JPH11264881A - 太陽電池を備える時計 - Google Patents

太陽電池を備える時計

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JPH11264881A
JPH11264881A JP6799498A JP6799498A JPH11264881A JP H11264881 A JPH11264881 A JP H11264881A JP 6799498 A JP6799498 A JP 6799498A JP 6799498 A JP6799498 A JP 6799498A JP H11264881 A JPH11264881 A JP H11264881A
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JP
Japan
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solar cell
light
timepiece
covering member
display means
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JP6799498A
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English (en)
Inventor
Masashi Ide
昌史 井出
Takashi Toida
孝志 戸井田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電効率向上が可能な太陽電池を備える時計
を提供することである。 【解決手段】 風防ガラス23を有するケースと、時刻
を表示する時刻表示手段と、光照射によって起電力を発
生する太陽電池19とを備え、風防ガラス23は蛍光ガ
ラスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光照射によって発
電を行なう太陽電池を備え時刻表示手段として指針によ
るアナログ表示やデジタル表示やアナログとデジタルと
を複合した時計の構造にかんし、とくに風防ガラスのに
かんするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、時計の国際的流通にともない、サ
イズや起電力などの電池の形式が異なる国においても、
半永久的に使用することができる時計(ウオッチ)の需
要が高まりつつある。
【0003】光照射によって起電力が発生する太陽電池
をエネルギー源とする太陽電池を備える時計は、この要
求に応じることが可能な時計として、その販路を急速に
拡大している。しかも太陽電池を備える時計は、電池交
換を行う必要がないため、使用ずみ電池の廃棄による環
境汚染という重大な問題を生じることもなく、国際的な
環境保護の観点から注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】太陽電池を有する時計
では、太陽電池の発電効率を向上させる試みがなされて
い。これは、太陽電池の起電量は、ほぼ光照射される太
陽電池面積に比例し、太陽電池面積が小さくなる時計で
は、時刻表示手段を駆動するための充分な起電力がえら
れないという問題が発生するためである。この発電効率
向上は、時計ケースの小さな女性用の時計で、とくにそ
の要望が大きい。
【0005】太陽電池の発電効率を向上させるために、
太陽電池素子の素子構造を改良することが提案されてい
る。しかしながら、このような太陽電池素子の素子構造
の工夫による発電効率向上には限界がある。
【0006】〔発明の目的〕本発明の目的は、上記課題
を解決して、発電効率向上が可能な太陽電池を備える時
計を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の太陽電池を備える時計は、下記記載の手段
を採用する。
【0008】本発明の太陽電池を備える時計において
は、風防ガラスを有するケースと、時刻を表示する時刻
表示手段と、光照射によって起電力を発生する太陽電池
とを備え、風防ガラスは蛍光ガラスを用いることを特徴
とする。
【0009】本発明の太陽電池を備える時計では、風防
ガラスを有するケースと、時刻を表示する時刻表示手段
指針と、光照射によって起電力を発生する太陽電池と、
太陽電池の受光面側に配置する被覆部材とを備え、風防
ガラスは蛍光ガラスを用いることを特徴とする。
【0010】〔作用〕本発明の太陽電池を備える時計に
おいては、太陽電池素子の素子構造を工夫して光起電量
を向上させるのではなく、太陽電池に照射される光の量
を多くする手段を採用している。すなわち、本発明の太
陽電池を備える時計では、風防ガラスとして蛍光ガラス
を使用している。
【0011】この蛍光ガラスは、可視光領域の光はその
まま透過するが、紫外光領域の光照射では、赤、緑、
青、またはこれら赤・緑・青の組み合わせの色を発する
特性をもち、さらにこの蛍光ガラスに波長200nmか
ら400nmの紫外光領域の光が照射されると、その蛍
光色の波長の光を高効率で発し、その光が太陽電池に照
射されることとなる。
【0012】このように本発明における太陽電池を備え
る時計では、紫外光領域の光を可視光領域に変換した光
と、可視光領域の光とが太陽電池に照射されることにな
り、発電に寄与する光量が多くなる。したがって、太陽
電池に照射される光量が増加し、太陽電池における光起
電力が多くなる。この結果、太陽電池面積が小さくなら
ざるを得ない時計においても、時刻表示手段を駆動する
ための充分な起電力が、本発明によってえられる。とく
に、時計ケースの小さな女性用の時計で、とくにその効
果が大きい。
【0013】さらに本発明の太陽電池を備える時計で
は、太陽電池を風防ガラスから見えるように構成する構
造と、太陽電池の受光面側に被覆部材を設け、太陽電池
を見えないように構成する構造とを採用する。
【0014】この被覆部材を設けることによって、太陽
電池独特の濃紫色を見えなくして、時計として装飾価値
を格段に向上させることができる。この被覆部材として
は、照射された光の1/4から2/3を透過するような
材料である、セラミックスやプラスティックで構成す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を実施す
るための最良な形態における太陽電池を備える時計の構
成を説明する。
【0016】まずはじめに本発明の実施形態における太
陽電池を備える時計の構成を、図1を用いて説明する。
図1は本発明の実施形態における太陽電池を備える時計
の構成を説明するための断面図である。なお、以下の実
施形態の説明では、時刻表示手段として指針を備えるア
ナログ表示の時計を例にして説明する。
【0017】〔太陽電池を備える時計の構成:図1〕図
1に示すように、本発明の時計は、蛍光ガラスから構成
する風防ガラス23を設けるケース25内に、ムーブメ
ント27を設ける。このムーブメント27は指針29を
駆動する。
【0018】この蛍光ガラスから構成する風防ガラス2
3について説明する。蛍光ガラスは、紫外線照射によっ
て、赤や緑や青や、またはこれらの赤や緑や青の組み合
わせた色の蛍光を発するという特性をもつ。そしてこれ
らの色を発光するような所定の希土類元素を微量添加し
たガラスから構成し、この希土類元素がガラス母体中で
イオン状態を保つようにしている。
【0019】このムーブメント27内には、図1には図
示しないが、太陽電池19の起電力を貯蔵する電気二重
層コンデンサーおよび/またはリチウムイオン二次電池
や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振
周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半
導体集積回路や、この駆動パルスを受けて輪列機構を1
秒ごとに指針29を駆動するステップモーターや、ステ
ップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構などを備
えている。
【0020】ケース25には、樹脂材料からなる第2の
パッキング39を介して、風防ガラス23を取り付け、
時計内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密密閉
構造にしている。
【0021】さらにケース25の風防ガラス23と反対
側の面に溝を設け、その溝内にゴム材料からなる第1の
パッキング37を設ける。そして裏蓋35とケース25
との間に配置する第1のパッキング37によって、時計
内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密密閉構造
にしている。
【0022】そして時計の時刻表示手段として文字板2
1は、太陽電池19と被覆部材17とからなり、風防ガ
ラス23の下面側に配置する。そして、文字板21の受
光面側には、被覆部材17を介して、ムーブメント27
を駆動するための起電力を発生する太陽電池19を備え
ている。
【0023】太陽電池19は、光エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する機能を有する。そして太陽電池19
は、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純
物とを選択的に導入し、さらにp型の非単結晶シリコン
薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度
の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を有するpin構造
をもつ。
【0024】そしてこの太陽電池19は、4つの太陽電
池を直列に接続して、2.1Vから2.3Vの起電力を
得ている。
【0025】この太陽電池19の受光面側には、透光性
を有し白色のセラミックスやプラスティック材料からな
る被覆部材17を設ける。さらに、この被覆部材17の
おもて面の外から見える側には、図1には図示していな
いが、時刻の5分ごとや1分ごとの時刻目盛りや文字や
マークを設ける。
【0026】さらに、ムーブメント27の外周部とケー
ス25とあいだには、中枠33を設ける。この中枠33
には、被覆部材17を収納する段差部と、太陽電池19
を収納する開口部とを設ける。すなわち、中枠33には
被覆部材17を収納するための段差の下側に、太陽電池
19を収納するための開口領域を設け、被覆部材17の
下面に太陽電池19を配置している。中枠33はムーブ
メント27と被覆部材17と太陽電池19とをケース2
5に保持する働きをもち、中枠33は樹脂材料で構成す
る。そしてケース25の開口内に中枠33を介して、被
覆部材17と太陽電池19とムーブメント27とを収納
する。
【0027】さらに被覆部材17には、時針を駆動する
筒車と、分針を駆動する筒カナと、秒針を駆動する秒針
車とを突出するための中心穴(図示せず)を設ける。さ
らにまた被覆部材17には、図1には図示しないが、日
付を表示するための日板や、曜日を表示するための曜日
板を、被覆部材17から覗かせるための開口領域である
窓部を設けてもよい。
【0028】前述のように中枠33には、被覆部材17
の板厚と同じ寸法の段差を設け、この中枠33の段差に
被覆部材17を落とし込むように収納している。このた
め、ケース25や見切り31と接触する面側は、中枠3
3と被覆部材17との高さが揃い、ほぼ同一平面とな
る。
【0029】そして被覆部材17と太陽電池19とムー
ブメント27とを保持する中枠33の風防ガラス23と
反対側の端面領域を裏蓋35で押圧することにより、見
切り31とケース25に被覆部材17を押しつけるよう
に接触させている。
【0030】見切り31は被覆部材19の外周領域を覆
い隠す、時計の化粧板としての役割をもつ。そしてこの
見切り31は、ケース25と異なる材料で構成したり、
見切り31の表面をダイヤモンド工具を用いて研削加工
して、その表面を鏡面状態にして、装飾品としての価値
を高めている。
【0031】〔太陽電池を有する時計の動作・作用:図
1および図2〕つぎに、緑色の蛍光を発する蛍光ガラス
からなる風防ガラス23を例にして、本発明の太陽電池
を有する時計の動作・作用を、図1および図2を素用し
て説明する。この風防ガラス23は、紫外線が照射され
ていない状態では、透明であるが、波長が200nmか
ら400nmの紫外線が風防ガラスに照射されると、可
視光である、おもに波長が540nmの緑色の蛍光を高
効率で発する。
【0032】そしてこの緑色の可視光が、被覆部材17
を介して太陽電池19に照射されて起電力を発生する。
ここで太陽電池に照射される光の波長と、太陽電池の起
電力との関係を図2のグラフによって説明する。図2の
グラフは、横軸は太陽電池に照射される光の波長を示
し、縦軸は相対的な太陽電池の起電力を示す。そして太
陽電池素子を、アモルファスシリコンと単結晶シリコン
とで構成した特性を示す。
【0033】図2のグラフに示すように、現在主流にな
っているアモルファスシリコンからなる太陽電池素子に
おいては、波長550nm程度に起電力のピークをも
ち、この波長550nmの短波長側および長波長側とも
に起電力は減少している。
【0034】さらに、図2から明らかなように、波長4
00nmより短波長の紫外域の光照射では、太陽電池素
子は起電力はゼロとなっている。すなわち、本発明の太
陽電池を有する時計では、従来、発電に起用していない
紫外域の光を有効に利用しており、発電効率を向上させ
ることが可能となる。
【0035】〔他の実施形態の説明〕以上の実施形態の
説明では、太陽電池19の受光面側に被覆部材17を設
ける例で説明したが、被覆部材を太陽電池の受光面側に
設けなくてもよい。さらに時刻表示手段としてアナログ
式時計について説明したが、デジタル表示式時計や、ア
ナログ式時計とデジタル式時計とを複合した時計にも本
発明の蛍光ガラスからなる風防ガラスは適用可能であ
る。
【0036】〔被覆部材の説明:図1〕以下、被覆部材
17をセラミックス材料で構成する場合について説明す
る。この被覆部材17は、アルミナやジルコニアからな
るセラミックス材料で構成する。そしてこの基板11の
厚さは0.2mmから0.5mm程度の厚さとすること
が好ましい。そしてこの透光性セラミックスの被覆部材
17は、被覆部材17に照射された光の1/4から2/
3の光は透過して、太陽電池19に光照射されて、指針
29を駆動する起電力が発生する。
【0037】〔太陽電池の説明:図1〕つぎに上記構造
を形成するための製造方法を、図1を用いて説明する。
はじめに光照射によって所定の起電力を発生させる太陽
電池19を形成するための製造方法を説明する。
【0038】まずはじめに太陽電池19の支持基板とし
て、鉄とニッケルとコバルトとの合金であるコバール
(Kv)をプレス加工することにより、太陽電池19の
外形形状と、中心穴41と、必要に応じて表示窓43と
を形成する。
【0039】この太陽電池19の支持基板として使用す
るコバールは、後述する支持基板上に形成する絶縁性被
膜であるガラス層と線膨張率とほぼ等しい。したがっ
て、温度変化によってガラス層が破損することを抑制す
ることができる。
【0040】その後、支持基板であるコバール裏面に2
つの文字板足(図示せず)を、スポット溶接や接着の手
段により形成する。この文字板足は、ムーブメント27
と文字板21との相互の位置決めを行い、ムーブメント
27に設ける穴に文字板足を押し込むような構成や、文
字板足の側面からネジ止めする構成を採用することによ
って、文字板21をムーブメント27に固定する。
【0041】この文字板足は太陽電池19に形成しなく
てもよく、さらに文字板足を形成した薄板と太陽電池を
形成したコバールの支持基板とを接着剤を用いて接合し
て、文字板21としてもよい。
【0042】その後、この文字板足を形成した面と反対
側の面の全面に、液状の塗布ガラス膜(SOG)を回転
塗布法により形成する。その後、温度300℃から40
0℃で焼成処理を行い、塗布ガラス膜中に含まれる溶媒
を蒸発させて、ガラス層(図示せず)を形成する。
【0043】このガラス層は1μmから2μmの膜厚で
形成し、この膜厚の制御は回転塗布法における回転数
や、塗布ガラス膜に含まれる溶媒量を調整して塗布ガラ
ス膜の粘度を調整することにより可能である。なおこの
塗布ガラス膜は、回転塗布法以外に、印刷法や、塗布ガ
ラス液中に基板を浸漬して形成するディップ法や、ロー
ルを用いて形成する方法によっても形成することができ
る。
【0044】つぎにスパッタリング装置を用いて、下部
電極(図示せず)を形成する。この下部電極はシリコン
を1重量%程度含むアルミニウムを用いる。この下部電
極はガラス層上に選択的に形成し、その膜厚は1μmと
する。
【0045】選択的に下部電極を形成するときは、メタ
ルマスクを使用する。このメタルマスクは薄板の金属材
料で構成し、下部電極を形成する領域に開口部を設け
る。そして開口部を形成したメタルマスクをコバールの
支持基板上に重ね、スパッタリング装置内に配置し、開
口内に下部電極を形成する。
【0046】さらに同じスパッタリング装置を用いて、
下部電極の上面にクロム(Cr)からなる拡散防止層
(図示せず)を、100nmの膜厚で形成する。この拡
散防止層は、下部電極と太陽電池として機能する半導体
層との相互拡散を防止する役割を有する。
【0047】この拡散防止層は、下部電極として高融点
金属や、高融点金属とシリコンとを合金膜を用いるとき
は、下部電極と半導体層との相互拡散を抑制することが
できるので、この拡散防止層の形成は省略することがで
きる。
【0048】つぎに拡散防止層の上面に、薄膜の非単結
晶シリコン膜からなり太陽電池として働く半導体層を、
メタルマスクを用いて選択的に形成する。
【0049】半導体層は、非単結晶シリコン膜としてア
モルファスシリコン膜で構成し、導電型としては、拡散
防止層側からn−i−p構造を採用する。
【0050】この半導体層の形成は、プラズマ化学的気
相成長装置を用いて行う。反応ガスとしてはシランガス
(SiH4 )を使用し、導電型がp型のアモルファスシ
リコンは不純物としてジボランガス(B2 H6 )を添加
して形成し、導電型がn型のアモルファスシリコンは不
純物としてフォスフィンガス(PH3 )を添加して形成
する。
【0051】なおi型のアモルファスシリコンは、不純
物を添加しないで形成すればよい。そしてp層、n層の
膜厚は、それぞれの50nm〜100nmとし、i層の
膜厚は50nm〜300nmとする。このp−i−n構
造のアモルファスシリコンからなる半導体層は、プラズ
マ化学的気相成長装置内で連続的に形成する。
【0052】このときパターニングする下部電極間のス
ペース寸法を大きくするか、あるいは半導体層の最下層
のn型の半導体層のシート抵抗値を108 Ωから1010
Ωとすると、隣接する半導体層19間のリーク電流を低
く抑えることが可能となり、全面に半導体層を形成する
ことができる。
【0053】つぎに半導体層の上面に透明電極膜として
酸化インジウムスズ(ITO)をスパッタリング装置を
用いて選択的に形成し、上部電極(図示せず)とする。
この上部電極は、半導体層の上面と拡散防止層に接続す
るように選択的に形成する。そして上部電極は、100
nmの膜厚で形成する。
【0054】選択的に上部電極を形成するときは、下部
電極と半導体層との形成方法と同じように、メタルマス
クを使用する。メタルマスクは薄板の金属材料からな
り、透明電極膜を形成する領域に、開口部を設ける。そ
して開口部を形成したメタルマスクを半導体層上に重
ね、スパッタリング装置内に配置し、開口内に酸化イン
ジウムスズを形成する。
【0055】その後、透過率が99%程度のアクリル樹
脂やエポキシ樹脂を回転塗布法によって全面に形成し、
温度200℃で焼成処理を行い、保護膜(図示せず)を
形成し、太陽電池19を形成することができる。この保
護膜は膜厚が2μmで形成する。そして、ケース25内
が気密性よく、水分の侵入がなく、湿度変化が小さけれ
ば、前述の保護膜の形成は省略することができる。
【0056】〔被覆部材の形成方法〕つぎにセラミック
する材料からなる被覆部材17の形成方法を説明する。
セラミック材料であるアルミナやジルコニアと、バイン
ダーとを混合したものを金型内に入れる。被覆部材17
の厚さ寸法は、後工程における表面研磨加工における加
工寸法を、あらかじめ見込んだ寸法とする。
【0057】ここでアルミナやジルコニアは、粒径が
0.3μmのものを使用し、バインダーは3.0%添加
する。さらにアルミナやジルコニアの純度は99.9%
以上のものを使用し、バインダーはポリビニールアルコ
ール(PVA)を使用する。
【0058】その後、セラミックス材料とバインダーと
を入れた金型に、プレス装置を使用して加圧処理を行
う。この加圧処理のときの圧力は、1トン/cm2 の条
件で行う。すると被覆部材17のブランクを形成するこ
とができる。
【0059】このとき加圧処理によって被覆部材17
は、外形形状だけでなく、位置規制を行う突起47や、
日付けや曜日を表示するための窓部や、筒車や筒カナや
秒針軸を突出するための中心穴41を同時に形成する。
さらに被覆部材17の内周面に装飾部材43を設ける場
合は、このとき装飾部材43を収納する段差部を形成す
る。
【0060】その後、第1の焼成処理を行って、セラミ
ックスに添加したポリビニールアルコールからなるバイ
ンダーを除去する。この第1の焼成処理は、1200℃
から1400℃程度の温度条件で、焼成時間は120分
で、焼成雰囲気は大気中で行う。このバインダーを除去
する第1の焼成処理によって、外形寸法は多少小さくな
るが、その厚さはほとんど変化しない。
【0061】その後、第1の焼成処理より高い温度で第
2の焼成処理を行う。この第2の焼成処理は、セラミッ
クスが溶融する温度である1500℃から1900℃の
温度で、焼成時間が300分の条件で行う。なお焼成雰
囲気は水素とする。
【0062】この第2の焼成処理においては、前述のよ
うに、セラミックス材料が溶融する温度で行うため、そ
の粒径は0.3μmより大きくなる。このセラミックス
の粒径の拡大処理により、被覆部材17の光の透過率を
大きくすることができる。この粒径の拡大処理による透
過率向上の原因は、被覆部材17を構成するセラミック
ス粒表面での反射光が低減できるためである。
【0063】その後、研削装置を用いて、被覆部材17
の表面に発生するうねりを除去し、その表面を平坦化す
る。この研削加工は両面同時加工、あるいは加工治具に
セラミックスをワックスを用いて貼り付けて片面加工に
よる方法がある。なお、研削加工はダイヤモンド砥粒や
ダイヤモンド砥石を用いて行う。
【0064】この研削加工における研削加工寸法として
は、0.3mm程度の厚さとする。すなわち金型による
加圧処理の終了時点のブランクでは、被覆部材17の最
終仕上がり寸法より、0.3mm程度厚い寸法に設定し
ておく。
【0065】その後、第2の焼成処理より低い温度であ
る1200℃から1400℃で、焼成時間が120分の
条件で、セラミックスの第3の焼成処理を行う。この第
3の焼成処理は水素中で行い、被覆部材17表面に付着
する汚れを除去する。
【0066】その後、バレル装置を用いて被覆部材17
をバレル加工する。なおこのバレル加工は、銅(Cu)
ボールを用いて行う。
【0067】このバレル加工によって、被覆部材17の
表面あらさが小さくなり、被覆部材17の光の透過率が
向上する。さらにバレル加工によって、被覆部材17の
外縁部やコーナー部に発生するバリを取ることができ、
さらにコーナー部に丸みを形成することができる。
【0068】その後、第2の焼成処理より低い温度であ
る1200℃から1400℃で、焼成時間が120分の
条件で、被覆部材17の第4の焼成処理を行って、被覆
部材17を形成することができる。なおこの第4の焼成
処理は水素中で行い、表面に付着する汚れを除去して、
表面の清浄化処理を行う。このようにして図1に示す被
覆部材17を形成することができる。
【0069】なお、以上説明した被覆部材17の製造工
程において、金型を用いて行うセラミックス材料の加圧
処理と第1と第2の焼成処理とにおいて、表面平坦性や
厚さばらつきを小さくすることができれば、厚さ制御と
表面平坦性のための研削加工と、この研削加工後の第3
の焼成処理とは省略することができる。
【0070】つぎに以上の説明と異なる構造の時計の構
造を、図3を用いて説明する。図3は本発明の実施形態
における被覆部材を収納する時計を示す断面図である。
この図3においては、図1の構成と同等の箇所には同一
の符号を付けている。なお以下の説明は、先の実施形態
との相違点を中心に説明し、さきの実施形態とおなじ構
成の説明は省略する。
【0071】図3に示す被覆部材17の構成は、さきの
実施形態と同じ構成を採用する。そしてその相違点は、
見切り31によって覆われる領域の被覆部材17に2つ
の貫通穴を設け、この貫通穴に文字板足45を設ける。
そしてこの文字板足45を用いてムーブメント27に対
する文字板21の位置を規制している。
【0072】さらに太陽電池19には、この文字板足4
5に対応する開口を設ける。そしてこの文字板足45の
側面からネジ止めしたり、あるいはムーブメント27に
設ける穴に文字板足45を押し込むことによって、ムー
ブメント27に被覆部材17と太陽電池19とを固定し
ている。
【0073】なお以上の実施形態の説明では、セラミッ
クスからなる被覆部材17は金型を用いて加圧処理によ
り形成したが、グリーンシートを用いてプレス加工しそ
の後焼成処理して形成したり、粉末射出成形により形成
しその後焼成処理して被覆部材17を形成してもよい。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の太陽電池を備える時計においては、風防ガラスとして
蛍光ガラスを使用している。この蛍光ガラスは、可視光
領域の光はそのまま透過するが、紫外光領域の光照射で
は、赤、緑、青、またはこれら赤・緑・青の組み合わせ
の色を発する特性をもち、さらにこの蛍光ガラスに波長
200nmから400nmの紫外光領域の光が照射され
ると、その蛍光色の波長の光を高効率で発し、その光が
太陽電池に照射されることとなる。
【0075】このように本発明における太陽電池を備え
る時計では、紫外光領域の光を可視光領域に変換した光
と、可視光領域の光とが太陽電池に照射されることにな
り、発電に寄与する光量が多くなる。したがって、太陽
電池に照射される光量が増加し、太陽電池における光起
電力が多くなる。
【0076】この結果、太陽電池面積が小さくならざる
を得ない時計においても、時刻表示手段を駆動するため
の充分な起電力が、本発明によってえられる。とくに、
時計ケースの小さな女性用の時計で、とくにその効果が
大きい。
【0077】さらに本発明の太陽電池を備える時計で
は、太陽電池を風防ガラスから見えるように構成する構
造と、太陽電池の受光面側に被覆部材を設け、太陽電池
を見えないように構成する構造とを採用する。この被覆
部材を設けることによって、太陽電池独特の濃紫色を見
えなくして、時計として装飾価値を格段に向上させるこ
とができる。この被覆部材としては、照射された光の1
/4から2/3を透過するような材料である、セラミッ
クスやプラスティックで構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における太陽電池を備える時
計の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における太陽電池を備える
時計の太陽電池素子の特性を示し、太陽電池に照射され
る光の波長と相対的な太陽電池の起電力との関係を示す
グラフである。
【図3】本発明の別の実施形態における太陽電池を備え
る時計の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11 基板 17 被覆部材 19 太陽電池 21 文字板 25 ケース 27 ムーブメント 31 見切り 43 装飾部材 47 突起部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風防ガラスを有するケースと、時刻を表
    示する時刻表示手段と、光照射によって起電力を発生す
    る太陽電池とを備え、 風防ガラスは蛍光ガラスを用いることを特徴とする太陽
    電池を備える時計。
  2. 【請求項2】 風防ガラスを有するケースと、時刻を表
    示する時刻表示手段指針と、光照射によって起電力を発
    生する太陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被覆
    部材とを備え、 風防ガラスは蛍光ガラスを用いることを特徴とする太陽
    電池を備える時計。
  3. 【請求項3】 時刻表示手段は、 指針によるアナログ表示手段であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の太陽電池を備える時計。
  4. 【請求項4】 時刻表示手段は、 デジタル表示手段であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の太陽電池を備える時計。
  5. 【請求項5】 時刻表示手段は、 指針によるアナログ表示手段とデジタル表示手段とを有
    することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電
    池を備える時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012014847A1 (ja) * 2010-07-26 2012-02-02 Tsujiuchi Yutaka 紫外線遮蔽および可視光増強方法、該方法を実現可能な紫外線遮蔽および可視光増強材料
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