
【図5】 図4に示される画像処理部の遠近効果処理手
段による遠近効果処理の一例を説明する説明図であり、
(A)は、処理前のカラー画像の一例を示す模式図であ
り、(B)は、コントラストを変化させるための階調変
換を説明するグラフであり、(C)は、コントラストの
変化を示すグラフであり、(D)は、コントラストの変
化を表すマスク画像であり、(E)は、シャープネスの
変化を示すグラフであり、(F)は、シャープネスの変
化を表すマスク画像である。
【符号の説明】
10 (デジタル)フォトプリンタ 12 スキャナ 14 (画像)処理装置 16 画像記録装置 18 操作系 18a キーボード 18b マウス 20 モニタ 22 光源 24 可変絞り 26 拡散ボックス 28 キャリア 30 結像レンズユニット 32 イメージセンサ 32R,32G,32B ラインCCDセンサ 34 A/D変換器 36 スキャナ補正部 38 LOG変換器 40 プレスキャン(フレーム)メモリ 42 ファインスキャン(フレーム)メモリ 44 プレスキャンデータ処理部 46 ファインスキャンデータ処理部 48 条件設定部 50,54 画像処理部 52,56 画像データ変換部 58 セットアップ部 60 キー補正部 62 パラメータ統合部 64 色濃度階調変換手段 66 彩度変換手段 68 電子変倍(ディジタル倍率変換)手段 70 遠近効果処理手段 72 ダイナミックレンジ圧縮伸長(伸縮)手段 74 マスク作成手段 74a コントラスト調整用マスク(画像) 74b シャープネス調整用マスク(画像) 76 コントラスト調整手段 78 シャープネス調整手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー画像を光電的に読み取り、得られた
    カラー画像信号に対して所定の画像処理を施すに際し、 前記カラー画像の位置および方向の少なくとも一方に依
    存させて、前記カラー画像のコントラストおよび鮮鋭度
    を変化させることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記カラー画像のコントラストおよび鮮鋭
    度の変化は、前記カラー画像の位置および方向の少なく
    とも一方に依存して変化するマスク画像を作成し、作成
    されたマスク画像を用いて行われる請求項1に記載の画
    像処理方法。
  3. 【請求項3】前記マスク画像は、前記カラー画像の垂直
    方向に対して変化するものである請求項2に記載の画像
    処理方法。
  4. 【請求項4】前記マスク画像は、前記カラー画像中の最
    遠点を指定し、指定された最遠点を中心にして放射状に
    変化するものである請求項2に記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記コントラストの変化は、前記カラー画
    像の階調を変化させることによって行う請求項1〜4の
    いずれかに記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記鮮鋭度は、アンシャープマスク方式ま
    たは粒状抑制シャープネス方式を用いて行う請求項1〜
    5のいずれかに記載の画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009037625A (ja) * 2001-09-11 2009-02-19 Seiko Epson Corp 被写体情報を用いた画像処理

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