JPH11266065A - 精密孔加工部品の製造法 - Google Patents

精密孔加工部品の製造法

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JPH11266065A
JPH11266065A JP6835998A JP6835998A JPH11266065A JP H11266065 A JPH11266065 A JP H11266065A JP 6835998 A JP6835998 A JP 6835998A JP 6835998 A JP6835998 A JP 6835998A JP H11266065 A JPH11266065 A JP H11266065A
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hole
drill
diameter
metal foil
centering
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JP6835998A
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Kazuyuki Oya
和行 大矢
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置精度、加工精度の高い、微細な孔明け加
工された精密孔加工品を得る。 【解決手段】 樹脂複合セラミックス基板に精密孔加工
するに際して、該基板として金属箔張樹脂複合セラミッ
クス基板を用い、ドリルにより小径精密孔加工した後、
金属箔をエッチング除去する樹脂複合セラミックス基板
からなる精密孔加工部品の製造法。 【効果】 直径 0.6mm以下の孔の孔位置精度が基準点に
対して±0.03mm以内でかつドリル直径の±15%以内、孔
精度が±0.01mm以内でかつドリル直径の±15%以内であ
る精密孔加工品が得られた。半導体チップの検査用治具
などとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小径で、しかも、
極めて高い絶対位置精度と加工精度とを要求される半導
体チップの検査用冶具などの精密孔加工部品の製造法に
関する。詳しくは 0.6mm〜0.030mm 、特に直径 0.15mm
以下という極めて小径の孔加工の際、センタリングピン
やセンタリングドリルの基板表面への食いつき不良によ
る位置ずれ、センタリングによる基板表面孔まわりの広
がり、ドリル抜けの際の裏面のコバ欠けなどのない樹脂
複合セラミックス基板からなる精密孔加工部品の製造法
である。
【0002】
【従来の技術】セラミックス基板の加工法は、一般的な
方法である機械加工、レーザー加工、放電加工、化学研
磨加工など種々の方法の適用が検討され開発されてい
る。また、セラミックス独特の方法としてグリーンシー
トの段階で穴などの加工を施し、焼結する方法(グリー
ンシート法)がある。まず、グリーンシート法は、多量
生産には極めて好適な製造法である。しかし、中量乃至
少量生産では、高価格となり、また、短納期で製造する
には適していない。また、焼結する際に大幅に収縮す
る。この点から相対位置、形状の点では問題はないが、
高い絶対位置精度を必要とする製品には不向きである。
【0003】機械加工法による孔加工、一般に、ドリル
孔加工においては、ダイヤモンドチップドリルなどを用
いて行われているが、孔径が 0.6mm(600μm) 以下、特
に150μm以下となると、ダイヤモンドチップドリル自
体も一般的ではなく、また、硬く、折れやすく、扱いが
難しくなる。レーザー加工は、炭酸ガスレーザー、エキ
シマレーザー、YAGレーザーなどを利用したものがあ
る。セラミックス基板の切断、孔加工などには高エネル
ギー出力のものが必要であり、赤色レーザーが中心であ
る。しかし、この場合、熱エネルギーを利用するもので
あり、 200μmを越えるような深孔加工には不向きであ
り、孔加工においては溶融ダレの付着、加工面の変質、
ラッパ状や楕円状の孔となりやすい欠点があり、また、
熱衝撃によりセラミックスが破壊される場合もある。
【0004】さらに、加工した製品の寸法の精密測定が
必要である。この要求から、最近、加工部品の寸法精度
を画像処理により自動或いは半自動で極めて効率的に精
密測定可能な機器が、比較的安価に市販されるようにな
って来た。しかし、加工面の形状が歪なレーザー加工品
などでは、画像認識精度を向上させることが難しい問題
がある。放電加工は、炭化珪素やカーボン、金属などの
精密加工に利用されるが、電気絶縁性の電子部品用に用
いるセラミックスの加工には適用できない。また、化学
研磨加工は、単独で使用されることは稀であり、通常
は、レーザー加工、機械加工などと組み合わせて利用さ
れるものである。
【0005】上記のように、製造されたセラミックスを
後加工して、孔などの所望の製品形状を付与することは
特別の工具、機器、技術などを必要とし、生産性が低
く、極めて高価なものとなる。この点を改善したものと
して、機械加工性を付与したマシンナブル・セラミック
スが開発され、精密部品の製造に適用されている。マシ
ンナブル・セラミックスとしては、雲母系のもの、ウォ
ラストナイト系のもの、マシンナブル性を改善するため
に窒化硼素を一成分として用いた、例えば窒化アルミニ
ウム−窒化硼素複合体などがある。
【0006】ところが、これらでも通常、1mm程度で比
較的広い板状に加工すること程度でも困難であり、ま
た、加工できた場合も、脆く、そのままでは殆ど用途が
なかった。さらに、マシンナブル・セラミックスは、通
常、機械加工性を持たせるために複合化され、気孔を有
する。この気孔があるために、通常の環境下での使用に
おうては、吸湿などにより物性変化が極めて大きい欠点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に、
無機連続気孔焼結体に熱硬化性樹脂を含浸し硬化して樹
脂複合セラミックスとした後、薄板状にスライスするこ
とによる方法を提案した(特開平5-291706、同6-15208
6、USP-5,531,945 、EP-0,566,360他) 。さらに、鋭意
検討を進めたた結果、金属箔の接着と樹脂複合セラミッ
クス層の製造とを同時に行うことにより直接に最小限の
接着層を介して金属箔が強固に接着された新規な金属箔
張複合セラミックス板を見いだした (特開平8-244163、
同8-172251、同8-295581、USP-5,686,172 他) 。
【0008】この樹脂複合セラミックス基板は、上記し
たマシンナブル・セラミックスの欠点である薄板状とし
たときの脆さを解消し、吸湿など殆ど無くしたものであ
り、精密部品の製造に好適な特性を有する。しかしなが
ら、直径 0.6mm以下、特に 0.15mm 以下の孔で、孔位置
精度が基準点に対して±0.03mm以内でかつドリル直径の
±15%以内、孔精度が±0.01mm以内でかつドリル直径の
±15%以内である精密孔加工部品を製造するために使用
とした場合、センタリングピンやセンタリングドリルの
基板表面への食いつき不良による位置ずれ、センタリン
グによる基板表面穴まわりの広がり、ドリル抜けの際の
裏面のコバ欠けなどの発生を無くすることは、容易では
なかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、完成した。すなわち、
本発明は、樹脂複合セラミックス基板に精密孔加工する
に際して、該基板として金属箔張樹脂複合セラミックス
基板を用い、ドリルにより小径精密孔加工した後、金属
箔をエッチング除去する樹脂複合セラミックス基板から
なる精密孔加工部品の製造法である。
【0010】本発明において、該金属箔が、厚さ 5〜10
0 μmで、マイクロビッカース硬度(Hv)が15〜200 であ
るドリル加工性の良好な金属製であること、該樹脂複合
セラミックス基板が、ショア硬度 40以下またはビッカ
ース硬度(Hv) 280以下であること、該ドリルにより小径
精密孔加工が、まず、該金属箔張樹脂複合セラミックス
基板に、センタリング用ピンまたはセンタリング用ドリ
ルを用いて、樹脂複合セラミックス基板表面に所望の孔
径よりも大きい過度の欠損が生じないように金属箔にセ
ンタリングした後に行うこと、該ドリルにより小径精密
孔加工に、水または水を主体とする切削用媒体を使用す
ることが好ましい。そして、本発明においては、該基板
の直径 0.6mm以下、特に 0.15mm 以下の孔の孔位置精度
が、基準点に対して±0.03mm以内でかつドリル直径の±
15%以内、孔精度が±0.01mm以内でかつドリル直径の±
15%以内である精密孔加工部品の製造法である。
【0011】以下、本発明の構成を説明する。本発明の
精密孔加工部品は、通常、金属箔のない樹脂複合セラミ
ックス基板に、位置精度、形状精度に優れた小径ドリル
孔を形成してなるものである。特に、本発明は、センタ
リングによる基板表面孔まわりの広がり、ドリル抜けの
際の裏面のコバ欠けなどのないものを、両面を研削など
することなく製造するものである。
【0012】まず、本発明では、加工に際して、樹脂複
合セラミックス基板に代えて、金属箔張樹脂複合セラミ
ックス基板を用いる。本金属箔張樹脂複合セラミックス
基板は、無機連続気孔焼結体に熱硬化性樹脂を含侵し、
両面に金属箔を積層接着してなるものである。その製造
法は、上記特開平8-244163他による。無機連続気孔焼結
体としては、窒化アルミニウム−窒化硼素複合体(AlN-h
-BN)、アルミナ−窒化硼素複合体(Al2O3-h-BN)、酸化ジ
ルコニウム−窒化アルミニウム−窒化硼素複合体(ZrO2-
h-BN-AlN) などの窒化物系のもの、β−ウォラストナイ
ト(β−CaSiO3) などのウォラストナイトが好適なもの
として挙げられ、この他にコーディエライト(2MgO/2Al2
O3/5SiO2) 、雲母などが挙げられる。これらの中でショ
ア硬度 40以下またはビッカース硬度(Hv) 280以下のも
のが好ましい。また、h-BNを一成分とする無機連続気孔
焼結体ではその量が、通常、無機物の全体積の50容量%
以下が好ましく、特に40容量%以下が好適である。
【0013】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂、シアナート系樹脂 (シアナート
樹脂、シアン酸エステル−エポキシ樹脂、シアン酸エス
テル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイミド
−エポキシ樹脂) 、マレイミド樹脂、マレイミド−ビニ
ル樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、その他の熱硬化性
樹脂類並びにこれらを適宜二種以上配合してなる組成物
が挙げられる。特に、本発明では、熱硬化性樹脂とし
て、シアナート樹脂に芳香族炭化水素−ホルムアルデヒ
ド樹脂ノボラック (特開平7-242719) からのエポキシ樹
脂を配合してなるものが好ましい。
【0014】金属箔としては、センタリングピンやセン
タリングドリルによるセンタリングにおいて金属箔表面
で横滑りや歩行現象が実質的におきない、食いつきの良
い材料が好ましい。横滑りや歩行現象を防止する点から
金属箔表面は、適宜、1μmオーダー以下の表面凹凸を
付与した「つや消し」ものが好ましい。厚さは 5〜100
μmの範囲、好ましくは10〜50μmの範囲から選択す
る。また、マイクロビッカース硬度(Hv)が15〜200 の範
囲から選択する。例えば、改削鉄などの切削加工性を改
良した金属合金類の箔が入手できれば、最も好ましい
が、アルミニウム箔、錫箔、黄銅箔、マグネシウム合金
箔、ニッケル箔、銅箔なども使用可能である。なお、本
金属箔は、加工後、エッチングにより除去するものであ
るので、特に接着用の表面処理の必要はない。
【0015】上記の金属箔張樹脂複合セラミックス基板
(以下、ドリル加工の説明においては、適宜「ワーク」
と記す)を用い、本発明のドリルによる精密孔加工を行
う。まず、ドリルマシンとしては、繰り返し位置精度
(通常は、X,Y座標:加工テーブル面)の高いものが
好適であり、 5μm以下のものを選択する。また、孔位
置精度の確保やドリル折れの防止の点から、センタリン
グ加工を行うことが好ましく、この場合、Z軸方向の繰
り返し位置精度も同様に必須である。
【0016】また、加工テーブル上のワーク表面を画像
読み取りし、X,Y座標の位置合わせする機構は、分割
して孔明け作業を行うこと、他の加工を行ったものを精
密位置合わせして孔明け加工に用いることが可能となり
好ましい。さらに、センタリングピンもしくはセンタリ
ングドリルおよび孔明け用の小径ドリルの先端位置と、
ワークの表面位置(通常、加工点外周囲の複数点)とを
計測して、Z座標の加工位置を精密制御可能とした機器
(機構とそれを制御するソフトウェアとを有するもの)
が使用可能ならば、特に、精密なセンタリング加工が可
能となる。また、極めて折れやすく、磨耗も激しい小径
ドリルの場合に、過剰の孔明けを無くすることが可能と
なり好ましい。
【0017】また、ドリル孔明け速度(=Z方向のドリ
ルの送り速度)を、一ドリルビットによる一つの孔の孔
明け中に、2段階以上可変に設定可能な機構(特に、そ
のソフトウェア)を付加できれば、例えば、ドリル抜け
のコバ欠け発生前までは高速度で孔明けし、ついで、コ
バ欠けが発生しにくい加工速度に落としてドリル抜け時
の孔明けを行うことが可能となり、コバ欠けのない高速
孔明けが図れる。なお、この機構は、前記のZ座標の精
密制御と組み合わせることが可能であれば、当然により
好ましい。
【0018】本発明のワークの場合、ドリル孔明けによ
り生じる切り子粉末の比重は、セラミックス主体である
ので、従来のガラスエポキシ積層板などの2倍程度以上
と大きく、硬く、また、樹脂分を含む。切り子の排出が
不十分の場合には、急速にドリルが磨耗し、良好な孔明
けができない。従って、硬度の他に切り子の排出を考慮
して、ドリルビットの選択をするのが好ましい。孔明け
用のドリルビットとしては、ガラスエポキシ積層板に多
用されている硬質乃至超硬質ドリルが使用可能である
が、耐磨耗性を増加させるために、窒化チタンや炭化チ
タンなどを用いて薄膜を適宜、多層にコートしたドリ
ル、CVDダイヤモンドコートドリルがより好適に使用
できる。当然に先端にダイヤモンドチップを付けたダイ
ヤモンドチップドリルも好適に使用できる。
【0019】センタリング加工用のセンタリングピンや
センタリングドリルは、本発明の場合、主に金属箔を加
工するので、用いた金属箔に対応したものでよいが、最
も好適なセンタリングは、所望孔径に相当するすり鉢状
の切削部がワークの樹脂複合セラミックス層表面に形成
される条件であること、さらに先端部に負荷が集中する
ことなどから、ドリルビットと同等以上に硬く、耐磨耗
性の高いものが好ましい。
【0020】本発明のドリル孔加工について説明する。
まず、加工テーブル上に、ワークをセットする。ワーク
は、水平にかつ振動などにより位置ずれしないように強
固に固定することが必須であり、セット用の専用冶具を
用いるのが好ましい。専用冶具の材質としては、ワーク
と熱膨張係数が同等で、切削用媒体により劣化しないも
のを選択するのが好ましい。具体的には、マシンナブル
・セラミックスである雲母と結晶化ガラスからなるセラ
ミックス、β−ウォラストナイト(CaO/SiO2)などの気孔
焼結体セラミックス、アルミノ珪酸ガラスからなるセラ
ミックス、h-BNあ含む複合体セラミックスなどが挙げら
れる。
【0021】また、専用冶具にワークを強固に固定する
方法は、ワックス、加熱剥離型の両面粘着テープ、紫外
線照射剥離型の両面粘着テープ、加熱接着溶融型の接着
剤、溶剤剥離型の接着剤、粘着テープなどを用い、好適
には、減圧下に固定することが好ましい。また、固定に
ワックスを用いる方法の場合、専用冶具を固定面に適
宜、空気吹き込み用の微細な通路を設けたものは、専用
冶具を加熱してワックスを溶融し、空気を吹き込むこと
で、加工が終わったワークを容易に剥離できるので好ま
しい方法じある。
【0022】固定したワークに、通常、まず、センタリ
ング加工を施す。センタリング加工は、金属箔表面への
食いつき不良による位置精度の低下を防止する点から、
回転速度は低速がより好ましい。通常、一万回転以下か
ら選択し、特に、使用するドリルマシンの安定運転可能
な回転速度の下限近辺から選択することが好ましい。ま
た、センタリング加工の最も好適な終点位置は、所望孔
径まで樹脂複合セラミックス基板に凹みが生じる条件で
あることから、特に、Z軸位置計測とそれに基づく制御
の機構を持たないドリルマシンの場合には、安定運転状
態とし、さらに、センタリングピンもしくはセンタリン
グドリルの長さも一定になるように精密設定して使用す
る。
【0023】次にドリル穴明け加工を行う。ドリルの回
転速度は、ドリルの回転周速度が 1 m/sec以下、好まし
くは 0.3〜0.6 m/sec の範囲から選択する。これは 0.8
〜0.3 mmφのドリルの場合に、 5,000〜30,000 r.p.m.
程度の範囲となる。なお、ドリルビットの直径が 0.15m
m 以下の場合にも、高速回転を用いると切り子によるド
リル磨耗が起こりやすいので、50,000 r.p.m. 以下から
選択するのが好ましい。ドリルの送り速度は、特にドリ
ルビットの直径に応じて最適範囲を選択する。例えば、
0.1 mmφのドリルビットでは1回転あたり0.15μm〜0.
5 μm、0.07mmφのドリルビットでは1回転あたり0.08
μm〜0.2 μmの範囲から選択するのが好ましい。
【0024】さらに、孔明けは通常、プログラムに基づ
いて一括して行う。この場合、センタリング加工→精密
孔明け加工→外形加工の工程となる。特に、位置精度を
考慮した場合、移動時の振動、その他による位置ずれを
最小とする孔明け順序を選択することが好適である。こ
の点から次の孔加工への移動はX軸か、Y軸の何れか一
方のみの移動を優先したプログラムが好ましく、従来の
多量の孔加工に用いられている移動距離を最低とするプ
ログラムはこのましくない。以上説明したように、精密
孔明け加工においては、現在多量生産で行われているガ
ラスエポキシ銅張積層板などのドリル加工の知見は全く
参考とならないので注意を要する。
【0025】また、孔明け時に、水または水を主体とす
る切削用媒体を用いると、ドリルビットの寿命が、好適
条件では3倍程度伸びる効果があり好ましい。水に添加
する成分としては、陰イオン、陽イオン、中性などの各
種界面活性剤;エチレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、その他の多価アルコール類;ヒド
ラジン、亜リン酸、その他の腐食防止剤に使用される化
合物;スメクタイトなどの無機界面活性剤等が挙げられ
る。これらの中で、水溶性スメクタイトを適量添加した
ものは、チキソトロピー性を示し、ドリル孔明け部分近
傍のみが液体となり、他の部分では流動性がないことか
ら、切削用媒体の流出や飛散による汚染も防止できるの
で好ましい。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 金属箔張樹脂複合セラミックス板として、両面に厚み35
μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム (株) 製、シ
ャイン/梨地状マット)のマット面を接着面として張っ
た厚み0.64mmで 125mm×125mm のアルミニウム箔張樹脂
複合窒化アルミニウム板 (以下「ANB20AL1」と記す)を
製造し、これを使用した。加工機として、碌々産業
(株)製、NEO-120 を用いた。
【0027】ワーク固定用の専用冶具として、厚み 1.6
mmのβ−ウォラストナイト気孔焼結体に、ワッツス溶液
(イソプロピルアルコール35%溶液、商品名:スカイコ
ートMA、日化精工 (株) 製) を含侵し、乾燥したもの
(以下「冶具A」と記す)を使用した。硬質ドリルビッ
トは、三菱マテリアル (株) 製プリント基板用ミニチュ
アドリル MS010(0.1mm径、刃長2mm)、菱高精機 (株) 製
マイクロドリル Z382-ViO(0.07mm径、刃長3mm)を用い
た。センタリングピンは、三菱マテリアル (株) 製プリ
ント基板用ミニチュアドリル MS010(0.1mm径、刃長2mm)
のドリル刃部を除去し、先端角を30度に研磨化工したも
のを用いた。外形加工用のルータービットは、 (株) ユ
ニオンツール製 RCM-F(2.0mm径−刃長8mm)を用いた。
【0028】温度 150℃に設定したホットプレート上に
冶具Aをセットし、熱溶融型接着剤(商品名:アドフィ
クスA、日化精工 (株) 製) にて、冶具Aの所定位置に
ANB20AL1を固定した。これを加工機の定盤上に位置決め
して固定した。ドリル孔加工条件は表1の記載のように
変化させ、センタリング、ドリル孔明けを行った。NC制
御としては、FUNAC 小径深孔加工ドリルサイクル(G83)
を使用した。また、加工にあたっては、切削用媒体とし
て水溶性スメクタイトとグリセリンを添加した水溶液を
用いた。
【0029】加工終了後、ホットプレート上に冶具Aを
セットし、加熱してANB20AL1の加工品などを取り外し、
加工品をイソプロピルアルコールで洗浄し、接着剤を除
去した後、 2N 塩酸水溶液にてアルミニウム箔を溶解除
去し、超音波水洗し、イソプロピルアルコールで洗浄し
た後、乾燥した。得られた加工品の孔位置精度と孔形状
の評価は、 (株) ミツトヨ製非接触三次元CNC画像測
定機(QV404)を用いた。得られた孔明け加工品の評価結
果を表2に示した。
【0030】比較例1 実施例1において、ANB20AL1に代えて、厚み0.64mmで 1
25mm×125mm の樹脂複合窒化アルミニウム板 (以下「AN
B20-1 」と記す) を用い、アルミニウム箔を溶解除去す
る工程を行わない他は同様とした。得られた孔明け加工
品の評価結果を表2に示した。
【0031】実施例2 実施例1において、ANB20AL1に代えて、両面に厚み35μ
mのアルミニウム箔 (三菱アルミニウム (株) 製、シャ
イン/梨地状マット)のマット面を接着面として張った
厚み 0.5mmで 125mm×125mm のアルミニウム箔張複合窒
化アルミニウム板 (以下「ANB20AL2」と記す)を製造
し、これを使用すること、また、硬質ドリルビットとし
て、HAM PRAZISION 製プリント基板用ミニチュアドリル
382Prima(0.09mm径、刃長0.8mm)、センタリング・ドリ
ルとして、山本精工 (株) 製プリント基板用シンニング
つきマイクロドリル MD030(0.3mm径、刃長0.8mm)を用い
ること、表1に記載の条件にて加工を実施する他は、実
施例1と同様にして加工品を得た。得られた孔明け加工
品の評価結果を表2に示した。
【0032】比較例2 実施例2において、AL-ANB20-2に代えて、厚み0.50mmで
125mm×125mm の樹脂複合窒化アルミニウム板 (以下
「ANB20-2 」と記す) を用い、アルミニウム箔を溶解除
去する工程を行わない他は同様とした。得られた孔明け
加工品の評価結果を表2に示した。
【0033】
【表1】 実1 比1 実2 比2 加工材料 ANB20AL1 ANB20-1 ANB20AL2 ANB20-2 孔数 230 ← 80 ← ドリル径 (mm) pin 0.1 0.07 ← 0.3 0.09 ← 加工深度 (mm) *1 0.2 0.75 ← *1 0.6 ← 回転数 (×103 r.p.m.) 5 30 40 ← 8 40 ← 送り速度 (mm/min) 30 25 20 ← 25 10 ←毎回の切り込み量(mm) 0.1 0.08 0.02 ← 0.2 0.018 ← *1 : センタリング加工
【0034】
【表2】項目 単位 実1 比1 実1 比1 X軸公差 平均 μm 4.3 8.2 4.3 7.9 最大 〃 7 67 7 61 Y軸公差 平均 〃 4.4 8.4 3.4 7.3 最大 〃 7 59 6 63 孔径 平均 〃 73 74 93 96 最大 〃 78 80 95 99 コバ欠け 平均 mm2 0 0.018 0 0.0011 面積 最大 〃 0 0.024 0 0.0031 注) 孔径 :透過光法による測定。 コバ欠け面積:裏面側表面の孔面積と透過光法による孔面積との差。
【0035】
【発明の効果】以上、本発明の製造法によれば、樹脂複
合セラミックス板の有する高い熱放散性、低熱膨張率、
耐熱性、電気特性を有する精密孔明け部品が得られた。
この結果、高い絶対位置精度と加工精度とを要求される
例えば、半導体チップの検査用治具などに好適な精密孔
加工品を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂複合セラミックス基板に精密孔加工
    するに際して、該基板として金属箔張樹脂複合セラミッ
    クス基板を用い、ドリルにより小径精密孔加工した後、
    金属箔をエッチング除去する樹脂複合セラミックス基板
    からなる精密孔加工部品の製造法。
  2. 【請求項2】 該金属箔が、厚さ 5〜100 μmで、マイ
    クロビッカース硬度(Hv)が15〜200 であるドリル加工性
    の良好な金属製である請求項1記載の精密孔加工部品の
    製造法。
  3. 【請求項3】 該樹脂複合セラミックス基板が、ショア
    硬度 40以下またはビッカース硬度(Hv) 280以下である
    請求項1記載の精密孔加工部品の製造法。
  4. 【請求項4】 該ドリルにより小径精密孔加工が、ま
    ず、該金属箔張樹脂複合セラミックス基板に、センタリ
    ング用ピンまたはセンタリング用ドリルを用いて、樹脂
    複合セラミックス基板表面に所望の孔径よりも大きい過
    度の欠損が生じないように金属箔にセンタリング加工し
    た後に行う請求項1記載の精密孔加工部品の製造法。
  5. 【請求項5】 該ドリルにより小径精密孔加工に、水ま
    たは水を主体とする切削用媒体を使用する請求項1記載
    の精密孔加工部品の製造法。
  6. 【請求項6】 該基板の直径 0.6mm以下の孔の孔位置精
    度が基準点に対して±0.03mm以内でかつドリル直径の±
    15%以内、孔精度が±0.01mm以内でかつドリル直径の±
    15%以内である請求項1記載の精密孔加工部品の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108770204A (zh) * 2018-05-24 2018-11-06 昆山巨青电子有限公司 一种印刷电路板的钻孔加工方法及钻孔系统
CN108770204B (zh) * 2018-05-24 2021-06-01 昆山巨青电子有限公司 一种印刷电路板的钻孔加工方法及钻孔系统

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