JPH11265624A - 電気絶縁部品 - Google Patents

電気絶縁部品

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JPH11265624A
JPH11265624A JP6739798A JP6739798A JPH11265624A JP H11265624 A JPH11265624 A JP H11265624A JP 6739798 A JP6739798 A JP 6739798A JP 6739798 A JP6739798 A JP 6739798A JP H11265624 A JPH11265624 A JP H11265624A
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JP
Japan
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photocatalyst
film
water
hydrophilic
less
Prior art date
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JP6739798A
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English (en)
Inventor
Satoru Sadahiro
哲 貞廣
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系材料あるいは無機系材料からなる電気
絶縁部品における汚損湿潤によるトラッキング現象ある
いはフラッシュオーバ現象を半永久的に防止する。 【解決手段】 電気絶縁部品本体1の表面に光触媒被膜
2などの水に対する接触角が10度以下の極めて親水性
の高い被膜を形成する。汚損物質が付着しても降雨など
により洗い流される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブル等の
中間接続部、終端接続部などに用いられる有機材料から
なる電気絶縁部品の耐トラッキング性を高め、また高圧
送電線、トロリー線などの絶縁に用いられる磁器製碍子
などの無機材料からなる電気絶縁部品の耐フラッシュオ
ーバ性を高めるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成樹脂、ゴムなどの有機材
料からなる電気絶縁部品にあっては、その部品表面の汚
損、湿潤に起因して、その表面が焼損炭化するトラッキ
ング現象を生じることが知られている。また、磁器、ガ
ラスなどの無機材料からなる電気絶縁部品にあっても、
同様に表面の汚損、湿潤に起因して、その表面に接する
気体が絶縁破壊するフラッシュオーバ現象を生じること
も知られている。
【0003】このような電気絶縁部品におけるトラッキ
ング現象やフラッシュオーバ現象を防止するには、部品
表面における汚損、湿潤を極力避けるようにすることが
必要であり、このため部品表面にシリコーンオイルなど
を塗布して、表面に撥水性を付与するなどの方策がとら
れている。しかしながら、このシリコーンオイル塗布に
よるものでは、上述のトラッキング現象やフラッシュオ
ーバ現象を防止するには不十分であり、しかもその結果
が永続しないと言う欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、有機材料からなる電気絶縁部品のトラッキン
グ現象および無機材料からなる電気絶縁部品のフラッシ
ュオーバ現象を有効に防止でき、かつその効果を永続さ
せることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、無機材料
あるいは有機材料からなる電気絶縁部品の表面を、水に
対する接触角が10度以下の親水性であり、かつその親
水性が半永久的に保持される表面とすることによって解
決される。このような表面は、酸化チタンなどの光触媒
をシロキサンポリマーなどの樹脂中に分散させた被膜や
光触媒単独からなる被膜によるものであることが好まし
い。 また、この表面は、フッ化アルミニウムからなる
被膜によるものであってもよい。また、このような表面
を有する電気絶縁部品としては、磁器製碍管、エポキシ
樹脂製碍管、合成樹脂製スリーブ、ゴムモールド碍管な
どがある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の電気絶縁部品は、その表面が水に対する接触角
が10度以下、好ましくは5度以下の高度の親水性であ
り、しかもこの親水性が半永久的に持続するようなもの
である。一般に、平滑な板の上に水滴を落とすと、水滴
は表面張力の働きで半球状となる。この時、板と水滴の
空気との3相の接触点で水滴に引いた切線と板面とのな
す角のうち、水滴を含む方の角を水に対する板の接触角
と言う。ガラスなどの無機材料では、この接触角は20
〜30度であり、撥水性材料であるシリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂では90〜100度である。
【0007】水に対する接触角が10度以下あるいは5
度以下となると、もはや水は水滴としては存在すること
ができず、水滴はすぐに厚さ0.01mm程度の極めて
薄い水膜となって拡がり、傾斜をつけるとすぐに流れ落
ちることになる。そして、本発明では、このような高度
の親水性を示す表面であって、かつこの親水性が半永久
的に持続する表面で、電気絶縁部品の表面を構成する。
【0008】このような条件を満たす表面としては、ま
ず、光触媒被膜によるものがある。図1は、このような
光触媒被膜を有する電気絶縁部品の一例を示すもので、
図中符号1は、磁器、ガラス、セラミックス、ゴム、プ
ラスチックなどの絶縁材料からなる絶縁部品本体であ
る。この絶縁部品本体1の表面には光触媒被膜2が設け
られて、この例の電気絶縁部品となっている。
【0009】上記光触媒被膜2は、光触媒とシロキサン
ポリマーとからなる厚さ0.1〜0.5μmのものであ
る。ここで使用される光触媒としては、アナターゼ型酸
化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸
化タングステン、酸化ビスマスなどの平均粒径が0.1
μm以下の微細粉末の1種又は2種以上の混合物が用い
られ、これらのなかでも酸化チタンが最も光触媒作用が
高く好ましい。この光触媒の光触媒被膜2中での含有量
は5〜80重量%とされる。
【0010】上記シロキサンポリマーは、加水分解性シ
ランモノマーを加水分解、縮重合してなるものである。
ここでの加水分解性シランモノマーとしては、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル
トリブトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
エチルトリブトキシシラン、エチルトリプロポキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、フェニルトリブトキシシラン、フェニルトリ
プロポキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジメ
チルジプロポキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジブトキシシラ
ン、ジエチルジプロポキシシラン、フェニルメチルジメ
トキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェ
ニルメチルジブトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランなどやこれらの混合物が用いられる。
【0011】そして、上記光触媒被膜2は、上述の加水
分解性シランモノマーと光触媒とを水、メタノール、エ
タノールなどの低級アルコール、アセトンなどに溶解、
分散したコーティング溶液を絶縁部品本体1の表面に塗
布し、加熱する方法で形成できる。塗布には、スプレ
ー、ディップ、フロー、ロールなどの公知のコーティン
グ方法が用いられ、加熱には120〜150℃の温度条
件で0.1時間〜1時間行う方法などがある。
【0012】また、上記光触媒被膜2は、光触媒のみか
らなる被膜であってもよい。この場合には、酸化チタン
などの光触媒のゾルを本体1に塗布し、加熱する方法や
CVD法、PVD法によって酸化チタンなどの薄膜を本
体1上に形成する方法などによって被膜2の形成が行わ
れる。また、光触媒被膜2は、光触媒とシリカからなる
ものであってもよい。このものでは、光触媒のゾルとシ
リカゾルとの混合ゾルを本体1表面に塗布、加熱する方
法などが採用される。さらに、光触媒被膜2は、光触媒
と硫酸担持アルミナ、硫酸担持チタニアなどの固体酸と
からなるものであってもよい。
【0013】絶縁部品本体1がゴム、プラスチックなど
の有機系材料からなる場合には、光触媒とシロキサンポ
リマーとからなる光触媒被膜2が、被膜形成時の加熱温
度が低温でよく、本体1の熱劣化が少なくて好ましい。
絶縁部品本体1が磁器、ガラス、セラミックスなどの無
機系材料からなる場合には、いずれの被膜であってもさ
しつかえない。
【0014】このような光触媒被膜2においては、この
被膜2に紫外線が照射されると、被膜2の水に対する接
触角が5度以下、0度近くにまで低下し、極めて高い親
水性を示し、この被膜2上に付着した水滴はただちに薄
い水膜となって流れ落ちる。この親水性は徐々に低下し
てゆくが、紫外線が照射されるたびに元に回復し、半永
久的に持続する。
【0015】本発明では、また、同様の高度の親水性を
有し、この親水性が半永久的に持続する表面として、フ
ッ化アルミニウムからなる被膜によるものがある。この
被膜は、水酸化カリウムを加えてpH5〜6に調整した
フッ化水素酸水溶液に金属アルミニウムを接触させるこ
とによって生成する薄膜である。この被膜を絶縁部品本
体の表面に形成するには、予め絶縁部品本体の表面に厚
さ0.1〜1μm程度のアルミニウム薄膜を真空蒸着法
などによって形成しておき、この部品本体を上記フッ化
水素酸水溶液に浸漬する方法や部品本体にこのフッ化水
素酸水溶液を塗布する方法などによって行われる。
【0016】この被膜の表面は、フッ化アルミニウムの
分子内分極と複雑な表面微細構造によって、水に対する
接触角が0度近くになり、極めて高い親水性を示し、し
かもこの親水性は半永久的に接続する。
【0017】このような親水性の被膜を有する電気絶縁
部品にあっては、その表面が極めて高い親水性を示し、
油分よりも水分に対して極めて高い親和性を有する。こ
のため、煤塵などの油性成分を含む汚損物質がその表面
に付着しても、降雨や水洗などによってその汚損物質が
洗い流されてクリーニングされ、除去される。このた
め、汚損物質の付着に基づくトラッキングやフラッシュ
オーバが半永久的に防止される。
【0018】また、親水性の被膜の表面には、空気中の
水分が吸着され、均一な水の極薄膜が形成される。この
ため、表面に漏洩電流が流れてジュール熱が発生し、こ
のジュール熱で表面が乾燥する際に、この熱による乾燥
が表面全域で均一に生じ、部分的に乾燥した部分(ドラ
イバンド)が生じることがない。したがって、ドライバ
ンドに高電界が印加されてシンチレーションが生じ、こ
のシンチレーションからトラッキングに至ることがな
く、耐トラッキング性が向上する。さらに、同様の理由
により無機系材料からなる絶縁部品では、フラッシュオ
ーバを起すこともなくなる。
【0019】本発明における電気絶縁部品の具体的なも
のとしては、磁器製碍子、磁器製碍管、エポキシ樹脂製
碍管、ゴムモールド碍管、合成樹脂製スリーブなどが挙
げられるが、これらに限られることはなく、屋内および
屋外で用いられる電気絶縁部品すべてがその対象とな
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気絶縁
部品にあっては、部品表面が極めて高い親水性を有し、
かつその親水性が半永久的に持続するものであるので、
空気中の煤塵や、海水、酸性雨などの電解質などの汚損
物質がその表面に付着しても、降雨や水洗などによって
完全に洗い流されて除去され、汚損物質によるトラッキ
ングやフラッシュオーバが半永久的に防止できる。ま
た、電気絶縁部品の表面が湿潤状態となってもドライバ
ンドが形成されることがなくなり、表面湿潤に基因する
トラッキングおよびフラッシュオーバも同様に半永久的
に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気絶縁部品の一例の要部を拡大し
て示した概略断面図である。
【符号の説明】
1…絶縁部品本体、2…光触媒被膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する接触角が10度以下の親水性
    を示し、この親水性を半永久的に持続する表面を有する
    電気絶縁部品。
  2. 【請求項2】 親水性表面が、光触媒を成分とする光触
    媒被膜によるものである請求項1記載の電気絶縁部品。
  3. 【請求項3】 親水性表面が、フッ化アルミニウム被膜
    によるものである請求項1記載の電気絶縁部品。
  4. 【請求項4】 部品が、磁器製碍管、エポキシ樹脂製碍
    管、合成樹脂製スリーブ、ゴムモールド碍管のいずれか
    である請求項1記載の電気絶縁部品。
JP6739798A 1998-03-17 1998-03-17 電気絶縁部品 Withdrawn JPH11265624A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006244727A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Central Res Inst Of Electric Power Ind 電力供給機器
JP2006344570A (ja) * 2004-08-06 2006-12-21 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 絶縁化超微粉末および高誘電率樹脂複合材料

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Effective date: 20050607