JPH11269664A - 抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板

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JPH11269664A
JPH11269664A JP10077890A JP7789098A JPH11269664A JP H11269664 A JPH11269664 A JP H11269664A JP 10077890 A JP10077890 A JP 10077890A JP 7789098 A JP7789098 A JP 7789098A JP H11269664 A JPH11269664 A JP H11269664A
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welding
steel sheet
electrode
alloy
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Hatsuhiko Oikawa
初彦 及川
Masao Kurosaki
將夫 黒崎
Masahiro Obara
昌弘 小原
Kazumi Nishimura
一実 西村
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗溶接において、溶接電極の損耗を抑制す
ることが可能な表面処理鋼板を提供する。 【解決手段】 鋼板の表面に形成された5μm以上30
μm以下のAlまたはAlを主成分とする合金のめっき
層の上に、Ni、Feまたはこれを主成分とする合金の
めっき層を0.3μm以上1.0μm未満コーティング
する。Ni、Feまたはこれを主成分とする合金のめっ
き層は、AlまたはAlを主成分とする合金のめっき層
と溶接電極との直接接触を防ぎ、脆弱なCu−Al−F
e金属間化合物の生成を抑制して、電極先端部の損耗を
抑えるため、溶接電極の寿命が向上し、ナゲットが安定
して生成され、接合強度のばらつきも少なくなるため、
信頼性の高い継手が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用材料など
として用いる抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンク用材料としては、従
来まで、Pb−Sn系合金めっき鋼板が使用されてき
た。しかし、最近、環境保護の立場から、Pbに対する
規制が一段と厳しくなってきており、これに対応して、
Pb−Sn系合金めっき鋼板の代わりにAl−Si系な
どのAl系合金めっき鋼板が使われつつある。 一方、
自動車などの分野では、従来、表面処理鋼板(めっき鋼
板)を溶接する方法として、スポット溶接、シーム溶接
などの抵抗溶接が多用されており、燃料タンク用材料の
溶接でもこの方法が多く使われている。抵抗溶接は、例
えば、スポット溶接の場合を例にとると、図1で示した
ように、めっき2が施された鋼板1同士を重ね合わせ、
2枚のめっき鋼板を溶接電極3で挟んで加圧し、その後
通電することによってめっき鋼板間でジュール熱を発生
させ、重ね合わせた部分にナゲット(溶融部)4を形成
させて、めっき鋼板同士を溶接する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、AlまたはA
lを主成分とする合金のめっきが施された鋼板を抵抗溶
接すると、例えば、スポット溶接の場合には、溶接打点
数の増加に伴い、AlまたはAlを主成分とする合金の
めっき層から、溶接電極(通常はCu−Cr合金製が多
い)側にAlが溶浸(拡散)し、溶接電極の先端部にC
u−Al−Fe系の金属間化合物層が生成される。この
金属間化合物は、ビッカース硬さが700以上と非常に
硬く脆弱な化合物である。そのため、スポット溶接時の
加圧によって溶接電極の先端から剥離して欠落し易い。
金属間化合物が欠落した後の溶接電極の先端では、同様
の金属間化合物の生成が繰り返されるため、溶接電極の
先端が消耗する。その結果、溶接電極の寿命は、通常の
冷延鋼板をスポット溶接した場合に比べて著しく低下す
る。また、溶接電極の消耗によって電極の先端径が増加
するため、スポット溶接時の電流密度が低下する。その
結果、溶接打点数の増加とともにナゲット径が小さくな
り、それに伴って接合強度も低下し、やがてある電流密
度以下になるとナゲットが形成されなくなる。
【0004】溶接電極の消耗を防止するひとつの方法と
して、溶接電極に接する側のAlまたはAlを主成分と
する合金のめっき層を鋼板表面から除去する方法が考え
られる。しかし、鋼板表面に形成されたAlまたはAl
を主成分とする合金のめっき層は鋼板の耐食性を向上さ
せる上で重要である。したがって、このようなめっき層
を安易に除去することは、耐食性を低下させる原因とな
る。また、一旦形成させたAlまたはAlを主成分とす
る合金のめっき層を除去することは、組立行程時の工数
増加と生産性の低下を招く。
【0005】溶接電極の消耗を防止するもうひとつの方
法として、抵抗溶接に用いる溶接電極(Cu−Cr合
金)と反応し難く、かつ溶接性を損なわない程度の十分
な電気伝導性を有する金属めっき層をAlまたはAlを
主成分とする合金のめっき層の上にコーティングする方
法が考えられる。この例としては、例えば、特開平4−
246182号公報に開示されているように、Alまた
はAlを主成分とする合金のめっき層の上にNi、Fe
あるいはこれらの元素を主成分とする合金のめっき層を
コーティングして、溶接電極の損耗を抑える方法が考え
られている。しかし、この方法では、AlまたはAlを
主成分とする合金のめっき層の上にコーティングする金
属めっき層の厚さが1〜10μmと厚いため、コーティ
ングにかなりの時間を要して、生産性の低下やコストア
ップにつながるという問題がある。また、金属めっき層
の厚さが厚いため、溶接時に溶融しためっき層が電極に
付着し易くなり、その結果、電流密度が低下して、溶接
打点数の増加とともにナゲットが形成され難くなるとい
う問題もある。さらに、金属めっき層の厚さが厚いと、
この金属めっき層と下層のAlまたはAlを主成分とす
る合金のめっき層との間で合金化反応が起こり、脆い金
属間化合物が生成されて、めっき層が剥離し易くなると
いう問題も生じる。
【0006】そこで、本発明では、AlまたはAlを主
成分とする合金のめっき層の上に、コーティングに時間
を要せず、コスト的にも有利であり、また、溶接時にお
ける電極へのめっきの付着量が少なく、かつ、溶接中に
下層のめっき層と反応し難いような最小限の厚さの金属
めっき層をコーティングし、この表面処理鋼板を用いる
ことによって、抵抗溶接性を改善することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の表面処理鋼板で
は、その目的を達成するために、鋼板の両面に形成され
たAlまたはAlを主成分とする合金のめっき層の片面
または両面の上に、溶接電極と反応し難い最小限の厚さ
の金属めっき層をコーティングしたことを特徴とする。
【0008】本発明者等は、鋼板表面に形成されたAl
またはAlを主成分とする合金のめっき層の上に、溶接
電極の材料として通常使用されているCu−Cr合金と
反応し難く、かつ電気伝導性に優れためっき層を適正な
厚さでコーティングすることを考案し、それに適した金
属について検討した。その結果、厚さが0.3μm以上
1.0μm未満のNi、Feおよびこれらを主成分とす
る合金のめっき層をAlまたはAlを主成分とする合金
のめっき層の上に形成させると、溶接電極の消耗が抑え
られ、良好な抵抗溶接が可能となることを見い出した。
これは、Ni、Feあるいはこれらを主成分とする合金
は、溶接電極の材質であるCu−Cr合金との間に脆弱
な金属間化合物を生成せず、かつ抵抗溶接性を損なわな
い程度の電気伝導度を有する金属だからである。また、
Ni、Feあるいはこれらを主成分とする合金のめっき
層の厚さがこの範囲内では、溶接時における電極へのめ
っきの付着量が少なく、かつ、溶接中に下層のめっき層
と反応し難いことを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】ここに、本発明の要旨とするところは、
「(1) 鋼板の両面に形成されたAlまたはAlを主
成分とする合金の下層めっき層と、鋼板の片面または両
面において前記下層めっき層の上に形成されたNiまた
はNiを主成分とする合金の上層めっき層とを有する表
面処理鋼板において、前記下層めっき層の厚さが5μm
以上30μm以下であり、かつ、前記上層めっき層の厚
さが0.3μm以上1.0μm未満であることを特徴と
する抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板。
【0010】(2) 鋼板の両面に形成されたAlまた
はAlを主成分とする合金の下層めっき層と、鋼板の片
面または両面において前記下層めっき層の上に形成され
たFeまたはFeを主成分とする合金の上層めっき層と
を有する表面処理鋼板において、前記下層めっき層の厚
さが5μm以上30μm以下であり、かつ、前記上層め
っき層の厚さが0.3μm以上1.0μm未満であるこ
とを特徴とする抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板。」で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明にかかる表面処理鋼板について具体的に説明する。抵
抗溶接では、例えば、スポット溶接の場合を例にとる
と、図2に示したように、Ni、Feまたはこれらを主
成分とする合金のめっき層5を介して鋼材表面に溶接電
極3が押しつけられるため、AlまたはAlを主成分と
する合金のめっき層2と溶接電極3との反応が抑えられ
る。すなわち、溶接電極中へのAlの溶浸(拡散)が抑
えられるため、溶接電極先端部で脆弱なCu−Al−F
e金属間化合物の生成が抑えられ、Ni、Feまたはこ
れらを主成分とする合金のめっき層5をコーティングし
ない場合に比べて電極先端部の損耗が極めて少なくな
る。その結果、スポット溶接で連続的に溶接(打点)し
た場合でも、電極先端径が増加しないため、電極先端部
とめっき鋼板との接触面積がほぼ一定に保たれ、ナゲッ
ト形成部における溶接電流密度もほぼ一定に保たれる。
したがって、ナゲット径が一定に保たれるため、スポッ
ト溶接部の強度もほぼ一定に保たれる。
【0012】これに対して、従来のAlまたはAlを主
成分とする合金のめっき鋼板をスポット溶接する場合に
は、電極先端部の損耗に伴って電極先端径が増加し、め
っき鋼板と接触する電極先端部の面積が増加するため、
ナゲット形成部の電流密度は溶接打点数の増加とともに
低下していく。その結果、打点数の増加に伴いナゲット
径が小さくなり、それとともに接合強度も低下し、やが
てある溶接電流密度以下でナゲットが形成されなくな
る。
【0013】鋼板の表面に形成されるAlまたはAlを
主成分とする合金のめっき層としては、純Alのほか、
Al−Si、Al−Mn、Al−Znなどの合金が考え
られる。また、その厚さとしては、5μm以上30μm
以下とすべきである。なぜならば、十分な耐食性を保持
するためには、5μm以上のめっき厚さが必要であり、
また、めっき厚さを30μmより厚くすると、コストの
上昇を引き起こす上にNi、Feまたはこれらを主成分
とする合金のめっき層をコーティングしても、電極損耗
抑制効果が認められなくなるからである。めっき厚さが
30μmより厚くなると電極損耗抑制効果が認められな
くなるのは、スポット溶接時にAlまたはAlを主成分
とする合金のめっき層が上層のめっき層を破壊して溶接
電極先端部と直接接触するからであると考えられる。A
lまたはAlを主成分とする合金のめっき層は、通常、
溶融めっき法で形成されるが、電気めっき法、蒸着法、
溶射、などの方法で形成しても良い。
【0014】AlまたはAlを主成分とする合金のめっ
き層の上に形成させる金属めっき層としては、めっきの
し易さ、耐食性、コスト、などを総合的に評価して、N
i、Feあるいはこれらの元素を主成分とする合金のめ
っき層、例えば、Ni−Fe、Ni−Zn、Ni−C
r、Fe−B、Fe−Zn、Fe−Ni、Fe−Moな
どが最適である。また、その厚さは、AlまたはAlを
主成分とする合金のめっき層の厚さより薄いことが必要
である。具体的には、0.3μm以上1.0μm未満と
すべきである。なぜならば、0.3μm未満では電極損
耗抑制に対して効果が認められないからである。これ
は、めっき層の厚さが薄すぎると、スポット溶接時にめ
っき層が破れて溶接電極と下層のAlまたはAlを主成
分とする合金のめっき層が直接接触するからである。ま
た、1.0μm以上では、コーティングにかなりの時間
を要し、生産性の低下やコストアップにつながるからで
ある。加えて、溶接時に溶融しためっき層が電極に付着
し易くなって電流密度が低下し、ナゲットが形成され難
くなったり、下層のAlまたはAlを主成分とする合金
のめっき層との間で反応が起こり、金属間化合物の生成
によって、めっき層が脆化して剥離し易くなるという問
題が生じるからである。上層の金属めっき層は、Alま
たはAlを主成分とする合金のめっき層の片側に設けら
れる場合には電気めっき法で形成されることが望まし
い。しかし、溶融めっき法、蒸着法、溶射などの方法を
採用してもよい。また、上層の金属めっき層は基本的に
は、溶接電極と接触する片面のみにコーティングすれば
良いが、必要ならば両面にコーティングしても良い。
【0015】本効果は、他の抵抗溶接、例えば、シーム
溶接などでも同様に認められ、電極の損耗抑制に対して
有効である。また、AlまたはAlを主成分とする合金
のめっき層の上にコーティングされた金属めっき層は、
抵抗溶接性の向上ばかりでなく、例えば、成形性などの
加工性を向上させることに対しても有効である。すなわ
ち、コーティング層を金型に接触させた状態で本発明の
表面処理鋼板を加工するとき、AlまたはAlを主成分
とする合金のめっき層が金型に直接接触することが避け
られるため、AlまたはAlを主成分とする合金のめっ
き層が金型に付着することがなくなる。また、この薄い
金属めっき層はAlまたはAlを主成分とする合金のめ
っき層よりも摩擦係数が小さいため、プレス加工性も良
好となる。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。 −実施例1− 板厚0.8mmの冷延鋼板の両面に、厚さ15μmのA
l−Si合金めっき層を溶融めっき法でコーティングし
た。次に、その片面に、厚さが0.1〜0.9μmの範
囲で0.1μmずつ変化させた、Ni、Cu、Fe、S
nめっき層をイオンプレーティング法でコーティングし
た。これらの表面処理鋼板を同種のめっき鋼板同士の組
み合わせで、溶接電極側が、Ni、Cu、Fe、Snめ
っきがコーティングされた側になるように配置してスポ
ット溶接を行った。スポット溶接には直流型のスポット
溶接機(70kVA)を、また、溶接電極としてはCu
−Cr合金製のドーム型電極(40R−6φ)を用い、
加圧力;2156kN、溶接電流;9.5kA、通電時
間;0.2ms(12サイクル)の条件で150点まで
の連続打点性評価を実施した。Ni、Cu、Fe、Sn
めっきの厚さが、0.1μm、0.5μmの場合の溶接
打点数と電極先端径(溶接電極がめっき鋼板と接触する
部分の直径)との関係を、それぞれ、図3、図4に示
す。なお、電極先端径は電極の間に感圧紙を挟むことに
よって調査した。Al−Si合金めっき層の上にコーテ
ィングした金属めっき層の厚さが0.1μmの場合に
は、図3で示したように、電極先端径の増加は金属めっ
き層をコーティングした方が悪いくらいであり、電極損
耗抑制効果は認められなかった。一方、金属めっき層の
厚さが0.5μmの場合には、図4で示したように、N
i、Feめっきの場合に、電極先端径はほとんど増加せ
ず、電極損耗抑制効果が認められた。実験の結果、N
i、Feめっきの場合には、めっき厚さが0.3μm以
上で、電極先端径は増加せず、電極損耗抑制効果が認め
られた。Al−Siめっきの代わりに、純Al、Al−
Mn、Al−Znめっきを用いても、上記と同様の結果
が得られた。また、Ni、Feめっきの代わりに、これ
らの合金、例えば、Ni−Fe、Ni−Zn、Ni−C
r、Fe−B、Fe−Zn、Fe−Ni、Fe−Moな
どのめっきを用いても同様の結果が得られた。さらに、
電気めっき法で、例えば、Niなどのめっきを形成さ
せ、同様の評価を実施したが、結果は上記と同様であっ
た。電気めっき法でNiめっきをコーティングした場合
の溶接打点数と電極先端径との関係を図5に示す。 −実施例2− 実施例1において、厚さが15μmのAl−Si合金め
っき層の上に、厚さが1.0、3.0、5.0μmのN
iめっき層を電気めっき法でコーティングし、同様の連
続打点性評価を実施した。その結果、1.0μm以上の
Niめっき層がコーティングされた場合には、電極への
めっきの付着量が顕著になり、同じ打点数におけるナゲ
ット径が低下する(80%〜60%に低下)現象が認め
られた。これは、電極へのNiめっきの付着によって、
電流密度が低下したためと考えられる。また、1.0μ
m以上のNiめっきがコーティングされた場合には、溶
接部付近でめっきが剥離する現象が認められた。以上の
結果は、Feめっきでも同様であった。Al−Siめっ
きの代わりに、純Al、Al−Mn、Al−Znめっき
を用いても、上記と同様の結果が得られた。また、N
i、Feめっきの代わりに、これらの合金、例えば、N
i−Fe、Ni−Zn、Ni−Cr、Fe−B、Fe−
Zn、Fe−Ni、Fe−Moなどのめっきを用いても
同様の結果が得られた。 −実施例3− 実施例1において、Al−Si合金めっき層の厚さを1
0〜50μmの範囲で10μmずつ変化させて同様の調
査を行った。その結果、Al−Si合金めっき層の厚さ
が30μmより厚い場合には、NiまたはFeのめっき
層を厚さ0.3〜0.9μmの範囲でコーティングして
も、電極損耗抑制効果は認められなかった。
【0017】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明においては、
鋼板表面に形成されたAlまたはAlを主成分とする合
金のめっき層の上に、Ni、Feおよびこれらを主成分
とする合金のめっき層を形成させることによって、溶接
電極とAlまたはAlを主成分とする合金のめっき層と
が直接接触するのを防ぎ、脆弱な金属間化合物が生成さ
れるのを抑制して溶接電極の消耗を抑えている。これに
よって、溶接電極の寿命は、従来材に比べて著しく向上
する。また、ナゲットも安定して生成されるため、接合
強度のばらつきも少なくなり、信頼性の高い継手が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、一般的なスポット溶接方法を示す断面
図である。
【図2】図2は、本発明のスポット溶接方法を示す断面
図である。
【図3】図3は、溶接打点数と電極先端径との関係を示
すグラフである。
【図4】図4は、溶接打点数と電極先端径との関係を示
すグラフである。
【図5】図5は、溶接打点数と電極先端径との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…鋼板 2…AlまたはAlを主成分とする合金のめっき層 3…溶接電極 4…ナゲット(溶融部) 5…薄い金属めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 一実 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の両面に形成されたAlまたはAl
    を主成分とする合金の下層めっき層と、鋼板の片面また
    は両面において前記下層めっき層の上に形成されたNi
    またはNiを主成分とする合金の上層めっき層とを有す
    る表面処理鋼板において、 前記下層めっき層の厚さが5μm以上30μm以下であ
    り、かつ、前記上層めっき層の厚さが0.3μm以上
    1.0μm未満であることを特徴とする抵抗溶接性に優
    れた表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板の両面に形成されたAlまたはAl
    を主成分とする合金の下層めっき層と、鋼板の片面また
    は両面において前記下層めっき層の上に形成されたFe
    またはFeを主成分とする合金の上層めっき層とを有す
    る表面処理鋼板において、 前記下層めっき層の厚さが5μm以上30μm以下であ
    り、かつ、前記上層めっき層の厚さが0.3μm以上
    1.0μm未満であることを特徴とする抵抗溶接性に優
    れた表面処理鋼板。
JP10077890A 1998-03-25 1998-03-25 抵抗溶接性に優れた表面処理鋼板 Withdrawn JPH11269664A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021230306A1 (ja) 2020-05-13 2021-11-18 日本製鉄株式会社 ホットスタンプ部材
US11926120B2 (en) 2020-05-13 2024-03-12 Nippon Steel Corporation Steel sheet for hot stamping

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