JPH11266175A - 無線機の同時送受信方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各送受信フィルタの送受信周波数間隔が広く
なり、かつ、受け持つ通過域および減衰域の周波数帯域
も狭くなり、低挿入損失とすることができる無線機の同
時送受信方式を提供する。 【解決手段】 無線機の同時送受信方式において、上側
周波数帯域を受け持つ第１の空中線共用器３と、下側周
波数帯域を受け持つ第２の空中線共用器４とを備え、前
記空中線共用器３，４の送受信フィルタを各々帯域分割
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機などの
無線機の同時送受信方式（フルデュープレックス方式）
に係り、特に、その空中線共用器（デュープレクサ）に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般に、同時送受信方式（フルデ
ュープレックス方式）の携帯電話機においては、図５に
示すように、アンテナ１０１を送信・受信にて共用化す
るために、空中線共用器（デュープレクサ）１０２がア
ンテナ１０１に接続される。空中線共用器１０２にはこ
の機能と共に、送信波および送信部１０３から発生した
受信帯域雑音や受信帯域スプリアスが受信部１０４に回
り込むのを防ぐため、送信側には受信帯域を阻止し、受
信側には送信帯域を阻止するフィルタ機能を持たせる必
要がある。

【０００３】送信波・受信波は、一般的に図６に示すよ
うに、ある帯域分、離されて設定されているが、電波の
有効利用からすると、送信波・受信波の周波数間隔はで
きるだけ狭いほうが望ましい。しかし、この場合、送受
信フィルタは共に急峻な減衰特性が必要となるため、各
フィルタ共に多段構成となり、挿入損失は増大するた
め、高Ｑの材料の開発や素子の大型化等によって対処が
行なわれてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に送
信波・受信波の周波数間隔が狭いシステムに対応する場
合は、空中線共用器の各送受信フィルタにて妥当な範囲
内での挿入損失を確保しつつ、必要減衰を確保するのが
困難な場合がある。また、逆に必要減衰を確保できた場
合においても、挿入損失が大きくなり、送信側ではアン
テナ点での必要送信出力を得るために送信増幅器の出力
を大きくしなければならず、その結果、消費電流が多く
なり、受信側では必要受信感度を得るために、より受信
アンプやミキサに高い増幅率を持たせるために多くの電
流が必要となる。

【０００５】このように、いずれも通話時間や大きさ／
重量が商品価値の大きなファクタとなる携帯電話機にお
いては、致命的な問題を抱えることになる。本発明は、
上記状況に鑑みて、各送受信フィルタの送受信周波数間
隔が広くなり、かつ、受け持つ通過域および減衰域の周
波数帯域も狭くなり、低挿入損失とすることができる無
線機の同時送受信方式を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔１〕無線機の同時送受信方式において、上側周波数帯
域を受け持つ第１の空中線共用器と、下側周波数帯域を
受け持つ第２の空中線共用器とを備え、前記空中線共用
器の送受信フィルタを各々帯域分割するようにしたもの
である。

【０００７】〔２〕上記〔１〕記載の無線機の同時送受
信方式において、前記空中線共用器に接続されるととも
に、アンテナ側に接続される第１の切替スイッチと、送
信側に接続される第２の切替スイッチと、受信側に接続
される第３の切替スイッチと、前記第１の切替スイッチ
および第２，第３の切替スイッチに制御信号を送信する
制御部とを具備するようにしたものである。

【０００８】〔３〕上記〔２〕記載の無線機の同時送受
信方式において、前記第１の空中線共用器と第２の切替
スイッチ間に上側周波数帯域を受け持つ送信増幅器と、
第２の空中線共用器と第２の切替スイッチ間に下側周波
数帯域を受け持つ送信増幅器とを設け、かつ前記第１の
空中線共用器と第３の切替スイッチ間に上側周波数帯域
を受け持つ受信増幅器と、第２の空中線共用器と第３の
切替スイッチ間に下側周波数帯域を受け持つ受信増幅器
とを具備するようにしたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図１は本発明の第１実施例を示す無
線機の同時送受信方式のブロック図である。この図にお
いて、１はアンテナ、２は切替スイッチ（第１の切替ス
イッチ）、３は送受信にて各上側周波数帯域を受け持つ
空中線共用器（第１の空中線共用器）、４は送受信にて
各下側周波数帯域を受け持つ空中線共用器（第２の空中
線共用器）、５は送信側の切替スイッチ（第２の切替ス
イッチ）、６は受信側の切替スイッチ（第３の切替スイ
ッチ）、７は送信部、８は受信部、１０は切替スイッチ
２および切替スイッチ５と６に制御信号を送信する制御
部であり、この制御部１０と基地局Ａと基地局Ｂとが各
空中線共用器、送信部、受信部を通じて通信可能となっ
ている。

【００１０】図２は本発明の第１実施例を示す同時送受
信方式の空中線共用器の周波数特性を示す図であり、図
２（ａ）は上側周波数帯域を受け持つ空中線共用器の周
波数特性図、図２（ｂ）は下側周波数帯域を受け持つ空
中線共用器の周波数特性図である。図１に示す第１の切
替スイッチ２、第２の切替スイッチ５及び第３の切替ス
イッチ６は、制御部１０からの制御信号により、空中線
共用器３または４を切り替える。

【００１１】以下、本発明の無線機の同時送受信方式の
動作例を図３を参照しながら説明する。図３は本発明の
第１実施例を示す無線機の同時送受信方式の動作フロー
チャートである。 （１）まず、例えば、基地局Ａ（チャンネル１〜４９ｃ
ｈ）から指令によって、第１の空中線共用器３が上側周
波数帯域（例えば、４５ｃｈ）で動作し、待機している
とする（ステップＳ１）。

【００１２】（２）そこで、その通話領域において、電
話機による通話頻度が高くなって、通話が困難状態にな
ると、基地局Ｂ（チャンネル５０〜１００ｃｈ）から
『下側周波数帯域（例えば、７０ｃｈ）に切替えよ』と
の指令が、基地局Ｂからアンテナ１−第１の空中線共用
器３−切替スイッチ６−受信部８を介して、制御部１０
に指令が有るか否かを判断する（ステップＳ２）。

【００１３】（３）指令があった場合には、下側周波数
帯域への切替えスイッチの動作を行い、第２の空中線共
用器４への切替えが行われる（ステップＳ３）。 （４）第２の空中線共用器４が下側周波数帯域（例え
ば、７０ｃｈ）で動作し待機する（ステップＳ４）。 （５）次に、『上側周波数帯域（例えば、４５ｃｈ）に
切替えよ』との指令が有った場合（ステップＳ５）に
は、上記ステップＳ１に戻り順次そのステップを繰り返
す。

【００１４】このように、空中線共用器の切替えによ
り、周波数帯域の変更を自在にすることにより、通話状
態の改善を図ることができる。以上のように、第１実施
例によれば、空中線共用器の送受信フィルタを各々帯域
分割することにより、各送受信フィルタの送受信周波数
間隔が広くなり、かつ受け持つ通過域および減衰域の周
波数帯域も狭くなるため、高減衰、かつ切替スイッチの
挿入損失を加えても低挿入損失とすることができる。

【００１５】その結果、送信波・受信波の周波数間隔が
狭いシステムに対応する携帯電話機を構成する場合にお
いても、所望の携帯電話機としての性能、つまり通話時
間や大きさおよび重量を確保し易くなる。また、通話困
難を解消し、通話状態の改善を図ることができる。図４
は本発明の第２実施例を示す無線機の同時送受信方式の
ブロック図である。

【００１６】図４において、１１はアンテナ、１２は切
替スイッチ（第１の切替スイッチ）、１３は送受信にて
各上側周波数帯域を受け持つ空中線共用器（第１の空中
線共用器）、１４は送受信にて各下側周波数帯域を受け
持つ空中線共用器（第２の空中線共用器）、１５は送信
側の切替スイッチ（第２の切替スイッチ）、１６は受信
側の切替スイッチ（第３の切替スイッチ）、１７は上側
周波数帯域を受け持つ送信増幅器、１８は下側周波数帯
域を受け持つ送信増幅器、１９は上側周波数帯域を受け
持つ受信増幅器、２０は下側周波数帯域を受け持つ受信
増幅器、２１は第１の切替スイッチ１２、第２の切替ス
イッチ１５及び第３の切替スイッチ１６１６に制御信号
を送信する制御部、２２は送信部、２３は受信部であ
る。また、第１実施例に示したように、基地局Ａと基地
局Ｂによる制御部への指令が行われる。

【００１７】この実施例では、第１の切替スイッチ１
２、第２の切替スイッチ１５および第３の切替スイッチ
１６は、制御部２１からの制御信号により、空中線共用
器１３または１４を切り替えることにより、制御され
る。以上のように、第２実施例によれば、第１実施例と
同様、空中線共用器の送受信フィルタを各々帯域分割す
ることにより、各送受信フィルタの送受信周波数間隔が
広くなり、かつ受け持つ通過域および減衰域の周波数帯
域も狭くなるため、高減衰、かつ、切替スイッチの挿入
損失を加えても低挿入損失とすることができる。

【００１８】さらに、送信側の切替スイッチおよび受信
側の切替スイッチを、それぞれ送信／受信増幅器の前／
後に配置するようにしたので、切替スイッチの挿入損失
の影響が直接消費電流に結びつかないことになり、第１
実施例よりもさらに消費電流の面で有利となる。第１、
第２実施例では、携帯電話機での実施例を示したが、他
の同時送受信方式の無線機にも応用可能である。

【００１９】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。

【００２０】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。 （１）請求項１記載の発明によれば、各送受信フィルタ
の送受信周波数間隔が広くなり、かつ、受け持つ通過域
および減衰域の周波数帯域も狭くなり、低挿入損失とす
ることができる。

【００２１】（２）請求項２記載の発明によれば、空中
線共用器の送受信フィルタを各々帯域分割することによ
り、各送受信フィルタの送受信周波数間隔が広くなり、
かつ、受け持つ通過域および減衰域の周波数帯域も狭く
なるため、高減衰かつ切替スイッチの挿入損失を加えて
も低挿入損失とすることができる。したがって、送信波
・受信波の周波数間隔が狭いシステムに対応する携帯電
話機を構成する場合においても、所望の携帯電話機とし
ての性能、つまり通話時間や大きさおよび重量を確保し
易くなる。

【００２２】（３）請求項３記載の発明によれば、送信
側の切替スイッチおよび受信側の切替スイッチをそれぞ
れ送信／受信増幅器の前／後に配置するようにしたの
で、切替スイッチの挿入損失の影響が直接消費電流に結
びつかないことになり、さらに消費電流の面で有利とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す無線機の同時送受信
方式のブロック図である。

【図２】本発明の第１実施例を示す同時送受信方式の空
中線共用器の周波数特性を示す図である。

【図３】本発明の第１実施例を示す無線機の同時送受信
方式の動作フローチャートである。

【図４】本発明の第２実施例を示す無線機の同時送受信
方式のブロック図である。

【図５】従来の無線機の同時送受信方式のブロック図で
ある。

【図６】従来の同時送受信方式の空中線共用器の周波数
特性を示す図である。

【符号の説明】

１，１１ アンテナ ２，１２ 切替スイッチ（第１の切替スイッチ） ３，１３ 空中線共用器（第１の空中線共用器） ４，１４ 空中線共用器（第２の空中線共用器） ５，１５ 送信側の切替スイッチ（第２の切替スイッ
チ） ６，１６ 受信側の切替スイッチ（第３の切替スイッ
チ） ７，２２ 送信部 ８，２３ 受信部 １０，２１ 制御部 １７ 上側周波数帯域を受け持つ送信増幅器 １８ 下側周波数帯域を受け持つ送信増幅器 １９ 上側周波数帯域を受け持つ受信増幅器 ２０ 下側周波数帯域を受け持つ受信増幅器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無線機の同時送受信方式において、
   （ａ）上側周波数帯域を受け持つ第１の空中線共用器
   と、（ｂ）下側周波数帯域を受け持つ第２の空中線共用
   器とを備え、（ｃ）前記空中線共用器の送受信フィルタ
   を各々帯域分割するようにしたことを特徴とする無線機
   の同時送受信方式。
2. 【請求項２】 請求項１記載の無線機の同時送受信方式
   において、前記空中線共用器に接続されるとともに、ア
   ンテナ側に接続される第１の切替スイッチと、送信側に
   接続される第２の切替スイッチと、受信側に接続される
   第３の切替スイッチと、前記第１の切替スイッチおよび
   第２，第３の切替スイッチに制御信号を送信する制御部
   とを具備することを特徴とする無線機の同時送受信方
   式。
3. 【請求項３】 請求項２記載の無線機の同時送受信方式
   において、前記第１の空中線共用器と第２の切替スイッ
   チ間に上側周波数帯域を受け持つ送信増幅器と、第２の
   空中線共用器と第２の切替スイッチ間に下側周波数帯域
   を受け持つ送信増幅器とを設け、かつ前記第１の空中線
   共用器と第３の切替スイッチ間に上側周波数帯域を受け
   持つ受信増幅器と、第２の空中線共用器と第３の切替ス
   イッチ間に下側周波数帯域を受け持つ受信増幅器とを具
   備することを特徴とする無線機の同時送受信方式。