JPH1126760A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH1126760A
JPH1126760A JP18145497A JP18145497A JPH1126760A JP H1126760 A JPH1126760 A JP H1126760A JP 18145497 A JP18145497 A JP 18145497A JP 18145497 A JP18145497 A JP 18145497A JP H1126760 A JPH1126760 A JP H1126760A
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JP
Japan
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impurity region
conductivity type
region
layer
semiconductor substrate
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JP18145497A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Takahashi
徹雄 高橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定常損失を保ちながら、ターンオフ損失の低
減が図られる半導体装置を提供する。 【解決手段】 n- 層2の一方の表面において、トレン
チ17a、17bにゲート酸化膜12a、12bを介在
させて埋込ゲート電極18a、18bが形成されてい
る。そのゲート酸化膜12aに接するようにpベース6
およびn+ エミッタ10が形成されている。トレンチ1
7a、17bの間にp+ 引抜き部20aが形成されてい
る。p+ 引抜き部20a下のn- 層2の電気抵抗は、p
ベース6下のn- 層2の電気抵抗よりも高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置に関し、
特に定常損失を増加させることなくターンオフ損失を低
減することができる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電流の導通遮断を制御することの
できるスイッチング素子には、低い定常損失およびスイ
ッチング損失、高速度の電流遮断さらに高い電流の遮断
能力が要求される。
【0003】このような要求に応えるスイッチング素子
として、IGBT(Insulated GateBipolar Transistor
)が主流となっている。
【0004】まず最も基本的なIGPTの構造について
図を用いて説明する。図14を参照して、n- 層102
の一方の表面にpベース106が形成されている。その
pベース106の表面には、p+ コンタクト108およ
びn+ カソード10が形成されている。また、n- 層1
02の表面には、ゲート酸化膜112aを介して埋込ゲ
ート電極118aが形成されている。n- 層102の他
方の表面には、nバッファ104を介在してp+ コレク
タ122が形成されている。そのp+ コレクタ122に
はコレクタ電極124が形成されている。p+ コンタク
ト108、pベース106およびn+ カソード110に
電気的に接続されるエミッタ電極114が形成されてい
る。埋込ゲート電極118aにゲート電極116が形成
されている。
【0005】次に、動作について説明する。オン状態
は、ゲート電極116にしきい値電圧以上の電圧を印加
することで実現できる。ゲート電極116にしきい値電
圧以上の電圧を印加することにより、ゲート酸化膜11
2a近傍のpベース106の導電型が反転しチャネル領
域が形成される。これにより、n+ カソード110から
そのチャネル領域を通ってn- 層102へ電子が注入さ
れる。一方、p+ コレクタ122からはn- 層102へ
正孔が注入される。このため、n- 102は電子と正孔
の濃度が上昇し、伝導度変調が起こる。その結果、エミ
ッタ電極114とコレクタ電極124との間で電流が流
れるオン状態が実現する。このオン状態になる過程を
「ターンオン」と呼ぶ。
【0006】次にオフ状態は、ゲート電極116にしき
い値電圧以下の電圧を印加することにより実現できる。
オン状態から、ゲート電極116に印加する電圧をしき
い値電圧以下にすると、ゲート酸化膜112a近傍のp
ベース106に形成されていたチャネル領域が消滅す
る。これにより、n+ カソード110からn- 層102
への電子の注入がなくなる。このため、n- 層102に
蓄積された正孔がpベース106とp+ コンタクト10
8を経てエミッタ電極114へ流れる。その結果、エミ
ッタ電極114とコレクタ電極124との間で電流が遮
断されオフ状態となる。このオフ状態になる過程を「タ
ーンオフ」と呼ぶ。
【0007】ところで、IGBTにおいて発生する損失
は大きく分けて2つあり、1つは定常損失であり、他の
1つはスイッチング損失である。定常損失は、オン状態
において、エミッタ電極とコレクタ電極との間に発生す
る電圧効果(オン電圧)による損失である。スイッチン
グ損失には、ターンオン損失とターンオフ損失がある。
ターンオン損失は、ターンオン時に発生する損失であ
る。ターンオフ損失は、ターンオフ時に発生する損失で
ある。
【0008】これらの損失のうち、現実的には定常損失
とターンオン損失が損失の大部分を占めている。そし
て、これらの損失を低減することが必要となっている。
【0009】次に、オン電圧を低く保ち定常損失を改善
したIGBTとして、特開平5−243561号公報お
よび特開平5−317375号公報に開示されたIGB
Tについて図を用いて説明する。図15を参照して、n
- 層102の一方の表面に、ゲート酸化膜112aを介
在させ、複数の埋込ゲート電極118a、118b、1
18cが形成されている。埋込ゲート電極118aと埋
込ゲート電極118bとの間の領域には、pベース20
6が形成されている。そのpベース206の表面には、
+ コンタクト208およびn+ カソード210が形成
されている。これらの領域とゲート電極116とはゲー
ト酸化膜112aによって電気的に絶縁されている。こ
れ以外の構成については、図4に示す構造と同様なの
で、同一部材には同一符号を付しその詳しい説明を省略
する。
【0010】次に動作について説明する。オン状態は、
ゲート電極116にしきい値電圧以上の電圧を印加する
ことで実現できる。ゲート電極116にしきい値電圧以
上の電圧を印加することにより、ゲート酸化膜112a
近傍のpベース106の導電型が反転しチャネル領域が
形成される。これにより、図14に示したIGBTの場
合と同様に、n- 層102に電子および正孔が蓄積され
伝導度変調が起こる。これにより、オン状態が実現す
る。
【0011】この構成の場合、特に、エミッタ電極11
4に接続されているn+ カソード110、pベース10
6の占有面積が小さくなっているため、正孔がn- 層1
02からpベース106へ流れにくい。その結果、n-
層102へ正孔が蓄積され、オン電圧が低くなると考え
られている。
【0012】次に、特開平9−139510号公報に開
示されているIGBTについて図を用いて説明する。図
16を参照して、埋込ゲート電極118a、118b、
118cの各領域の間のn- 層102に不純物領域が形
成されていないことを除けば、図15に示す構造と同じ
である。
【0013】この構成においては、特にゲート電極11
6にしきい値電位以上の電位を印加することにより、各
埋込ゲート電極118a〜118cに接するゲート酸化
膜112a近傍のn- 層102の電子の濃度が上昇す
る。このため、正孔がよりn-層102に蓄積される。
その結果、オン電圧が低くなると考えられている。
【0014】以上説明したように、図15および図16
に示すIGBTの場合、エミッタ電極114下近傍のn
- 層102のキャリア濃度が上昇することにより、伝導
度変調が高くなりオン電圧が低下すると考えられてい
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たIGBTにおいては、特に、ターンオフ時に問題があ
った。図15または図16を参照して、オフ状態は、ゲ
ート電極116にしきい値電位以下の電位を印加するこ
とで実現できる。ゲート電極116にしきい値電位以下
の電位を印加すると、ゲート酸化膜112a近傍のpベ
ース106に形成されていたチャネル領域が消滅する。
エミッタ電極114からn- 層102への電子の注入が
なくなるため、n- 層102に蓄積された正孔がpベー
ス106とp+ コンタクト108を通してエミッタ電極
114へ流れる。このとき、正孔が良好にエミッタ電極
114へ流れないために、ターンオン損失の低減が十分
に図れず、IGBTが発熱を伴うなどの問題点があっ
た。
【0016】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、定常損失を増加させることな
く、スイッチング損失、特にターンオフ損失の低減が図
れる半導体装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面によ
る半導体装置は、複数の溝部と第2導電型の第1不純物
領域と第1導電型の第2不純物領域と第2導電型の第3
不純物領域と第1制御電極層と第2制御電極層と第2導
電型の第4不純物領域と第1電極層と第2電極層とを備
えている。複数の溝部は、第1導電型の半導体基板の第
1主表面に、互いに距離を隔てて設けられ、実質的にそ
れぞれ同じ深さを有している。第2導電型の第1不純物
領域は、半導体基板の第1主表面に形成され、複数の溝
部のうちの1つの溝部の一方の側面に接し、1つの溝部
の深さよりも浅い。第1導電型の第2不純物領域は、第
1不純物領域の第1主表面に形成され、1つの溝部の一
方の側面に接している。第2導電型の第3不純物領域
は、1つの溝部と1つの溝部の隣に位置する他の溝部と
の間の半導体基板の第1導電型の領域の第1主表面に形
成され、1つの溝部の他方の側面と、他の溝部の一方の
側面とに接し、1つの溝部および他の溝部の深さよりも
浅い。第1制御電極層は、1つの溝部内に絶縁膜を介在
させて埋込まれている。第2制御電極層は、他の溝部内
に絶縁膜を介在させて埋込まれている。第2導電型の第
4不純物領域は、半導体基板の第2主表面に形成されて
いる。第1電極層は、第1〜第3不純物領域に電気的に
接続されている。第2電極層は、第4不純物領域に電気
的に接続されている。第1不純物領域下に位置する半導
体基板の第1導電型の領域における、第1不純物領域直
下から1つの溝部の底と実質的に同じ深さまでの電気抵
抗が、第3不純物領域下に位置する半導体基板の第1導
電型の領域における、第3不純物領域直下から1つの溝
部の底と実質的に同じ深さまでの電気抵抗よりも低い。
【0018】好ましくは、以下のように構成する。第1
不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に同じ深さ
までに位置する半導体基板の第1導電型の領域におい
て、第1不純物領域の占有面積をS1 、第1不純物領域
直下から1つの溝部の底と実質的に同じ深さまでの距離
をL1 、比抵抗をρ1 とし、第3不純物領域直下から1
つの溝部の底と実質的に同じ深さまでに位置する半導体
基板の第1導電型の領域において、第3不純物領域の占
有面積をS2 、第3不純物領域直下から1つの溝部の底
と実質的に同じ深さまでの距離をL2 、比抵抗をρ2
したときに、ρ1・L1 /S1 <ρ2 ・L2 /S2 を満
たすように、第1〜第3不純物領域、1つの溝部がそれ
ぞれ形成されている。
【0019】また好ましくは、以下のように構成する。
第1不純物領域、第3不純物領域、1つの溝部、他の溝
部は、半導体基板の第1主表面において、それぞれ一方
向に所定の長さを有してストライプ状に形成されてい
る。第1不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に
同じ深さまでに位置する半導体基板の第1導電型の領域
において、その一方向と直交する方向の長さをW1
し、第3不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に
同じ深さまでに位置する半導体基板の第1導電型の領域
において、その一方向と直交する方向の長さをW2 とし
たときに、ρ1 ・L 1 /W1 <ρ2 ・L2 /W2 を満た
している。
【0020】さらに好ましくは、第3不純物領域は、他
の隣接する各溝部の間の半導体基板の第1導電型の領域
の第1主表面にそれぞれ形成されている。
【0021】また好ましくは、第3不純物領域の第1主
表面に形成され、第1電極層と電気的に接続されるとと
もに、1つの溝部の他方の側面と接する第1導電型の第
5不純物領域を含んでいる。
【0022】さらに好ましくは、以下の構成を備えてい
る。第1電極層は、第2制御電極層と電気的に接続され
ている。他の溝部の近傍に位置する半導体基板の第1導
電型の領域の導電型を反転させるために、第2制御電極
層に印加すべきしきい値電位をVとし、第1制御電極層
に所定の電位以上の電位を印加することにより、1つの
溝部の近傍に位置する第1不純物領域の導電型が反転
し、チャネル領域が形成されて第1電極層と、第2電極
層との間で電流が流れるオン状態における半導体基板の
第1導電型の領域の電位をVonとし、第1制御電極層に
所定の電位より低い電位を印加することにより、チャネ
ル領域が消滅し、第1電極層と第2電極層との間で電流
が遮断されるオフ状態における半導体基板の第1導電型
の領域の電位をVoff としたときに、Von<V<Voff
である。
【0023】
【発明の実施の形態】 実施の形態1 実施の形態1に係る半導体装置について図を用いて説明
する。図1および図2を参照して、第1導電型の半導体
基板としてのn- 層2の一方の表面に溝部としてのトレ
ンチ17a、17bが形成されている。トレンチ17
a、17bには、絶縁膜としてのゲート酸化膜12aを
介して、第1または第2制御電極層としての埋込ゲート
電極18a、18bがそれぞれ形成されている。トレン
チ17aの一方の側面に接するように、第1不純物領域
としてのpベース6が形成されている。そのpベース6
には、ゲート酸化膜12aに接するように、第2不純物
領域としてのn+ カソード10が形成されている。ま
た、pベース6には、p+ コンタクト8が形成されてい
る。
【0024】トレンチ17a、17bの間にそれぞれゲ
ート酸化膜12a、12bに接するように、第3不純物
領域としてのp+ 引抜き部20aが形成されている。そ
のp + 引抜き部20a、n+ カソード10およびp+
ンタクト8に、第1電極層としてのエミッタ電極14が
接続されている。埋込ゲート電極18a、18bにはゲ
ート電極16が接続されている。n- 層2の他方の表面
には、nバッファ4を介在させて、第4不純物領域とし
てのp+ コレクタ22が形成されている。そのp+ コレ
クタには、第2電極層としてのコレクタ電極24が接続
されている。
【0025】なお、IGBTの平面構造は、図2に示す
ように、ストライプ状である。したがって、pベース
6、p+ 引抜き部20a、トレンチ17a、17b等は
図の紙面に垂直な方向に対してほぼ同じ長さを有してい
る。また、pベース6の幅W1はp+ 引抜き部20aの
幅W2 よりも大きい。このため、pベース6の占有面積
は、p+ 引抜き部20aの占有面積よりも大きい。pベ
ース6直下からトレンチ17aの底に相当する位置まで
の長さd1 とp+ 引抜き部20a直下からトレンチ17
aの底に相当する位置までの長さd2 とはほぼ同じであ
る。また、pベース6下近傍のn- 層2の電子の濃度と
+ 引抜き部20a下近傍のn- 層2の電子の濃度とは
ほぼ等しい。このため、それぞれの比抵抗は実質的に等
しい。
【0026】これにより、pベース6下に位置するn-
層2のトレンチ17aの底に相当する位置までの電気抵
抗は、p+ 引抜き部20a下に位置するn- 層2のトレ
ンチ17aの底に相当する位置までの電気抵抗よりも小
さい。
【0027】次に、オン動作について説明する。ゲート
電極16に、しきい値電位以上の電位を印加する。これ
により、ゲート絶縁膜12a近傍のpベース6の導電型
が反転しチャネル領域が形成される。n+ カソード10
からそのチャネル領域を経てn- 層2へ電子が注入され
る。一方、p+ コレクタ22からは、n- 層2へ正孔が
注入される。このとき、上述したように、p+ 引抜き部
20a下に位置するn - 層2の電気抵抗が、pベース6
下に位置するn- 層2の電気抵抗よりも高い。このた
め、n- 層2へ注入された正孔はp+ 引抜き部20aへ
は流れにくい。また、ゲート酸化膜12a近傍のn-
2は電子がより多く蓄積され、正孔はさらに流れにくく
なる。このため、効率よくn- 層2へ正孔が蓄積され
る。その結果、伝導度変調が起こりオン状態が実現す
る。
【0028】ここで、オン電圧の幅W2 に対する依存性
を評価した結果を図3に示す。なお、このとき幅W1
一定とした。図3を参照して、幅W2 を狭めることによ
り、オン電圧が低下し、p+ 引抜き部20aを備えない
従来のIGBTのオン電圧に近づくことが判明した。す
なわち、p+ 引抜き部20a下のn- 層2の電気抵抗を
pベース6下のn- 層2の電気抵抗よりもより高くする
ことで、従来のIGBTのオン電圧に近づけることが判
明した。
【0029】次にオフ動作について説明する。ゲート電
極16にしきい値電位以下の電位を印加することによ
り、ゲート酸化膜12a近傍のpベース6に形成されて
いたチャネル領域が消滅する。また、ゲート酸化膜12
a近傍に位置するn- 層2の導電型が反転しp型領域が
形成される。これにより、p+ 引抜き部20aは、その
p型領域を通して、トレンチ17a、17b直下まで実
効的に拡張された状態となる。
【0030】このため、n- 層2に蓄積された正孔は、
pベース6へ流れると同時に、そのp型領域を通してp
+ 引抜き部20aへも流れる。これにより、n- 層2に
蓄積された正孔をエミッタ電極14へ効率的に引抜くこ
とができる。その結果、IGBTのターンオフ損失が低
減する。
【0031】以上により、従来のIGBTと同等の定常
損失を保ちながら、ターンオフ損失を効果的に低減する
ことができる。
【0032】ところで、上述したIGBTは、既存の製
造方法を用いて製造することが可能である。特に、pベ
ース6およびp+ 引抜き部20aを形成する際には、そ
れぞれの幅が、W1 >W2 であるようなマスクを用いて
選択的に不純物を注入することにより形成される。ま
た、pベース6およびp+ 引抜き部20aは、それぞれ
ほぼ同じ深さを有するため、両者をイオン注入法等によ
り同時に形成することができる。
【0033】実施の形態2 実施の形態2に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図4を参照して、p+ 引抜き部20aの幅W2 はp
ベース6の幅W1 とほぼ同じである。p+ 引抜き部20
a直下からトレンチ17aの底に相当する位置までの長
さd2 はpベース6下からトレンチ17aの底に相当す
る位置までの長さd1 よりも長い。このため、p+ 引抜
き部20a下に位置するn- 層2の電気抵抗は、pベー
ス6下に位置するn- 層2の電気抵抗よりも高い。これ
以外の構成については、実施の形態1において説明した
図1および図2に示す構造と同様なので同一部材には同
一符号を付しその詳しい説明を省略する。
【0034】次に動作について説明する。動作は、実施
の形態1において説明した動作と全く同様である。上述
したように、p+ 引抜き部20a下に位置するn- 層2
の電気抵抗がpベース6下に位置するn- 層2の電気抵
抗よりも高いため、オン状態において、正孔はp+ 引抜
き部20aへはほとんど流れない。ターンオフ状態にお
いては、ゲート酸化膜12a近傍のn- 層2の導電型が
反転しp型領域が形成される。n- 層2に蓄積された正
孔は、pベース6に流れるとともに、そのp領域を通っ
てp+ 引抜き部20aへも流れる。これにより、IGB
Tのターンオフ損失が低減する。
【0035】実施の形態3 実施の形態3に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図5を参照して、pベース6直下から、トレンチ1
7aの底に相当する位置までの長さd1 はp+層引抜き
部20a直下からトレンチ17aの底に相当する位置ま
での長さd2 とほぼ同じである。p+ 引抜き部20aの
幅W2 はpベース6の幅W1 とほぼ同じである。また、
+ 引抜き部20aの下には、n型領域34が形成され
ている。このn型領域34の電子の濃度は、n- 層2の
電子の濃度よりも高い。このため、n型領域34は電子
にとっては流れやすいが、正孔にとっては流れにくい。
つまり、正孔にとって、n型領域34はn- 層2よりも
比抵抗が高い。これ以外の構成については、実施の形態
1において説明した図1に示す構成と同様なので同一部
材には同じ符号を付しその説明を省略する。
【0036】次に動作について説明する。動作は、実施
の形態1において説明した動作と全く同様である。この
場合、p+ 引抜き部20a下に位置するn型領域34の
電子の濃度が、pベース6下に位置するn- 層2の電子
の濃度よりも高い。このため、オン状態においては、n
- 層2に蓄積された正孔は、p+ 引抜き部20aへはほ
とんど流れない。一方、ターンオフ状態においては、ゲ
ート酸化膜12a近傍のn- 層2およびn型領域34に
p型領域が形成される。これにより、n- 層2に蓄積さ
れた正孔が、pベース6に流れるとともに、p+ 引抜き
部20aへも流れる。これらの結果、IGBTの定常損
失を保ちながら、ターンオフ損失を効果的に低減するこ
とができる。
【0037】なお、実施の形態1の場合と同様に、pベ
ース6およびp+ 引抜き部20aは、それぞれほぼ同じ
深さを有するため、両者をイオン注入法等により同時に
形成することができる。
【0038】実施の形態4 実施の形態4に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図6を参照して、オンIGBTは、実施の形態1に
おいて説明したIGBTと、実施の形態2において説明
したIGBTとを組合せた構造を有している。すなわ
ち、p+ 引抜き部20a直下からトレンチ17aの底に
相当する位置までの長さd2 は、pベース6直下からト
レンチ17aの底に相当する位置までの長さd1 よりも
長い。p+引抜き部20aの幅W2 はpベース6の幅W
1 よりも短い。このため、p+ 引抜き部20a下に位置
するn- 層2の電気抵抗は、pベース6下に位置するn
- 層2の電気抵抗よりも高い。これ以外の構成について
は、実施の形態1または実施の形態2において説明した
構成と同様なので、同一部材には同一符号を付しその説
明を省略する。
【0039】次に動作について説明する。動作は、実施
の形態1において説明したIGBTの動作と全く同様で
ある。上述したように、p+ 引抜き部20a下に位置す
るn - 層2の電気抵抗が、pベース6下に位置するn-
層2の電気抵抗よりも高い。このため、オン状態におい
て、n- 層2に蓄積された正孔はp+ 層引抜き部20a
へはほとんど流れない。一方、ターンオフ状態において
は、ゲート酸化膜12a近傍のn- 層2にp型領域が形
成される。これにより、正孔がpベース6へ流れるとと
もに、p+ 引抜き部20aへも流れる。これらの結果、
IGBTの定常損失を保ちながら、ターンオフ損失を効
果的に低減することができる。
【0040】実施の形態5 実施の形態5に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図7を参照して、n- 層2の一方の表面に複数のト
レンチ17a〜17eがそれぞれ形成されている。各ト
レンチ17a〜17eには、ゲート酸化膜12a〜12
eをそれぞれ介在させ、埋込ゲート電極18a〜18e
がそれぞれ形成されている。各トレンチ17a〜17e
の間には、p+ 引抜き部20eがそれぞれ形成されてい
る。p+引抜き部20a〜20e直下からトレンチ17
a〜17eの底に相当する位置までの長さd2 〜d
6 は、それぞれpベース6直下からトレンチ17aの底
に相当する位置までの長さd1 よりも長い。また、p+
引抜き部20a〜20eの幅W 2 〜W6 はそれぞれpベ
ース6の幅W1 よりも短い。しかも、p+ 引抜き部20
a〜20eの幅W2 〜W6 の総和が、pベース6の幅W
1 よりも小さい。これ以外の構成については、実施の形
態1において説明したIGBTと同様なので、同一部材
には同一符号を付しその説明を省略する。
【0041】次に動作について説明する。動作は、実施
の形態1において説明したIGBTの動作と全く同様で
ある。この場合、オン状態において、n- 層2に蓄積さ
れたホールがp+ 引抜き部20a〜20eへ流れること
はない。その結果、従来のIGBTと同レベルのオン電
圧を維持することができる。
【0042】一方、ターンオフ状態においては、n-
2に蓄積されたホールが、pベース6へ流れるととも
に、各p+ 引抜き部20a〜20eへも流れる。このと
き、実施の形態1の場合のように、p+ 引抜き部が1カ
所しか形成されていない構造と比べると、より効果的に
正孔を引抜くことができる。その結果、IGBTのター
ンオフ損失がさらに低減する。以上により、IGBTの
定常損失を保ちつつ、ターンオフ損失を効果的に低減す
ることができる。
【0043】実施の形態6 実施の形態6に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図8を参照して、トレンチ17b、17cにシリコ
ン酸化膜26を介在させて埋込エミッタ電極28a、2
8bがそれぞれ形成されている。その埋込エミッタ電極
28a、28bはp+ 引抜き部20aとともにエミッタ
電極14に接続されている。これ以外の構成について
は、実施の形態4において説明した図6に示すIGBT
と同じ構成なので、同一部材には同一符号を付しその説
明を省略する。
【0044】特に本IGBTでは、ゲート電極16は、
トレンチ17aにゲート酸化膜12aを介在させて形成
された埋込ゲート電極18aにのみ接続されている。こ
のため、実施の形態4において説明した効果の他に、ゲ
ートの領域を低減したことによるゲート容量の低下に伴
い、ゲート駆動回路の損失が減少する。また、ゲートの
領域の低減により、ゲート駆動回路が簡略化できる。
【0045】実施の形態7 実施の形態7に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図9を参照して、n- 層2の一方の表面に形成され
た複数のトレンチ17a〜17eにそれぞれシリコン酸
化膜26を介在させて形成された埋込エミッタ電極28
a〜28dがエミッタ電極14に接続されている点を除
けば、実施の形態5において説明した図7に示すIGB
Tと同じ構成である。したがって、図7に示す構成と同
一部材には同一符号を付しその説明を省略する。
【0046】次に動作について説明する。本構成の場
合、特に、埋込エミッタ電極28a〜28dに印加する
電位によってシリコン酸化膜26近傍のn- 層2に反転
層が形成されるときのしきい値電位をVとし、エミッタ
電極14とコレクタ電極24との間で電流が流れている
オン状態におけるn- 層2の電位をVoff とし、エミッ
タ電極14とコレクタ電極24との間で電流が遮断され
たオフ状態におけるn-層2の電位をVoff としたとき
に、Vが、VonとVoff との間の電位に設定されている
ことである。すなわち、Von<V<Voff である。
【0047】ゲート電極16に、しきい値電位以上の電
位として、たとえば15Vを印加することにより、ゲー
ト酸化膜12a近傍のpベース6にチャネル領域が形成
される。これにより、n+ カソード10からそのチャネ
ル領域を経てn- 層2へ電子が注入されるとともに、p
+ コレクタ22からn- 層2へホールが注入される。こ
のため、n- 層2では電子および正孔の濃度が上昇し伝
導度変調が起こる。その結果、エミッタ電極14とコレ
クタ電極24との間で電流が流れるオン状態が実現す
る。このとき、n- 層2の電位は正の電位であるが、そ
の値は極めて低い値である。なお、エミッタ電極14の
電位は0Vである。
【0048】次に、ゲート電極16に印加する電位をし
きい値電位以下にすると、ゲート酸化膜12a近傍のp
ベース6に形成されていたチャネル領域が消滅する。こ
のため、n+ カソード10からn- 層2への電子の注入
がなくなる。n- 層2に蓄積された正孔が、pベース6
および各p+ 引抜き部20a〜20eを経てエミッタ電
極14へ流れる。これにより、n- 層2の電位が上昇す
る。このとき、そのn - 層2の電位が上述したしきい値
電位Vを越える。このため、シリコン酸化膜26近傍の
- 層2の導電型が反転し、p型領域が形成される。こ
れにより、n-層2に蓄積された正孔が、そのp型領域
を経てp+ 引抜き部20a〜20eへさらに効果的に流
れる。その結果、IGBTのターンオフ損失が低減す
る。
【0049】以上説明したように、本IGBTの場合、
シリコン酸化膜26近傍のn- 層2にp型領域を形成す
るためのエミッタ電極14に印加すべきしきい値電位
を、IGBTのオン状態におけるn- 層2の電位と、オ
フ状態におけるn- 層2の電位の間に設定することによ
り、オン状態においては、p型領域は形成されない。こ
のため、n- 層2に蓄積されたホールが、p+ 引抜き部
20a〜20eへ流れることはない。一方、ターンオフ
状態においては、p型領域が形成されるため、正孔は、
+ 引抜き部20a〜20eを経てエミッタ電極14へ
流れる。その結果、従来のIGBTと同等の定常損失を
保ちながら、ターンオフ損失を効果的に低減することが
できる。
【0050】また、本IGBTにおいては、ゲート電極
16は埋込ゲート電極18aにのみ接続されているた
め、ゲート電極の面積が低減する。これにより、ゲート
容量が小さくなり、ゲート駆動回路の簡略化を図ること
ができる。
【0051】実施の形態8 実施の形態8に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図10を参照して、p+ 引抜き部20aにゲート酸
化膜12aに接するように、第5不純物領域としてのn
+ エミッタ32が形成されている。これ以外の構成につ
いては、実施の形態4において説明した図6に示すIG
BTと同様なので、同一部材には同一符号を付しその説
明は省略する。
【0052】次に動作について説明する。まず、オン動
作においては、ゲート電極16にしきい値電位以上の電
位を印加することにより、ゲート酸化膜12a近傍のp
ベース6およびp+ 引抜き部20aにチャネル領域が形
成される。これにより、n+カソード10からそのチャ
ネル領域を経て、n+ 層2へ電子が注入される。また、
+ エミッタ32からもそのチャネル領域を経て、n-
層2へ電子が注入される。このため、n- 層2へ注入さ
れる電子の量が、図6に示されたIGBTの場合よりも
多くなる。その結果、より速くオン状態が実現する。
【0053】一方、ターンオフ時の動作は図6に示すI
GBTの場合と全く同様である。以上により、本IGB
Tは、従来のIGBTと同等もしくはそれ以上の定常損
失を保ちながら、しかもターンオフ損失の低減が図られ
る。
【0054】実施の形態9 実施の形態9に係るIGBTについて図を用いて説明す
る。図11を参照して、本IGBTは、従来の技術の項
において説明した図15に示すIGBTと実施の形態4
において説明した図6に示すIGBTとを組合せた構造
を有している。すなわち、トレンチ17aにゲート酸化
膜12aを介在させて埋込ゲート電極18aが形成され
ている。トレンチ17aとトレンチ17bとの間にp+
引抜き部20aが形成されている。
【0055】次に動作について説明する。まずオン動作
においては、従来の技術の項において説明したように、
オン電圧の低減が図られ、定常損失が維持される。一
方、ターンオフ状態においては、ゲート酸化膜12a近
傍のn- 層2にp型領域が形成される。これにより、正
孔がpベース6へ流れるとともに、p+ 引抜き部20a
へも流れる。これらの結果、IGBTにおいては、定常
損失が維持されるとともに、ターンオフ損失の低減が図
られる。
【0056】実施の形態10 実施の形態10に係るIGBTについて図を用いて説明
する。図12を参照して、本IGBTは、トレンチ17
bがより大きな溝として形成されていることを除けば、
実施の形態4において説明した図6に示すIGBTの構
造と同様である。これにより、IGBTの定常損失を保
ったままターンオフ損失の低減が図られ、さらに、ゲー
ト容量の低減およびゲート駆動回路の簡略化が図られ
る。
【0057】実施の形態11 実施の形態1〜10においては、IGBTの平面構造と
してストライプ状のものを対象として説明した。本IG
BTの構成はこのようなストライプ状のものに限られ
ず、レイアウトパターンに合せて任意の形状に選択する
ことができる。ただし、上述した効果を得るには、以下
に示すような制限が必要とされる。すなわち、図13を
参照して、pベース6の占有面積をS1 、p+ 引抜き部
20aの占有面積をS2 、pベース6直下からトレンチ
17aの底に相当する位置までの長さをD1 、p+ 引抜
き部20a直下からトレンチ17aの底に相当する位置
までの長さをd2 、pベース6下のn- 層2の比抵抗を
ρ1 、p+ 引抜き部20a下のn- 層2の比抵抗をρ2
としたときに、ρ1 ・d1 /S1 <ρ2 ・d2 /S2
あることが必要である。言換えれば、p+ 引抜き部20
a下のn- 層2の電気抵抗がpベース6下のn- 層2の
電気的より高くなるように各領域が形成されていること
により、IGBTは上述した効果を有することができ
る。なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例
示であって制限的なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記で説明した範囲ではなくて特許
請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意
味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
【0058】
【発明の効果】本発明の1つの局面による半導体装置
は、複数の溝部と第2導電型の第1不純物領域と第1導
電型の第2不純物領域と第2導電型の第3不純物領域と
第1制御電極層と第2制御電極層と第2導電型の第4不
純物領域と第1電極層と第2電極層とを備えている。複
数の溝部は、第1導電型の半導体基板の第1主表面に、
互いに距離を隔てて設けられ、実質的にそれぞれ同じ深
さを有している。第2導電型の第1不純物領域は、半導
体基板の第1主表面に形成され、複数の溝部のうちの1
つの溝部の一方の側面に接し、1つの溝部の深さよりも
浅い。第1導電型の第2不純物領域は、第1不純物領域
の第1主表面に形成され、1つの溝部の一方の側面に接
している。第2導電型の第3不純物領域は、1つの溝部
と1つの溝部の隣に位置する他の溝部との間の半導体基
板の第1導電型の領域の第1主表面に形成され、1つの
溝部の他方の側面と、他の溝部の一方の側面とに接し、
1つの溝部および他の溝部の深さよりも浅い。第1制御
電極層は、1つの溝部内に絶縁膜を介在させて埋込まれ
ている。第2制御電極層は、他の溝部内に絶縁膜を介在
させて埋込まれている。第2導電型の第4不純物領域
は、半導体基板の第2主表面に形成されている。第1電
極層は、第1〜第3不純物領域に電気的に接続されてい
る。第2電極層は、第4不純物領域に電気的に接続され
ている。第1不純物領域下に位置する半導体基板の第1
導電型の領域における、第1不純物領域直下から1つの
溝部の底と実質的に同じ深さまでの電気抵抗が、第3不
純物領域下に位置する半導体基板の第1導電型の領域に
おける、第3不純物領域直下から1つの溝部の底と実質
的に同じ深さまでの電気抵抗よりも低い。
【0059】この構成によれば、第1制御電極層に所定
の電位以上の電位を印加することにより、絶縁膜近傍に
位置する第1不純物領域の導電型が反転し、第1導電型
の第2不純物領域と半導体基板の第1導電型の領域との
間にチャネル領域が形成される。第4不純物領域から半
導体基板の第1導電型の領域へ、正孔が注入される。ま
た、第2不純物領域からチャネル領域を経て半導体基板
の第1導電型の領域へ電子が注入される。半導体基板の
第1導電型の領域において、電子と正孔の濃度が上昇
し、伝導度変調が起こる。これにより、第1電極層と第
2電極層との間で電流が流れるオン状態が実現する。こ
のとき、第1不純物領域下に位置する半導体基板の第1
導電型の領域の抵抗が、第3不純物領域下に位置する半
導体基板の第1導電型の領域の電気抵抗よりも低い。こ
のため、半導体基板の第1導電型の領域へ注入された正
孔は、第3不純物領域へは流れにくい。さらに、絶縁膜
近傍の半導体基板の第1導電型の領域では、電子の密度
が高くなるため、正孔はより流れにくくなる。これによ
り、オン状態を実現するためのオン電圧を上げることな
く、オン状態を実現することができる。
【0060】次に、第1制御電極層に所定の電位以下の
電位を印加することにより、絶縁膜近傍に位置する第1
不純物領域に形成されていたチャネル領域が消滅する。
第2不純物領域から半導体基板の第1導電型の領域への
電子の注入がなくなる。半導体基板の第1導電型の領域
に蓄積された正孔が第1不純物領域を経て第1電極層へ
流れる。蓄積された正孔がすべて第1電極層へ流れた時
点で、第1電極層と第2電極層との間で電流が遮断され
るオフ状態が実現する。このとき、絶縁膜近傍の半導体
基板の第1導電型の領域では、導電型が反転し第2導電
型の領域が形成される。したがって、正孔はその第2導
電型の領域から第3不純物領域へも流れる。これによ
り、半導体基板の第1導電型の領域に蓄積された正孔
が、第1不純物領域とともに、第3不純物領域へ流れて
効果的に引抜かれる。その結果、ターンオフ時に発生す
るターンオフ損失を低減することができる。
【0061】好ましくは、以下のように構成する。第1
不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に同じ深さ
までに位置する半導体基板の第1導電型の領域におい
て、第1不純物領域の占有面積をS1 、第1不純物領域
直下から1つの溝部の底と実質的に同じ深さまでの距離
をL1 、比抵抗をρ1 とし、第3不純物領域直下から1
つの溝部の底と実質的に同じ深さまでに位置する半導体
基板の第1導電型の領域において、第3不純物領域の占
有面積をS2 、第3不純物領域直下から1つの溝部の底
と実質的に同じ深さまでの距離をL2 、比抵抗をρ2
したときに、ρ1・L1 /S1 <ρ2 ・L2 /S2 を満
たすように、第1〜第3不純物領域、1つの溝部がそれ
ぞれ形成されている。
【0062】この場合には、半導体装置のパターンレイ
アウト構成に対して、第1〜第3不純物領域、1つの溝
部が上記に示した関係を有するように構成することで、
オン電圧を上げることなく半導体装置のオン状態が実現
される。また、ターンオフ時に発生するターンオフ損失
の低減が図られる。
【0063】また好ましくは、以下のように構成する。
第1不純物領域、第3不純物領域、1つの溝部、他の溝
部は、半導体基板の第1主表面において、それぞれ一方
向に所定の長さを有してストライプ状に形成されてい
る。第1不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に
同じ深さまでに位置する半導体基板の第1導電型の領域
において、その一方向と直交する方向の長さをW1
し、第3不純物領域直下から1つの溝部の底と実質的に
同じ深さまでに位置する半導体基板の第1導電型の領域
において、その一方向と直交する方向の長さをW2 とし
たときに、ρ1 ・L 1 /W1 <ρ2 ・L2 /W2 を満た
している。
【0064】この場合に、半導体装置の平面レイアウト
がストライプ状の場合には、第1不純物領域、第3不純
物濃度、1つの溝部および他の溝部が上述した寸法関係
を有することにより、オン電圧を上げることなく半導体
装置のオン状態が実現され、また、ターンオフ時に発生
するターンオフ損失の低減が図られる。
【0065】さらに好ましくは、第3不純物領域は、他
の隣接する各溝部の間の半導体基板の第1導電型の領域
の第1主表面にそれぞれ形成されている。
【0066】この場合には、特にターンオフ時に、半導
体基板の第1導電型の領域に蓄積された正孔が、第1不
純物領域と複数の第3不純物領域とへさらに効果的に引
抜かれる。その結果、半導体装置のターンオフ損失をさ
らに低減することができる。
【0067】また好ましくは、第3不純物領域の第1主
表面に形成され、第1電極層と電気的に接続されるとと
もに、1つの溝部の他方の側面と接する第1導電型の第
5不純物領域を含んでいる。
【0068】この場合には、オン状態において、絶縁膜
近傍の第3不純物領域の導電型が反転しチャネル領域が
形成される。そのチャネル領域を通って第5不純物領域
から半導体基板の第1導電型の領域へ電子が流れる。こ
れにより、半導体基板の第1導電型の領域へより多くの
電子が注入され、その結果、半導体装置のオン特性が改
善される。
【0069】さらに好ましくは、以下の構成を備えてい
る。第1電極層は、第2制御電極層と電気的に接続され
ている。他の溝部の近傍に位置する半導体基板の第1導
電型の領域の導電型を反転させるために、第2制御電極
層に印加すべきしきい値電位をVとし、第1制御電極層
に所定の電位以上の電位を印加することにより、1つの
溝部の近傍に位置する第1不純物領域の導電型が反転
し、チャネル領域が形成されて第1電極層と、第2電極
層との間で電流が流れるオン状態における半導体基板の
第1導電型の領域の電位をVonとし、第1制御電極層に
所定の電位より低い電位を印加することにより、チャネ
ル領域が消滅し、第1電極層と第2電極層との間で電流
が遮断されるオフ状態における半導体基板の第1導電型
の領域の電位をVoff としたときに、Von<V<Voff
である。
【0070】この場合、オン状態においては絶縁膜近傍
の半導体基板の第1導電型の領域の導電型は反転しな
い。このため、半導体基板の第1導電型の領域から第3
不純物領域へは正孔はほとんど流れない。一方、ターン
オフ時においては、半導体基板の第1導電型の領域の電
位が上昇し、上述したしきい値電位Vを越える。このた
め、絶縁膜近傍の半導体基板の第1導電型の領域の導電
型が自動的に反転し、チャネル領域が形成される。これ
により、半導体基板の第1導電型の領域から、そのチャ
ネル領域を通って正孔が第3不純物領域へ効果的に流れ
る。その結果、半導体装置のターンオフ損失がより改善
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るIGBTの一断
面図である。
【図2】 同実施の形態において、図1に示すIGBT
の断面斜視図である。
【図3】 同実施の形態において、IGBTのオン電圧
のグラフである。
【図4】 本発明の実施の形態2に係るIGBTの一断
面図である。
【図5】 本発明の実施の形態3に係るIGBTの一断
面図である。
【図6】 本発明の実施の形態4に係るIGBTの一断
面図である。
【図7】 本発明の実施の形態5に係るIGBTの一断
面図である。
【図8】 本発明の実施の形態6に係るIGBTの一断
面図である。
【図9】 本発明の実施の形態7に係るIGBTの一断
面図である。
【図10】 本発明の実施の形態8に係るIGBTの一
断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態9に係るIGBTの一
断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態10に係るIGBTの
一断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態11に係るIGBTの
一断面図である。
【図14】 従来のIGBTの一断面図である。
【図15】 従来のIGBTの他の断面図である。
【図16】 従来のIGBTのさらに他の断面図であ
る。
【符号の説明】
2 n- 層、4 nバッファ、6 pベース、8 p+
コンタクト、10 n + カソード、12a ゲート酸化
膜、14 エミッタ電極、16 ゲート電極、17a〜
17e トレンチ、18a〜18e 埋込ゲート電極、
20a〜20ep+ 引抜き部、22 p+ コレクタ、2
4 コレクタ電極、26 シリコン酸化膜、28 埋込
エミッタ電極、32 n+ エミッタ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】まず最も基本的なIGBTの構造について
図を用いて説明する。図14を参照して、n- 層102
の一方の表面にpベース106が形成されている。その
pベース106の表面には、p+ コンタクト108およ
びn+ エミッタ110が形成されている。また、n-
102の表面には、ゲート酸化膜112aを介して埋込
ゲート電極118aが形成されている。n- 層102の
他方の表面には、nバッファ104を介在してp+ コレ
クタ122が形成されている。そのp+ コレクタ122
にはコレクタ電極124が形成されている。p+ コンタ
クト108、pベース106およびn+ エミッタ110
に電気的に接続されるエミッタ電極114が形成されて
いる。埋込ゲート電極118aにゲート電極116が形
成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】次に、動作について説明する。オン状態
は、ゲート電極116にしきい値電圧以上の電圧を印加
することで実現できる。ゲート電極116にしきい値電
圧以上の電圧を印加することにより、ゲート酸化膜11
2a近傍のpベース106の導電型が反転しチャネル領
域が形成される。これにより、n+ エミッタ110から
そのチャネル領域を通ってn- 層102へ電子が注入さ
れる。一方、p+ コレクタ122からはn- 層102へ
正孔が注入される。このため、n- 102は電子と正孔
の濃度が上昇し、伝導度変調が起こる。その結果、エミ
ッタ電極114とコレクタ電極124との間で電流が流
れるオン状態が実現する。このオン状態になる過程を
「ターンオン」と呼ぶ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】次にオフ状態は、ゲート電極116にしき
い値電圧以下の電圧を印加することにより実現できる。
オン状態から、ゲート電極116に印加する電圧をしき
い値電圧以下にすると、ゲート酸化膜112a近傍のp
ベース106に形成されていたチャネル領域が消滅す
る。これにより、n+ エミッタ110からn- 層102
への電子の注入がなくなる。このため、n- 層102に
蓄積された正孔がpベース106とp+ コンタクト10
8を経てエミッタ電極114へ流れる。その結果、エミ
ッタ電極114とコレクタ電極124との間で電流が遮
断されオフ状態となる。このオフ状態になる過程を「タ
ーンオフ」と呼ぶ。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】これらの損失のうち、現実的には定常損失
とターンオフ損失が損失の大部分を占めている。そし
て、これらの損失を低減することが必要となっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】次に、オン電圧を低く保ち定常損失を改善
したIGBTとして、特開平5−243561号公報お
よび特開平5−317375号公報に開示されたIGB
Tについて図を用いて説明する。図15を参照して、n
- 層102の一方の表面に、ゲート酸化膜112aを介
在させ、複数の埋込ゲート電極118a、118b、1
18cが形成されている。埋込ゲート電極118aと埋
込ゲート電極118bとの間の領域には、pベース20
6が形成されている。そのpベース206の表面には、
+ コンタクト208およびn+ エミッタ210が形成
されている。これらの領域とゲート電極116とはゲー
ト酸化膜112aによって電気的に絶縁されている。こ
れ以外の構成については、図4に示す構造と同様なの
で、同一部材には同一符号を付しその詳しい説明を省略
する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この構成の場合、特に、エミッタ電極11
4に接続されているn+ エミッタ210、pベース10
6の占有面積が小さくなっているため、正孔がn- 層1
02からpベース106へ流れにくい。その結果、n-
層102へ正孔が蓄積され、オン電圧が低くなると考え
られている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【発明の実施の形態】 実施の形態1 実施の形態1に係る半導体装置について図を用いて説明
する。図1および図2を参照して、第1導電型の半導体
基板としてのn- 層2の一方の表面に溝部としてのトレ
ンチ17a、17bが形成されている。トレンチ17
a、17bには、絶縁膜としてのゲート酸化膜12aを
介して、第1または第2制御電極層としての埋込ゲート
電極18a、18bがそれぞれ形成されている。トレン
チ17aの一方の側面に接するように、第1不純物領域
としてのpベース6が形成されている。そのpベース6
には、ゲート酸化膜12aに接するように、第2不純物
領域としてのn+ エミッタ10が形成されている。ま
た、pベース6には、p+ コンタクト8が形成されてい
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】トレンチ17a、17bの間にそれぞれゲ
ート酸化膜12a、12bに接するように、第3不純物
領域としてのp+ 引抜き部20aが形成されている。そ
のp + 引抜き部20a、n+ エミッタ10およびp+
ンタクト8に、第1電極層としてのエミッタ電極14が
接続されている。埋込ゲート電極18a、18bにはゲ
ート電極16が接続されている。n- 層2の他方の表面
には、nバッファ4を介在させて、第4不純物領域とし
てのp+ コレクタ22が形成されている。そのp+ コレ
クタには、第2電極層としてのコレクタ電極24が接続
されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に、オン動作について説明する。ゲート
電極16に、しきい値電位以上の電位を印加する。これ
により、ゲート絶縁膜12a近傍のpベース6の導電型
が反転しチャネル領域が形成される。n+ エミッタ10
からそのチャネル領域を経てn- 層2へ電子が注入され
る。一方、p+ コレクタ22からは、n- 層2へ正孔が
注入される。このとき、上述したように、p+ 引抜き部
20a下に位置するn - 層2の電気抵抗が、pベース6
下に位置するn- 層2の電気抵抗よりも高い。このた
め、n- 層2へ注入された正孔はp+ 引抜き部20aへ
は流れにくい。また、ゲート酸化膜12a近傍のn-
2は電子がより多く蓄積され、正孔はさらに流れにくく
なる。このため、効率よくn- 層2へ正孔が蓄積され
る。その結果、伝導度変調が起こりオン状態が実現す
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ゲート電極16に、しきい値電位以上の電
位として、たとえば15Vを印加することにより、ゲー
ト酸化膜12a近傍のpベース6にチャネル領域が形成
される。これにより、n+ エミッタ10からそのチャネ
ル領域を経てn- 層2へ電子が注入されるとともに、p
+ コレクタ22からn- 層2へホールが注入される。こ
のため、n- 層2では電子および正孔の濃度が上昇し伝
導度変調が起こる。その結果、エミッタ電極14とコレ
クタ電極24との間で電流が流れるオン状態が実現す
る。このとき、n- 層2の電位は正の電位であるが、そ
の値は極めて低い値である。なお、エミッタ電極14の
電位は0Vである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】次に、ゲート電極16に印加する電位をし
きい値電位以下にすると、ゲート酸化膜12a近傍のp
ベース6に形成されていたチャネル領域が消滅する。こ
のため、n+ エミッタ10からn- 層2への電子の注入
がなくなる。n- 層2に蓄積された正孔が、pベース6
および各p+ 引抜き部20a〜20eを経てエミッタ電
極14へ流れる。これにより、n- 層2の電位が上昇す
る。このとき、そのn - 層2の電位が上述したしきい値
電位Vを越える。このため、シリコン酸化膜26近傍の
- 層2の導電型が反転し、p型領域が形成される。こ
れにより、n-層2に蓄積された正孔が、そのp型領域
を経てp+ 引抜き部20a〜20eへさらに効果的に流
れる。その結果、IGBTのターンオフ損失が低減す
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】次に動作について説明する。まず、オン動
作においては、ゲート電極16にしきい値電位以上の電
位を印加することにより、ゲート酸化膜12a近傍のp
ベース6およびp+ 引抜き部20aにチャネル領域が形
成される。これにより、n+エミッタ10からそのチャ
ネル領域を経て、n+ 層2へ電子が注入される。また、
+ エミッタ32からもそのチャネル領域を経て、n-
層2へ電子が注入される。このため、n- 層2へ注入さ
れる電子の量が、図6に示されたIGBTの場合よりも
多くなる。その結果、より速くオン状態が実現する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 2 n- 層、4 nバッファ、6 pベース、8 p+
コンタクト、10 n + エミッタ、12a ゲート酸化
膜、14 エミッタ電極、16 ゲート電極、17a〜
17e トレンチ、18a〜18e 埋込ゲート電極、
20a〜20ep+ 引抜き部、22 p+ コレクタ、2
4 コレクタ電極、26 シリコン酸化膜、28 埋込
エミッタ電極、32 n+ エミッタ。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板の第1主表面
    に、互いに距離を隔てて設けられた、実質的にそれぞれ
    同じ深さを有する複数の溝部と、 前記半導体基板の前記第1主表面に形成され、複数の前
    記溝部のうちの1つの溝部の一方の側面に接し、前記1
    つの溝部の深さよりも浅い第2導電型の第1不純物領域
    と、 前記第1不純物領域の前記第1主表面に形成され、前記
    1つの溝部の一方の側面に接する第1導電型の第2不純
    物領域と、 前記1つの溝部と、前記1つの溝部の隣に位置する他の
    溝部との間の前記半導体基板の第1導電型の領域の前記
    第1主表面に形成され、前記1つの溝部の他方の側面
    と、前記他の溝部の一方の側面とに接し、前記1つの溝
    部および前記他の溝部の深さよりも浅い、第2導電型の
    第3不純物領域と、 前記1つの溝部内に絶縁膜を介在させて埋込まれた第1
    制御電極層と、 前記他の溝部内に絶縁膜を介在させて埋込まれた第2制
    御電極層と、 前記半導体基板の第2主表面に形成された、第2導電型
    の第4不純物領域と、 前記第1〜第3不純物領域に電気的に接続される第1電
    極層と、 前記第4不純物領域に電気的に接続される第2電極層と
    を備え、 前記第1不純物領域下に位置する前記半導体基板の第1
    導電型の領域における、前記第1不純物領域直下から前
    記1つの溝部の底と実質的に同じ深さまでの電気抵抗
    が、前記第3不純物領域下に位置する前記半導体基板の
    第1導電型の領域における、前記第3不純物領域直下か
    ら前記1つの溝部の底と実質的に同じ深さまでの電気抵
    抗よりも低い、半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記第1不純物領域直下から前記1つの
    溝部の底と実質的に同じ深さまでに位置する前記半導体
    基板の第1導電型の領域において、 前記第1不純物領域の占有面積をS1 、前記第1不純物
    領域直下から前記1つの溝部の底と実質的に同じ深さま
    での距離をL1 、比抵抗をρ1 とし、 前記第3不純物領域直下から前記1つの溝部の底と実質
    的に同じ深さまでに位置する前記半導体基板の第1導電
    型の領域において、 前記第3不純物領域の占有面積をS2 、前記第3不純物
    領域直下から前記1つの溝部の底と実質的に同じ深さま
    での距離をL2 、比抵抗をρ2 としたときに、 ρ1 ・L1 /S1 <ρ2 ・L2 /S2 を満たすように、前記第1〜第3不純物領域、前記1つ
    の溝部がそれぞれ形成されている、請求項1記載の半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 前記第1不純物領域、前記第3不純物領
    域、前記1つの溝部、前記他の溝部は、前記半導体基板
    の前記第1主表面において、それぞれ一方向に所定の長
    さを有してストライプ状に形成され、 前記第1不純物領域直下から前記1つの溝部の底と実質
    的に同じ深さまでに位置する前記半導体基板の第1導電
    型の領域において、前記一方向と直交する方向の長さを
    1 とし、 前記第3不純物領域直下から前記1つの溝部の底と実質
    的に同じ深さまでに位置する前記半導体基板の第1導電
    型の領域において、前記一方向と直交する方向の長さを
    2 としたときに、 ρ1 ・L1 /W1 <ρ2 ・L2 /W2 を満たす、請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第3不純物領域は、さらに、他の隣
    接する各前記溝部の間の前記半導体基板の第1導電型の
    領域の前記第1主表面にそれぞれ形成されている、請求
    項2または3に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第3不純物領域の前記第1主表面に
    形成され、前記第1電極層と電気的に接続されるととも
    に、前記1つの溝部の他方の側面と接する、第1導電型
    の第5不純物領域を含む、請求項2または3に記載の半
    導体装置。
  6. 【請求項6】 前記第1電極層は、前記第2制御電極層
    と電気的に接続され、 前記他の溝部近傍に位置する前記半導体基板の第1導電
    型の領域の導電型を反転させるために、前記第2制御電
    極層に印加すべきしきい値電位をVとし、 前記第1制御電極層に所定の電位以上の電位を印加する
    ことにより、前記1つの溝部の近傍に位置する前記第1
    不純物領域の導電型が反転し、チャネル領域が形成され
    て前記第1電極層と、前記第2電極層との間で電流が流
    れるオン状態における前記半導体基板の第1導電型の領
    域の電位をVonとし、 前記第1制御電極層に所定の電位より低い電位を印加す
    ることにより、前記チャネル領域が消滅し、前記第1電
    極層と前記第2電極層との間で電流が遮断されるオフ状
    態における前記半導体基板の第1導電型の領域の電位を
    off としたときに、 Von<V<Voff である、請求項2〜4のいずれかに記載の半導体装置。
JP18145497A 1997-07-07 1997-07-07 半導体装置 Pending JPH1126760A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017098403A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 株式会社豊田自動織機 半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017098403A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 株式会社豊田自動織機 半導体装置

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