JPH11270492A - 多翼送風機 - Google Patents

多翼送風機

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JPH11270492A
JPH11270492A JP3855599A JP3855599A JPH11270492A JP H11270492 A JPH11270492 A JP H11270492A JP 3855599 A JP3855599 A JP 3855599A JP 3855599 A JP3855599 A JP 3855599A JP H11270492 A JPH11270492 A JP H11270492A
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上村  幸男
Takahiro Tokunaga
徳永  孝宏
Hideo Asano
秀夫 浅野
Hikari Sugi
光 杉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファンから吹出される空気の風速分布を均一
化し、ファン効率の向上および騒音の低減を図る多翼送
風ファンを提供する。 【構成】 ブレード25はメインブレード25aとサブ
ブレード25bとからなり、空気取入口36側から底プ
レート24を超えて空気取入口36と反対側の部位まで
延びる形状を有している。また、ファン20が収納され
るケース22の底板部22cには、ファン20の径外方
側となるに従って空気取入口36とは反対側に向かうよ
うに傾斜する傾斜部22eが形成されている。そのた
め、サブブレードを有さないブレード形状を有するファ
ンに比べて、ファン20から吹出される空気の速度分布
を均一化することができるため、渦流および逆流の発生
は防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多翼送風ファンに関す
るもので、詳細には、車両に搭載される空調装置に使用
して好適な多翼送風ファンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空調装置などに用いられる多
翼送風ファンは、例えば特開平2−146298号公報
に示されるように、多数のブレードをもつ遠心ファン
は、ベルマウスをもつケーシングの中に収納される構成
になっている。遠心ファンは、底プレートと保持リング
の間に多数のブレードを配設した構造になっている。こ
のような遠心ファンでは、モータにより遠心ファンを駆
動させることによって空気の流れを生じさせ、空気取入
口から取り入れた空気を吐出口から排出するとしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな遠心ファンから吹出される空気は、空気取入口側か
ら底プレートにかけて、その風速分布は不均一な状態と
なっている。そのため、遠心ファンが収納されるケース
内における風圧の分布も不均一なものとなっている。こ
のような風速分布の不均一さが大きなものとなると、ケ
ース内に渦流および逆流が発生しやすくなるため、ファ
ンの効率が低下してしまうとともに騒音が発生するとい
った問題点があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、ファンから吹出される空気の風速分布を均一とする
とともに、ファンから吹出された空気の流れを円滑な流
れとすることで、空気流の乱れを低減し、ファン効率の
向上および騒音の低減を図ることができる多翼送風機を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明による多翼送風機は、空気取入口を有するケー
スと、駆動力が伝達されるボス部と、このボス部から径
外方向に延びる底プレートと、この底プレートの外周端
近傍に立設され、円周方向に沿って設けられる複数のブ
レードと、これらの複数のブレードの頂部を接続する環
状の保持リングとを備え、前記ケースに収納される多翼
送風ファンとを備え、前記ブレードが、前記空気取入口
側から前記底プレートを超えて前記空気取入口と反対側
の部位まで延び、前記ケースのうち、前記空気取入口と
反対側の部位となるケース底板部には多翼ファンの径外
方側となるに従って前記空気取入口とは反対側に向かう
ように傾斜する傾斜部が形成されることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の多翼送風機によれば、第1に、ブレー
ドが空気取入口側から底プレートを超えて空気取入口と
反対側の部位まで延びているので、ブレードから吹出さ
れる空気は、ブレードの空気取入口側端部から空気取入
口と反対側端部までの範囲で分布する。
【0007】このため、本発明では、ブレードが空気取
入口側から底プレートを超えて延びていない遠心多翼フ
ァンに比べて、遠心多翼ファンから吹出される空気の風
速分布のうち、風速が最大となる点が空気取入口と反対
側に移動するとともに、その最大風速は小さくなる。そ
の結果、遠心多翼ファンから吹出される空気の風速分布
は均一なものとすることができる。
【0008】第2に、ケースのうち、空気取入口と反対
側の部位となるケース底板部には多翼ファンの径外方側
となるに従って空気取入口とは反対側に向かうように傾
斜する傾斜部が形成されているので、遠心多翼ファンの
うち傾斜部近傍から吹出された空気(以下、プレート側
吹出流とする。)はケース底板部に衝突することなく、
傾斜部によって案内されてスムーズな流れとなるととも
に、このプレート側吹出流近傍の吹出空気を加速させ
る。そのため、遠心多翼ファンから吹出される空気の風
速分布をさらに均一にすることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。車両用空調装置に空気を取り込む遠心式多翼送風
機に本発明を適用した第1実施例を図1〜図4に示す。
通風系統は、図4に示すように、車室外の空気を取り入
れる外気取入口2、または車室内の空気を取り入れる内
気取入口3から取り入れられた空気を送風機6の空気取
入口36からケース22内に取り込み、送風ファン20
によりエバポレータ7に導く。外気取入口2と内気取入
口3は回動自在なダンパ5により開閉される。エバポレ
ータ7の出口側にはエアミックスダンパ8が設けられ、
このエアミックスダンパ8によって仕切られる第1流路
18と第2流路19のうちの片側の第2流路19にヒー
タコア17が取り付けられている。エアミックスダンパ
8とヒータコア17の出口側に形成されるエアミックス
チャンバ9は、デフロスタ吹出口13、胸元吹出口12
ならびに足下吹出口10に連通している。各吹出口1
0、12、13の入口側には該吹出口の開度を調節する
ダンパ14、15、16が回動自在に取り付けられてい
る。
【0010】前記送風機6は、遠心式多翼ファンを備
え、その具体的な構造が図1〜4に示される。送風機6
は、ファン20とケース22とからなる。ここで、ケー
ス22は、樹脂成形された上ケース22aと下ケース2
2bとをクランプ、ビス等により一体に組み付けたもの
であって、周知のスクロール形状に形成されており、径
外方向に延びる空気出口部37を有し、この空気出口部
37はエバポレータ7の空気入口側に接続されている。
【0011】ケース22の上ケース22aには前記した
空気取入口36がベルマウス形状に形成されている。上
ケース22aの空気取入口36近傍となる部位は略平板
形状を有しており、上ケース22aの上面はほぼ平らな
面となっている。一方、下ケース22bにはファン駆動
用モータ33が支持固定されている。ケース22のう
ち、空気取入口36と反対側の部位である下ケース22
bの底板部22cには、ファン20の外周端下方位置2
2dからファン20の径外方側となるに従って空気取入
口36とは反対側に向かうように傾斜する傾斜部22e
が形成されている。ここで、傾斜部22eには後述する
所定の傾斜角θ2 が設定されている。
【0012】ファン20は、図1および図2に示すよう
に、ボス部28と、底プレート24と、多数のブレード
25と、ブレード25の頂部に環状に形成される保持リ
ング26とを樹脂にて一体成形したものである。
【0013】ボス部28は、その中心円筒部28aでモ
ータ33のシャフト33aに一体に結合され、モータ3
3の駆動力が伝達される。ボス部28は凸状で中央部か
ら径外方向に滑らかに湾曲するような曲面に形成されて
いる。また、底プレート24は、曲折部24bでボス部
28に対して曲折され、曲折部24bから径外方向にか
けて水平方向に対して保持リング26と反対側へ傾斜す
る環状の直線状傾斜面24cが形成されている。ここ
で、直線状傾斜面24cには所定の傾斜角θ1 が設定さ
れている。この直線状傾斜面24cの傾斜角θ1は、傾
斜部22eの傾斜角θ2とほぼ等しくしてある。なお、
この傾斜角θ1としては、5〜40°の範囲とすること
が望ましい。
【0014】ブレード25は、底プレート24の外周端
24dの近傍から垂直上方に延びるメインブレード25
aと垂直下方に延びるサブブレード25bとからなり、
空気取入口36側から底プレート24を超えて空気取入
口36と反対側の部位まで延びる形状を有している。
【0015】ブレード25は、底プレート24の外周端
24dの近傍に円周方向に沿って所定の円弧間隔をおい
て多数配置される。保持リング26は、環状に形成さ
れ、メインブレード25aの頂部と接合される。これに
よりブレード25の取付強度を補強する保持リングとし
ての役割を果す。保持リング内周端26aと底プレート
外周端24dとを結ぶ面がファンの樹脂成形時の型割面
に一致している。
【0016】ファン20の回転によりケース22の空気
取入口36よりファン20内に吸い込まれた空気は、ブ
レード25の間を通過してケース22の内部に送り込ま
れる。
【0017】本実施例によれば、ブレード25は空気取
入口36側から底プレート24を超えて空気取入口36
と反対側の部位まで延びる形状を有しているので、空気
に与えられる運動エネルギーが本実施例と等しく、ブレ
ードが底プレートを超えて延びていない遠心多翼ファン
に比べて、ファン20内に吸い込まれた空気はより広い
範囲からケース22内部に向けて吹出される。そのた
め、ブレードが底プレートを超えて延びていない遠心多
翼ファンに比べて、ファン20から吹出される空気の風
速分布のうち風速が最大となる点は底板部22c側に移
動するとともに、最大風速が小さくなり、ファン20か
ら吹出される空気の風速分布は均一化される。
【0018】また、下ケース22aの底板部22cに傾
斜部22eを設けられているので、ファン20の外周端
下方位置22dから吹出されたプレート側吹出流近傍の
吹出空気は加速される。そのため、ファン20から吹出
される空気の風速分布をさらに均一化することができ
る。
【0019】したがって、不均一な風速分布によるケー
ス22内の渦流および逆流の発生を防止することがで
き、ファン効率の向上および騒音の低減を図ることがで
きる。
【0020】また、傾斜部22eによって、底プレート
24に沿って流出した空気の流れはケース底板部22c
に衝突することなく、スムーズに案内されて良好な流れ
を形成するので、より一層騒音低減効果を高めることが
できる。
【0021】また、ファン20内にに吸い込まれた空気
は、ボス部28の曲面に沿って流れる。本実施例では、
底プレート24の形状が曲折部24bから径外方向部で
空気の流れを妨げないように径外方向にいくに従い傾斜
角θ1 をもって下方に傾斜する構成であるので、この底
プレート24の傾斜に沿って空気がスムーズに流れ、空
気の流れの乱れが減少し、騒音の低減効果が発揮され
る。
【0022】続いて、本発明者らによる上記実施例の実
験結果を図5に示す。上記実施例に示されるケース22
の傾斜部22eの傾斜角θ2と最低比騒音Ksとの関係
を示した。最低比騒音Ksは、空気取入口36から1m
上方の位置で測定した値である。ここに、最低比騒音K
sとは流量係数を変化させた時の比騒音が最低になる値
をいう。傾斜部22eの傾斜角θ2 =0°のものが平板
状の底板部をもつ比較例である。
【0023】図5における3種のファンA、B、Cの仕
様は、図6に示す通りであり、図6のファン高さは図1
のHの寸法である。また、図6のブレード幅は、図2に
おいて、ファン外径R1 −ファン内径R2 /2の寸法で
ある。そして、3種のファンA、B、Cの最低比騒音時
の作動条件は、ファンA、Bは風量:300〜500m
3/h、全圧:500〜600Pa、回転数:2400
〜2900rpmであり、ファンCは風量:90〜15
0m3/h、全圧:90〜130Pa、回転数:120
0〜1500rpmである。
【0024】図5の横軸は下ケース22bの底板部22
cの傾斜部22eの傾斜角θ2 であり、ファンAの場合
はθ1 =20°において、θ2 =5〜35°の範囲で騒
音を良好に低減できる。また、ファンBにおいてはθ1
=15°において、θ2 =5〜25°の範囲で騒音を良
好に低減できる。また、ファンCにおいてはθ1 =7°
において、θ2 =5〜15°の範囲で騒音を良好に低減
できる。
【0025】図5から理解されるように、ファン作動条
件として風量が小さくなるに従って、傾斜部22eを小
さい範囲に設定することが騒音低減に有効であることが
明らかとなった。
【0026】また、上述した第1実施例では、傾斜部2
2eの傾斜にあわせて、底プレート24も傾斜させるこ
とにより、底プレート24外周端側での空気流れをより
一層スムーズにして、ファン効率の向上、騒音低減の効
果をさらに高めることができる。
【0027】また、上ケース22aの上面は、空気取入
口36およびその周縁を除いてほぼ平らな面となってお
り、単純な形状となっているので、成形しやすい形状と
することができる。
【0028】なお、底プレート24の形状として、図7
〜図9に示す第2〜4実施例のような形状としてもよ
い。図7に示す第2実施例は、ファン20の底プレート
24の曲折部24bから径外方向側の環状部を上方から
見て凹状の曲線状傾斜面24eに形成した例である。図
8に示す第3実施例は、ボス部28から曲折部24bを
経てさらに径外方向側の環状部をさらに下方に曲線状に
傾斜する傾斜垂下部24fを底プレート24に形成した
例である。
【0029】前記第2実施例および第3実施例は、曲線
状傾斜面24eおよび傾斜垂下部24fを曲線状に湾曲
する例であるが、さらに他の例としてはこの部分に対応
する部分を直線状に傾斜することもでき、この場合にも
同様に空気の流れの渦流を低減する効果があり、これに
よって騒音の低減が図れる。図9に示す第4実施例は、
ボス部28が水平方向に延びる送風ファンに本発明を適
用した例である。ボス部28は水平方向に延びる円板状
のもので、その外周端に曲折部24bが形成され、この
曲折部24bから径外方向側に底プレート24の直線状
傾斜面24gが下方に傾斜して形成される。この第4実
施例においては、ブレード25間から抜け出る空気の流
れの乱れの発生が直線状傾斜面24gによって緩和され
るため、騒音の低減効果が発揮される。
【0030】また、図示しないが、ファン20の底プレ
ート24のとして、曲折部24bを有さず、径外方側端
部が略水平方向にのびる平板形状を有するものであって
も上記実施例と同様の作用・効果を得ることができるの
はいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多翼送風
ファンによれば、遠心多翼ファンから吹出される空気の
風速分布を均一にすることができる。その結果、不均一
な風速分布によるケース内の渦流および逆流の発生を防
止することができ、ファン効率の向上および騒音の低減
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による多翼送風ファンを示
す部分断面側面図である。
【図2】本発明の第1実施例による多翼送風ファンを示
す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例の多翼送風ファンを用いた
多翼送風機の部分断面側面図である。
【図4】本発明の多翼送風ファンを車両用空調装置に適
用した第1実施例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第1実施例の傾斜部の傾斜角θ2 と最
低比騒音Ksとの関係を示す特性図である。
【図6】上記図5に示されるファンA、B、Cの仕様を
説明する説明図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す要部断面図である。
【図9】本発明の第4実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
6 多翼送風機 20 送風ファン 22 ケース 22c 底板部 22e 傾斜部 24 底プレート 25 ブレード 25a メインブレード(ブレード) 25b サブブレード(ブレード) 26 保持リング 28 ボス部 36 空気取入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 光 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取入口を有するケースと、 駆動力が伝達されるボス部と、このボス部から径外方向
    に延びる底プレートと、この底プレートの外周端近傍に
    立設され、円周方向に沿って設けられる複数のブレード
    と、これらの複数のブレードの頂部を接続する環状の保
    持リングとを備え、前記ケースに収納される多翼送風フ
    ァンとを備え、 前記ブレードが、前記空気取入口側から前記底プレート
    を超えて前記空気取入口と反対側の部位まで延び、 前記ケースのうち、前記空気取入口と反対側の部位とな
    るケース底板部には多翼ファンの径外方側となるに従っ
    て前記空気取入口とは反対側に向かうように傾斜する傾
    斜部が形成されることを特徴とする多翼送風機。
  2. 【請求項2】 前記底板部の前記傾斜部の傾斜角θ2
    5〜35°の範囲であることを特徴とする請求項1記載
    の多翼送風機。
  3. 【請求項3】 前記ブレードは、径外方側となるにした
    がって前記空気取入口側と反対側方向に傾斜しているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の多翼送風機。
  4. 【請求項4】 前記ケースのうち、前記空気取入口近傍
    の部位は略平板形状であることを特徴とする請求項1な
    いし3のうちいずれか1つに記載の多翼送風機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100437027B1 (ko) * 2001-10-31 2004-06-23 엘지전자 주식회사 터보팬
JP2016151240A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 サンデンホールディングス株式会社 送風機
JP2017036723A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 日本電産株式会社 インペラおよび遠心ファン
KR20170041926A (ko) * 2015-10-07 2017-04-18 한온시스템 주식회사 차량용 공조 장치

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