JPH11274429A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JPH11274429A
JPH11274429A JP10070617A JP7061798A JPH11274429A JP H11274429 A JPH11274429 A JP H11274429A JP 10070617 A JP10070617 A JP 10070617A JP 7061798 A JP7061798 A JP 7061798A JP H11274429 A JPH11274429 A JP H11274429A
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JP
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thin film
capacitor
electrode layer
film
potential
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JP10070617A
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Takashi Kawakubo
隆 川久保
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速読み書きが可能で低消費電力のFRAM
を提供すること。 【解決手段】 トランジスタ601〜606と強誘電体
キャパシタ501〜506からなるセルをマトリクス状
に配置して構成し、強誘電体キャパシタ501〜506
のリークコンダクタンス301〜306を意図的に増大
させることによって、待機時にインターナルノードN
601606 から基板等へ流れるリークコンダクタンス4
01〜406をキャンセルし、常にインターナルノード
601606の電位を一定にする。この結果、安定な分極
状態の保持が可能になり、プレート電位固定型FRAM
に特有のリフレッシュ動作が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペロブスカイト型
結晶構造などの強誘電体薄膜を用いた超大容量の半導体
記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、FRAM(フェロエレクトリック
・ランダム・アクセス・メモリ:Ferroelect
ric Random Access Memory)
と称せられる強誘電体薄膜層を用いた記憶装置(強誘電
体メモリ)の開発が行われており、一部にはすでに実用
化されている。FRAMはキャパシタに蓄積された電荷
量を読み出すのではなく、残留誘電分極の方向の違いを
読み出す方式の記憶装置が可能である。このため強誘電
体メモリは不揮発性であり、電源を落とした後も記憶内
容が失われない。しかも強誘電体薄膜層の膜厚が充分薄
い場合には自発誘電分極の反転が速く、DRAM並みに
高速の書き込み、読み出しが可能であるなどの特徴を持
つ。また、1ビットのメモリセルを一つのトランジスタ
と一つの強誘電体薄膜キャパシタで作成することかでき
るため、大容量化にも適している。
【0003】このFRAMに適した強誘電体薄膜には、
残留誘電分極が大きいこと、残留誘電分極の温度依存性
が小さいこと、残留誘電分極の長時間保持が可能あるこ
と(リテンション)などが必要である。現在強誘電体材
料としては、主としてジルコン酸チタン酸鉛(PZT)
が用いられているが、キュリー温度の高さ(300℃以
上)や、自発誘電分極の大きさにもかかわらず、主成分
である鉛(Pb)の拡散および蒸発が比較的低い温度で
起こりやすい(500℃)などのために、微細化には対
応しにくいといわれている。
【0004】これに対して本発明者らは、基板としてチ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3 、以下STOと略
称)単結晶を、下部電極層として、例えば、ルテニウム
酸ストロンチウム(SrRuO3 、以下SROと略称)
を、さらに誘電体薄膜としてSROよりやや大きな格子
定数を持つ、例えば、チタン酸バリウムストロンチウム
(Bax Sr1-x TiO3 、以下BSTOと略称)を選
択し、これらの下部電極層及び誘電体薄膜を全てエピタ
キシャル成長させることにより(エピタキシャル効果に
より)、BSTOを歪格子とし、BSTOのc軸長を人
工的に制御できることを見出した。このエピタキシャル
成長は、RFマグネトロン・スパッタ法を用いる。RF
マグネトロン・スパッタ法を用いることで成膜過程中
で、ミスフィット転位が比較的入りにくくなり、膜厚2
00nm以上の比較的厚い膜厚をもつ薄膜においても、
エピタキシャル効果が得られる。その結果、Baリッチ
組成のBSTOを使用することによって、強誘電キュリ
ー温度を高温側にシフトさせ、室温領域で大きな残留誘
電分極を示し、かつ85℃程度まで温度を上げても十分
大きな残留誘電分極を保持できることを見出した。この
残留誘電分極特性は、FRAMに用いる強誘電体薄膜と
して非常に好ましい特性である。例えば、膜厚30nm
でBa分率70%のBSTO強誘電体薄膜を、SRO下
部電極層上にスパッタ法によりエピタキシャルさせた場
合、±1Vという非常に低い動作電圧で、0.2C/m
2 と大きな残留誘電分極値が得られている。
【0005】1個の転送ゲート用FETと1個の通常の
強誘電体キャパシタを組合わせた、ドライブ線駆動型の
FRAMの回路図を図19に示す。図19に示すドライ
ブ線駆動型のFRAMは2つのキャパシタ551,55
2と2つのトランジスタ651,652とで一つのユニ
ットをなすメモリセルの構成である。図19において、
1つのキャパシタ551の一方の端子は、半導体基板内
に造り込まれたMOSFET651のソース、ドレイン
を介してビット線BLに接続され、もう一方の端子はド
ライブ線DLに接続される。もう1つのキャパシタ55
2についても、同様に一方の端子をMOSFET652
のソース、ドレインを介してビット線(BL)* に接続
され、もう一方の端子をドライブ線DL接続される。な
お、BLと(BL)* の2本のビット線は、対となって
同一のセンスアンプ73,74に接続される。また、ド
ライブ線については共通な一本の線で良く、ドライブ線
の駆動回路(DD)71に接続される。キャパシタの一
方の端子に接続されたMOSFET651,652のゲ
ートは、ワード線WLに接続される。同一セル内部の2
つのMOSFET651,652のゲートは同一のワー
ド線WLに接続される。ワード線WLは、ワード線駆動
回路72に接続される。
【0006】図19に示した回路構成においては、ビッ
ト線(BL,(BL)* )対及びドライブ線DLが平行
に配置され、これらの各線は、マトリクス状に配置され
ている複数のメモリセルのうち、同じ行にある複数のメ
モリセルによって共有されている。一方、ワード線WL
はビット線BL,(BL)* 、ドライブ線DLと直交す
るように配置しており、マトリクス状に配置された複数
のメモリセルのうち、同じ列にある複数のメモリセルに
よって共有されている。それぞれのビット線対(BL,
(BL)* )に1つずつ、センスアンプ73,74が接
続されており、個々のセンスアップ73,74は、セン
スアンプ活性信号φact によって制御されている。さら
にビット線BLは、入出力(I/O)接続回路75、7
6を介して、I/Oと接続される。BLとI/O線の接
続は、I/O接続信号φI/O によって制御される。ビッ
ト線(BL)* は、入出力(I/O)接続回路75,7
6を介して(I/O)* と接続される。
【0007】次に、このような構成の強誘電体メモリの
中の1つのメモリセルに、デジタル信号を記憶させるた
めの書込み方法について、図20(a)のタイミングチ
ャートを用いて説明する。図20(a)のタイミングチ
ャートにおいて、待機時には、入出力線I/O及び(I
/O)* には、予め外部から書き込むべき信号に対応す
る相補的な電位が与えられているものとする。例えば、
ここでは、I/O線に5V、(I/O)* 線に0Vの電
位が書き込むべき情報に対応する電位として設定されて
いるものとする。また、待機時にはビット線対(BL,
(BL)* )は、図19には図示しないプリチャージ回
路によって予め等電位(0Vの電位)に保たれている。
さらに、ドライブ線および基板も、全て0Vに保たれて
いる。
【0008】(イ)書き込み動作に入る前に、書き込む
べきメモリセルの位置を示すアドレス情報に対応する特
定の行において、プリチャージ信号φpre を解除して、
BL及び(BL)* をあらゆる電圧源から切り離された
状態(フローティング状態)にする。なおこのとき他の
行のビット線対については、プレチャージ状態を解除し
ない。しかる後に、BLとI/O及び(BL)* と(I
/O)* を接続するために、書き込むべきアドレスに基
づき特定の行において、φI/O 信号を活性化する。この
結果、この行のBLはI/Oと、(BL)* は(I/
O)* と、それぞれ等電位になる。即ち、書き込むべき
情報に対応する電位が、ビット線対(BL,(B
L)* )に供給される。
【0009】(ロ)この段階で導入されたビット線対
(BL,(BL)* )の電位を安定化するために、セン
スアンプ活性信号φactによってこのビット線対(B
L,(BL)* )に接続するセンスアンプ73,74を
活性化する。このとき、BLの電位は、活性化されたセ
ンスアンプによりキャパシタの誘電分極反転に十分な高
い電圧Vccに固定される。
【0010】(ハ)次に、書き込むべき位置を示すアド
レス情報に対応する特定の列において、ワード線WLに
トランジスタをオンにするために必要な電位を与える。
この結果、この列のワード線WLに接続するMOSFE
Tがオン状態になり、キャパシタとビット線対とが接続
状態になる。当然このときに該当しない他の列において
は、ワード線に信号を送らないので、キャパシタとビッ
ト線は電気的に切り離されたままの状態にある。
【0011】(ニ)ドライブ線DLの電位は、先ず0V
に固定される。ドライブ線DLが、0Vに固定されてい
る間に、高い電圧Vccに固定されたビット線BLとの間
に生じた電位差Vccにより、BLとDL間に接続された
キャパシタ551に書込みが生じる。このとき0Vに固
定されたビット線(BL)* とドライブ線DL(は同電
位なので、(BL)* とDL間に接続されたキャパシタ
552には変化が起こらない。
【0012】(ホ)次に、ある時間の経過の後に、ドラ
イブ線DLにキャパシタ552の分極反転に十分な高い
電圧Vccを与える。ドライブ線DLにVccを与えたこと
により、ビット線(BL)* (電位:0)との間に生じ
た電位差−Vccにより、ビット線(BL)* とドライブ
線DL間に接続されたキャパシタ552に書込みが生じ
るが、このときビット線BL(電位:Vcc)とドライブ
線DLは等電位なので、ビット線BLとドライブ線DL
間に接続されたキャパシタ551には変化が起こらな
い。この結果、BL線に接続されたキャパシタ551に
は電位差Vccによる残留分極、ビット線(BL)* 線に
接続されたキャパシタ552には電位差−Vccによる残
留分極が蓄えられる。
【0013】(ヘ)しかる後に、ワード線信号を非選択
状態に戻し、センスアンプ活性信号φactを0Vにし、
センスアンプ73,74の活性化を解除し、ビット線の
プレチャージを開始することにより、書込みの動作は終
了する。そして、ビット線、ワード線、ドライブ線およ
び基板は全て0Vに維持される。すなわち、書込み動作
終了後の保持状態においては、BL,(BL)* はプリ
チャージ回路により等電位(0V)に保持される。ま
た、ビット線対の電位とドライブ線DLの電位も等電位
に保つことが望ましい。また、全てのワード線は非選択
状態(0V)に保たれるために、キャパシタはビット線
対から電気的に切り離された状態で保持される。キャパ
シタに接続するMOSFETは、電源が供給されない状
態ではOFFであり、従ってキャパシタに残留分極の形
として書き込まれた情報は、メモリ回路に電源が供給さ
れない場合にも、デジタル情報を保持することができ
る。
【0014】次に、このような方法でメモリ回路の中の
1つのメモリセルに記憶された、デジタル情報を読み出
す方法について、図20(b)の読み出しタイミングチ
ャートを用いて説明する。
【0015】(イ)まず、ビット線(BL,(B
L)* )のプリチャージを解除して、ビット線BL,
(BL)* をフローティング状態にする。
【0016】(ロ)次いで、アドレスに対応した列の一
本のワード線WLを選択して、ワード線WLに接続する
MOSFETをオン状態にする。これにより、メモリセ
ルのキャパシタと、ビット線(BL,(BL)* )が電
気的に接続される。このとき、これ以外の選択されない
ワード線WLに接続するトランジスタについては、オフ
の状態が保たれる。
【0017】(ハ)次いで、アドレスに対応した行のド
ライブ線DLを選択し、読み出し用の低い電位Vread
ドライブ線に与える。これにより、メモリセル内の2つ
のキャパシタにVreadが加わることになる。この2つの
キャパシタには、互いに異なる方向の残留分極が蓄積さ
れているが、この残留分極はVreadの低い電圧によって
反転することはない。従ってこの読み出しは、キャパシ
タの誘電分極の向きを変えることなく、非破壊で読み出
すことが可能である。また、FRAMセルのキャパシタ
は、一般に残留分極の方向によってリーク電流の値が1
00〜1000倍異なる。従って、ビット線BLと(B
L)* に流れ込む電流の値は、キャパシタに書き込まれ
た誘電分極の向きにより異なる。結果的にビット線対に
対して若干異なる電位を与える。
【0018】(ニ)ビット線対に十分な電位差が生じた
段階で、WLの電位を戻し、キャパシタと、ビット線対
を電気的に切り離す。この後、DL線の電位も元に戻
す。
【0019】(ホ)ここで、φact を選択することによ
り、センスアンプ73,74を活性する。これにより、
ビット線対(BL,(BL)* )の電位差を増幅し、さ
らに固定する。このとき、既にメモリセルのMOSFE
Tがオフになっているため、増幅された電位が、キャパ
シタの誘電分極に影響を与えない。
【0020】(ヘ)ビット線に読み出された電位は、φ
I/O に信号を送ることにより、I/O及び(I/O)*
に転送することが可能である。情報がI/O,(I/
O)*に転送された後、ビット線対と入出力線対は切り
離される。その後、ビット線対は再びプリチャージ状態
に戻され、0Vに保たれ、情報の保持状態に戻される。
また、ワード線、ドライブ線および基板は全て0Vに保
たれる。
【0021】図20のタイミングチャートに示したよう
に、ドライブ線駆動型のFRAMの待機時には、ビット
線、ワード線、ドライブ線および基板は全て0Vに保た
れており、またキャパシタ551の1電極層とMOSF
ET651の1主電極領域で構成されるインターナルノ
ードNI はフローティングであり、やはり0Vに保たれ
る。
【0022】読み出し/書き込み動作においては、選択
したワードWLをONの状態にし、ドライブ線DLおよ
びビット線BL,(BL)* の双方を0VとVcc間でパ
ルス駆動を行う。図20に示すように、ドライブ線DL
とビット線BL,(BL)*の双方をパルス駆動するの
は、強誘電体キャパシタの分極反転電圧が高いため、±
ccの電圧で分極反転させなければならないためであ
る。ドライブ線とビット線の双方をパルス駆動するた
め、DRAMに比較して約3倍の読み出し/書き込み時
間がかかるという短所を有している。
【0023】一方、上記エピタキシャルBSTO膜を使
用した強誘電体キャパシタにおいては低電圧駆動が可能
である。このため、通常のDRAM型の回路と同様の、
一定電位のプレート線を使用した図21に示す回路構造
が可能で、ドライブ線DLは不要である。すなわち、強
誘電体キャパシタ561の1つの電極層はプレート線P
Lに接続され、他方の電極層はMOSFET661の1
つの主電極領域(ソース電極)に接続されている。プレ
ート線PLの電位は1/2Vcc一定に保たれている。更
に、MOSFET661の他方の主電極領域(ドレイン
電極)はビット線BLに接続され、MOSFET661
のゲート電極はワード線WLに接続されている。読み出
し/書き込み動作においては、ビット線BL及びワード
線WLのみをVccと0Vの間でパルス駆動を行う。ビッ
ト線BLをVcc、ワード線WLをVccとすればインター
ナルノードNI とプレート線PL間には+1/2Vcc
印加され、ビット線を0、ワード線WLをVccとすれ
ば、インターナルノードNIとプレート線PL間には−
1/2Vccが印加される。すなわち、±1/2Vccの電
圧でキャパシタ561の誘電分極を反転させることがで
きる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】図21に示す回路構成
においては、待機時にビット線BLおよびプレート線P
Lは1/2Vccに保たれており、基板は例えば−1Vの
負の基板電位Vssにバイアスされている。またキャパシ
タ561の1電極層とMOSFET661の1主電極領
域(ソース電極)で構成されるインターナルノードNI
はフローティングであり、やはり1/2Vccにチャージ
される。このときに問題になるのが基板リーク電流Gで
ある。すなわち、初期に1/2Vccにチャージされたイ
ンターナルノードNI と負にバイアスされた基板の間に
は電位差が加わっているため、種々の欠陥に起因した基
板リーク電流Gが生じる。従って、初期に1/2Vcc
チャージされたインターナルノードNI の電位は徐々に
低下していき、その結果、強誘電体キャパシタ561の
両電極層間に一定以上の電圧が加わり一方向に分極反転
してしまうという問題点がある。
【0025】すなわち図22に示すように、MOSFE
T661の一主電極領域(ソース電極)と強誘電体キャ
パシタ561の一電極層から構成されるインターナルノ
ードNI の待機時の平衡電位は、インターナルノードN
I と基板の間のリーク特性(基板リーク特性)と、イン
ターナルノードNI と強誘電体キャパシタ561のもう
一つの電極層の間のリーク特性(キャパシタリーク特
性)によって決定される。従って、通常使用されるよう
な最大動作電圧で10-7A/cm2 以下のリーク特性を
有する絶縁性の高い強誘電体キャパシタを使用した場
合、酸素誘起欠陥などを有する個所の基板リーク電流の
方が大きくなるためにインターナルノードNI の電位が
下がり、強誘電分極を維持する電圧範囲を超えて誘電分
極が一方向に反転してしまうような不都合が発生する。
【0026】この問題点に対処するため、従来のプレー
ト線固定型FRAMにおいては、待機時にDRAMと同
様の何らかのリフレッシュ動作を行う必要が生じた。基
板リーク電流Gによって下がったインターナルノードN
I の電位をリフレッシュ動作により1/2Vccまでリチ
ャージする。例えば、ビット線電位を1/2Vccに保っ
たまま定期的にワード線をON電位にすることによっ
て、インターナルノードNI の電位を1/2Vccにリチ
ャージする方法や、通常の読み出し/書き込みリフレッ
シュ動作を行ってインターナルノードNI の電位を1/
2Vccにリチャージする方法などが挙げられる。
【0027】しかしながら、このような待機時のリフレ
ッシュ動作は、本来リフレッシュ動作が不要なことが売
り物のFRAMにとって余分な消費電力を必要とするこ
とになる。また、リフレッシュ動作中は外部からの読み
書きができないため、特に集積度の大きなメモリにおい
ては動作の障害になる。従ってDRAMと比較したとき
の差別化要素が少なくなってしまうという問題点があ
る。
【0028】上記問題点に鑑み、本発明は、待機時にリ
フレッシュ動作が不必要なプレート電位固定型FRAM
を提供することを目的とする。
【0029】本発明の他の目的は、DRAM並の高速動
作が可能なプレート電位固定型FRAMを提供すること
である。
【0030】本発明のさらに他の目的は、消費電力が少
なく、大容量化が可能なプレート電位固定型FRAMを
提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の特徴は、転送ゲート用トランジスタ
と、この転送ゲート用トランジスタの一方の主電極領域
と接続した第1の電極層と、一定の電位のプレート線に
接続した第2の電極層と、第1および第2の電極層に狭
まれ、駆動電圧の最大値におけるリーク電流密度が10
-6A/cm2 以上、1A/cm2 以下である強誘電体薄
膜からなるキャパシタとを少なくとも有するメモリセル
を含む半導体記憶装置であることである。ここで、「ト
ランジスタの主電極領域」とは、トランジスタのソース
領域もしくはドレイン領域の一方の意である。通常トラ
ンジスタのソース領域およびドレイン領域は、対称に形
成されているので、いずれをトランジスタのソース領域
と呼ぶか、トランジスタのドレイン領域と呼ぶかは、単
なる呼び方の問題にすぎない。本発明のメモリセルは、
X−Yマトリクス状に配置されることが好ましいことは
勿論である。そして、本発明の半導体記憶装置において
重要な点は、強誘電体キャパシタの電極層間のリークコ
ンダクタンスが、トランジスタの一方の主電極領域と基
板の間の最大リークコンダクタンスより大きく設定され
ていることである。
【0032】キャパシタのリークコンダクタンスを大き
くすることにより、待機時において強誘電体キャパシタ
の電極層間に加わる電圧を分極状態が安定に維持できる
電圧範囲以下に抑制することができる。
【0033】リークコンダクタンスを大きくするために
は強誘電体薄膜はチタン酸バリウムを主成分とする強誘
電体薄膜からなり、添加元素として、希土類元素および
バナジウウム(V),ニオブ(Nb),クロム(C
r),モリブデン(Mo),タングステン(W)の中か
ら選択した少なくとも1種類以上の元素を、0.01%
以上、5%以下含むようにすればよい。
【0034】また、強誘電体薄膜をチタン酸ジルコン酸
鉛を主成分とする強誘電体薄膜あるいはビスマス(B
i)を主成分とするSrBi2 Ta2 9や、Bi4
3 1 2などの強誘電体薄膜とし、添加元素として鉄
(Fe),マンガン(Mn),イリジウム(Ir)など
の遷移金属の中から選択した少なくとも1種類以上の元
素を、0.01%以上、5%以下含むようにすることが
好ましい。
【0035】本発明の第1の特徴は、強誘電体キャパシ
タのリーク特性を意図的に増大させたものであるが、こ
のようにリーク特性を意図的に増大させるとによって、
リフレッシュ動作が不要なプレート電位固定型FRAM
を作成することが可能になる。すなわち、基板リーク電
流の最大値よりも、キャパシタのリーク電流を大きく設
定することにより、キャパシタの1電極層とMOSFE
Tの1主電極領域との接続点であるインターナルノード
の平衡電位が顕著に下がることはない。すなわち、イン
ターナルノードの平衡電位の変動は、強誘電分極を維持
することが可能な電圧範囲に収まるので、強誘電分極が
反転することがない。従って、インターナルノードを1
/2Vccに保つためのリフレッシュ動作などは不要とな
る。
【0036】なお、強誘電体キャパシタのリーク電流を
大きく設定することによって、読み出し/書き込み動作
に影響することが考えられる。FRAMの1ビットの読
み出し/書き込み時間を最大300ns、強誘電体キャ
パシタの蓄積電荷密度を最小10μC/cm2 とする
と、読み出し/書き込み時間内に蓄積電荷量の3%がリ
ークによって散逸するリーク電流密度は、最小で1A/
cm2 になる。従って、動作電圧を印加したときに1A
/cm2 程度以下のキャパシタリーク電流があれば、読
み出し/書き込み動作に実質的に影響することはない。
しかしながら、瞬間的であれ強誘電体薄膜中にA/cm
2 オーダーの大電流が流れることにより膜質が劣化する
恐れがあるため、望ましくは最大動作電圧におけるリー
ク電流は10-2A/cm2 程度以下にすることが望まし
い。
【0037】なお、強誘電体キャパシタのリーク電流の
制御は、キャパシタ膜中の構造欠陥等によるものではな
く、再現性の良い方法で得る必要がある。また、優れた
強誘電特性を維持し、かつ疲労特性やブレークダウンな
どの信頼性に影響を与えない必要がある。
【0038】このような特性に特に優れた材料系とし
て、上述したようなエピタキシャル成長させたチタン酸
バリウム系の強誘電体薄膜をベースにし、添加元素とし
てランタン(La)やニオブ(Nb)などを0.1%か
5数%程度ドーピングした材料が望ましい。
【0039】本発明の第1の特徴によれば、プレート電
位固定型FRAMに特有の、待機時にリフレッシュ動作
が必要になるという問題点を克服できる。この結果、高
速読み書きが可能で、低消費電力のFRAMを作成する
ことが可能になる。
【0040】本発明の第2の特徴は、転送ゲート用トラ
ンジスタと、この転送ゲート用トランジスタの一方の主
電極領域と接続した第1の電極層、一定電位のプレート
線に接続した第2の電極層と、第1及び第2の電極層間
に挟まれた強誘電体薄膜からなるキャパシタと、第1及
び第2の電極層間に接続された薄膜抵抗とを少なくとも
有するメモリセルを含む半導体記憶装置であることであ
る。この薄膜抵抗は、半導体ないしは半金属からなる薄
膜で構成すればよく、半導体記憶装置の読み出し/書き
込み時にキャパシタに加わる駆動電圧の最大値における
抵抗値が、109 Ω以上1015Ω以下に選ぶことが好ま
しい。上記の本発明の第1の特徴においては、それぞれ
のキャパシタの内部を流れるリーク電流を用いたもので
あるが、本発明の第2の特徴においては、各キャパシタ
の外付けのリーク抵抗として積極的に薄膜抵抗を設けた
ものである。
【0041】本発明の第2の特徴によれば、キャパシタ
の電極間に薄膜抵抗を並列に接続することにより、リフ
レッシュ動作が不要なプレート電位固定型回路を有する
FRAMを作成することが可能になる。インターナルノ
ードに基板リークにより流れ込む電流を、薄膜抵抗を通
して逃がすことにより、第1の特徴と同様に、インター
ナルノードの電位を一定に保つことが可能になる。
【0042】薄膜抵抗の下限値としては、半導体記憶装
置の読み書き動作時に蓄積電荷がこの薄膜抵抗を通して
逃げ出さない値以上であれば良い。FRAMの1ビット
の読み出し/書き込み時間を最大300ns、キャパシ
タの蓄積電荷を最小10fCとすると、読み出し/書き
込み時間内に蓄積電荷量の3%がリークによって散逸す
るリーク電流は、最小で1nAになる。従って、半導体
記憶装置の動作電圧を1Vとしたときに109Ω以上の
抵抗値であれば、読み出し/書き込み動作に実質的に影
響することはない。また、薄膜抵抗の抵抗の上限値とし
ては、基板リークにより流れ込む電流を、分極保持電圧
内で逃がせれば良い。セルあたりの最大の基板リーク電
流を10-16Aとし、分極保持電圧を最小0.1Vとす
ると、1015Ω以下であればインターナルノードの電位
を安定に保持することができる。
【0043】本発明の第2の特徴に好適な抵抗値を実現
する薄膜抵抗材料としては、熱的に安定なグラファイト
などの半金属やSiやGeなどの半導体から選ぶことが
できる。
【0044】本発明の第3の特徴は、転送ゲート用トラ
ンジスタと、この転送ゲート用トランジスタの一方の主
電極領域と接続した第1の電極層、一定電位のプレート
線に接続した第2の電極層と、第1および第2の電極層
に狭まれた強誘電体薄膜からなるキャパシタとを少なく
とも有するメモリセルを含み、スタンバイ時における転
送ゲート用トランジスタのリーク電流が10-15Aから
10-9 の範囲内に制御されている半導体記憶装置で
あることである。
【0045】上記の本発明の第1及び第2の特徴は、各
キャパシタの内部を流れるリーク電流、および各キャパ
シタの外付けの薄膜抵抗を流れるリーク電流を、それぞ
れ用いたものであるが、本発明の第3の特徴において
は、スタンバイ時における転送ゲート用トランジスタの
リーク電流を用いたものである。
【0046】本発明の第3の特徴によれば、トランジス
タのリーク電流を利用することにより、リフレッシュ動
作が不要なプレート電位固定型FRAMを作成すること
が可能になる。インターナルノードに基板リークにより
流れ込む電流を、トランジスタのリーク電流を利用して
逃がすことにより、第1及び第2の特徴と同様にインタ
ーナルノードの電位を一定に保つことが可能になる。
【0047】リーク電流の上限値としては、半導体記憶
装置の読み書き時に、選択ビット線と非選択ワード線に
接続された半選択セルの蓄積電荷が、トランジスタのリ
ーク電流を介して逃げ出さない値以下であればよい。F
RAMの1ビットの読み出し/書き込み時間を最大30
0ns、キャパシタの蓄積電荷を最小10fCとする
と、読み出し/書き込み時間内に蓄積電荷量の3%が散
逸するリーク電流は、最小で1nAになる。従って、ト
ランジスタのリーク電流を10-9A以下にすれば、読み
出し/書き込み動作時に 半選択セルの記憶状態に影響
することはない。消費電力の観点から見れば、リーク電
流はなるべく小さい方が望ましい。また、リーク電流の
下限値としては、基板リークにより流れ込む電流を、分
極保持電圧内で逃がせればよい。セル当たりの最大リー
ク電流を10-16Aとし、分極保持電圧を最小0.1V
とすると、ドレイン電圧0.1Vで10-16Aであれ
ば、インターナルノードの電位を安定に保持することが
できるが、余裕を見て10-15A以上が望ましい。
【0048】本発明の第3の特徴に好適なトランジスタ
のリーク電流を制御する方法としては、トランジスタの
しきい値電圧を適宜設定すればよい。MOSトランジス
タをオフ状態からオン状態に遷移させるとき、ドレイン
電流の大きさを1桁上げるためには、ゲート電圧を約7
0mV上げる必要がある。ここでオン状態とは1μA以
上ドレイン電流が流れる状態である。従って、例えばし
きい値電圧を700mVに設定すれば、ゲート電圧0V
のオフ状態では1μAより10桁低い10-16Aのリー
ク電流が流れることになる。従って、例えばしきい値電
圧を210mVから630mV程度の値に設定すれば良
い。
【0049】本発明の第3の特徴に好適なトランジスタ
のリーク電流を制御する他の方法としては、しきい値電
圧を大きく設定して、スタンバイ時にもゲート電圧を0
Vに落とさずに、望ましいリーク電流に対応した、特定
のゲート電圧に保持すればよい。上述した例に倣えば、
しきい値電圧を800mVに設定し、スタンバイ時にも
280mVから730mVのゲート印加することで、ト
ランジスタのリーク電流を10-15Aから 10-9
範囲内に制御することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施の形態に係る半導体記憶装置を説明する。図面の記載
において同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を
付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚み
と平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のもの
とは異なることに留意すべきである。したがって、具体
的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきもの
である。また図面相互間においても互いの寸法の関係や
比率が異なる部分が含まれていることはもちろんであ
る。
【0051】(第1の実施の形態)図1及び図2を用い
て本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置を説
明する。図1(a)と図1(b)とは互いに直交する関
係にある半導体記憶装置の断面図である。すなわち、図
1(a)のA−A方向から見た断面図が図1(b)であ
り、図1(b)のB−B方向から見た断面図が図1
(a)である。また、図2は図1のメモリセルをマトリ
クス構成した様子を示す本発明の第1の実施の形態に係
る半導体記憶装置の主要部の回路図である。
【0052】まず、図2を用いて全体構成を説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置は、図
2に示すように強誘電性特性を使用した薄膜キャパシタ
501,502,503,…,506,…と、この薄膜
キャパシタ501,502,503,…,506,…に
接続して設けられた転送ゲート用トランジスタ(MOS
FET)601,602,…,606,…を具備したメ
モリセルを複数個マトリクス状に配置している。図2に
おいて、1つのキャパシタ501,502,503,
…,506,…551の一方の電極層は、半導体基板内
に造り込まれたMOSFET601,602,…,60
6,…651のソース、ドレイン領域を介してビット線
BLj ,BLj+1 ,…、に接続され、もう一方の端子は
一定の電位1/2Vccに保たれたプレート線PLに接続
されている。キャパシタの一方の電極層に接続されたM
OSFET601,602,…,606,…のゲート
は、ワード線WLi-1 ,Wi ,Wi+1 ,…に接続され
る。そして、ビット線駆動回路701により、ビット線
BLj ,BLj+1 ,…、を駆動し、ワード線駆動回路7
02により、ワード線WLi-1 ,Wi ,Wi+1 ,…を駆
動して、MOSFET601,602,…,606,…
651の導通状態を制御して書き込み/呼び出しを行う
回路構成である。そして、本発明の第1の実施の形態に
係る半導体記憶装置においては、各薄膜キャパシタ50
1,502,…のそれぞれのキャパシタ電極層間のリー
クコンダクタンス301,302,…をトランジスタ6
01,602,…の一方の主電極領域(インターナルノ
ード)N601 ,N602 ,…と基板間のリークコンダクタ
ンス401,402,…より大きく設定されている。
【0053】図1に戻りメモリセルの構造を説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置のメモ
リセル(FRAMメモリセル)は、Baのモル分率80
%のBSTOにLaを0.5%ドーピングした強誘電体
薄膜層を具備するエピタキシャルキャパシタを有する。
このFRAMメモリセルは、図1に示すように第1導電
型(p型)の基板1上に第2導電型高不純物密度の基板
プレート19を設け、図2に示したプレート線PLを構
成している。そしてこの基板プレート19の上に下部バ
リア金属層2、第2の電極層(下部電極層)3、強誘電
体薄膜4、第1の電極層(上部電極層)5、上部バリア
金属層6からなるエピタキシャルキャパシタが構成され
ている。下部バリア金属層2は膜厚10nmの(Ti,
Al)N,下部電極層3は膜厚20nmのSrRu
3 、強誘電体薄膜4は、厚さ25nmのBSTO:L
a薄膜、上部電極層は厚さ20nmのSrRuO3 膜、
さらに上部バリア金属層6として膜厚10nmの(T
i,Al)Nである。
【0054】そして、このエピタキシャルキャパシタに
隣接して第1の主電極領域(n+ ソース領域)52およ
び第2の主電極領域(n+ ドレイン領域)51とを有す
るnMOSFETが転送ゲート用トランジスタとして構
成されている。さらに、このnMOSFETは制御電極
として、p型シリコン層12の表面のゲート酸化膜30
の上にゲート電極31a,31bを有している。なおこ
こでゲート電極31a,31bは、ポリSiゲート層3
1aとWゲート層31bとからなる2層構造である。W
ゲート層の他にTi,Mo,Co等の高融点金属、ある
いはWSi2 ,TiSi2 ,MoSi2 ,CoSi2
の高融点金属のシリサイドなどを、ゲート層31bとし
て用いても良い。このゲート電極31はワード線31の
一部を成すものである。ワード線31は、図2に示すよ
うに複数本あり、図1(a)の紙面に垂直方向に延伸さ
れている。各nMOSFETは素子分離絶縁膜9により
互いに分離されている。
【0055】また、図1に示すようにn+ ドレイン領域
51上には不純物を添加した多結晶シリコン(ドープド
ポリシリコン)、高融点金属や高融点金属のシリサイド
等からなるビット線コンタクトプラグ34が配置され、
ビット線35に接続されている。ビット線35は、ワー
ド線31と直交する方向に延伸されている。図1(a)
の断面図では、ビット線35が1本のみ示されている
が、図2の回路図に示すように複数本のビット線と複数
本のワード線でX−Yマトリクスを構成していることは
勿論である。
【0056】図1に示すように、n+ ソース領域52に
は、n+ ドープドポリシリコンからなるキャパシタコン
タクトプラグ14が接続されている。ワード線31とビ
ット線35とは酸化膜(SiO2 膜),PSG膜,BP
SG膜,窒化膜(Si3 4膜)等からなる第1の層間
絶縁膜32、第2の層間絶縁膜33により互いに分離さ
れている。さらにビット線35の上には酸化膜(SiO
2 膜),PSG膜,BPSG膜,窒化膜(Si3
4 膜)、あるいはポリイミド膜などのパッシベーション
膜36が形成されている。
【0057】本発明の第1の実施の形態に係るFRAM
セルのエピタキシャルSRO/BSTO:La/SRO
キャパシタの強誘電ヒステリシス特性を測定したとこ
ろ、図3に示すような特性が得られることが確認され
た。図3に示すように、このエピタキシャルSRO/B
STO:La/SROキャパシタは、±1.5Vでの動
作で残留分極値2Pr=40μC/cm2 の大きな誘電
分極が得られる。又、誘電分極の保持特性を温度85
℃,100℃、および120℃において加速試験により
測定したところ、図4に示すように±0.4V以内に電
圧を保てば、85℃10年間分極状態が保持されること
が確認された。さらに、リーク電流特性を測定したとこ
ろ、図5に示すような特性が得られ、±0.2V以上±
1.5V以内の電圧範囲では、10-6A/cm2 から1
-4A/cm2 の範囲の安定したリーク特性が得られ
た。
【0058】上述の工程により作成したメモリセルを使
用し、強誘電体キャパシタに±1.5Vで書き込んだ
後、プレート線およびビット線を1.5Vに、基板電位
を−1Vに保持して保持特性を測定したところ、リフレ
ッシュ動作を行わなくても分極状態が安定に保持される
ことが確認された。
【0059】次に、図6乃至図10を用いて本発明の第
1の実施の形態に係るFRAMセルの製造方法を説明す
る。
【0060】(イ)まず図6(a)に示すように、第1
導電型(p型)のSi(100)基板1を用意する。こ
のp型基板1の表面に図6(b)に示すように深さ0.
1μm程度の第2導電型(n型)の不純物を2×1018
cm-3〜1×1021cm-3程度の不純物密度に拡散する
ことにより基板プレート19を形成する。
【0061】(ロ)その後、図6(c)に示すように下
部バリア金属層2として膜厚10nmの(Ti,Al)
N、下部電極層3として膜厚20nmのSrRuO3
強誘電体薄膜4としてBa0.8 Sr0.2 TiO3 にLa
を0.5%ドーピングした厚さ25nmのBSTO:L
a薄膜、上部電極層5として厚さ20nmのSrRuO
3 膜、さらに上部バリア金属層6として膜厚10nmの
(Ti,Al)Nを、基板温度600℃でRFあるいは
DCスパッタ法により大気中に出さずに連続してエピタ
キシャル成長し、さらに第1の絶縁膜7をTEOSガス
を原料としたプラズマCVD法等により形成する。
【0062】(ハ)次に図6(d)に示すように、フォ
トリソグラフィー技術によりフォトレジスト21のパタ
ーンを形成し、このフォトレジスト21をマスクとして
RIEなどによるエッチングにより第1の凹部22を形
成する。次にこの第1の凹部22の内部および第1の絶
縁膜の上に図7(e)に示すように第2の絶縁膜8をコ
ンフォーマルに形成する。
【0063】(ニ)次に図7(f)に示すように、第2
の絶縁膜8の上に、フォトリソグラフィー技術によりフ
ォトレジスト23のマスクパターンを形成する。このフ
ォトレジスト23をマスクとして、異方性RIE等のエ
ッチングにより第2の絶縁膜8を選択的に除去する。こ
のエッチングにより、後述する素子間分離絶縁膜の形成
予定部に、第2の絶縁膜8を残存させる。更に、このと
き、第1の凹部22の底部の第2の絶縁膜8は除去され
るが、側壁部分の第2の絶縁膜8は残存するので、第1
の凹部22の側壁には第2の絶縁膜8がセルフアライン
により残されたことになる。第1の凹部22の底部に
は、単結晶Si成長用ノードとして第2導電型(n
+ 型)の基板プレート19が露出する。
【0064】(ホ)次に図7(g)に示すように、第1
の凹部22の底部に露出したSi表面の損傷層を取り除
くため、フッ化水素(HF)蒸気を使用した気相エッチ
ングを行い、この気相エッチングの後、そのまま真空中
でCVD室に搬送し、第1導電型の単結晶Si層12を
形成する。この第1導電型の単結晶Si層12の形成
は、0.13Paの圧力のSiH4 ガスとアクセプタ不
純物として加えた0.01Paのジボラン(B2 6
ガスを使用して750℃で、第1の凹部22の底部の単
結晶Si成長用ノードから選択エピタキシャル成長すれ
ばよい。この選択エピタキシャル成長後に、図8(h)
に示すように第2の絶縁膜8を停止層とし、CMP法
(化学的機械的研磨法)により表面を平坦化する。
【0065】(ヘ)次に図8(i)に示すように、単結
晶Si層12をマスクとしてRIE法等により素子間分
離部の第2の絶縁膜8、第1の絶縁膜7、上部バリア金
属層6、および上部電極層5を選択的に除去し、第2の
凹部(素子間分離用溝)24を作成する。なおこのとき
に、選択的湿式エッチングなどを併用しても良い。次に
第2の凹部(素子間分離用溝)24に図8(j)に示す
ように第3の絶縁膜9を埋め込み、その後、その表面を
図9(k)に示すようにCMPにより平坦化し、素子間
分離絶縁膜9を形成する。
【0066】(ト)次に図9(l)に示すように、フォ
トリソグラフィー技術によりフォトレジスト25のパタ
ーンを形成し、このフォトレジスト25をマスクとし
て、RIE法などのプラズマエッチングを用いて、選択
的に単結晶Si層12をエッチング除去し、第3の凹部
26および第4の凹部27を開口する。この第3の凹部
26および第4の凹部27は、キャパシタコンタクトプ
ラグを形成するための凹部である。このときのエッチン
グ条件として、上部バリア金属層6ないし上部電極層5
のいずれかをストッパーとして用いて選択的にストップ
させると良い。次に、全面に例えばリン(P),砒素
(As)、アンチモン(Sb)等の第2導電型(n型)
不純物を含んだポリSi膜(ドープドポリシリコン膜)
14を図9(m)に示すように約200nm程度の膜厚
で堆積する。その後図10(n)に示すように全面をC
MPなどの方法でエッチバックすることにより第3およ
び第4の凹部26,27にn+ ポリSi膜14からなる
キャパシタコンタクトプラグを形成する。
【0067】(チ)次に図10(o)に示すように厚さ
30〜80nm程度のゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)3
0を形成し、続けてドープドポリシリコン膜31a、W
膜31bを堆積し、公知のリソグラフィー技術およびR
IE等のエッチングによりポリSiゲート層31a、W
ゲート層31bからなるゲート電極(ワード線)31の
パターンを形成する。続いて、このゲート電極31をマ
スクとして砒素(75As+ )をイオン注入し、第2導電
型(n+ 型)のソース領域52およびドレイン領域51
を形成する。次に図10(p)に示すようにゲート電極
層31の上に第1の層間絶縁膜32を形成し、さらにそ
の上に第2の層間絶縁膜33を形成し、その表面をCM
P法等により平坦化する。そしてn+ ドレイン領域51
の上部の第1および第2の層間絶縁膜32,33、ゲー
ト絶縁膜30を選択的に除去して凹部を形成し、この凹
部にドープドポリシリコン、高融点金属、高融点金属シ
リサイド等のビットコンタクトプラグ34を埋め込む。
その後、ビットコンタクトプラグ34、第1および第2
の層間絶縁膜32,33の上に、W,Ti,Mo等の高
融点金属、あるいはAl,Cu等の金属を真空蒸着法、
スパッタリング法、あるいはCVD法により堆積する。
そして、リソグラフィー技術およびRIEによりこれら
の高融点金属もしくは、Al,Cu等の金属を、パター
ニングして図1に示すようなビット線35のパターンを
形成する。その後、さらにSiO2 ,PSG,BPS
G,Si3 4 膜、あるいはポリイミド膜等のパッシベ
ーション膜36を堆積すれば図1に示すFRAMが完成
する。
【0068】(第2の実施の形態)図11は、本発明の
第2の実施の形態に係る半導体記憶装置の断面図であ
る。図11に示すように、本発明の第2の実施の形態に
係る半導体記憶装置は、エピタキシャルキャパシタ
(2,3,4,5,6)の両電極間に薄膜抵抗11を挿
入したFRAMである。第1の実施の形態で説明した図
2では、それぞれのキャパシタ電極層間のリークコンダ
クタンス301,302,…を、各薄膜キャパシタ50
1,502,…の内部を流れるリーク電流の等価回路的
表現として示したものであるが、第2の実施の形態に係
る半導体記憶装置においては、各薄膜キャパシタ50
1,502,…の外付けのリーク抵抗301,302,
…として積極的に薄膜抵抗11を設けたものである。
【0069】本発明の第2の実施の形態に係るエピタキ
シャルキャパシタは、第1の実施の形態と同様に、下部
バリア金属層2、第2の電極層(下部電極層)3、強誘
電体薄膜4、第1の電極層(上部電極層)5、上部バリ
ア金属層6から構成されている。そして、これらの第2
の電極層(下部電極層)3及び第1の電極層(上部電極
層)5の端面に接して薄膜抵抗11が配置されている。
薄膜抵抗11は、不純物密度1018cm-3程度にリン
(P)をドーピングした厚さ2nmのSi薄膜である。
そして、電圧−電流特性の測定結果によれば、この薄膜
抵抗11は、0.1Vから1.5Vの範囲内で、1011
から1012Ωの抵抗値を示した。下部バリア金属層2
は、膜厚10nmの(Ti,AI)N、下部電極層3
は、膜厚20nmのSrRuO3、強誘電体薄膜4は、
厚さ25nmの絶縁性のBa0.8Sr0.2TiO3薄膜、
上部電極層5は、厚さ20nmのSrRuO3膜、上部
バリア金属層6は、膜厚10nmの(Ti,AI)Nで
ある。
【0070】図11に示すように、本発明の第2の実施
の形態に係るFRAMメモリセルは、第1導電型(p
型)の基板1上に第2導電型高不純物密度の基板プレー
ト19を設け、プレート線PLを構成している。プレー
ト線PLは、一定の電位に固定される。そしてこの基板
プレート19の上に、両電極間に薄膜抵抗11を挿入し
たエピタキシャルキャパシタ(2,3,4,5,6)を
配置している。さらに、このエピタキシャルキャパシタ
に隣接して第1の主電極領域(n+ ソース領域)52お
よび第2の主電極領域(n+ ドレイン領域)51とを有
するnMOSFETが転送ゲート用トランジスタとして
構成されている。なお、このnMOSFETは制御電極
として、p型シリコン層12の表面のゲート酸化膜30
の上にゲート電極31(31a,31b)を有してい
る。このゲート電極31はワード線31の一部を成すも
のである。ワード線31は、複数本あり(図2参照)、
図11の紙面に垂直方向に延伸されている。各nMOS
FETは素子分離絶縁膜9により互いに分離され、エピ
タキシャルキャパシタの第1の電極層(上部電極層)
5、上部バリア金属層6も素子分離絶縁膜9により互い
に分離されている。
【0071】また、図11に示すようにn+ ドレイン領
域51上にはドープドポリシリコン、高融点金属や高融
点金属のシリサイド等からなるビット線コンタクトプラ
グ34が配置され、ビット線35に接続されている。ビ
ット線35は、ワード線31と直交する方向に延伸され
ている。図11の断面図上では、ビット線35が1本の
み示されているが、複数本のビット線と複数本のワード
線でX−Yマトリクスを構成していることは勿論である
(図2参照)。そして、n+ ソース領域52には、n+
ドープドポリシリコンからなるキャパシタコンタクトプ
ラグ14が接続されている。ワード線31とビット線3
5とは酸化膜(SiO2 膜),PSG膜,BPSG膜,
窒化膜(Si3 4 膜)等からなる第1の層間絶縁膜3
2、第2の層間絶縁膜33により互いに分離されてい
る。さらにビット線35の上には酸化膜(SiO
2 膜),PSG膜,BPSG膜,窒化膜(Si3
4 膜)、あるいはポリイミド膜などのパッシベーション
膜36が形成されている。
【0072】図11に示すメモリセルにより、マトリク
スを構成し、エピタキシャルキャパシタに±1.5Vで
書き込んだ後、プレート線およびビット線を1.5V
に、基板電位を−1Vに保持して保持特性を測定したと
ころ、リフレッシュ動作を行わなくても分極状態が安定
に保持されることが確認された。
【0073】薄膜抵抗11の抵抗の下限値としては、F
RAMの読み書き動作時に蓄積電荷が薄膜抵抗11を通
して逃げ出さない値以上であれば良い。例えば、FRA
Mの1ビットの読み出し/書き込み時間を最大300n
s、エピタキシャルキャパシタの蓄積電荷を最小10f
Cとすると、リーク電流は、最小で1nAになる。この
リーク電流は、読み出し/書き込み時間内に蓄積電荷量
の3%が散逸するリーク電流である。従って、動作電圧
を1Vとしたときに109Ω以上の抵抗値であれば、読
み出し/書き込み動作に実質的に影響することはない。
また、薄膜抵抗11の抵抗の上限値としては、基板リー
クにより流れ込む電流を、分極保持電圧内で逃がせれば
良い。このため、セルあたりの最大の基板リーク電流を
10-16Aとし、分極保持電圧内で逃がせれば良いこと
になる。従って、基板リーク電流を10-16Aとし、分
極保持電圧を最小0.1Vとすると、1015Ω以下であ
ればインターナルノードの電位を安定に保持することが
できる。このような抵抗値を実現するための薄膜抵抗材
料としては、上記のSi薄膜以外に、Ge薄膜や、熱的
に安定なグラファイトなどの半金属の薄膜を用いても良
い。これらの薄膜は、単結晶、多結晶、あるいはアモル
ファスのいずれでもよい。
【0074】次に図12乃至図14を用いて本発明の第
2の実施の形態に係るFRAMセルの製造方法を説明す
る。
【0075】(イ)まず、第1導電型(p型)のSi
(100)基板1を用意し、このp型基板1の表面に基
板プレート19を形成し、その上に、下部バリア金属層
2として膜厚10nmの(Ti,AI)N、下部電極3
として膜厚20nmのSrRuO3、誘電体膜4として
厚さ25nmの絶縁性のBa0.8Sr0.2TiO3薄膜、
上部電極5として厚さ20nmのSrRuO3膜、さら
に上部バリア金属層6として膜厚10nmの(Ti,A
I)Nを、基板温度600℃でRFあるいはDCスパッ
タ法により大気中に出さずに連続してエピタキシャル成
長する。さらに第1の絶縁膜7をTEOSガスを原料し
たプラズマCVD法等により形成する。そして、図12
(a)に示すように、フォトリソグラフィー技術及びR
IEなどによるエッチングにより第1の凹部22を形成
する。
【0076】(ロ)次にこの第1の凹部22の内部およ
び第1の絶縁膜の上に図12(b)に示すように1018
cm-3程度にリン(P)をドーピングした厚さ2nmの
Si薄膜11をスパッタ法により堆積する。そして、図
12(c)に示すように、異方性RIE等のエッチング
によりSi薄膜11を選択的に除去する。
【0077】(ハ)次に、図13(d)に示すように、
第1の凹部22の内部および第1の絶縁膜7の上に第2
の絶縁膜8をコンフォーマルに形成し、Si薄膜11を
包み込む。そして、図13(e)に示すように、第2の
絶縁膜8の上に、フォトリソグラフィー技術によりフォ
トレジスト28のマスクパターンを形成する。このフォ
トレジスト28をマスクとして、異方性RIE等のエッ
チングにより第1の凹部22の内部の第2の絶縁膜8を
選択的に除去する。このとき、第1の凹部22の底部の
第2の絶縁膜8は除去されるが、側壁部分の第2の絶縁
膜8は残存する。第1の凹部22の底部には、単結晶S
i成長用ノードとして第2導電型(n+型)の基板プレ
ート19が露出する。
【0078】(ニ)フォトレジスト28を除去して、図
13(f)に示すように、新たなフォトレジスト23の
マスクパターンを形成する。このフォトレジスト23を
マスクとして、異方性RIE等のエッチングにより第2
の絶縁膜8を選択的に除去し、後述する素子間分離絶縁
膜の形成予定部に、第2の絶縁膜8からなる凸部を形成
する。
【0079】(ホ)次に、第1の凹部22の底部に露出
したSi表面の損傷層を取り除くため、フッ化水素(H
F)蒸気を使用した気相エッチングを行い、この気相エ
ッチングの後、そのまま真空中でCVD室に搬送し、第
1導電型の単結晶Si層12を形成する。その後、図1
4(g)に示すように第2の絶縁膜8を停止層とし、C
MP法(化学的機械的研磨法)により表面を平坦化す
る。
【0080】(ヘ)次に図14(h)に示すように、単
結晶Si層12をマスクとしてRIE法等により素子間
分離部の第2の絶縁膜8、第1の絶縁膜7、上部バリア
金属層6、および上部電極層5を選択的に除去し、第2
の凹部(素子間分離用溝)24を作成する。その後、第
2の凹部(素子間分離用溝)24に第3の絶縁膜9を埋
め込み、その表面を図14(i)に示すようにCMPに
より平坦化し、素子間分離絶縁膜9を形成する。
【0081】この後は、第1の実施の形態で説明した図
9(l)以降の工程と基本的に同様であるので、説明を
省略する。
【0082】図15は、本発明の第2の実施の形態の変
形例に係る半導体記憶装置の断面図である。図11と同
様にように、この変形例に係る半導体記憶装置は、エピ
タキシャルキャパシタ(2,3,4,5,6)の両電極
間に薄膜抵抗11を挿入したFRAMであるが、図15
では、薄膜抵抗11は、エピタキシャルキャパシタの上
部バリア金属層6の上面から、第1の電極層(上部電極
層)5、強誘電体薄膜4、第2の電極層(下部電極層)
3、下部バリア金属層2の各端面を経由して、単結晶S
i成長用ノードとして露出した第2導電型(n+ 型)の
基板プレート19の上部まで延長形成されている。
【0083】次に図16乃至図18を用いて本発明の第
2の実施の形態の変形例に係るFRAMセルの製造方法
を説明する。
【0084】(イ)まず、第1導電型(p型)のSi
(100)基板1を用意し、このp型基板1の表面に基
板プレート19を形成し、その上に、下部バリア金属層
2として膜厚10nmの(Ti,AI)N、下部電極3
として膜厚20nmのSrRuO3、誘電体膜4として
厚さ25nmの絶縁性のBa0.8Sr0.2TiO3薄膜、
上部電極5として厚さ20nmのSrRuO3膜、さら
に上部バリア金属層6として膜厚10nmの(Ti,A
I)Nを、基板温度600℃でRFあるいはDCスパッ
タ法により大気中に出さずに連続してエピタキシャル成
長する。そして、図16(a)に示すように、フォトレ
ジスト38をマスクとして、RIEなどによるエッチン
グを行い、第1の凹部22を形成する。
【0085】(ロ)次にこの第1の凹部22の内部およ
び上部バリア金属層6の上に図16(b)に示すように
1018cm-3程度に、リン(P)をドーピングした厚さ
2nmのSi薄膜11をスパッタ法により堆積する。そ
して、図16(c)に示すように、TEOSガスを原料
したプラズマCVD法等により第1の絶縁膜7をSi薄
膜11の上に堆積する。
【0086】(ハ)次に、図17(d)に示すように、
第1の絶縁膜7の上に、フォトリソグラフィー技術によ
りフォトレジスト29のマスクパターンを形成し、この
フォトレジスト29をマスクとして、異方性RIE等の
エッチングにより第1の凹部22の内部の第1の絶縁膜
7を選択的に除去する。このとき、第1の凹部22の側
壁部分に第1の絶縁膜7が残存していてもかまわない。
その後、図17(e)に示すように、第1の凹部22の
内部および第1の絶縁膜7の上に第2の絶縁膜8をコン
フォーマルに形成する。
【0087】(ニ)次に図17(f)に示すように、第
2の絶縁膜8の上に、フォトリソグラフィー技術により
フォトレジスト23のマスクパターンを形成する。この
フォトレジスト23をマスクとして、異方性RIE等の
エッチングにより第2の絶縁膜8を選択的に除去する。
このエッチングにより、後述する素子間分離絶縁膜の形
成予定部に、第2の絶縁膜8を残存させる。更に、この
とき、第1の凹部22の底部の第2の絶縁膜8は除去さ
れるが、側壁部分の第2の絶縁膜8は残存する。第1の
凹部22の底部には、Si薄膜11が、単結晶Si成長
用ノードとして露出する。
【0088】(ホ)次に、第1の凹部22の底部に露出
したSi薄膜11の表面の損傷層を取り除くため、フッ
化水素(HF)蒸気を使用した気相エッチングを行い、
この気相エッチングの後、そのまま真空中でCVD室に
搬送し、第1導電型の単結晶Si層12を形成する。S
i薄膜11の気相エッチングにより、基板プレート19
が露出してもかまわない。その後、図18(g)に示す
ように第2の絶縁膜8を停止層とし、CMP法(化学的
機械的研磨法)により表面を平坦化する。
【0089】(ヘ)次に図18(h)に示すように、単
結晶Si層12をマスクとしてRIE法等により素子間
分離部の第2の絶縁膜8、第1の絶縁膜7、上部バリア
金属層6、および上部電極層5を選択的に除去し、第2
の凹部(素子間分離用溝)24を作成する。その後、第
2の凹部(素子間分離用溝)24に第3の絶縁膜9を埋
め込み、その表面を図18(i)に示すようにCMPに
より平坦化し、素子間分離絶縁膜9を形成する。
【0090】この後は、第1の実施の形態で説明した図
9(l)以降の工程と基本的に同様であるので、説明を
省略する。
【0091】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係る半導体記憶装置は、デバイス構造的には第
1の実施の形態に係る半導体記憶装置と同一であるが、
エピタキシャルキャパシタを構成する強誘電体薄膜が異
なる。即ち、エピタキシャルキャパシタを構成する強誘
電体薄膜として、BSTO:La薄膜の替わりに絶縁性
のBa0.8Sr0.2TiO3薄膜を使用した。更に、本発
明の第3の実施の形態に係る半導体記憶装置において
は、選択用トランジスタのしきい値電圧を、600mV
に設定して選択用トランジスタのスタンバイ時における
リーク電流を制御している。この結果、インターナルノ
ードに基板リークにより流れ込む電流を、トランジスタ
のリーク電流を利用して逃がすことができるので、イン
ターナルノードの電位を一定に保つことが可能になる。
【0092】このメモリセルにより、マトリクスを構成
し、エピタキシャルキャパシタに±1.5Vで書き込ん
だ後、プレート線及びビット線を1.5Vに、基板電位
を−1Vに保持して保持特性を測定したところ、リフレ
ッシュ動作をしなくても分極状態が安定に保持されるこ
とが確認された。
【0093】(その他の実施の形態)前述のように、本
発明は第1乃至第3の実施の形態を用いて説明したが、
上記の第1乃至第3の実施の形態の記載に係る論述及び
図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでは
ない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、
実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0094】本発明のペロブスカイト型構造の誘電体材
料として、ABO3 で表される組成式において、Aとし
ては主としてBaからなり、その一部をSrあるいはC
aのうち少なくとも1種類の元素で置換しても構わな
い。Bとして、Ti、Sn、Zr、Hfなどおよびそれ
らの固溶系、さらにはMg1/3 Ta2/3 ,Mg1/3 Nb
2/3 ,Zn1/3 Nb2/3 ,Zn1/3 Ta2/3 などの複合
酸化物およびそれらの固溶系を使用することができる。
また、ドーピングする元素として、希土類元素および
V,Nb,Cr,Mo,Wの中から選択した少なくとも
1種類以上の元素を、0.01%以上5%以下含むこと
が望ましい。
【0095】また、強誘電体薄膜として、鉛系のPZT
(PbZr1-x Tix 3 )や、ビスマス(Bi)を含
むSrBi2 Ta2 9 やBi4 Ti3 12などの材料
を使うことももちろん可能である。これらの材料の場合
には、添加元素としてFe,Mn,Irなどの遷移金属
の中から選択した少なくとも1種類以上の元素を、0.
01%以上5%以下含むことが望ましい。
【0096】また、メモリセルを構成するトランジスタ
として、SOI(SiliconOn Insulat
or)構造のFETを使用すれば、基板リーク電流を低
減可することが可能になる。したがって、キャパシタの
リーク電流をそれほど増大させずにインターナルノード
の電位を保持することが可能になる。
【0097】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を包含するということを理解す
べきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な
特許請求の範囲の記載に係る発明特定事項によってのみ
限定されるものである。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、リ
フレッシュ動作が不要のプレート電位固定型FRAMを
提供することが出来る。
【0099】また、本発明によれば、高速読み書きが可
能で、低消費電力のFRAMを提供することが出来る。
【0100】従って、本発明の工業的価値は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMの主
要部の回路構成の概略を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMのキ
ャパシタの強誘電特性を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの保持特性の加速検討の結果を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMのキ
ャパシタのリーク電流特性を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの製造工程を説明するための工程順断面図である
(その1)。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの製造工程を説明するための工程順断面図である
(その2)。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの製造工程を説明するための工程順断面図である
(その3)。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメモ
リセルの製造工程を説明するための工程順断面図である
(その4)。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るFRAMメ
モリセルの製造工程を説明するための工程順断面図であ
る(その5)。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るFRAMメ
モリセルの断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るFRAMメ
モリセルの製造工程を説明するための工程順断面図であ
る(その1)。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るFRAMメ
モリセルの製造工程を説明するための工程順断面図であ
る(その2)。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係るFRAMメ
モリセルの製造工程を説明するための工程順断面図であ
る(その3)。
【図15】本発明の第2の実施の形態の変形例に係るF
RAMメモリセルの断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の変形例に係るF
RAMメモリセルの製造工程を説明するための工程順断
面図である(その1)。
【図17】本発明の第2の実施の形態の変形例に係るF
RAMメモリセルの製造工程を説明するための工程順断
面図である(その2)。
【図18】本発明の第2の実施の形態の変形例に係るF
RAMメモリセルの製造工程を説明するための工程順断
面図である(その3)。
【図19】ドライブ線駆動型のFRAMの回路図であ
る。
【図20】ドライブ線駆動型のFRAMの動作を説明す
るタイミングチャートである。
【図21】従来のプレート線固定型のFRAMメモリセ
ルの回路図である。
【図22】従来のプレート線固定型のFRAMメモリセ
ルのリーク電流特性を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部バリア金属層 3 下部電極層 4 強誘電体薄膜 5 上部電極層 6 上部バリア金属層 7 第1の絶縁膜 8 第2の絶縁膜 9 第3の絶縁膜(素子間分離絶縁膜) 11 薄膜抵抗 12 単結晶シリコン層 14 ポリSi膜(キャパシタコンタクトプラグ) 19 基板プレート(プレート線) 21,23,25,28,29,38 フォトレジスト 22 第1の凹部 24 第2の凹部 26 第3の凹部 27 第4の凹部 30 ゲート絶縁膜 31 ワード線 31a ポリSiゲート層 31b Wゲート層 32 第1の層間絶縁膜 33 第2の層間絶縁膜 34 ビット線コンタクトプラグ 35 ビット線 36 パッシベーション膜 51 ドレイン領域 52 ソース領域 301〜306 キャパシタリークコンダクタンス 401〜406 基板リークコンダクタンス 501〜506 キャパシタ部 601〜606 MOSFET 701 ビット線駆動回路 702 ワード線駆動回路 703 センスアンプ BLj ,BLj+1 ビット線 WLi-1 ,WLi ,WLi+1 ワード線 PL プレート線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/792

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転送ゲート用トランジスタと、 該転送ゲート用トランジスタの一方の主電極領域と接続
    した第1の電極層、一定電位のプレート線に接続した第
    2の電極層と、該第1および第2の電極層に狭まれ、駆
    動電圧の最大値におけるリーク電流密度が10-6A/c
    2 以上、1A/cm2 以下である強誘電体薄膜からな
    るキャパシタとを少なくとも有するメモリセルを含むこ
    とを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記強誘電体薄膜はシリコン(Si)基
    板上にエピタキシャル成長した、チタン酸バリウムを主
    成分とする強誘電体薄膜であり、添加元素として、希土
    類元素およびバナジウム(V),ニオブ(Nb),クロ
    ム(Cr),モリブデン(Mo),タングステン(W)
    の中から選択した少なくとも1種類以上の元素を、0.
    01%以上、5%以下含むことを特徴とする、請求項1
    記載の半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 転送ゲート用トランジスタと、 該転送ゲート用トランジスタの一方の主電極領域と接続
    した第1の電極層、一定電位のプレート線に接続した第
    2の電極層と、前記第1及び第2の電極層間に挟まれた
    強誘電体薄膜からなるキャパシタと、 前記第1及び第2の電極層間に接続された薄膜抵抗とを
    少なくとも有するメモリセルを含むことを特徴とする半
    導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 転送ゲート用トランジスタと、 該転送ゲート用トランジスタの一方の主電極領域と接続
    した第1の電極層、一定電位のプレート線に接続した第
    2の電極層と、該第1および第2の電極層に狭まれた強
    誘電体薄膜からなるキャパシタとを少なくとも有するメ
    モリセルを含み、スタンバイ時における前記転送ゲート
    用トランジスタのリーク電流が10-15Aから 10-9
    の範囲内に制御されていることを特徴とする半導体記
    憶装置。
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