JPH11269207A - 難焦性物品 - Google Patents
難焦性物品Info
- Publication number
- JPH11269207A JPH11269207A JP7591098A JP7591098A JPH11269207A JP H11269207 A JPH11269207 A JP H11269207A JP 7591098 A JP7591098 A JP 7591098A JP 7591098 A JP7591098 A JP 7591098A JP H11269207 A JPH11269207 A JP H11269207A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylate
- parts
- weight
- active energy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
及び基材との密着性等にも優れた難焦性物品の提供。 【解決手段】 特定の金属元素と酸素とから構成され、
一次粒子径が1nm〜500nmの範囲である金属酸化
物微粒子(A)、分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
イル基を有する化合物(B)、数平均分子量が1万〜1
00万の範囲である熱可塑性ポリマー(C)、活性エネ
ルギ−線感応性ラジカル重合開始剤(D)を有する組成
物から得られる活性エネルギー線硬化型被膜が、基材上
に形成されていることを特徴とする難焦性物品。
Description
より焦燃し易いプラスチック、木材、紙等の基材上に難
焦性被膜を形成した物品に関するものであり、更に詳し
くは、難焦性、透明性、耐摩耗性等に優れる活性エネル
ギー線硬化型被膜を基材上に形成した物品に関するもの
である。
目的として、特に、公的な場所や乗り物の中において
は、禁煙化、あるいは分煙化が進んでいる。しかし、一
方では、灰皿以外の場所へ火のついた煙草を押しつけ消
煙することよって、物品が焦げる被害が後をたたない現
状がある。これらの実例としては、パチンコ台の各種部
品への煙草の押しつけ、公衆電話機の表示板等への煙草
の押しつけ、ゲーム機プラスチックカバー等への煙草の
押しつけ等による被害が挙げられる。また、灰皿に置き
忘れた煙草が落下することによって、机や床等が焦げる
ことも多い。
は、焦げやすく、燃えやすい素材であるプラスチック、
木材、紙等からなる物品の難焦化である。これらの難焦
性を向上させるためには、これら物品に難燃剤を添加し
たり、表面に難焦性被膜を形成させたりすることが必要
である。
は、例えばプラスチックの場合には、三酸化あるいは五
酸化アンチモン微粒子や、ハロゲン化樹脂、好ましくは
ビスフェノール骨格を有するハロゲン化樹脂等の難燃剤
を添加することが知られている。
紙等のプラスチック以外の材質からなる物品に適用する
ことが困難であり、プラスチックに添加した場合におい
ても、透明性や外観等の難焦性以外に要求される性能を
十分に満足するものを得ることが困難であり、この方法
が適用できる範囲は限られていた。
として、表面に難焦性被膜を形成させる方法が知られて
いる。この方法は、木材や紙等のプラスチック以外の材
質からなる物品に対しても適用可能であり、適用範囲が
広い利点を有する。例えば、前述のアンチモン酸化物微
粒子やアルミ微粒子ペースト等の金属微粒子を樹脂バイ
ンダーに混合した金属様の外観を与えるラッカー塗料
は、難焦性に優れた被膜を形成することが知られてい
る。
いても、透明性や外観等の難焦性以外に要求される性能
を十分に満足するものを得ることは困難であった。
透明性や耐摩耗性等にも優れた被膜がプラスチック、木
材、紙等の基材上に形成された物品を提供することであ
る。
解決するために鋭意検討した結果、特定の金属微粒子を
含有する活性エネルギー線硬化型被膜を有する物品が、
難焦性、透明性、耐摩耗性等に優れることを見いだし、
本発明を完成させた。
K、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Rb、Sr、Zr、Mo、Ru、Rh、Pd、C
d、In、Sn、Sb、Cs、Ir、Pt、Hg、W、
Pb、Ceから選ばれる少なくとも1種の金属元素と酸
素とから構成され、一次粒子径が1nm〜500nmの
範囲である金属酸化物微粒子(A)20〜95重量部、
分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化
合物(B)5〜80重量部、数平均分子量が1万〜10
0万の範囲である熱可塑性ポリマー(C)0〜50重量
部、および、(A)〜(C)成分の合計100重量部に
対して、活性エネルギ−線感応性ラジカル重合開始剤
(D)を0.1〜10重量部の範囲で有する組成物から
得られる活性エネルギー線硬化型被膜が、基材上に形成
されていることを特徴とする難焦性物品に関するもので
ある。
l、K、Ca、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Rb、Sr、Zr、Mo、Ru、Rh、P
d、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ir、Pt、H
g、W、Pb、Ceから選ばれる少なくとも1種の金属
元素と酸素とから構成され、一次粒子径が1nm〜50
0nmの範囲である金属酸化物微粒子であり、ゾル−ゲ
ル法、ドープ法等の手法で製造されるものである。
(A)成分は、本発明の難焦性物品の活性エネルギー線
硬化型被膜を構成するものであり、この被膜の耐焦げ性
を向上させるとともに、基材へのZ軸(被膜に対して垂
直)方向への伝熱をX軸、Y軸(被膜に対し水平)方向
へ変換する効果を有するものである。この効果によっ
て、例えば、高温の煙草の火が被膜に押しつけられても
被膜自身が容易に焦げることはなく、また、基材への伝
熱が少ないため、基材の耐熱性が低く焦げやすい場合に
おいても、基材のダメージを抑制することができる。
Zn、Pd、In、Sn、Sb、Cs、Pbから選ばれ
る少なくとも1種の金属元素と酸素とから構成される金
属酸化物微粒子を(A)成分として使用すると、形成さ
れる被膜の難焦性や透明性がさらに良好となる傾向にあ
り特に好ましい。
ク1120(触媒化成製、Sb−Si系酸化物微粒子ゾ
ル)、オプトレイク1120A(触媒化成製、Ti−C
e−Si系酸化物微粒子ゾル)、オプトレイク1130
F(触媒化成製、Ti−Fe−Si系酸化物微粒子ゾ
ル)、オプトレイク1120Z(触媒化成製、Ti−Z
r−Si系酸化物微粒子ゾル)、セルナックスZ400
M(日産化学製、Sb−Zn系酸化物微粒子)、HIT
−30(日産化学製、Ti−Zr−Sn−Si系酸化物
微粒子等を挙げることができる。
は、前述の金属元素や酸素以外にも、本発明の効果を損
なわない範囲で他の金属元素や、Siのような非金属元
素が含まれていても良い。
径は、1nm〜500nmの範囲である必要がある。こ
れは、一次粒子径が1nm以上の場合において、金属酸
化物微粒子の分散安定性が良好となり、500nm以下
の場合において、形成される被膜の透明性が良好となる
傾向にあるためである。好ましくは5nm〜300nm
の範囲であり、さらに好ましくは10nm〜200nm
の範囲である。
の場合、有機溶剤に分散されたコロイド状態で提供され
る。分散溶剤としては、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール等のアルコール系溶剤、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の多価アルコール系溶剤、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル等の多価アルコール誘導体、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコー
ル等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸
エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、2
―ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルアクリレ
ート、アクリロイルモルフォリン等の(メタ)アクリレ
ートエステル類が挙げられる。金属酸化物とこれらの分
散溶剤との重量比率は5/95〜60/70の範囲であ
るが、貯蔵安定性の点から20/80〜40/60の範
囲であることが好ましい。
成分の合計100重量部に対して20〜95重量部の範
囲である。これは、(A)成分の使用量が、20重量部
以上とすることによって、本発明の物品の難焦性が優れ
たものとなる傾向にあるためであり、(A)成分の使用
量が95重量部以下とすることによって、バインダー樹
脂成分の比率が適正化されて、得られる被膜の透明性と
耐久性が良好となる傾向にあるためである。より好まし
くは30〜85重量部の範囲である。
子と、(B)及び(C)成分のバインダー樹脂成分との
相溶性を上げる目的で、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−(アミノエチルアミノ)プロピ
ルトリメトシキシラン等のシランカップリング剤を用い
ることができる。これらシランカップリング剤は、被膜
形成用組成物の調合時に添加しても良いし、(A)成分
の分散体にあらかじめ混合し、シランカップリング剤と
(A)成分との間で加水分解と縮合を行わせた後に、
(B)〜(D)成分を添加しても良い。
リロイル基を有する化合物は、(A)成分の金属酸化物
微粒子を被膜化するためのバインダー成分である。
または芳香族系の(メタ)アクリレートや、脂肪族、脂
環族または芳香族のウレタンポリ(メタ)アクリレー
ト、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル
ポリ(メタ)アクリレートが使用できる。ここで(メ
タ)アクリレートはアクリレート、またはメタクリレー
トを意味するものである。
アクリレート、エチル(メタ)アクリレ−ト、ブチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レ−ト、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタ
ニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、無水フタル酸と
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物
などのモノ(メタ)アクリレ−ト化合物;1,4−ブタ
ンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ
−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜
15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブ
チレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレ
ート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ
−ルプロパンジアクリレ−ト、ビス(2−(メタ)アク
リロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレ−
トなどのジ(メタ)アクリレ−ト化合物;トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−
(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエ
リスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−トなどの多官能
(メタ)アクリレート化合物;ビスフェノールA型ジエ
ポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ
(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリ
レート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3
量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反
応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリ
レート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタ
ンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソ
シアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
トとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジ
シクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6−15)
テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させた
ウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メ
タ)アクリレート;トリメチロ−ルエタンとコハク酸、
(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メ
タ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンとコハク
酸、エチレングリコ−ル、及び(メタ)アクリル酸とを
反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリ
エステルポリ(メタ)アクリレート等を挙げることがで
きる。
よいし、2種以上を混合して用いてもよいが、本発明の
難焦性物品に高度な耐摩耗性を付与させる場合には、分
子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合
物を(B)成分として使用するのが好ましい。
スリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メ
タ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応さ
せたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメ
タンジイソシアネートとポリ(n=6−15)テトラメ
チレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタン
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロ
キシエチル)イソシアヌレ−ト、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の化
合物が特に好ましい。
成分の合計100重量部に対して5〜80重量部の範囲
である。
以上とすることによって、得られる被膜の透明性、耐久
性、耐摩耗性、及び基材との密着性に優れる傾向にある
ためであり、80重量部以下とすることによって、本発
明の物品の難焦性が優れたものとなる傾向にあるためで
ある。好ましくは10〜75重量部の範囲、より好まし
くは15〜70重量部の範囲である。
量が1万〜100万の範囲である熱可塑性ポリマーを使
用することができる。(C)成分は、(A)成分の被膜
内での分散性向上を向上させ、被膜と基材との密着性を
向上させる効果を有する。
(A)〜(D)成分を含有する活性エネルギー線硬化型
被膜形成用組成物を基材上に塗布した後に組成物中の溶
剤成分を揮発させるだけでタックフリーの難焦性被膜を
得ることができる。この状態においては、被膜は架橋硬
化しておらず、基材とともに変形するので、成形加工す
ることが可能である。この成形加工後に、活性エネルギ
ー線を照射し、被膜を架橋硬化させることによって、被
膜の耐摩耗性をさらに向上させることができる。
脂肪族系、脂環族系または芳香族系の(メタ)アクリレ
ートやビニル化合物等のモノマー成分をラジカル重合し
て得ることができる。
する熱可塑性ポリマーも(C)成分として使用すること
ができる。このような、分子中にラジカル重合性官能基
を有する熱可塑性ポリマーは、例えば、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、グリシジル基、アミノ基、酸無水
物基等を有する脂肪族系、脂環族系または芳香族系の
(メタ)アクリレートや、他の重合可能なモノマーをラ
ジカル重合することによって、熱可塑性ポリマーを予め
製造しておき、これにイソシアノエチル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸、ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート等を反応させることによって得
ることができる。
基を有する熱可塑性ポリマーの中でも、分子量500−
1000当たりに1個程度の(メタ)アクリロイル基を
有するものが、被膜の強度と耐摩耗性をより高めること
ができる傾向にあり好ましい。
ノマー成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレ−ト、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
tーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ−ト、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、N
−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド等のアミド化
合物、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等のスチレン誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等の有機ニトリル類、無水フタル酸と2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートとの付加物などのモノ
(メタ)アクリレ−ト化合物、無水コハク酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β
−モノエチレン性不飽和カルボン酸、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のビニルエステル類、アリルアルコー
ル、(メタ)アクリル酸アリル等のアリル化合物、3−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン等のエチレン性不飽和基含有シ
ラノール等を挙げることができる。
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
均分子量は、1万〜100万の範囲であることが好まし
い。これは、数平均分子量を1万以上とすることによっ
て、低収縮性や塗装作業性が良好となる傾向にあり、数
平均分子量を100万以下とすることによって、被膜の
平滑性が良好になる傾向にあるためである。より好まし
くは、3万〜50万の範囲である。
方法は、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、懸濁重
合法等の重合法のいずれであってもよいが、中でも溶液
重合法または乳化重合法によって重合するのが好まし
い。(C)成分を重合して得る際には、アゾ系や過酸化
物系の重合開始剤や、必要に応じて連鎖移動剤を用いる
ことができる。
成分の合計100重量部に対して0〜50重量部の範囲
である。
以下とすることによって、得られる被膜の耐摩耗性が優
れる傾向にあるためである。好ましくは5〜40重量部
の範囲である。(D)成分である活性エネルギ−線感応
性ラジカル重合開始剤は、活性エネルギ−線の照射によ
りラジカルが発生するものであり、被膜を硬化させるた
めに使用するものである。
ン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフ
ェニルエタン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフ
ェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニル
グリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オンなどの紫外線感応性カルボ
ニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テ
トラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド;
カンファーキノンなどの紫外線、あるいは可視光線感応
性のラジカル重合開始剤等を挙げることができる。
成分の合計100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲である。
部以上とすることによって、被膜の硬化性が良好となる
傾向にあり、10重量部以下とすることによって、被膜
が黄変しにくくなり、コスト的に有利になる傾向にある
ためである。より好ましくは0.5〜5重量部の範囲で
ある。
含有する被膜形成用組成物には、必要に応じて、有機溶
剤(E)を添加することができる。(E)成分は、被膜
形成用組成物を各種基材に塗布する際の液粘度を調整す
る効果を有するものである。(A)〜(D)成分は、
(E)成分に必ずしも完全に溶解する必要はなく、ある
程度の分散状態であってもよい。
ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、
イソブタノ−ル、メトシキブタノ−ル、メトキシプロパ
ノ−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチ
レングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリコ−
ルモノブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノエチ
ルエ−テルなどのアルコ−ル系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチル、酢酸ジエチレングリコ−ルなどのエステル系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの
芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、ミネラルス
ピリット等の炭化水素系溶剤を挙げることができる。こ
れらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上
を混合して用いるのが好ましい。
成分の合計100重量部に対して0〜1000重量部、
より好ましくは10〜800重量部の範囲である。
上述の成分を配合してなるものであるが、さらに必要に
応じて、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、ブル
ーイング剤、顔料、レベリング剤、沈降防止剤、消泡
剤、増粘剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加剤を配
合することができる。
に塗布する際には、ハケ塗り、スプレ−法、ディッピン
グ法、スピン法、シャワーフロ−法、カーテンフロー法
等の種々の方法を採用することができる。
した被膜形成用組成物を塗布し、活性エネルギ−線を照
射して、基材上に難焦性被膜を形成することによって得
ることができる。
好ましくは3〜100μmであり、活性エネルギ−線の
照射は、化学反応用ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、
メタルハライドランプ、フュ−ジョンランプ、太陽光な
どの光源を用いて、波長が200〜600nmである活
性エネルギー線を100〜5000mJ/cm2となる
ように照射する。照射する雰囲気は、空気でもよいし、
窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でも良い。
塗布した後、活性エネルギ−線を照射する前に、(E)
成分を揮発させて除去しても良いし、基材への密着性向
上を目的として、遠赤外線エネルギ−または熱風を用い
て20〜120℃で1〜60分間の熱処理を行っても良
い。
分子量が5万以上であり、かつ、(B)成分の含有量が
40重量部以上である場合には、上述の被膜形成用組成
物を塗布した後、(E)成分を揮発させた被膜はタック
フリーとなる傾向にあるので、基材とともに成形加工す
ることが可能である。この後、活性エネルギ−線を照射
することによって被膜を硬化架橋させて、難焦性物品を
得ることができる。
は、特に限定されないが、ポリメチルメタクリル樹脂、
ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、FRP、BMC、
人工大理石、炭素繊維成型品などのプラスチック基材、
各種無垢木材、合板、ラワン板などの木質基材、印刷、
あるいは塗装を施した金属基材、ガラス基材、陶器、セ
ラミックスなどの無機質基材、または紙基材等を挙げる
ことができる。
に詳しく説明する。 [実施例1] 〈難焦性被膜形成用組成物の調製〉(A)成分として、
アンチモン酸化物微粒子ゾル(商品名:オプトレイク1
120、分散媒メタノール、固形分35wt%、触媒化
成製)214.3g、(B)成分として、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート(商品名:アロニックス
M−400、東亜合成化学(株)製)25g、(D)成
分として、ベンゾフェノン 2g、(E)成分として、
2−メトキシプロパノール95gを加えて攪拌混合し、
難焦性被覆材組成物を得た。
材組成物を基材のポリカーボネート樹脂板(以下PC、
GE社製レキサンLS−2(色調クリア−)を射出成形
により、100mm×100mm×3mm(厚さ)の大
きさに成形したもの)に硬化後の膜厚が5μmとなるよ
うにスプレー法により塗布した。この塗布板を50℃の
熱風乾燥機中に2分間放置した後、高圧水銀灯(80W
/cm,2kw)を3本用いて照射距離25cmでコン
ベア速度3m/min.の条件で1000mJ/cm2
の紫外線エネルギ−を照射した。
れた難焦性ポリカーボネート樹脂板を次のような方法で
その性能を評価した。結果を表1に示した。
定した。
し、付着した灰とヤニを拭き取って外観変化を観察し
た。また、板の別の箇所に火のついた煙草をそれぞれ1
5秒、30秒、60秒間放置した後、付着した灰とヤニ
を拭き取って外観変化を観察した。外観観察結果は下記
の5段階の評点を表1に記載した。 5:表面の外観変化なし 4:やや痕跡が認められる 3:やや黄変し、かすかに焦げ痕が観察される 2:明らかな焦げ痕が観察される 1:表面が焦げ、炭化、又は基材の溶融が見られる 60秒間の静置の後にレベル3以上で有れば実用的と判
断される。
耗輪として、CS−10Fを用いて、各々の輪に荷重5
00gの荷重で100回転摩耗した後、摩耗部分の曇価
(ヘイズ)を測定した。耐摩耗性は摩耗後のヘイズから
摩耗前のヘイズを引いた値で示した。
達する傷を1.5mm間隔で入れ100個のます目を作
り、セロハンテ−プ(幅25mm、ニチバン製)をこの
上に密着させて急激に剥した後、剥がれなかったます目
を数えた。
組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして難焦性ポ
リカーボネート樹脂板を得て、実施例1と同様に評価し
た。結果を表1に示した。
板(以下PMMA、三菱レイヨン(株)製アクリペット
VH001(色調クリア−)を射出成形により、100
mm×100mm×3mm(厚さ)の大きさに成形した
もの)を用いた以外は、実施例1と同様にして難焦性メ
タクリル樹脂板を得て、実施例1と同様に評価した。結
果を表1に記載した。
板(以下、木:100mm×100mm×1mm(厚
さ))を用いた以外は、実施例1と同様にして難焦性ベ
ニア板を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1
に記載した。ただし、評価項目のうち、透明性、耐摩耗
性(テ−バ−)に関してはヘイズの測定が不可能なの
で、目視検査した。
(以下ABS、三菱レイヨン(株)製ダイヤペットAB
S3001M(色調クリーム)を射出成形により、80
mm×50mm×3mm(厚さ)の大きさに成形したも
の)を用いた以外は、実施例1と同様にして難焦性AB
S板を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に
記載した。ただし、評価項目のうち、透明性、耐摩耗性
(テ−バ−)に関してはヘイズの測定が不可能なので、
目視検査した。
下、紙:厚紙雑誌表紙)を用いた以外は、実施例1と同
様にして難焦性紙を得て、実施例1と同様に評価した。
結果を表1に記載した。ただし、評価項目のうち、透明
性、耐摩耗性(テ−バ−)に関してはヘイズの測定が不
可能なので、目視検査した。
物を用いた以外は、実施例1と同様にして被覆ポリカー
ボネート樹脂板を得て、実施例1と同様に評価した。結
果を表2に示した。
種基材について、実施例1と同様に評価した。結果を表
2に示した。
量で示した。) B1:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート B2:1モルのイソホロンジイソシアネートに、2.1
モルのペンタエリスリトールトリアクリレートを付加さ
せたウレタンヘキサアクリレート C1:N−(n-フ゛トキシメチル)アクリルアミト゛/MMA(メチルメタクリレート)
/スチレン/イソホ゛ルニルメタクリレート/アクリル酸=25/20/3
5/17/3の組成で分子量約4万の溶液重合ポリマー D1:ベンゾフェノン
とともに、耐摩耗性、透明性及び基材との密着性等にも
優れるものであり、工業上非常に有益なものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Li、Mg、Al、K、Ca、Ti、
V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、S
r、Zr、Mo、Ru、Rh、Pd、Cd、In、S
n、Sb、Cs、Ir、Pt、Hg、W、Pb、Ceか
ら選ばれる少なくとも1種の金属元素と酸素とから構成
され、一次粒子径が1nm〜500nmの範囲である金
属酸化物微粒子(A)20〜95重量部、分子中に1個
以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B)5
〜80重量部、数平均分子量が1万〜100万の範囲で
ある熱可塑性ポリマー(C)0〜50重量部、および、
(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して、活性
エネルギ−線感応性ラジカル重合開始剤(D)を0.1
〜10重量部の範囲で有する組成物から得られる活性エ
ネルギー線硬化型被膜が、基材上に形成されていること
を特徴とする難焦性物品。 - 【請求項2】 Li、Ti、Fe、Co、Ni、Zn、
Pd、In、Sn、Sb、Cs、Pbから選ばれる少な
くとも1種の金属元素と酸素とから構成され、一次粒子
径が5nm〜300nmの範囲である金属酸化物微粒子
30〜85重量部を(A)成分として使用することを特
徴とする、請求項1記載の難焦性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7591098A JPH11269207A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 難焦性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7591098A JPH11269207A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 難焦性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11269207A true JPH11269207A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13589972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7591098A Pending JPH11269207A (ja) | 1998-03-24 | 1998-03-24 | 難焦性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11269207A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291325A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-11-08 | Sk Kaken Co Ltd | 発泡性耐火塗料 |
JP2008013629A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Sk Kaken Co Ltd | 発泡性耐火塗料 |
-
1998
- 1998-03-24 JP JP7591098A patent/JPH11269207A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291325A (ja) * | 2005-10-31 | 2007-11-08 | Sk Kaken Co Ltd | 発泡性耐火塗料 |
JP2008013629A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Sk Kaken Co Ltd | 発泡性耐火塗料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0832917B1 (en) | Molded resin articles having marproof organic hard coat layer and nonfogging organic hard coat layer, process for the production of the same, and coating materials therefor | |
CN102791484B (zh) | 车辆用部件及其制造方法 | |
JP5208378B2 (ja) | 塗料組成物とこれを用いた複層塗膜形成方法および塗装物品 | |
US6750270B1 (en) | Binding agents modified with nanoparticles, for coatings, and use thereof | |
JP2007016145A (ja) | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 | |
JP5677462B2 (ja) | 塗膜形成方法 | |
JP2004176054A (ja) | 活性エネルギー線硬化型被覆用組成物及びプラスチック成形品 | |
WO2015019899A1 (ja) | 水性樹脂組成物、それを用いた積層体及び画像表示装置 | |
JP2007038150A (ja) | 複層塗膜形成方法、これに用いる塗料および塗装物品 | |
WO2018123795A1 (ja) | 水性樹脂組成物、それを用いた積層体、光学フィルム及び画像表示装置 | |
JP2003501543A (ja) | ナノ粒子で改良された塗料組成物用バインダーおよびその使用 | |
JP4863464B2 (ja) | 虹彩色を発現する積層物の製造方法 | |
JP3164431B2 (ja) | 耐摩耗性紫外線硬化性被覆組成物 | |
JPH11269207A (ja) | 難焦性物品 | |
JP2003155318A (ja) | 黒色顔料含有活性エネルギー線硬化性組成物およびこれを使用したレンチキュラーレンズシート | |
JP4299513B2 (ja) | 被覆材組成物および物品 | |
JPH0741695A (ja) | 耐摩耗性被覆組成物 | |
JP2008179693A (ja) | 活性エネルギー線硬化型被覆材組成物及びこの組成物により被覆された成型物 | |
JP6540186B2 (ja) | 金属酸化物組成物およびその硬化膜 | |
JP4429199B2 (ja) | 複層塗膜形成方法およびこれに用いる塗料 | |
JPH04209663A (ja) | 紫外線硬化型組成物 | |
JP2018070844A (ja) | エネルギー線硬化型コーティング組成物及びその製造方法 | |
JP3782670B2 (ja) | 被覆用硬化性組成物、被覆物品、自動車用外板、および活性エネルギー線硬化性組成物 | |
JP5930261B2 (ja) | 金属表面用被覆材組成物及び積層成型品 | |
JP2004107653A6 (ja) | 被覆材組成物、およびこの組成物を用いて得られる物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20031210 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20031210 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060620 |