JPH11268108A - 木目込み装置 - Google Patents

木目込み装置

Info

Publication number
JPH11268108A
JPH11268108A JP7769398A JP7769398A JPH11268108A JP H11268108 A JPH11268108 A JP H11268108A JP 7769398 A JP7769398 A JP 7769398A JP 7769398 A JP7769398 A JP 7769398A JP H11268108 A JPH11268108 A JP H11268108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
jig
skin material
graining
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7769398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3571527B2 (ja
Inventor
Tomio Tabata
登美雄 田畑
Akinobu Maeda
明伸 前田
Akiji Kokubu
章治 国分
Toshikazu Iwasaki
敏和 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Pearl Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Pearl Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd, Pearl Kogyo Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP7769398A priority Critical patent/JP3571527B2/ja
Publication of JPH11268108A publication Critical patent/JPH11268108A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3571527B2 publication Critical patent/JP3571527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instrument Panels (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所望の部材の木目込み作業と穴あけまたはこれ
に代わる切り目形成作業とを能率良くかつ迅速に行える
ようにし、また装置全体の小型化をも図れるようにす
る。 【解決手段】木目込み対象物95’を所望の凹溝90内
に木目込むための一定方向に移動可能な木目込みジグ2
を備えている木目込み装置であって、木目込みジグ2に
は、この木目込みジグ2を木目込み対象物95’の表面
に接近させまたは接触させたときに木目込み対象物9
5’への穴あけまたは切り目形成が可能なピアス装置5
が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、たとえば自動車のドアトリ
ム、クォータトリム(座席側部のサイドドアが設けられ
ていないパネル部分を覆うためのトリム)、あるいはイ
ンストルメントパネルを製造するような場合の木目込み
作業、すなわちたとえば布製などの表皮材をベース部材
の表面に設けられている凹溝に木目込む(押し入れる)
作業を行うのに用いられる木目込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のドアトリムを製造する場
合、一般には、次のような工程でなされている。すなわ
ち、ドアトリムを製造するには、まずドアトリムの主要
部となるベース部材の表面に表皮材を接着するいわゆる
表皮材張り込み作業を行った後に、上記表皮材を加熱刃
を用いて所定形状に切断することによって表皮材の不要
な部分を除去する。次いで、木目込みジグを用いて上記
表皮材の外周縁を押圧し、ベース部材の表面に予め設け
られている凹溝内に木目込む。また、その後は、上記表
皮材に必要な穴あけ作業(または穴となる切り目の形成
作業)を施す。この表皮材への穴あけ作業は、たとえば
ウインドガラス昇降操作用のハンドルなどの部品を取り
付け可能とするためのものである。このような一連の作
業工程によれば、ベース部材の表面に表皮材が張り込ま
れてその外周縁が体裁良く木目込み処理されたドアトリ
ムが得られることとなり、ドアトリム全体のグレード感
を高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、表皮材の穴あけ作業を行う手段としては、木目込み
装置などとは別個に設けられたそれ専用の穿孔装置を用
いて行っていたのが実情であった。このため、従来で
は、穿孔装置を木目込み装置などとは別個に設置しなけ
ればならない分だけ、ドアトリムの製造設備全体が大き
くなってしまうばかりか、表皮材の木目込み作業が終了
した後には、その表皮材が木目込まれたベース部材を木
目込み装置から穿孔装置に移し替える手間も必要とな
る。さらには、上記ベース部材を穿孔装置に移し替えた
後には、表皮材の所望位置に穿孔作業が施されるよう
に、上記ベース部材の位置決め作業を新たに行う必要も
生じ、その手間も煩雑となる。その結果、従来では、表
皮材の木目込み作業が終了してからその表皮材の穿孔作
業を行うまでの手間が煩雑となって、その作業性が悪い
ものとなっていた。
【0004】本願発明は、このような事情のもとで考え
だされたものであって、所望の部材の木目込み作業と穴
あけまたはこれに代わる切り目形成作業とを能率良くか
つ迅速に行えるようにし、また装置全体の小型化をも図
れるようにすることをその課題としている。
【0005】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0006】すなわち、本願発明によれば、木目込み装
置が提供される。この木目込み装置は、木目込み対象物
を所望の凹溝内に木目込むための一定方向に移動可能な
木目込みジグを備えている木目込み装置であって、上記
木目込みジグには、この木目込みジグを木目込み対象物
の表面に接近させまたは接触させたときに上記木目込み
対象物への穴あけまたは切り目形成が可能なピアス装置
が設けられていることに特徴づけられる。本願発明でい
うピアス装置とは、木目込み対象物の一部を打ち抜いて
穴をあける穿孔装置としての機能を有するものでもよい
し、あるいはこれに代えて、木目込み対象物に穴をあけ
るための切り目を形成する切り目形成装置としての機能
を有するものであってもよく、いずれであってもよい。
【0007】本願発明に係る木目込み装置においては、
木目込みジグを用いて木目込み対象物を所望の凹溝内に
木目込む作業を行っているとき、またはその木目込み作
業の前後いずれかの時期の木目込みジグが木目込み対象
物に接近または接触しているときに、上記木目込みジグ
に設けられているピアス装置を動作させることによっ
て、上記木目込み対象物に対する穴あけ作業または切り
目形成作業を行うことができる。したがって、本願発明
では、木目込み作業と穴あけ作業とをそれぞれ専用の装
置で個別で行っていた従来の手段とは異なり、木目込み
作業後に木目込み対象物を穿孔装置の所定箇所に移し替
えてから位置決めするといった手間が省けることとな
り、木目込み対象物の木目込み作業と穴あけまたは穴あ
け用の切り目形成作業とを容易かつ迅速に行うことがで
き、それらの作業能率を高めることができるという格別
な効果が得られる。また、本願発明では、ピアス装置を
木目込み装置に組み込んでいる分だけ、それらの装置全
体のサイズを小さくできることとなり、装置設置に際し
ての省スペース化が図れるといった利点も得られる。
【0008】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
ピアス装置は、上記木目込み対象物の穴あけ対象領域の
周囲に切り目を形成するときにその周囲の一部に切り目
が形成されない部分を残すようにした構成とすることが
できる。
【0009】このような構成によれば、木目込み対象物
に切り目を形成した段階では、木目込み対象物の切り目
に囲まれた部分が木目込み対象物の他の部分から分離し
ないようにできる。したがって、木目込み対象物の一部
を打ち抜くことによって穴をあける場合とは異なり、切
り目が形成された部分が直ちにスクラップとなって木目
込み装置の内部またはその周辺に散乱するといった不具
合を生じないようにでき、スクラップの取り扱いに際し
て便利となる。なお、上記木目込み対象物の切り目に囲
まれた部分は、その後の適当な時期において上記切り目
に沿って木目込み対象物から簡単に分離することが可能
であり、これによって木目込み対象物に所望の穴をあけ
ることができる。
【0010】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ピアス装置は、穴あけまたは切り目形成用の刃体
と、この刃体を往復動作させるための駆動手段とを具備
して構成されているとともに、上記木目込みジグは、木
目込み対象物を木目込むための筒形突起状の先端部を有
する筒状またはドーム状の周壁部を備えており、かつ上
記ピアス装置の駆動手段は、上記木目込みジグの周壁部
の内側に取り付けられ、上記刃体が上記駆動手段の駆動
力によって上記周壁部内の奥部からその先端開口部に向
かう方向に往復動自在である構成とすることができる。
【0011】このような構成によれば、ピアス装置の刃
体を駆動手段の駆動力によって移動させて木目込み対象
物に接触させることにより、その木目込み対象物への穴
あけまたは切り目形成作業を行うことが可能であり、ピ
アス装置の構成を簡易なものとすることできる。また、
上記ピアス装置の刃体は、木目込み対象物を木目込むた
めの先端部を有する木目込みジグの周壁部内の奥部から
その先端開口部に向かう方向に往復動するように設けら
れているために、上記刃体によって穴あけされ、または
切り目が形成される箇所は、木目込み対象物のうちの木
目込み処理がなされる端末部分(外周縁)よりも内側の
領域となり、好都合となる。
【0012】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記木目込みジグの周壁部内に温風を供給する温風発生
装置を備えている構成とすることができる。
【0013】このような構成によれば、木目込みジグを
所望の部材の表面に接触または接近させた状態におい
て、温風発生装置で発生された温風を上記木目込みジグ
の周壁部内に供給すると、この温風によって上記部材の
表面を加熱することができる。したがって、上記構成に
よれば、1台の木目込み装置を、木目込み作業、穴あけ
もしくは切り目形成作業、および加熱作業の三つの用途
に用いることができるという利点が得られる。また、加
熱作業を行うときには、加熱対象物表面の一定領域を木
目込みジグによってマスキングできるために、その加熱
効率を高めることができ、さらにはマスキングされてい
ない領域が不当に加熱されることも防止できる。
【0014】本願発明の特徴および利点は、次の発明の
実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0016】本実施形態については、ドアトリムを製造
する場合を一例として説明する。また、その内容を理解
し易くするために、ドアトリムの部品となるベース部材
と表皮材との具体例を先に説明する。
【0017】図1(a)は、ベース部材9の一例を示す
概略平面図であり、同図(b)は、同図(a)のI−I
断面図である。このベース部材9は、ドアトリムの主要
部を成す部材であり、金型を用いて全体が樹脂成形され
たものである。このベース部材9の表面には、環状に繋
がった細幅な凹溝90が設けられている。この凹溝90
は、表皮材を木目込むためのものである。なお、図1で
は省略しているが、このベース部材9の表面には、肘掛
け部分となる突起部分や、ウインドガラス昇降用の操作
ハンドルを差し込むための孔部などが適宜設けられてい
る。
【0018】図2(a)は、表皮材95の一例を示す概
略平面図であり、同図(b)は、同図(a)のII−II断
面図である。この表皮材95は、ドアトリムのグレード
感を高めるなどのために用いられるものであり、たとえ
ば平面視矩形状の布製である。ただし、この表皮材95
は、後述するように、上記ベース部材9に貼り付けられ
た後に所定形状に切断される。
【0019】次に、本願発明に係る木目込み装置の一例
について説明する。
【0020】図3は、本願発明に係る木目込み装置の一
例を示す一部断面概略正面図である。図4は、図3に示
す木目込み装置の要部正面断面図である。図5は、図4
のV−V断面図である。図6は、図4のVI−VI断面図で
ある。図7は、図4のVII−VII断面図である。
【0021】図3において、この木目込み装置Aは、木
目込みジグ2、ピアス装置5、温風発生装置4、温風方
向切替器42、およびその他後述する機器類を具備して
構成されている。この木目込み装置Aは、加熱装置とし
ての機能を兼備するものであり、上記木目込みジグ2は
加熱作業時において温風吹き出し用のフード、あるいは
温風吹き出し領域を規定するためのマスクとして機能す
るものである。
【0022】上記温風発生装置4は、図4によく表れて
いるように、ブロア4Aのエア吐き出し側にヒータ4B
を接続したものであり、温風供給用の配管40aと温風
帰還用の配管40bとが接続されている。これらの配管
40a,40bは、木目込みジグ2に直接的には接続さ
れておらず、温風方向切替器42を介して接続されてい
る。
【0023】上記温風方向切替器42は、たとえば内部
に流路45を形成した中空状のケーシング42A内に切
替バルブとして機能する回動自在なダンパ43を設けた
ものである。上記ケーシング42Aの上部には、上記配
管40a,40bとそれぞれ接続される2つの接続口4
2a,42bが設けられている。また、上記ケーシング
42Aの下部には、木目込みジグ2内への温風の供給を
可能とする第1開口部44aと、木目込みジグ2内から
配管40bへの温風の帰還を可能とする第2開口部44
bとが設けられている。上記ダンパ43は、上記第1開
口部44aと上記流路45とを開閉自在であり、上記第
1開口部44aを開放したときには上記流路45が閉塞
される一方、上記第1開口部44aを閉塞したときには
上記流路45が開放されるようになっている。
【0024】上記木目込みジグ2は、略水平状の上板部
21の下面部に、この上板部21の下方へ延びる筒状ま
たはドーム状の周壁部22を連設したフード状の構造を
有しているが、これに加えて、補助周壁部28、仕切部
25、ダクト23、および複数の邪魔板26a〜26c
をも具備している。上記木目込みジグ2を構成する各部
は、いずれも適当な金属板をプレス加工するなどして形
成されたものであり、その接合には溶接、リベット止
め、ボルト止めなどが適宜用いられている。
【0025】上記上板部21には、上記温風方向切替器
42の第1開口部44aと第2開口部44bとにそれぞ
れ繋がった温風導入口24aと温風帰還口24bとが設
けられている。この上板部21は、フランジなどを有す
る連結部材83aを介して昇降板83に着脱可能に取り
付けられている。図3に示すように、上記昇降板83
は、固定フレーム99の天井部分に支持された往復シリ
ンダ81のロッド81aと昇降ガイドロッド82,82
のそれぞれの先端部に支持されている。したがって、上
記木目込みジグ2は上記往復シリンダ81の動作によっ
て昇降自在である。上記木目込みジグ2の下方には、ベ
ース部材9を支持するための支持ジグ80bを載せた支
持テーブル91が配置される。上記木目込みジグ2は、
昇降板83に着脱可能であるから、必要に応じてこの木
目込みジグ2を他の形状またはサイズのジグと交換でき
ることとなる。なお、上記温風発生装置4もブラケット
49を介して上記昇降板83に支持されており、温風発
生装置4と木目込みジグ2との相対的な位置関係は、木
目込みジグ2の昇降動作には関係なく常に一定に保たれ
るようになっている。
【0026】図4および図5において、上記木目込みジ
グ2の周壁部22は、表皮材の木目込み作業が可能なよ
うに、その下端の先端部22aがベース部材9の表面に
形成されている環状の凹溝90の平面視形状に略一致す
る筒形突起状に形成されたものである。
【0027】上記仕切部25は、上記周壁部22の内部
を第1空間部S1と第2空間部S2とに仕切る部分であ
り、周壁部22の先端寄りの位置に設けられている。上
記第1空間部S1は、周壁部22の基端部側(図面では
上端部側)領域に囲まれた高さ寸法が比較的大きな空間
部である。これに対し、上記第2空間部S2は、周壁部
22の先端部22a寄りの領域に囲まれた下方開口状の
空間部であり、その高さ寸法Lは第1空間部S1のそれ
よりもかなり小さく形成されている。
【0028】上記ダクト23は、上記第1空間部S1内
に設けられており、1つの基管部23’とこの基管部2
3’から分岐して下方に延びる複数のラッパ状のノズル
部23a〜23cとを具備している。上記基管部23’
は、水平方向に延びる管状であり、その内部は上記温風
導入口24aと連通し、上記温風導入口24aに供給さ
れてきた温風をノズル部23a〜23c内にガイド可能
である。上記複数のノズル部23a〜23cの先端部に
は、上記第2空間部S2内に対してその上部から下向き
に温風の吹き出しを行うための下向き開口状の温風吹き
出し口23a’〜23c’が形成されている。むろん、
上記仕切部25には、上記ノズル部23a〜23cとの
干渉を避けるための複数の貫通孔が設けられている。
【0029】上記複数の邪魔板26a〜26cは、上記
第2空間部S2内に設けられており、上記温風吹き出し
口23a’〜23c’と適当な間隔を隔てて対面するよ
うに上記温風吹き出し口23a’〜23c’の直下に配
されている。これらの邪魔板26a〜26cの平面視形
状およびそのサイズは、たとえば上記温風吹き出し口2
3a’〜23c’の開口形状およびそのサイズと略同様
である。これらの邪魔板26a〜26cは、たとえば上
記ノズル部23a〜23cの先端部または仕切部25の
底面部に細幅なステー(図示略)などを介して取り付け
られている。
【0030】上記補助周壁部28は、上記周壁部22の
先端部22aを除く外周面領域を取り囲むように設けら
れている。これによって、この補助周壁部28と上記周
壁部22との間には温風帰還室27が形成されている。
この温風帰還室27の上部の一部分は、上記温風帰還口
24bや第2開口部44bを介して温風発生装置4の配
管40bと繋がっている。一方、上記周壁部22の先端
部近傍のうち、上記第2空間室S2の周壁に相当する部
分には、この第2空間室S2と上記温風帰還室27とを
互いに連通させる複数の温風流出口29が設けられてい
る。
【0031】上記ピアス装置5は、木目込み対象となる
表皮材に穴あけ用の切り目を形成するための装置であ
り、図6によく表れているように、往復シリンダ50の
ロッド50aの先端部に刃体51を取付けた構造であ
る。このピアス装置5は、上記木目込みジグ2の周壁部
22の内側に設けられているが、むろん図7によく表れ
ているように、その刃体51などの各部が上記ダクト2
3のノズル23a〜23cなどと不当に干渉しないよう
に設けられている。
【0032】上記ピアス装置5の往復シリンダ50は、
適当なブラケット52を介して上記木目込みジグ2の上
部に固定して取付けられている。木目込みジグ2の仕切
部25には、上記刃体51と対面する貫通孔25aが設
けられている。これにより、上記往復シリンダ50を駆
動させると、上記刃体51は上記木目込みジグ2の周壁
部22内の奥部上方から上記仕切部25の貫通孔25a
を通過して上記木目込みジグ2の先端開口部(すなわち
第2空間部S2)内へ突出するようになっている。上記
刃体51は、布などへの切り込みがスムーズに行えるよ
うに加熱用のヒータを内蔵したいわゆる加熱刃とされて
おり、その先端には鋭利な形状の刃先部51aが設けら
れている。ただし、上記刃先部51aは、上記刃体51
の先端の全周には設けられておらず、上記刃体51の先
端には上記刃先部51aが形成されていない箇所が1箇
所または複数箇所設けられている。これは後述するよう
に、表皮材の所定領域を完全に打ち抜かないようにする
ためでる。
【0033】図8は、上記木目込み装置Aを具備して構
成された車両用内装材の製造装置の全体の概略構成の一
例を示す正面図である。
【0034】同図に示す車両用内装材の製造装置は、上
記木目込み装置Aの左右両側に、接着剤塗布装置1と表
皮材張り込み装置3とを設けた構成である。上記表皮材
張り込み装置3には表皮材95を切断するための切断装
置7も設けられている。
【0035】上記接着剤塗布装置1は、たとえばポリプ
ロピレンを主成分とする粘着剤含有のホットメルトm
を、ベース部材9の表面に塗布するための装置であり、
この接着剤塗布装置1のテーブル19上には、上記ベー
ス部材9を支持するためのジグ80aが載置されてい
る。この接着剤塗布装置1は、加熱溶融状態のホットメ
ルトを吐出するための吐出ノズル10をアーム12によ
って支持した構成を有しており、このアーム12が予め
プログラミングされた種々の方向に移動することによっ
て、上記ベース部材9の表面の所望領域に対していわゆ
るロボット作業によってホットメルトを塗布できるよう
になっている。この接着剤塗布装置1には、ホットメル
トを加熱溶融状態で適当量だけ貯留するためのヒータ付
きの貯留槽や、この貯留槽からホットメルトを上記吐出
ノズル10に圧送するためのポンプ(いずれも図示略)
が設けられている。
【0036】上記吐出ノズル10としては、たとえばホ
ットメルトを滴下する吐出口の周囲にエア吐出口を備え
たものが用いられており、そのエア吐出口からは螺旋状
に渦巻くエアを吐出するようになっている。このような
構成の吐出ノズル10を用いれば、この吐出口ノズル1
1から滴下したホットメルトを螺旋状に渦巻くエアによ
って適度に分散させながらベース部材9の表面に塗布す
ることができる。ホットメルトを単なる霧状に噴霧した
のでは、ホットメルトが塗布される位置を正確に制御で
きず、またいわゆるビード状に垂らしたのではホットメ
ルトの消費量が多大となる難点を生じるが、上記構成の
吐出ノズル10を用いれば、そのような難点を適切に回
避することができる。
【0037】図9は、上記表皮材張り込み装置3の要部
断面図である。図10は、その表皮材張り込み装置3の
動作状態を示す要部断面図である。図11は、図10の
XI−XI断面図である。図12は、上記表皮材張り込み装
置3の動作状態を示す要部断面図である。図13は、上
記表皮材張り込み装置3に具備された切断装置7の動作
状態を示す要部断面図である。
【0038】図9において、上記表皮材張り込み装置3
は、表皮材95を支持するための表皮材支持テーブル
6、表皮材張り込み用のジグ30,31、および後述す
る機器類を具備して構成されている。
【0039】上記表皮材支持テーブル6は、中央に開口
部60を有する平面視略矩形状のテーブルであり、その
開口部60の周縁の上面部には、平面視矩形状の表皮材
95の外周縁を着脱可能にクランプするクランパ61が
適当数設けられている。これらのクランパ61は、シリ
ンダ63によって上記開口部60に接近した前進位置と
その位置から後退した位置とに往復動可能である。上記
表皮材支持テーブル6は、昇降可能に支持されている
が、図8によく表れているように、エアダンパ62によ
って上方へ付勢されている。すなわち、この表皮材支持
テーブル6は、通常時においては、上記エアダンパ62
によって上方へ付勢されていることにより、図9に示す
ように、ジグ80bを支持する支持テーブル91を上記
木目込み装置Aからこの表皮材張り込み装置3側に水平
移動させてきたときには、この表皮材支持テーブル6の
下方に適当な隙間Hを生じさせてジグ80bやベース部
材9を配置できるようになっている。これに対し、上記
エアダンパ62は、図10に示すように、上記表皮材支
持テーブル6が後述する押動ロッド33,33によって
下方へ押動されたときには、上記表皮材支持テーブル6
の下降動作を一定ストロークLaだけ許容し、表皮材支
持テーブル6がそれ以上は下降しないように抵抗力を発
揮する。
【0040】上記表皮材張り込み用のジグ30,31
は、上記表皮材支持テーブル6によって略水平状に支持
された表皮材95をベース部材9の表面に押しつけるた
めのジグである。上記ジグ30は、ベース部材9の表面
の断面形状と略同様な断面形状を有している。これに対
し、上記ジグ31は、いわゆる中子と称されるもので、
表皮材95の所定領域を部分的に下方へ押しつけるため
のものである。
【0041】上記表皮材張り込み用のジグ30,31
は、表皮材95を下方へ押しつけ可能に昇降可能に設け
られているが、その駆動機構は次のようになっている。
すなわち、固定フレーム99の天井部分に支持された第
1往復シリンダ84のロッド84aと昇降ガイドロッド
85,85のそれぞれの先端部には第1昇降板32が連
結されており、この第1昇降板32には、この第1昇降
板32の下降時に上記表皮材支持テーブル6を一定スト
ロークLaだけ下降させるように上記表皮材支持テーブ
ル6の上面に当接する押動ロッド33,33が突設され
ている。また、上記第1昇降板32の下部には、第2往
復シリンダ86,86を介して第2昇降板34が連結さ
れている。上記ジグ30は、この第2昇降板34に固定
して取り付けられている。したがって、上記ジグ30
は、第1往復シリンダ84と第2往復シリンダ86,8
6とのいずれかの動作によっていわゆる2段構えで昇降
自在である。一方、上記ジグ31は、上記第2昇降板3
4に取り付けられた第3往復シリンダ87に支持されて
いる。したがって、上記ジグ31は、上記第3往復シリ
ンダ87の動作によって上記ジグ30とは個別に昇降動
作が可能であり、いわゆる3段構えで昇降自在である。
【0042】上記切断装置7は、上記ジグ30の外周側
面の全周を囲む形状に形成された1または複数の刃体7
0と、この刃体70を上記ジグ30に相対させて昇降さ
せるための第4往復シリンダ88,88とを具備してい
る。上記刃体70は、上記ベース部材9の表面に貼り付
けられた表皮材95を木目込み用の凹溝90の僅かに外
側の位置で切断できる形状およびサイズに形成されてい
る。また、上記刃体70としては、表皮材95が布製で
あってもその切断がスムーズに行える加熱刃とされてい
る。この刃体70を加熱刃とする手段としては、この刃
体70に電熱ヒータを別付けする手段に代えて、金属製
の刃体70に直接電流を供給して刃体70自体を発熱さ
せる手段を用いてもよい。このような手段を採用すれ
ば、電熱ヒータを別付けする場合とは異なり、刃体70
の各所に温度勾配を生じさせないようにでき、その刃先
部分の温度を効率良く高めることができる。
【0043】次に、上記車両用内装部材の製造装置を用
いてドアトリムを製造する場合の作業工程を説明しつ
つ、上記木目込み装置Aの動作およびその作用について
説明する。
【0044】ドアトリムの製造を開始するには、まず木
目込み装置Aについては、図14に示すように、温風発
生装置4については駆動させておくものの、木目込みジ
グ2からは温風が吹き出さない状態に設定しておく。す
なわち、温風方向切替器42のダンパ43によって第1
開口部44aを閉塞させておけば、温風発生装置4から
供給される温風が木目込みジグ2内に導入されることは
なく、木目込みジグ2からの温風の吹き出しを停止させ
ておくことができる。この場合、温風方向切替器42内
に流入した温風は、その流路45、接続口42b、およ
び配管40bを介して温風発生装置4に戻される。した
がって、上記加熱装置Aでは、温風発生装置4で所定温
度の温風を常時発生させておき、配管40a、温風方向
切替器42、および配管40bによって形成された一連
のループ状の経路で循環させておくことができる。
【0045】次いで、図8において、まず接着剤塗布装
置1のジグ80a上にセッティングしたベース部材9の
表面にホットメルトmを塗布する。このホットメルトm
の塗布は、ベース部材9の表面の表皮材95の貼り付け
対象となる部分、すなわち環状の凹溝90によって囲ま
れている部分に行う。表皮材95を接着するための接着
剤として、たとえば有機溶剤を含有するクロロプレン系
の接着剤を用いたのでは、この接着剤から人体に有害な
揮発成分が発散するために、上記接着剤塗布装置1に局
排装置などを設ける必要があるが、ホットメルトmを用
いればそのような必要はなく、作業現場周辺の環境を良
好な雰囲気に保つことができる。
【0046】上記ホットメルトmの塗布作業後には、上
記ベース部材9を木目込み装置Aのジグ80b上に移し
替えてから、ホットメルトmの加熱作業を行う。ホット
メルトmは、接着剤塗布装置1において加熱溶融状態で
ベース部材9の表面に塗布されるものの、ベース部材9
の表面に塗布された時点でその温度は低下して硬化し、
粘着性が失われる。このため、上記ホットメルトmに充
分な接着力を発揮させるためには、ベース部材9に塗布
されたホットメルトmを積極的に加熱する必要がある。
【0047】上記ホットメルトmの加熱作業に際して
は、まず図4および図5に示すように、木目込みジグ2
の周壁部22の先端部22aがベース部材9の表面に接
触し、または微小な隙間を残して接近するように上記木
目込みジグ2が下降した時点で、その下降動作を停止さ
せる。これによって、ベース部材9の凹溝90の表面に
塗布されているホットメルトmの全域を上記木目込みジ
グ2の先端部22aおよび仕切部25によって適切にマ
スキングすることができる。
【0048】このようなマスキング状態において、木目
込みジグ2からの温風の吹き出し動作を開始する。この
温風の吹き出し動作は、図4に示すように、温風方向切
替器42のダンパ43を動作させて、この温風方向切替
器42の第1開口部44aを開放させると同時に、その
流路45を遮断させることによって行う。これにより、
温風方向切替器42内に供給されていた温風が温風導入
口24aを介して木目込みジグ2のダクト23内に直ち
に流入し、複数の温風吹き出し口23a’〜23c’の
それぞれから第2空間部S2内に吹き出される。したが
って、ホットメルトmの塗布領域に対して極めて迅速に
温風を作用させることができ、ホットメルトmの加熱作
業を早期に開始できる。
【0049】上記複数の温風吹き出し口23a’〜23
c’から第2空間部S2内に吹き出された温風は、邪魔
板26a〜26cに一旦あたってからその側方に分散す
るように流れる。したがって、ホットメルトmの表面の
うち上記複数の温風吹き出し口23a’〜23c’に対
向する部分に温風が集中的に吹きつけられるようなこと
はなく、その部分が他の部分よりもかなり高温に加熱さ
れることを防止することができる。また、上記邪魔板2
6a〜26cの側方に流れた温風は、その後ホットメル
トmの表面に沿って第2空間部S2の外周に向かって流
れる。すなわち、仕切部25によってその上部が仕切ら
れた第2空間部S2の高さ寸法Lは比較的小さいため
に、この第2空間部S2内に吹き出された温風は、上記
仕切部25の下面部によってホットメルトmの表面に沿
って流れるようにガイドされることとなる。したがっ
て、温風が上記ホットメルトmの表面の広い面積領域に
接触する機会が多くなり、その結果ホットメルトmの加
熱効率が高まる。さらには、ホットメルトmの各所の加
熱温度に大きなばらつきが生じないようにすることも可
能となる。
【0050】上記第2空間部S2に吹き出された温風
は、最終的には、複数の温風流出口29を通過して温風
帰還室27内に流入し、その後配管40bを介して温風
発生装置4に戻される。したがって、上記加熱作業で
は、余熱をもつ使用済みの温風を繰り返し使用できるこ
ととなり、エネルギ効率を高めることもできる。また、
木目込みジグ2の第2空間部S2に供給される温風量
は、基本的には、温風発生装置4からの温風送風能力に
依存するが、温風吹き出し口23a’〜23c’のトー
タルの開口面積と、複数の温風流出口29のトータルの
開口面積との関係にも左右される。すなわち、温風流出
口29のトータルの開口面積を温風吹き出し口23a’
〜23c’のトータルの開口面積よりも小さくすれば、
第2空間部S2内の温風に流れ抵抗を生じさせることが
できる。したがって、この抵抗によって、温風がホット
メルトmの表面に接触する度合いをより高めることがで
き、その加熱効率を一層高めることが可能となる。さら
に、上記加熱作業は、ホットメルトmの塗布領域が木目
込みジグ2によってマスキングされて行われているため
に、ホットメルトmの塗布領域以外の部分が不当に加熱
されることもない。したがって、上記温風の熱の影響を
受けることによって、たとえばベース部材9の表面に形
成されているシボ模様(エンボス模様)が不明瞭になっ
てしまうといったことも回避することができる。
【0051】上記ホットメルトmが所望の温度に加熱さ
れると、その時点でダンパ43を先の図14に示した状
態に切り替えて温風の吹き出しを停止させ、その後木目
込みジグ2を元の位置へ上昇復帰させる。上記加熱作業
によれば、ホットメルトmの塗布領域の各所をたとえば
110°C〜130°Cの温度に略均等に加熱して軟化
させることができ、このホットメルトmの全面に充分な
粘着性をもたせることができることとなる。
【0052】次いで、上記ベース部材9上への表皮材9
5の張り込み作業を行う。この張り込み作業は、ジグ8
0b上にベース部材9をセッティングした状態のまま、
図9に示すように、支持テーブル91を上記木目込み装
置Aから表皮材張り込み装置3内に移動させ、上記ベー
ス部材9を表皮材支持テーブル6の下方に配置させた状
態で行う。その際、表皮材支持テーブル6は、エアダン
パ62の付勢力によって所定高さまで上昇しており、上
記ベース部材9よりも適当な寸法Hだけ高い位置に設定
されている。したがって、上記表皮材支持テーブル6の
下方へ支持テーブル91やジグ80bを配置させる作業
をスムーズに行うことができる。
【0053】また、上記表皮材支持テーブル6に表皮材
95をセッティングするときには、表皮材95を受けて
おくための受け板89を上記表皮材支持テーブル6の下
方に配置することもできる。すなわち、表皮材支持テー
ブル6への表皮材95のセッティング作業は、たとえば
人手作業によって行うが、上記表皮材支持テーブル6は
中空の枠状であり、しかも表皮材95は軟質な布製であ
るために、この表皮材95を表皮材支持テーブル6に直
接載せてその外周縁のクランプ作業を行うことは難し
い。これに対して、表皮材支持テーブル6の下方に適度
な隙間を設けておき、この位置に受け板89を配置させ
れば、表皮材支持テーブル6への表皮材95のクランプ
作業が終了するまではその表皮材95を受け板89上に
載置させておけばよく、上記表皮材95のセッティング
作業が容易化される。
【0054】表皮材95のセッティング作業が終了した
後には、表皮材張り込み用のジグ30,31の下降動作
を行わせる。この下降動作時においては、まず第1段階
として、図10に示すように、第1往復シリンダ84の
動作によって下降する押動ロッド33,33の先端部を
表皮材支持テーブル6の上面に当接させ、この表皮材支
持テーブル6をエアダンパ62の抵抗力に抗して一定寸
法Laだけ下降させ、上記表皮材支持テーブル6をその
位置で停止させる。これにより、表皮材95の全体をベ
ース部材9の表面にかなり接近させることができる。
【0055】次に、第2段階として、第2往復シリンダ
86,86を動作させてジグ30,31を下降させ、こ
れらのジグ30,31によって表皮材95を下方へ押し
込む。ただし、その際、予めジグ31を第3往復シリン
ダ87の動作によってジグ30よりも下方へ突出するよ
うに設定しておき、ジグ31をジグ30よりも先行させ
る。そして、ジグ30が下降してゆくに連れてこのジグ
31をジグ30に対して相対的に上昇させ、最終的に
は、図12に示すように、ジグ30,31の双方が表皮
材95をベース部材9の表面に押しつけるようにする。
たとえば同図に示すように、ベース部材9の表面に、た
とえば肘掛け部分となる比較的大きな凸状部92が存在
する場合には、その凸状部92の側方部分において表皮
材95に大きな皺などが発生し易くなるが、上記ジグ3
1を用いれば凸状部92の側方部分において表皮材95
に大きな皺などを生じさせないようにすることができ
る。支持テーブル91は、必要に応じて傾斜させてお
き、ジグ31が表皮材95をベース部材9に対して押し
つけ易い角度に設定しておけばよい。
【0056】上記表皮材95がジグ30,31によって
下方へ押し込まれるときには、表皮材95の外周縁が表
皮材支持テーブル6のクランパ61によって保持されて
いることによって、この表皮材95に張力が付与され
る。上記クランパ61をシリンダ63の動作によって後
退させれば、上記表皮材95に対してより確実に張力を
付与することができる。したがって、このようなことに
よっても表皮材95を皺の少ない状態で適切にベース部
材9の表面に押しつけることが可能となる。表皮材95
をベース部材9の表面に押しつけると、この表皮材95
はホットメルトmを介してベース部材9の表面に接着さ
れる。
【0057】上記表皮材95の張り込み作業の後には、
図13に示すように、切断装置7の刃体70を下降前進
させて、表皮材95をベース部材9の凹溝90の外側寄
りの位置で切断する。この場合、熱刃としての刃体70
によってベース部材9がダメージを受けないように、上
記表皮材95の切断対象部分の下方に刃体70を受ける
ための適当な下敷き部材(図示略)を予め設けておく。
このような切断作業により、矩形状であった表皮材95
から、凹溝90の輪郭に対してそれよりも僅かに1廻り
大きな相似形の表皮材95’を得ることができる。この
表皮材の切断作業の後にには、切断装置7やジグ30,
31を元の位置へ上昇復帰させる。
【0058】上記作業の後には、上記表皮材95’の木
目込み作業を行う。この木目込み作業は、まずジグ80
bを支持した支持テーブル91を木目込み装置Aの元の
位置に移動させて、上記ベース部材9を木目込みジグ2
の下方に配置させる。次いで、図15に示すように、木
目込みジグ2を下降させて、その先端部22aによって
表皮材95’の外周縁を押圧し、ベース部材9の凹溝9
0内に木目込む。その際、木目込みジグ2の各開口部2
3a’〜23c’からの温風の吹き出しはむろん停止さ
せておく。
【0059】上記木目込み作業の終了後または木目込み
作業中には、図16に示すように、ピアス装置5の刃体
51を下降前進させて表皮材95’の所定部分に切り目
を形成する。この切り目形成作業は、たとえばドアトリ
ムのハンドル取り付け部分などに相当する箇所に穴あけ
を行うための作業である。この切り目形成作業では、図
17に示すように、表皮材95’の一定領域を囲む一部
切り欠き環状の切り目96が形成され、上記一定領域の
周囲には、切り目96が所定寸法Lbの範囲だけ形成さ
れていない部分97が1箇所または複数箇所設けられる
こととなる。このようにすれば、穴あけ対象部分を完全
に打ち抜く場合とは異なり、上記切り目96に囲まれて
いる部分が表皮材95’の他の部分から分離して、木目
込み装置Aの内部または周辺にスクラップとして散乱す
ることを防止することができる。上記切り目96によっ
て囲まれた部分は、その後上記表皮材95’が張り込ま
れたベース部材9を木目込み装置Aから取り出した後の
適当な時期に、手作業などによって簡単に除去すること
が可能であり、表皮材95’の穴あけが適切に行える。
【0060】なお、図16に示すように、上記ベース部
材9の各部のうち、表皮材95’の穴あけ対象部分に対
応する箇所には、孔部93が予め設けられており、上記
刃体51はこの孔部93内に進入することとなる。ま
た、上記ベース部材9を支持するジグ80bの表面に
は、上記刃体51を受ける部分に、たとえばアルミ板な
どの比較的軟質な金属、あるいはシリコンゴムなどの受
け部材18が設けられている。これにより、上記刃体5
1の摩耗を防止しつつ、表皮材95’の切断作業を適切
に行うことができる。
【0061】上記一連の作業によれば、ベース部材9の
表面に所定形状の表皮材95’がホットメルトmを介し
て接着されているとともに、その表皮材95’の周縁端
末がベース部材9の凹溝90に木目込まれ、さらには表
皮材95’の穴あけ対象領域に穴あけ用の切り目が形成
された体裁の良いドアトリムが得られることとなる。上
記製造装置では、ピアス装置5を備えているとともに加
熱装置を兼ねた木目込み装置Aを用いているために、全
体の装置構成の簡素化および小型化が図れることとな
る。また、表皮材95’の木目込み作業と切り目形成作
業とは、木目込み装置Aの木目込みジグ2の下方の所定
位置にジグ80bを配置したままで、同時に、または連
続して行うことができるので、上記2つの作業を迅速に
効率良く行えることとなる。
【0062】なお、上記実施形態では、表皮材95’に
切り目を形成する場合に、その切り目を不連続な環状に
して、切り目が形成されない部分を残すようにしたが、
本願発明はこれに限定されない。本願発明では、連続し
た環状の切り目を形成するようにしてもよく、さらには
表皮材95’に切り目を形成するという概念とは異な
り、表皮材95’を打ち抜いて穴あけ加工を施すように
してもよい。また、打ち抜き対象物の材質如何では、ピ
アス装置の刃体を必ずしも熱刃にすることなく、穴あけ
または切り目形成を円滑に行うことができるので、ピア
ス装置に用いられる刃体は熱刃であるか否かも問わな
い。
【0063】さらに、上記実施形態では、ドアトリムを
製造する場合を一例として説明したが、本願発明はこれ
に限定されない。本願発明に係る木目込み装置は、ドア
トリム以外の製品を製造するのに用いる装置として構成
とすることが可能であり、木目込み作業と穴あけまたは
切り目形成作業とが必要とされる作業用途であれば、種
々の用途に用いることが可能である。したがって、木目
込み対象物の具体的な種類などもとくに限定されるもの
ではない。また、本願発明では、加熱装置の機能を具備
しない木目込み装置として構成されていてもかまわな
い。
【0064】その他、本願発明に係る木目込み装置の各
部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、ベース部材の一例を示す概略平面図
であり、(b)は、同図(a)のI−I断面図である。
【図2】(a)は、表皮材の一例を示す概略平面図であ
り、(b)は、同図(a)のII−II断面図である。
【図3】本願発明に係る木目込み装置の一例を示す一部
断面概略正面図である。
【図4】図3に示す木目込み装置の要部正面断面図であ
る。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】図4のVI−VI断面図である。
【図7】図4のVII−VII断面図である。
【図8】木目込み装置を具備して構成された車両用内装
材の製造装置の全体の概略構成の一例を示す正面図であ
る。
【図9】表皮材張り込み装置の要部断面図である。
【図10】表皮材張り込み装置の動作状態を示す要部断
面図である。
【図11】図10のXI−XI断面図である。
【図12】表皮材張り込み装置の動作状態を示す要部断
面図である。
【図13】表皮材張り込み装置に具備された切断装置の
動作状態を示す要部断面図である。
【図14】木目込み装置の温風吹き出し停止状態を示す
要部断面図である。
【図15】木目込み作業の状態を示す要部断面図であ
る。
【図16】表皮材への切り目形成作業を示す要部断面図
である。
【図17】表皮材に形成された切り目の一例を示す要部
平面図である。
【符号の説明】
2 木目込みジグ 4 温風発生装置 5 ピアス装置 9 ベース部材 22 周壁部 22a 先端部 40a,40b 配管 42 温風方向切替器 43 ダンパ 50 往復シリンダ(駆動手段) 51 刃体 95,95’ 表皮材 96 切り目 A 木目込み装置 m ホットメルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 31:58 (72)発明者 前田 明伸 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 国分 章治 大阪市住之江区南加賀屋3丁目8−13 パ ール工業株式会社内 (72)発明者 岩崎 敏和 大阪市住之江区南加賀屋3丁目8−13 パ ール工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木目込み対象物を所望の凹溝内に木目込
    むための一定方向に移動可能な木目込みジグを備えてい
    る、木目込み装置であって、 上記木目込みジグには、この木目込みジグを木目込み対
    象物の表面に接近させまたは接触させたときに上記木目
    込み対象物への穴あけまたは切り目形成が可能なピアス
    装置が設けられていることを特徴とする、木目込み装
    置。
  2. 【請求項2】 上記ピアス装置は、上記木目込み対象物
    の穴あけ対象領域の周囲に切り目を形成するときにその
    周囲の一部に切り目が形成されない部分を残すように構
    成されたものである、請求項1に記載の木目込み装置。
  3. 【請求項3】 上記ピアス装置は、穴あけまたは切り目
    形成用の刃体と、この刃体を往復動作させるための駆動
    手段とを具備して構成されているとともに、上記木目込
    みジグは、木目込み対象物を木目込むための筒形突起状
    の先端部を有する筒状またはドーム状の周壁部を備えて
    おり、かつ上記ピアス装置の駆動手段は、上記木目込み
    ジグの周壁部の内側に取り付けられ、上記刃体が上記駆
    動手段の駆動力によって上記周壁部内の奥部からその先
    端開口部に向かう方向に往復動自在である、請求項1ま
    たは2に記載の木目込み装置。
  4. 【請求項4】 上記木目込みジグの周壁部内に温風を供
    給する温風発生装置を備えている、請求項3に記載の木
    目込み装置。
JP7769398A 1998-03-25 1998-03-25 木目込み装置 Expired - Fee Related JP3571527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7769398A JP3571527B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 木目込み装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7769398A JP3571527B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 木目込み装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11268108A true JPH11268108A (ja) 1999-10-05
JP3571527B2 JP3571527B2 (ja) 2004-09-29

Family

ID=13640984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7769398A Expired - Fee Related JP3571527B2 (ja) 1998-03-25 1998-03-25 木目込み装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3571527B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010280126A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Toyota Boshoku Corp 内装材の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010280126A (ja) * 2009-06-04 2010-12-16 Toyota Boshoku Corp 内装材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3571527B2 (ja) 2004-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20060049276A (ko) 자동차 인테리어용 헤드라이너의 제조 방법 및 이에사용되는 장치
JPH09327832A (ja) エラストマー材料で出来た製品の加硫金型の洗浄方法及びその洗浄装置
US6820449B2 (en) Apparatus for fabricating a hollow body
JP3602715B2 (ja) 車両用内装材の製造方法およびその装置
US6749255B2 (en) Blow molded multiple function assemblies for vehicle headliners
WO2000048782A1 (en) Method and apparatus for trimming shaped plastic workpieces
US5925207A (en) Automotive interior components, and method and device for manufacturing the same
US7011512B2 (en) Laser ridge skin distortion reduction apparatus
JP3571527B2 (ja) 木目込み装置
JP3602716B2 (ja) 加熱装置兼用の木目込み装置、および加熱装置
EP0495292A1 (en) Automotive interior components, and method and device for manufacturing the same
JP3916306B2 (ja) レーザ加工機における消火方法およびその装置
JP4285878B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法及びその装置
JPH11267571A (ja) 加熱装置
EP1216894A1 (en) Instrument panel with integral hidden airbag door cover and method of in-process manufacture thereof
JP2003290576A (ja) 車両用シートの製造装置及び製造方法
JPH03211043A (ja) ドアパネルベルトトリム形成のための装置及び方法
JP2003300252A (ja) 樹脂製品の補強材接合装置及び方法
KR100229451B1 (ko) 홀 피어싱 및 스폿 웰딩 동시 작업장치
JP2000318028A (ja) 車両内装部材の表皮貼込み方法
KR200378848Y1 (ko) 열풍융착기
JPH10100839A (ja) インストルメントパネル表皮の成形方法
JP2001225598A (ja) 装飾部品の製造方法および装置
JPH10156839A (ja) バリ取り装置
JP2003080545A (ja) ビーズ発泡成形体の成形方法及びビーズ成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040323

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040330

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040624

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees