JPH11269649A - 被覆超硬合金 - Google Patents
被覆超硬合金Info
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- JPH11269649A JPH11269649A JP9084398A JP9084398A JPH11269649A JP H11269649 A JPH11269649 A JP H11269649A JP 9084398 A JP9084398 A JP 9084398A JP 9084398 A JP9084398 A JP 9084398A JP H11269649 A JPH11269649 A JP H11269649A
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Abstract
離が生じず、高温においても優れた耐摩耗性を発揮する
工具用被覆超硬合金を提供する。 【構成】 炭窒化チタン層と酸化アルミニウム層の間に
チタンの炭化物等の中間層を設け、前記中間層の結晶平
均粒度を0.4μm以上1.8μm以下とする。また、
X線回折における前記中間層の(111)面、(20
0)面、(220)面からの回折のうち(200)面か
らの回折強度を最小とする。
Description
に用いる耐チッピング性、被覆層の密着性に優れた被覆
硬質合金に関する。
開平7−328809号公報や特開平8−187608
号公報に記載されているような、WC基超硬合金表面に
柱状晶組織を有する炭窒化チタン層および酸化アルミニ
ウム層を設けた被覆超硬合金製切削工具が広く用いられ
ている。
柱状晶の異常成長を防止することによって耐チッピング
性を向上しており、従って鋼等の断続切削においても柱
状炭窒化チタン層からのチッピングは起こりにくくなっ
た。しかし切削条件によっては依然として工具寿命を延
ばすことができなかった。そこで本発明者がその原因に
ついて詳しく調査した結果、工具摩耗の進行に関して次
の知見を得た。(1)柱状炭窒化チタン層の強度が、従
来は弱かったために起こりにくかった柱状炭窒化チタン
層と酸化アルミニウム層の界面剥離が頻繁に起こるよう
になった。(2)柱状炭窒化チタン層と酸化アルミニウ
ム層の間に炭化チタン等の中間層を設けた工具では若干
の改善が見られるものの、柱状炭窒化チタン層と中間層
の界面剥離、および中間層の破壊による剥離が多く見ら
れた。即ち炭化チタン等が付着した酸化アルミニウム層
の剥離が数多く観察された。(3)特に刃先が高温とな
る切削条件では、酸化アルミニウム層が剥離した後、急
速に摩耗が進行した。
柱状炭窒化チタン層を高温酸化から守る効果を有する点
は広く知られる所だが、従来技術の工具は酸化アルミニ
ウム層の剥離が起こりやすく、柱状炭窒化チタン層のす
ぐれた耐摩耗性を活かしきれず短寿命となる事がわかっ
た。本発明はこの点を改善し、断続切削などの強い衝撃
に対しても酸化アルミニウム層の剥離が生じず、連続切
削による刃先の高温化に対しても優れた耐摩耗性を発揮
する工具用被覆超硬合金を提供するものである。
見に基づいてなされたものである。第一に、アセトニト
リルを使用したMT−CVD法による炭窒化チタンは、
基体表面に対して垂直方向に成長した柱状晶を形成する
性質がある。また切削工具として使用するには耐摩耗性
を向上させる目的で膜厚を厚くすることが望ましく、炭
窒化チタンの膜厚を5μm以上、好ましくは10μm以
上15μm以下に制御する方法がとられている。しかし
柱状晶の形で基体表面から垂直方向に成長する炭窒化チ
タンの、基体表面に対し平行な面の粒度は成膜初期には
非常に微細であるが、成長するに従い粒度が大きくなっ
てくる。この粒度は柱状炭窒化チタン層の膜厚に比例し
て大きくなるが、その粒度は約1μmあるいは2μm以
上となる場合が多い。
ン等の層を形成する場合に、粒度が0.4μmより細か
いと炭化チタン等の結晶同士の界面、あるいは炭化チタ
ン等の結晶と柱状炭窒化チタンの結晶との界面に空孔が
生じる可能性が大きくなる。その空孔に成膜時にWC基
超硬合金基体より拡散してきたW、C、Co等の不純物
が介在し結晶同士の密着性を低下させてしまう。
ても同様で、炭化チタン等の粒度が0.4μmより細か
いと炭化チタン等の結晶と酸化アルミニウムの結晶の界
面に空孔が生じやすくなる。その空孔に、成膜時にWC
基超硬合金基体より拡散してきたW、C、Co等の不純
物が介在し結晶同士の密着性を低下させてしまう。
より小さい場合には柱状炭窒化チタン層と中間層の界面
強度、中間層および酸化アルミニウム層自体の強度、中
間層と酸化アルミ層の界面強度、のすべてに悪影響を及
ぼすことがわかったのである。
1.8μmより大きい場合は衝撃を受けた際に生じるク
ラックの伝播が結晶粒内を通りやすく、粒内破壊を起こ
してしまう。このため靭性の劣化が著しい。そのため中
間層の炭化チタン等の粒度は1.8μm以下が好まし
い。
ける(111)面、(200)面、(220)面の各結
晶面からの回折うち、(200)面からの回折強度が最
も弱くなる配向性を示す性質がある。このため、柱状炭
窒化チタン層の上に炭化チタン等の層を形成する際に
は、炭化チタン等のX線回折における配向性も同様とし
た場合に層間歪みが少なく、衝撃を受けた際に生じるク
ラックが伝播しにくくなり、クラックの進展による柱状
炭窒化チタン層と中間層の界面剥離が生じにくくなる。
従って、中間層のX線回折において(111)面、(2
00)面、(220)面のうち(200)面からの回折
強度が最も弱くなる配向とするのが良い。
とすることで上記課題を解決できることを見いだした。
即ち、柱状晶組織を有する炭窒化チタン層と酸化アルミ
ニウム層の間にチタンの炭化物、窒化物、酸化物より選
ばれる1種又は2種以上の固溶体及び/又は混合体より
なる単層又は多層の中間層を設け、前記中間層の結晶平
均粒度を0.4μm以上1.8μm以下徴とする。さら
に、前記中間層の(111)面、(200)面、(22
0)面からの回折のうち(200)面からの回折強度を
最小とする。このように構成することで酸化アルミニウ
ム層の密着性が向上し、さらに中間層の強度も向上する
ので、酸化アルミニウム層の、界面からの剥離および中
間層の破壊による剥離の両方に極めて顕著な効果を示す
ことがわかったのである。
M20種相当のCNMG120412型スローアウェ
イチップを基体とし、化学蒸着法にて基体表面側より、
第1層として窒化チタンを0.5μm、第2層としてア
セトニトリルを使用した柱状晶の炭窒化チタンを10μ
m、第3層として粒状結晶の炭化チタンを表1に示した
条件で1μm、第4層として酸化アルミニウムを1μ
m、第5層として窒化チタンを0.3μm、をそれぞれ
蒸着し、本発明例1乃至7および比較例8乃至11を作
成した。ここに、本発明例1乃至5は請求項1に係る発
明の例、1乃至3および6、7は請求項2に係る発明の
例である。
お、平均粒度は次のようにして測定した。先ず被覆層の
垂直断面を走査型電子顕微鏡によって15000倍で撮
影する。写真の第3層の厚さ方向の中点から被覆層と平
行に10μmに亘る線分を引く。その線分が横切る粒界
の数で線分の長さを割った値を算出する。同様に計5視
野について行い、算出した値の平均値を以て平均粒度と
する。得られた試料の第3層のX線回折の結果、回折強
度が最小であった面を表1に併記する。
試験1として被削材:FCD700丸棒、切削速度:1
50m/min、送り:0.3mm/rev、切り込
み:2mm、乾式にて15分間の切削を行った後のイン
サートの逃げ面の摩耗幅を測定した。試験2として被削
材:S53C丸棒、切削速度:250m/min、送
り:0.4mm/rev、切り込み:2mm、湿式にて
20分間の切削を行った後のインサートの逃げ面の摩耗
幅を測定した。耐チッピング性を調べる目的で試験3と
して被削材:SCM435 4ツ溝入り丸棒、切削速
度:150m/min、送り:0.3mm/rev、切
り込み:2mm、湿式にて30秒間切削を行い、これを
10回行って欠損、チッピングした個数を調べた。以上
の結果をまとめて表1に併記する。
結果となり、優れた耐摩耗性、耐熱性、耐欠損性を有す
ることがわかった。本発明例4乃至7は試験3において
ややチッピングしやすい傾向を示した。特に本発明例
5、6は試験2においても剥離を起こし、刃先が高温で
あるため急速に摩耗している。しかしその他の試験では
正常な摩耗形態を示し、優れた耐摩耗性を示した。これ
らの本発明例に対し比較例8乃至11は特に試験3によ
ってチッピングしやすい傾向が明らかとなった。また試
験2においてもすべてのチップで剥離が起こり急速に摩
耗が進行した。比較例10、11は試験1でも終了間際
に剥離を起こし、総じて比較例は中間層の脆弱さ、ある
いは各層間界面の密着力の弱さに起因する酸化アルミニ
ウム層の剥離が起こりやすいことが明らかとなった。
ミニウム層の剥離が少なく、従ってその後、長時間の連
続切削が続く場合でも柱状炭窒化チタン層の優れた耐摩
耗性が発揮される。よって本発明品は断続・連続切削が
混在する切削に使用する工具材料として最適であり、か
つ信頼性が高く切削加工の省力・無人化に適した汎用性
の高い切削工具材料として優れた性能を発揮するもので
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 超硬合金基体表面に硬質被覆層を設けて
なる被覆超硬合金であり、前記硬質被覆層は柱状晶組織
を有する炭窒化チタン層、及び前記炭窒化チタン層より
も外側に設けた酸化アルミニウム層を少なくとも有する
被覆超硬合金において、前記炭窒化チタン層と前記酸化
アルミニウム層の間にチタンの炭化物、窒化物、酸化物
より選ばれる1種又は2種以上の固溶体及び/又は混合
体よりなる単層又は多層の中間層を設け、前記中間層の
結晶平均粒度が0.4μm以上1.8μm以下であるこ
とを特徴とする被覆超硬合金。 - 【請求項2】 超硬合金基体表面に硬質被覆層を設けて
なる被覆超硬合金であり、前記硬質被覆層は柱状晶組織
を有する炭窒化チタン層、及び前記炭窒化チタン層より
も外側に設けた酸化アルミニウム層を少なくとも有する
被覆超硬合金において、前記炭窒化チタン層と前記酸化
アルミニウム層の間にチタンの炭化物、窒化物、酸化物
より選ばれる1種又は2種以上の固溶体及び/又は混合
体よりなる単層又は多層の中間層を設け、X線回折にお
ける前記中間層の(111)面、(200)面、(22
0)面からの回折のうち(200)面からの回折強度が
最小であることを特徴とする被覆超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9084398A JPH11269649A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被覆超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9084398A JPH11269649A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被覆超硬合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269649A true JPH11269649A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=14009877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9084398A Pending JPH11269649A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被覆超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11269649A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6627335B2 (en) * | 2000-03-30 | 2003-09-30 | Toshiba Tungaloy Co., Ltd. | Coated cutting tool and method for producing the same |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP9084398A patent/JPH11269649A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6627335B2 (en) * | 2000-03-30 | 2003-09-30 | Toshiba Tungaloy Co., Ltd. | Coated cutting tool and method for producing the same |
US6824823B2 (en) | 2000-03-30 | 2004-11-30 | Toshiba Tungaloy Co., Ltd. | Coated cutting tool and method for producing the same |
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