JPH11269455A - セリウム系研摩材の製造方法 - Google Patents
セリウム系研摩材の製造方法Info
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- JPH11269455A JPH11269455A JP10075287A JP7528798A JPH11269455A JP H11269455 A JPH11269455 A JP H11269455A JP 10075287 A JP10075287 A JP 10075287A JP 7528798 A JP7528798 A JP 7528798A JP H11269455 A JPH11269455 A JP H11269455A
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Abstract
な仕上げ面が得られるセリウム系研摩材の製造方法を提
供する。 【解決手段】 セリウム含有希土類原料を鉱酸処理し、
次いでフッ化アンモニウムで処理した後、焙焼すること
を特徴とするセリウム系研摩材の製造方法。
Description
製造方法に関し、詳しくは異常な粒成長を抑制し、切削
性が改善されると共に、良好な仕上げ面が得られるセリ
ウム系研摩材の製造方法に関する。
様々な用途にガラス材料が用いられている。この中で特
に光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、アクティブ
マトリックス型LCD、液晶TV用カラーフィルター、
時計、電卓、カメラ用LCD、太陽電池等のディスプレ
イ用ガラス基板、LSIフォトマスク用ガラス基板、あ
るいは光学用レンズ等のガラス基板や光学用レンズ等に
おいては、高精度に表面研摩することが要求されてい
る。
いられている研摩材としては、希土類酸化物、特に酸化
セリウムを主成分とする研摩材が用いられている。その
理由は、酸化セリウムは、ガラスの研摩において酸化ジ
ルコニウムや二酸化ケイ素に比べて研摩効率が数倍優れ
ているという利点からである。
切削性を向上させるために種々の提案がなされている。
例えば、研摩材原料をより高い温度で焙焼したり、研摩
材原料をフッ酸等で前処理した後、高い温度で焙焼した
り(特開平9−183966号公報)、さらには研摩材
原料にホウ酸(特公昭39−1488号公報)やアルミ
ナ(特公昭39−29596号公報)、シリカ等を添加
後、焙焼し、それぞれガラス用研摩材を製造している。
摩材原料中に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金
属や前処理で加えたフッ酸等の添加物の影響で、異常粒
成長が促進され、局在化した粗大粒子が形成され、研摩
材中に粗大粒子が混入してしまうという問題が生じる。
行った場合、切削性の改善にはある程度効果はあるが、
粗大粒子のためにガラス面にキズが発生し、良好な仕上
げ面は得られず、液晶用ガラスやハードディスク用ガラ
ス等の電子材料向けの精度を要求されるガラスへの研摩
には適するものではなかった。
れると共に、傷の少ない良好な仕上げ面が得られるセリ
ウム系研摩材の製造方法を提供することにある。
果、研摩材原料を鉱酸で処理し、さらにフッ化アンモニ
ウムで処理した後、焙焼することによって上記目的が達
成し得ることを知見した。
で、セリウム含有希土類原料を鉱酸処理し、次いでフッ
化アンモニウム(NH4 F)で処理した後、焙焼するこ
とを特徴とするセリウム系研摩材の製造方法を提供する
ものである。
本発明で用いられるセリウム含有希土類原料としては、
酸化希土やバストネサイト等が挙げられる。酸化希土は
希土類原料の炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩等を焼成す
ることによって、混合希土酸化物として得られる。ま
た、バストネサイトは、フッ化炭酸希土で、モース硬度
4〜4.5、比重4.93〜5.19の塊状の鉱物であ
る。
は粉砕され、所定粒径とされたものを使用する。粉砕は
湿式ボールミル等で行われ、その平均粒径は0.5〜3
μmが好ましい。
原料を鉱酸で処理する。鉱酸としては塩酸、硫酸、硝酸
等が例示され、その濃度は0.1〜2規定程度である。
このように希土類原料を鉱酸処理することによって、焙
焼工程において粒成長の原因となるカルシウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属等の不純物を
溶解除去し、異常粒成長を起こりにくくすることができ
る。
含有希土類原料スラリーをフッ化アンモニウムで処理す
る。このようにフッ化反応のゆるやかなフッ化アンモニ
ウムで処理することによって、原料中にフッ素源を均一
に分布させることができ、より低温度の焙焼温度で均一
な粒成長を促進することができるので、研摩材中に異常
な粗大粒子をもつことがなく、高精度の表面仕上りが可
能で、しかも高切削性の研摩材を得ることができる。
で、粒成長の度合いを制御でき、切削性を調整できるの
で、荒仕上げから最終仕上げに至る高精度研摩材を製造
することができる。フッ素濃度は5〜60g/lである
ことが望ましい。但し、処理に用いるフッ素源として、
特開平9−183966号公報に記載されているような
フッ酸を用いるとセリウム含有希土類原料との反応性が
激しく、そのために反応が局在化してしまうので、焙焼
の際に部分的に異常粒成長を起こし、粗大粒子が研摩材
中に混入し、研摩時の仕上り面に悪影響を与えるので好
ましくない。
含有希土類原料は濾過、乾燥された後、焙焼される。焙
焼温度は600〜1100℃、好ましくは700〜10
00℃、焙焼時間は1〜10時間程度であり、例えば電
気炉等が使用される。次いで、放冷、粉砕、分級して研
摩材とする。この研摩材の平均粒径は0.4〜3.0μ
mが好ましい。さらに、この研摩材中には、フッ素が
0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%含有さ
れる。この焙焼温度及びフッ素含有量によって、研摩材
の粒径を制御することができる。
の分散媒に分散させて5〜30重量%程度のスラリーの
状態で使用される。このような分散媒としては、水や水
溶性有機溶媒が使用される。有機溶媒としてはアルコー
ル、多価アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等
が例示されるが、水が通常使用される。
分子の有機分散剤を含有することが望ましい。このよう
な有機分散剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム等の
ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、ポリ
エチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等が例示さ
れる。このような有機分散剤を含有させることにより、
研摩中の発泡を防止することができる。この有機分散剤
の含有量は研摩材中に0.1〜0.8重量%であり、こ
れを超えて含有させても使用効果がない。
明する。
%、酸化セリウム含量58重量%、カルシウム含量0.
7重量%、ナトリウム含量0.17重量%の組成からな
る酸化物希土5kgを湿式ボールミルで粉砕し、平均粒
径1.0μmの粉体とした。この粉体を鉱酸(濃度1規
定の塩酸)で処理した後、フッ素含有量が7重量%とな
るように、フッ素濃度が15g/lのフッ化アンモニウ
ム水溶液で処理した。次いで、濾過、乾燥し、920
℃、2時間電気炉で焙焼し、放冷、粉砕、分級して研摩
材を得た。この研摩材の平均粒径、比表面積、不純物品
位(Ca、Na)を表1に示す。また、得られた研摩剤
のレーサー回折法による粒度分布図を図1に示す。
10重量%のスラリーとした。このスラリー状研摩液を
用いて平面パネル用ガラスを研摩し、研摩状態を評価し
た。評価は高速研摩機を用いて行い、切削値と表面仕上
りで評価した。切削値は65mmφの平面パネル用ガラ
スを使用し、研摩圧力15.7kg/cm2 で研摩し、
その時の重量減を切削厚に換算した。表面仕上りは、傷
の有無を光源30万ルクスのハロゲンランプを用い、反
射法にて評価した。その結果を表1に示す。
ンモニウムによる処理に代えて、フッ素含有量が7重量
%となるように、フッ素濃度が45g/lのフッ酸水溶
液で処理した以外は、実施例1と同様にして研摩材を得
た。この研摩材の平均粒径、比表面積、不純物品位(C
a、Na)を表1に示す。また、この研摩材を用い、実
施例1と同様にして研摩状態を評価した。その結果を表
1に示す。また、得られた研摩剤のレーサー回折法によ
る粒度分布図を図2に示す。
1に比べ、同一温度で焙焼を行っても、粒径及び比表面
積の値から判るように、異常な粒成長が起こらない。ま
た、実施例1は比較例1に比較して、切削性に優れ、か
つ高精度の表面仕上りが可能である。このことは実施例
1の研摩材は、異常に成長した粗大粒子が少なく、きめ
細かい粒子から構成されるので、傷の少ない高精度の仕
上り面が得られ、電子材料向けのガラス研摩には最適で
あることを示す。さらに、実施例1においては、フッ素
が均一に分布しているので、より均一なCeOF構造を
取るので、上記したように、切削性も比較例1よりも優
れている。また、図1と図2の対比からも、実施例1は
比較例1に比して、異常に成長した粗大粒子が少ないこ
とが分かる。
て、実施例1で用いた酸化希土に代えて、全希土酸化物
含量70重量%、酸化セリウム含量40重量%、カルシ
ウム含量1.3重量%の組成からなるバストネサイトを
用いた以外は、実施例1と同様にして研摩材を得た。こ
の研摩材の平均粒径、比表面積、不純物品位(Ca、N
a)を表2に示す。また、この研摩材を用い、実施例1
と同様にして研摩状態を評価した。その結果を表2に示
す。また、得られた研摩剤のレーサー回折法による粒度
分布図を図3に示す。
て、比較例1で用いた酸化希土に代えて、実施例2で用
いたバストネサイトを用いた以外は、比較例1と同様に
して研摩材を得た。この研摩材の平均粒径、比表面積、
不純物品位(Ca、Na)を表2に示す。また、この研
摩材を用い、研摩圧力を31.4kg/cm2 に変更し
た以外は、実施例1と同様にして研摩状態を評価した。
その結果を表2に示す。また、得られた研摩剤のレーサ
ー回折法による粒度分布図を図4に示す。
ネサイトを用いた実施例2と比較例2との比較において
も、実施例1と比較例1の比較と同様な結果を示す。但
し、バストネサイトは、初めから約5重量%のフッ素を
含むので、フッ化アンモニウムで処理した効果は、実施
例1の酸化希土を用いた場合ほどには顕著ではないが、
実施例2においても高い切削性を有し、かつ傷の少ない
良好な仕上げ面が得られる点は実施例1と異同はない。
また、図3と図4の対比から、比較例2では粗大粒子の
生成が認められたのに対し、実施例2においては粗大粒
子の生成が少ないことが分かる。
焼温度を945℃と代えた以外は、実施例2と同様にし
て研摩材を得た。この研摩材の平均粒径、比表面積、不
純物品位(Ca、Na)を表3に示す。また、この研摩
材を用い、実施例1と同様にして研摩状態を評価した。
その結果を表3に示す。また、得られた研摩剤のレーサ
ー回折法による粒度分布図を図5に示す。
焼温度を945℃と代えた以外は、比較例2と同様にし
て研摩材を得た。この研摩材の平均粒径、比表面積、不
純物品位(Ca、Na)を表3に示す。また、この研摩
材を用い、実施例1と同様にして研摩状態を評価した。
その結果を表3に示す。また、得られた研摩剤のレーサ
ー回折法による粒度分布図を図6に示す。
化させた実施例3と比較例3との比較においても、実施
例3では粒子の異常成長が抑えられていることが認めら
れ、比較例3に比較して、高い切削性を有し、かつ良好
な仕上げ面が得られている。また、図5と図6の対比か
らも、実施例3は比較例3に比して、粒子の異常成長が
抑えられていることが分かる。
系研摩材の製造方法によって、粒子の異常成長が抑えら
れ、切削性が改善されると共に、ガラス面等に対して傷
の少ない良好な仕上げ面が得られる。
法による粒度分布図。
法による粒度分布図。
法による粒度分布図。
法による粒度分布図。
法による粒度分布図。
法による粒度分布図。
Claims (2)
- 【請求項1】 セリウム含有希土類原料を鉱酸処理し、
次いでフッ化アンモニウムで処理した後、焙焼すること
を特徴とするセリウム系研摩材の製造方法。 - 【請求項2】 上記フッ化アンモニウムのフッ素濃度が
5〜60g/lである請求項1に記載のセリウム系研摩
材の製造方法。
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