JPH11267879A - ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス - Google Patents

ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス

Info

Publication number
JPH11267879A
JPH11267879A JP7062598A JP7062598A JPH11267879A JP H11267879 A JPH11267879 A JP H11267879A JP 7062598 A JP7062598 A JP 7062598A JP 7062598 A JP7062598 A JP 7062598A JP H11267879 A JPH11267879 A JP H11267879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder
flux
tin
catechin
zinc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7062598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3273757B2 (ja
Inventor
Izuru Komatsu
出 小松
Kimihiro Tadauchi
仁弘 忠内
Koichi Tejima
光一 手島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP7062598A priority Critical patent/JP3273757B2/ja
Publication of JPH11267879A publication Critical patent/JPH11267879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3273757B2 publication Critical patent/JP3273757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 錫/亜鉛ハンダ接合の形成に有効なソルダー
ペースト及びフラックスを供給する。 【解決手段】 カテキン又はカテキン誘導体を含有する
フラックスと、亜鉛及び錫を含有するハンダ粉末とを混
合してソルダーペーストを調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気、電子又は機
械部品を接合するための鉛を含有しないハンダによる接
合を形成するためのソルダーペースト及びフラックスに
関する。詳細には、回路基板等の電気又は電子部品の接
合を錫/亜鉛ハンダによって形成可能なソルダーペース
ト及びフラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】ハンダ付けは、融点が比較的低い物質を
用いて物体同士を接合する技術であり、古くから用いら
れ、その起源は古代メソポタミア文明に遡ることができ
ると言われている。現代の産業において、ハンダ付けは
電子機器の接合、組立に幅広く使用されている。例え
ば、実装基板においては、半導体、マイクロプロセッサ
ー、メモリー、抵抗などの電子部品を基板に実装するた
めの接合等に用いられている。ハンダ付けの長所は、部
品を基板に固定するだけでなく、ハンダに含まれる金属
の導電性により電気的接続が形成されることであり、こ
の点において有機系の接着剤と異なる。
【0003】一般的に用いられるハンダは、錫と鉛とに
よる共晶ハンダで、その理論共晶点が183℃であり、
多くの熱硬化性樹脂がガス化を始める温度よりも低いた
め、錫/鉛共晶ハンダは、基板等の接合に用いられ、プ
リント基板などを熱によって損傷しなくて済むという特
長を有している。また、この共晶ハンダは、錫成分が銅
板の界面で特有の金属化合物層を形成し、ハンダと銅の
接着力をより強固にすることも知られている。
【0004】このような特長を備えた錫と鉛による共晶
ハンダは、電子機器の製造における部品の接合、組立に
おいて重要なものである。厚膜形成、導体回路形成及び
半導体実装のような微細なハンダ付け処理においては、
ハンダ粉末とフラックスとを混合したペースト状のソル
ダーペーストを用いたスクリーン印刷方式等が用いられ
ており、パーソナルコンピューター、携帯電話やページ
ャーなどに代表されるパーソナル機器の急激な普及が進
むにつれ、電子部品の実装技術におけるハンダの需要は
益々増大している。
【0005】電子機器の普及は、人々の生活を豊かにし
ている。しかし、その反面、使用しなくなった電子機器
が多量に廃棄されていることも事実であり、廃棄物によ
る環境問題が生じることが危ぶまれている。このため、
廃棄物のリサイクル使用や有害な物質を用いない製造方
法が提唱されている。特に、有害物質の排除は、環境汚
染を未然に防ぐという観点から望ましく、ハンダによる
接合技術においても開発が必要と考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】錫/鉛共晶ハンダは、
母材に対する濡れ性が他の金属混合物よりも優れている
という特質を有するが、このハンダに含まれる鉛は、廃
棄された電子機器を埋め立て処分した場合、長年に渡っ
て酸性雨などに晒されることにより鉛イオンが土壌中へ
溶出して毒性が問題となることが懸念されている。これ
を解決するために、鉛を固定化する技術が提案されてい
るが、土中への拡散について長期にわたる十分なデータ
は得られていない。さらに、最近のメモリ素子の高密度
化に従い、鉛の放射線(α線)による電子機器への影響
がクローズアップされており、半導体装置における高密
度実装への対応の面からも鉛の使用に対して見直しが必
要となっている。
【0007】このような状況から、鉛を含まないハンダ
を用いた接合技術が必要とされている。ところが、鉛を
他の金属に代えたハンダや別の金属の組合せによるハン
ダは、濡れ性が非常に劣り、満足な接合性を発揮しな
い。例えば、錫と亜鉛とのハンダ、錫と銀とのハンダな
どの使用が試みられているが、濡れ性が悪く、接合が難
しい。また、銀を含むハンダは、銀自体が貴金属である
ため、汎用製品として多量に用いることが難しく、用途
も特殊な領域に限定され易い。
【0008】現状における電気・電子部品の接合・組立
においては、ソルダーペーストを用いるスクリーン印刷
方式の装置や設備が製造現場に浸透しているため、鉛を
含まないハンダのソルダーペーストの実用化が求められ
ている。しかし、現在のところ、錫/銀/ビスマスハン
ダのような複雑な系におけるソルダーペーストの実用化
が僅かに試みられているのみで、無鉛ソルダーペースト
を用いた部品組立は殆ど実用化されていない。この理由
には、作業環境として特殊な雰囲気や環境等を用いなけ
ればならないために部品の組立のような工程では経済的
に成り立たないというようなこともある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
廃棄物中の鉛による環境問題を解決するために、鉛を含
有しない汎用性の高い金属によるハンダを用いたハンダ
付けについて鋭意研究を重ねた結果、亜鉛を含有するハ
ンダのソルダーペーストを調製するために混合するフラ
ックスにカテキン類化合物を添加することにより、リフ
ロー時に特殊な作業環境を要するような反応性の高い成
分の使用を控え、安全性が高く取扱いが容易なソルダー
ペーストが得られることを見出し、本発明のソルダーペ
ースト及びフラックスを完成するに至った。
【0010】本発明のソルダーペーストは、カテキン又
はカテキン誘導体を含有するフラックスと、亜鉛及び錫
を含有するハンダ粉末とを混合したソルダーペーストで
ある。
【0011】上記ハンダ粉末は、全体組成が錫/亜鉛二
元共晶組成であり、錫及び亜鉛以外の金属不純物が0.
1wt%以下で、含有酸素濃度が1000ppm 以下であ
る。
【0012】本発明のハンダ接合形成用フラックスは、
カテキン又はカテキン誘導体を含有する。
【0013】上記フラックスは、金属酸化物を溶解又は
分解あるいは還元する成分と、バインダーとを含有す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】ソルダーペーストは、複数種の金
属を加熱溶融して調製したハンダを粒状化したハンダ粉
末と、別途調製されたフラックスとを混合することによ
って得られ、ハンダ付けする部材に塗布してリフロー
(加熱)することにより、フラックスが気化又は分解
し、溶融したハンダによって接合が形成される。フラッ
クスの役割は、化学的にはハンダ粉末表面及びハンダ付
けする部材表面の自然酸化膜の除去及び清浄化並びにリ
フロー工程中の再酸化防止があり、機械的には接合完了
までの間ハンダ付けする部材どうしを仮固定する役割が
ある。従って、基本的には、金属酸化物を溶解又は分解
あるいは還元する成分とバインダー(粘結剤)成分とが
フラックスの必須成分となる。このようなフラックス
は、化学的作用及び機械的作用を効率よく発現させるべ
く必要に応じて種々の物質を配合して構成される。一般
的には、フラックスを構成する主成分は、ハンダ粉末及
びハンダ付けする部材の表面を被覆する樹脂で、一般
に、アビエチン酸などを主成分とするロジン系樹脂(松
脂)が用いられ、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、
トールロジン及びこれらから得られる変性ロジン、ロジ
ンエステル等がある。ロジン系樹脂はフラックスの化学
的な作用も担う。ポリエステル樹脂やアクリル樹脂など
の熱可塑性合成樹脂も用いられる。このような樹脂成分
に、樹脂の清浄力等の化学的作用を補いハンダの接合性
を向上させるための活性剤、活性剤の作用を補助する補
助活性剤、ペーストとしての印刷性などを保持するため
のチキソ剤、これらを溶解、混合させるための溶剤等を
必要に応じて適宜取捨選択して添加してソルダーペース
トが調製される。ハンダに光沢を付与するには有機酸が
添加され、pHを調整してダレを防止するためやハンダ
ボールを形成するためにはアミン化合物等が添加され
る。一般的によく用いられるものとして、例えば、モノ
エタノールアミン、ステアリルアミン、ジフェニルアミ
ン等のアミン化合物、エチルアミン、プロピルアミン、
ジエチルアミン、アニリン等のようなアミン化合物のハ
ロゲン化水素酸塩、クエン酸、乳酸、アジピン酸、ステ
アリン酸等の有機酸などがある。
【0015】錫/鉛ハンダに用いられるフラックスを錫
/亜鉛ハンダに用いると、調製直後のソルダーペースト
の粘度は200Pa・s程度で錫/鉛ハンダと同様であ
るが、調製1カ月後は、錫/鉛ハンダの場合に大きく変
化しないのに対し、錫/亜鉛ハンダの場合は粘度が数倍
以上に達し、ほぼ硬化する。これは、ハンダの亜鉛とフ
ラックスの有機成分との結合、有機成分の重合、溶剤等
に混入している少量の酸素によるハンダの酸化などが原
因と考えられる。このような原因を取り除くために、酸
性度の高い物質の添加量を減少させるなど、使用する成
分を工夫する必要がある。
【0016】本発明では、よりマイルドなフラックスの
構成成分として、カテキン又はカテキン誘導体、即ち、
カテキン類化合物を用いる。カテキン類化合物は、樹木
に広く含まれる水溶性の天然多価フェノールである。広
義にはタンニンの一種であり、縮合型タンニンの前駆体
と考えられており、フラボノイドと総称される色素化合
物の一分類と称する場合もある。具体的には、エピカテ
キン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピ
ガロカテキンガレート、カテキン、ガロカテキン、エピ
カテキンジガレート及びエピガロカテキンジガレートな
どを意味し、天然には(−)−エピカテキン、(−)−
エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、
(−)−エピガロカテキンガレート、(+)−カテキ
ン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキンジガ
レート及び(−)−エピガロカテキンジガレートが存在
する。カテキン類化合物は茶芽に多く含まれることが知
られており、簡単な抽出作業により純度15〜30wt%
の粗カテキンとして得ることができる。より高純度の粗
カテキンを得る方法も提案されている。茶に含まれる主
要なカテキン類化合物は、(−)−エピカテキン、
(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレ
ート及び(−)−エピガロカテキンガレートの4種で、
これらが粗カテキンの約90%を占める。各種カテキン
類化合物の化学的、生化学的及び薬理学的有用性につい
て研究が行われ、茶に特有の化合物で粗カテキン中に5
0〜60%の割合で含まれる(−)−エピガロカテキン
ガレートは特に機能性が高い物質であることが報告され
ている。
【0017】カテキン類化合物の性質には、1)金属との
反応(カルシウムによる沈澱生成、鉄による青〜黒の呈
色反応)、2)タンパク質との反応(沈澱等)、3)抗酸化
作用、4)収れん性、5)抗菌作用(虫歯、歯周病菌、食中
毒菌)、6)薬理作用(血中コレステロール値の低下、抗
アレルギー等)、7)消臭作用(魚臭、口臭の防止等)が
あることが知られている。ソルダーペーストのフラック
ス構成成分として用いた場合、カテキン類化合物は、そ
の抗酸化性及びラジカルスキャベンジャーとしての機能
により酸素による反応を抑制する。又、カテキン類化合
物を食品に添加した場合、食品中の脂質の酸化防止効果
を示し、フラックス中においても同様に脂質の酸化を防
止する。カテキン類化合物の脂質に対する酸化防止効果
は非常に優れたものであり、例えば、ラードに20ppm
の粗カテキンを添加して過酸化物価を測定すると、20
0ppm のdl−α−トコフェロール(ビタミンE)や5
0ppm のブチルヒドロキシアニソール(BHA)よりも
優れた酸化防止能を示す。
【0018】カテキン類化合物の抗酸化性は、アミノ酸
やビタミン類と組み合わせて用いることにより相乗的に
増大する。組合せにより相乗効果を示すアミノ酸として
は、L−メチオニン、ビタミン類としてはL−アスコル
ビン酸(ビタミンC)、トコフェロール(ビタミンE)
等が挙げられる。又、ビタミンA、ビタミンC、ビタミ
ンD及びビタミンEは抗酸化性を有し、添加によりソル
ダーペーストの経時変化を抑制し保存性を向上させ、ビ
タミンKはリフロー時のフラックスの反応性を高め、ビ
タミンL1 は還元剤として利用でき、ビタミンU及びア
ミノ酸類はフラックスのpH調整に用いることもできる
ので、カテキン類化合物とこれらの併用はフラックスの
調製に極めて有効である。
【0019】カテキン類化合物及びこれと併用されるア
ミノ酸並びにビタミン類は、ソルダーペースト中におい
て、キレート剤様の作用をし、ハンダ粉末表面の金属と
キレート錯体を形成する。これにより、活性な金属種が
フラックスに含まれる活性剤等の成分と反応するのを抑
制し、活性な金属種がフラックス中に溶出して経時的に
変質したり安定性が低下することを防止するので、ハン
ダの接合性が低下するのが抑制される。錫/亜鉛ハンダ
粉末においては、亜鉛が活性な金属種であり、亜鉛が活
性剤等と反応してフラックス中に溶出することによる変
質、安定性の低下が防止され、ハンダの接合性が維持さ
れる。
【0020】又、活性な金属種は、ソルダーペースト中
において触媒として作用してフラックス中の有機成分の
重合反応を引き起こしフラックスの粘性を増大させる
が、カテキン類化合物はこのような反応を抑制すること
ができる。更に、大気中の活性酸素種によるハンダの直
接的酸化反応、及び、活性酸素種によりフラックス中の
有機または無機成分が酸化されて生成する過酸化物によ
って生じるハンダの間接的酸化反応を抑制することがで
きる。
【0021】本発明に係るソルダーペーストを加熱する
と、カテキン類化合物、アミノ酸及びビタミン類は分解
後気化し、フラックス中の活性剤がハンダ粉末表面の金
属と反応し、金属表面の浄化が進行して良好なハンダ付
けが行われる。
【0022】上述のような性質を有するカテキン類化合
物は、ソルダーペーストのフラックス中に1ppm 〜10
wt%程度、好ましくは10ppm 〜3wt%程度となるよう
に添加する。アミノ酸又はビタミン類を併用する場合、
アミノ酸の添加量は100ppm 〜5wt%程度、ビタミン
類の添加量は100ppm 〜10wt%程度が各々好まし
い。アミノ酸及びビタミン類の両方を用いてもよい。こ
れらの添加物は、常法に従って、フラックスを調製する
際に他の配合成分と共に添加して混合する。
【0023】このようなフラックスを、粒径4〜100
μm程度、好ましくは10〜50μm程度以下の粒状に
調製したペースト用ハンダ粉末と混合することにより、
好適なソルダーペーストが調製される。ハンダ粉末とフ
ラックスとは通常9:1前後の割合で混合される。ハン
ダ付けする金属部材上に塗布されたソルダーペーストは
リフローにより容積が1/2程度に減少する。ハンダ付
けする部材へソルダーペーストを塗布する量は、150
〜200μm程度の厚さになる量が好ましい。
【0024】本発明のカテキン類化合物を添加したフラ
ックスは、錫/亜鉛ハンダのソルダーペーストを製造す
るのに適しているが、これに限定されるものではなく、
他の金属のハンダにおいてカテキン類化合物を活性剤と
してフラックスに添加することも可能である。又、錫/
亜鉛ハンダ粉末に関しても、錫/亜鉛共晶組成の合金粒
子に限らず、共晶組成以外の組成の合金粒子でもよく、
錫及び亜鉛の単味粉末の混合物であってもよい。特に、
錫及び亜鉛の単味粉末を共晶組成で混合したものは特有
の利点を有する。すなわち、リフロー操作において加熱
温度が共晶点温度に達した時、共晶組成のハンダ粉末は
粒子の外側全面で溶融し始めるのに比べて、錫及び亜鉛
の単味粒子は錫粒子と亜鉛粒子の接触界面から溶融し始
め、空気酸化を受け易い液体がハンダ粉末の塊の内部に
生じ、ハンダの酸化による濡れ性の低下を抑制できる。
これは、錫/亜鉛2成分系状態図から容易に理解され
る。更に、亜鉛が酸化を受け易いことを考慮すると、亜
鉛が錫によって被覆され、ハンダ粉末全体の組成が共晶
組成となるようなハンダ粉末が最も好ましい形態とな
る。このような複層構造のハンダ粉末は、金属塊の圧延
及び圧搾切断工程を経て簡易に製造することができる。
ハンダの酸化によって溶融温度が高くなり濡れ性も著し
く低下するので、使用するハンダ粉末は、酸素及び酸化
物の含有量が少ないものが望ましい。使用するハンダ粉
末に含有される酸素又は酸化物が多いと、ハンダ粉末の
表面はフラックスによって活性化されて溶融しても、内
部は酸化物により溶融温度が高いため溶融せず、リフロ
ー温度を高くしなければならないということが生じる。
この結果、液相表面での空気酸化もより進行し易くな
り、強いフラックスを用いても十分な濡れ性が得られな
くなる。不可避の金属不純物も含め錫及び亜鉛以外の金
属不純物が0.1wt%以下で、含有酸素濃度が1000
ppm 以下、好ましくは100ppm 以下となるように精製
した錫/亜鉛ハンダは濡れ性が良く、フラックスとして
活性の高い物質を必要としない。
【0025】上述のように調製したソルダーペーストを
ハンダ付けする部材上にスクリーン印刷方式等の技術を
用いて塗布した後に、接合する部材を対向させて接触さ
せ、リフローを行う。リフロー工程において、100〜
170℃程度の温度に加熱することによって上述のフラ
ックスがハンダ粉末の表面を活性化し、ハンダ粉末と部
材表面とが接触する。続いてハンダが溶融するリフロー
温度に加熱することによりハンダ粉末が溶融する。この
後冷却することにより、金属部材はハンダによって接合
される。リフロー温度に加熱する時間は200℃以上で
30秒以下、240℃では10秒以下であることが好ま
しく、必要以上に加熱を続けるとハンダの酸化が進行し
易い。リフローは大気雰囲気中で行うことも可能である
が、非酸化性雰囲気で行うのが望ましい。非酸化性雰囲
気でのリフローでは、ハンダ粉末の酸化防止により溶融
状態での錫/亜鉛合金の切れあるいは低粘性が維持さ
れ、高密度実装基板の接合のような緻密な接合の形成に
も対応できる。
【0026】本発明のソルダーペストは、銅、銀、金、
ニッケル、アルミニウム、SUSステンレス鋼等の単種
の金属部材だけでなく、合金材及び複合金属材等の部材
の接合についても適用可能である。又、精細なハンダ接
合にも十分対応でき、狭い間隔を有する細線状の金属部
材では、線幅及び線間隔が0.3mm程度の部材のハンダ
接合に対応できる。従って、基板の実装や各種電気電子
部品の接合のためのハンダ接合に使用することができ
る。電気電子部品の例としては、半導体分野で用いられ
るICパッケージ、CPUの導電部、パーソナルコンピ
ュータに内蔵されるハードディスク、液晶パネルの電気
回路、ICカード、パーソナルコンピュータやプリンタ
の接続に用いられるケーブルコネクタ、通信用ケーブル
に用いられる光コネクタ、自動車のラジエータ等が挙げ
られる。基板の実装形態には、片面表面実装、両面表面
実装、両面表面実装リード付き部品搭載、片面表面実装
リード付き部品搭載、リードスルー実装等があるが、い
ずれにおいても本発明の接合材を使用することができ
る。又、実装部品としては、受動部品としてのセラミッ
クコンデンサ、インダクタ、ジャンパ、トランジスタ、
ダイオード、アルミ電解コンデンサ、タンタル半固定抵
抗、トリマー、コイル等が挙げられ、能動部品として
は、IC、SI等が代表例である。パッケージ形状とし
ては、SOIC、SOP、QIP、QFP、PLCC、
LCC、SOJ、MSP、BGA、FC−BGA、CS
P、PLC、MCM、OE−MCM及び複数チップを重
ねる高密度チップ等が挙げられる。
【0027】接合する部材の材質に応じて、部材に予め
プリコートを施してもよく、プリコートの組成やプリコ
ート方法を適宜選択することができる。
【0028】本発明のカテキン類化合物を配合したフラ
ックスは、ソルダーペーストを調製することなく、接合
する部材の表面にそのまま塗布してハンダ付け時に部材
表面を活性化させるように用いてもよい。又、線ハンダ
等のハンダ材表面にフラックスを塗布してハンダ付けに
用いてもよい。この場合、ペースト様の物性は必要では
ないため、バインダー(粘結剤)機能を有する成分は必
須ではないが、金属表面に必要成分が留まるためにはペ
ースト状である方が都合がよい。更に、本発明のフラッ
クスは、ハンダ材を保存するための保護剤として用いる
こともできる。
【0029】リフロー工程において、還元性雰囲気を用
いると更に効果的である。還元性雰囲気としては、窒素
等の不活性ガスに還元性を有するガス状物質を適量含有
した雰囲気が挙げられ、還元性を有するガス状物質に
は、水素;メタノール蒸気、エタノール蒸気、プロパノ
ール蒸気等のアルコール蒸気、蟻酸、酢酸等の酸蒸気な
どが挙げられる。
【0030】上述のように、本発明のソルダーペースト
を用いると、現状の電気・電子組立品の組立製造工程に
おいて用いられているソルダーペースト用の装置及び設
備を利用して、鉛を含有しない汎用性の高い錫/亜鉛系
ハンダによる部品の接合が行える。
【0031】組成がシンプルな錫/亜鉛二元合金ハンダ
を用いることにより、接合部品及び接合後の接合体の回
収、リサイクルにおける取扱いが簡易になり、回収金属
の再利用にも有利である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0033】(実施例1)金属錫91.2重量部及び金
属亜鉛8.8重量部を減圧下で加熱溶融して、組成が錫
91.1wt%以上、亜鉛8.8wt%、その他の微量元素
総量0.1wt%未満で含有酸素濃度が10ppm の錫/亜
鉛ハンダを調製した。このハンダを窒素雰囲気中で粒状
化して粒径分布が20〜40μmのハンダ粉末を得た。
【0034】他方、重合ロジン(松脂)54重量部、溶
剤としてヘキシルジグリコール35重量部、硬化ヒマシ
油(チキソ剤)5重量部、クエン酸4重量部、エチルア
ミン塩酸塩1重量部及び以下の組成を有する祖カテキン
1重量部を混合しながら加熱した後に冷却して均質のフ
ラックスを調製した。このフラックス11重量部と前述
のハンダ粉末89重量部とを窒素雰囲気中で攪拌混合し
てソルダーペーストを得た。
【0035】 [粗カテキン] (−)−エピカテキン 6.0wt% (−)−エピガロカテキン 17.5wt% (−)−エピカテキンガレート 12.5wt% (−)−エピガロカテキンガレート 54.0wt% (+)−ガロカテキン 1.5wt% (+)−カテキン、(−)−エピカテキンジガレート及び(−)−エピガロ カテキンジガレート 残部 得られたソルダーペーストの一部を用いて、JIS Z
3197に準じてハンダ付けにおける広がり率及び粘度
を測定した。更に、残部を0〜10℃に設定した冷蔵庫
中で1カ月間保存した後に、同様に広がり率及び粘度を
測定した。これらの測定値から、濡れ保持性の目安とし
て、広がり変化率(%)[100×(保存後の広がり率
−初期広がり率)/初期広がり率]、保存性の目安とし
て、粘度変化率(%)[100×(保存後の粘度−初期
粘度)/初期粘度]を求めた。この結果を、1%未満を
A、1%以上5%未満をB、5%以上をCとして表1に
記載する。
【0036】(実施例2)粗カテキン1重量部に代え
て、粗カテキンとL−メチオニンとを1:10の重量比
で混合した混合物1重量部を用いたこと以外は実施例1
と同様の操作を繰り返し、広がり率及び粘度の測定を行
って、広がり変化率及び粘度変化率を求めた。結果を表
1に示す。
【0037】(実施例3)粗カテキン1重量部に代え
て、粗カテキンとdl−α−トコフェロールとを1:2
0の重量比で混合した混合物1重量部を用いたこと以外
は実施例1と同様の操作を繰り返し、広がり率及び粘度
の測定を行って、広がり変化率及び粘度変化率を求め
た。結果を表1に示す。
【0038】(実施例4)粗カテキン1重量部に代え
て、粗カテキンとL−メチオニンとdl−α−トコフェ
ロールとを1:10:20の重量比で混合した混合物1
重量部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を繰り
返し、広がり率及び粘度の測定を行って、広がり変化率
及び粘度変化率を求めた。結果を表1に示す。
【0039】(比較例)粗カテキン1重量部を用いなか
ったこと以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、広が
り率及び粘度の測定を行って、広がり変化率及び粘度変
化率を求めた。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 添加物 初期広 初期 濡れ 保存性 がり率 粘度 保持性 (%) (Pa・s) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 粗カテキン 80 250 B A 実施例2 粗カテキン+L−メチオニン 82 230 B A (1:10) 実施例3 粗カテキン+dl−α− 84 200 B A トコフェロール(1:20) 実施例4 粗カテキン+L−メチオニン 83 240 B A +dl-α-トコフェロール (1:10:20) 比較例 − 61 440 C C −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表1の比較例の結果から理解されるように、カテキン類
化合物を添加しないフラックスでは、ソルダーペースト
の調製直後において既に粘度が大きく広がり率も低いこ
とから、調製中にハンダ及びフラックスの性質変化が既
に進行していることが解る。これに対し、カテキン類化
合物を添加することにより、調製後1カ月においてもソ
ルダーペーストの濡れ性が維持され、保存性が向上す
る。L−メチオニン又はdl-α-トコフェロールを併用し
た場合にも優れた効果がみられる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、カテキン類化合物を配
合したフラックスを用いて錫/亜鉛ハンダのソルダーペ
ーストを調製すると、活性酸素種や有機又は無機の過酸
化物などによるフラックスの劣化やハンダの濡れ性低下
が防止され、ソルダーペーストの品質が長期間安定に維
持されるので、良好な接合を形成することができる。
又、低い溶融温度でのハンダ付けが可能で、ハンダ接合
のクリープ特性など機械的特性を向上させることも可能
である。従って、鉛を使わないハンダ付けの実用化にと
って極めて有効で、廃棄物に含まれる鉛を減少させるこ
とが可能であり、廃棄物のリサイクルにも有効である。
又、ハンダ付けの作業環境も改善される。故に、本発明
は産業上及び環境対策上極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C // C07D 311/62 C07D 311/62 B23K 101:36

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテキン又はカテキン誘導体を含有する
    フラックスと、亜鉛及び錫を含有するハンダ粉末とを混
    合したことを特徴とするソルダーペースト。
  2. 【請求項2】 前記ハンダ粉末は、全体組成が錫/亜鉛
    二元共晶組成であり、錫及び亜鉛以外の金属不純物が
    0.1wt%以下で、含有酸素濃度が1000ppm 以下で
    ある請求項1記載のソルダーペースト。
  3. 【請求項3】 カテキン又はカテキン誘導体を含有する
    ことを特徴とするハンダ接合形成用フラックス。
JP7062598A 1998-03-19 1998-03-19 ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス Expired - Lifetime JP3273757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7062598A JP3273757B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7062598A JP3273757B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11267879A true JPH11267879A (ja) 1999-10-05
JP3273757B2 JP3273757B2 (ja) 2002-04-15

Family

ID=13437001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7062598A Expired - Lifetime JP3273757B2 (ja) 1998-03-19 1998-03-19 ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3273757B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361476A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Showa Denko Kk ハンダ金属、ハンダペースト、ハンダ付け方法、ハンダ付けした回路板、及びハンダ付けした接合物
JP2005046901A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Human Unitec Co Ltd 糸状無鉛ハンダ、無鉛ハンダ材、その製造方法及びハンダ接合方法
JP2007039776A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Taiyo Kagaku Co Ltd カテキンおよびカテキン誘導体で処理された被覆金属
WO2007034758A1 (ja) * 2005-09-20 2007-03-29 Nihon Handa Co., Ltd. ハンダ付け用フラックス、クリームハンダ、ハンダ付け方法、食品用容器および電子部品
JP2007277593A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Nikko Kinzoku Kk SnおよびSn合金に対する表面処理剤
KR100841665B1 (ko) * 2003-05-16 2008-06-26 하리마 카세이 가부시키가이샤 동 미립자 소결체형의 미세 형상 도전체의 형성 방법, 그방법을 응용한 동미세 배선 및 동박막의 형성 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI552825B (zh) * 2010-12-15 2016-10-11 亨克爾股份有限及兩合公司 焊膏組合物、焊膏及助焊劑

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002361476A (ja) * 2001-06-08 2002-12-18 Showa Denko Kk ハンダ金属、ハンダペースト、ハンダ付け方法、ハンダ付けした回路板、及びハンダ付けした接合物
KR100841665B1 (ko) * 2003-05-16 2008-06-26 하리마 카세이 가부시키가이샤 동 미립자 소결체형의 미세 형상 도전체의 형성 방법, 그방법을 응용한 동미세 배선 및 동박막의 형성 방법
US7820232B2 (en) 2003-05-16 2010-10-26 Harima Chemicals, Inc. Method for forming fine copper particle sintered product type of electric conductor having fine shape, and process for forming copper fine wiring and thin copper film by applying said method
JP2005046901A (ja) * 2003-07-31 2005-02-24 Human Unitec Co Ltd 糸状無鉛ハンダ、無鉛ハンダ材、その製造方法及びハンダ接合方法
JP2007039776A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Taiyo Kagaku Co Ltd カテキンおよびカテキン誘導体で処理された被覆金属
WO2007034758A1 (ja) * 2005-09-20 2007-03-29 Nihon Handa Co., Ltd. ハンダ付け用フラックス、クリームハンダ、ハンダ付け方法、食品用容器および電子部品
JP2007277593A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Nikko Kinzoku Kk SnおよびSn合金に対する表面処理剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3273757B2 (ja) 2002-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3306007B2 (ja) ハンダ材
EP0307888B1 (en) Solder precipitating composition and method of precipitating solder
JP3788335B2 (ja) ソルダペースト
EP3000554B1 (en) Solder paste
EP1348513B1 (en) Solder pastes
EP3650164B1 (en) Flux and soldering material
WO2013038817A1 (ja) 導電性材料、それを用いた接続方法、および接続構造
JPH11114667A (ja) 金属部材の接合方法及び接合体
EP1897652A1 (en) Soldering flux and solder paste composition
CA2099038C (en) Low bridging soldering process
EP1038628B1 (en) Unleaded solder powder and production method therefor
JP2017064758A (ja) フラックス組成物、はんだ組成物および電子基板
WO2001058639A9 (fr) Pate a souder, procede de soudage utilisant ladite pate a souder et produit brase prepare par ledit procede de soudage
JP3273757B2 (ja) ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス
JP3335307B2 (ja) ソルダーペースト及びハンダ接合形成用フラックス
JP2002283097A (ja) ソルダペースト組成物及びリフローはんだ付方法
JP4242726B2 (ja) 無鉛ハンダ接合用フラックス及びソルダーペースト
EP3858538A1 (en) Solder composition and electronic substrate
WO2010038668A1 (ja) フラックス組成物及びはんだペースト組成物
JP4242725B2 (ja) 無鉛ハンダ接合用フラックス及びソルダーペースト
JP2005021975A (ja) 無鉛ハンダ接合用フラックス及びソルダーペースト
CN102489899A (zh) 无铅助焊膏及其制备方法
JP2006181635A (ja) 鉛フリーはんだの黒化防止方法およびソルダペースト
KR102069276B1 (ko) 전자부품용 솔더 크림 및 그 제조방법
JP2005021973A (ja) 無鉛ハンダ接合用フラックス及びソルダーペースト

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080201

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090201

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100201

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140201

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term