JPH11270301A - 動翼の応力緩和方法および動翼 - Google Patents

動翼の応力緩和方法および動翼

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JPH11270301A
JPH11270301A JP9069098A JP9069098A JPH11270301A JP H11270301 A JPH11270301 A JP H11270301A JP 9069098 A JP9069098 A JP 9069098A JP 9069098 A JP9069098 A JP 9069098A JP H11270301 A JPH11270301 A JP H11270301A
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JP
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blade
section
cross
sectional area
radius position
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JP9069098A
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Inventor
Kenichi Imai
健一 今井
Nobuo Okita
信雄 沖田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中央部付近から翼先端部にかけての断面積を
増大させ、中央部付近における応力を緩和し、かつ流体
性能を損なうのを防ぐこと。 【解決手段】 蒸気タービンの最終段落を構成する動翼
は1219.2mmを超える有効部長さを有する。蒸気タ
ービンの定格回転数は3000r.p.mである。動翼
はチタンで製作される。この動翼は翼高さ方向に下記等
式で与えられるテーパ係数fが一定の値を有する。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt
r)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At
翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部
半径位置 f:テーパ係数

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービンに係
り、特に蒸気タービンの最終段落を構成する動翼におい
て中央部付近に応力のピークが生じるのを回避するのに
好適な動翼の応力緩和方法および動翼に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、蒸気タービンは大容量化の進展に
伴って最終段落を構成する翼列部分の環状面積が著しく
増大し、動翼の有効部長さが長大化している。このた
め、各翼断面、翼植込み部およびディスク植込み部など
に遠心力による強大な応力が加わり、強度を確保するう
えで極めて厳しい状況になっている。低圧タービンの最
終段動翼には、今後、強度の確保に有利なチタン製の動
翼を用いるのが主流になると考えられ、この場合、有効
部長さは定格回転数が3000r.p.mの蒸気タービ
ンでは1219.2mmを超えるものとなり、定格回転数
が3600r.p.mのものでは1016mmを超えるこ
とになる。こうした動翼の長大化は技術的に解決しなけ
れば課題が幾つかあり、強度面では信頼性の確保、性能
面では流体性能の向上に一層注力することが求められて
いる。
【0003】ところで、従来、動翼断面の応力に関して
は、図6の曲線C1で示すように翼根元部から中央部に
かけてほぼ一定の応力を担い、中央部から翼先端部にか
けては応力が減少するように適宜決めるものが採用され
る傾向にある。これに対して、長大化が一層進む中では
動翼の植込み部における応力がさらに厳しくなることな
どの理由により、図7に示すように、長大な動翼1に適
したカーブドエントリー方式の植込み部2が多用される
傾向にある。
【0004】このカーブドエントリー方式による植込み
部2は強度の確保には利点があるものの、動翼1の組み
立てにおいて翼同士に干渉が起こることがある。すなわ
ち、図8に示すように、組み立てる動翼1は植込み部2
の半径Rに倣う方向に限り挿入可能なため翼前縁半径R
1が最適寸法よりも大きくなると、隣接する動翼1の翼
後縁との干渉が生じ、一方、翼後縁半径R2が最適寸法
よりも小さくなると、隣接する動翼1の翼前縁との干渉
が起こる。
【0005】この干渉を回避するために干渉が起こる動
翼1の中央高さ位置付近において、翼断面形状を縮小し
て構成する動翼1が採用されることがある。しかしなが
ら、翼断面形状が小さくなることはそのまま翼断面積の
縮小につながり、結果として、翼断面の応力が高くな
り、図6の曲線C2に示すように、翼中央高さ付近に応
力のピークが出現することになる。
【0006】一方、最終段落のチタン製の動翼の長大化
により翼先端外径と共に翼列ピッチが増大することか
ら、翼列におけるスロートが形成しにくくなる。翼列ピ
ッチはそれぞれの断面に対して最適値が存在し、過大な
翼列ピッチの増加は流体性能を低下させる要因となり、
長大化による利点を大きく損ねる可能性がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】動翼の長大化は有効部
長さの増加に伴って翼先端部に対して下部、すなわち中
央部付近の断面積を増大させねばならない。しかし、こ
の部分の断面積を増大させた場合、先に述べたカーブエ
ントリー方式の植込み部2を用いたとき、動翼同士の干
渉により組み立てが不可能になる。不可避的に中央部の
翼断面積は望ましい値を保てなくなり、干渉を生じ易い
箇所に応力のピークが出現する。
【0008】これに加えて、動翼の長大化は翼列での望
ましいスロートの形成を困難にする。スロートの形成に
おいて翼列ピッチの影響は翼形にもよるが、図9に示す
ように、同一翼形において翼列ピッチPを拡大して行く
と、動翼1と動翼1との間にスロートSを形成すること
が不可能になり、流体性能が著しく損なわれてしまう。
【0009】スロートSを形成するためにはある程度の
断面積が必要である。翼先端部の断面積を増大させる
と、動翼全体の断面積が増加してしまい、動翼の重量の
増加により植込み部2において強度が非常に厳しくな
る。このため、翼根元径および翼先端径の増加を抑えた
まま、動翼を長大化させる必要がある。
【0010】本発明の目的は翼中央部付近から翼先端部
にかけての断面積を増大させ、中央部付近における応力
を緩和し、かつ流体性能を損なうのを防ぐことのできる
動翼の応力緩和方法および動翼を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る発明は定格回転数3000r.p.m
の蒸気タービンの最終段落を構成する、チタンからなる
動翼であって、動翼は1219.2mmを超える有効部長
さを有するものにおいて、下記の等式で与えられるテー
パ係数fを一定として翼根元部断面積および翼先端部断
面積より中間部断面積を決めることを特徴とすものであ
る。
【0012】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけての断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0013】さらに、請求項2に係る発明は定格回転数
3600r.p.mの蒸気タービンの最終段落を構成す
る、チタンからなる動翼であって、動翼は1016mmを
超える有効部長さを有するものにおいて、翼根元部断面
積および翼先端部断面積より下記等式で与えられるテー
パ係数を一定として中間部断面積を決めることを特徴と
するものである。
【0014】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけての断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0015】また、請求項3に係る発明は定格回転数3
000r.p.mの蒸気タービンの最終段落を構成す
る、チタンからなる動翼であって、動翼は1219.2
mmを超える有効部長さを有するものにおいて、有効部が
翼根元部〜高さ方向の1/4、高さ方向の1/4〜高さ方向の
3/4、高さ方向の3/4〜翼先端部に順次3分割されると
き、下記等式で与えられるテーパ係数を分割された区間
においてそれぞれ3.0〜3.7、2.5〜3.3、
2.0〜2.5の範囲内に定め、翼根元部断面積および
翼先端部断面積より中間部断面積を決めることを特徴と
するものである。
【0016】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけての断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0017】さらに、請求項4に係る発明は定格回転数
3600r.p.mの蒸気タービンの最終段落を構成す
る、チタンからなる動翼であって、動翼は1016mmを
超える有効部長さを有するものにおいて、有効部が翼根
元部〜高さ方向の1/4、高さ方向の1/4〜高さ方向の3/
4、高さ方向の3/4〜翼先端部に順次3分割されるとき、
下記等式で与えられるテーパ係数を分割された区間にお
いてそれぞれ3.0〜3.7、2.5〜3.3、2.0
〜2.5の範囲内に定め、翼根元部断面積および翼先端
部断面積より中間部断面積を決めることを特徴とするも
のである。
【0018】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけての断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0019】また、請求項5に係る発明は定格回転数3
000r.p.mの蒸気タービンの最終段落を構成す
る、チタンからなる動翼であって、動翼は1219.2
mmを超える有効部長さを有するものにおいて、有効部が
ある分割数Nによって分割されるとき、下記等式で与え
られるテーパ係数を分割された各区間においてそれぞれ
任意の値に定め、翼根元部断面積および翼先端部断面積
より中間部断面積を決めることを特徴とするものであ
る。
【0020】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけて各断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0021】さらに、請求項6に係る発明は定格回転数
3600r.p.m蒸気タービンの最終段落を構成す
る、チタンからなる動翼であって、動翼は1016mmを
超える有効部長さを有するものにおいて、有効部がある
分割数Nによって分割されるとき、下記等式で与えられ
るテーパ係数を分割された各区間においてそれぞれ任意
の値に定め、翼根元部断面積および翼先端部断面積より
中間部断面積を決めることを特徴とするものである。
【0022】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 上記応力緩和方法においては動翼の中央部付近から翼先
端部にかけて各断面の応力が小さくなり、この部分での
ピークの出現を解消することができ、動翼が長大化する
ときも、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0023】また、請求項7に係る発明は本発明に係る
応力緩和方法に基づいて構成される翼断面形状を備える
ことを特徴とするものである。
【0024】上記構成からなる動翼においては動翼の中
央部付近から翼先端部にかけて各断面の応力が小さくな
り、この部分でのピークの出現を解消することができ、
強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0025】さらに、請求項8に係る発明は翼先端部断
面積(At)と翼根元部断面積(Ar)との比(At/
Ar)が0.133以上の値を有することを特徴とする
ものである。
【0026】上記構成からなる動翼においてはAt/A
rを0.133以上に定めているので、翼列内に望まし
いスロートを形成することができ、流体性能が損なわれ
るのを防ぐことが可能になる。
【0027】また、請求項9に係る発明は翼先端直径
(Dt)と翼根元直径(Dr)との比(Dt/Dr)が
2.2以上の値を有することを特徴とするものである。
【0028】上記構成からなる動翼においてはDt/D
rを2.2以上に定めているので、動翼全体の重量の増
加を抑制することができる。
【0029】さらに、請求項10に係る発明は翼先端部
において翼列ピッチ(P)とコード(C)との比(P/
C)が0.8〜1.2の範囲内の値を有することを特徴
とするものである。
【0030】上記構成からなる動翼においてはP/Cを
0.8〜1.2の範囲に規定されるので、動翼の組み立
てにおける作業性を良好に保ちながら、最良の流体性能
を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明による応力緩和方法を次の
動翼に適用した例に基づいて説明する。
【0032】蒸気タービンの最終段落を構成する動翼は
1219.2mmを超える有効部長さを備えている。蒸気
タービンの定格回転数は3000r.p.mである。ま
た、動翼はチタンで製作されている。
【0033】この動翼は、図1に示すように、翼高さ方
向に下記の等式で与えられるテーパ係数fが一定の値を
有する。
【0034】 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f …(1) ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数 このテーパ係数fによって規定される動翼は、図2の曲
線C5で示すように、断面積が曲線C4で示す従来の動
翼の断面積と比べて翼根元部では小さく、また中央部付
近から翼先端部にかけては大きくなる。
【0035】翼根元部で断面積が小さく、中央部付近か
ら翼先端部にかけて断面積が大きくなる結果、この動翼
は、図3に示すように、従来の動翼で出現する応力(曲
線C1、C2)と異なる曲線C3で示す応力を呈する。
この特性から明らかなのは中央部付近から翼先端部に応
力のピークが現れないことである。すなわち、この部分
において応力は小さくなり、翼根元部から中央部付近に
かけての応力の変化と共に、翼高さ方向に平均化されて
いる。
【0036】したがって、中央部付近から翼先端部にか
けての応力はテーパ係数fによって規定されるとき、従
来のものと比べて大きく緩和することができる。このた
め、動翼の長大化が進むときも、高い信頼性を保持する
ことが可能になる。
【0037】ここで述べた応力緩和方法は定格回転数が
3000r.p.mの蒸気タービンの最終段落を構成す
る動翼に適用したものであるが、定格回転数が3600
r.p.mの蒸気タービンの最終段落用として用いられ
る、有効部長さが1016mmを超える動翼にも適用する
ことができる。
【0038】このように本実施の形態によれば、動翼の
中央部付近から翼先端部にかけての断面応力が小さくな
り、この部分でのピークの出現を解消することができ、
強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0039】さらに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。蒸気タービンの最終段落を構成する動翼は121
9.2mmを超える有効部長さを備えている。蒸気タービ
ンの定格回転数は3000r.p.mである。また、動
翼はチタンで製作されている。この動翼は、図4に示す
ように、翼根元部〜高さ方向の1/4、高さ方向の1/4〜高
さ方向の3/4〜高さ方向の3/4〜翼先端部に3分割された
各区間においてテーパ係数fがそれぞれ3.0〜3.
7、2.5〜3.3、2.0〜2.5の範囲内にあるよ
うに定めている。このテーパ係数fは先に述べた等式
(1)から与えられる。
【0040】このテーパ係数fがきめ細かく規定される
動翼は、上記実施の形態のものと同様に、断面積が従来
の動翼のものと比べて翼根元部で小さく、また中央部付
近から翼先端部にかけて大きくなる。このため、応力は
中央部付近から翼先端部にかけて小さくなり、翼高さ方
向によりきめ細かく平均化されることになる。
【0041】したがって、断面形状を増大させることに
制限を受ける動翼と比べてこのテーパ係数fによって規
定される動翼は応力を大きく緩和することができ、動翼
が長大化するときも、強度上の高い信頼性を保持するこ
とが可能になる。
【0042】この応力緩和方法は定格回転数が3000
r.p.mの蒸気タービンに組み込まれる最終段落用の
動翼に限られず、定格回転数が3600r.p.mの蒸
気タービンの最終段落用として用いられる、有効部長さ
が1016mmを超える動翼にも適用することができる。
【0043】このように本実施の形態によれば、動翼の
中央部付近から翼先端部にかけての断面応力が小さくな
り、この部分でのピークの出現を解消することができ、
強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0044】さらに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。動翼は1219.2mmを超える有効部長さを備えて
いる。蒸気タービンの回転数は3000r.p.mであ
る。また、動翼はチタンで製作されている。
【0045】この動翼は翼高さ方向に分割数Nで分割さ
れた各区分においてテーパ係数fがそれぞれ任意の値を
有する。このテーパ係数fは上述した等式(1)から与
えられる。このテーパ係数fが規定される動翼は上記実
施の形態の動翼と同様に断面積が翼根元部で従来の動翼
の断面積よりも小さく、また中央部付近から翼先端部に
かけて従来の動翼の断面積よりも大きくなる。このた
め、中央部付近から翼先端部にかけての各断面の応力を
緩和することができ、動翼の長大化が進むときも、強度
上の高い信頼性を保持することが可能になる。
【0046】ちなみに、分割数Nは任意の数でよいが、
好ましくは3である。
【0047】本実施の形態は定格回転数が3000r.
p.mの蒸気タービンの最終段落を構成する動翼に適用
したものであるが、定格回転数が3600r.p.mの
蒸気タービンの最終段落用として用いられる、有効部長
さが1016mmを超える動翼にも適用することができ
る。
【0048】このように本実施の形態によれば、動翼の
中央部付近から翼先端部にかけて各断面の応力が小さく
なり、この部分でのピークの出現を解消することがで
き、強度上の信頼性を高めることが可能になる。
【0049】さらに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。動翼は上記実施の形態(図1および図4参照)と同
様に断面応力を中央部付近で平均化されている。これに
加えて、動翼は翼先端部断面積Atと翼根元部断面積A
rとの比(At/Ar)が0.133以上の値を有す
る。
【0050】上記構成からなる動翼においては翼先端部
断面積Atと翼根元部断面積Arとの比(At/Ar)
を大きくすることができる。
【0051】動翼の長大化により重量が増すと、タービ
ン回転中の遠心力が大きくなり、動翼の植込み部が強度
的に厳しくなる。動翼全体の重量を軽減するために、通
常、翼先端部断面積Atは小さく設計される。しかし、
こうした方法を用いるのではスロートの形式が困難にな
るため、翼先端部断面積Atを維持した中で、翼根元部
断面積Arに対して大きくする。本実施の形態では翼根
元部断面積Arは先に述べたように従来の動翼よりも小
さく(図2参照)なるため翼先端部断面積Atを格別変
えなくてもAt/Arを大きくすることが可能になる。
これにより翼先端部断面積Atが確保されることにより
翼列内に望ましいスロートを形成することができ、流体
性能が低下するのを免れることが可能になる。
【0052】翼根元部には動翼の有効部と内周壁との接
合部となるルートフィレットがあり、このため翼根元部
断面積Arはルートフィレットが存在しない場合の断面
積を示している。もし、定義されていない場合は上方の
断面より外挿して求められる断面を翼根元部断面とす
る。翼先端部にも構造上動翼カバーとの接合のためのチ
ップフィレットが形成されることがある。この場合、翼
根元部断面と同様な定義方法により定めることになる。
【0053】このように本実施の形態によれば、上述し
た応力緩和の効果に加えて、At/Arを0.133以
上に定めているので、翼列内に望ましいスロートを形成
することができ、流体性能が損なわれるのを防ぐことが
できる。
【0054】さらに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。動翼は上記実施の形態(図1および図4参照)と同
様に断面応力を中央部付近で平均化されている。これに
加えて、翼先端直径Dtと翼根元直径Drとの比(Dt
/Dr)が2.2以上に形成されている。
【0055】上記構成からなる動翼においては動翼の長
大化にあたり、翼根元直径Drを小さく保って翼先端直
径Dtとの比(Dt/Dr)を大きくすることができ
る。
【0056】これにより動翼の翼先端部断面積を大きく
維持したまま、動翼の長大化に伴う動翼全体の重量の増
加を抑制することが可能になる。
【0057】さらに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。動翼は上記実施の形態(図1および図4参照)と同
様に断面応力を中央部付近において平均化されている。
これに加えて、動翼は翼先端部において翼列ピッチPと
コードCとの比(P/C)が0.8〜1.2の範囲内に
あるように定めている。
【0058】このP/Cの範囲は次の知見に基づいて決
めている。すなわち、カーブドエントリー方式の植込み
部を備えた動翼を隣接する動翼と干渉しないで組み立て
るのに翼列ピッチPとコードCとの比(P/C)が問題
になる。P/Cが小さいとき、動翼同士の間で干渉が起
こり、組み立ては不可能になる。干渉を生じない望まし
い値を本実施の形態の動翼について算定した結果、P/
Cが0.8以上になったとき干渉が生じないことが判明
した。したがって、カーブドエントリー方式の動翼の組
み立て上、P/Cは0.8以上に定めるのが好ましい。
【0059】一方、翼列ピッチPが過大となると、流体
性能を低下させる要因となる。種々の条件を当てはめて
検討した結果、図5に示すようにP/Cが1.2のとき
効率がピークとなり、他の値よりも望ましいことが判っ
た。したがって、P/Cは1.2以下に定めるのが好ま
しい。
【0060】このように本実施の形態によれば、上述し
た応力緩和の効果に加えてP/Cの範囲を0.8〜1.
2に規定しているので、動翼の組み立てにおける作業性
を良好に保ちながら、最良の流体性能を得ることができ
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明は中央部から
翼先端部にかけての断面積を増大させ、この部分におけ
る応力を緩和させることによりピークの出現を解消する
ことができる。したがって、本発明によれば、動翼が長
大化するときも、強度上の信頼性を高めることが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に適用されるテーパ係数を示す線
図。
【図2】本発明方法の適用により得られる有効部の断面
積を示す線図。
【図3】本発明方法の適用により得られる有効部の応力
を示す線図。
【図4】本発明方法に適用される他のテーパ係数を示す
線図。
【図5】翼列ピッチ/コードとの関係を示す線図。
【図6】従来の動翼の有効部の応力を示す線図。
【図7】従来のカーブドエントリー方式植込み部を有す
る動翼を示す斜視図。
【図8】隣接する動翼が干渉する様子を示す説明図。
【図9】翼列ピッチ/コードとの関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 動翼 2 植込み部 C1〜C6 曲線 S スロート P 翼列ピッチ C コード

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定格回転数3000r.p.mの蒸気タ
    ービンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であ
    って、該動翼は1219.2mmを超える有効部長さを有
    するものにおいて、下記の等式で与えられるテーパ係数
    fを一定として翼根元部断面積および翼先端部断面積よ
    り中間部断面積を決めることを特徴とする動翼の応力緩
    和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  2. 【請求項2】 定格回転数3600r.p.mの蒸気タ
    ービンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であ
    って、該動翼は1016mmを超える有効部長さを有する
    ものにおいて、翼根元部断面積および翼先端部断面積よ
    り下記等式で与えられるテーパ係数を一定として中間部
    断面積を決めることを特徴とする動翼の応力緩和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  3. 【請求項3】 定格回転数3000r.p.mの蒸気タ
    ービンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であ
    って、該動翼は1219.2mmを超える有効部長さを有
    するものにおいて、前記有効部が翼根元部〜高さ方向の
    1/4、高さ方向の1/4〜高さ方向の3/4、高さ方向の3/4〜
    翼先端部に順次3分割されるとき、下記等式で与えられ
    るテーパ係数を分割された区間においてそれぞれ3.0
    〜3.7、2.5〜3.3、2.0〜2.5の範囲内に
    定め、翼根元部断面積および翼先端部断面積より中間部
    断面積を決めることを特徴とする動翼の応力緩和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  4. 【請求項4】 定格回転数3600r.p.mの蒸気タ
    ービンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であ
    って、該動翼は1016mmを超える有効部長さを有する
    ものにおいて、前記有効部が翼根元部〜高さ方向の1/
    4、高さ方向の1/4〜高さ方向の3/4、高さ方向の3/4〜翼
    先端部に順次3分割されるとき、下記等式で与えられる
    テーパ係数を分割された区間においてそれぞれ3.0〜
    3.7、2.5〜3.3、2.0〜2.5の範囲内に定
    め、翼根元部断面積および翼先端部断面積より中間部断
    面積を決めることを特徴とする動翼の応力緩和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  5. 【請求項5】 定格回転数3000r.p.mの蒸気タ
    ービンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であ
    って、該動翼は1219.2mmを超える有効部長さを有
    するものにおいて、前記有効部がある分割数Nによって
    分割されるとき、下記等式で与えられるテーパ係数を分
    割された各区間においてそれぞれ任意の値に定め、翼根
    元部断面積および翼先端部断面積より中間部断面積を決
    めることを特徴とする動翼の応力緩和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  6. 【請求項6】 定格回転数3600r.p.m蒸気ター
    ビンの最終段落を構成する、チタンからなる動翼であっ
    て、該動翼は1016mmを超える有効部長さを有するも
    のにおいて、前記有効部がある分割数Nによって分割さ
    れるとき、下記等式で与えられるテーパ係数を分割され
    た各区間においてそれぞれ任意の値に定め、翼根元部断
    面積および翼先端部断面積より中間部断面積を決めるこ
    とを特徴とする動翼の応力緩和方法。 (A−At)/(Ar−At)={(rt−r)/(rt−rr)}f ここに、A:断面積 Ar:翼根元部断面積 At:翼先端部断面積 r:半径位置 rr:翼根元部半径位置 rt:翼先端部半径位置 f:テーパ係数
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の動翼の応力緩和方法に基づいて構成される翼断面形状
    を備えてなる動翼。
  8. 【請求項8】 翼先端部断面積(At)と翼根元部断面
    積(Ar)との比(At/Ar)が0.133以上の値
    を有することを特徴とする請求項7記載の動翼。
  9. 【請求項9】 翼先端直径(Dt)と翼根元直径(D
    r)との比(Dt/Dr)が2.2以上の値を有するこ
    とを特徴とする請求項7記載の動翼。
  10. 【請求項10】 翼先端部において翼列ピッチ(P)と
    コード(C)との比(P/C)が0.8〜1.2の範囲
    内の値を有することを特徴とする請求項7記載の動翼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108249189A (zh) * 2017-12-29 2018-07-06 陕西北人印刷机械有限责任公司 一种收料双锥度控制方法

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CN108249189A (zh) * 2017-12-29 2018-07-06 陕西北人印刷机械有限责任公司 一种收料双锥度控制方法

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